文語訳舊約聖書(1953年版)(振り仮名付き)
章: 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36
民數紀略
27:1 茲にヨセフの子マナセの族の中なるヘペルの子ゼロペハデの女子等きたれりヘペルはギレアデの子ギレアデはマキルの子マキルはマナセの子なりその女子等の名はマアラ、ノア、ホグラ、ミルカ、テルザといふ
27:2 彼ら集會の幕屋の門にてモーセと祭司エレアザルと牧伯等と全會衆の前に立ち言けるは
27:3 我等の父は曠野に死り彼はかのコラに與して集りてヱホバに逆ひし者等の中に加はらず自己の罪に死り然るに男子なし
27:4 我らの父の名なんぞその男子あらざるがためにその族の中より削らるることある可んや我らの父の兄弟の中において我らにも?業を與へよと
27:5 モーセすなはちその事をヱホバの前に陳けるに
27:6 ヱホバ、モーセに告て言たまはく
27:7 ゼロペハデの女子等の言ところは道理なり汝かならず彼らの父の兄弟の中において彼らに?業を與へて獲さすべし即ちその父の?業をこれに歸せしむべし
27:8 汝イスラエルの子孫に告て言べし人もし男子なくして死ばその?業をこれが女子に歸せしむべし
27:9 もしまた女子もあらざる時はその?業をその兄弟に與ふべし
27:10 もし兄弟あらざる時はその?業をその父の兄弟に與ふべし
27:11 もしまたその父に兄弟あらざる時はその親戚の最も近き者にその?業を與へて獲さすべしヱホバのモーセに命ぜしごとくイスラエルの子孫は永く之をもて律法の例とすべし
27:12 茲にヱホバ、モーセに言たまはく汝このアバリム山にのぼり我イスラエルの子孫に與へし地を觀よ
27:13 汝これを觀なばアロンの?に加はりしごとく汝もその民に加はるべし
27:14 是チンの曠野において會衆の爭論をなせる砌に汝らわが命に悸りかの水の側にて我の聖き事をかれらの目のまへに顯すことを爲ざりしが故なり是すなはちチンの曠野のカデシにあるメリバの水なり
27:15 モーセ、ヱホバに申して言けるは
27:16 ヱホバ一切の血肉ある者の生命の神よ願くはこの會衆の上に一人を立て
27:17 之をして彼等の前に出かれらの前に入り彼らを導き出し彼らを導き入る者とならしめヱホバの會衆をして牧者なき羊のごとくならざらしめたまへ
27:18 ヱホバ、モーセに言たまはくヌンの子ヨシユアといふ霊のやどれる人を取り汝の手をその上に按き
27:19 これを祭司エレアザルと全會衆の前に立せて彼らの前にて之に命ずる事をなすべし
27:20 汝これに自己の尊榮を分ち與ヘイスラエルの子孫の全會衆をしてこれに順がはしむべし
27:21 彼は祭司エレアザルの前に立べしエレアザルはウリムをもて彼のためにヱホバの前に問ことを爲べしヨシユアとイスラエルの子孫すなはちその全會衆はエレアザルの言にしたがひて出でエレアザルの言にしたがひて入べし
27:22 是においてモーセはヱホバの己に命じたまへるごとく爲しヨシユアを取て之を祭司エレアザルと全會衆の前に立せ
27:23 その手をこれが上に按き之に命ずることを爲しヱホバのモーセをもて命じたまへる如くなせり
28:1 ヱホバ、モーセに告て言たまはく
28:2 イスラエルの子孫に命じて之に言へわが禮物わが食物なる火祭わが馨香の物は汝らこれをその期にいたりて我に献ぐることを怠るべからず
28:3 汝かれらに言べし汝らがヱホバに献ぐる火祭は是なり即ち當歳の全たき羔羊二匹を日々に献げて常燔祭となすべし
28:4 即ち一匹の羔羊を朝に献げ一匹の羔羊を夕に献ぐべし
28:5 また麥粉一エパの十分の一に搗て取たる油一ヒンの四分の一を混和て素祭となすべし
28:6 是すなはちシナイ山において定めたる常燔祭にしてヱホバに馨しき香としてたてまつる火祭なり
28:7 またその灌祭は羔羊一匹に一ヒンの四分の一を用ふべし即ち聖所において濃酒をヱホバのために灌ぎて灌祭となすべし
28:8 夕にはまた今一の羔羊を献ぐべしその素祭と灌祭とは朝のごとくになし之を献げて火祭となしてヱホバに馨しき香をたてまつるべし
28:9 また安息日には當歳の羔羊の全き者二匹と麥粉十分の二に油をまじへたるその素祭とその灌祭を献ぐべし
28:10 是すなはち安息日ごとの燔祭にして常燔祭とその灌祭の外なる者なり
28:11 また汝ら月々の朔日には燔祭をヱホバに献ぐべし即ち少き牡牛二匹牡羊一匹當歳の羔羊の全き者七匹を献げ
28:12 牡牛一匹には麥粉十分の三に油を和たるをもてその素祭となし牡羊一匹には麥粉十分の二に油をまじへたるをもてその素祭となし
28:13 羔羊一匹には麥粉十分の一に油を混和たるをもてその素祭となし之を馨しき香の燔祭としてヱホバに火祭をたてまつるべし
28:14 またその灌祭は牡牛一匹に酒一ヒンの半牡羊一匹に一ヒンの三分の一羔羊一匹に一ヒンの四分の一を用ふべし是すなはち年の月々の中月ごとに献ぐべき燔祭なり
28:15 また常燔祭とその灌祭の外に牡山羊一匹を罪祭としてヱホバに献ぐべし
28:16 正月の十四日はヱホバの逾越節なり
28:17 またその月の十五日は節日なり七日の間酵いれぬパンを食ふべし
28:18 その首の日には聖會をひらくべし汝等何の職業をも爲べからず
28:19 汝ら火祭を献げてヱホバに燔祭たらしむるには少き牡牛二匹牡羊一匹當歳の羔羊七匹をもてすべし是等は皆全き者なるべし
28:20 その素祭には麥粉に油を和たるを用べし即ち牡牛一匹には麥粉十分の三を献げ牡羊一匹には十分の二を献げ
28:21 また羔羊は七匹ともその羔羊一匹ごとに十分の一を献ぐべし
28:22 また牡山羊一匹を罪祭に献げて汝らのために贖罪をなすべし
28:23 朝に献ぐる常燔祭なる燔祭の外に汝ら是らを献ぐべし
28:24 是のごとく汝ら七日の間日ごとに火祭の食物を献げてヱホバに馨しき香をたてまつるべし是は常燔祭とその灌祭の外に献ぐべき者なり
28:25 而して第七日には汝ら聖會を開くべし何の職業をち爲べからず
28:26 七七日の後すなはち汝らが新しき素祭をヱホバに携へきたる初穂の日にも汝ら聖會を開くべし何の職業をも爲べからず
28:27 汝ら燔祭を献げてヱホバに馨しき香をたてまつるべし即ち少き牡牛二匹牡羊一匹當歳の羔羊七匹を献ぐべし
28:28 その素祭には麥粉に油を混和たるを用ふべし即ち牡牛一匹に十分の三牡羊一匹に十分の二を用ひ
28:29 また羔羊には七匹ともに羔羊一匹に十分の一を用ふべし
28:30 また牡山羊一匹をささげて汝らのために贖罪をなすべし
28:31 汝ら常燔祭とその素祭とその灌祭の外に是等を献ぐべし是みな全き者なるべし
29:1 七月にいたりその月の朔日に汝ら聖會を開くべし何の職業をも爲べからず是は汝らが喇叭を吹べき日なり
29:2 汝ら燔祭をささげてヱホバに馨しき香をたてまつるべし即ち少き牡牛一匹牡羊一匹當歳の羔羊の全き者七匹を献ぐべし
29:3 その素祭には麥粉に油を混和たるを用ふべし即ぢ牡牛一匹に十分の三牡羊一匹に十分の二をもちひ
29:4 また羔羊には七匹とも羔羊一匹に十分の一を用ふべし
29:5 また牡山羊一匹を罪祭に献げて汝らのために贖罪をなすべし
29:6 是は月々の朔日の燔祭とその素祭および日々の燔祭とその素祭と灌祭の外なる者なり是らの物の例にしたがひて之をヱホバにたてまつりて馨しき香の火祭となすべし
29:7 またその七月の十日に汝ら聖會を開きかつ汝らの身をなやますべし何の職業をも爲べからず
29:8 汝らヱホバに燔祭を献げて馨しき香をたてまつるべし即ち少き牡牛一匹牡羊一匹當歳の羔羊七匹是みな全き者なるべし
29:9 その素祭には麥粉に油を混和たるを用ふべし即ち牡牛一匹に十分の三牡羊一匹に十分の二を用ひ
29:10 また羔羊には七匹とも羔羊一匹に十分の一を用ふべし
29:11 また牡山羊一匹を罪祭に献ぐべし是等は贖罪の罪祭と常燔祭とその素祭と灌祭の外なる者なり
29:12 七月の十五日に汝ら聖會を開くべし何の職業をも爲べからず汝ら七日の間ヱホバに向て節筵を守るべし
29:13 汝ら燔祭を献げてヱホバに馨しき香の火祭をたてまつるべし即ち少き牡牛十三牡羊二匹當歳の羔羊十四是みな全き者なるべし
29:14 その素祭には麥粉に油を混和たるを用ふべし即ちその十三の牡牛には各箇十分の三その二匹の牡羊には各箇十分の二を用ひ
29:15 その十四の羔羊には各箇十分の一を用ふべし
29:16 また牡山羊一匹を罪祭に献ぐべし是等は常燔祭およびその素祭と灌祭の外なり
29:17 第二日には少き牡牛十二牡羊二匹當歳の羔羊の全き者十四を献ぐべし
29:18 その牡牛と牡羊と羔羊のために用ふる素祭と灌祭はその數に循ひて例のごとくすべし
29:19 また牡山羊一匹を罪祭に献ぐべし是らは常燔祭およびその素祭と灌祭の外なり
29:20 第三日には少き牡牛十一牡羊二匹當歳の羔羊の全き者十四を献ぐべし
29:21 その牡牛と牡羊と羔羊のために用ふる素祭と灌祭はその數に循ひて例のごとくすべし
29:22 また牡山羊一匹を罪祭に献ぐべし是らは常燔祭およびその素祭と灌祭の外なり
29:23 第四日には少き牡牛十匹牡羊二匹當歳の羔羊の全き者十四を献ぐべし
29:24 その牡牛と牡羊と羔羊のために用ふる素祭と灌祭はその數に循ひて例のごとくすべし
29:25 また牡山羊一匹を罪祭に献ぐべし是等は常燔祭およびその素祭と灌祭の外なり
29:26 第五日には少き牡牛九匹牡羊二匹當歳の羔羊の全き者十四を献ぐべし
29:27 その牡牛と牡羊と羔羊のために用ふる素祭と灌祭はその數にしたがひて例のごとくすべし
29:28 また牡山羊一匹を罪祭に献ぐべし是らは常燔祭およびその素祭と灌祭の外なり
29:29 第六日には少き牡牛八匹牡羊二匹當歳の羔羊の全き者十四を献ぐべし
29:30 その牡牛と牡羊と羔羊のために用ふる素祭と灌祭はその數にしたがひて例のごとくすべし
29:31 また牡山羊一匹を罪祭に献ぐべし是等は常燔祭およびその素祭と灌祭の外なり
29:32 第七日には少き牡牛七匹牡羊二匹當歳の羔羊の全き者十四を献ぐべし
29:33 その牡牛と牡羊と羔羊のために用ふる素祭と灌祭はその數にしたがひて例のごとくすべし
29:34 また牡山羊一匹を罪祭に献ぐべし是等は常燔祭およびその素祭と灌祭の外なり
29:35 第八日にはまた汝ら會をひらくべし何の職業をも爲べからず
29:36 燔祭を献げてヱホバに馨しき香の火祭をたてまつるべし即ち牡牛一匹牡羊一匹當歳の羔羊の全き者七匹を献ぐべし
29:37 その牡牛と牡羊と羔羊のために用ふる素祭と灌祭はその數にしたがひて例のごとくすべし
29:38 また牡山羊一匹を罪祭に献ぐべし是らは常燔祭およびその素祭と灌祭の外なり
29:39 汝らその節期にはヱホバに斯なすべし是らは皆汝らが願還のために献げまたは自意の禮物として献ぐる所の燔祭素祭灌祭および酬恩祭の外なり
29:40 モーセはヱホバのモーセに命じたまへる事をことごとくイスラエルの子孫に告たり
30:1 モーセ、イスラエルの子孫の支派の長等に告て云ふヱホバの命じたまふ事は是のごとし
30:2 人もしヱホバに誓願をかけ又はその身に斷物をなさんと誓ひなばその言詞を破るべからずその口より出ししごとく凡て爲べし
30:3 また女もし若くしてその父の家に居る時ヱホバに誓願をかけ又はその身斷物を爲ことあらんに
30:4 その父これが誓願またはその身に斷し斷物を聞て之にむかひて言ふこと無ば其かけたる誓願を行ひまたその身に斷し斷物を守るべし
30:5 然どその父これを聞る日に之を允さざるあらばその誓願およびその身に斷し斷物を凡て止ることを得べしその父の允さざるなればヱホバこれを赦したまふなり
30:6 もしまた夫に適く身にして自ら誓願をかけまたはその身に斷物せんと軽々しく口より言いだすことあらんに
30:7 その夫これを聞もそのこれを聞る日にこれに向ひて言ふこと無ばその誓願を行ひその身に斷し斷物を守るべし
30:8 されど夫もし之を聞る日にこれを允さざるならば之がかけし誓願または之がその身に斷物せんと軽々しく口に出ししところの事を空うするを得べしヱホバはその女を赦したまふなり
30:9 また寡婦あるひは去れたる婦人の誓願など凡てその身になしし斷物はこれを守るべし
30:10 婦女もしその夫の家において誓願をかけ又はその身に斷物せんと誓ふことあらんに
30:11 夫これを聞てこれに對ひて言ふことなく之を允さざること無ばその誓願は凡てこれを行ふべくその身に斷し斷物は凡てこれを守るべし
30:12 然どその夫もしこれを聞る日に全くこれを空うせばその誓願またはその斷物につき口より出しし事は凡て守るに及ばずその夫これを空くなしたるなればヱホバその婦女を赦したまふなり
30:13 凡の誓願および凡てその身をなやますところの誓約は夫これを堅うすることを得夫これを空うすることを得べし
30:14 その夫もし之にむかひて言ふことなくして日をおくらば之が誓願またはこれが斷物を凡て堅うするなり彼これを聞る日に妻にむかひて言ふことを爲ざるに因て之を堅うせるなり
30:15 然どその夫もしこれを聞たる後にいたりてこれを空うする事あらばその妻の罪を任べし
30:16 是すなはちヱホバがモーセに命じたまへる法令にして夫と妻および父とその女子の少くして父の家にある者とにかかはる者なり
31:1 茲にヱホバ、モーセに告て言たまはく
31:2 汝イスラエルの子孫の仇をミデアン人に報ゆべし其後汝はその民に加はらん
31:3 モーセすなはち民に告て言けるは汝らの中より人を選みて戰爭にいづる准備をなさしめ之をしてミデアン人に攻ゆかしめてヱホバの仇をミデアン人に報ゆべし
31:4 即ちイスラエルの諸の支派につきて各々の支派より千人づつを取りこれを戰爭につかはすべしと
31:5 是において各々の支派より千人づつを選みイスラエルの衆軍の中より一萬二千人を得て戰爭にいづる准備をなさしむ
31:6 モーセすなはち各々の支派より千人宛を戰爭に遣しまた祭司エレアザルの子ピネハスに聖器と吹鳴す喇叭を執しめて之とともに戰爭に遣せり
31:7 彼らヱホバのモーセに命じたまへるごとくミデアン人を攻撃ち遂にその中の男子をことごとく殺せり
31:8 その殺しし者の外にまたミデアンの王五人を殺せりそのミデアンの王等はエビ、レケム、ツル、ホル、レバといふまたベオルの子バラムをも劍にかけて殺せり
31:9 イスラエルの子孫すなはちミデアンの婦女等とその子女を生擒りその家畜と羊の群とその貨財をことごとく奪ひ取り
31:10 その住居の邑々とその村々とを盡く火にて燒り
31:11 かくて彼等はその奪ひし物と掠めし物を人と畜ともに取り
31:12 ヱリコに對するヨルダンの邊なるモアブの平野の營にその生擒し者と掠めし物と奪ひし物とを携へきたりてモーセと祭司エレアザルとイスラエルの子孫の會衆に詣れり
31:13 時にモーセと祭司エレアザルおよび會衆の牧伯等みな營の外に出て之を迎へたりしが
31:14 モーセはその軍勢の領袖等すなはち戰爭より歸りきたれる千人の長等と百人の長等のなせる所を怒れり
31:15 モーセすなはち彼等に言けるは汝らは婦女等をことごとく生し存しや
31:16 視よ是等の者はバラムの謀計によりイスラエルの子孫をしてペオルの事においてヱホバに罪を犯さしめ遂にヱホバの會衆の中に疫病おこるにいたらしめたり
31:17 然ばこの子等の中の男の子を盡く殺しまた男と寝て男しれる婦人を盡く殺せ
31:18 但し未だ男と寝て男しれる事あらざる女の子はこれを汝らのために生し存べし
31:19 而して汝らは七日の間營の外に居れ汝らの中凡そ人を殺せし者または殺されし者に捫りたる者は第三日と第七日にその身を潔め且その俘囚を潔むべし
31:20 また一切の衣服と一切の皮の器具および凡て山羊の毛にて作れる物と凡て木にて造れる物を潔むべしと
31:21 祭司エレアザル戰にいでし軍人等に言けるはヱホバのモーセに命じたまへる律法の例は是のごとし
31:22 金銀銅鐵錫鉛など
31:23 凡て火に勝る物は火の中を通すべし然せば潔くならん然ながら尚また潔淨の水をもてこれを潔むべしまた凡て火に勝ざる者は水の中を通すべし
31:24 汝等は第七日にその衣服を洗ひて潔くなり然る後營にいるべし
31:25 その時ヱホバ、モーセに告て言たまはく
31:26 汝と祭司エレアザルおよび會衆の族長等この取獲たる人と畜の總數をしらべ
31:27 その獲物を二分に分てその一を戰爭にいでて戰ひし者に予へその一を全會衆に予へよ
31:28 而して戰ひに出し軍人をして人または牛または驢馬または羊おのおの五百ごとに一をとりてヱホバに貢として奉つらしめよ
31:29 即ち彼らの一半より之をとりヱホバの擧祭として祭司エレアザルに與へよ
31:30 またイスラエルの子孫の一半よりはその獲たる人または牛または驢馬または羊または種々の獣畜五十ごとに一を取りヱホバの幕屋の職守を守るところのレビ人にこれを與へよと
31:31 モーセと祭司エレアザルすなはちヱホバのモーセに命じたまへるごとく爲り
31:32 その掠取物すなはち軍人等が奪ひ獲たる物の殘餘は羊六十七萬五千
31:33 牛七萬二千
31:34 驢馬六萬一千
31:35 人三萬二千是みな未だ男と寝て男しれる事あらざる女なり
31:36 その一半すなはち戰爭にいでし者の分は羊三十三萬七千五百
31:37 ヱホバに貢として奉つれる羊は六百七十五
31:38 牛三萬六千その中よりヱホバに貢とせし者は七十二
31:39 驢馬三萬五百その中よりヱホバに貢とせし者は六十一
31:40 人一萬六千その中よりヱホバに貢とせし者は三十二人
31:41 モーセその貢すなはちヱホバの擧祭なる者を祭司エレアザルに與へたりヱホバのモーセに命じたまへる如し
31:42 モーセが戰爭に出しものより分ちとりてイスラエルの子孫に予へし一半
31:43 すなはち會衆に屬する一半は羊三十三萬七千五百
31:44 牛三萬六千
31:45 驢馬三萬五百
31:46 人一萬六千
31:47 すなはちイスラエルの子孫のその一半よりモーセ人と畜ともに各箇五十ごとに一を取りヱホバの幕屋の職守をまもるレビ人に之を與へたりヱホバのモーセに命じたまへるごとし
31:48 時に其軍勢の帥士たりし者等すなはち千人の長百人の長等モーセにきたり
31:49 モーセに言けるは僕等我らの手に屬する軍人を數へたるにわれらの中一人も缺たる者なし
31:50 是をもて我ら各人その獲たる金の飾品すなはち鏈子釧指鐶耳環頸玉等をヱホバに携へきたりて禮物となし之をもて我らの生命のためにヱホバの前に贖罪をなさんとすと
31:51 モーセと祭司エレアザルすなはち彼らよりその金を受たり是みな製り成る飾品なりき
31:52 千人の長と百人の長たちがヱホバに献げて擧祭となせしその金は都合一萬六千七百五十シケル
31:53 軍人は各箇その掠取物をもて自分の有となせり
31:54 モーセと祭司エレアザルは千人の長と百人の長等よりその金を受て集會の幕屋に携へいりヱホバの前におきてイスラエルの子孫の記念とならしむ
32:1 ルベンの子孫とガドの子孫は甚だ多くの家畜の群を有り彼等ヤゼルの地とギレアデの地を觀るにその處は家畜に適き所なりければ
32:2 ガドの子孫とルベンの子孫來りてモーセと祭司エレアザルと會衆の牧伯等に言けるは
32:3 アタロテ、デボン、ヤゼル、ニムラ、ヘシボン、エレアレ、シバム、ネボ、ベオン
32:4 即ちヱホバがイスラエルの會衆の前に撃ほろぼしたまひし國は家畜に適き所なるが我らは家畜あり
32:5 また曰ふ然ば我らもし汝の目の前に恩を獲たらば請ふこの地を僕等に與へて?業となさしめ我らをしてヨルダンを濟ること無らしめよと斯いへり
32:6 モーセ、ガドの子孫とルベンの子孫に言けるは汝らの兄弟たちは戰ひに往に汝らは此に坐しをらんとするや
32:7 汝ら何ぞイスラエルの子孫の心を挫きてヱホバのこれに賜ひし地に濟ることを得ざらしめんとするや
32:8 汝らの先祖等も我がカデシバルネアより其地を觀に遣せし時に然なせり
32:9 即ち彼らエシコルの谷に至りて其地を觀し時イスラエルの子孫の心を挫きて之をしてヱホバの賜ひし地に往ことを得ざらしめたり
32:10 その時ヱホバ怒を發し誓ひて言たまひけらく
32:11 エジプトより出きたれる人々の二十歳以上なる者は一人も我がアブラハム、イサク、ヤコブに誓ひたる地を見ざるべし其はかれら我に全くは從はざればなり
32:12 第ケナズ人ヱフンネの子カルブとヌンの子ヨシユアとを除く此二人はヱホバに全く從ひたればなり
32:13 ヱホバかくイスラエルにむかひて怒を發し之をして四十年のあひだ曠野にさまよはしめたまひければヱホバの前に惡をなししその代の人みな終に亡ぶるに至れり
32:14 抑汝らはその父に代りて起れる者即ち罪人の種にしてヱホバのイスラエルにむかひて懐たまふ烈しき怒を更に増んとするなり
32:15 汝ら若反きてヱホバに從はずばヱホバまたこの民を曠野に遺おきたまはん然せば汝等すなはちこの民を滅ぼすにいたるべし
32:16 彼らモーセの側に進みよりて言けるは我らは此に我らの群のために羊の圈を建我らの少者のために邑を建んとす
32:17 然ど我らはイスラエルの子孫をその處に導きゆくまでは身をよろひて之が前に奮ひ進まん第われらの少者はこの國に住る者等のために堅固なる邑に居ざるを得ず
32:18 我らはイスラエルの子孫が皆おのおのその?業を獲までは我らの家に歸らじ
32:19 我らはヨルダンの彼旁において彼らと偕に?業を獲ことを爲じ我らはヨルダンの此旁すなはち東の方に?業を獲ればなり
32:20 モーセかれらに言けるは汝らもしこの事を爲し汝らみな身をよろひてヱホバの前に往て戰ひ
32:21 汝ら皆身をよろひヱホバの前にゆきてヨルダンを濟りヱホバのその敵を己の前より逐はらひたまひて
32:22 この國のヱホバに服ふにおよびて後汝ら歸ばヱホバの前にもイスラエルの前にも汝ら罪なかるべし然せばこの地はヱホバの前において汝らの?業とならん
32:23 然ど汝らもし然せずば是ヱホバにむかひて罪を犯すなれば必ずその罪汝らの身におよぶと知べし
32:24 汝らその少者のために邑を建てその羊のために圈を建よ而して汝らの口より出せるところを爲せ
32:25 ガドの子孫とルベンの子孫モーセにこたへて言けるはわが主の命じたまふごとく僕等行ふべし
32:26 我らの少者と妻と羊と諸の家畜は此にギレアデの邑々に居べし
32:27 然ど僕等はおのおの戰爭のために身をよろひてわが主の言たまふ如くヱホバの前に渉りゆきて戰ふべし
32:28 是においてモーセかれらの爲に祭司エレアザルとヌンの子ヨシユアとイスラエルの支派の族長等に命ずる事ありき
32:29 すなはちモーセかれらに言けるはガドの子孫とルベンの子孫もし汝らとともにヨルダンを濟りゆき各箇身をよろひてヱホバの前に戰ひてこの地汝らに服ふにいたらば汝らギレアデの地をかれらに與へて?業となさしむべし
32:30 然ど彼らもし汝らとともに身をよろひて濟りゆかずば彼らはカナンの地に於て汝らの中に?業を獲ざる可らず
32:31 ガドの子孫とルベンの子孫こたへて言ふヱホバが僕等に言たまふごとく我ら爲べし
32:32 我らは身をよろひてヱホバの前にカナンの地に濟りゆきヨルダンの此旁なる我らの?業を保つことを爲べし
32:33 是においてモーセはアモリ人の王シホンの國とバシヤンの王オグの國をもてガドの子孫とルベンの子孫とヨセフの子マナセの支派の半とに與へたり即ちその國およびその境の内の邑々とその邑々の周圍の地とを之に與ふ
32:34 ガドの子孫はデボン、アタロテ、アロエル
32:35 アテロテ、シヨバン、ヤゼル、ヨグベハ
32:36 ベテニムラ、ベテハランなどの堅固なる邑を建て羊のために圈を建たり
32:37 またルベンの子孫はヘシボン、エレアレ、キリヤタイム
32:38 ネボ、バアルメオン等の邑を建てその名を更めまたシブマの邑を建たりその建たる邑々には新しき名をつけたり
32:39 またマナセの子マキルの子孫はギレアデに至りてこれを取り其處にをりしアモリ人を逐はらひければ
32:40 モーセ、ギレアデをマナセの子マキルに與へて其處に住しむ
32:41 またマナセの子ヤイルは往てその村々を取りこれをハヲテヤイル(ヤイル村)と名けたり
32:42 またノバは往てケナテとその村々を取り自己の名にしたがひて之をノバと名けたり
33:1 イスラエルの子孫がモーセとアロンに導かれ其軍旅にしたがひてエジプトの國より出きたりて經たる旅路は左のごとし
33:2 モーセ、ヱホバの命に依りその旅路にしたがひてこれが發程を記せりその發程によればその旅路は左のごとくなり
33:3 彼らは正月の十五日にラメセスより出立り即ぢ逾越の翌日にイスラエルの子孫は一切のエジプト人の目の前にて高らかなる手によりて出たり
33:4 時にエジプト人はヱホバに撃ころされし其長子を葬りて居りヱホバはまた彼らの神々にも罰をかうむらせたまへり
33:5 イスラエルの子孫ラメセスより出立てスコテに營を張り
33:6 スコテより出立て曠野の極端なるエタムに營を張り
33:7 エタムより出立てバアルゼポンの前なるピハヒロテに轉りゆきてミグドルに營を張り
33:8 ピハヒロテの前より出立ち海の中を通りて曠野にいりエタムの曠野に三日路ほど入てメラに營を張り
33:9 メラより出立てヱリムに至れりエリムには泉十二棕櫚七十本あり乃ち此に營を張り
33:10 かくてエリムより出たちて紅海の邊に營を張り
33:11 紅海より出たちてシンの曠野に營を張り
33:12 シンの曠野より出たちてドフカに營を張り
33:13 ドフカより出たちてアルシに營を張り
33:14 アルシより出たちてレピデムに營を張り此には民の飮む水あらざりき
33:15 かくてレピデムより出たちてシナイの曠野に營を張り
33:16 シナイの曠野より出たちてキブロテハッタワに營を張り
33:17 キブロテハッタワより出たちてハゼロテに營を張り
33:18 ハゼロテより出たちてリテマに營を張り
33:19 リテマより出たちてリンモンバレツに營を張り
33:20 リンモンパレツより出たちてリブナに營を張り
33:21 リブナより出たちてリッサに營を張り
33:22 リッサより出たちてケヘラタに營を張り
33:23 ケヘラタより出たちてシヤペル山に營を張り
33:24 シヤペル山より出たちてハラダに營を張り
33:25 ハラダより出たちてマケロテに營を張り
33:26 マケロテより出たちてタハテに營を張り
33:27 タハテより出たちてテラに營を張り
33:28 テラより出たちてミテカに營を張り
33:29 ミテカより出たちてハシモナに營を張り
33:30 ハシモナより出たちてモセラに營を張り
33:31 モセラより出たちてベネヤカンに營を張り
33:32 ベネヤカンより出たちてホルハギデガデに營を張り
33:33 ホルハギデガデより出たちてヨテバタに營を張り
33:34 ヨテバタより出たちてアブロナに營を張り
33:35 アブロナより出たちてエジオングベルに營を張り
33:36 エジオングベルより出たちてカデシのチンの曠野に營を張り
33:37 カデシより出たちてエドムの國の界なるホル山に營を張り
33:38 イスラエルの子孫がエジプトの國を出てより四十年の五月の朔日に祭司アロンはヱホバの命によりてホル山に登て其處に死り
33:39 アロンはホル山に死たる時は百二十三歳なりき
33:40 カナンの地の南に住るカナン人アラデ王といふ者イスラエルの子孫の來るを聞り
33:41 かくてホル山より出たちてザルモナに營を張り
33:42 ザルモナより出立てプノンに營を張り
33:43 プノンより出たちてオボテに營を張り
33:44 オボテより出たちてモアブの界なるイヱアバリムに營を張り
33:45 イヰムより出たちてデボンガドに營を張り
33:46 デボンガドより出たちてアルモンデブラタイムに營を張り
33:47 アルモンデブラタイムより出たちてネボの前なるアバリムの山々に營を張り
33:48 アバリムの山々より出たちてヱリコに對するヨルダンの邊なるモアブの平野に營を張り
33:49 すなはちモアブの平野においてヨルダンの邊に營を張りベテヱシモテよりアベルシッテムにいたる
33:50 ヱリコに對するヨルダンの邊なるモアブの平野においてヱホバ、モーセに告て言たまはく
33:51 イスラエルの子孫に告てこれに言へ汝らヨルダンを濟りてカナンの地に入る時は
33:52 その地に住る民をことごとく汝らの前より逐はらひその石の像をことごとく毀ちその鋳たる像を毀ちその崇邱をことごとく毀ちつくすべし
33:53 汝らその地の民を逐はらひて其處に住べし其は我その地を汝らの?業として汝らに與へたればなり
33:54 汝らの族にしたがひ鬮をもてその地を分ちて?業となし人多きには多くの?業を與へ人少きには少しの?業を與ふべし各人の分はその鬮にあたれる處にあるべきなり汝らその先祖の支派にしたがひて之を獲べし
33:55 然ど汝らもしその地に住る民を汝らの前より逐はらはずば汝らが存しおくところの者汝らの目に?となり汝の脇に棘となり汝らの住む國において汝らを惱さん
33:56 且また我は彼らに爲んと思ひし事を汝らに爲ん
34:1 ヱホバ、モーセに告て言たまはく
34:2 イスラエルの子孫に告てこれに言へ汝らがカナンの地にいる時に汝らに歸して?業となる地は是なり即ち是カナンの地その境に循へる者
34:3 汝らの南の方はエドムに接すろチンの曠野より起り南の界は鹽海の極端より東の方にいたるべし
34:4 また汝らの界は南より繞りてアクラビムの坂にいたりてチンに赴き南よりカデシバルネアに亘りハザルアダルに進みアズモンに赴くべし
34:5 その界はまたアズモンより繞りてエジプトの河にいたり海におよびて盡べし
34:6 西の界においては大海をもてその界とすべし是を汝らの西の界とす
34:7 汝らの北の界は是のごとし即ち大海よりホル山までを畫り
34:8 ホル山よりハマテの入口までを畫りその界をしてゼダデまで亘らしむべし
34:9 またその界はジフロンに進みハザルエノンにいたりて盡べし是を汝らの北の界とす
34:10 汝らの東の界はハザルエノンよりシバムまでを畫るべし
34:11 またその界はアインの東の方においてシバムよりリブラに下りゆくべし斯その界は下りてキンネレテの海の東の傍に抵り
34:12 その界ヨルダンに下りゆきて鹽海におよびて盡べし汝らの國はその周圍の界に依ば是のごとくなるべし
34:13 モーセ、イスラエルの子孫に命じて言けるは是すなはち汝らが鬮をもて獲べき地なりヱホバこれを九の支派と半支派とに與へよと命じたまふ
34:14 そはルベンの子孫の支派とガドの子孫の支派はともにその宗族にしたがひてその?業を受けまたマナセの半支派もその?業を受たればなり
34:15 この二の支派と半支派とはヱリコに對するヨルダンの彼旁すなはちその東日の出る方においてその?業を受たり
34:16 ヱホバまたモーセに告て言たまはく
34:17 汝らに地を分つ人々の名は是なり即ち祭司エレアザルとヌンの子ヨシユア
34:18 汝らまた各箇の支派より牧伯一人づつを簡びて地を分つことを爲しむべし
34:19 その人々の名は是のごとしユダの支派にてはエフンネの子カルブ
34:20 シメオンの子孫の支派にてはアミホデの子サムエル
34:21 ベニヤミンの支派にてはキスロンの子エリダデ
34:22 ダンの子孫の支派の牧伯はヨグリの子ブッキ
34:23 ヨセフの子孫すなはちマナセの子孫の支派の牧伯はエポデの子ハニエル
34:24 エフライムの子孫の支派の牧伯はシフタンの子ケムエル
34:25 ゼブルンの子孫の支派の牧伯はパルナクの子エリザバン
34:26 イッサカルの子孫の支派の牧伯はアザンの子パルテエル
34:27 アセルの子孫の支派の牧伯はシロミの子アヒウデ
34:28 ナフタリの子孫の支派の牧伯はアミホデの子パダヘル
34:29 カナンの地においてイスラエルの子孫に?業を分つことをヱホバの命じたまへる人は是のごとし
35:1 ヱリコに對するヨルダンの邊なるモアブの平野においてヱホバ、モーセに告て言たまはく
35:2 イスラエルの子孫に命じてその獲たる?業の中よりレビ人に住べき邑々を與へしめよ汝らまたその邑々の周圍に郊地をつけてレビ人に與ふべし
35:3 その邑々は彼らの住べき所その郊地は彼らの家畜貨財および諸の獣をおくところたるべし
35:4 汝らがレビ人に與ふる邑々の郊地は邑の石垣より外四周一千キユビトなるべし
35:5 すなはち邑の外に於て東の方に二千キユビト南の方に二千キユビト西の方に二千キユビト北の方に二千キユビトを量り邑をその中にあらしむべし彼らの邑の郊地は是のごとくなるべし
35:6 汝らがレビ人に與ふる邑々は是のごとくなるべし即ち逃遁邑六を與ふべし是は人を殺せる者の其處に逃るべきための者なり此外にまた邑四十二を與ふべし
35:7 汝らがレビ人に與ふる邑は都合四十八邑これを其郊地とともに與ふべし
35:8 汝らイスラエルの子孫の?業の中よりレビ人に邑を與ふるには多く有る者は多く與へ少く有る者は少く與へ各人その獲たる?業にしたがひてその邑々を之に與ふべし
35:9 ヱホバまたモーセに告て言たまはく
35:10 イスラエルの子孫に告てこれに言へ汝らヨルダンを濟りてカナンの地に入ば
35:11 汝らのために邑を設けて逃遁邑と爲し誤りて人を殺せる者をして其處に逃るべからしむべし
35:12 其は汝らが仇打する者を避て逃るべき邑なり是あるは人を殺せる者が未だ會衆の前にたちて審判をうけざる先に殺さるること無らんためなり
35:13 汝らが予ふる邑々の中六をもて逃遁邑とすべし
35:14 すなはち汝らヨルダンの此旁において三の邑を予ヘカーナンの地において三の邑を予へて逃遁邑となすべし
35:15 この六の邑はイスラエルの子孫と他國人およびその中に寄寓る者の逃遁場たるべし凡て誤りて人を殺せる者は其處に逃るることを得べし
35:16 もし鐵の器をもて人を撃て死しめなば是故殺なり故殺人はかならず殺さるべし
35:17 もし人を殺すほどの石を執て人を撃て死しめなば是故殺なり故殺人はかならず殺さるべし
35:18 また人を殺すほどの木の器をとりて人を撃て死しめなば是故殺なり故殺人はかならず殺さるべし
35:19 仇を打つ者その故殺人を殺すことを得すなはち之に遭ふところにて之を殺すことを得るなり
35:20 もしまた怨恨のために人を推しまたは意ありて人に物を投うちて死しめ
35:21 または敵の心を挾さみ手をもて人を撃て死しめなばその人を撃たる者は必ず殺さるべし是故殺なればなり仇を打つ者これに遭ふところにて之を殺すことを得べし
35:22 然どもし敵の心なくして思はず人を推しまたは意なくして人に物を擲ち
35:23 または人あるを見ずして人を殺すほどの石を之に投つけて死しむること有んにその人これが敵にもあらずまた之を害せんとせしにもあらざる時は
35:24 會衆この律法によりてその人を殺せる者と仇打する者とに審判を言わたすべし
35:25 即ち會衆はその人を殺せる者を仇打する者の手より救ひ出してこれをその逃れゆきたる逃遁邑に還すべしその者は聖膏を灌れたる祭司の長の死るまで其處に居べし
35:26 然ど人を殺しし者その逃れし逃遁邑の境を出でたらんに
35:27 仇打する者その逃遁邑の境の外にてこれに遭ことありて仇打する者すなはちその人を殺しし者を殺すことあるとも血をながせる罪あらじ
35:28 其は彼は祭司の長の死るまでその逃遁邑に居べき者なればなり祭司の長の死たる後はその人を殺せし者おのれの?業の地にかへることを得べし
35:29 汝ら代々その住所において之を審判の法度とすべし
35:30 凡て人を殺せる者すなはち故殺人は證人の口にしたがひて殺さるべし然ど只一人の證人の言にしたがひて人を殺すことを爲べからず
35:31 汝ら死に當る故殺人の生命を贖はしむべからず必ずこれを殺すべし
35:32 また逃遁邑に逃れたる者の贖を容て祭司の死ざる前にこれを自己の地に歸り住しむる勿れ
35:33 汝らその居ところの地を汚すべからず血は地を汚すなり地の上に流せる血は之を流せる者の血をもてするに非れば贖ふことを得ざるなり
35:34 汝らその住ところの地すなはち我が居ところの地を汚すなかれ其は我ヱホバ、イスラエルの子孫の中に居ばなり
36:1 ヨセフの子等の族の中マナセの子マキルの子なるギレアデの子等の族の族長等進みよりてモーセの前とイスラエルの子孫の族長たる牧伯等の前に語り
36:2 言けるはイスラエルの子孫にその?業の地を鬮によりて與ふることをヱホバわが主に命じたまへり吾主またわれらの兄弟ゼロペハデの?業をその女子等に與ふべしとヱホバに命ぜられたまふ
36:3 彼らもしイスラエルの子孫の中他の支派の人々に嫁ぎなば彼らの?業はわれらの父祖の?業の中より除去れてその適る支派の?業に加はるべし斯是は我らの?業の分の中より除去れん
36:4 而して彼らの?業はイスラエルの子孫のヨベルに至りてその適る支派の?業に加はるべし斯かれらの?業は我らの父祖の支派の?業の中より除去れん
36:5 モーセ、ヱホバの言にしたがひてイスラエルの子孫に命じて言ふヨセフの子等の支派の言ところは善し
36:6 ゼロペハデの女子等の事につきてヱホバの命じたまふところは是のごとし云く彼らはその心に適ふ者に嫁ぐべけれど惟その父祖の支派の家にのみ嫁ぐべし
36:7 然せばイスラエルの子孫の?業この支派よりかの支派に移ることあらじイスラエルの子孫はみな各箇その父祖の支派の?業に止まるべきなり
36:8 イスラエルの子孫の支派の中凡そ?業を有る女は皆おのれの父の支派の家に嫁ぐべし然せばイスラエルの子孫おのおのその父祖の?業を保つことを得ん
36:9 ?業をしてこの支派よりかの支派に移らしむべからずイスラエルの子孫の支派の者は皆おのおの自己の?業にとどまるべし
36:10 是においてゼロペハデの女子等はヱホバのモーセに命じたまへる如くせり
36:11 即ちゼロペハデの女子等マアラ、テルザ、ホグラ、ミルカおよびノアはその父の兄弟の子等に嫁げり
36:12 彼らはヨセフの子マナセの子等の家に嫁ぎたればその?業はその父の族の支派に止まれり
36:13 是等はヱリコに對するヨルダンの邊なるモアテの平野においてヱホバがモーセによりてイスラエルの子孫に命じたまひし命令と律法なり