文語訳舊約聖書(1953年版)(振り仮名付き)
章: 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26
民數紀略
17:1 ヱホバ、モーセに告て言給はく
17:2 汝イスラエルの子孫に語り之が中よりその各箇の父祖の家にしたがひて杖一本づつを取れ即ちその一切の牧伯等よりその父祖の家に循ひて杖都合十二本を取りその人等の名を各々その杖に書せ
17:3 レビの杖には汝アロンの名を書せ其はその父祖の家の長たる者各箇杖一本を出すべければなり
17:4 而して集會の幕屋の中我が汝等に會ふ處なる律法の櫃の前に汝之を置べし
17:5 我が選める人の杖は芽さん我かくイスラエルの子孫が汝等にむかひて呟くところの怨言をわが前に止むべし
17:6 モーセかくイスラエルの子孫に語りければその牧伯等おのおの杖一本づつを之に付せり即ち牧伯等おのおのその父祖の家にしたがひて一本づつを出したればその杖あはせて十二本アロンの杖もその杖の中にあり
17:7 モーセその杖を皆律法の幕屋の中にてヱホバの前に置り
17:8 斯てその翌日モーセ律法の幕屋にいりて視るにレビの家のために出せるアロンの杖芽をふき蕾をなし花咲て巴旦杏の果を結べり
17:9 モーセその杖をことごとくヱホバの前よりイスラエルの子孫の所に取いだしければ彼ら見ておのおの自分の杖を取り
17:10 時にヱホバまたモーセに言たまはく汝アロンの杖を律法の櫃の前に携へかヘり其處にたくはへ置てこの背反者等のために徴とならしめよ斯して汝かれらの怨言を全く取のぞきかれらをして死ざらしむべし
17:11 モーセすなはち然なしヱホバの己に命じたまへる如くせり
17:12 イスラエルの子孫モーセに語りて曰ふ嗚呼我等は死ん我等は滅びん我等はみな滅びん
17:13 凡そヱホバの幕屋に微にても近く者はみな死るなり我等はみな死斷べき歟
18:1 斯てヱホバ、アロンに告て言たまはく汝と汝の子等および汝の父祖の家の者は聖所に關れる罪をその身に擔當べしまた汝と汝の子等は汝らがその祭司の職について獲ところの罪をその身に擔當べし
18:2 汝また汝の兄弟たるレビの支派の者すなはち汝の父祖の支派の者等をも率て汝に合せしめ汝に事しむべし但し汝と汝の子等は律法の幕屋の前に侍るべきなり
18:3 彼らは汝の職守と聖所の職守とを守るべし只聖所の器具と壇とに近くべからず恐くは彼等も汝等も死るならん
18:4 彼等は汝に合して集合の幕屋の職守を守り幕屋の諸の役事をなすべきなり外人は汝らに近づく可らず
18:5 斯なんぢらは聖所の職守と祭壇の職守を守るべし然せばヱホバの震怒かさねてイスラエルの子孫に及ぶこと有じ
18:6 視よ我なんぢらの兄弟たるレビ人をイスラエルの子孫の中より取りヱホバのために之を賜物として汝らに賜ふて集會の幕屋の役事を爲しむ
18:7 汝と汝の子等は祭司の職を守りて祭壇の上と障蔽の幕の内の一切の事を執おこなひ斯ともに勤むべし我祭司の職の勤務と賜物として汝らに賜ふ外人の近く者は殺されん
18:8 ヱホバ又アロンに言たまはく我イスラエルの子孫の諸の聖禮物の中我に擧祭とするところの者をもて汝に賜ひて得さす即ち我これを汝と汝の子等にあたへてその分となさしめ是を永く例となす
18:9 斯のごとく至聖禮物の中火にて燒ざる者は汝に歸すべし即ちその我に献る諸の禮物素祭罪祭愆祭等みな至聖くして汝と汝らの子等に歸すべし
18:10 至聖所にて汝これを食ふべし男子等はみなこれを食ふことを得是は汝に歸すべき聖物たるなり
18:11 汝に歸すべき物は是なり即ちイスラエルの子孫の献る擧祭と搖祭の物我これを汝と汝の男子と女子に與へ是を永く例となす汝の家の者の中潔き者はみな之を食ふことを得るなり
18:12 油の嘉者酒の嘉者穀物の嘉者など凡てヱホバに献るその初の物を我なんぢに與ふ
18:13 最初に成る國の?物の中ヱホバに携へたる者は皆なんぢに歸すべし汝の家の者の中潔き者はみな之を食ふことを得るなり
18:14 イスラエルの人の献納る物は皆汝に歸すべし
18:15 凡そ血肉ある者の首出子にしてヱホバに献らるる者は人にもあれ畜にもあれ皆なんぢに歸すべし但し人の首出子は必ず贖ふべくまた汚れたる畜獣の首出子も贖ふべきなり
18:16 之を贖ふにはその人の生れて一箇月に至れる後に汝その估價に依り聖所のシケルに循ひて銀五シケルに之を贖ふべし一シケルはすなはち二十ゲラなり
18:17 然ど牛の首出子羊の首出子山羊の首出子は贖ふべからず是等は聖しその血を壇の上に灑ぎまたその脂を焚て火祭となしてヱホバに馨しき香をたてまつるべし
18:18 その肉は汝に歸すべし搖る胸と右の腿とおなじく是は汝に歸するなり
18:19 イスラエルの子孫がヱホバに献て擧祭とする所の聖物はみな我これを汝と汝の男子女子に與へこれを永く例となす是はヱホバの前において汝と汝の子孫に對する鹽の契約にして變らざる者なり
18:20 ヱホバまたアロンに告たまはく汝はイスラエルの子孫の地の中に?業を有べからずまた彼等の中に何の分をも有べからず彼らの中において我は汝の分汝の?業たるなり
18:21 またレビの子孫たる者には我イスラエルの中において物の十分の一を與へて之が?業となし其なすところの役事すなはち集會の幕屋の役事に報ゆ
18:22 イスラエルの子孫はかさねて集會の幕屋に近づくべからず恐くは罪を負て死ん
18:23 第レビ人集會の幕屋の役事をなすべしまた彼らはその罪な自己の身に負べし彼等はイスラエルの子孫の中に?業の地を有ざる事をもてその例となして汝らの世代の子孫の中に永く之を守るべきなり
18:24 イスラエルの子孫が十に一を取り擧祭としてヱホバに献るところの物を我レビ人に與へてその?業となさしむるが故に我かれらにつきて言り彼等はイスラエルの子孫の中に?業の地を得べからずと
18:25 ヱホバ、モーセに告て言たまはく
18:26 汝かくレビ人に告て之に言べし我がイスラエルの子孫より取て汝等に與へて?業となさしむるその什一の物を汝ら之より受る時はその什一の物の十分の一を献てヱホバの擧祭となすべし
18:27 汝等の擧祭の物品は禾場よりたてまつる穀物の如く酒?の内よりたてまつる酒のごとくに見做れん
18:28 此のごとく汝等もまたイスラエルの子孫より受る一切の什一の物の中よりヱホバに擧祭を献げそのヱホバの擧祭を祭司アロンに與ふべし
18:29 汝らの受る一切の禮物の中より汝らはその嘉ところ即ちその聖き分を取てヱホバの擧祭を献べし
18:30 汝かく彼等に言べし汝らその中より嘉ところを取て献るに於てはその殘餘の物は汝等レビ人におけること禾場より取る物のごとく酒?より取る物のごとくならん
18:31 汝等と汝らの眷屬何處にても之を食ふことを得べし是は汝らが集會の幕屋に於て爲す役事の報酬たればなり
18:32 汝らその嘉ところを献るに於ては之がために罪を負こと有じ汝らはイスラエルの子孫の聖別て献る物を汚すべからず恐くは汝ら死ん
19:1 ヱホバ、モーセとアロンに告て言たまはく
19:2 ヱホバが命ずるところの律の例は是のごとし云くイスラエルの子孫に告て赤牝牛の全くして疵なく未だ軛を負しこと有ざる者を汝の許に牽きたらしめ
19:3 汝ら之を祭司エレアザルに交すべし彼はまたこれを營の外に牽いだして自己の眼の前にこれを宰らしむべし
19:4 而して祭司エレアザルこれが血を其指につけ集會の幕屋の表にむかひてその血を七次灑ぎ
19:5 やがてその牝牛を自己の眼の前に燒しむべしその皮その肉その血およびその糞をみな燒べし
19:6 その時祭司香柏と牛膝草と紅の絲をとりて之をその燒る牝牛の中に投いるべし
19:7 かくて祭司はその衣服を浣ひ水にてその身を滌ぎて然る後營に入べし祭司の身は晩まで汚るるなり
19:8 また之を燒たる者も水にその衣服を浣ひ水にその身を滌ぐべし彼も晩まで汚るるなり
19:9 斯て身の潔き人一人その牝牛の灰をかき斂めてこれを營の外の清淨處に蓄へ置べし是イスラエルの子孫の會衆のために備へおきて汚穢を潔る水を作るべき者にして罪を潔むる物に當るなり
19:10 その牝牛の灰をかき斂めたる者はその衣服を浣ふべしその身は晩まで汚るるなりイスラエルの子孫とその中に寄寓る他國の人とは永くこれを例とすべきなり
19:11 人の死屍に捫る者は七日の間汚る
19:12 第三日と第七日にこの灰水を以て身を潔むべし然せば潔くならん然ど若し第三日と第七日に身を潔むることを爲ざれば潔くならじ
19:13 凡そ死人の屍に捫りて身を潔むることを爲ざる者はヱホバの幕屋を汚すなればイスラエルより斷るべし汚穢を潔むる水をその身に灑ざるによりて潔くならずその汚穢なほ身にあるなり
19:14 天幕に人の死ることある時に應用ふる律は是なり即ち凡てその天幕に入る者凡てその天幕にある物は七日の間汚るべし
19:15 凡そ蓋を取はなして蓋はざりし所の器皿はみな汚る
19:16 凡そ刀劍にて殺されたる者または死屍または人の骨または墓等に野の表にて捫る者はみな七日の間汚るべし
19:17 汚れたる者ある時はかの罪を潔むる者たる燒る牝牛の灰をとりて器に入れ活水を之に加ふべし
19:18 而して身の潔き人一人牛膝草を執てその水にひたし之をその天幕と諸の器皿および其處に居あはせたる人々に灑ぐべくまたは骨あるひは殺されし者あるひは死たる者あるひは墓などに捫れる者に灑ぐべし
19:19 即ち身の潔き人第三日と第七日にその汚れたる者に之を灑ぐべし而して第七日にはその人みづから身を潔むることを爲しその衣服をあらひ水に身を滌ぐべし然せば晩におよびて潔くなるべし
19:20 然ど汚れて身を潔ることを爲ざる人はヱホバの聖所を汚すが故にその身は會衆の中より絶るべし汚穢を潔むる水を身に灑がざるによりてその人は潔くならざるなり
19:21 彼等また永くこれを例とすべし即ち汚穢を潔むる水を人に灑げる者はその衣服を浣ふべしまた汚穢を潔むる水に捫れる者も晩まで汚るべし
19:22 凡て汚れたる人の捫れる者は汚るべしまた之に捫る人も晩まで汚るべし
20:1 斯てイスラエルの子孫の全會衆正月におよびてチンの曠野にいたれり而して民みなカデシに止りけるがミリアム其處にて死たれば之を其處に葬りぬ
20:2 當時會衆水を得ざるによりて相集りてモーセとアロンに迫れり
20:3 すなはち民モーセと爭ひ言けるは嚮に我らの兄弟等がヱホバの前に死たる時に我等も死たらば善りしものを
20:4 汝等何とてヱホバの會衆をこの曠野に導き上りて我等とわれらの家畜を此に死しめんとするや
20:5 汝らなんぞ我らをエジプトより上らしめてこの惡き處に導きいりしや此には種を播べき處なく無花果もなく葡萄もなく石榴も無くまた飮べき水も無し
20:6 是においてモーセとアロンは會衆の前を去り集會の幕屋の門にいたりて俯伏けるにヱホバの榮光かれらに顯れ
20:7 ヱホバ、モーセに告て言たまはく
20:8 汝杖を執り汝の兄弟アロンとともに會衆を集めその眼の前にて汝ら磐に命ぜよ磐その中より水を出さん汝かく磐より水を出して會衆とその獣畜に飮しむべしと
20:9 モーセすなはちその命ぜられしごとくヱホバの前より杖を取り
20:10 アロンとともに會衆を磐の前に集めて之に言けるは汝ら背反者等よ聽け我等水をしてこの磐より汝らのために出しめん歟と
20:11 モーセその手を擧げ杖をもて磐を二度撃けるに水多く湧出たれば會衆とその獣畜ともに飮り
20:12 時にヱホバ、モーセとアロンに言たまひけるは汝等は我を信ぜずしてイスラエルの子孫の目の前に我の聖を顯さざりしによりてこの會衆をわが之に與へし地に導きいることを得じと
20:13 是をメリバ(爭論)の水とよべりイスラエルの子孫是がためにヱホバにむかひて爭ひたりしかばヱホバつひにその聖ことを顯したまへり
20:14 茲にモーセ、カデシより使者をエドムの王に遣して言けるは汝の兄弟イスラエルかく言ふ汝はわれらが遭し諸の艱難を知る
20:15 そもそも我らの先祖等エジプトに下りゆきて我ら年ひさしくエジプトに住をりしがエジプト人われらと我らの先祖等をなやましたれば
20:16 我らヱホバに?はりけるにヱホバわれらの聲を聽たまひ一箇の天の使を遣して我らをエジプトより導きいだしたまへり視よ我ら今は汝の邊境の邊端にあるカデシの邑に居るなり
20:17 願くは我らをして汝の國を通過しめよ我等は田畝をも葡萄園をも通過じまた井の水をも飮じ我らは第王の路を通過り汝の境をいづるまでは右にも左にもまがらじ
20:18 エドム、モーセに言けるは汝我の中を通過べからず恐くは我いでて劍をもて汝にむかはん
20:19 イスラエルの子孫エドムに言ふ我らは大道を通過ん若われらと我らの獣畜なんぢの水を飮ことあらばその値を償ふべし我は徒行にて通過のみなれば何事にもあらざるなりと
20:20 然るにエドムは汝通過べからずといひて許多の群衆を率ゐて出で大なる力をもて之にむかへり
20:21 エドムかくイスラエルにその境の中を通過ことを容さざりければイスラエルは他にむかひて去り
20:22 かくてイスラエルの子孫の會衆みなカデシより進みてホル山にいたれり
20:23 ヱホバ、エドムの國の境なるホル山にてモーセとアロンに告て言たまはく
20:24 アロンはその死たる民に列らんイスラエルの子孫に我が與へし地に彼は入ことを得ざるべし是メリバの水のある處にて汝等わが言に背きたればなり
20:25 汝アロンとその子エレアザルをひきつれてホル山に登り
20:26 アロンにその衣服を脱せてこれをその子エレアザルに衣せよアロンは其處に死てその民に列るべしと
20:27 モーセすなはちヱホバの命じたまへるごとく爲し相つれだちて全會衆の目の前にてホル山に登り
20:28 而してモーセはアロンにその衣服をぬがせて之をその子エレアデルに衣せたりアロンは其處にて山の嶺に死り斯てモーセとエレアザル山よりくだりけるが
20:29 會衆みなアロンの死たるを見て三十日のあひだ哀哭をなせりイスラエルの家みな然せり
21:1 茲に南の方に住るカナン人アラデ王といふ者イスラエルが間者の道よりして來るといふを聞きイスラエルを攻うちてその中の數人を?にせり
21:2 是においてイスラエル誓願をヱホバに立て言ふ汝もしこの民をわが手に付したまはば我その城邑を盡く滅さんと
21:3 ヱホバすなはちイスラエルの言を聽いれてカナン人を付したまひければ之とその城邑をことごとく滅せり是をもてその處の名をホルマ(殲滅)と呼なしたり
21:4 民はホル山より進みゆき紅海の途よりしてエドムを繞り通らんとせしがその途のために民心を苦めたり
21:5 すなはち民神とモーセにむかいて呟きけるは汝等なんぞ我らをエジプトより導きのぼりて曠野に死しめんとするや此には食物も無くまた水も無し我等はこの粗き食物を心に厭ふなりと
21:6 是をもてヱバホ火の蛇を民の中に遣して民を咬しめたまひければイスラエルの民の中死る者多かりき
21:7 是によりて民モーセにいたりて言けるは我らヱホバと汝にむかひて呟きて罪を獲たり請ふ汝ヱホバに祈りて蛇を我等より取はなさしめよとモーセすなはち民のために祈ければ
21:8 ヱホバ、モーセに言たまひけるは汝蛇を作りてこれを杆の上に載おくべし凡て咬れたる者は之を仰ぎ觀なば生べし
21:9 モーセすなはち銅をもて一條の蛇をつくり之を杆の上に載おけり凡て蛇に咬れたる者その銅の蛇を仰ぎ觀ば生たり
21:10 イスラエルの子孫途に進みてオボテに營を張り
21:11 またオボテより進み往きモアブの東の方に亘るところの曠野においてイヱアバリムに營を張り
21:12 また其處より進みゆきてゼレデの谷に營を張り
21:13 其處より進みゆきてアルノンの彼旁に營を張りアルノンはアモリの境より出て曠野に流るる者にてモアブとアモリの間にありてモアブの界をなすなり
21:14 故にヱホバの戰爭の記に言るあり云くスパのワヘブ、アルノンの河
21:15 河の流即ちアルの邑に落下りモアブの界に倚る者と
21:16 かれら其處よりベエル(井)にいたれりヱホバがモーセにむかひて汝民を集めよ我これに水を與へんと言たまひしはこの井なりき
21:17 時にイスラエルこの歌を歌へり云く井の水よ湧あがれ汝等これがために歌へよ
21:18 此井は笏と杖とをもて牧伯等これを掘り民の君長等之を掘りと斯て曠野よりマツタナにいたり
21:19 マツタナよりナハリエルにいたりナハリエルよりバモテにいたり
21:20 バモテよりモアブの野にある谷に往き曠野に對するピスガの嶺にいたれり
21:21 かくてイスラエル使者をアモリ人の王シホンに遣して言しめけるは
21:22 我をして汝の國を通過しめよ我等は田畝にも葡萄園にも入じまた井の水をも飮じ我らは汝の境を出るまでは唯王の道を通りて行んのみと
21:23 然るにシホンはイスラエルに自己の境の中を通る事を容さざりき而してシホンその民をことごとく集め曠野にいでてイスラエルを攻んとしヤハヅに來りてイスラエルと戰ひけるが
21:24 イスラエル刄をもて之を撃やぶりその地をアルノンよりヤボクまで奪ひ取りアンモンの子孫にまで至れりアンモンの子孫の境界は堅固なりき
21:25 イスラエルかくその城邑を盡く取り而してイスラエルはアモリ人の諸の城邑に住みヘシボンとそれに附る諸の村々に居る
21:26 ヘシボンはアモリ人の王シホンの都城なりシホンは曾てモアブの前の王と戰ひてかれの地をアルノンまで盡くその手より奪ひ取しなり
21:27 故に歌をもて云るあり曰く汝らヘシボンに來れシホンの城邑を築き建よ
21:28 ヘシボンより火出でシホンの都城より?いでてモアブのアルを焚つくしアルノンの邊の高處を占る君王等を滅ぼせり
21:29 モアブよ汝は禍なる哉ケモシの民よ汝は滅ぼさるその男子は逃奔りその女子はアモリ人の王シホンに?らるるなり
21:30 我等は彼らを撃たふしヘシボンを滅ぼしてデボンに及び之を荒してまたノパに及びメデバにいたる
21:31 斯イスラエルの子孫はアモリ人の地に住たりしが
21:32 モーセまた人を遣はしてヤゼルを窺はしめ遂にその村々を取て其處にをりしアモリ人を逐出し
21:33 轉てバシヤンの路に上り往きけるにバシヤンの王オグその民を盡く率ゐて出で之を迎へてエデレイに戰はんとす
21:34 ヱホバ、モーセに言たまひけるは彼を懼るる勿れ我かれとその民とその地を盡く汝の手に付す汝ヘシボンに住をりしアモリ人の王シホンに爲たるごとくに彼にも爲べしと
21:35 是において彼とその子とその民をことごとく撃ころし一人も生存る者なきに至らしめて之が地を奪ひたり
22:1 かくてイスラエルの子孫また途に進みてモアブの平野に營を張り此はヨルダンの此旁にしてヱリコに對ふ
22:2 チッポルの子バラクはイスラエルが凡てアモリ人に爲たる所を見たり
22:3 是においてモアブ人大いにイスラエルの民を懼る是その數多きに因てなりモアブ人かくイスラエルの子孫のために心をなやましたれば
22:4 すなはちミデアンの長老等に言ふこの群衆は牛が野の草を?食ふごとくに我等の四圍の物をことごとく?食はんとすとこの時にはチッポルの子バラク、モアブ人の王たり
22:5 彼すなはち使者をペトルに遣してベオルの子バラムを招かしめんとすペトルはバラムの本國にありて河の邊に立りその之を招かしむる言に云く茲にエジプトより出來し民あり地の面を蓋ふて我の前にをる
22:6 然ば請ふ汝今來りて我ためにこの民を詛へ彼等は我よりも強ければなり然せば我これを撃やぶりて我國よりこれを逐はらふを得ることもあらん其は汝が祝する者は福徳を得汝が詛ふ者は禍を受くと我しればなりと
22:7 モアブの長老等とミデアンの長老等すなはち占卜の禮物を手にとりて出たちバラムにいたりてバラクの言をこれに告たれば
22:8 バラムかれらに言ふ今晩は此に宿れヱホバの我に告るところに循ひて汝らに返答をなすべしと是をもてモアブの牧伯等バラムの許に居る
22:9 時に神バラムに臨みて言たまはく汝の許にをる此人々は何者なるや
22:10 バラム神に言けるはモアブの王チッポルの子バラク我に言つかはしけらく
22:11 茲にエジプトより出きたりし民ありて地の面を蓋ふ請ふ今來りてわがために之を詛へ然せば我これに戰ひ勝てこれを逐はらふを得ることもあらんと
22:12 神バラムに言たまひけるは汝かれらとともに往べからず亦この民を詛ふべからず是は祝福るる者たるなり
22:13 是においてバラム朝起てバラクの牧伯等に言けるは汝ら國に歸れよヱホバ我が汝らとともに往く事をゆるさざるなりと
22:14 モアブの牧伯たちすなはち起あがりてバラクの許にいたりバラムは我らとともに來ることを肯ぜずと告たれば
22:15 バラクまた前の者よりも尊き牧伯等を前よりも多く遣せり
22:16 彼らバラムに詣りて之に言けるはチッボルの子バラクかく言ふ願くは汝何の障碍をも顧みずして我に來れ
22:17 我汝をして甚だ大なる尊榮を得させん汝が我に言ところは凡て我これを爲べし然ば願くは來りて我ためにこの民を詛へ
22:18 バラム答へてバラクの臣僕等に言けるは假令バラクその家に盈るほどの金銀を我に與ふるとも我は事の大小を諭ずわが神ヱホバの言を踰ては何をも爲ことを得ず
22:19 然ば請ふ汝らも今晩此に宿り我をしてヱホバの再び我に何と言たまふかを知しめよと
22:20 夜にいりて神バラムにのぞみて之に言たまひけるはこの人々汝を招きに來りたれば起あがりて之とともに往け但し汝は我が汝につぐる言のみを行ふべし
22:21 バラム翌朝起あがりてその驢馬に鞍おきてモアブの牧伯等とともに往り
22:22 然るにヱホバかれの往たるに縁て怒を發したまひければヱホバの使者かれに敵せんとて途に立り彼は驢馬に乗その僕二人はこれとともに在しが
22:23 驢馬ヱホバの使者が劍を手に抜持て途に立るを見驢馬途より身を轉して田圃に入ければバラム驢馬を打て途にかへさんとせしに
22:24 ヱホバの使者また葡萄園の途に立り其處には此旁にも石垣あり彼旁にも石垣あり
22:25 驢馬ヱホバの使者を見石垣に貼依てバラムの足を石垣に貼依たればバラムまた之を打り
22:26 然るにヱホバの使者また進みよりて狭き處に立けるが其處には右にも左にもまがる道あらざりしかば
22:27 驢馬ヱホバの使者を見てバラムの下に臥たり是においてバラム怒を發し杖をもて驢馬を打けるに
22:28 ヱホバ驢馬の口を啓きたまひたれば驢馬バラムにむかひて言ふ我なんぢに何を爲せばぞ汝かく三次我を打や
22:29 バラム驢馬に言ふ汝われを侮るが故なり我手に劍あらば今汝を殺さんものを
22:30 驢馬またバラムに言けるは我は汝の所有となりてより今日にいたるまで汝が常に乗ところの驢馬ならずや我つねに斯のごとく汝になしたるやとバラムこたへて否と言ふ
22:31 時にヱホバ、バラムの目を啓きたまひければ彼ヱホバの使者の途に立て劍を手に抜持るを見身を鞠めて俯伏たるに
22:32 ヱホバの使者これに言ふ汝なにとて斯三度なんぢの驢馬を打や我汝の道の直に滅亡にいたる者なるを見て汝に敵せんとて出きたれり
22:33 驢馬はわれを見て斯みたび身を轉して我を避たるなり是もし身を轉らして我を避ずば我すでに汝を殺して是を生しおきしならん
22:34 バラム、ヱホバの使者に言けるは我罪を獲たり我は汝が我に敵せんとて途に立るを知ざりしなり汝もし之を惡しとせば我は歸るべし
22:35 ヱホバの使者バラムに言けるはこの人々とともに往け但し汝は我が汝に告る言詞のみを宣べしとバラムすなはちバラクの牧伯等とともに往り
22:36 さてまたバラクはバラムの來るを聞てモアブの境の極處に流るるアルノンの旁の邑まで出ゆきて之を迎ふ
22:37 バラクすなはちバラムに言けるは我ことさらに人を遣はして汝を招きしにあらずや汝なにゆゑ我許に來らざりしや我あに汝に尊榮を得さすることを得ざらんや
22:38 バラム、バラクに言けるは視よ我つひに汝の許に來れり然ど今は我何事をも自ら言を得んや我はただ神の我口に授る言語を宣んのみと
22:39 斯てバラムはバラクとともに往てキリアテホゾテに至りしが
22:40 バラク牛と羊を宰りてバラムおよび之と偕なる牧伯等に餽れり
22:41 而してその翌朝にいたりバラクはバラムを件ひこれを携へてバアルの崇邱に登イスラエルの民の極端を望ましむ
23:1 バラム、バラクに言けるは我ために此に七個の壇を築き此に七匹の牡牛と七匹の牡羊を備へよと
23:2 バラクすなはちバラムの言るごとく爲しバラクとバラムその壇ごとに牡牛一匹と牡羊一匹を献げたり
23:3 而してバラムはバラクにむかひ汝は燔祭の傍に立をれ我は往んとすヱホバあるひは我に來りのぞみたまはんその我に示したまふところの事は凡てこれを汝に告んと言て一の高處に登たるに
23:4 神バラムに臨みたまひければバラムこれに言けるは我は七箇の壇を設けその壇ごとに牡牛一匹と牡羊一匹を献げたりと
23:5 ヱホバ、バラムの口に言を授けて言たまはく汝バラクの許に歸りて斯いふべしと
23:6 彼すなはちバラクの許に至るにバラクはモアブの諸の牧伯等とともに燔祭の傍に立をる
23:7 バラムすなはちこの歌をのべて云くモアブの王バラク、スリアより我を招き寄せ東の邦の山より我を招き寄て云ふ來りて我ためにヤコブを詛へ來りてわがためにイスラエルを呪れと
23:8 神の詛はざる者を我いかで詛ふことを得んやヱホバの呪らざる者を我いかで呪ることを得んや
23:9 磐の頂より我これを觀岡の上より我これを望むこの民は獨り離れて居ん萬の民の中に列ぶことなからん
23:10 誰かヤコブの塵を計へ得んやイスラエルの四分一を數ふることを能せんや願くは義人のごとくに我死ん願くはわが終これが終にひとしかれ
23:11 是においてバラク、バラムに言けるは汝我に何を爲や我はわが敵を詛はしめんとて汝を携きたりしなるに汝はかへつて全くこれを祝せり
23:12 バラムこたへて言けるは我は愼みてヱホバの我口に授る事のみを宣べきにあらずや
23:13 バラクこれに言けるは請ふ汝われとともに他の處に來りて其處より彼らを觀よ汝ただ彼らの極端のみを觀ん彼らを全くは觀ことを得ざるべし請ふ其處にて我ために彼らを詛へと
23:14 やがて之を導きてピスガの嶺なる斥候の原に至り七箇の壇を築きて壇ごとに牡牛一匹と牡羊一匹を献たり
23:15 時にバラム、バラクに言けるは汝此にて燔祭の傍に立をれ我またも往て會見ゆることをせんと
23:16 ヱホバまたバラムに臨みて言をその口に授け汝バラクの許に歸りてかく言へとのたまひければ
23:17 彼バラクの許にかへりけるにバラクは燔祭の傍に立をりモアブの牧伯等これとともに居りしがバラクすなはちバラムにむかひヱホバ何と言しやと問ければ
23:18 バラムまたこの歌を宣たり云くバラクよ起て聽けチッポルの子よ我に耳を傾けよ
23:19 神は人のごとく?ること无しまた人の子のごとく悔ること有ずその言ところは之を行はざらんやその語るところは之を成就ざらんや
23:20 我はこれがために福祉をいのれとの命令を受く?に之に福祉をたまへば我これを變るあたはざるなり
23:21 ヱホバ、ヤコブの中に惡き事あるを見ずイスラエルの中に憂患あるを見ずその神ヱホバこれとともに在し王を喜びて呼はる聲その中にあり
23:22 神かれらをエジプトより導き出したまふイスラエルは強きこと?のごとし
23:23 ヤコブには魔術なしイスラエルには占卜あらず神はその爲ところをその時にヤコブに告げイスラエルにしめしたまふなり
23:24 觀よこの民は牝獅子のごとくに起あがり牡獅子のごとくに身を興さん是はその攫得たる物を食ひその殺しし物の血を飮では臥ことを爲じ
23:25 是においてバラクはバラムに向ひ汝かれらを詛ふことをも祝することをも爲なかれと言けるに
23:26 バラムこたへてバラクに言ふ我はヱホバの宣まふ事は凡てこれを爲ざるを得ずと汝に告おきしにあらずやと
23:27 バラクまたバラムに言けるは請ふ來れ我なんぢを他の處に導き往ん神あるひは汝が其處より彼らを我ために詛ふことを善とせんと
23:28 バラクすなはちバラムを導きて曠野に對するペオルの嶺に至るに
23:29 バラム、バラクに言けるは我ために七箇の壇を此に築き牡牛七匹牡羊七匹を此に備へよと
23:30 バラクすなはちバラムの言るごとく爲しその壇ごとに牡牛一匹と牡羊一匹を献たり
24:1 バラムはイスラエルを祝することのヱホバの心に適ふを視たれば此度は前の時のごとくに往て法術を求むる事を爲ずその面を曠野に向て居り
24:2 バラム目を擧てイスラエルのその支派にしたがひて居るを觀たり時に神の霊かれに臨みければ
24:3 彼すなはちこの歌をのべて云くベオルの子バラム言ふ目の啓きたる人言ふ
24:4 神の言詞を聞し者能はざる無き者をまぼろしに觀し者倒れ臥て其目の啓けたる者言ふ
24:5 ヤコブよ汝の天幕は美しき哉イスラエルよ汝の住所は美しき哉
24:6 是は谷々のごとくに布列ね河邊の園のごとくヱホバの栽し沈香樹のごとく水の邊の香柏のごとし
24:7 その桶よりは水溢れんその種は水の邊に發育んその王はアガグよりも高くなりその國は振ひ興らん
24:8 神これをエジプトより導き出せり是は強きこと?のごとくその敵なる國々の民を呑つくしその骨を摧き矢をもて之を衝とほさん
24:9 是は牡獅子のごとくに身をかがめ牝獅子のごとくに臥す誰か敢てこれを起さんやなんぢを祝するものは福祉を得なんぢをのろふものは災禍をかうむるべし
24:10 ここにおいてバラクはバラムにむかひて怒を發しその手を拍ならせり而してバラク、バラムにいひけるは我はなんぢをしてわが敵を詛はしめんとてなんぢを招きたるに汝は却て斯三度までも彼らを大に祝したり
24:11 然ば汝今汝の處に奔り往け我は汝に大なる尊榮を得させんと思ひたれどヱホバ汝を阻めて尊榮を得るに至らざらしむ
24:12 バラム、バラクに言けるは我は汝が我に遣しし使者等に告て言ざりしや
24:13 假令バラクその家に盈るほどの金銀を我に與ふるとも我はヱホバの言を踰て自己の心のままに善も惡きも爲ことを得ず我はヱホバの宣まふ事のみを言べしと
24:14 今われは吾民にかへる然ば來れ我この民が後の日に汝の民に爲んところの事を汝に告しらせんと
24:15 すなはちこの歌をのべて云くベオルの子バラム言ふ目の啓きたる人言ふ
24:16 神の言を聞るあり至高者を知の知識あり能はざる無き者をまぼろしに觀倒れ臥て其目の啓けたる者言ふ
24:17 我これを見ん然ど今にあらず我これを望まん然ど近くはあらずヤコブより一箇の星いでんイスラエルより一條の杖おこりモアブを此旁より彼旁に至まで撃破りまた鼓譟者どもを盡く滅すべし
24:18 其敵なるエドムは是が?業となりセイルは之が?業とならんイスラエルは盛になるべし
24:19 權を秉る者ヤコブより出で遺れる者等を城より滅し絶ん
24:20 バラム又アマレクを望みこの歌をのべて云くアマレクは國々の中の最初なる者なり其終には滅び絶るに至らん
24:21 亦ケニ人を望みこの歌をのべて云く汝の住所は堅固なり汝は磐に巣をつくる
24:22 然どカインは亡て終にアッスリアの爲に?へ移されん
24:23 彼亦この歌をのべて云く嗟神これを爲たまはん時は誰か生ることを得ん
24:24 キッテムの方より船來てアッスリアを攻なやましエベルを攻なやますべし而して是もまた終に亡失ん
24:25 斯てバラムは起あがりて自己の處に歸り往きぬバラクも亦去ゆけり
25:1 イスラエルはシッテムに止まり居けるがその民モアブの婦女等と婬をおこなふことを始めたり
25:2 その婦女等其神々に犠牲を献る時に民を招けば民は往て食ふことを爲しかつその神々を拝めり
25:3 イスラエルかくバアルベオルに附ければイスラエルにむかひてヱホバ怒を發したまへり
25:4 ヱホバすなはちモーセに告て言たまはく民の首をことごとく携きたりヱホバのためにかの者等を日に曝せ然せばヱホバの烈しき怒イスラエルを離るるあらんと
25:5 是においてモーセ、イスラエルの士師等にむかひ汝らおのおのその配下の人々のバアルベオルに附る者を殺せと言り
25:6 モーセとイスラエルの子孫の全會衆集合の幕屋の門にて哭をる時一箇のイスラエル人ミデアンの婦人一箇を携きたり彼らの目の前にてその兄弟等の中に至れり
25:7 祭司アロンの子なるエレアザルの子ピネハスこれを見會衆の中より起あがりて槍を手に執り
25:8 そのイスラエルの人の後を追て之が寝室に入りイスラエルの人を衝きまたその婦女の腹を衝とほして二人を殺せり是において疫病のイスラエルの子孫におよぶこと止れり
25:9 その疫病にて死たる者は二萬四千人なりき
25:10 ヱホバ、モーセに告て言たまはく
25:11 祭司アロンの子なるエレアザルの子ピネハスはわが熱心をイスラエルの子孫の中にあらはして吾怒をその中より取去り我として熱心をもてイスラエルの子孫を滅し盡すにいたらざらしめたり
25:12 故に汝言へ我これに平和のわが契約をさづく
25:13 即ち彼とその後の子孫永く祭司の職を得べし是は彼その神のために熱心にしてイスラエルの子孫のために贖をなしたればなり
25:14 その殺されしイスラエル人すなはちミデアンの婦人とともに殺されし者はその名をジムリと言てサルの子にしてシメオン人の宗族の牧伯の一人なり
25:15 またその殺されしミデアンの婦人は名をコズビと曰てツルの女子なりツルはミデアンの民の宗族の首なり
25:16 ヱホバ、モーセに告て言たまはく
25:17 ミデアン人に逼りてこれを撃て
25:18 其は彼ら謀計をもて汝に逼りペオルの事とその姉妹なるミデアンの牧伯の女すなはちペオルのために疫病の起れる日に殺されしコズビの事において汝らを惑したればなり
26:1 疫病の後ヱホバ、モーセと祭司アロンの子エレアザルに告て言たまはく
26:2 イスラエルの全會衆の總數をその父祖の家にしたがひて核べイスラエルの中凡そ二十歳以上にして戰爭に出るに勝る者を數へよと
26:3 モーセ及び祭司エレアザルすなはちヱリコに對してヨルダンの邊にあるモアブの平野に於てかれらに告て言けるは
26:4 エジプトの地より出きたれるモーセとイスラエルの子孫にヱホバの命じ給へる如く汝ら其中の二十歳以上の者を計へよ
26:5 イスラエルの長子はルベン、ルベンの子孫はヘノクよりヘノク人の族出でパルよりパル人の族出で
26:6 ヘヅロンよりヘヅロン人の族出でカルミよりカルミ人の族出づ
26:7 ルベンの宗族は是のごとくにしてその核數られし者は四萬三千七百三千人
26:8 またパルの子はエリアブ
26:9 エリアブの子はネムエル、ダタン、アビラムこのダタンとアビラムは會衆の中に名ある者にてコラの黨類とともにモーセとアロンに逆ひてヱホバに悸りし事ありしが
26:10 地その口を開きて彼らとコラとを呑みその黨類二百五十人は火に燒れて死うせ人の鑑戒となれり
26:11 但しコラの子等は死ざりき
26:12 シメオンの子孫はその宗族に依ば左のごとしネムエルよりはネムエル人の族出でヤミンよりはヤミン人の族出でヤキンよりはヤキン人の族出で
26:13 ゼラよりはゼラ人の族出でシヤウルよりはシヤウル人の族出づ
26:14 シメオン人の宗族は是の如くにして其數られし者は二萬二千二百人
26:15 ガドの子孫は其宗族に依ば左の如しゼポンよりはゼポン人の族出でハギよりはハギ人の族出でシユニよりはシユニ人の族出で
26:16 オズニよりはオズニ人の族出でエリよりはエリ人の族出で
26:17 アロドよりはアロド人の族出でアレリよりはアレリ人の族出づ
26:18 ガドの宗族は是のごとくにしてその核數られし者は四萬五百人
26:19 ユダの子等はエルとオナン、エルとオナンはカナンの地に死たり
26:20 ユダの子孫はその宗族によれば左のごとしシラよりはシラ人の族出でペレヅよりはペレヅ人の族出でゼラよりはゼラ人の族出づ
26:21 ペレヅの子孫は左のごとしヘヅロンよりはヘヅロン人の族出でハムルよりけハムル人の族出づ
26:22 ユダの宗族は是のごとくにしてその核數られし者は七萬六千五百人
26:23 イツサカルの子孫はその宗族によれば左のごとしトラよりはトラ人の族出でプワよりはプワ人の族出で
26:24 ヤシユブよりはヤシユブ人の族出でシムロンよりはシムロン人の族出づ
26:25 イッサカルの宗族は是のごとくにしてその數へられし者は六萬四千三百人
26:26 ゼブルンの子孫はその宗族によれば左の如しセレデよりはセレデ人の族出でエロンよりはエロン人の族出でヤリエルよりはヤリエル人の族出づ
26:27 ゼブルン人の宗族は是のごとくにしてその核數られし者は六萬五百人
26:28 ヨセフの子等はその宗族に依ばマナセとエフライム
26:29 マナセの子等の中マキルよりマキル人の族出づマキル、ギレアデを生りギレアデよりギレアデ人の族出づ
26:30 ギレアデの子孫は左のごとしイエゼルよりはイエゼル人の族出でヘレクよりはヘレク人の族出で
26:31 アスリエルよりはアスリエル人の族出でシケムよりはシケム人の族出で
26:32 セミダよりはセミダ人の族出でヘペルよりはヘペル人の族出づ
26:33 ヘペルの子ゼロペハデには男子なく惟女子ありしのみその名はマアラ、ノア、ホグラ、ミルカ、テルザと曰ふ
26:34 マナセの宗族は是のごとくにしてその核數られし者は五萬二千七百人
26:35 エフライムの子孫はその宗族によれば左のごとしシユテラよりはシユテラ人の宗族出でベケルよりはベケル人の族出でタハンよりはタハン人の族出づ
26:36 シユテラの子孫は左のごとしエランよりエラン人の族出づ
26:37 エフライムの子孫の宗族は是のごとくにしてその核數られし者は三萬二千五百人ヨセフの子孫はその宗族に依ば是のごとし
26:38 ベニヤミンの子孫はその宗族によれば左のごとしベラよりはベラ人の族出でアシベルよりはアシベル人の族出でアヒラムよりはアヒラム人の族出で
26:39 シユパムよりはシユパム人の族出でホパムよりはホパム人の族出づ
26:40 ベラの子等はアルデとナアマン、アルデよりはアルデ人の族出でナアマンよりはナアマン人の族出づ
26:41 ベニヤミンの子孫はその宗族に依ば是のごとくにしてその核數られし者は四萬五千六百人
26:42 ダンの子孫はその宗族に依ば左のごとしシユハムよりシユハム人の族出づダンの宗族はその宗族によれば是の如し
26:43 シユハム人の諸の族の中核數られし者は六萬四千四百人
26:44 アセルの子孫はその宗族によれば左のごとしヱムナよりはヱムナ人の族出でヱスイよりはヱスイ人の族出でベリアよりはベリア人の族出づ
26:45 ベリアの子孫の中ヘベルよりはヘベル人の族出でマルキエルよりはマルキエル人の族出づ
26:46 アセルの女子の名はサラと曰ふ
26:47 アセルの子孫の宗族は是のごとくにしてその核數られし者五萬三千四百人
26:48 ナフタリの子孫はその宗族によれば左のごとしヤジエルよりヤジエル人の族出でグニよりグニ人の族出で
26:49 ヱゼルよりヱゼル人の族出でシレムよりシレム人の族出づ
26:50 ナフタリの宗族はその宗族によればかくのごとくにしてその核數られしものは四萬五千四百人
26:51 すなはちイスラエルの子孫の核數られし者は六十萬一千七百三十人なりき
26:52 ヱホバ、モーセに告て言たまはく
26:53 この人々にその名の數にしたがひて地を分ち與へてこれが?業となさしむべし
26:54 人衆には汝多くの?業を與へ人寡には少の?業を與ふべし即ちその核數られし數にしたがひておのおの?業を受べきなり
26:55 但しその地は鬮をもて之を分ちその父祖の支派の名にしたがひて之を獲べし
26:56 即ち鬮をもてその?業を人衆き者と寡き者とに分つべきなり
26:57 レビ人のその宗族にしたがひて數へられし者は左のごとしゲルションよりはゲルション人の族出でコハテよりはコハテ人の族出でメラリよりはメラリ人の族出づ
26:58 レビの族は左のごとしリブニ人の族ヘブロン人の族マヘリ人の族ムシ人の族コラ人の族コハテ、アムラムを生り
26:59 アムラムの妻の名はヨケベデといひてレビの女子なり是はエジプトにてレビに生れし者なりしがアムラムにそひてアロンとモーセおよびその姉妹ミリアムを生り
26:60 アロンにはナダブ、アビウ、エレアザルおよびイタマル生る
26:61 ナダブとアビウは異火をヱホバの前にささげし時死り
26:62 その核數られし一箇月以上の男子は都合二萬三千人レビ人はイスラエルの子孫の中に?業を與へられざるが故にイスラエルの子孫の中に核數られざるなり
26:63 是すなはちモーセと祭司エレアザルがヨルダンの邊なるヱリコに對するモアブの平野にて數へたるイスラエルの子孫の數なり
26:64 但しその中にはモーセとアロンがシナイの曠野においてイスラエルの子孫をかぞへし時に數へたる者は一人もあらざりき
26:65 其はヱホバ曾て彼らの事を宣て是はかならず曠野に死んといひたまひたればなり是をもてヱフンネの子カルブとヌンの子ヨシュアの外は一人も遺れる者あらざりき