口語訳聖書(振り仮名付き)
章: 28 29 30 31 32 33 34 35 36
歴代志れきだいし下げ
第28章 2Ch-Audio
28:1 アハズは王おうとなった時とき二十歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめたが、その父ちちダビデとは違ちがって、主しゅの良よしと見みられることを行おこなわず、
28:2 イスラエルの王おうたちの道みちに歩あゆみ、またもろもろのバアルのために鋳いた像ぞうを つくり、
28:3 ベンヒンノムの谷たにで香こうをたき、その子こらを火ひに焼やいて供そなえ物ものとするなど、主しゅがイスラエルの人々ひとびとの前まえから追おい払はらわれた異邦人いほうじんの憎にくむべき行おこないにならい、
28:4 また高たかき所ところの上うえ、丘おかの上うえ、すべての青あお木きの下したで犠牲ぎせいをささげ、香こうをたいた。
28:5 それゆえ、その神かみ、主しゅは彼かれをスリヤの王おうの手てに渡わたされたので、スリヤびとは彼かれを撃うち破やぶり、その民たみを多おおく捕虜ほりょとして、ダマスコに引ひいて行いった。彼かれはまたイスラエルの王おうの手てにも渡わたされたので、イスラエルの王おうも彼かれを撃うち破やぶって大おおいに殺ころした。
28:6 すなわちレマリヤの子こペカはユダで一日にちのうちに十二万人にんを殺ころした。皆みな勇士ゆうしであった。これは彼かれらがその先祖せんぞの神かみ、主しゅを捨すてたためである。
28:7 その時とき、エフライムの勇士ゆうしジクリという者ものが王おうの子こマアセヤ、宮内くない大臣だいじんアズリカムおよび王おうに次つぐ人ひとエルカナを殺ころした。
28:8 イスラエルの人々ひとびとはついにその兄弟きょうだいのうちから婦人ふじんならびに男子だんし、女子じょしなど二十万人にんを捕虜ほりょにし、また多おおくのぶんどり物ものをとり、そのぶんどり物ものをサマリヤに持もって行いった。
28:9 その時ときそこに名なをオデデという主しゅの預言者よげんしゃがあって、サマリヤに帰かえって来きた軍勢ぐんぜいの前まえに進すすみ出でて言いった、「見みよ、あなたがたの先祖せんぞの神かみ、主しゅはユダを怒いかって、これをあなたがたの手てに渡わたされたが、あなたがたは天てんに達たっするほどの怒いかりをもってこれを殺ころした。
28:10 そればかりでなく、あなたがたは今いま、ユダとエルサレムの人々ひとびとを従したがわせて、自分じぶんの男女だんじょの奴隷どれいにしようと思おもっている。しかしあなたがた自身じしんもまた、あなたがたの神かみ、主しゅに罪つみを犯おかしているではないか。
28:11 いまわたしに聞きき、あなたがたがその兄弟きょうだいのうちから捕とらえて来きた捕虜ほりょを放はなち帰かえらせなさい。主しゅの激はげしい怒いかりがあなたがたの上うえに臨のぞんでいるからです」。
28:12 そこでエフライムびとのおもなる人々ひとびと、すなわちヨハナンの子こアザリヤ、メシレモテの子こベレキヤ、シャルムの子こヒゼキヤ、ハデライの子こアマサらもまた、戦争せんそうから帰かえった者ものどもに向むかって立たちあがり、
28:13 彼かれらに言いった、「捕虜ほりょをここに引ひき入いれてはならない。あなたがたはわたしどもに主しゅに対たいするとがを得えさせて、さらにわれわれの罪つみとがを増まし加くわえようとしている。われわれのとがは大おおきく、激はげしい怒いかりがイスラエルの上うえに臨のぞんでいるからです」。
28:14 そこで兵卒へいそつどもがその捕虜ほりょとぶんどり物ものをつかさたちと全ぜん会衆かいしゅうの前まえに捨すてておいたので、
28:15 前まえに名なをあげた人々ひとびとが立たって捕虜ほりょを受うけ取とり、ぶんどり物もののうちから衣服いふくをとって、裸はだかの者ものに着きせ、また、くつをはかせ、食くい飲のみさせ、油あぶらを注そそぎなどし、その弱よわい者ものを皆みなろばに乗のせ、こうして彼かれらをしゅろの町まちエリコに連つれて行いって、その兄弟きょうだいたちに渡わたし、そしてサマリヤに帰かえって来きた。
28:16 その時ときアハズ王おうは人ひとをアッスリヤの王おうにつかわして助たすけを求もとめさせた。
28:17 エドムびとが再ふたたび侵入しんにゅうしてユダを撃うち、民たみを捕とらえ去さったからである。
28:18 ペリシテびともまた平野へいやの町々まちまちおよびユダのネゲブの町々まちまちを侵おかして、ベテシメシ、アヤロン、ゲデロテおよびソコとその村里むらざと、テムナとその村里むらざと、ギムゾとその村里むらざとを取とって、そこに住すんだ。
28:19 これはイスラエルの王おうアハズのゆえに、主しゅがユダを低ひくくされたのであって、彼かれがユダのうちにみだらなことを行おこない、主しゅに向むかって大おおいに罪つみを犯おかしたからである。
28:20 アッスリヤの王おうテルガデ・ピルネセルは彼かれの所ところに来きたが、彼かれに力ちからを添そえないで、かえって彼かれを悩なやました。
28:21 アハズは主しゅの宮みやと王おうの家いえ、およびつかさたちの家いえの物ものを取とってアッスリヤの王おうに与あたえたが、それはアハズの助たすけにはならなかった。
28:22 このアハズ王おうはその悩なやみの時ときにあたって、ますます主しゅに罪つみを犯おかした。
28:23 すなわち、彼かれは自分じぶんを撃うったダマスコの神々かみがみに、犠牲ぎせいをささげて言いった、「スリヤの王おうたちの神々かみがみはその王おうたちを助たすけるから、わたしもそれに犠牲ぎせいをささげよう。そうすれば彼かれらはわたしを助たすけるであろう」と。しかし、彼かれらはかえってアハズとイスラエル全国ぜんこくとを倒たおす者ものとなった。
28:24 アハズは神かみの宮みやの器物うつわものを集あつめて、神かみの宮みやの器物うつわものを切きり破やぶり、主しゅの宮みやの戸とを閉とじ、エルサレムのすべてのすみずみに祭壇さいだんを造つくり、
28:25 ユダのすべての町々まちまちに高たかき所ところを つくって、他たの神々かみがみに香こうをたきなどして、先祖せんぞの神かみ、主しゅの怒いかりを引ひき起おこした。
28:26 アハズのその他たの始終しじゅうの行為こういおよびそのすべての行動こうどうは、ユダとイスラエルの列れつ王おうの書しょにしるされている。
28:27 アハズはその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、エルサレムの町まちにこれを葬ほうむった。しかし、イスラエルの王おうたちの墓はかには持もって行いかなかった。その子こヒゼキヤが彼かれに代かわって王おうとなった。
第29章 29:1 ヒゼキヤは王おうとなった時とき二十五歳さいで、二十九年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははアビヤと言いって、ゼカリヤの娘むすめである。29:2 ヒゼキヤは父ちちダビデがすべてなしたように主しゅの良よしと見みられることをした。 29:3 彼かれはその治世ちせいの第だい一年ねんの一月がつに主しゅの宮みやの戸とを開ひらき、かつこれを繕つくろった。29:4 彼かれは祭司さいしとレビびとを連つれていって、東ひがしの広場ひろばに集あつめ、29:5 彼かれらに言いった、「レビびとよ、聞ききなさい。あなたがたは今いま、身みを清きよめて、あなたがたの先祖せんぞの神かみ、主しゅの宮みやを清きよめ、聖所せいじょから汚けがれを除のぞき去さりなさい。29:6 われわれの先祖せんぞは罪つみを犯おかし、われわれの神かみ、主しゅの悪あくと見みられることを行いって、主しゅを捨すて、主しゅのすまいに顔かおをそむけ、うしろを向むけた。29:7 また廊ろうの戸とを閉とじ、ともしびを消けし、聖所せいじょでイスラエルの神かみに香こうをたかず、燔祭はんさいをささげなかった。29:8 それゆえ、主しゅの怒いかりはユダとエルサレムに臨のぞみ、あなたがたが目めに見みるように、主しゅは彼かれらを恐おそれと驚おどろきと物笑ものわらいにされた。29:9 見みよ、われわれの父ちちたちはつるぎにたおれ、われわれのむすこたち、むすめたち、妻つまたちはこれがために捕虜ほりょとなった。29:10 今いまわたしは、イスラエルの神かみ、主しゅと契約けいやくを結むすぶ志こころざしをもっている。そうすればその激はげしい怒いかりは、われわれを離はなれるであろう。29:11 わが子こらよ、今いまは怠おこたってはならない。主しゅはあなたがたを選えらんで、主しゅの前まえに立たって仕つかえさせ、ご自分じぶんに仕つかえる者ものとなし、また香こうをたく者ものとされたからである」。29:12 そこでレビびとは立たち上あがった。すなわちコハテびとの子孫しそんのうちでは、アマサイの子こマハテおよびアザリヤの子こヨエル。メラリの子孫しそんでは、アブデの子こキシおよびエハレレルの子こアザリヤ。ゲルションびとのうちでは、ジンマの子こヨアおよびヨアの子こエデン。29:13 エリザパンの子孫しそんのうちでは、シムリとエイエル。アサフの子孫しそんのうちでは、ゼカリヤとマッタニヤ。29:14 ヘマンの子孫しそんのうちでは、エヒエルとシメイ。エドトンの子孫しそんのうちでは、シマヤとウジエルである。29:15 彼かれらはその兄弟きょうだいたちを集あつめて身みを清きよめ、主しゅの言葉ことばによる王おうの命令めいれいに従したがって、主しゅの宮みやを清きよめるためにはいって来きた。29:16 祭司さいしたちが主しゅの宮みやの奥おくにはいってこれを清きよめ、主しゅの宮みやにあった汚けがれた物ものをことごとく主しゅの宮みやの庭にわに運はこび出だすと、レビびとはそれを受うけて外そとに出だし、キデロン川かわに持もって行いった。29:17 彼かれらは正月しょうがつの元日がんじつに清きよめることを始はじめて、その月つきの八日かに主しゅの宮みやの廊ろうに達たっした。それから主しゅの宮みやを清きよめるのに八日かを費ついやし、正月しょうがつの十六日にちにこれを終おわった。29:18 そこで彼かれらはヒゼキヤ王おうの所ところへ行いって言いった、「われわれは主しゅの宮みやをことごとく清きよめ、また燔祭はんさいの壇だんとそのすべての器物うつわもの、および供そなえのパンの机つくえとそのすべての器物うつわものとを清きよめました。29:19 またアハズ王おうがその治世ちせいに罪つみを犯おかして捨すてたすべての器物うつわものをも整ととのえて清きよめました。それらは主しゅの祭壇さいだんの前まえにあります」。 29:20 そこでヒゼキヤ王おうは朝あさ早はやく起おきいで、町まちのつかさたちを集あつめて、主しゅの宮みやに上のぼって行いき、29:21 雄牛おうし七頭とう、雄羊おひつじ七頭とう、小羊こひつじ七頭とう、雄おやぎ七頭とうを引ひいてこさせ、国くにと聖所せいじょとユダのためにこれを罪祭ざいさいとし、アロンの子孫しそんである祭司さいしたちに命めいじてこれを主しゅの祭壇さいだんの上うえにささげさせた。29:22 すなわち、雄牛おうしをほふると、祭司さいしたちはその血ちを受うけて祭壇さいだんにふりかけ、また雄羊おひつじをほふると、その血ちを祭壇さいだんにふりかけ、また小羊こひつじをほふると、その血ちを祭壇さいだんにふりかけた。29:23 そして罪祭ざいさいの雄おやぎを王おうと会衆かいしゅうの前まえに引ひいて来きたので、彼かれらはその上うえに手てを置おいた。29:24 そして祭司さいしたちはこれをほふり、その血ちを罪祭ざいさいとして祭壇さいだんの上うえにささげてイスラエル全国ぜんこくのためにあがないをした。これは王おうがイスラエル全国ぜんこくのために燔祭はんさいおよび罪祭ざいさいをささげることを命めいじたためである。 29:25 王おうはまたレビびとを主しゅの宮みやに置おき、ダビデおよび王おうの先見者せんけんしゃガドと預言者よげんしゃナタンの命令めいれいに従したがって、これにシンバル、立琴たてごとおよび琴ことをとらせた。これは主しゅがその預言者よげんしゃによって命めいじられたところである。29:26 こうしてレビびとはダビデの楽器がっきをとり、祭司さいしはラッパをとって立たった。29:27 そこでヒゼキヤは燔祭はんさいを祭壇さいだんの上うえにささげることを命めいじた。燔祭はんさいをささげ始はじめた時とき、主しゅの歌うたをうたい、ラッパを吹ふき、イスラエルの王おうダビデの楽器がっきをならし始はじめた。29:28 そして会衆かいしゅうは皆みな礼拝れいはいし、歌うたうたう者ものは歌うたをうたい、ラッパ手てはラッパを吹ふき鳴ならし、燔祭はんさいが終おわるまですべてこのようであったが、29:29 ささげる事ことが終おわると、王おうおよび彼かれと共ともにいた者ものはみな身みをかがめて礼拝れいはいした。29:30 またヒゼキヤ王おうおよびつかさたちはレビびとに命めいじて、ダビデと先見者せんけんしゃアサフの言葉ことばをもって主しゅをさんびさせた。彼かれらは喜よろこんでさんびし、頭とうをさげて礼拝れいはいした。 29:31 その時とき、ヒゼキヤは言いった、「あなたがたはすでに主しゅに仕つかえるために身みを清きよめたのであるから、進すすみよって、主しゅの宮みやに犠牲ぎせいと感謝かんしゃの供そなえ物ものを携たずさえて来きなさい」と。そこで会衆かいしゅうは犠牲ぎせいと感謝かんしゃの供そなえ物ものを携たずさえて来きた。また志こころざしある者ものは皆みな燔祭はんさいを携たずさえて来きた。29:32 会衆かいしゅうの携たずさえて来きた燔祭はんさいの数かずは雄牛おうし七十頭とう、雄羊おひつじ百頭とう、小羊こひつじ二百頭とう、これらは皆みな主しゅに燔祭はんさいとしてささげるものであった。29:33 また奉納物ほうのうぶつは牛うし六百頭とう、小羊こひつじ三千頭とうであった。29:34 ところが祭司さいしが少すくなくてその燔祭はんさいの物ものの皮かわを、はぎつくすことができなかったので、その兄弟きょうだいであるレビびとがこれを助たすけて、そのわざをなし終おえ、その間かんに他たの祭司さいしたちは身みを清きよめた。これはレビびとが祭司さいしたちよりも、身みを清きよめることに、きちょうめんであったからである。29:35 このほかおびただしい燔祭はんさいがあり、また、酬恩祭しゅうおんさいの脂肪しぼうおよび燔祭はんさいの灌祭かんさいもあった。こうして、主しゅの宮みやの勤つとめは回復かいふくされた。29:36 この事ことは、にわかになされたけれども、神かみがこのように民たみのために備そなえをされたので、ヒゼキヤおよびすべての民たみは喜よろこんだ。 第30章 30:1 ヒゼキヤはイスラエルとユダにあまねく人ひとをつかわし、また手紙てがみをエフライムとマナセに書かき送おくり、エルサレムにある主しゅの宮みやに来きて、イスラエルの神かみ、主しゅに過越すぎこしの祭まつりを行おこなうように勧すすめた。30:2 王おうはすでにつかさたちおよびエルサレムにおる全ぜん会衆かいしゅうに計はかって、二月がつに過越すぎこしの祭まつりを行おこなうことを定さだめた。30:3 ――これは身みを清きよめた祭司さいしの数かずが足たらず、民たみもまた、エルサレムに集あつまらなかったので、正月しょうがつにこれを行おこなうことができなかったからである――30:4 この事ことが、王おうにも全ぜん会衆かいしゅうにも良よかったので、30:5 この事ことを定さだめて、ベエルシバからダンまでイスラエルにあまねくふれ示しめし、エルサレムに来きて、イスラエルの神かみ、主しゅに過越すぎこしの祭まつりを行おこなうことを勧すすめた。これはしるされているように、これを行おこなう者ものが多おおくなかったゆえである。30:6 そこで飛脚ひきゃくたちは、王おうとそのつかさたちから受うけた手紙てがみをもって、イスラエルとユダをあまねく行いき巡めぐり、王おうの命いのちを伝つたえて言いった、「イスラエルの人々ひとびとよ、あなたがたはアブラハム、イサク、イスラエルの神かみ、主しゅに立たち返かえりなさい。そうすれば主しゅは、アッスリヤの王おうたちの手てからのがれた残のこりのあなたがたに、帰かえられるでしょう。30:7 あなたがたの父ちちたちおよび兄弟きょうだいたちのようになってはならない。彼かれらはその先祖せんぞたちの神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかしたので、あなたがたの見みるように主しゅは彼かれらを滅ほろびに渡わたされたのです。30:8 あなたがたの父ちちたちのように強情ごうじょうにならないで、主しゅに帰服きふくし、主しゅがとこしえに聖別せいべつされた聖所せいじょに入いり、あなたがたの神かみ、主しゅに仕つかえなさい。そうすれば、その激はげしい怒いかりがあなたがたを離はなれるでしょう。30:9 もしあなたがたが主しゅに立たち返かえるならば、あなたがたの兄弟きょうだいおよび子供こどもは、これを捕とらえていった者ものの前まえにあわれみを得えて、この国くにに帰かえることができるでしょう。あなたがたの神かみ、主しゅは恵めぐみあり、あわれみある方かたであられるゆえ、あなたがたが彼かれに立たち返かえるならば、顔かおをあなたがたにそむけられることはありません」。 30:10 このように飛脚ひきゃくたちは、エフライムとマナセの国くににはいって、町まちから町まちに行いき巡めぐり、ついに、ゼブルンまで行いったが、人々ひとびとはこれをあざけり笑わらった。30:11 ただしアセル、マナセ、ゼブルンのうちには身みを低ひくくして、エルサレムにきた人々ひとびともあった。30:12 またユダにおいては神かみの手てが人々ひとびとに一つ心こころを与あたえて、王おうとつかさたちが主しゅの言葉ことばによって命めいじたことを行おこなわせた。 30:13 こうして二月がつになって、多おおくの民たみは、種たね入いれぬパンの祭まつりを行おこなうためエルサレムに集あつまったが、非常ひじょうに大おおきな会衆かいしゅうであった。30:14 彼かれらは立たってエルサレムにあるもろもろの祭壇さいだんを取とり除のぞき、またすべての香こうをたく祭壇さいだんを取とり除のぞいてキデロン川かわに投なげすて、30:15 二月がつの十四日かに過越すぎこしの小羊こひつじをほふった。そこで祭司さいしたちおよびレビびとはみずから恥はじ、身みを清きよめて主しゅの宮みやに燔祭はんさいを携たずさえて来きた。30:16 彼かれらは神かみの人ひとモーセの律法りっぽうに従したがい、いつものようにその所ところに立たち、祭司さいしたちは、レビびとの手てから血ちを受うけて注そそいだ。30:17 時ときに、会衆かいしゅうのうちにまだ身みを清きよめていない者ものが多おおかったので、レビびとはその清きよくないすべての人々ひとびとに代かわって過越すぎこしの小羊こひつじをほふり、主しゅに清きよめてささげた。30:18 多おおくの民たみすなわちエフライム、マナセ、イッサカル、ゼブルンからきた多おおくの者ものはまだ身みを清きよめていないのに、書かきしるされたとおりにしないで過越すぎこしの物ものを食たべた。それでヒゼキヤは、彼かれらのために祈いのって言いった、「恵めぐみふかき主しゅよ、彼かれらをゆるしてください。30:19 彼かれらは聖所せいじょの清きよめの規定きていどおりにしなかったけれども、その心こころを傾かたむけて神かみを求もとめ、その先祖せんぞの神かみ、主しゅを求もとめたのです」。30:20 主しゅはヒゼキヤに聞きいて、民たみをいやされた。30:21 そこでエルサレムに来きていたイスラエルの人々ひとびとは大おおいなる喜よろこびをいだいて、七日なぬかのあいだ種たね入いれぬパンの祭まつりを行おこなった。またレビびとと祭司さいしたちは日々ひびに主しゅをさんびし、力ちからをつくして主しゅをたたえた。30:22 そしてヒゼキヤは主しゅの勤つとめによく通つうじているすべてのレビびとを深ふかくねぎらった。こうして人々ひとびとは酬恩祭しゅうおんさいの犠牲ぎせいをささげ、その先祖せんぞの神かみ、主しゅに感謝かんしゃして、七日なぬかのあいだ祭まつりの供そなえ物ものを食たべた。 30:23 なお全ぜん会衆かいしゅうは相あいはかって、さらに七日なぬかのあいだ祭まつりを守まもることを定さだめ、喜よろこびをもってまた七日なぬかのあいだ守まもった。30:24 時ときにユダの王おうヒゼキヤは雄牛おうし一千頭とう、羊ひつじ七千頭とうを会衆かいしゅうに贈おくり、また、つかさたちは雄牛おうし一千頭とう、羊ひつじ一いち万まん頭とうを会衆かいしゅうに贈おくった。祭司さいしもまた多おおく身みを清きよめた。30:25 ユダの全ぜん会衆かいしゅうおよび祭司さいし、レビびと、ならびにイスラエルからきた全ぜん会衆かいしゅう、およびイスラエルの地ちからきた他国たこく人じんと、ユダに住すむ他国たこく人じんは皆みな喜よろこんだ。30:26 このようにエルサレムに大おおいなる喜よろこびがあった。イスラエルの王おうダビデの子こソロモンの時ときからこのかた、このような事ことはエルサレムになかった。30:27 このとき祭司さいしたちとレビびとは立たって、民たみを祝福しゅくふくしたが、その声こえは聞きかれ、その祈いのりは主しゅの聖せいなるすみかである天てんに達たっした。 第31章 31:1 この事ことがすべて終おわった時とき、そこにいたイスラエルびとは皆みな、ユダの町々まちまちに出でて行いって、石柱せきちゅうを砕くだき、アシラ像ぞうを切きり倒たおし、ユダとベニヤミンの全ぜん地ち、およびエフライムとマナセにある高たかき所ところと祭壇さいだんとを取とりこわし、ついにこれをことごとく破壊はかいした。そしてイスラエルの人々ひとびとはおのおのその町々まちまち、その所領しょりょうに帰かえった。 31:2 ヒゼキヤは祭司さいしおよびレビびとの班はんを定さだめ、班はんごとにおのおのその勤つとめに従したがって、祭司さいしとレビびとに燔祭はんさいと酬恩祭しゅうおんさいをささげさせ、主しゅの営の門もんで勤つとめをし、感謝かんしゃをし、さんびをさせた。31:3 また燔祭はんさいのために自分じぶんの財産ざいさんのうちから王おうの分ぶんを出だした。すなわち朝夕あさゆうの燔祭はんさいおよび安息日あんそくにち、新月しんげつ、定さだめの祭まつりなどの燔祭はんさいのために出だして、主しゅの律法りっぽうにしるされているとおりにした。31:4 またエルサレムに住すむ民たみに、祭司さいしとレビびとにその分ぶんを与あたえることを命めいじた。これは彼かれらをして主しゅの律法りっぽうに身みをゆだねさせるためである。31:5 その命令めいれいが伝つたわるやいなや、イスラエルの人々ひとびとは穀物こくもつ、酒さけ、油あぶら、蜜みつならびに畑はたけのもろもろの産物さんぶつの初物はつものを多おおくささげ、またすべての物ものの十分ぶんの一をおびただしく携たずさえて来きた。31:6 ユダの町々まちまちに住すんでいたイスラエルとユダの人々ひとびともまた牛うし、羊ひつじの十分ぶんの一ならびにその神かみ、主しゅにささげられた奉納物ほうのうぶつを携たずさえて来きて、これを積つみ重かさねた。31:7 三月がつにこれを積つみ重かさねることを始はじめ、七月がつにこれを終おわった。31:8 ヒゼキヤおよびつかさたちは来きて、その積つみ重かさねた物ものを見み、主しゅとその民たみイスラエルを祝福しゅくふくした。31:9 そしてヒゼキヤがその積つみ重かさねた物ものについて祭司さいしおよびレビびとに問とい尋たずねた時とき、31:10 ザドクの家いえから出でた祭司さいしの長ちょうアザリヤは彼かれに答こたえて言いった、「民たみが主しゅの宮みやに供そなえ物ものを携たずさえて来くることを始はじめてからこのかた、われわれは飽あきるほど食たべたが、たくさん残のこりました。主しゅがその民たみを恵めぐまれたからです。それでわれわれは、このように多おおくの残のこった物ものをもっているのです」。 31:11 そこでヒゼキヤは主しゅの宮みやのうちに室しつを設もうけることを命めいじたので、彼かれらはこれを設もうけ、31:12 その供そなえ物ものの十分ぶんの一および奉納物ほうのうぶつを忠実ちゅうじつに携たずさえ入いれた。これをつかさどる者もののかしらはレビびとコナニヤで、その兄弟きょうだいシメイは彼かれに次つぐ者ものとなり、31:13 エヒエル、アザジヤ、ナハテ、アサヘル、エレモテ、ヨザバデ、エリエル、イスマキヤ、マハテ、ベナヤらは、ヒゼキヤ王おうおよび神かみの宮みやのつかさアザリヤの任命にんめいによって、コナニヤおよびその兄弟きょうだいシメイを助たすけて、その監督かんとく者しゃとなった。31:14 東ひがしの門もんを守まもる者ものレビびとイムナの子こコレは、神かみにささげる自発じはつのささげ物ものをつかさどり、主しゅの供そなえ物ものおよび最もっとも聖せいなる物ものを分配ぶんぱいした。31:15 彼かれを助たすける者ものはエデン、ミニヤミン、エシュア、シマヤ、アマリヤおよびシカニヤで、皆みな祭司さいしの町々まちまちでその兄弟きょうだいたちに、班はんによって、老若ろうにゃくひとしく忠実ちゅうじつに分配ぶんぱいした。31:16 ただしすべて登録とうろくされた三歳さい以上いじょうの男子だんしで主しゅの宮みやに入いり、その班はんに従したがって日々ひびの職分しょくぶんをつくし、その受持うけもちの勤つとめをなす者ものは除のぞかれた。31:17 祭司さいしの登録とうろくはその氏族しぞくによってなされ、二十歳さい以上いじょうのレビびとの登録とうろくはその班はんにより、その受持うけもちにしたがってなされた。31:18 また祭司さいしはその幼おさな子こ、その妻つま、そのむすこ、その娘むすめ、全ぜん会衆かいしゅうと共ともに登録とうろくした。彼かれらは忠実ちゅうじつに身みを聖せいなる事ことにささげたからである。31:19 また町々まちまちの放牧ほうぼく地ちにおるアロンの子孫しそんである祭司さいしたちのためには、町まちごとに人ひとを名なざし選えらんで、祭司さいしのうちのすべての男おとこおよびレビびとのうちの登録とうろくされたすべての者ものに、その分ぶんを与あたえさせた。 31:20 ヒゼキヤはユダ全国ぜんこくにこのようにし、良よい事こと、正ただしい事こと、忠実ちゅうじつな事ことをその神かみ、主しゅの前まえに行いった。31:21 彼かれがその神かみを求もとめるために神かみの宮みやの務つとめにつき、律法りっぽうにつき、戒いましめについて始はじめたわざは、ことごとく心こころをつくして行おこない、これをなし遂とげた。 第32章 32:1 ヒゼキヤがこれらの事ことを忠実ちゅうじつに行いった後のち、アッスリヤの王おうセナケリブが来きてユダに侵入しんにゅうし、堅固けんごな町々まちまちに向むかって陣じんを張はり、これを攻せめ取とろうとした。32:2 ヒゼキヤはセナケリブが来きて、エルサレムを攻せめようとするのを見みたので、32:3 そのつかさたちおよび勇士ゆうしたちと相談そうだんして、町まちの外そとにある泉いずみの水みずを、ふさごうとした。彼かれらはこれを助たすけた。32:4 多おおくの民たみは集あつまって、すべての泉いずみおよび国くにの中なかを流ながれる谷川たにがわをふさいで言いった、「アッスリヤの王おうたちがきて、多おおくの水みずを得えられるようなことをしておいていいだろうか」。32:5 ヒゼキヤはまた勇気ゆうきを出だして、破やぶれた城壁じょうへきをことごとく築きずき直なおして、その上うえにやぐらを建たて、その外そとにまた城壁じょうへきを巡めぐらし、ダビデの町まちのミロを堅固けんごにし、武器ぶきおよび盾たてを多おおく造つくり、32:6 軍ぐん長ちょうを民たみの上うえに置おき、町まちの門もんの広場ひろばに民たみを集あつめて、これを励はげまして言いった、32:7 「心こころを強つよくし、勇いさみたちなさい。アッスリヤの王おうをも、彼かれと共ともにいるすべての群衆ぐんしゅうをも恐おそれてはならない。おののいてはならない。われわれと共ともにおる者ものは彼かれらと共ともにおる者ものよりも大おおいなる者ものだからである。32:8 彼かれと共ともにおる者ものは肉にくの腕うでである。しかしわれわれと共ともにおる者ものはわれわれの神かみ、主しゅであって、われわれを助たすけ、われわれに代かわって戦たたかわれる」。民たみはユダの王おうヒゼキヤの言葉ことばに安心あんしんした。 32:9 この後のちアッスリヤの王おうセナケリブはその全ぜん軍ぐんをもってラキシを囲かこんでいたが、その家来けらいをエルサレムにつかわして、ユダの王おうヒゼキヤおよびエルサレムにいるすべてのユダの人ひとに告つげさせて言いった、32:10 「アッスリヤの王おうセナケリブはこう言いいます、『あなたがたは何なにを頼たのんでエルサレムにこもっているのか。32:11 ヒゼキヤは「われわれの神かみ、主しゅがアッスリヤの王おうの手てから、われわれを救すくってくださる」と言いって、あなたがたをそそのかし、飢うえと、かわきをもって、あなたがたを死しなせようとしているのではないか。32:12 このヒゼキヤは主しゅのもろもろの高たかき所ところと祭壇さいだんを取とり除のぞき、ユダとエルサレムに命めいじて、「あなたがたはただ一つの祭壇さいだんの前まえで礼拝れいはいし、その上うえに犠牲ぎせいをささげなければならない」と言いった者ものではないか。32:13 あなたがたは、わたしおよびわたしの先祖せんぞたちが、他たの国々くにぐにのすべての民たみにしたことを知しらないのか。それらの国々くにぐにの民たみの神々かみがみは、少すこしでもその国くにを、わたしの手てから救すくい出だすことができたか。32:14 わたしの先祖せんぞたちが滅ほろぼし尽つくしたそれらの国民こくみんのもろもろの神かみのうち、だれか自分じぶんの民たみをわたしの手てから救すくい出だすことのできたものがあるか。それで、どうしてあなたがたの神かみが、あなたがたをわたしの手てから救すくい出だすことができよう。32:15 それゆえ、あなたがたはヒゼキヤに欺あざむかれてはならない。そそのかされてはならない。また彼かれを信しんじてはならない。いずれの民たみ、いずれの国くにの神かみもその民たみをわたしの手て、または、わたしの先祖せんぞの手てから救すくいだすことができなかったのだから、ましてあなたがたの神かみが、どうしてわたしの手てからあなたがたを救すくいだすことができようか』」。 32:16 セナケリブの家来けらいは、このほかにも多おおく主しゅなる神かみ、およびそのしもべヒゼキヤをそしった。32:17 セナケリブはまた手紙てがみを書かき送おくって、イスラエルの神かみ、主しゅをあざけり、かつそしって言いった、「諸国しょこくの民たみの神々かみがみが、その民たみをわたしの手てから救すくい出ださなかったように、ヒゼキヤの神かみも、その民たみをわたしの手てから救すくい出ださないであろう」と。32:18 そして彼かれらは大声おおごえをあげ、ユダヤの言葉ことばをもって、城壁じょうへきの上うえにいるエルサレムの民たみに向むかって叫さけび、これをおどし、かつおびやかした。彼かれらは町まちを取とるためである。32:19 このように彼かれらがエルサレムの神かみについて語かたること、人ひとの手てのわざである地上ちじょうの民たみの神々かみがみについて語かたるようであった。 32:20 そこでヒゼキヤ王おうおよびアモツの子こ預言者よげんしゃイザヤは共ともに祈いのって、天てんに呼よばわったので、32:21 主しゅはひとりのみ使つかいをつかわして、アッスリヤ王おうの陣営じんえいにいるすべての大だい勇士ゆうしと将官しょうかん、軍ぐん長ちょうらを滅ほろぼされた。それで王おうは赤面せきめんして自分じぶんの国くにに帰かえったが、その神かみの家いえにはいった時とき、その子このひとりが、つるぎをもって彼かれをその所ところで殺ころした。32:22 このように主しゅは、ヒゼキヤとエルサレムの住民じゅうみんをアッスリヤの王おうセナケリブの手ておよびすべての敵てきの手てから救すくい出だし、いたる所ところで彼かれらを守まもられた。32:23 そこで多おおくの人々ひとびとはささげ物ものをエルサレムに携たずさえてきて主しゅにささげ、また宝物ほうもつをユダの王おうヒゼキヤに贈おくった。この後のちヒゼキヤは万国ばんこくの民たみに尊たっとばれた。 32:24 そのころ、ヒゼキヤは病やんで死しぬばかりであったが、主しゅに祈いのったので、主しゅはこれに答こたえて、しるしを賜たまわった。32:25 しかしヒゼキヤはその受うけた恵めぐみに報むくいることをせず、その心こころが高たかぶったので、怒いかりが彼かれとユダおよびエルサレムに臨のぞもうとしたが、32:26 ヒゼキヤはその心こころの高たかぶりを悔くいてへりくだり、またエルサレムの住民じゅうみんも同様どうようにしたので、主しゅの怒いかりは、ヒゼキヤの世よには彼かれらに臨のぞまなかった。 32:27 ヒゼキヤは富とみと栄誉えいよをきわめ、宝蔵ほうぞうを造つくって、金きん、銀ぎん、宝石ほうせき、香料こうりょう、盾たておよび各種かくしゅの尊たっとい器物うつわものをおさめ、32:28 また倉庫そうこを造つくって穀物こくもつ、酒さけ、油あぶらなどの産物さんぶつをおさめ、小屋こやを つくって種々しゅじゅの家畜かちくを置おき、おりを造つくって羊ひつじの群むれを置おき、32:29 また多数たすうの町まちを設もうけ、かつ羊ひつじと牛うしをおびただしく所有しょゆうした。神かみが非常ひじょうに多おおくの貨か財ざいを彼かれに賜たまわったからである。32:30 このヒゼキヤはまたギホンの水みずの上うえの源みなもとをふさいで、これをダビデの町まちの西にしの方ほうにまっすぐに引ひき下くだした。このようにヒゼキヤはそのすべてのわざをなし遂とげた。32:31 しかしバビロンの君きみたちが使者ししゃをつかわして、この国くににあった、しるしについて尋たずねさせた時ときには、神かみは彼かれを試こころみて、彼かれの心こころにあることを、ことごとく知しるために彼かれを捨すて置おかれた。 32:32 ヒゼキヤのその他たの行為こういおよびその徳行とっこうは、アモツの子こ預言者よげんしゃイザヤの黙示もくしとユダとイスラエルの列れつ王おうの書しょにしるされている。32:33 ヒゼキヤはその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、ダビデの子孫しそんの墓はかのうちの高たかい所ところに葬ほうむられた。ユダの人々ひとびとおよびエルサレムの住民じゅうみんは皆みなその死しに当あたって彼かれに敬意けいいを表あらわした。その子こマナセが彼かれに代かわって王おうとなった。 第33章 33:1 マナセは十二歳さいで王おうとなり、五十五年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。33:2 彼かれは主しゅがイスラエルの人々ひとびとの前まえから追おい払はらわれた国々くにぐにの民たみの憎にくむべき行おこないに見みならって、主しゅの目めの前まえに悪あくを行おこなった。33:3 すなわち、その父ちちヒゼキヤがこわした高たかき所ところを再ふたたび築きずき、またもろもろのバアルのために祭壇さいだんを設もうけ、アシラ像ぞうを造つくり、天てんの万象ばんしょうを拝おがんで、これに仕つかえ、33:4 また主しゅが「わが名なは永遠えいえんにエルサレムにある」と言いわれた主しゅの宮みやのうちに数個すうこの祭壇さいだんを築きずき、33:5 主しゅの宮みやの二つの庭にわに天てんの万象ばんしょうのために祭壇さいだんを築きずいた。33:6 彼かれはまたベンヒンノムの谷たにでその子こ供ともを火ひに焼やいて供そなえ物ものとし、占うらないをし、魔法まほうをつかい、まじないを行おこない、口寄くちよせと、占うらない師しを任用にんようするなど、主しゅの前まえに多おおくの悪あくを行いって、その怒いかりをひき起おこした。33:7 彼かれはまた刻きざんだ偶像ぐうぞうを造つくって神かみの宮みやに安置あんちした。神かみはこの宮みやについてダビデとその子こソロモンに言いわれたことがある、「わたしはこの宮みやと、わたしがイスラエルのすべての部族ぶぞくのうちから選えらんだエルサレムとに、わたしの名なを永遠えいえんに置おく。33:8 彼かれらがもし、わたしがすべて命めいじた事こと、すなわち、モーセが伝つたえたすべての律法りっぽうと定さだめとおきてとを慎つつしんで行おこなうならば、わたしがあなたがたの先祖せんぞのために定さだめた地ちから、重かさねてイスラエルの足あしを移うつすことをしない」と。33:9 マナセはこのようにユダとエルサレムの住民じゅうみんを迷まよわせ、主しゅがイスラエルの人々ひとびとの前まえに滅ほろぼされた国々くにぐにの民たみにもまさって悪あくを行おこなわせた。 33:10 主しゅはマナセおよびその民たみに告つげられたが、彼かれらは心こころに留とめなかった。33:11 それゆえ、主しゅはアッスリヤの王おうの軍勢ぐんぜいの諸しょ将しょうをこれに攻せめこさせられたので、彼かれらはマナセをかぎで捕とらえ、青銅せいどうのかせにつないで、バビロンに引ひいて行いった。33:12 彼かれは悩なやみにあうに及およんで、その神かみ、主しゅに願ねがい求もとめ、その先祖せんぞの神かみの前まえに大おおいに身みを低ひくくして、33:13 神かみに祈いのったので、神かみはその祈いのりを受うけいれ、その願ねがいを聞きき、彼かれをエルサレムに連つれ帰かえって、再ふたたび国くにに臨のぞませられた。これによってマナセは主しゅこそ、まことに神かみにいますことを知しった。 33:14 この後のち、彼かれはダビデの町まちの外そとの石いしがきをギホンの西にしの方ほうの谷たにのうちに築きずき、魚うおの門もんの入口いりぐちにまで及およぼし、またオペルに石いしがきをめぐらして、非常ひじょうに高たかくこれを築きずき上あげ、ユダのすべての堅固けんごな町まちに軍ぐん長ちょうを置おき、33:15 また主しゅの宮みやから、異邦いほうの神々かみがみおよび偶像ぐうぞうを取とり除のぞき、主しゅの宮みやの山やまとエルサレムに自分じぶんで築きずいたすべての祭壇さいだんを取とり除のぞいて、町まちの外そとに投なげ捨すて、33:16 主しゅの祭壇さいだんを築きずき直なおして、酬恩祭しゅうおんさいおよび感謝かんしゃの犠牲ぎせいを、その上うえにささげ、ユダに命めいじてイスラエルの神かみ、主しゅに仕つかえさせた。33:17 しかし民たみは、なお高たかき所ところで犠牲ぎせいをささげた。ただしその神かみ、主しゅにのみささげた。 33:18 マナセのそのほかの行為こうい、その神かみにささげた祈いのり、およびイスラエルの神かみ、主しゅの名なをもって彼かれに告つげた先見者せんけんしゃたちの言葉ことばは、イスラエルの列れつ王おうの記録きろくのうちにしるされている。33:19 またその祈いのりと、祈いのりの聞きかれた事こと、そのもろもろの罪つみと、とが、その身みを低ひくくする前まえに高たかき所ところを築きずいて、アシラ像ぞうおよび刻きざんだ像ぞうを立たてた場所ばしょなどは、先見者せんけんしゃの記録きろくのうちにしるされている。33:20 マナセはその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、その家いえに葬ほうむられた。その子こアモンが彼かれに代かわって王おうとなった。 33:21 アモンは王おうとなった時とき二十二歳さいで、二年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。33:22 彼かれはその父ちちマナセのしたように主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。すなわちアモンはその父ちちマナセが造つくったもろもろの刻きざんだ像ぞうに犠牲ぎせいをささげて、これに仕つかえ、33:23 その父ちちマナセが身みを低ひくくしたように主しゅの前まえに身みを低ひくくしなかった。かえってこのアモンは、いよいよそのとがを増ました。33:24 その家来けらいたちは党とうを結むすんで彼かれにそむき、彼かれをその家いえで殺ころした。33:25 しかし国くにの民たみは、党とうを結むすんでアモン王おうにそむいた者ものどもをことごとく撃うち殺ころした。そして国くにの民たみはその子こヨシヤを王おうとなして、そのあとを継つがせた。 第34章 34:1 ヨシヤは八歳さいのとき王おうとなり、エルサレムで三十一年ねんの間あいだ世よを治おさめた。34:2 彼かれは主しゅの良よしと見みられることをなし、その父ちちダビデの道みちを歩あゆんで、右みぎにも左ひだりにも曲まがらなかった。34:3 彼かれはまだ若わかかったが、その治世ちせいの第だい八年ねんに父ちちダビデの神かみを求もとめることを始はじめ、その十二年ねんには高たかき所ところ、アシラ像ぞう、刻きざんだ像ぞう、鋳いた像ぞうなどを除のぞいて、ユダとエルサレムを清きよめることを始はじめ、34:4 もろもろのバアルの祭壇さいだんを、自分じぶんの前まえで打うちこわさせ、その上うえに立たっていた香こうの祭壇さいだんを切きり倒たおし、アシラ像ぞう、刻きざんだ像ぞう、鋳いた像ぞうを打うち砕くだいて粉々こなごなにし、これらの像ぞうに犠牲ぎせいをささげた者ものどもの墓はかの上うえにそれをまき散ちらし、34:5 祭司さいしらの骨ほねをそのもろもろの祭壇さいだんの上うえで焼やき、こうしてユダとエルサレムを清きよめた。34:6 またマナセ、エフライム、シメオンおよびナフタリの荒あれた町々まちまちにもこのようにし、34:7 もろもろの祭壇さいだんをこわし、アシラ像ぞうおよびもろもろの刻きざんだ像ぞうを粉々こなごなに打うち砕くだき、イスラエル全国ぜんこくの香こうの祭壇さいだんをことごとく切きり倒たおして、エルサレムに帰かえった。 34:8 ヨシヤはその治世ちせいの十八年ねんに、国くにと宮みやとを清きよめた時とき、その神かみ、主しゅの宮みやを繕つくろわせようと、アザリヤの子こシャパン、町まちのつかさマアセヤおよびヨアハズの子こ史官しかんヨアをつかわした。34:9 彼かれらは大だい祭司さいしヒルキヤのもとへ行いって、神かみの宮みやにはいった金かねを渡わたした。これは門もんを守まもるレビびとがマナセ、エフライムおよびその他たのすべてのイスラエル、ならびにユダとベニヤミンのすべての人ひと、およびエルサレムの住民じゅうみんの手てから集あつめたものである。34:10 彼かれらはこれを主しゅの宮みやを監督かんとくする職工しょっこうらの手てに渡わたしたので、主しゅの宮みやで働はたらく職工しょっこうらは、これを宮みやを繕つくろい直なおすために支払しはらった。34:11 すなわち、大工だいくおよび建築者けんちくしゃにこれを渡わたして、ユダの王おうたちが破やぶった建物たてもののために、切きり石いしおよび骨組ほねぐみの材木ざいもくを買かわせ、梁はり材ざいを整ととのえさせた。34:12 その人々ひとびとは忠実ちゅうじつに仕事しごとをした。その監督かんとく者しゃはメラリの子孫しそんであるレビびとヤハテとオバデヤ、およびコハテびとの子孫しそんであるゼカリヤとメシュラムであって、工事こうじをつかさどった。また楽器がっきに巧たくみなレビびとがこれに伴ともなった。34:13 彼かれらはまた荷にを負おう者ものを監督かんとくし、様々さまざまの仕事しごとに働はたらくすべての者ものをつかさどった。また他たのレビびとは書記しょきとなり、役人やくにんとなり、また門衛もんえいとなった。 34:14 さて彼かれらが主しゅの宮みやにはいった金かねを取とりだした時とき、祭司さいしヒルキヤはモーセの伝つたえた主しゅの律法りっぽうの書しょを発見はっけんした。34:15 そこでヒルキヤは書記官しょきかんシャパンに言いった、「わたしは主しゅの宮みやで律法りっぽうの書しょを発見はっけんしました」と。そしてヒルキヤはその書しょをシャパンに渡わたした。34:16 シャパンはその書しょを王おうのもとに持もって行いき、さらに王おうに復命ふくめいして言いった、「しもべらはゆだねられた事ことをことごとくなし、34:17 主しゅの宮みやにあった金かねをあけて、監督かんとく者しゃの手ておよび職工しょっこうの手てに渡わたしました」。34:18 書記官しょきかんシャパンはまた王おうに告つげて、「祭司さいしヒルキヤはわたしに一つの書物しょもつを渡わたしました」と言いい、シャパンはそれを王おうの前まえで読よんだ。34:19 王おうはその律法りっぽうの言葉ことばを聞きいて衣ころもを裂さいた。34:20 そして王おうはヒルキヤおよびシャパンの子こアヒカムとミカの子こアブドンと書記官しょきかんシャパンと王おうの家来けらいアサヤとに命めいじて言いった、34:21 「あなたがたは行いって、この発見はっけんされた書物しょもつの言葉ことばについてわたしのために、またイスラエルとユダの残のこりの者もののために主しゅに問といなさい。われわれの先祖せんぞたちが主しゅの言葉ことばを守まもらず、すべてこの書物しょもつにしるされていることを行おこなわなかったので、主しゅはわれわれに大おおいなる怒いかりを注そそがれるからです」。 34:22 そこでヒルキヤおよび王おうのつかわした人々ひとびとは、シャルムの妻つまである女おんな預言者よげんしゃホルダのもとへ行いった。シャルムはハスラの子こであるトクハテの子こで、衣装いしょうを守まもる者ものである。時ときにホルダは、エルサレムの第だい二区くに住すんでいた。彼かれらはホルダにその趣意しゅいを語かたったので、34:23 ホルダは彼かれらに言いった、「イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられます、『あなたがたをわたしにつかわした人ひとに告つげなさい。34:24 主しゅはこう仰おおせられます。見みよ、わたしはユダの王おうの前まえで読よんだ書物しょもつにしるされているもろもろののろい、すなわち災わざわいをこの所ところと、ここに住すむ者ものに下くだす。34:25 彼かれらはわたしを捨すてて、他たの神々かみがみに香こうをたき、自分じぶんの手てで造つくったもろもろの物ものをもって、わたしの怒いかりを引ひき起おこそうとしたからである。それゆえ、わたしの怒いかりは、この所ところに注そそがれて消きえない。34:26 しかしあなたがたをつかわして、主しゅに問とわせるユダの王おうにはこう言いいなさい。イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる。あなたが聞きいた言葉ことばについては、34:27 この所ところと、ここに住すむ者ものを責せめる神かみの言葉ことばを、あなたが聞きいた時とき、心こころに悔くい、神かみの前まえに身みをひくくし、わたしの前まえにへりくだり、衣ころもを裂さいて、わたしの前まえに泣ないたので、わたしもまた、あなたに聞きいた、と主しゅは言いわれる。34:28 見みよ、わたしはあなたを先祖せんぞたちのもとに集あつめる。あなたは安やすらかにあなたの墓はかに集あつめられる。あなたはわたしがこの所ところと、ここに住すむ者ものに下くだすもろもろの災わざわいを目めに見みることがない』と」。彼かれらは王おうに復命ふくめいした。 34:29 そこで王おうは人ひとをつかわしてユダとエルサレムの長老ちょうろうをことごとく集あつめ、34:30 そして王おうは主しゅの宮みやに上のぼって行いった。ユダのすべての人々ひとびと、エルサレムの住民じゅうみん、祭司さいし、レビびと、およびすべての民たみは、老おいた者ものも若わかい者ものもことごとく彼かれに従したがった。そこで王おうは主しゅの宮みやで発見はっけんした契約けいやくの書しょの言葉ことばを、ことごとく彼かれらの耳みみに読よみ聞きかせ、34:31 そして王おうは自分じぶんの所ところに立たって、主しゅの前まえに契約けいやくを立たて、主しゅに従したがって歩あゆみ、心こころをつくし、精神せいしんをつくして、その戒いましめと、あかしと定さだめとをまもり、この書しょにしるされた契約けいやくの言葉ことばを行おこなおうと言いい、34:32 エルサレムおよびベニヤミンの人々ひとびとを皆みなこれに加くわわらせた。エルサレムの住民じゅうみんは先祖せんぞの神かみであるその神かみの契約けいやくにしたがって行いった。34:33 ヨシヤはイスラエルの人々ひとびとに属ぞくするすべての地ちから、憎にくむべきものをことごとく取とり除のぞき、イスラエルにいるすべての人ひとをその神かみ、主しゅに仕つかえさせた。ヨシヤが世よにある日ひの間あいだは、彼かれらは先祖せんぞの神かみ、主しゅに従したがって離はなれなかった。 第35章 35:1 ヨシヤはエルサレムで主しゅに過越すぎこしの祭まつりを行おこなった。すなわち正月しょうがつの十四日かに過越すぎこしの小羊こひつじをほふらせ、35:2 祭司さいしにその職務しょくむをとり行おこなわせ、彼かれらを励はげまして主しゅの宮みやの務つとめをさせ、35:3 また主しゅの聖せいなる者ものとなってすべてのイスラエルびとを教おしえるレビびとに言いった、「あなたがたはイスラエルの王おうダビデの子こソロモンの建たてた宮みやに、聖せいなる箱はこを置おきなさい。再ふたたびこれを肩かたにになうに及およばない。あなたがたの神かみ、主しゅおよびその民たみイスラエルに仕つかえなさい。35:4 あなたがたはイスラエルの王おうダビデの書しょ、およびその子こソロモンの書しょに基もとづいて氏族しぞくにしたがい、その班はんによって、みずから備そなえをなし、35:5 あなたがたの兄弟きょうだいである民たみの人々ひとびとの氏族しぞくの区分くぶんにしたがって聖所せいじょに立たち、このためにレビびとの氏族しぞくの分ぶんが かけることのないようにしなさい。35:6 あなたがたは過越すぎこしの小羊こひつじをほふり、身みを清きよめ、あなたがたの兄弟きょうだいのために備そなえをし、モーセが伝つたえた主しゅの言葉ことばにしたがって行おこないなさい」。 35:7 ヨシヤは、小羊こひつじおよび子こやぎを民たみの人々ひとびとに贈おくった。これは皆みなその所ところにいるすべての人ひとのための過越すぎこしの供そなえ物ものであって、その数かず三万、また雄牛おうし三千を贈おくった。それらは王おうの所有しょゆうから出だしたのである。35:8 そのつかさたちも民たみと祭司さいしとレビびとに真心こころから贈おくった。また神かみの宮みやのつかさたちヒルキヤ、ゼカリヤ、エヒエルも小羊こひつじと子こやぎ二千六百頭とう、牛うし三百頭とうを祭司さいしに与あたえて過越すぎこしの供そなえ物ものとした。35:9 またレビびとの長ちょうである人々ひとびとすなわちコナニヤおよびその兄弟きょうだいシマヤ、ネタンエルならびにハシャビヤ、エイエル、ヨザバデなども小羊こひつじと子こやぎ五千頭とう、牛うし五百頭とうをレビびとに贈おくって過越すぎこしの供そなえ物ものとした。 35:10 このように勤つとめのことが備そなわったので、王おうの命いのちに従したがって祭司さいしたちはその持もち場ばに立たち、レビびとはその班はんに従したがって仕つかえ、35:11 やがて過越すぎこしの小羊こひつじがほふられたので、祭司さいしはその血ちを受うけ取とって注そそいだ。レビびとはその皮かわをはいだ。35:12 それから燔祭はんさいの物ものをとり分わけ、それを民たみの人々ひとびとの氏族しぞくの区分くぶんに従したがって渡わたし、主しゅにささげさせた。これはモーセの書しょにしるされたとおりである。また牛うしをもこのようにした。35:13 そして定さだめに従したがって過越すぎこしの小羊こひつじを火ひであぶり、その他たの聖せいなる供そなえ物ものを深ふかなべ、かま、浅あさなべなどに煮にて、急いそいですべての民たみの人々ひとびとにくばった。35:14 その後のち、彼かれらは自分じぶんのためと、祭司さいしたちのために備そなえをした。アロンの子孫しそんである祭司さいしたちは、燔祭はんさいと脂肪しぼうをささげるのに忙いそがしくて、夜よるになったからである。それでレビびとは自分じぶんたちのためと、アロンの子孫しそんである祭司さいしたちのために備そなえたのである。35:15 アサフの子孫しそんである歌うたうたう者ものたちは、ダビデ、アサフ、ヘマンおよび王おうの先見者せんけんしゃエドトンの命いのちに従したがってその持もち場ばにおり、門衛もんえいたちはおのおの門もんにいて、その職務しょくむを離はなれるに及およばなかった。兄弟きょうだいであるレビびとが彼かれらのために備そなえたからである。 35:16 このようにその日ひ、主しゅの勤つとめの事ことがことごとく備そなわったので、ヨシヤ王おうの命いのちに従したがって過越すぎこしの祭まつりを行おこない、主しゅの祭壇さいだんに燔祭はんさいをささげた。35:17 ここに来きていたイスラエルの人々ひとびとは、そのとき過越すぎこしの祭まつりを行おこない、また七日なぬかの間あいだ、種たね入いれぬパンの祭まつりを行おこなった。35:18 預言者よげんしゃサムエルの日ひからこのかた、イスラエルでこのような過越すぎこしの祭まつりを行おこなったことはなかった。またイスラエルの諸王しょおうのうちには、ヨシヤが、祭司さいし、レビびと、ならびにそこに来きたユダとイスラエルのすべての人々ひとびと、およびエルサレムの住民じゅうみんと共ともに行いったような過越すぎこしの祭まつりを行おこなった者ものはひとりもなかった。35:19 この過越すぎこしの祭まつりはヨシヤの治世ちせいの第だい十八年ねんに行おこなわれた。 35:20 このようにヨシヤが宮みやを整ととのえた後のち、エジプトの王おうネコはユフラテ川かわのほとりにあるカルケミシで戦たたかうために上のぼってきたので、ヨシヤはこれを防ふせごうと出でて行いった。35:21 しかしネコは彼かれに使者ししゃをつかわして言いった、「ユダの王おうよ、われわれはお互たがいに何なにのあずかるところがありますか。わたしはきょう、あなたを攻せめようとして来きたのではありません。わたしの敵てきの家いえを攻せめようとして来きたのです。神かみがわたしに命めいじて急いそがせています。わたしと共ともにおられる神かみに逆さからうことをやめなさい。そうしないと、神かみはあなたを滅ほろぼされるでしょう」。35:22 しかしヨシヤは引ひき返かえすことを好このまず、かえって彼かれと戦たたかうために、姿すがたを変かえ、神かみの口くちから出でたネコの言葉ことばを聞ききいれず、行いってメギドの谷たにで戦たたかったが、35:23 射手しゃしゅの者ものどもがヨシヤを射いあてたので、王おうはその家来けらいたちに、「わたしを助たすけ出だせ。わたしはひどく傷きずついた」と言いった。35:24 そこで家来けらいたちは彼かれを車くるまから助たすけ出だし、王おうのもっていた第だい二の車くるまに乗のせてエルサレムにつれて行いったが、ついに死しんだので、その先祖せんぞの墓はかにこれを葬ほうむった。そしてユダとエルサレムは皆みなヨシヤのために悲かなしんだ。35:25 時ときにエレミヤはヨシヤのために哀歌あいかを作つくった。歌うたうたう男おとこ、歌うたうたう女おんなは今日こんにちに至いたるまで、その哀歌あいかのうちにヨシヤのことを述のべ、イスラエルのうちにこれを例れいとした。これは哀歌あいかのうちにしるされている。35:26 ヨシヤのその他たの行為こうい、主しゅの律法りっぽうにしるされた所ところに従したがって行いった徳行とっこう、35:27 およびその始終しじゅうの行おこないなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。 第36章 36:1 国くにの民たみはヨシヤの子こエホアハズを立たて、エルサレムでその父ちちに代かわって王おうとならせた。36:2 エホアハズは王おうとなった時とき二十三歳さいで、エルサレムで三月つきの間あいだ、世よを治おさめたが、36:3 エジプトの王おうはエルサレムで彼かれを廃はいし、かつ銀ぎん百タラント、金きん一タラントの罰金ばっきんを国くにに課かした。36:4 そしてエジプト王おうは彼かれの兄弟きょうだいエリアキムをユダとエルサレムの王おうとし、その名なをエホヤキムと改あらため、その兄弟きょうだいエホアハズを捕とらえてエジプトへ引ひいて行いった。 36:5 エホヤキムは王おうとなった時とき二十五歳さいで、十一年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。彼かれはその神かみ、主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。36:6 時ときに、バビロンの王おうネブカデネザルが彼かれの所ところに攻せめ上のぼり、彼かれをバビロンに引ひいて行いこうとして、かせにつないだ。36:7 ネブカデネザルはまた主しゅの宮みやの器物うつわものをバビロンに運はこんで行いって、バビロンにあるその宮殿きゅうでんにそれをおさめた。36:8 エホヤキムのその他たの行為こうい、その行いった憎にくむべき事ことおよび彼かれがひそかに行いった事ことなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。その子こエホヤキンが彼かれに代かわって王おうとなった。 36:9 エホヤキンは王おうとなった時とき八歳さいで、エルサレムで三月つきと十日かの間あいだ、世よを治おさめ、主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。36:10 年としが改あらたまり春はるになって、ネブカデネザル王おうは人ひとをつかわして、彼かれを主しゅの宮みやの尊たっとい器物うつわものと共ともにバビロンに連つれて行いかせ、その兄弟きょうだいゼデキヤをユダとエルサレムの王おうとした。 36:11 ゼデキヤは王おうとなった時とき二十一歳さいで、十一年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。36:12 彼かれはその神かみ、主しゅの前まえに悪あくを行おこない、主しゅの言葉ことばを伝つたえる預言者よげんしゃエレミヤの前まえに、身みをひくくしなかった。36:13 彼かれはまた、彼かれに神かみをさして誓ちかわせたネブカデネザル王おうにもそむいた。彼かれは強情ごうじょうで、その心こころをかたくなにして、イスラエルの神かみ、主しゅに立たち返かえらなかった。36:14 祭司さいしのかしらたちおよび民たみらもまた、すべて異邦人いほうじんのもろもろの憎にくむべき行為こういにならって、はなはだしく罪つみを犯おかし、主しゅがエルサレムに聖別せいべつしておかれた主しゅの宮みやを汚けがした。 36:15 その先祖せんぞの神かみ、主しゅはその民たみと、すみかをあわれむがゆえに、しきりに、その使者ししゃを彼かれらにつかわされたが、36:16 彼かれらが神かみの使者ししゃたちをあざけり、その言葉ことばを軽かろんじ、その預言者よげんしゃたちをののしったので、主しゅの怒いかりがその民たみに向むかって起おこり、ついに救すくうことができないようになった。 36:17 そこで主しゅはカルデヤびとの王おうを彼かれらに攻せめこさせられたので、彼かれはその聖所せいじょの家いえでつるぎをもって若者わかものたちを殺ころし、若者わかものをも、処女しょじょをも、老人ろうじんをも、しらがの者ものをもあわれまなかった。主しゅは彼かれらをことごとく彼かれの手てに渡わたされた。36:18 彼かれは神かみの宮みやのもろもろの大小だいしょうの器物うつわもの、主しゅの宮みやの貨か財ざい、王おうとそのつかさたちの貨か財ざいなど、すべてこれをバビロンに携たずさえて行いき、36:19 神かみの宮みやを焼やき、エルサレムの城壁じょうへきをくずし、そのうちの宮殿きゅうでんをことごとく火ひで焼やき、そのうちの尊たっとい器物うつわものをことごとくこわした。36:20 彼かれはまたつるぎをのがれた者ものどもを、バビロンに捕とらえて行いって、彼かれとその子こらの家来けらいとなし、ペルシャの国くにの興おこるまで、そうして置おいた。36:21 これはエレミヤの口くちによって伝つたえられた主しゅの言葉ことばの成就じょうじゅするためであった。こうして国くにはついにその安息あんそくをうけた。すなわちこれはその荒あれている間あいだ、安息あんそくして、ついに七十年ねんが満みちた。 36:22 ペルシャ王おうクロスの元年がんねんに当あたり、主しゅはエレミヤの口くちによって伝つたえた主しゅの言葉ことばを成就じょうじゅするため、ペルシャ王おうクロスの霊れいを感動かんどうされたので、王おうはあまねく国中くにぢゅうにふれ示しめし、またそれを書かき示しめして言いった、36:23 「ペルシャの王おうクロスはこう言いう、『天てんの神かみ、主しゅは地上ちじょうの国々くにぐにをことごとくわたしに賜たまわって、主しゅの宮みやをユダにあるエルサレムに建たてることをわたしに命めいじられた。あなたがたのうち、その民たみである者ものは皆みな、その神かみ、主しゅの助たすけを得えて上のぼって行いきなさい』」。
29:1 ヒゼキヤは王おうとなった時とき二十五歳さいで、二十九年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははアビヤと言いって、ゼカリヤの娘むすめである。
29:2 ヒゼキヤは父ちちダビデがすべてなしたように主しゅの良よしと見みられることをした。
29:3 彼かれはその治世ちせいの第だい一年ねんの一月がつに主しゅの宮みやの戸とを開ひらき、かつこれを繕つくろった。
29:4 彼かれは祭司さいしとレビびとを連つれていって、東ひがしの広場ひろばに集あつめ、
29:5 彼かれらに言いった、「レビびとよ、聞ききなさい。あなたがたは今いま、身みを清きよめて、あなたがたの先祖せんぞの神かみ、主しゅの宮みやを清きよめ、聖所せいじょから汚けがれを除のぞき去さりなさい。
29:6 われわれの先祖せんぞは罪つみを犯おかし、われわれの神かみ、主しゅの悪あくと見みられることを行いって、主しゅを捨すて、主しゅのすまいに顔かおをそむけ、うしろを向むけた。
29:7 また廊ろうの戸とを閉とじ、ともしびを消けし、聖所せいじょでイスラエルの神かみに香こうをたかず、燔祭はんさいをささげなかった。
29:8 それゆえ、主しゅの怒いかりはユダとエルサレムに臨のぞみ、あなたがたが目めに見みるように、主しゅは彼かれらを恐おそれと驚おどろきと物笑ものわらいにされた。
29:9 見みよ、われわれの父ちちたちはつるぎにたおれ、われわれのむすこたち、むすめたち、妻つまたちはこれがために捕虜ほりょとなった。
29:10 今いまわたしは、イスラエルの神かみ、主しゅと契約けいやくを結むすぶ志こころざしをもっている。そうすればその激はげしい怒いかりは、われわれを離はなれるであろう。
29:11 わが子こらよ、今いまは怠おこたってはならない。主しゅはあなたがたを選えらんで、主しゅの前まえに立たって仕つかえさせ、ご自分じぶんに仕つかえる者ものとなし、また香こうをたく者ものとされたからである」。
29:12 そこでレビびとは立たち上あがった。すなわちコハテびとの子孫しそんのうちでは、アマサイの子こマハテおよびアザリヤの子こヨエル。メラリの子孫しそんでは、アブデの子こキシおよびエハレレルの子こアザリヤ。ゲルションびとのうちでは、ジンマの子こヨアおよびヨアの子こエデン。
29:13 エリザパンの子孫しそんのうちでは、シムリとエイエル。アサフの子孫しそんのうちでは、ゼカリヤとマッタニヤ。
29:14 ヘマンの子孫しそんのうちでは、エヒエルとシメイ。エドトンの子孫しそんのうちでは、シマヤとウジエルである。
29:15 彼かれらはその兄弟きょうだいたちを集あつめて身みを清きよめ、主しゅの言葉ことばによる王おうの命令めいれいに従したがって、主しゅの宮みやを清きよめるためにはいって来きた。
29:16 祭司さいしたちが主しゅの宮みやの奥おくにはいってこれを清きよめ、主しゅの宮みやにあった汚けがれた物ものをことごとく主しゅの宮みやの庭にわに運はこび出だすと、レビびとはそれを受うけて外そとに出だし、キデロン川かわに持もって行いった。
29:17 彼かれらは正月しょうがつの元日がんじつに清きよめることを始はじめて、その月つきの八日かに主しゅの宮みやの廊ろうに達たっした。それから主しゅの宮みやを清きよめるのに八日かを費ついやし、正月しょうがつの十六日にちにこれを終おわった。
29:18 そこで彼かれらはヒゼキヤ王おうの所ところへ行いって言いった、「われわれは主しゅの宮みやをことごとく清きよめ、また燔祭はんさいの壇だんとそのすべての器物うつわもの、および供そなえのパンの机つくえとそのすべての器物うつわものとを清きよめました。
29:19 またアハズ王おうがその治世ちせいに罪つみを犯おかして捨すてたすべての器物うつわものをも整ととのえて清きよめました。それらは主しゅの祭壇さいだんの前まえにあります」。
29:20 そこでヒゼキヤ王おうは朝あさ早はやく起おきいで、町まちのつかさたちを集あつめて、主しゅの宮みやに上のぼって行いき、
29:21 雄牛おうし七頭とう、雄羊おひつじ七頭とう、小羊こひつじ七頭とう、雄おやぎ七頭とうを引ひいてこさせ、国くにと聖所せいじょとユダのためにこれを罪祭ざいさいとし、アロンの子孫しそんである祭司さいしたちに命めいじてこれを主しゅの祭壇さいだんの上うえにささげさせた。
29:22 すなわち、雄牛おうしをほふると、祭司さいしたちはその血ちを受うけて祭壇さいだんにふりかけ、また雄羊おひつじをほふると、その血ちを祭壇さいだんにふりかけ、また小羊こひつじをほふると、その血ちを祭壇さいだんにふりかけた。
29:23 そして罪祭ざいさいの雄おやぎを王おうと会衆かいしゅうの前まえに引ひいて来きたので、彼かれらはその上うえに手てを置おいた。
29:24 そして祭司さいしたちはこれをほふり、その血ちを罪祭ざいさいとして祭壇さいだんの上うえにささげてイスラエル全国ぜんこくのためにあがないをした。これは王おうがイスラエル全国ぜんこくのために燔祭はんさいおよび罪祭ざいさいをささげることを命めいじたためである。
29:25 王おうはまたレビびとを主しゅの宮みやに置おき、ダビデおよび王おうの先見者せんけんしゃガドと預言者よげんしゃナタンの命令めいれいに従したがって、これにシンバル、立琴たてごとおよび琴ことをとらせた。これは主しゅがその預言者よげんしゃによって命めいじられたところである。
29:26 こうしてレビびとはダビデの楽器がっきをとり、祭司さいしはラッパをとって立たった。
29:27 そこでヒゼキヤは燔祭はんさいを祭壇さいだんの上うえにささげることを命めいじた。燔祭はんさいをささげ始はじめた時とき、主しゅの歌うたをうたい、ラッパを吹ふき、イスラエルの王おうダビデの楽器がっきをならし始はじめた。
29:28 そして会衆かいしゅうは皆みな礼拝れいはいし、歌うたうたう者ものは歌うたをうたい、ラッパ手てはラッパを吹ふき鳴ならし、燔祭はんさいが終おわるまですべてこのようであったが、
29:29 ささげる事ことが終おわると、王おうおよび彼かれと共ともにいた者ものはみな身みをかがめて礼拝れいはいした。
29:30 またヒゼキヤ王おうおよびつかさたちはレビびとに命めいじて、ダビデと先見者せんけんしゃアサフの言葉ことばをもって主しゅをさんびさせた。彼かれらは喜よろこんでさんびし、頭とうをさげて礼拝れいはいした。
29:31 その時とき、ヒゼキヤは言いった、「あなたがたはすでに主しゅに仕つかえるために身みを清きよめたのであるから、進すすみよって、主しゅの宮みやに犠牲ぎせいと感謝かんしゃの供そなえ物ものを携たずさえて来きなさい」と。そこで会衆かいしゅうは犠牲ぎせいと感謝かんしゃの供そなえ物ものを携たずさえて来きた。また志こころざしある者ものは皆みな燔祭はんさいを携たずさえて来きた。
29:32 会衆かいしゅうの携たずさえて来きた燔祭はんさいの数かずは雄牛おうし七十頭とう、雄羊おひつじ百頭とう、小羊こひつじ二百頭とう、これらは皆みな主しゅに燔祭はんさいとしてささげるものであった。
29:33 また奉納物ほうのうぶつは牛うし六百頭とう、小羊こひつじ三千頭とうであった。
29:34 ところが祭司さいしが少すくなくてその燔祭はんさいの物ものの皮かわを、はぎつくすことができなかったので、その兄弟きょうだいであるレビびとがこれを助たすけて、そのわざをなし終おえ、その間かんに他たの祭司さいしたちは身みを清きよめた。これはレビびとが祭司さいしたちよりも、身みを清きよめることに、きちょうめんであったからである。
29:35 このほかおびただしい燔祭はんさいがあり、また、酬恩祭しゅうおんさいの脂肪しぼうおよび燔祭はんさいの灌祭かんさいもあった。こうして、主しゅの宮みやの勤つとめは回復かいふくされた。
29:36 この事ことは、にわかになされたけれども、神かみがこのように民たみのために備そなえをされたので、ヒゼキヤおよびすべての民たみは喜よろこんだ。
第30章 30:1 ヒゼキヤはイスラエルとユダにあまねく人ひとをつかわし、また手紙てがみをエフライムとマナセに書かき送おくり、エルサレムにある主しゅの宮みやに来きて、イスラエルの神かみ、主しゅに過越すぎこしの祭まつりを行おこなうように勧すすめた。30:2 王おうはすでにつかさたちおよびエルサレムにおる全ぜん会衆かいしゅうに計はかって、二月がつに過越すぎこしの祭まつりを行おこなうことを定さだめた。30:3 ――これは身みを清きよめた祭司さいしの数かずが足たらず、民たみもまた、エルサレムに集あつまらなかったので、正月しょうがつにこれを行おこなうことができなかったからである――30:4 この事ことが、王おうにも全ぜん会衆かいしゅうにも良よかったので、30:5 この事ことを定さだめて、ベエルシバからダンまでイスラエルにあまねくふれ示しめし、エルサレムに来きて、イスラエルの神かみ、主しゅに過越すぎこしの祭まつりを行おこなうことを勧すすめた。これはしるされているように、これを行おこなう者ものが多おおくなかったゆえである。30:6 そこで飛脚ひきゃくたちは、王おうとそのつかさたちから受うけた手紙てがみをもって、イスラエルとユダをあまねく行いき巡めぐり、王おうの命いのちを伝つたえて言いった、「イスラエルの人々ひとびとよ、あなたがたはアブラハム、イサク、イスラエルの神かみ、主しゅに立たち返かえりなさい。そうすれば主しゅは、アッスリヤの王おうたちの手てからのがれた残のこりのあなたがたに、帰かえられるでしょう。30:7 あなたがたの父ちちたちおよび兄弟きょうだいたちのようになってはならない。彼かれらはその先祖せんぞたちの神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかしたので、あなたがたの見みるように主しゅは彼かれらを滅ほろびに渡わたされたのです。30:8 あなたがたの父ちちたちのように強情ごうじょうにならないで、主しゅに帰服きふくし、主しゅがとこしえに聖別せいべつされた聖所せいじょに入いり、あなたがたの神かみ、主しゅに仕つかえなさい。そうすれば、その激はげしい怒いかりがあなたがたを離はなれるでしょう。30:9 もしあなたがたが主しゅに立たち返かえるならば、あなたがたの兄弟きょうだいおよび子供こどもは、これを捕とらえていった者ものの前まえにあわれみを得えて、この国くにに帰かえることができるでしょう。あなたがたの神かみ、主しゅは恵めぐみあり、あわれみある方かたであられるゆえ、あなたがたが彼かれに立たち返かえるならば、顔かおをあなたがたにそむけられることはありません」。 30:10 このように飛脚ひきゃくたちは、エフライムとマナセの国くににはいって、町まちから町まちに行いき巡めぐり、ついに、ゼブルンまで行いったが、人々ひとびとはこれをあざけり笑わらった。30:11 ただしアセル、マナセ、ゼブルンのうちには身みを低ひくくして、エルサレムにきた人々ひとびともあった。30:12 またユダにおいては神かみの手てが人々ひとびとに一つ心こころを与あたえて、王おうとつかさたちが主しゅの言葉ことばによって命めいじたことを行おこなわせた。 30:13 こうして二月がつになって、多おおくの民たみは、種たね入いれぬパンの祭まつりを行おこなうためエルサレムに集あつまったが、非常ひじょうに大おおきな会衆かいしゅうであった。30:14 彼かれらは立たってエルサレムにあるもろもろの祭壇さいだんを取とり除のぞき、またすべての香こうをたく祭壇さいだんを取とり除のぞいてキデロン川かわに投なげすて、30:15 二月がつの十四日かに過越すぎこしの小羊こひつじをほふった。そこで祭司さいしたちおよびレビびとはみずから恥はじ、身みを清きよめて主しゅの宮みやに燔祭はんさいを携たずさえて来きた。30:16 彼かれらは神かみの人ひとモーセの律法りっぽうに従したがい、いつものようにその所ところに立たち、祭司さいしたちは、レビびとの手てから血ちを受うけて注そそいだ。30:17 時ときに、会衆かいしゅうのうちにまだ身みを清きよめていない者ものが多おおかったので、レビびとはその清きよくないすべての人々ひとびとに代かわって過越すぎこしの小羊こひつじをほふり、主しゅに清きよめてささげた。30:18 多おおくの民たみすなわちエフライム、マナセ、イッサカル、ゼブルンからきた多おおくの者ものはまだ身みを清きよめていないのに、書かきしるされたとおりにしないで過越すぎこしの物ものを食たべた。それでヒゼキヤは、彼かれらのために祈いのって言いった、「恵めぐみふかき主しゅよ、彼かれらをゆるしてください。30:19 彼かれらは聖所せいじょの清きよめの規定きていどおりにしなかったけれども、その心こころを傾かたむけて神かみを求もとめ、その先祖せんぞの神かみ、主しゅを求もとめたのです」。30:20 主しゅはヒゼキヤに聞きいて、民たみをいやされた。30:21 そこでエルサレムに来きていたイスラエルの人々ひとびとは大おおいなる喜よろこびをいだいて、七日なぬかのあいだ種たね入いれぬパンの祭まつりを行おこなった。またレビびとと祭司さいしたちは日々ひびに主しゅをさんびし、力ちからをつくして主しゅをたたえた。30:22 そしてヒゼキヤは主しゅの勤つとめによく通つうじているすべてのレビびとを深ふかくねぎらった。こうして人々ひとびとは酬恩祭しゅうおんさいの犠牲ぎせいをささげ、その先祖せんぞの神かみ、主しゅに感謝かんしゃして、七日なぬかのあいだ祭まつりの供そなえ物ものを食たべた。 30:23 なお全ぜん会衆かいしゅうは相あいはかって、さらに七日なぬかのあいだ祭まつりを守まもることを定さだめ、喜よろこびをもってまた七日なぬかのあいだ守まもった。30:24 時ときにユダの王おうヒゼキヤは雄牛おうし一千頭とう、羊ひつじ七千頭とうを会衆かいしゅうに贈おくり、また、つかさたちは雄牛おうし一千頭とう、羊ひつじ一いち万まん頭とうを会衆かいしゅうに贈おくった。祭司さいしもまた多おおく身みを清きよめた。30:25 ユダの全ぜん会衆かいしゅうおよび祭司さいし、レビびと、ならびにイスラエルからきた全ぜん会衆かいしゅう、およびイスラエルの地ちからきた他国たこく人じんと、ユダに住すむ他国たこく人じんは皆みな喜よろこんだ。30:26 このようにエルサレムに大おおいなる喜よろこびがあった。イスラエルの王おうダビデの子こソロモンの時ときからこのかた、このような事ことはエルサレムになかった。30:27 このとき祭司さいしたちとレビびとは立たって、民たみを祝福しゅくふくしたが、その声こえは聞きかれ、その祈いのりは主しゅの聖せいなるすみかである天てんに達たっした。 第31章 31:1 この事ことがすべて終おわった時とき、そこにいたイスラエルびとは皆みな、ユダの町々まちまちに出でて行いって、石柱せきちゅうを砕くだき、アシラ像ぞうを切きり倒たおし、ユダとベニヤミンの全ぜん地ち、およびエフライムとマナセにある高たかき所ところと祭壇さいだんとを取とりこわし、ついにこれをことごとく破壊はかいした。そしてイスラエルの人々ひとびとはおのおのその町々まちまち、その所領しょりょうに帰かえった。 31:2 ヒゼキヤは祭司さいしおよびレビびとの班はんを定さだめ、班はんごとにおのおのその勤つとめに従したがって、祭司さいしとレビびとに燔祭はんさいと酬恩祭しゅうおんさいをささげさせ、主しゅの営の門もんで勤つとめをし、感謝かんしゃをし、さんびをさせた。31:3 また燔祭はんさいのために自分じぶんの財産ざいさんのうちから王おうの分ぶんを出だした。すなわち朝夕あさゆうの燔祭はんさいおよび安息日あんそくにち、新月しんげつ、定さだめの祭まつりなどの燔祭はんさいのために出だして、主しゅの律法りっぽうにしるされているとおりにした。31:4 またエルサレムに住すむ民たみに、祭司さいしとレビびとにその分ぶんを与あたえることを命めいじた。これは彼かれらをして主しゅの律法りっぽうに身みをゆだねさせるためである。31:5 その命令めいれいが伝つたわるやいなや、イスラエルの人々ひとびとは穀物こくもつ、酒さけ、油あぶら、蜜みつならびに畑はたけのもろもろの産物さんぶつの初物はつものを多おおくささげ、またすべての物ものの十分ぶんの一をおびただしく携たずさえて来きた。31:6 ユダの町々まちまちに住すんでいたイスラエルとユダの人々ひとびともまた牛うし、羊ひつじの十分ぶんの一ならびにその神かみ、主しゅにささげられた奉納物ほうのうぶつを携たずさえて来きて、これを積つみ重かさねた。31:7 三月がつにこれを積つみ重かさねることを始はじめ、七月がつにこれを終おわった。31:8 ヒゼキヤおよびつかさたちは来きて、その積つみ重かさねた物ものを見み、主しゅとその民たみイスラエルを祝福しゅくふくした。31:9 そしてヒゼキヤがその積つみ重かさねた物ものについて祭司さいしおよびレビびとに問とい尋たずねた時とき、31:10 ザドクの家いえから出でた祭司さいしの長ちょうアザリヤは彼かれに答こたえて言いった、「民たみが主しゅの宮みやに供そなえ物ものを携たずさえて来くることを始はじめてからこのかた、われわれは飽あきるほど食たべたが、たくさん残のこりました。主しゅがその民たみを恵めぐまれたからです。それでわれわれは、このように多おおくの残のこった物ものをもっているのです」。 31:11 そこでヒゼキヤは主しゅの宮みやのうちに室しつを設もうけることを命めいじたので、彼かれらはこれを設もうけ、31:12 その供そなえ物ものの十分ぶんの一および奉納物ほうのうぶつを忠実ちゅうじつに携たずさえ入いれた。これをつかさどる者もののかしらはレビびとコナニヤで、その兄弟きょうだいシメイは彼かれに次つぐ者ものとなり、31:13 エヒエル、アザジヤ、ナハテ、アサヘル、エレモテ、ヨザバデ、エリエル、イスマキヤ、マハテ、ベナヤらは、ヒゼキヤ王おうおよび神かみの宮みやのつかさアザリヤの任命にんめいによって、コナニヤおよびその兄弟きょうだいシメイを助たすけて、その監督かんとく者しゃとなった。31:14 東ひがしの門もんを守まもる者ものレビびとイムナの子こコレは、神かみにささげる自発じはつのささげ物ものをつかさどり、主しゅの供そなえ物ものおよび最もっとも聖せいなる物ものを分配ぶんぱいした。31:15 彼かれを助たすける者ものはエデン、ミニヤミン、エシュア、シマヤ、アマリヤおよびシカニヤで、皆みな祭司さいしの町々まちまちでその兄弟きょうだいたちに、班はんによって、老若ろうにゃくひとしく忠実ちゅうじつに分配ぶんぱいした。31:16 ただしすべて登録とうろくされた三歳さい以上いじょうの男子だんしで主しゅの宮みやに入いり、その班はんに従したがって日々ひびの職分しょくぶんをつくし、その受持うけもちの勤つとめをなす者ものは除のぞかれた。31:17 祭司さいしの登録とうろくはその氏族しぞくによってなされ、二十歳さい以上いじょうのレビびとの登録とうろくはその班はんにより、その受持うけもちにしたがってなされた。31:18 また祭司さいしはその幼おさな子こ、その妻つま、そのむすこ、その娘むすめ、全ぜん会衆かいしゅうと共ともに登録とうろくした。彼かれらは忠実ちゅうじつに身みを聖せいなる事ことにささげたからである。31:19 また町々まちまちの放牧ほうぼく地ちにおるアロンの子孫しそんである祭司さいしたちのためには、町まちごとに人ひとを名なざし選えらんで、祭司さいしのうちのすべての男おとこおよびレビびとのうちの登録とうろくされたすべての者ものに、その分ぶんを与あたえさせた。 31:20 ヒゼキヤはユダ全国ぜんこくにこのようにし、良よい事こと、正ただしい事こと、忠実ちゅうじつな事ことをその神かみ、主しゅの前まえに行いった。31:21 彼かれがその神かみを求もとめるために神かみの宮みやの務つとめにつき、律法りっぽうにつき、戒いましめについて始はじめたわざは、ことごとく心こころをつくして行おこない、これをなし遂とげた。 第32章 32:1 ヒゼキヤがこれらの事ことを忠実ちゅうじつに行いった後のち、アッスリヤの王おうセナケリブが来きてユダに侵入しんにゅうし、堅固けんごな町々まちまちに向むかって陣じんを張はり、これを攻せめ取とろうとした。32:2 ヒゼキヤはセナケリブが来きて、エルサレムを攻せめようとするのを見みたので、32:3 そのつかさたちおよび勇士ゆうしたちと相談そうだんして、町まちの外そとにある泉いずみの水みずを、ふさごうとした。彼かれらはこれを助たすけた。32:4 多おおくの民たみは集あつまって、すべての泉いずみおよび国くにの中なかを流ながれる谷川たにがわをふさいで言いった、「アッスリヤの王おうたちがきて、多おおくの水みずを得えられるようなことをしておいていいだろうか」。32:5 ヒゼキヤはまた勇気ゆうきを出だして、破やぶれた城壁じょうへきをことごとく築きずき直なおして、その上うえにやぐらを建たて、その外そとにまた城壁じょうへきを巡めぐらし、ダビデの町まちのミロを堅固けんごにし、武器ぶきおよび盾たてを多おおく造つくり、32:6 軍ぐん長ちょうを民たみの上うえに置おき、町まちの門もんの広場ひろばに民たみを集あつめて、これを励はげまして言いった、32:7 「心こころを強つよくし、勇いさみたちなさい。アッスリヤの王おうをも、彼かれと共ともにいるすべての群衆ぐんしゅうをも恐おそれてはならない。おののいてはならない。われわれと共ともにおる者ものは彼かれらと共ともにおる者ものよりも大おおいなる者ものだからである。32:8 彼かれと共ともにおる者ものは肉にくの腕うでである。しかしわれわれと共ともにおる者ものはわれわれの神かみ、主しゅであって、われわれを助たすけ、われわれに代かわって戦たたかわれる」。民たみはユダの王おうヒゼキヤの言葉ことばに安心あんしんした。 32:9 この後のちアッスリヤの王おうセナケリブはその全ぜん軍ぐんをもってラキシを囲かこんでいたが、その家来けらいをエルサレムにつかわして、ユダの王おうヒゼキヤおよびエルサレムにいるすべてのユダの人ひとに告つげさせて言いった、32:10 「アッスリヤの王おうセナケリブはこう言いいます、『あなたがたは何なにを頼たのんでエルサレムにこもっているのか。32:11 ヒゼキヤは「われわれの神かみ、主しゅがアッスリヤの王おうの手てから、われわれを救すくってくださる」と言いって、あなたがたをそそのかし、飢うえと、かわきをもって、あなたがたを死しなせようとしているのではないか。32:12 このヒゼキヤは主しゅのもろもろの高たかき所ところと祭壇さいだんを取とり除のぞき、ユダとエルサレムに命めいじて、「あなたがたはただ一つの祭壇さいだんの前まえで礼拝れいはいし、その上うえに犠牲ぎせいをささげなければならない」と言いった者ものではないか。32:13 あなたがたは、わたしおよびわたしの先祖せんぞたちが、他たの国々くにぐにのすべての民たみにしたことを知しらないのか。それらの国々くにぐにの民たみの神々かみがみは、少すこしでもその国くにを、わたしの手てから救すくい出だすことができたか。32:14 わたしの先祖せんぞたちが滅ほろぼし尽つくしたそれらの国民こくみんのもろもろの神かみのうち、だれか自分じぶんの民たみをわたしの手てから救すくい出だすことのできたものがあるか。それで、どうしてあなたがたの神かみが、あなたがたをわたしの手てから救すくい出だすことができよう。32:15 それゆえ、あなたがたはヒゼキヤに欺あざむかれてはならない。そそのかされてはならない。また彼かれを信しんじてはならない。いずれの民たみ、いずれの国くにの神かみもその民たみをわたしの手て、または、わたしの先祖せんぞの手てから救すくいだすことができなかったのだから、ましてあなたがたの神かみが、どうしてわたしの手てからあなたがたを救すくいだすことができようか』」。 32:16 セナケリブの家来けらいは、このほかにも多おおく主しゅなる神かみ、およびそのしもべヒゼキヤをそしった。32:17 セナケリブはまた手紙てがみを書かき送おくって、イスラエルの神かみ、主しゅをあざけり、かつそしって言いった、「諸国しょこくの民たみの神々かみがみが、その民たみをわたしの手てから救すくい出ださなかったように、ヒゼキヤの神かみも、その民たみをわたしの手てから救すくい出ださないであろう」と。32:18 そして彼かれらは大声おおごえをあげ、ユダヤの言葉ことばをもって、城壁じょうへきの上うえにいるエルサレムの民たみに向むかって叫さけび、これをおどし、かつおびやかした。彼かれらは町まちを取とるためである。32:19 このように彼かれらがエルサレムの神かみについて語かたること、人ひとの手てのわざである地上ちじょうの民たみの神々かみがみについて語かたるようであった。 32:20 そこでヒゼキヤ王おうおよびアモツの子こ預言者よげんしゃイザヤは共ともに祈いのって、天てんに呼よばわったので、32:21 主しゅはひとりのみ使つかいをつかわして、アッスリヤ王おうの陣営じんえいにいるすべての大だい勇士ゆうしと将官しょうかん、軍ぐん長ちょうらを滅ほろぼされた。それで王おうは赤面せきめんして自分じぶんの国くにに帰かえったが、その神かみの家いえにはいった時とき、その子このひとりが、つるぎをもって彼かれをその所ところで殺ころした。32:22 このように主しゅは、ヒゼキヤとエルサレムの住民じゅうみんをアッスリヤの王おうセナケリブの手ておよびすべての敵てきの手てから救すくい出だし、いたる所ところで彼かれらを守まもられた。32:23 そこで多おおくの人々ひとびとはささげ物ものをエルサレムに携たずさえてきて主しゅにささげ、また宝物ほうもつをユダの王おうヒゼキヤに贈おくった。この後のちヒゼキヤは万国ばんこくの民たみに尊たっとばれた。 32:24 そのころ、ヒゼキヤは病やんで死しぬばかりであったが、主しゅに祈いのったので、主しゅはこれに答こたえて、しるしを賜たまわった。32:25 しかしヒゼキヤはその受うけた恵めぐみに報むくいることをせず、その心こころが高たかぶったので、怒いかりが彼かれとユダおよびエルサレムに臨のぞもうとしたが、32:26 ヒゼキヤはその心こころの高たかぶりを悔くいてへりくだり、またエルサレムの住民じゅうみんも同様どうようにしたので、主しゅの怒いかりは、ヒゼキヤの世よには彼かれらに臨のぞまなかった。 32:27 ヒゼキヤは富とみと栄誉えいよをきわめ、宝蔵ほうぞうを造つくって、金きん、銀ぎん、宝石ほうせき、香料こうりょう、盾たておよび各種かくしゅの尊たっとい器物うつわものをおさめ、32:28 また倉庫そうこを造つくって穀物こくもつ、酒さけ、油あぶらなどの産物さんぶつをおさめ、小屋こやを つくって種々しゅじゅの家畜かちくを置おき、おりを造つくって羊ひつじの群むれを置おき、32:29 また多数たすうの町まちを設もうけ、かつ羊ひつじと牛うしをおびただしく所有しょゆうした。神かみが非常ひじょうに多おおくの貨か財ざいを彼かれに賜たまわったからである。32:30 このヒゼキヤはまたギホンの水みずの上うえの源みなもとをふさいで、これをダビデの町まちの西にしの方ほうにまっすぐに引ひき下くだした。このようにヒゼキヤはそのすべてのわざをなし遂とげた。32:31 しかしバビロンの君きみたちが使者ししゃをつかわして、この国くににあった、しるしについて尋たずねさせた時ときには、神かみは彼かれを試こころみて、彼かれの心こころにあることを、ことごとく知しるために彼かれを捨すて置おかれた。 32:32 ヒゼキヤのその他たの行為こういおよびその徳行とっこうは、アモツの子こ預言者よげんしゃイザヤの黙示もくしとユダとイスラエルの列れつ王おうの書しょにしるされている。32:33 ヒゼキヤはその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、ダビデの子孫しそんの墓はかのうちの高たかい所ところに葬ほうむられた。ユダの人々ひとびとおよびエルサレムの住民じゅうみんは皆みなその死しに当あたって彼かれに敬意けいいを表あらわした。その子こマナセが彼かれに代かわって王おうとなった。 第33章 33:1 マナセは十二歳さいで王おうとなり、五十五年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。33:2 彼かれは主しゅがイスラエルの人々ひとびとの前まえから追おい払はらわれた国々くにぐにの民たみの憎にくむべき行おこないに見みならって、主しゅの目めの前まえに悪あくを行おこなった。33:3 すなわち、その父ちちヒゼキヤがこわした高たかき所ところを再ふたたび築きずき、またもろもろのバアルのために祭壇さいだんを設もうけ、アシラ像ぞうを造つくり、天てんの万象ばんしょうを拝おがんで、これに仕つかえ、33:4 また主しゅが「わが名なは永遠えいえんにエルサレムにある」と言いわれた主しゅの宮みやのうちに数個すうこの祭壇さいだんを築きずき、33:5 主しゅの宮みやの二つの庭にわに天てんの万象ばんしょうのために祭壇さいだんを築きずいた。33:6 彼かれはまたベンヒンノムの谷たにでその子こ供ともを火ひに焼やいて供そなえ物ものとし、占うらないをし、魔法まほうをつかい、まじないを行おこない、口寄くちよせと、占うらない師しを任用にんようするなど、主しゅの前まえに多おおくの悪あくを行いって、その怒いかりをひき起おこした。33:7 彼かれはまた刻きざんだ偶像ぐうぞうを造つくって神かみの宮みやに安置あんちした。神かみはこの宮みやについてダビデとその子こソロモンに言いわれたことがある、「わたしはこの宮みやと、わたしがイスラエルのすべての部族ぶぞくのうちから選えらんだエルサレムとに、わたしの名なを永遠えいえんに置おく。33:8 彼かれらがもし、わたしがすべて命めいじた事こと、すなわち、モーセが伝つたえたすべての律法りっぽうと定さだめとおきてとを慎つつしんで行おこなうならば、わたしがあなたがたの先祖せんぞのために定さだめた地ちから、重かさねてイスラエルの足あしを移うつすことをしない」と。33:9 マナセはこのようにユダとエルサレムの住民じゅうみんを迷まよわせ、主しゅがイスラエルの人々ひとびとの前まえに滅ほろぼされた国々くにぐにの民たみにもまさって悪あくを行おこなわせた。 33:10 主しゅはマナセおよびその民たみに告つげられたが、彼かれらは心こころに留とめなかった。33:11 それゆえ、主しゅはアッスリヤの王おうの軍勢ぐんぜいの諸しょ将しょうをこれに攻せめこさせられたので、彼かれらはマナセをかぎで捕とらえ、青銅せいどうのかせにつないで、バビロンに引ひいて行いった。33:12 彼かれは悩なやみにあうに及およんで、その神かみ、主しゅに願ねがい求もとめ、その先祖せんぞの神かみの前まえに大おおいに身みを低ひくくして、33:13 神かみに祈いのったので、神かみはその祈いのりを受うけいれ、その願ねがいを聞きき、彼かれをエルサレムに連つれ帰かえって、再ふたたび国くにに臨のぞませられた。これによってマナセは主しゅこそ、まことに神かみにいますことを知しった。 33:14 この後のち、彼かれはダビデの町まちの外そとの石いしがきをギホンの西にしの方ほうの谷たにのうちに築きずき、魚うおの門もんの入口いりぐちにまで及およぼし、またオペルに石いしがきをめぐらして、非常ひじょうに高たかくこれを築きずき上あげ、ユダのすべての堅固けんごな町まちに軍ぐん長ちょうを置おき、33:15 また主しゅの宮みやから、異邦いほうの神々かみがみおよび偶像ぐうぞうを取とり除のぞき、主しゅの宮みやの山やまとエルサレムに自分じぶんで築きずいたすべての祭壇さいだんを取とり除のぞいて、町まちの外そとに投なげ捨すて、33:16 主しゅの祭壇さいだんを築きずき直なおして、酬恩祭しゅうおんさいおよび感謝かんしゃの犠牲ぎせいを、その上うえにささげ、ユダに命めいじてイスラエルの神かみ、主しゅに仕つかえさせた。33:17 しかし民たみは、なお高たかき所ところで犠牲ぎせいをささげた。ただしその神かみ、主しゅにのみささげた。 33:18 マナセのそのほかの行為こうい、その神かみにささげた祈いのり、およびイスラエルの神かみ、主しゅの名なをもって彼かれに告つげた先見者せんけんしゃたちの言葉ことばは、イスラエルの列れつ王おうの記録きろくのうちにしるされている。33:19 またその祈いのりと、祈いのりの聞きかれた事こと、そのもろもろの罪つみと、とが、その身みを低ひくくする前まえに高たかき所ところを築きずいて、アシラ像ぞうおよび刻きざんだ像ぞうを立たてた場所ばしょなどは、先見者せんけんしゃの記録きろくのうちにしるされている。33:20 マナセはその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、その家いえに葬ほうむられた。その子こアモンが彼かれに代かわって王おうとなった。 33:21 アモンは王おうとなった時とき二十二歳さいで、二年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。33:22 彼かれはその父ちちマナセのしたように主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。すなわちアモンはその父ちちマナセが造つくったもろもろの刻きざんだ像ぞうに犠牲ぎせいをささげて、これに仕つかえ、33:23 その父ちちマナセが身みを低ひくくしたように主しゅの前まえに身みを低ひくくしなかった。かえってこのアモンは、いよいよそのとがを増ました。33:24 その家来けらいたちは党とうを結むすんで彼かれにそむき、彼かれをその家いえで殺ころした。33:25 しかし国くにの民たみは、党とうを結むすんでアモン王おうにそむいた者ものどもをことごとく撃うち殺ころした。そして国くにの民たみはその子こヨシヤを王おうとなして、そのあとを継つがせた。 第34章 34:1 ヨシヤは八歳さいのとき王おうとなり、エルサレムで三十一年ねんの間あいだ世よを治おさめた。34:2 彼かれは主しゅの良よしと見みられることをなし、その父ちちダビデの道みちを歩あゆんで、右みぎにも左ひだりにも曲まがらなかった。34:3 彼かれはまだ若わかかったが、その治世ちせいの第だい八年ねんに父ちちダビデの神かみを求もとめることを始はじめ、その十二年ねんには高たかき所ところ、アシラ像ぞう、刻きざんだ像ぞう、鋳いた像ぞうなどを除のぞいて、ユダとエルサレムを清きよめることを始はじめ、34:4 もろもろのバアルの祭壇さいだんを、自分じぶんの前まえで打うちこわさせ、その上うえに立たっていた香こうの祭壇さいだんを切きり倒たおし、アシラ像ぞう、刻きざんだ像ぞう、鋳いた像ぞうを打うち砕くだいて粉々こなごなにし、これらの像ぞうに犠牲ぎせいをささげた者ものどもの墓はかの上うえにそれをまき散ちらし、34:5 祭司さいしらの骨ほねをそのもろもろの祭壇さいだんの上うえで焼やき、こうしてユダとエルサレムを清きよめた。34:6 またマナセ、エフライム、シメオンおよびナフタリの荒あれた町々まちまちにもこのようにし、34:7 もろもろの祭壇さいだんをこわし、アシラ像ぞうおよびもろもろの刻きざんだ像ぞうを粉々こなごなに打うち砕くだき、イスラエル全国ぜんこくの香こうの祭壇さいだんをことごとく切きり倒たおして、エルサレムに帰かえった。 34:8 ヨシヤはその治世ちせいの十八年ねんに、国くにと宮みやとを清きよめた時とき、その神かみ、主しゅの宮みやを繕つくろわせようと、アザリヤの子こシャパン、町まちのつかさマアセヤおよびヨアハズの子こ史官しかんヨアをつかわした。34:9 彼かれらは大だい祭司さいしヒルキヤのもとへ行いって、神かみの宮みやにはいった金かねを渡わたした。これは門もんを守まもるレビびとがマナセ、エフライムおよびその他たのすべてのイスラエル、ならびにユダとベニヤミンのすべての人ひと、およびエルサレムの住民じゅうみんの手てから集あつめたものである。34:10 彼かれらはこれを主しゅの宮みやを監督かんとくする職工しょっこうらの手てに渡わたしたので、主しゅの宮みやで働はたらく職工しょっこうらは、これを宮みやを繕つくろい直なおすために支払しはらった。34:11 すなわち、大工だいくおよび建築者けんちくしゃにこれを渡わたして、ユダの王おうたちが破やぶった建物たてもののために、切きり石いしおよび骨組ほねぐみの材木ざいもくを買かわせ、梁はり材ざいを整ととのえさせた。34:12 その人々ひとびとは忠実ちゅうじつに仕事しごとをした。その監督かんとく者しゃはメラリの子孫しそんであるレビびとヤハテとオバデヤ、およびコハテびとの子孫しそんであるゼカリヤとメシュラムであって、工事こうじをつかさどった。また楽器がっきに巧たくみなレビびとがこれに伴ともなった。34:13 彼かれらはまた荷にを負おう者ものを監督かんとくし、様々さまざまの仕事しごとに働はたらくすべての者ものをつかさどった。また他たのレビびとは書記しょきとなり、役人やくにんとなり、また門衛もんえいとなった。 34:14 さて彼かれらが主しゅの宮みやにはいった金かねを取とりだした時とき、祭司さいしヒルキヤはモーセの伝つたえた主しゅの律法りっぽうの書しょを発見はっけんした。34:15 そこでヒルキヤは書記官しょきかんシャパンに言いった、「わたしは主しゅの宮みやで律法りっぽうの書しょを発見はっけんしました」と。そしてヒルキヤはその書しょをシャパンに渡わたした。34:16 シャパンはその書しょを王おうのもとに持もって行いき、さらに王おうに復命ふくめいして言いった、「しもべらはゆだねられた事ことをことごとくなし、34:17 主しゅの宮みやにあった金かねをあけて、監督かんとく者しゃの手ておよび職工しょっこうの手てに渡わたしました」。34:18 書記官しょきかんシャパンはまた王おうに告つげて、「祭司さいしヒルキヤはわたしに一つの書物しょもつを渡わたしました」と言いい、シャパンはそれを王おうの前まえで読よんだ。34:19 王おうはその律法りっぽうの言葉ことばを聞きいて衣ころもを裂さいた。34:20 そして王おうはヒルキヤおよびシャパンの子こアヒカムとミカの子こアブドンと書記官しょきかんシャパンと王おうの家来けらいアサヤとに命めいじて言いった、34:21 「あなたがたは行いって、この発見はっけんされた書物しょもつの言葉ことばについてわたしのために、またイスラエルとユダの残のこりの者もののために主しゅに問といなさい。われわれの先祖せんぞたちが主しゅの言葉ことばを守まもらず、すべてこの書物しょもつにしるされていることを行おこなわなかったので、主しゅはわれわれに大おおいなる怒いかりを注そそがれるからです」。 34:22 そこでヒルキヤおよび王おうのつかわした人々ひとびとは、シャルムの妻つまである女おんな預言者よげんしゃホルダのもとへ行いった。シャルムはハスラの子こであるトクハテの子こで、衣装いしょうを守まもる者ものである。時ときにホルダは、エルサレムの第だい二区くに住すんでいた。彼かれらはホルダにその趣意しゅいを語かたったので、34:23 ホルダは彼かれらに言いった、「イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられます、『あなたがたをわたしにつかわした人ひとに告つげなさい。34:24 主しゅはこう仰おおせられます。見みよ、わたしはユダの王おうの前まえで読よんだ書物しょもつにしるされているもろもろののろい、すなわち災わざわいをこの所ところと、ここに住すむ者ものに下くだす。34:25 彼かれらはわたしを捨すてて、他たの神々かみがみに香こうをたき、自分じぶんの手てで造つくったもろもろの物ものをもって、わたしの怒いかりを引ひき起おこそうとしたからである。それゆえ、わたしの怒いかりは、この所ところに注そそがれて消きえない。34:26 しかしあなたがたをつかわして、主しゅに問とわせるユダの王おうにはこう言いいなさい。イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる。あなたが聞きいた言葉ことばについては、34:27 この所ところと、ここに住すむ者ものを責せめる神かみの言葉ことばを、あなたが聞きいた時とき、心こころに悔くい、神かみの前まえに身みをひくくし、わたしの前まえにへりくだり、衣ころもを裂さいて、わたしの前まえに泣ないたので、わたしもまた、あなたに聞きいた、と主しゅは言いわれる。34:28 見みよ、わたしはあなたを先祖せんぞたちのもとに集あつめる。あなたは安やすらかにあなたの墓はかに集あつめられる。あなたはわたしがこの所ところと、ここに住すむ者ものに下くだすもろもろの災わざわいを目めに見みることがない』と」。彼かれらは王おうに復命ふくめいした。 34:29 そこで王おうは人ひとをつかわしてユダとエルサレムの長老ちょうろうをことごとく集あつめ、34:30 そして王おうは主しゅの宮みやに上のぼって行いった。ユダのすべての人々ひとびと、エルサレムの住民じゅうみん、祭司さいし、レビびと、およびすべての民たみは、老おいた者ものも若わかい者ものもことごとく彼かれに従したがった。そこで王おうは主しゅの宮みやで発見はっけんした契約けいやくの書しょの言葉ことばを、ことごとく彼かれらの耳みみに読よみ聞きかせ、34:31 そして王おうは自分じぶんの所ところに立たって、主しゅの前まえに契約けいやくを立たて、主しゅに従したがって歩あゆみ、心こころをつくし、精神せいしんをつくして、その戒いましめと、あかしと定さだめとをまもり、この書しょにしるされた契約けいやくの言葉ことばを行おこなおうと言いい、34:32 エルサレムおよびベニヤミンの人々ひとびとを皆みなこれに加くわわらせた。エルサレムの住民じゅうみんは先祖せんぞの神かみであるその神かみの契約けいやくにしたがって行いった。34:33 ヨシヤはイスラエルの人々ひとびとに属ぞくするすべての地ちから、憎にくむべきものをことごとく取とり除のぞき、イスラエルにいるすべての人ひとをその神かみ、主しゅに仕つかえさせた。ヨシヤが世よにある日ひの間あいだは、彼かれらは先祖せんぞの神かみ、主しゅに従したがって離はなれなかった。 第35章 35:1 ヨシヤはエルサレムで主しゅに過越すぎこしの祭まつりを行おこなった。すなわち正月しょうがつの十四日かに過越すぎこしの小羊こひつじをほふらせ、35:2 祭司さいしにその職務しょくむをとり行おこなわせ、彼かれらを励はげまして主しゅの宮みやの務つとめをさせ、35:3 また主しゅの聖せいなる者ものとなってすべてのイスラエルびとを教おしえるレビびとに言いった、「あなたがたはイスラエルの王おうダビデの子こソロモンの建たてた宮みやに、聖せいなる箱はこを置おきなさい。再ふたたびこれを肩かたにになうに及およばない。あなたがたの神かみ、主しゅおよびその民たみイスラエルに仕つかえなさい。35:4 あなたがたはイスラエルの王おうダビデの書しょ、およびその子こソロモンの書しょに基もとづいて氏族しぞくにしたがい、その班はんによって、みずから備そなえをなし、35:5 あなたがたの兄弟きょうだいである民たみの人々ひとびとの氏族しぞくの区分くぶんにしたがって聖所せいじょに立たち、このためにレビびとの氏族しぞくの分ぶんが かけることのないようにしなさい。35:6 あなたがたは過越すぎこしの小羊こひつじをほふり、身みを清きよめ、あなたがたの兄弟きょうだいのために備そなえをし、モーセが伝つたえた主しゅの言葉ことばにしたがって行おこないなさい」。 35:7 ヨシヤは、小羊こひつじおよび子こやぎを民たみの人々ひとびとに贈おくった。これは皆みなその所ところにいるすべての人ひとのための過越すぎこしの供そなえ物ものであって、その数かず三万、また雄牛おうし三千を贈おくった。それらは王おうの所有しょゆうから出だしたのである。35:8 そのつかさたちも民たみと祭司さいしとレビびとに真心こころから贈おくった。また神かみの宮みやのつかさたちヒルキヤ、ゼカリヤ、エヒエルも小羊こひつじと子こやぎ二千六百頭とう、牛うし三百頭とうを祭司さいしに与あたえて過越すぎこしの供そなえ物ものとした。35:9 またレビびとの長ちょうである人々ひとびとすなわちコナニヤおよびその兄弟きょうだいシマヤ、ネタンエルならびにハシャビヤ、エイエル、ヨザバデなども小羊こひつじと子こやぎ五千頭とう、牛うし五百頭とうをレビびとに贈おくって過越すぎこしの供そなえ物ものとした。 35:10 このように勤つとめのことが備そなわったので、王おうの命いのちに従したがって祭司さいしたちはその持もち場ばに立たち、レビびとはその班はんに従したがって仕つかえ、35:11 やがて過越すぎこしの小羊こひつじがほふられたので、祭司さいしはその血ちを受うけ取とって注そそいだ。レビびとはその皮かわをはいだ。35:12 それから燔祭はんさいの物ものをとり分わけ、それを民たみの人々ひとびとの氏族しぞくの区分くぶんに従したがって渡わたし、主しゅにささげさせた。これはモーセの書しょにしるされたとおりである。また牛うしをもこのようにした。35:13 そして定さだめに従したがって過越すぎこしの小羊こひつじを火ひであぶり、その他たの聖せいなる供そなえ物ものを深ふかなべ、かま、浅あさなべなどに煮にて、急いそいですべての民たみの人々ひとびとにくばった。35:14 その後のち、彼かれらは自分じぶんのためと、祭司さいしたちのために備そなえをした。アロンの子孫しそんである祭司さいしたちは、燔祭はんさいと脂肪しぼうをささげるのに忙いそがしくて、夜よるになったからである。それでレビびとは自分じぶんたちのためと、アロンの子孫しそんである祭司さいしたちのために備そなえたのである。35:15 アサフの子孫しそんである歌うたうたう者ものたちは、ダビデ、アサフ、ヘマンおよび王おうの先見者せんけんしゃエドトンの命いのちに従したがってその持もち場ばにおり、門衛もんえいたちはおのおの門もんにいて、その職務しょくむを離はなれるに及およばなかった。兄弟きょうだいであるレビびとが彼かれらのために備そなえたからである。 35:16 このようにその日ひ、主しゅの勤つとめの事ことがことごとく備そなわったので、ヨシヤ王おうの命いのちに従したがって過越すぎこしの祭まつりを行おこない、主しゅの祭壇さいだんに燔祭はんさいをささげた。35:17 ここに来きていたイスラエルの人々ひとびとは、そのとき過越すぎこしの祭まつりを行おこない、また七日なぬかの間あいだ、種たね入いれぬパンの祭まつりを行おこなった。35:18 預言者よげんしゃサムエルの日ひからこのかた、イスラエルでこのような過越すぎこしの祭まつりを行おこなったことはなかった。またイスラエルの諸王しょおうのうちには、ヨシヤが、祭司さいし、レビびと、ならびにそこに来きたユダとイスラエルのすべての人々ひとびと、およびエルサレムの住民じゅうみんと共ともに行いったような過越すぎこしの祭まつりを行おこなった者ものはひとりもなかった。35:19 この過越すぎこしの祭まつりはヨシヤの治世ちせいの第だい十八年ねんに行おこなわれた。 35:20 このようにヨシヤが宮みやを整ととのえた後のち、エジプトの王おうネコはユフラテ川かわのほとりにあるカルケミシで戦たたかうために上のぼってきたので、ヨシヤはこれを防ふせごうと出でて行いった。35:21 しかしネコは彼かれに使者ししゃをつかわして言いった、「ユダの王おうよ、われわれはお互たがいに何なにのあずかるところがありますか。わたしはきょう、あなたを攻せめようとして来きたのではありません。わたしの敵てきの家いえを攻せめようとして来きたのです。神かみがわたしに命めいじて急いそがせています。わたしと共ともにおられる神かみに逆さからうことをやめなさい。そうしないと、神かみはあなたを滅ほろぼされるでしょう」。35:22 しかしヨシヤは引ひき返かえすことを好このまず、かえって彼かれと戦たたかうために、姿すがたを変かえ、神かみの口くちから出でたネコの言葉ことばを聞ききいれず、行いってメギドの谷たにで戦たたかったが、35:23 射手しゃしゅの者ものどもがヨシヤを射いあてたので、王おうはその家来けらいたちに、「わたしを助たすけ出だせ。わたしはひどく傷きずついた」と言いった。35:24 そこで家来けらいたちは彼かれを車くるまから助たすけ出だし、王おうのもっていた第だい二の車くるまに乗のせてエルサレムにつれて行いったが、ついに死しんだので、その先祖せんぞの墓はかにこれを葬ほうむった。そしてユダとエルサレムは皆みなヨシヤのために悲かなしんだ。35:25 時ときにエレミヤはヨシヤのために哀歌あいかを作つくった。歌うたうたう男おとこ、歌うたうたう女おんなは今日こんにちに至いたるまで、その哀歌あいかのうちにヨシヤのことを述のべ、イスラエルのうちにこれを例れいとした。これは哀歌あいかのうちにしるされている。35:26 ヨシヤのその他たの行為こうい、主しゅの律法りっぽうにしるされた所ところに従したがって行いった徳行とっこう、35:27 およびその始終しじゅうの行おこないなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。 第36章 36:1 国くにの民たみはヨシヤの子こエホアハズを立たて、エルサレムでその父ちちに代かわって王おうとならせた。36:2 エホアハズは王おうとなった時とき二十三歳さいで、エルサレムで三月つきの間あいだ、世よを治おさめたが、36:3 エジプトの王おうはエルサレムで彼かれを廃はいし、かつ銀ぎん百タラント、金きん一タラントの罰金ばっきんを国くにに課かした。36:4 そしてエジプト王おうは彼かれの兄弟きょうだいエリアキムをユダとエルサレムの王おうとし、その名なをエホヤキムと改あらため、その兄弟きょうだいエホアハズを捕とらえてエジプトへ引ひいて行いった。 36:5 エホヤキムは王おうとなった時とき二十五歳さいで、十一年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。彼かれはその神かみ、主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。36:6 時ときに、バビロンの王おうネブカデネザルが彼かれの所ところに攻せめ上のぼり、彼かれをバビロンに引ひいて行いこうとして、かせにつないだ。36:7 ネブカデネザルはまた主しゅの宮みやの器物うつわものをバビロンに運はこんで行いって、バビロンにあるその宮殿きゅうでんにそれをおさめた。36:8 エホヤキムのその他たの行為こうい、その行いった憎にくむべき事ことおよび彼かれがひそかに行いった事ことなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。その子こエホヤキンが彼かれに代かわって王おうとなった。 36:9 エホヤキンは王おうとなった時とき八歳さいで、エルサレムで三月つきと十日かの間あいだ、世よを治おさめ、主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。36:10 年としが改あらたまり春はるになって、ネブカデネザル王おうは人ひとをつかわして、彼かれを主しゅの宮みやの尊たっとい器物うつわものと共ともにバビロンに連つれて行いかせ、その兄弟きょうだいゼデキヤをユダとエルサレムの王おうとした。 36:11 ゼデキヤは王おうとなった時とき二十一歳さいで、十一年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。36:12 彼かれはその神かみ、主しゅの前まえに悪あくを行おこない、主しゅの言葉ことばを伝つたえる預言者よげんしゃエレミヤの前まえに、身みをひくくしなかった。36:13 彼かれはまた、彼かれに神かみをさして誓ちかわせたネブカデネザル王おうにもそむいた。彼かれは強情ごうじょうで、その心こころをかたくなにして、イスラエルの神かみ、主しゅに立たち返かえらなかった。36:14 祭司さいしのかしらたちおよび民たみらもまた、すべて異邦人いほうじんのもろもろの憎にくむべき行為こういにならって、はなはだしく罪つみを犯おかし、主しゅがエルサレムに聖別せいべつしておかれた主しゅの宮みやを汚けがした。 36:15 その先祖せんぞの神かみ、主しゅはその民たみと、すみかをあわれむがゆえに、しきりに、その使者ししゃを彼かれらにつかわされたが、36:16 彼かれらが神かみの使者ししゃたちをあざけり、その言葉ことばを軽かろんじ、その預言者よげんしゃたちをののしったので、主しゅの怒いかりがその民たみに向むかって起おこり、ついに救すくうことができないようになった。 36:17 そこで主しゅはカルデヤびとの王おうを彼かれらに攻せめこさせられたので、彼かれはその聖所せいじょの家いえでつるぎをもって若者わかものたちを殺ころし、若者わかものをも、処女しょじょをも、老人ろうじんをも、しらがの者ものをもあわれまなかった。主しゅは彼かれらをことごとく彼かれの手てに渡わたされた。36:18 彼かれは神かみの宮みやのもろもろの大小だいしょうの器物うつわもの、主しゅの宮みやの貨か財ざい、王おうとそのつかさたちの貨か財ざいなど、すべてこれをバビロンに携たずさえて行いき、36:19 神かみの宮みやを焼やき、エルサレムの城壁じょうへきをくずし、そのうちの宮殿きゅうでんをことごとく火ひで焼やき、そのうちの尊たっとい器物うつわものをことごとくこわした。36:20 彼かれはまたつるぎをのがれた者ものどもを、バビロンに捕とらえて行いって、彼かれとその子こらの家来けらいとなし、ペルシャの国くにの興おこるまで、そうして置おいた。36:21 これはエレミヤの口くちによって伝つたえられた主しゅの言葉ことばの成就じょうじゅするためであった。こうして国くにはついにその安息あんそくをうけた。すなわちこれはその荒あれている間あいだ、安息あんそくして、ついに七十年ねんが満みちた。 36:22 ペルシャ王おうクロスの元年がんねんに当あたり、主しゅはエレミヤの口くちによって伝つたえた主しゅの言葉ことばを成就じょうじゅするため、ペルシャ王おうクロスの霊れいを感動かんどうされたので、王おうはあまねく国中くにぢゅうにふれ示しめし、またそれを書かき示しめして言いった、36:23 「ペルシャの王おうクロスはこう言いう、『天てんの神かみ、主しゅは地上ちじょうの国々くにぐにをことごとくわたしに賜たまわって、主しゅの宮みやをユダにあるエルサレムに建たてることをわたしに命めいじられた。あなたがたのうち、その民たみである者ものは皆みな、その神かみ、主しゅの助たすけを得えて上のぼって行いきなさい』」。
30:1 ヒゼキヤはイスラエルとユダにあまねく人ひとをつかわし、また手紙てがみをエフライムとマナセに書かき送おくり、エルサレムにある主しゅの宮みやに来きて、イスラエルの神かみ、主しゅに過越すぎこしの祭まつりを行おこなうように勧すすめた。
30:2 王おうはすでにつかさたちおよびエルサレムにおる全ぜん会衆かいしゅうに計はかって、二月がつに過越すぎこしの祭まつりを行おこなうことを定さだめた。
30:3 ――これは身みを清きよめた祭司さいしの数かずが足たらず、民たみもまた、エルサレムに集あつまらなかったので、正月しょうがつにこれを行おこなうことができなかったからである――
30:4 この事ことが、王おうにも全ぜん会衆かいしゅうにも良よかったので、
30:5 この事ことを定さだめて、ベエルシバからダンまでイスラエルにあまねくふれ示しめし、エルサレムに来きて、イスラエルの神かみ、主しゅに過越すぎこしの祭まつりを行おこなうことを勧すすめた。これはしるされているように、これを行おこなう者ものが多おおくなかったゆえである。
30:6 そこで飛脚ひきゃくたちは、王おうとそのつかさたちから受うけた手紙てがみをもって、イスラエルとユダをあまねく行いき巡めぐり、王おうの命いのちを伝つたえて言いった、「イスラエルの人々ひとびとよ、あなたがたはアブラハム、イサク、イスラエルの神かみ、主しゅに立たち返かえりなさい。そうすれば主しゅは、アッスリヤの王おうたちの手てからのがれた残のこりのあなたがたに、帰かえられるでしょう。
30:7 あなたがたの父ちちたちおよび兄弟きょうだいたちのようになってはならない。彼かれらはその先祖せんぞたちの神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかしたので、あなたがたの見みるように主しゅは彼かれらを滅ほろびに渡わたされたのです。
30:8 あなたがたの父ちちたちのように強情ごうじょうにならないで、主しゅに帰服きふくし、主しゅがとこしえに聖別せいべつされた聖所せいじょに入いり、あなたがたの神かみ、主しゅに仕つかえなさい。そうすれば、その激はげしい怒いかりがあなたがたを離はなれるでしょう。
30:9 もしあなたがたが主しゅに立たち返かえるならば、あなたがたの兄弟きょうだいおよび子供こどもは、これを捕とらえていった者ものの前まえにあわれみを得えて、この国くにに帰かえることができるでしょう。あなたがたの神かみ、主しゅは恵めぐみあり、あわれみある方かたであられるゆえ、あなたがたが彼かれに立たち返かえるならば、顔かおをあなたがたにそむけられることはありません」。
30:10 このように飛脚ひきゃくたちは、エフライムとマナセの国くににはいって、町まちから町まちに行いき巡めぐり、ついに、ゼブルンまで行いったが、人々ひとびとはこれをあざけり笑わらった。
30:11 ただしアセル、マナセ、ゼブルンのうちには身みを低ひくくして、エルサレムにきた人々ひとびともあった。
30:12 またユダにおいては神かみの手てが人々ひとびとに一つ心こころを与あたえて、王おうとつかさたちが主しゅの言葉ことばによって命めいじたことを行おこなわせた。
30:13 こうして二月がつになって、多おおくの民たみは、種たね入いれぬパンの祭まつりを行おこなうためエルサレムに集あつまったが、非常ひじょうに大おおきな会衆かいしゅうであった。
30:14 彼かれらは立たってエルサレムにあるもろもろの祭壇さいだんを取とり除のぞき、またすべての香こうをたく祭壇さいだんを取とり除のぞいてキデロン川かわに投なげすて、
30:15 二月がつの十四日かに過越すぎこしの小羊こひつじをほふった。そこで祭司さいしたちおよびレビびとはみずから恥はじ、身みを清きよめて主しゅの宮みやに燔祭はんさいを携たずさえて来きた。
30:16 彼かれらは神かみの人ひとモーセの律法りっぽうに従したがい、いつものようにその所ところに立たち、祭司さいしたちは、レビびとの手てから血ちを受うけて注そそいだ。
30:17 時ときに、会衆かいしゅうのうちにまだ身みを清きよめていない者ものが多おおかったので、レビびとはその清きよくないすべての人々ひとびとに代かわって過越すぎこしの小羊こひつじをほふり、主しゅに清きよめてささげた。
30:18 多おおくの民たみすなわちエフライム、マナセ、イッサカル、ゼブルンからきた多おおくの者ものはまだ身みを清きよめていないのに、書かきしるされたとおりにしないで過越すぎこしの物ものを食たべた。それでヒゼキヤは、彼かれらのために祈いのって言いった、「恵めぐみふかき主しゅよ、彼かれらをゆるしてください。
30:19 彼かれらは聖所せいじょの清きよめの規定きていどおりにしなかったけれども、その心こころを傾かたむけて神かみを求もとめ、その先祖せんぞの神かみ、主しゅを求もとめたのです」。
30:20 主しゅはヒゼキヤに聞きいて、民たみをいやされた。
30:21 そこでエルサレムに来きていたイスラエルの人々ひとびとは大おおいなる喜よろこびをいだいて、七日なぬかのあいだ種たね入いれぬパンの祭まつりを行おこなった。またレビびとと祭司さいしたちは日々ひびに主しゅをさんびし、力ちからをつくして主しゅをたたえた。
30:22 そしてヒゼキヤは主しゅの勤つとめによく通つうじているすべてのレビびとを深ふかくねぎらった。こうして人々ひとびとは酬恩祭しゅうおんさいの犠牲ぎせいをささげ、その先祖せんぞの神かみ、主しゅに感謝かんしゃして、七日なぬかのあいだ祭まつりの供そなえ物ものを食たべた。
30:23 なお全ぜん会衆かいしゅうは相あいはかって、さらに七日なぬかのあいだ祭まつりを守まもることを定さだめ、喜よろこびをもってまた七日なぬかのあいだ守まもった。
30:24 時ときにユダの王おうヒゼキヤは雄牛おうし一千頭とう、羊ひつじ七千頭とうを会衆かいしゅうに贈おくり、また、つかさたちは雄牛おうし一千頭とう、羊ひつじ一いち万まん頭とうを会衆かいしゅうに贈おくった。祭司さいしもまた多おおく身みを清きよめた。
30:25 ユダの全ぜん会衆かいしゅうおよび祭司さいし、レビびと、ならびにイスラエルからきた全ぜん会衆かいしゅう、およびイスラエルの地ちからきた他国たこく人じんと、ユダに住すむ他国たこく人じんは皆みな喜よろこんだ。
30:26 このようにエルサレムに大おおいなる喜よろこびがあった。イスラエルの王おうダビデの子こソロモンの時ときからこのかた、このような事ことはエルサレムになかった。
30:27 このとき祭司さいしたちとレビびとは立たって、民たみを祝福しゅくふくしたが、その声こえは聞きかれ、その祈いのりは主しゅの聖せいなるすみかである天てんに達たっした。
第31章 31:1 この事ことがすべて終おわった時とき、そこにいたイスラエルびとは皆みな、ユダの町々まちまちに出でて行いって、石柱せきちゅうを砕くだき、アシラ像ぞうを切きり倒たおし、ユダとベニヤミンの全ぜん地ち、およびエフライムとマナセにある高たかき所ところと祭壇さいだんとを取とりこわし、ついにこれをことごとく破壊はかいした。そしてイスラエルの人々ひとびとはおのおのその町々まちまち、その所領しょりょうに帰かえった。 31:2 ヒゼキヤは祭司さいしおよびレビびとの班はんを定さだめ、班はんごとにおのおのその勤つとめに従したがって、祭司さいしとレビびとに燔祭はんさいと酬恩祭しゅうおんさいをささげさせ、主しゅの営の門もんで勤つとめをし、感謝かんしゃをし、さんびをさせた。31:3 また燔祭はんさいのために自分じぶんの財産ざいさんのうちから王おうの分ぶんを出だした。すなわち朝夕あさゆうの燔祭はんさいおよび安息日あんそくにち、新月しんげつ、定さだめの祭まつりなどの燔祭はんさいのために出だして、主しゅの律法りっぽうにしるされているとおりにした。31:4 またエルサレムに住すむ民たみに、祭司さいしとレビびとにその分ぶんを与あたえることを命めいじた。これは彼かれらをして主しゅの律法りっぽうに身みをゆだねさせるためである。31:5 その命令めいれいが伝つたわるやいなや、イスラエルの人々ひとびとは穀物こくもつ、酒さけ、油あぶら、蜜みつならびに畑はたけのもろもろの産物さんぶつの初物はつものを多おおくささげ、またすべての物ものの十分ぶんの一をおびただしく携たずさえて来きた。31:6 ユダの町々まちまちに住すんでいたイスラエルとユダの人々ひとびともまた牛うし、羊ひつじの十分ぶんの一ならびにその神かみ、主しゅにささげられた奉納物ほうのうぶつを携たずさえて来きて、これを積つみ重かさねた。31:7 三月がつにこれを積つみ重かさねることを始はじめ、七月がつにこれを終おわった。31:8 ヒゼキヤおよびつかさたちは来きて、その積つみ重かさねた物ものを見み、主しゅとその民たみイスラエルを祝福しゅくふくした。31:9 そしてヒゼキヤがその積つみ重かさねた物ものについて祭司さいしおよびレビびとに問とい尋たずねた時とき、31:10 ザドクの家いえから出でた祭司さいしの長ちょうアザリヤは彼かれに答こたえて言いった、「民たみが主しゅの宮みやに供そなえ物ものを携たずさえて来くることを始はじめてからこのかた、われわれは飽あきるほど食たべたが、たくさん残のこりました。主しゅがその民たみを恵めぐまれたからです。それでわれわれは、このように多おおくの残のこった物ものをもっているのです」。 31:11 そこでヒゼキヤは主しゅの宮みやのうちに室しつを設もうけることを命めいじたので、彼かれらはこれを設もうけ、31:12 その供そなえ物ものの十分ぶんの一および奉納物ほうのうぶつを忠実ちゅうじつに携たずさえ入いれた。これをつかさどる者もののかしらはレビびとコナニヤで、その兄弟きょうだいシメイは彼かれに次つぐ者ものとなり、31:13 エヒエル、アザジヤ、ナハテ、アサヘル、エレモテ、ヨザバデ、エリエル、イスマキヤ、マハテ、ベナヤらは、ヒゼキヤ王おうおよび神かみの宮みやのつかさアザリヤの任命にんめいによって、コナニヤおよびその兄弟きょうだいシメイを助たすけて、その監督かんとく者しゃとなった。31:14 東ひがしの門もんを守まもる者ものレビびとイムナの子こコレは、神かみにささげる自発じはつのささげ物ものをつかさどり、主しゅの供そなえ物ものおよび最もっとも聖せいなる物ものを分配ぶんぱいした。31:15 彼かれを助たすける者ものはエデン、ミニヤミン、エシュア、シマヤ、アマリヤおよびシカニヤで、皆みな祭司さいしの町々まちまちでその兄弟きょうだいたちに、班はんによって、老若ろうにゃくひとしく忠実ちゅうじつに分配ぶんぱいした。31:16 ただしすべて登録とうろくされた三歳さい以上いじょうの男子だんしで主しゅの宮みやに入いり、その班はんに従したがって日々ひびの職分しょくぶんをつくし、その受持うけもちの勤つとめをなす者ものは除のぞかれた。31:17 祭司さいしの登録とうろくはその氏族しぞくによってなされ、二十歳さい以上いじょうのレビびとの登録とうろくはその班はんにより、その受持うけもちにしたがってなされた。31:18 また祭司さいしはその幼おさな子こ、その妻つま、そのむすこ、その娘むすめ、全ぜん会衆かいしゅうと共ともに登録とうろくした。彼かれらは忠実ちゅうじつに身みを聖せいなる事ことにささげたからである。31:19 また町々まちまちの放牧ほうぼく地ちにおるアロンの子孫しそんである祭司さいしたちのためには、町まちごとに人ひとを名なざし選えらんで、祭司さいしのうちのすべての男おとこおよびレビびとのうちの登録とうろくされたすべての者ものに、その分ぶんを与あたえさせた。 31:20 ヒゼキヤはユダ全国ぜんこくにこのようにし、良よい事こと、正ただしい事こと、忠実ちゅうじつな事ことをその神かみ、主しゅの前まえに行いった。31:21 彼かれがその神かみを求もとめるために神かみの宮みやの務つとめにつき、律法りっぽうにつき、戒いましめについて始はじめたわざは、ことごとく心こころをつくして行おこない、これをなし遂とげた。 第32章 32:1 ヒゼキヤがこれらの事ことを忠実ちゅうじつに行いった後のち、アッスリヤの王おうセナケリブが来きてユダに侵入しんにゅうし、堅固けんごな町々まちまちに向むかって陣じんを張はり、これを攻せめ取とろうとした。32:2 ヒゼキヤはセナケリブが来きて、エルサレムを攻せめようとするのを見みたので、32:3 そのつかさたちおよび勇士ゆうしたちと相談そうだんして、町まちの外そとにある泉いずみの水みずを、ふさごうとした。彼かれらはこれを助たすけた。32:4 多おおくの民たみは集あつまって、すべての泉いずみおよび国くにの中なかを流ながれる谷川たにがわをふさいで言いった、「アッスリヤの王おうたちがきて、多おおくの水みずを得えられるようなことをしておいていいだろうか」。32:5 ヒゼキヤはまた勇気ゆうきを出だして、破やぶれた城壁じょうへきをことごとく築きずき直なおして、その上うえにやぐらを建たて、その外そとにまた城壁じょうへきを巡めぐらし、ダビデの町まちのミロを堅固けんごにし、武器ぶきおよび盾たてを多おおく造つくり、32:6 軍ぐん長ちょうを民たみの上うえに置おき、町まちの門もんの広場ひろばに民たみを集あつめて、これを励はげまして言いった、32:7 「心こころを強つよくし、勇いさみたちなさい。アッスリヤの王おうをも、彼かれと共ともにいるすべての群衆ぐんしゅうをも恐おそれてはならない。おののいてはならない。われわれと共ともにおる者ものは彼かれらと共ともにおる者ものよりも大おおいなる者ものだからである。32:8 彼かれと共ともにおる者ものは肉にくの腕うでである。しかしわれわれと共ともにおる者ものはわれわれの神かみ、主しゅであって、われわれを助たすけ、われわれに代かわって戦たたかわれる」。民たみはユダの王おうヒゼキヤの言葉ことばに安心あんしんした。 32:9 この後のちアッスリヤの王おうセナケリブはその全ぜん軍ぐんをもってラキシを囲かこんでいたが、その家来けらいをエルサレムにつかわして、ユダの王おうヒゼキヤおよびエルサレムにいるすべてのユダの人ひとに告つげさせて言いった、32:10 「アッスリヤの王おうセナケリブはこう言いいます、『あなたがたは何なにを頼たのんでエルサレムにこもっているのか。32:11 ヒゼキヤは「われわれの神かみ、主しゅがアッスリヤの王おうの手てから、われわれを救すくってくださる」と言いって、あなたがたをそそのかし、飢うえと、かわきをもって、あなたがたを死しなせようとしているのではないか。32:12 このヒゼキヤは主しゅのもろもろの高たかき所ところと祭壇さいだんを取とり除のぞき、ユダとエルサレムに命めいじて、「あなたがたはただ一つの祭壇さいだんの前まえで礼拝れいはいし、その上うえに犠牲ぎせいをささげなければならない」と言いった者ものではないか。32:13 あなたがたは、わたしおよびわたしの先祖せんぞたちが、他たの国々くにぐにのすべての民たみにしたことを知しらないのか。それらの国々くにぐにの民たみの神々かみがみは、少すこしでもその国くにを、わたしの手てから救すくい出だすことができたか。32:14 わたしの先祖せんぞたちが滅ほろぼし尽つくしたそれらの国民こくみんのもろもろの神かみのうち、だれか自分じぶんの民たみをわたしの手てから救すくい出だすことのできたものがあるか。それで、どうしてあなたがたの神かみが、あなたがたをわたしの手てから救すくい出だすことができよう。32:15 それゆえ、あなたがたはヒゼキヤに欺あざむかれてはならない。そそのかされてはならない。また彼かれを信しんじてはならない。いずれの民たみ、いずれの国くにの神かみもその民たみをわたしの手て、または、わたしの先祖せんぞの手てから救すくいだすことができなかったのだから、ましてあなたがたの神かみが、どうしてわたしの手てからあなたがたを救すくいだすことができようか』」。 32:16 セナケリブの家来けらいは、このほかにも多おおく主しゅなる神かみ、およびそのしもべヒゼキヤをそしった。32:17 セナケリブはまた手紙てがみを書かき送おくって、イスラエルの神かみ、主しゅをあざけり、かつそしって言いった、「諸国しょこくの民たみの神々かみがみが、その民たみをわたしの手てから救すくい出ださなかったように、ヒゼキヤの神かみも、その民たみをわたしの手てから救すくい出ださないであろう」と。32:18 そして彼かれらは大声おおごえをあげ、ユダヤの言葉ことばをもって、城壁じょうへきの上うえにいるエルサレムの民たみに向むかって叫さけび、これをおどし、かつおびやかした。彼かれらは町まちを取とるためである。32:19 このように彼かれらがエルサレムの神かみについて語かたること、人ひとの手てのわざである地上ちじょうの民たみの神々かみがみについて語かたるようであった。 32:20 そこでヒゼキヤ王おうおよびアモツの子こ預言者よげんしゃイザヤは共ともに祈いのって、天てんに呼よばわったので、32:21 主しゅはひとりのみ使つかいをつかわして、アッスリヤ王おうの陣営じんえいにいるすべての大だい勇士ゆうしと将官しょうかん、軍ぐん長ちょうらを滅ほろぼされた。それで王おうは赤面せきめんして自分じぶんの国くにに帰かえったが、その神かみの家いえにはいった時とき、その子このひとりが、つるぎをもって彼かれをその所ところで殺ころした。32:22 このように主しゅは、ヒゼキヤとエルサレムの住民じゅうみんをアッスリヤの王おうセナケリブの手ておよびすべての敵てきの手てから救すくい出だし、いたる所ところで彼かれらを守まもられた。32:23 そこで多おおくの人々ひとびとはささげ物ものをエルサレムに携たずさえてきて主しゅにささげ、また宝物ほうもつをユダの王おうヒゼキヤに贈おくった。この後のちヒゼキヤは万国ばんこくの民たみに尊たっとばれた。 32:24 そのころ、ヒゼキヤは病やんで死しぬばかりであったが、主しゅに祈いのったので、主しゅはこれに答こたえて、しるしを賜たまわった。32:25 しかしヒゼキヤはその受うけた恵めぐみに報むくいることをせず、その心こころが高たかぶったので、怒いかりが彼かれとユダおよびエルサレムに臨のぞもうとしたが、32:26 ヒゼキヤはその心こころの高たかぶりを悔くいてへりくだり、またエルサレムの住民じゅうみんも同様どうようにしたので、主しゅの怒いかりは、ヒゼキヤの世よには彼かれらに臨のぞまなかった。 32:27 ヒゼキヤは富とみと栄誉えいよをきわめ、宝蔵ほうぞうを造つくって、金きん、銀ぎん、宝石ほうせき、香料こうりょう、盾たておよび各種かくしゅの尊たっとい器物うつわものをおさめ、32:28 また倉庫そうこを造つくって穀物こくもつ、酒さけ、油あぶらなどの産物さんぶつをおさめ、小屋こやを つくって種々しゅじゅの家畜かちくを置おき、おりを造つくって羊ひつじの群むれを置おき、32:29 また多数たすうの町まちを設もうけ、かつ羊ひつじと牛うしをおびただしく所有しょゆうした。神かみが非常ひじょうに多おおくの貨か財ざいを彼かれに賜たまわったからである。32:30 このヒゼキヤはまたギホンの水みずの上うえの源みなもとをふさいで、これをダビデの町まちの西にしの方ほうにまっすぐに引ひき下くだした。このようにヒゼキヤはそのすべてのわざをなし遂とげた。32:31 しかしバビロンの君きみたちが使者ししゃをつかわして、この国くににあった、しるしについて尋たずねさせた時ときには、神かみは彼かれを試こころみて、彼かれの心こころにあることを、ことごとく知しるために彼かれを捨すて置おかれた。 32:32 ヒゼキヤのその他たの行為こういおよびその徳行とっこうは、アモツの子こ預言者よげんしゃイザヤの黙示もくしとユダとイスラエルの列れつ王おうの書しょにしるされている。32:33 ヒゼキヤはその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、ダビデの子孫しそんの墓はかのうちの高たかい所ところに葬ほうむられた。ユダの人々ひとびとおよびエルサレムの住民じゅうみんは皆みなその死しに当あたって彼かれに敬意けいいを表あらわした。その子こマナセが彼かれに代かわって王おうとなった。 第33章 33:1 マナセは十二歳さいで王おうとなり、五十五年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。33:2 彼かれは主しゅがイスラエルの人々ひとびとの前まえから追おい払はらわれた国々くにぐにの民たみの憎にくむべき行おこないに見みならって、主しゅの目めの前まえに悪あくを行おこなった。33:3 すなわち、その父ちちヒゼキヤがこわした高たかき所ところを再ふたたび築きずき、またもろもろのバアルのために祭壇さいだんを設もうけ、アシラ像ぞうを造つくり、天てんの万象ばんしょうを拝おがんで、これに仕つかえ、33:4 また主しゅが「わが名なは永遠えいえんにエルサレムにある」と言いわれた主しゅの宮みやのうちに数個すうこの祭壇さいだんを築きずき、33:5 主しゅの宮みやの二つの庭にわに天てんの万象ばんしょうのために祭壇さいだんを築きずいた。33:6 彼かれはまたベンヒンノムの谷たにでその子こ供ともを火ひに焼やいて供そなえ物ものとし、占うらないをし、魔法まほうをつかい、まじないを行おこない、口寄くちよせと、占うらない師しを任用にんようするなど、主しゅの前まえに多おおくの悪あくを行いって、その怒いかりをひき起おこした。33:7 彼かれはまた刻きざんだ偶像ぐうぞうを造つくって神かみの宮みやに安置あんちした。神かみはこの宮みやについてダビデとその子こソロモンに言いわれたことがある、「わたしはこの宮みやと、わたしがイスラエルのすべての部族ぶぞくのうちから選えらんだエルサレムとに、わたしの名なを永遠えいえんに置おく。33:8 彼かれらがもし、わたしがすべて命めいじた事こと、すなわち、モーセが伝つたえたすべての律法りっぽうと定さだめとおきてとを慎つつしんで行おこなうならば、わたしがあなたがたの先祖せんぞのために定さだめた地ちから、重かさねてイスラエルの足あしを移うつすことをしない」と。33:9 マナセはこのようにユダとエルサレムの住民じゅうみんを迷まよわせ、主しゅがイスラエルの人々ひとびとの前まえに滅ほろぼされた国々くにぐにの民たみにもまさって悪あくを行おこなわせた。 33:10 主しゅはマナセおよびその民たみに告つげられたが、彼かれらは心こころに留とめなかった。33:11 それゆえ、主しゅはアッスリヤの王おうの軍勢ぐんぜいの諸しょ将しょうをこれに攻せめこさせられたので、彼かれらはマナセをかぎで捕とらえ、青銅せいどうのかせにつないで、バビロンに引ひいて行いった。33:12 彼かれは悩なやみにあうに及およんで、その神かみ、主しゅに願ねがい求もとめ、その先祖せんぞの神かみの前まえに大おおいに身みを低ひくくして、33:13 神かみに祈いのったので、神かみはその祈いのりを受うけいれ、その願ねがいを聞きき、彼かれをエルサレムに連つれ帰かえって、再ふたたび国くにに臨のぞませられた。これによってマナセは主しゅこそ、まことに神かみにいますことを知しった。 33:14 この後のち、彼かれはダビデの町まちの外そとの石いしがきをギホンの西にしの方ほうの谷たにのうちに築きずき、魚うおの門もんの入口いりぐちにまで及およぼし、またオペルに石いしがきをめぐらして、非常ひじょうに高たかくこれを築きずき上あげ、ユダのすべての堅固けんごな町まちに軍ぐん長ちょうを置おき、33:15 また主しゅの宮みやから、異邦いほうの神々かみがみおよび偶像ぐうぞうを取とり除のぞき、主しゅの宮みやの山やまとエルサレムに自分じぶんで築きずいたすべての祭壇さいだんを取とり除のぞいて、町まちの外そとに投なげ捨すて、33:16 主しゅの祭壇さいだんを築きずき直なおして、酬恩祭しゅうおんさいおよび感謝かんしゃの犠牲ぎせいを、その上うえにささげ、ユダに命めいじてイスラエルの神かみ、主しゅに仕つかえさせた。33:17 しかし民たみは、なお高たかき所ところで犠牲ぎせいをささげた。ただしその神かみ、主しゅにのみささげた。 33:18 マナセのそのほかの行為こうい、その神かみにささげた祈いのり、およびイスラエルの神かみ、主しゅの名なをもって彼かれに告つげた先見者せんけんしゃたちの言葉ことばは、イスラエルの列れつ王おうの記録きろくのうちにしるされている。33:19 またその祈いのりと、祈いのりの聞きかれた事こと、そのもろもろの罪つみと、とが、その身みを低ひくくする前まえに高たかき所ところを築きずいて、アシラ像ぞうおよび刻きざんだ像ぞうを立たてた場所ばしょなどは、先見者せんけんしゃの記録きろくのうちにしるされている。33:20 マナセはその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、その家いえに葬ほうむられた。その子こアモンが彼かれに代かわって王おうとなった。 33:21 アモンは王おうとなった時とき二十二歳さいで、二年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。33:22 彼かれはその父ちちマナセのしたように主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。すなわちアモンはその父ちちマナセが造つくったもろもろの刻きざんだ像ぞうに犠牲ぎせいをささげて、これに仕つかえ、33:23 その父ちちマナセが身みを低ひくくしたように主しゅの前まえに身みを低ひくくしなかった。かえってこのアモンは、いよいよそのとがを増ました。33:24 その家来けらいたちは党とうを結むすんで彼かれにそむき、彼かれをその家いえで殺ころした。33:25 しかし国くにの民たみは、党とうを結むすんでアモン王おうにそむいた者ものどもをことごとく撃うち殺ころした。そして国くにの民たみはその子こヨシヤを王おうとなして、そのあとを継つがせた。 第34章 34:1 ヨシヤは八歳さいのとき王おうとなり、エルサレムで三十一年ねんの間あいだ世よを治おさめた。34:2 彼かれは主しゅの良よしと見みられることをなし、その父ちちダビデの道みちを歩あゆんで、右みぎにも左ひだりにも曲まがらなかった。34:3 彼かれはまだ若わかかったが、その治世ちせいの第だい八年ねんに父ちちダビデの神かみを求もとめることを始はじめ、その十二年ねんには高たかき所ところ、アシラ像ぞう、刻きざんだ像ぞう、鋳いた像ぞうなどを除のぞいて、ユダとエルサレムを清きよめることを始はじめ、34:4 もろもろのバアルの祭壇さいだんを、自分じぶんの前まえで打うちこわさせ、その上うえに立たっていた香こうの祭壇さいだんを切きり倒たおし、アシラ像ぞう、刻きざんだ像ぞう、鋳いた像ぞうを打うち砕くだいて粉々こなごなにし、これらの像ぞうに犠牲ぎせいをささげた者ものどもの墓はかの上うえにそれをまき散ちらし、34:5 祭司さいしらの骨ほねをそのもろもろの祭壇さいだんの上うえで焼やき、こうしてユダとエルサレムを清きよめた。34:6 またマナセ、エフライム、シメオンおよびナフタリの荒あれた町々まちまちにもこのようにし、34:7 もろもろの祭壇さいだんをこわし、アシラ像ぞうおよびもろもろの刻きざんだ像ぞうを粉々こなごなに打うち砕くだき、イスラエル全国ぜんこくの香こうの祭壇さいだんをことごとく切きり倒たおして、エルサレムに帰かえった。 34:8 ヨシヤはその治世ちせいの十八年ねんに、国くにと宮みやとを清きよめた時とき、その神かみ、主しゅの宮みやを繕つくろわせようと、アザリヤの子こシャパン、町まちのつかさマアセヤおよびヨアハズの子こ史官しかんヨアをつかわした。34:9 彼かれらは大だい祭司さいしヒルキヤのもとへ行いって、神かみの宮みやにはいった金かねを渡わたした。これは門もんを守まもるレビびとがマナセ、エフライムおよびその他たのすべてのイスラエル、ならびにユダとベニヤミンのすべての人ひと、およびエルサレムの住民じゅうみんの手てから集あつめたものである。34:10 彼かれらはこれを主しゅの宮みやを監督かんとくする職工しょっこうらの手てに渡わたしたので、主しゅの宮みやで働はたらく職工しょっこうらは、これを宮みやを繕つくろい直なおすために支払しはらった。34:11 すなわち、大工だいくおよび建築者けんちくしゃにこれを渡わたして、ユダの王おうたちが破やぶった建物たてもののために、切きり石いしおよび骨組ほねぐみの材木ざいもくを買かわせ、梁はり材ざいを整ととのえさせた。34:12 その人々ひとびとは忠実ちゅうじつに仕事しごとをした。その監督かんとく者しゃはメラリの子孫しそんであるレビびとヤハテとオバデヤ、およびコハテびとの子孫しそんであるゼカリヤとメシュラムであって、工事こうじをつかさどった。また楽器がっきに巧たくみなレビびとがこれに伴ともなった。34:13 彼かれらはまた荷にを負おう者ものを監督かんとくし、様々さまざまの仕事しごとに働はたらくすべての者ものをつかさどった。また他たのレビびとは書記しょきとなり、役人やくにんとなり、また門衛もんえいとなった。 34:14 さて彼かれらが主しゅの宮みやにはいった金かねを取とりだした時とき、祭司さいしヒルキヤはモーセの伝つたえた主しゅの律法りっぽうの書しょを発見はっけんした。34:15 そこでヒルキヤは書記官しょきかんシャパンに言いった、「わたしは主しゅの宮みやで律法りっぽうの書しょを発見はっけんしました」と。そしてヒルキヤはその書しょをシャパンに渡わたした。34:16 シャパンはその書しょを王おうのもとに持もって行いき、さらに王おうに復命ふくめいして言いった、「しもべらはゆだねられた事ことをことごとくなし、34:17 主しゅの宮みやにあった金かねをあけて、監督かんとく者しゃの手ておよび職工しょっこうの手てに渡わたしました」。34:18 書記官しょきかんシャパンはまた王おうに告つげて、「祭司さいしヒルキヤはわたしに一つの書物しょもつを渡わたしました」と言いい、シャパンはそれを王おうの前まえで読よんだ。34:19 王おうはその律法りっぽうの言葉ことばを聞きいて衣ころもを裂さいた。34:20 そして王おうはヒルキヤおよびシャパンの子こアヒカムとミカの子こアブドンと書記官しょきかんシャパンと王おうの家来けらいアサヤとに命めいじて言いった、34:21 「あなたがたは行いって、この発見はっけんされた書物しょもつの言葉ことばについてわたしのために、またイスラエルとユダの残のこりの者もののために主しゅに問といなさい。われわれの先祖せんぞたちが主しゅの言葉ことばを守まもらず、すべてこの書物しょもつにしるされていることを行おこなわなかったので、主しゅはわれわれに大おおいなる怒いかりを注そそがれるからです」。 34:22 そこでヒルキヤおよび王おうのつかわした人々ひとびとは、シャルムの妻つまである女おんな預言者よげんしゃホルダのもとへ行いった。シャルムはハスラの子こであるトクハテの子こで、衣装いしょうを守まもる者ものである。時ときにホルダは、エルサレムの第だい二区くに住すんでいた。彼かれらはホルダにその趣意しゅいを語かたったので、34:23 ホルダは彼かれらに言いった、「イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられます、『あなたがたをわたしにつかわした人ひとに告つげなさい。34:24 主しゅはこう仰おおせられます。見みよ、わたしはユダの王おうの前まえで読よんだ書物しょもつにしるされているもろもろののろい、すなわち災わざわいをこの所ところと、ここに住すむ者ものに下くだす。34:25 彼かれらはわたしを捨すてて、他たの神々かみがみに香こうをたき、自分じぶんの手てで造つくったもろもろの物ものをもって、わたしの怒いかりを引ひき起おこそうとしたからである。それゆえ、わたしの怒いかりは、この所ところに注そそがれて消きえない。34:26 しかしあなたがたをつかわして、主しゅに問とわせるユダの王おうにはこう言いいなさい。イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる。あなたが聞きいた言葉ことばについては、34:27 この所ところと、ここに住すむ者ものを責せめる神かみの言葉ことばを、あなたが聞きいた時とき、心こころに悔くい、神かみの前まえに身みをひくくし、わたしの前まえにへりくだり、衣ころもを裂さいて、わたしの前まえに泣ないたので、わたしもまた、あなたに聞きいた、と主しゅは言いわれる。34:28 見みよ、わたしはあなたを先祖せんぞたちのもとに集あつめる。あなたは安やすらかにあなたの墓はかに集あつめられる。あなたはわたしがこの所ところと、ここに住すむ者ものに下くだすもろもろの災わざわいを目めに見みることがない』と」。彼かれらは王おうに復命ふくめいした。 34:29 そこで王おうは人ひとをつかわしてユダとエルサレムの長老ちょうろうをことごとく集あつめ、34:30 そして王おうは主しゅの宮みやに上のぼって行いった。ユダのすべての人々ひとびと、エルサレムの住民じゅうみん、祭司さいし、レビびと、およびすべての民たみは、老おいた者ものも若わかい者ものもことごとく彼かれに従したがった。そこで王おうは主しゅの宮みやで発見はっけんした契約けいやくの書しょの言葉ことばを、ことごとく彼かれらの耳みみに読よみ聞きかせ、34:31 そして王おうは自分じぶんの所ところに立たって、主しゅの前まえに契約けいやくを立たて、主しゅに従したがって歩あゆみ、心こころをつくし、精神せいしんをつくして、その戒いましめと、あかしと定さだめとをまもり、この書しょにしるされた契約けいやくの言葉ことばを行おこなおうと言いい、34:32 エルサレムおよびベニヤミンの人々ひとびとを皆みなこれに加くわわらせた。エルサレムの住民じゅうみんは先祖せんぞの神かみであるその神かみの契約けいやくにしたがって行いった。34:33 ヨシヤはイスラエルの人々ひとびとに属ぞくするすべての地ちから、憎にくむべきものをことごとく取とり除のぞき、イスラエルにいるすべての人ひとをその神かみ、主しゅに仕つかえさせた。ヨシヤが世よにある日ひの間あいだは、彼かれらは先祖せんぞの神かみ、主しゅに従したがって離はなれなかった。 第35章 35:1 ヨシヤはエルサレムで主しゅに過越すぎこしの祭まつりを行おこなった。すなわち正月しょうがつの十四日かに過越すぎこしの小羊こひつじをほふらせ、35:2 祭司さいしにその職務しょくむをとり行おこなわせ、彼かれらを励はげまして主しゅの宮みやの務つとめをさせ、35:3 また主しゅの聖せいなる者ものとなってすべてのイスラエルびとを教おしえるレビびとに言いった、「あなたがたはイスラエルの王おうダビデの子こソロモンの建たてた宮みやに、聖せいなる箱はこを置おきなさい。再ふたたびこれを肩かたにになうに及およばない。あなたがたの神かみ、主しゅおよびその民たみイスラエルに仕つかえなさい。35:4 あなたがたはイスラエルの王おうダビデの書しょ、およびその子こソロモンの書しょに基もとづいて氏族しぞくにしたがい、その班はんによって、みずから備そなえをなし、35:5 あなたがたの兄弟きょうだいである民たみの人々ひとびとの氏族しぞくの区分くぶんにしたがって聖所せいじょに立たち、このためにレビびとの氏族しぞくの分ぶんが かけることのないようにしなさい。35:6 あなたがたは過越すぎこしの小羊こひつじをほふり、身みを清きよめ、あなたがたの兄弟きょうだいのために備そなえをし、モーセが伝つたえた主しゅの言葉ことばにしたがって行おこないなさい」。 35:7 ヨシヤは、小羊こひつじおよび子こやぎを民たみの人々ひとびとに贈おくった。これは皆みなその所ところにいるすべての人ひとのための過越すぎこしの供そなえ物ものであって、その数かず三万、また雄牛おうし三千を贈おくった。それらは王おうの所有しょゆうから出だしたのである。35:8 そのつかさたちも民たみと祭司さいしとレビびとに真心こころから贈おくった。また神かみの宮みやのつかさたちヒルキヤ、ゼカリヤ、エヒエルも小羊こひつじと子こやぎ二千六百頭とう、牛うし三百頭とうを祭司さいしに与あたえて過越すぎこしの供そなえ物ものとした。35:9 またレビびとの長ちょうである人々ひとびとすなわちコナニヤおよびその兄弟きょうだいシマヤ、ネタンエルならびにハシャビヤ、エイエル、ヨザバデなども小羊こひつじと子こやぎ五千頭とう、牛うし五百頭とうをレビびとに贈おくって過越すぎこしの供そなえ物ものとした。 35:10 このように勤つとめのことが備そなわったので、王おうの命いのちに従したがって祭司さいしたちはその持もち場ばに立たち、レビびとはその班はんに従したがって仕つかえ、35:11 やがて過越すぎこしの小羊こひつじがほふられたので、祭司さいしはその血ちを受うけ取とって注そそいだ。レビびとはその皮かわをはいだ。35:12 それから燔祭はんさいの物ものをとり分わけ、それを民たみの人々ひとびとの氏族しぞくの区分くぶんに従したがって渡わたし、主しゅにささげさせた。これはモーセの書しょにしるされたとおりである。また牛うしをもこのようにした。35:13 そして定さだめに従したがって過越すぎこしの小羊こひつじを火ひであぶり、その他たの聖せいなる供そなえ物ものを深ふかなべ、かま、浅あさなべなどに煮にて、急いそいですべての民たみの人々ひとびとにくばった。35:14 その後のち、彼かれらは自分じぶんのためと、祭司さいしたちのために備そなえをした。アロンの子孫しそんである祭司さいしたちは、燔祭はんさいと脂肪しぼうをささげるのに忙いそがしくて、夜よるになったからである。それでレビびとは自分じぶんたちのためと、アロンの子孫しそんである祭司さいしたちのために備そなえたのである。35:15 アサフの子孫しそんである歌うたうたう者ものたちは、ダビデ、アサフ、ヘマンおよび王おうの先見者せんけんしゃエドトンの命いのちに従したがってその持もち場ばにおり、門衛もんえいたちはおのおの門もんにいて、その職務しょくむを離はなれるに及およばなかった。兄弟きょうだいであるレビびとが彼かれらのために備そなえたからである。 35:16 このようにその日ひ、主しゅの勤つとめの事ことがことごとく備そなわったので、ヨシヤ王おうの命いのちに従したがって過越すぎこしの祭まつりを行おこない、主しゅの祭壇さいだんに燔祭はんさいをささげた。35:17 ここに来きていたイスラエルの人々ひとびとは、そのとき過越すぎこしの祭まつりを行おこない、また七日なぬかの間あいだ、種たね入いれぬパンの祭まつりを行おこなった。35:18 預言者よげんしゃサムエルの日ひからこのかた、イスラエルでこのような過越すぎこしの祭まつりを行おこなったことはなかった。またイスラエルの諸王しょおうのうちには、ヨシヤが、祭司さいし、レビびと、ならびにそこに来きたユダとイスラエルのすべての人々ひとびと、およびエルサレムの住民じゅうみんと共ともに行いったような過越すぎこしの祭まつりを行おこなった者ものはひとりもなかった。35:19 この過越すぎこしの祭まつりはヨシヤの治世ちせいの第だい十八年ねんに行おこなわれた。 35:20 このようにヨシヤが宮みやを整ととのえた後のち、エジプトの王おうネコはユフラテ川かわのほとりにあるカルケミシで戦たたかうために上のぼってきたので、ヨシヤはこれを防ふせごうと出でて行いった。35:21 しかしネコは彼かれに使者ししゃをつかわして言いった、「ユダの王おうよ、われわれはお互たがいに何なにのあずかるところがありますか。わたしはきょう、あなたを攻せめようとして来きたのではありません。わたしの敵てきの家いえを攻せめようとして来きたのです。神かみがわたしに命めいじて急いそがせています。わたしと共ともにおられる神かみに逆さからうことをやめなさい。そうしないと、神かみはあなたを滅ほろぼされるでしょう」。35:22 しかしヨシヤは引ひき返かえすことを好このまず、かえって彼かれと戦たたかうために、姿すがたを変かえ、神かみの口くちから出でたネコの言葉ことばを聞ききいれず、行いってメギドの谷たにで戦たたかったが、35:23 射手しゃしゅの者ものどもがヨシヤを射いあてたので、王おうはその家来けらいたちに、「わたしを助たすけ出だせ。わたしはひどく傷きずついた」と言いった。35:24 そこで家来けらいたちは彼かれを車くるまから助たすけ出だし、王おうのもっていた第だい二の車くるまに乗のせてエルサレムにつれて行いったが、ついに死しんだので、その先祖せんぞの墓はかにこれを葬ほうむった。そしてユダとエルサレムは皆みなヨシヤのために悲かなしんだ。35:25 時ときにエレミヤはヨシヤのために哀歌あいかを作つくった。歌うたうたう男おとこ、歌うたうたう女おんなは今日こんにちに至いたるまで、その哀歌あいかのうちにヨシヤのことを述のべ、イスラエルのうちにこれを例れいとした。これは哀歌あいかのうちにしるされている。35:26 ヨシヤのその他たの行為こうい、主しゅの律法りっぽうにしるされた所ところに従したがって行いった徳行とっこう、35:27 およびその始終しじゅうの行おこないなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。 第36章 36:1 国くにの民たみはヨシヤの子こエホアハズを立たて、エルサレムでその父ちちに代かわって王おうとならせた。36:2 エホアハズは王おうとなった時とき二十三歳さいで、エルサレムで三月つきの間あいだ、世よを治おさめたが、36:3 エジプトの王おうはエルサレムで彼かれを廃はいし、かつ銀ぎん百タラント、金きん一タラントの罰金ばっきんを国くにに課かした。36:4 そしてエジプト王おうは彼かれの兄弟きょうだいエリアキムをユダとエルサレムの王おうとし、その名なをエホヤキムと改あらため、その兄弟きょうだいエホアハズを捕とらえてエジプトへ引ひいて行いった。 36:5 エホヤキムは王おうとなった時とき二十五歳さいで、十一年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。彼かれはその神かみ、主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。36:6 時ときに、バビロンの王おうネブカデネザルが彼かれの所ところに攻せめ上のぼり、彼かれをバビロンに引ひいて行いこうとして、かせにつないだ。36:7 ネブカデネザルはまた主しゅの宮みやの器物うつわものをバビロンに運はこんで行いって、バビロンにあるその宮殿きゅうでんにそれをおさめた。36:8 エホヤキムのその他たの行為こうい、その行いった憎にくむべき事ことおよび彼かれがひそかに行いった事ことなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。その子こエホヤキンが彼かれに代かわって王おうとなった。 36:9 エホヤキンは王おうとなった時とき八歳さいで、エルサレムで三月つきと十日かの間あいだ、世よを治おさめ、主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。36:10 年としが改あらたまり春はるになって、ネブカデネザル王おうは人ひとをつかわして、彼かれを主しゅの宮みやの尊たっとい器物うつわものと共ともにバビロンに連つれて行いかせ、その兄弟きょうだいゼデキヤをユダとエルサレムの王おうとした。 36:11 ゼデキヤは王おうとなった時とき二十一歳さいで、十一年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。36:12 彼かれはその神かみ、主しゅの前まえに悪あくを行おこない、主しゅの言葉ことばを伝つたえる預言者よげんしゃエレミヤの前まえに、身みをひくくしなかった。36:13 彼かれはまた、彼かれに神かみをさして誓ちかわせたネブカデネザル王おうにもそむいた。彼かれは強情ごうじょうで、その心こころをかたくなにして、イスラエルの神かみ、主しゅに立たち返かえらなかった。36:14 祭司さいしのかしらたちおよび民たみらもまた、すべて異邦人いほうじんのもろもろの憎にくむべき行為こういにならって、はなはだしく罪つみを犯おかし、主しゅがエルサレムに聖別せいべつしておかれた主しゅの宮みやを汚けがした。 36:15 その先祖せんぞの神かみ、主しゅはその民たみと、すみかをあわれむがゆえに、しきりに、その使者ししゃを彼かれらにつかわされたが、36:16 彼かれらが神かみの使者ししゃたちをあざけり、その言葉ことばを軽かろんじ、その預言者よげんしゃたちをののしったので、主しゅの怒いかりがその民たみに向むかって起おこり、ついに救すくうことができないようになった。 36:17 そこで主しゅはカルデヤびとの王おうを彼かれらに攻せめこさせられたので、彼かれはその聖所せいじょの家いえでつるぎをもって若者わかものたちを殺ころし、若者わかものをも、処女しょじょをも、老人ろうじんをも、しらがの者ものをもあわれまなかった。主しゅは彼かれらをことごとく彼かれの手てに渡わたされた。36:18 彼かれは神かみの宮みやのもろもろの大小だいしょうの器物うつわもの、主しゅの宮みやの貨か財ざい、王おうとそのつかさたちの貨か財ざいなど、すべてこれをバビロンに携たずさえて行いき、36:19 神かみの宮みやを焼やき、エルサレムの城壁じょうへきをくずし、そのうちの宮殿きゅうでんをことごとく火ひで焼やき、そのうちの尊たっとい器物うつわものをことごとくこわした。36:20 彼かれはまたつるぎをのがれた者ものどもを、バビロンに捕とらえて行いって、彼かれとその子こらの家来けらいとなし、ペルシャの国くにの興おこるまで、そうして置おいた。36:21 これはエレミヤの口くちによって伝つたえられた主しゅの言葉ことばの成就じょうじゅするためであった。こうして国くにはついにその安息あんそくをうけた。すなわちこれはその荒あれている間あいだ、安息あんそくして、ついに七十年ねんが満みちた。 36:22 ペルシャ王おうクロスの元年がんねんに当あたり、主しゅはエレミヤの口くちによって伝つたえた主しゅの言葉ことばを成就じょうじゅするため、ペルシャ王おうクロスの霊れいを感動かんどうされたので、王おうはあまねく国中くにぢゅうにふれ示しめし、またそれを書かき示しめして言いった、36:23 「ペルシャの王おうクロスはこう言いう、『天てんの神かみ、主しゅは地上ちじょうの国々くにぐにをことごとくわたしに賜たまわって、主しゅの宮みやをユダにあるエルサレムに建たてることをわたしに命めいじられた。あなたがたのうち、その民たみである者ものは皆みな、その神かみ、主しゅの助たすけを得えて上のぼって行いきなさい』」。
31:1 この事ことがすべて終おわった時とき、そこにいたイスラエルびとは皆みな、ユダの町々まちまちに出でて行いって、石柱せきちゅうを砕くだき、アシラ像ぞうを切きり倒たおし、ユダとベニヤミンの全ぜん地ち、およびエフライムとマナセにある高たかき所ところと祭壇さいだんとを取とりこわし、ついにこれをことごとく破壊はかいした。そしてイスラエルの人々ひとびとはおのおのその町々まちまち、その所領しょりょうに帰かえった。
31:2 ヒゼキヤは祭司さいしおよびレビびとの班はんを定さだめ、班はんごとにおのおのその勤つとめに従したがって、祭司さいしとレビびとに燔祭はんさいと酬恩祭しゅうおんさいをささげさせ、主しゅの営の門もんで勤つとめをし、感謝かんしゃをし、さんびをさせた。
31:3 また燔祭はんさいのために自分じぶんの財産ざいさんのうちから王おうの分ぶんを出だした。すなわち朝夕あさゆうの燔祭はんさいおよび安息日あんそくにち、新月しんげつ、定さだめの祭まつりなどの燔祭はんさいのために出だして、主しゅの律法りっぽうにしるされているとおりにした。
31:4 またエルサレムに住すむ民たみに、祭司さいしとレビびとにその分ぶんを与あたえることを命めいじた。これは彼かれらをして主しゅの律法りっぽうに身みをゆだねさせるためである。
31:5 その命令めいれいが伝つたわるやいなや、イスラエルの人々ひとびとは穀物こくもつ、酒さけ、油あぶら、蜜みつならびに畑はたけのもろもろの産物さんぶつの初物はつものを多おおくささげ、またすべての物ものの十分ぶんの一をおびただしく携たずさえて来きた。
31:6 ユダの町々まちまちに住すんでいたイスラエルとユダの人々ひとびともまた牛うし、羊ひつじの十分ぶんの一ならびにその神かみ、主しゅにささげられた奉納物ほうのうぶつを携たずさえて来きて、これを積つみ重かさねた。
31:7 三月がつにこれを積つみ重かさねることを始はじめ、七月がつにこれを終おわった。
31:8 ヒゼキヤおよびつかさたちは来きて、その積つみ重かさねた物ものを見み、主しゅとその民たみイスラエルを祝福しゅくふくした。
31:9 そしてヒゼキヤがその積つみ重かさねた物ものについて祭司さいしおよびレビびとに問とい尋たずねた時とき、
31:10 ザドクの家いえから出でた祭司さいしの長ちょうアザリヤは彼かれに答こたえて言いった、「民たみが主しゅの宮みやに供そなえ物ものを携たずさえて来くることを始はじめてからこのかた、われわれは飽あきるほど食たべたが、たくさん残のこりました。主しゅがその民たみを恵めぐまれたからです。それでわれわれは、このように多おおくの残のこった物ものをもっているのです」。
31:11 そこでヒゼキヤは主しゅの宮みやのうちに室しつを設もうけることを命めいじたので、彼かれらはこれを設もうけ、
31:12 その供そなえ物ものの十分ぶんの一および奉納物ほうのうぶつを忠実ちゅうじつに携たずさえ入いれた。これをつかさどる者もののかしらはレビびとコナニヤで、その兄弟きょうだいシメイは彼かれに次つぐ者ものとなり、
31:13 エヒエル、アザジヤ、ナハテ、アサヘル、エレモテ、ヨザバデ、エリエル、イスマキヤ、マハテ、ベナヤらは、ヒゼキヤ王おうおよび神かみの宮みやのつかさアザリヤの任命にんめいによって、コナニヤおよびその兄弟きょうだいシメイを助たすけて、その監督かんとく者しゃとなった。
31:14 東ひがしの門もんを守まもる者ものレビびとイムナの子こコレは、神かみにささげる自発じはつのささげ物ものをつかさどり、主しゅの供そなえ物ものおよび最もっとも聖せいなる物ものを分配ぶんぱいした。
31:15 彼かれを助たすける者ものはエデン、ミニヤミン、エシュア、シマヤ、アマリヤおよびシカニヤで、皆みな祭司さいしの町々まちまちでその兄弟きょうだいたちに、班はんによって、老若ろうにゃくひとしく忠実ちゅうじつに分配ぶんぱいした。
31:16 ただしすべて登録とうろくされた三歳さい以上いじょうの男子だんしで主しゅの宮みやに入いり、その班はんに従したがって日々ひびの職分しょくぶんをつくし、その受持うけもちの勤つとめをなす者ものは除のぞかれた。
31:17 祭司さいしの登録とうろくはその氏族しぞくによってなされ、二十歳さい以上いじょうのレビびとの登録とうろくはその班はんにより、その受持うけもちにしたがってなされた。
31:18 また祭司さいしはその幼おさな子こ、その妻つま、そのむすこ、その娘むすめ、全ぜん会衆かいしゅうと共ともに登録とうろくした。彼かれらは忠実ちゅうじつに身みを聖せいなる事ことにささげたからである。
31:19 また町々まちまちの放牧ほうぼく地ちにおるアロンの子孫しそんである祭司さいしたちのためには、町まちごとに人ひとを名なざし選えらんで、祭司さいしのうちのすべての男おとこおよびレビびとのうちの登録とうろくされたすべての者ものに、その分ぶんを与あたえさせた。
31:20 ヒゼキヤはユダ全国ぜんこくにこのようにし、良よい事こと、正ただしい事こと、忠実ちゅうじつな事ことをその神かみ、主しゅの前まえに行いった。
31:21 彼かれがその神かみを求もとめるために神かみの宮みやの務つとめにつき、律法りっぽうにつき、戒いましめについて始はじめたわざは、ことごとく心こころをつくして行おこない、これをなし遂とげた。
第32章 32:1 ヒゼキヤがこれらの事ことを忠実ちゅうじつに行いった後のち、アッスリヤの王おうセナケリブが来きてユダに侵入しんにゅうし、堅固けんごな町々まちまちに向むかって陣じんを張はり、これを攻せめ取とろうとした。32:2 ヒゼキヤはセナケリブが来きて、エルサレムを攻せめようとするのを見みたので、32:3 そのつかさたちおよび勇士ゆうしたちと相談そうだんして、町まちの外そとにある泉いずみの水みずを、ふさごうとした。彼かれらはこれを助たすけた。32:4 多おおくの民たみは集あつまって、すべての泉いずみおよび国くにの中なかを流ながれる谷川たにがわをふさいで言いった、「アッスリヤの王おうたちがきて、多おおくの水みずを得えられるようなことをしておいていいだろうか」。32:5 ヒゼキヤはまた勇気ゆうきを出だして、破やぶれた城壁じょうへきをことごとく築きずき直なおして、その上うえにやぐらを建たて、その外そとにまた城壁じょうへきを巡めぐらし、ダビデの町まちのミロを堅固けんごにし、武器ぶきおよび盾たてを多おおく造つくり、32:6 軍ぐん長ちょうを民たみの上うえに置おき、町まちの門もんの広場ひろばに民たみを集あつめて、これを励はげまして言いった、32:7 「心こころを強つよくし、勇いさみたちなさい。アッスリヤの王おうをも、彼かれと共ともにいるすべての群衆ぐんしゅうをも恐おそれてはならない。おののいてはならない。われわれと共ともにおる者ものは彼かれらと共ともにおる者ものよりも大おおいなる者ものだからである。32:8 彼かれと共ともにおる者ものは肉にくの腕うでである。しかしわれわれと共ともにおる者ものはわれわれの神かみ、主しゅであって、われわれを助たすけ、われわれに代かわって戦たたかわれる」。民たみはユダの王おうヒゼキヤの言葉ことばに安心あんしんした。 32:9 この後のちアッスリヤの王おうセナケリブはその全ぜん軍ぐんをもってラキシを囲かこんでいたが、その家来けらいをエルサレムにつかわして、ユダの王おうヒゼキヤおよびエルサレムにいるすべてのユダの人ひとに告つげさせて言いった、32:10 「アッスリヤの王おうセナケリブはこう言いいます、『あなたがたは何なにを頼たのんでエルサレムにこもっているのか。32:11 ヒゼキヤは「われわれの神かみ、主しゅがアッスリヤの王おうの手てから、われわれを救すくってくださる」と言いって、あなたがたをそそのかし、飢うえと、かわきをもって、あなたがたを死しなせようとしているのではないか。32:12 このヒゼキヤは主しゅのもろもろの高たかき所ところと祭壇さいだんを取とり除のぞき、ユダとエルサレムに命めいじて、「あなたがたはただ一つの祭壇さいだんの前まえで礼拝れいはいし、その上うえに犠牲ぎせいをささげなければならない」と言いった者ものではないか。32:13 あなたがたは、わたしおよびわたしの先祖せんぞたちが、他たの国々くにぐにのすべての民たみにしたことを知しらないのか。それらの国々くにぐにの民たみの神々かみがみは、少すこしでもその国くにを、わたしの手てから救すくい出だすことができたか。32:14 わたしの先祖せんぞたちが滅ほろぼし尽つくしたそれらの国民こくみんのもろもろの神かみのうち、だれか自分じぶんの民たみをわたしの手てから救すくい出だすことのできたものがあるか。それで、どうしてあなたがたの神かみが、あなたがたをわたしの手てから救すくい出だすことができよう。32:15 それゆえ、あなたがたはヒゼキヤに欺あざむかれてはならない。そそのかされてはならない。また彼かれを信しんじてはならない。いずれの民たみ、いずれの国くにの神かみもその民たみをわたしの手て、または、わたしの先祖せんぞの手てから救すくいだすことができなかったのだから、ましてあなたがたの神かみが、どうしてわたしの手てからあなたがたを救すくいだすことができようか』」。 32:16 セナケリブの家来けらいは、このほかにも多おおく主しゅなる神かみ、およびそのしもべヒゼキヤをそしった。32:17 セナケリブはまた手紙てがみを書かき送おくって、イスラエルの神かみ、主しゅをあざけり、かつそしって言いった、「諸国しょこくの民たみの神々かみがみが、その民たみをわたしの手てから救すくい出ださなかったように、ヒゼキヤの神かみも、その民たみをわたしの手てから救すくい出ださないであろう」と。32:18 そして彼かれらは大声おおごえをあげ、ユダヤの言葉ことばをもって、城壁じょうへきの上うえにいるエルサレムの民たみに向むかって叫さけび、これをおどし、かつおびやかした。彼かれらは町まちを取とるためである。32:19 このように彼かれらがエルサレムの神かみについて語かたること、人ひとの手てのわざである地上ちじょうの民たみの神々かみがみについて語かたるようであった。 32:20 そこでヒゼキヤ王おうおよびアモツの子こ預言者よげんしゃイザヤは共ともに祈いのって、天てんに呼よばわったので、32:21 主しゅはひとりのみ使つかいをつかわして、アッスリヤ王おうの陣営じんえいにいるすべての大だい勇士ゆうしと将官しょうかん、軍ぐん長ちょうらを滅ほろぼされた。それで王おうは赤面せきめんして自分じぶんの国くにに帰かえったが、その神かみの家いえにはいった時とき、その子このひとりが、つるぎをもって彼かれをその所ところで殺ころした。32:22 このように主しゅは、ヒゼキヤとエルサレムの住民じゅうみんをアッスリヤの王おうセナケリブの手ておよびすべての敵てきの手てから救すくい出だし、いたる所ところで彼かれらを守まもられた。32:23 そこで多おおくの人々ひとびとはささげ物ものをエルサレムに携たずさえてきて主しゅにささげ、また宝物ほうもつをユダの王おうヒゼキヤに贈おくった。この後のちヒゼキヤは万国ばんこくの民たみに尊たっとばれた。 32:24 そのころ、ヒゼキヤは病やんで死しぬばかりであったが、主しゅに祈いのったので、主しゅはこれに答こたえて、しるしを賜たまわった。32:25 しかしヒゼキヤはその受うけた恵めぐみに報むくいることをせず、その心こころが高たかぶったので、怒いかりが彼かれとユダおよびエルサレムに臨のぞもうとしたが、32:26 ヒゼキヤはその心こころの高たかぶりを悔くいてへりくだり、またエルサレムの住民じゅうみんも同様どうようにしたので、主しゅの怒いかりは、ヒゼキヤの世よには彼かれらに臨のぞまなかった。 32:27 ヒゼキヤは富とみと栄誉えいよをきわめ、宝蔵ほうぞうを造つくって、金きん、銀ぎん、宝石ほうせき、香料こうりょう、盾たておよび各種かくしゅの尊たっとい器物うつわものをおさめ、32:28 また倉庫そうこを造つくって穀物こくもつ、酒さけ、油あぶらなどの産物さんぶつをおさめ、小屋こやを つくって種々しゅじゅの家畜かちくを置おき、おりを造つくって羊ひつじの群むれを置おき、32:29 また多数たすうの町まちを設もうけ、かつ羊ひつじと牛うしをおびただしく所有しょゆうした。神かみが非常ひじょうに多おおくの貨か財ざいを彼かれに賜たまわったからである。32:30 このヒゼキヤはまたギホンの水みずの上うえの源みなもとをふさいで、これをダビデの町まちの西にしの方ほうにまっすぐに引ひき下くだした。このようにヒゼキヤはそのすべてのわざをなし遂とげた。32:31 しかしバビロンの君きみたちが使者ししゃをつかわして、この国くににあった、しるしについて尋たずねさせた時ときには、神かみは彼かれを試こころみて、彼かれの心こころにあることを、ことごとく知しるために彼かれを捨すて置おかれた。 32:32 ヒゼキヤのその他たの行為こういおよびその徳行とっこうは、アモツの子こ預言者よげんしゃイザヤの黙示もくしとユダとイスラエルの列れつ王おうの書しょにしるされている。32:33 ヒゼキヤはその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、ダビデの子孫しそんの墓はかのうちの高たかい所ところに葬ほうむられた。ユダの人々ひとびとおよびエルサレムの住民じゅうみんは皆みなその死しに当あたって彼かれに敬意けいいを表あらわした。その子こマナセが彼かれに代かわって王おうとなった。 第33章 33:1 マナセは十二歳さいで王おうとなり、五十五年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。33:2 彼かれは主しゅがイスラエルの人々ひとびとの前まえから追おい払はらわれた国々くにぐにの民たみの憎にくむべき行おこないに見みならって、主しゅの目めの前まえに悪あくを行おこなった。33:3 すなわち、その父ちちヒゼキヤがこわした高たかき所ところを再ふたたび築きずき、またもろもろのバアルのために祭壇さいだんを設もうけ、アシラ像ぞうを造つくり、天てんの万象ばんしょうを拝おがんで、これに仕つかえ、33:4 また主しゅが「わが名なは永遠えいえんにエルサレムにある」と言いわれた主しゅの宮みやのうちに数個すうこの祭壇さいだんを築きずき、33:5 主しゅの宮みやの二つの庭にわに天てんの万象ばんしょうのために祭壇さいだんを築きずいた。33:6 彼かれはまたベンヒンノムの谷たにでその子こ供ともを火ひに焼やいて供そなえ物ものとし、占うらないをし、魔法まほうをつかい、まじないを行おこない、口寄くちよせと、占うらない師しを任用にんようするなど、主しゅの前まえに多おおくの悪あくを行いって、その怒いかりをひき起おこした。33:7 彼かれはまた刻きざんだ偶像ぐうぞうを造つくって神かみの宮みやに安置あんちした。神かみはこの宮みやについてダビデとその子こソロモンに言いわれたことがある、「わたしはこの宮みやと、わたしがイスラエルのすべての部族ぶぞくのうちから選えらんだエルサレムとに、わたしの名なを永遠えいえんに置おく。33:8 彼かれらがもし、わたしがすべて命めいじた事こと、すなわち、モーセが伝つたえたすべての律法りっぽうと定さだめとおきてとを慎つつしんで行おこなうならば、わたしがあなたがたの先祖せんぞのために定さだめた地ちから、重かさねてイスラエルの足あしを移うつすことをしない」と。33:9 マナセはこのようにユダとエルサレムの住民じゅうみんを迷まよわせ、主しゅがイスラエルの人々ひとびとの前まえに滅ほろぼされた国々くにぐにの民たみにもまさって悪あくを行おこなわせた。 33:10 主しゅはマナセおよびその民たみに告つげられたが、彼かれらは心こころに留とめなかった。33:11 それゆえ、主しゅはアッスリヤの王おうの軍勢ぐんぜいの諸しょ将しょうをこれに攻せめこさせられたので、彼かれらはマナセをかぎで捕とらえ、青銅せいどうのかせにつないで、バビロンに引ひいて行いった。33:12 彼かれは悩なやみにあうに及およんで、その神かみ、主しゅに願ねがい求もとめ、その先祖せんぞの神かみの前まえに大おおいに身みを低ひくくして、33:13 神かみに祈いのったので、神かみはその祈いのりを受うけいれ、その願ねがいを聞きき、彼かれをエルサレムに連つれ帰かえって、再ふたたび国くにに臨のぞませられた。これによってマナセは主しゅこそ、まことに神かみにいますことを知しった。 33:14 この後のち、彼かれはダビデの町まちの外そとの石いしがきをギホンの西にしの方ほうの谷たにのうちに築きずき、魚うおの門もんの入口いりぐちにまで及およぼし、またオペルに石いしがきをめぐらして、非常ひじょうに高たかくこれを築きずき上あげ、ユダのすべての堅固けんごな町まちに軍ぐん長ちょうを置おき、33:15 また主しゅの宮みやから、異邦いほうの神々かみがみおよび偶像ぐうぞうを取とり除のぞき、主しゅの宮みやの山やまとエルサレムに自分じぶんで築きずいたすべての祭壇さいだんを取とり除のぞいて、町まちの外そとに投なげ捨すて、33:16 主しゅの祭壇さいだんを築きずき直なおして、酬恩祭しゅうおんさいおよび感謝かんしゃの犠牲ぎせいを、その上うえにささげ、ユダに命めいじてイスラエルの神かみ、主しゅに仕つかえさせた。33:17 しかし民たみは、なお高たかき所ところで犠牲ぎせいをささげた。ただしその神かみ、主しゅにのみささげた。 33:18 マナセのそのほかの行為こうい、その神かみにささげた祈いのり、およびイスラエルの神かみ、主しゅの名なをもって彼かれに告つげた先見者せんけんしゃたちの言葉ことばは、イスラエルの列れつ王おうの記録きろくのうちにしるされている。33:19 またその祈いのりと、祈いのりの聞きかれた事こと、そのもろもろの罪つみと、とが、その身みを低ひくくする前まえに高たかき所ところを築きずいて、アシラ像ぞうおよび刻きざんだ像ぞうを立たてた場所ばしょなどは、先見者せんけんしゃの記録きろくのうちにしるされている。33:20 マナセはその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、その家いえに葬ほうむられた。その子こアモンが彼かれに代かわって王おうとなった。 33:21 アモンは王おうとなった時とき二十二歳さいで、二年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。33:22 彼かれはその父ちちマナセのしたように主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。すなわちアモンはその父ちちマナセが造つくったもろもろの刻きざんだ像ぞうに犠牲ぎせいをささげて、これに仕つかえ、33:23 その父ちちマナセが身みを低ひくくしたように主しゅの前まえに身みを低ひくくしなかった。かえってこのアモンは、いよいよそのとがを増ました。33:24 その家来けらいたちは党とうを結むすんで彼かれにそむき、彼かれをその家いえで殺ころした。33:25 しかし国くにの民たみは、党とうを結むすんでアモン王おうにそむいた者ものどもをことごとく撃うち殺ころした。そして国くにの民たみはその子こヨシヤを王おうとなして、そのあとを継つがせた。 第34章 34:1 ヨシヤは八歳さいのとき王おうとなり、エルサレムで三十一年ねんの間あいだ世よを治おさめた。34:2 彼かれは主しゅの良よしと見みられることをなし、その父ちちダビデの道みちを歩あゆんで、右みぎにも左ひだりにも曲まがらなかった。34:3 彼かれはまだ若わかかったが、その治世ちせいの第だい八年ねんに父ちちダビデの神かみを求もとめることを始はじめ、その十二年ねんには高たかき所ところ、アシラ像ぞう、刻きざんだ像ぞう、鋳いた像ぞうなどを除のぞいて、ユダとエルサレムを清きよめることを始はじめ、34:4 もろもろのバアルの祭壇さいだんを、自分じぶんの前まえで打うちこわさせ、その上うえに立たっていた香こうの祭壇さいだんを切きり倒たおし、アシラ像ぞう、刻きざんだ像ぞう、鋳いた像ぞうを打うち砕くだいて粉々こなごなにし、これらの像ぞうに犠牲ぎせいをささげた者ものどもの墓はかの上うえにそれをまき散ちらし、34:5 祭司さいしらの骨ほねをそのもろもろの祭壇さいだんの上うえで焼やき、こうしてユダとエルサレムを清きよめた。34:6 またマナセ、エフライム、シメオンおよびナフタリの荒あれた町々まちまちにもこのようにし、34:7 もろもろの祭壇さいだんをこわし、アシラ像ぞうおよびもろもろの刻きざんだ像ぞうを粉々こなごなに打うち砕くだき、イスラエル全国ぜんこくの香こうの祭壇さいだんをことごとく切きり倒たおして、エルサレムに帰かえった。 34:8 ヨシヤはその治世ちせいの十八年ねんに、国くにと宮みやとを清きよめた時とき、その神かみ、主しゅの宮みやを繕つくろわせようと、アザリヤの子こシャパン、町まちのつかさマアセヤおよびヨアハズの子こ史官しかんヨアをつかわした。34:9 彼かれらは大だい祭司さいしヒルキヤのもとへ行いって、神かみの宮みやにはいった金かねを渡わたした。これは門もんを守まもるレビびとがマナセ、エフライムおよびその他たのすべてのイスラエル、ならびにユダとベニヤミンのすべての人ひと、およびエルサレムの住民じゅうみんの手てから集あつめたものである。34:10 彼かれらはこれを主しゅの宮みやを監督かんとくする職工しょっこうらの手てに渡わたしたので、主しゅの宮みやで働はたらく職工しょっこうらは、これを宮みやを繕つくろい直なおすために支払しはらった。34:11 すなわち、大工だいくおよび建築者けんちくしゃにこれを渡わたして、ユダの王おうたちが破やぶった建物たてもののために、切きり石いしおよび骨組ほねぐみの材木ざいもくを買かわせ、梁はり材ざいを整ととのえさせた。34:12 その人々ひとびとは忠実ちゅうじつに仕事しごとをした。その監督かんとく者しゃはメラリの子孫しそんであるレビびとヤハテとオバデヤ、およびコハテびとの子孫しそんであるゼカリヤとメシュラムであって、工事こうじをつかさどった。また楽器がっきに巧たくみなレビびとがこれに伴ともなった。34:13 彼かれらはまた荷にを負おう者ものを監督かんとくし、様々さまざまの仕事しごとに働はたらくすべての者ものをつかさどった。また他たのレビびとは書記しょきとなり、役人やくにんとなり、また門衛もんえいとなった。 34:14 さて彼かれらが主しゅの宮みやにはいった金かねを取とりだした時とき、祭司さいしヒルキヤはモーセの伝つたえた主しゅの律法りっぽうの書しょを発見はっけんした。34:15 そこでヒルキヤは書記官しょきかんシャパンに言いった、「わたしは主しゅの宮みやで律法りっぽうの書しょを発見はっけんしました」と。そしてヒルキヤはその書しょをシャパンに渡わたした。34:16 シャパンはその書しょを王おうのもとに持もって行いき、さらに王おうに復命ふくめいして言いった、「しもべらはゆだねられた事ことをことごとくなし、34:17 主しゅの宮みやにあった金かねをあけて、監督かんとく者しゃの手ておよび職工しょっこうの手てに渡わたしました」。34:18 書記官しょきかんシャパンはまた王おうに告つげて、「祭司さいしヒルキヤはわたしに一つの書物しょもつを渡わたしました」と言いい、シャパンはそれを王おうの前まえで読よんだ。34:19 王おうはその律法りっぽうの言葉ことばを聞きいて衣ころもを裂さいた。34:20 そして王おうはヒルキヤおよびシャパンの子こアヒカムとミカの子こアブドンと書記官しょきかんシャパンと王おうの家来けらいアサヤとに命めいじて言いった、34:21 「あなたがたは行いって、この発見はっけんされた書物しょもつの言葉ことばについてわたしのために、またイスラエルとユダの残のこりの者もののために主しゅに問といなさい。われわれの先祖せんぞたちが主しゅの言葉ことばを守まもらず、すべてこの書物しょもつにしるされていることを行おこなわなかったので、主しゅはわれわれに大おおいなる怒いかりを注そそがれるからです」。 34:22 そこでヒルキヤおよび王おうのつかわした人々ひとびとは、シャルムの妻つまである女おんな預言者よげんしゃホルダのもとへ行いった。シャルムはハスラの子こであるトクハテの子こで、衣装いしょうを守まもる者ものである。時ときにホルダは、エルサレムの第だい二区くに住すんでいた。彼かれらはホルダにその趣意しゅいを語かたったので、34:23 ホルダは彼かれらに言いった、「イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられます、『あなたがたをわたしにつかわした人ひとに告つげなさい。34:24 主しゅはこう仰おおせられます。見みよ、わたしはユダの王おうの前まえで読よんだ書物しょもつにしるされているもろもろののろい、すなわち災わざわいをこの所ところと、ここに住すむ者ものに下くだす。34:25 彼かれらはわたしを捨すてて、他たの神々かみがみに香こうをたき、自分じぶんの手てで造つくったもろもろの物ものをもって、わたしの怒いかりを引ひき起おこそうとしたからである。それゆえ、わたしの怒いかりは、この所ところに注そそがれて消きえない。34:26 しかしあなたがたをつかわして、主しゅに問とわせるユダの王おうにはこう言いいなさい。イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる。あなたが聞きいた言葉ことばについては、34:27 この所ところと、ここに住すむ者ものを責せめる神かみの言葉ことばを、あなたが聞きいた時とき、心こころに悔くい、神かみの前まえに身みをひくくし、わたしの前まえにへりくだり、衣ころもを裂さいて、わたしの前まえに泣ないたので、わたしもまた、あなたに聞きいた、と主しゅは言いわれる。34:28 見みよ、わたしはあなたを先祖せんぞたちのもとに集あつめる。あなたは安やすらかにあなたの墓はかに集あつめられる。あなたはわたしがこの所ところと、ここに住すむ者ものに下くだすもろもろの災わざわいを目めに見みることがない』と」。彼かれらは王おうに復命ふくめいした。 34:29 そこで王おうは人ひとをつかわしてユダとエルサレムの長老ちょうろうをことごとく集あつめ、34:30 そして王おうは主しゅの宮みやに上のぼって行いった。ユダのすべての人々ひとびと、エルサレムの住民じゅうみん、祭司さいし、レビびと、およびすべての民たみは、老おいた者ものも若わかい者ものもことごとく彼かれに従したがった。そこで王おうは主しゅの宮みやで発見はっけんした契約けいやくの書しょの言葉ことばを、ことごとく彼かれらの耳みみに読よみ聞きかせ、34:31 そして王おうは自分じぶんの所ところに立たって、主しゅの前まえに契約けいやくを立たて、主しゅに従したがって歩あゆみ、心こころをつくし、精神せいしんをつくして、その戒いましめと、あかしと定さだめとをまもり、この書しょにしるされた契約けいやくの言葉ことばを行おこなおうと言いい、34:32 エルサレムおよびベニヤミンの人々ひとびとを皆みなこれに加くわわらせた。エルサレムの住民じゅうみんは先祖せんぞの神かみであるその神かみの契約けいやくにしたがって行いった。34:33 ヨシヤはイスラエルの人々ひとびとに属ぞくするすべての地ちから、憎にくむべきものをことごとく取とり除のぞき、イスラエルにいるすべての人ひとをその神かみ、主しゅに仕つかえさせた。ヨシヤが世よにある日ひの間あいだは、彼かれらは先祖せんぞの神かみ、主しゅに従したがって離はなれなかった。 第35章 35:1 ヨシヤはエルサレムで主しゅに過越すぎこしの祭まつりを行おこなった。すなわち正月しょうがつの十四日かに過越すぎこしの小羊こひつじをほふらせ、35:2 祭司さいしにその職務しょくむをとり行おこなわせ、彼かれらを励はげまして主しゅの宮みやの務つとめをさせ、35:3 また主しゅの聖せいなる者ものとなってすべてのイスラエルびとを教おしえるレビびとに言いった、「あなたがたはイスラエルの王おうダビデの子こソロモンの建たてた宮みやに、聖せいなる箱はこを置おきなさい。再ふたたびこれを肩かたにになうに及およばない。あなたがたの神かみ、主しゅおよびその民たみイスラエルに仕つかえなさい。35:4 あなたがたはイスラエルの王おうダビデの書しょ、およびその子こソロモンの書しょに基もとづいて氏族しぞくにしたがい、その班はんによって、みずから備そなえをなし、35:5 あなたがたの兄弟きょうだいである民たみの人々ひとびとの氏族しぞくの区分くぶんにしたがって聖所せいじょに立たち、このためにレビびとの氏族しぞくの分ぶんが かけることのないようにしなさい。35:6 あなたがたは過越すぎこしの小羊こひつじをほふり、身みを清きよめ、あなたがたの兄弟きょうだいのために備そなえをし、モーセが伝つたえた主しゅの言葉ことばにしたがって行おこないなさい」。 35:7 ヨシヤは、小羊こひつじおよび子こやぎを民たみの人々ひとびとに贈おくった。これは皆みなその所ところにいるすべての人ひとのための過越すぎこしの供そなえ物ものであって、その数かず三万、また雄牛おうし三千を贈おくった。それらは王おうの所有しょゆうから出だしたのである。35:8 そのつかさたちも民たみと祭司さいしとレビびとに真心こころから贈おくった。また神かみの宮みやのつかさたちヒルキヤ、ゼカリヤ、エヒエルも小羊こひつじと子こやぎ二千六百頭とう、牛うし三百頭とうを祭司さいしに与あたえて過越すぎこしの供そなえ物ものとした。35:9 またレビびとの長ちょうである人々ひとびとすなわちコナニヤおよびその兄弟きょうだいシマヤ、ネタンエルならびにハシャビヤ、エイエル、ヨザバデなども小羊こひつじと子こやぎ五千頭とう、牛うし五百頭とうをレビびとに贈おくって過越すぎこしの供そなえ物ものとした。 35:10 このように勤つとめのことが備そなわったので、王おうの命いのちに従したがって祭司さいしたちはその持もち場ばに立たち、レビびとはその班はんに従したがって仕つかえ、35:11 やがて過越すぎこしの小羊こひつじがほふられたので、祭司さいしはその血ちを受うけ取とって注そそいだ。レビびとはその皮かわをはいだ。35:12 それから燔祭はんさいの物ものをとり分わけ、それを民たみの人々ひとびとの氏族しぞくの区分くぶんに従したがって渡わたし、主しゅにささげさせた。これはモーセの書しょにしるされたとおりである。また牛うしをもこのようにした。35:13 そして定さだめに従したがって過越すぎこしの小羊こひつじを火ひであぶり、その他たの聖せいなる供そなえ物ものを深ふかなべ、かま、浅あさなべなどに煮にて、急いそいですべての民たみの人々ひとびとにくばった。35:14 その後のち、彼かれらは自分じぶんのためと、祭司さいしたちのために備そなえをした。アロンの子孫しそんである祭司さいしたちは、燔祭はんさいと脂肪しぼうをささげるのに忙いそがしくて、夜よるになったからである。それでレビびとは自分じぶんたちのためと、アロンの子孫しそんである祭司さいしたちのために備そなえたのである。35:15 アサフの子孫しそんである歌うたうたう者ものたちは、ダビデ、アサフ、ヘマンおよび王おうの先見者せんけんしゃエドトンの命いのちに従したがってその持もち場ばにおり、門衛もんえいたちはおのおの門もんにいて、その職務しょくむを離はなれるに及およばなかった。兄弟きょうだいであるレビびとが彼かれらのために備そなえたからである。 35:16 このようにその日ひ、主しゅの勤つとめの事ことがことごとく備そなわったので、ヨシヤ王おうの命いのちに従したがって過越すぎこしの祭まつりを行おこない、主しゅの祭壇さいだんに燔祭はんさいをささげた。35:17 ここに来きていたイスラエルの人々ひとびとは、そのとき過越すぎこしの祭まつりを行おこない、また七日なぬかの間あいだ、種たね入いれぬパンの祭まつりを行おこなった。35:18 預言者よげんしゃサムエルの日ひからこのかた、イスラエルでこのような過越すぎこしの祭まつりを行おこなったことはなかった。またイスラエルの諸王しょおうのうちには、ヨシヤが、祭司さいし、レビびと、ならびにそこに来きたユダとイスラエルのすべての人々ひとびと、およびエルサレムの住民じゅうみんと共ともに行いったような過越すぎこしの祭まつりを行おこなった者ものはひとりもなかった。35:19 この過越すぎこしの祭まつりはヨシヤの治世ちせいの第だい十八年ねんに行おこなわれた。 35:20 このようにヨシヤが宮みやを整ととのえた後のち、エジプトの王おうネコはユフラテ川かわのほとりにあるカルケミシで戦たたかうために上のぼってきたので、ヨシヤはこれを防ふせごうと出でて行いった。35:21 しかしネコは彼かれに使者ししゃをつかわして言いった、「ユダの王おうよ、われわれはお互たがいに何なにのあずかるところがありますか。わたしはきょう、あなたを攻せめようとして来きたのではありません。わたしの敵てきの家いえを攻せめようとして来きたのです。神かみがわたしに命めいじて急いそがせています。わたしと共ともにおられる神かみに逆さからうことをやめなさい。そうしないと、神かみはあなたを滅ほろぼされるでしょう」。35:22 しかしヨシヤは引ひき返かえすことを好このまず、かえって彼かれと戦たたかうために、姿すがたを変かえ、神かみの口くちから出でたネコの言葉ことばを聞ききいれず、行いってメギドの谷たにで戦たたかったが、35:23 射手しゃしゅの者ものどもがヨシヤを射いあてたので、王おうはその家来けらいたちに、「わたしを助たすけ出だせ。わたしはひどく傷きずついた」と言いった。35:24 そこで家来けらいたちは彼かれを車くるまから助たすけ出だし、王おうのもっていた第だい二の車くるまに乗のせてエルサレムにつれて行いったが、ついに死しんだので、その先祖せんぞの墓はかにこれを葬ほうむった。そしてユダとエルサレムは皆みなヨシヤのために悲かなしんだ。35:25 時ときにエレミヤはヨシヤのために哀歌あいかを作つくった。歌うたうたう男おとこ、歌うたうたう女おんなは今日こんにちに至いたるまで、その哀歌あいかのうちにヨシヤのことを述のべ、イスラエルのうちにこれを例れいとした。これは哀歌あいかのうちにしるされている。35:26 ヨシヤのその他たの行為こうい、主しゅの律法りっぽうにしるされた所ところに従したがって行いった徳行とっこう、35:27 およびその始終しじゅうの行おこないなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。 第36章 36:1 国くにの民たみはヨシヤの子こエホアハズを立たて、エルサレムでその父ちちに代かわって王おうとならせた。36:2 エホアハズは王おうとなった時とき二十三歳さいで、エルサレムで三月つきの間あいだ、世よを治おさめたが、36:3 エジプトの王おうはエルサレムで彼かれを廃はいし、かつ銀ぎん百タラント、金きん一タラントの罰金ばっきんを国くにに課かした。36:4 そしてエジプト王おうは彼かれの兄弟きょうだいエリアキムをユダとエルサレムの王おうとし、その名なをエホヤキムと改あらため、その兄弟きょうだいエホアハズを捕とらえてエジプトへ引ひいて行いった。 36:5 エホヤキムは王おうとなった時とき二十五歳さいで、十一年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。彼かれはその神かみ、主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。36:6 時ときに、バビロンの王おうネブカデネザルが彼かれの所ところに攻せめ上のぼり、彼かれをバビロンに引ひいて行いこうとして、かせにつないだ。36:7 ネブカデネザルはまた主しゅの宮みやの器物うつわものをバビロンに運はこんで行いって、バビロンにあるその宮殿きゅうでんにそれをおさめた。36:8 エホヤキムのその他たの行為こうい、その行いった憎にくむべき事ことおよび彼かれがひそかに行いった事ことなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。その子こエホヤキンが彼かれに代かわって王おうとなった。 36:9 エホヤキンは王おうとなった時とき八歳さいで、エルサレムで三月つきと十日かの間あいだ、世よを治おさめ、主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。36:10 年としが改あらたまり春はるになって、ネブカデネザル王おうは人ひとをつかわして、彼かれを主しゅの宮みやの尊たっとい器物うつわものと共ともにバビロンに連つれて行いかせ、その兄弟きょうだいゼデキヤをユダとエルサレムの王おうとした。 36:11 ゼデキヤは王おうとなった時とき二十一歳さいで、十一年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。36:12 彼かれはその神かみ、主しゅの前まえに悪あくを行おこない、主しゅの言葉ことばを伝つたえる預言者よげんしゃエレミヤの前まえに、身みをひくくしなかった。36:13 彼かれはまた、彼かれに神かみをさして誓ちかわせたネブカデネザル王おうにもそむいた。彼かれは強情ごうじょうで、その心こころをかたくなにして、イスラエルの神かみ、主しゅに立たち返かえらなかった。36:14 祭司さいしのかしらたちおよび民たみらもまた、すべて異邦人いほうじんのもろもろの憎にくむべき行為こういにならって、はなはだしく罪つみを犯おかし、主しゅがエルサレムに聖別せいべつしておかれた主しゅの宮みやを汚けがした。 36:15 その先祖せんぞの神かみ、主しゅはその民たみと、すみかをあわれむがゆえに、しきりに、その使者ししゃを彼かれらにつかわされたが、36:16 彼かれらが神かみの使者ししゃたちをあざけり、その言葉ことばを軽かろんじ、その預言者よげんしゃたちをののしったので、主しゅの怒いかりがその民たみに向むかって起おこり、ついに救すくうことができないようになった。 36:17 そこで主しゅはカルデヤびとの王おうを彼かれらに攻せめこさせられたので、彼かれはその聖所せいじょの家いえでつるぎをもって若者わかものたちを殺ころし、若者わかものをも、処女しょじょをも、老人ろうじんをも、しらがの者ものをもあわれまなかった。主しゅは彼かれらをことごとく彼かれの手てに渡わたされた。36:18 彼かれは神かみの宮みやのもろもろの大小だいしょうの器物うつわもの、主しゅの宮みやの貨か財ざい、王おうとそのつかさたちの貨か財ざいなど、すべてこれをバビロンに携たずさえて行いき、36:19 神かみの宮みやを焼やき、エルサレムの城壁じょうへきをくずし、そのうちの宮殿きゅうでんをことごとく火ひで焼やき、そのうちの尊たっとい器物うつわものをことごとくこわした。36:20 彼かれはまたつるぎをのがれた者ものどもを、バビロンに捕とらえて行いって、彼かれとその子こらの家来けらいとなし、ペルシャの国くにの興おこるまで、そうして置おいた。36:21 これはエレミヤの口くちによって伝つたえられた主しゅの言葉ことばの成就じょうじゅするためであった。こうして国くにはついにその安息あんそくをうけた。すなわちこれはその荒あれている間あいだ、安息あんそくして、ついに七十年ねんが満みちた。 36:22 ペルシャ王おうクロスの元年がんねんに当あたり、主しゅはエレミヤの口くちによって伝つたえた主しゅの言葉ことばを成就じょうじゅするため、ペルシャ王おうクロスの霊れいを感動かんどうされたので、王おうはあまねく国中くにぢゅうにふれ示しめし、またそれを書かき示しめして言いった、36:23 「ペルシャの王おうクロスはこう言いう、『天てんの神かみ、主しゅは地上ちじょうの国々くにぐにをことごとくわたしに賜たまわって、主しゅの宮みやをユダにあるエルサレムに建たてることをわたしに命めいじられた。あなたがたのうち、その民たみである者ものは皆みな、その神かみ、主しゅの助たすけを得えて上のぼって行いきなさい』」。
32:1 ヒゼキヤがこれらの事ことを忠実ちゅうじつに行いった後のち、アッスリヤの王おうセナケリブが来きてユダに侵入しんにゅうし、堅固けんごな町々まちまちに向むかって陣じんを張はり、これを攻せめ取とろうとした。
32:2 ヒゼキヤはセナケリブが来きて、エルサレムを攻せめようとするのを見みたので、
32:3 そのつかさたちおよび勇士ゆうしたちと相談そうだんして、町まちの外そとにある泉いずみの水みずを、ふさごうとした。彼かれらはこれを助たすけた。
32:4 多おおくの民たみは集あつまって、すべての泉いずみおよび国くにの中なかを流ながれる谷川たにがわをふさいで言いった、「アッスリヤの王おうたちがきて、多おおくの水みずを得えられるようなことをしておいていいだろうか」。
32:5 ヒゼキヤはまた勇気ゆうきを出だして、破やぶれた城壁じょうへきをことごとく築きずき直なおして、その上うえにやぐらを建たて、その外そとにまた城壁じょうへきを巡めぐらし、ダビデの町まちのミロを堅固けんごにし、武器ぶきおよび盾たてを多おおく造つくり、
32:6 軍ぐん長ちょうを民たみの上うえに置おき、町まちの門もんの広場ひろばに民たみを集あつめて、これを励はげまして言いった、
32:7 「心こころを強つよくし、勇いさみたちなさい。アッスリヤの王おうをも、彼かれと共ともにいるすべての群衆ぐんしゅうをも恐おそれてはならない。おののいてはならない。われわれと共ともにおる者ものは彼かれらと共ともにおる者ものよりも大おおいなる者ものだからである。
32:8 彼かれと共ともにおる者ものは肉にくの腕うでである。しかしわれわれと共ともにおる者ものはわれわれの神かみ、主しゅであって、われわれを助たすけ、われわれに代かわって戦たたかわれる」。民たみはユダの王おうヒゼキヤの言葉ことばに安心あんしんした。
32:9 この後のちアッスリヤの王おうセナケリブはその全ぜん軍ぐんをもってラキシを囲かこんでいたが、その家来けらいをエルサレムにつかわして、ユダの王おうヒゼキヤおよびエルサレムにいるすべてのユダの人ひとに告つげさせて言いった、
32:10 「アッスリヤの王おうセナケリブはこう言いいます、『あなたがたは何なにを頼たのんでエルサレムにこもっているのか。
32:11 ヒゼキヤは「われわれの神かみ、主しゅがアッスリヤの王おうの手てから、われわれを救すくってくださる」と言いって、あなたがたをそそのかし、飢うえと、かわきをもって、あなたがたを死しなせようとしているのではないか。
32:12 このヒゼキヤは主しゅのもろもろの高たかき所ところと祭壇さいだんを取とり除のぞき、ユダとエルサレムに命めいじて、「あなたがたはただ一つの祭壇さいだんの前まえで礼拝れいはいし、その上うえに犠牲ぎせいをささげなければならない」と言いった者ものではないか。
32:13 あなたがたは、わたしおよびわたしの先祖せんぞたちが、他たの国々くにぐにのすべての民たみにしたことを知しらないのか。それらの国々くにぐにの民たみの神々かみがみは、少すこしでもその国くにを、わたしの手てから救すくい出だすことができたか。
32:14 わたしの先祖せんぞたちが滅ほろぼし尽つくしたそれらの国民こくみんのもろもろの神かみのうち、だれか自分じぶんの民たみをわたしの手てから救すくい出だすことのできたものがあるか。それで、どうしてあなたがたの神かみが、あなたがたをわたしの手てから救すくい出だすことができよう。
32:15 それゆえ、あなたがたはヒゼキヤに欺あざむかれてはならない。そそのかされてはならない。また彼かれを信しんじてはならない。いずれの民たみ、いずれの国くにの神かみもその民たみをわたしの手て、または、わたしの先祖せんぞの手てから救すくいだすことができなかったのだから、ましてあなたがたの神かみが、どうしてわたしの手てからあなたがたを救すくいだすことができようか』」。
32:16 セナケリブの家来けらいは、このほかにも多おおく主しゅなる神かみ、およびそのしもべヒゼキヤをそしった。
32:17 セナケリブはまた手紙てがみを書かき送おくって、イスラエルの神かみ、主しゅをあざけり、かつそしって言いった、「諸国しょこくの民たみの神々かみがみが、その民たみをわたしの手てから救すくい出ださなかったように、ヒゼキヤの神かみも、その民たみをわたしの手てから救すくい出ださないであろう」と。
32:18 そして彼かれらは大声おおごえをあげ、ユダヤの言葉ことばをもって、城壁じょうへきの上うえにいるエルサレムの民たみに向むかって叫さけび、これをおどし、かつおびやかした。彼かれらは町まちを取とるためである。
32:19 このように彼かれらがエルサレムの神かみについて語かたること、人ひとの手てのわざである地上ちじょうの民たみの神々かみがみについて語かたるようであった。
32:20 そこでヒゼキヤ王おうおよびアモツの子こ預言者よげんしゃイザヤは共ともに祈いのって、天てんに呼よばわったので、
32:21 主しゅはひとりのみ使つかいをつかわして、アッスリヤ王おうの陣営じんえいにいるすべての大だい勇士ゆうしと将官しょうかん、軍ぐん長ちょうらを滅ほろぼされた。それで王おうは赤面せきめんして自分じぶんの国くにに帰かえったが、その神かみの家いえにはいった時とき、その子このひとりが、つるぎをもって彼かれをその所ところで殺ころした。
32:22 このように主しゅは、ヒゼキヤとエルサレムの住民じゅうみんをアッスリヤの王おうセナケリブの手ておよびすべての敵てきの手てから救すくい出だし、いたる所ところで彼かれらを守まもられた。
32:23 そこで多おおくの人々ひとびとはささげ物ものをエルサレムに携たずさえてきて主しゅにささげ、また宝物ほうもつをユダの王おうヒゼキヤに贈おくった。この後のちヒゼキヤは万国ばんこくの民たみに尊たっとばれた。
32:24 そのころ、ヒゼキヤは病やんで死しぬばかりであったが、主しゅに祈いのったので、主しゅはこれに答こたえて、しるしを賜たまわった。
32:25 しかしヒゼキヤはその受うけた恵めぐみに報むくいることをせず、その心こころが高たかぶったので、怒いかりが彼かれとユダおよびエルサレムに臨のぞもうとしたが、
32:26 ヒゼキヤはその心こころの高たかぶりを悔くいてへりくだり、またエルサレムの住民じゅうみんも同様どうようにしたので、主しゅの怒いかりは、ヒゼキヤの世よには彼かれらに臨のぞまなかった。
32:27 ヒゼキヤは富とみと栄誉えいよをきわめ、宝蔵ほうぞうを造つくって、金きん、銀ぎん、宝石ほうせき、香料こうりょう、盾たておよび各種かくしゅの尊たっとい器物うつわものをおさめ、
32:28 また倉庫そうこを造つくって穀物こくもつ、酒さけ、油あぶらなどの産物さんぶつをおさめ、小屋こやを つくって種々しゅじゅの家畜かちくを置おき、おりを造つくって羊ひつじの群むれを置おき、
32:29 また多数たすうの町まちを設もうけ、かつ羊ひつじと牛うしをおびただしく所有しょゆうした。神かみが非常ひじょうに多おおくの貨か財ざいを彼かれに賜たまわったからである。
32:30 このヒゼキヤはまたギホンの水みずの上うえの源みなもとをふさいで、これをダビデの町まちの西にしの方ほうにまっすぐに引ひき下くだした。このようにヒゼキヤはそのすべてのわざをなし遂とげた。
32:31 しかしバビロンの君きみたちが使者ししゃをつかわして、この国くににあった、しるしについて尋たずねさせた時ときには、神かみは彼かれを試こころみて、彼かれの心こころにあることを、ことごとく知しるために彼かれを捨すて置おかれた。
32:32 ヒゼキヤのその他たの行為こういおよびその徳行とっこうは、アモツの子こ預言者よげんしゃイザヤの黙示もくしとユダとイスラエルの列れつ王おうの書しょにしるされている。
32:33 ヒゼキヤはその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、ダビデの子孫しそんの墓はかのうちの高たかい所ところに葬ほうむられた。ユダの人々ひとびとおよびエルサレムの住民じゅうみんは皆みなその死しに当あたって彼かれに敬意けいいを表あらわした。その子こマナセが彼かれに代かわって王おうとなった。
第33章 33:1 マナセは十二歳さいで王おうとなり、五十五年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。33:2 彼かれは主しゅがイスラエルの人々ひとびとの前まえから追おい払はらわれた国々くにぐにの民たみの憎にくむべき行おこないに見みならって、主しゅの目めの前まえに悪あくを行おこなった。33:3 すなわち、その父ちちヒゼキヤがこわした高たかき所ところを再ふたたび築きずき、またもろもろのバアルのために祭壇さいだんを設もうけ、アシラ像ぞうを造つくり、天てんの万象ばんしょうを拝おがんで、これに仕つかえ、33:4 また主しゅが「わが名なは永遠えいえんにエルサレムにある」と言いわれた主しゅの宮みやのうちに数個すうこの祭壇さいだんを築きずき、33:5 主しゅの宮みやの二つの庭にわに天てんの万象ばんしょうのために祭壇さいだんを築きずいた。33:6 彼かれはまたベンヒンノムの谷たにでその子こ供ともを火ひに焼やいて供そなえ物ものとし、占うらないをし、魔法まほうをつかい、まじないを行おこない、口寄くちよせと、占うらない師しを任用にんようするなど、主しゅの前まえに多おおくの悪あくを行いって、その怒いかりをひき起おこした。33:7 彼かれはまた刻きざんだ偶像ぐうぞうを造つくって神かみの宮みやに安置あんちした。神かみはこの宮みやについてダビデとその子こソロモンに言いわれたことがある、「わたしはこの宮みやと、わたしがイスラエルのすべての部族ぶぞくのうちから選えらんだエルサレムとに、わたしの名なを永遠えいえんに置おく。33:8 彼かれらがもし、わたしがすべて命めいじた事こと、すなわち、モーセが伝つたえたすべての律法りっぽうと定さだめとおきてとを慎つつしんで行おこなうならば、わたしがあなたがたの先祖せんぞのために定さだめた地ちから、重かさねてイスラエルの足あしを移うつすことをしない」と。33:9 マナセはこのようにユダとエルサレムの住民じゅうみんを迷まよわせ、主しゅがイスラエルの人々ひとびとの前まえに滅ほろぼされた国々くにぐにの民たみにもまさって悪あくを行おこなわせた。 33:10 主しゅはマナセおよびその民たみに告つげられたが、彼かれらは心こころに留とめなかった。33:11 それゆえ、主しゅはアッスリヤの王おうの軍勢ぐんぜいの諸しょ将しょうをこれに攻せめこさせられたので、彼かれらはマナセをかぎで捕とらえ、青銅せいどうのかせにつないで、バビロンに引ひいて行いった。33:12 彼かれは悩なやみにあうに及およんで、その神かみ、主しゅに願ねがい求もとめ、その先祖せんぞの神かみの前まえに大おおいに身みを低ひくくして、33:13 神かみに祈いのったので、神かみはその祈いのりを受うけいれ、その願ねがいを聞きき、彼かれをエルサレムに連つれ帰かえって、再ふたたび国くにに臨のぞませられた。これによってマナセは主しゅこそ、まことに神かみにいますことを知しった。 33:14 この後のち、彼かれはダビデの町まちの外そとの石いしがきをギホンの西にしの方ほうの谷たにのうちに築きずき、魚うおの門もんの入口いりぐちにまで及およぼし、またオペルに石いしがきをめぐらして、非常ひじょうに高たかくこれを築きずき上あげ、ユダのすべての堅固けんごな町まちに軍ぐん長ちょうを置おき、33:15 また主しゅの宮みやから、異邦いほうの神々かみがみおよび偶像ぐうぞうを取とり除のぞき、主しゅの宮みやの山やまとエルサレムに自分じぶんで築きずいたすべての祭壇さいだんを取とり除のぞいて、町まちの外そとに投なげ捨すて、33:16 主しゅの祭壇さいだんを築きずき直なおして、酬恩祭しゅうおんさいおよび感謝かんしゃの犠牲ぎせいを、その上うえにささげ、ユダに命めいじてイスラエルの神かみ、主しゅに仕つかえさせた。33:17 しかし民たみは、なお高たかき所ところで犠牲ぎせいをささげた。ただしその神かみ、主しゅにのみささげた。 33:18 マナセのそのほかの行為こうい、その神かみにささげた祈いのり、およびイスラエルの神かみ、主しゅの名なをもって彼かれに告つげた先見者せんけんしゃたちの言葉ことばは、イスラエルの列れつ王おうの記録きろくのうちにしるされている。33:19 またその祈いのりと、祈いのりの聞きかれた事こと、そのもろもろの罪つみと、とが、その身みを低ひくくする前まえに高たかき所ところを築きずいて、アシラ像ぞうおよび刻きざんだ像ぞうを立たてた場所ばしょなどは、先見者せんけんしゃの記録きろくのうちにしるされている。33:20 マナセはその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、その家いえに葬ほうむられた。その子こアモンが彼かれに代かわって王おうとなった。 33:21 アモンは王おうとなった時とき二十二歳さいで、二年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。33:22 彼かれはその父ちちマナセのしたように主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。すなわちアモンはその父ちちマナセが造つくったもろもろの刻きざんだ像ぞうに犠牲ぎせいをささげて、これに仕つかえ、33:23 その父ちちマナセが身みを低ひくくしたように主しゅの前まえに身みを低ひくくしなかった。かえってこのアモンは、いよいよそのとがを増ました。33:24 その家来けらいたちは党とうを結むすんで彼かれにそむき、彼かれをその家いえで殺ころした。33:25 しかし国くにの民たみは、党とうを結むすんでアモン王おうにそむいた者ものどもをことごとく撃うち殺ころした。そして国くにの民たみはその子こヨシヤを王おうとなして、そのあとを継つがせた。 第34章 34:1 ヨシヤは八歳さいのとき王おうとなり、エルサレムで三十一年ねんの間あいだ世よを治おさめた。34:2 彼かれは主しゅの良よしと見みられることをなし、その父ちちダビデの道みちを歩あゆんで、右みぎにも左ひだりにも曲まがらなかった。34:3 彼かれはまだ若わかかったが、その治世ちせいの第だい八年ねんに父ちちダビデの神かみを求もとめることを始はじめ、その十二年ねんには高たかき所ところ、アシラ像ぞう、刻きざんだ像ぞう、鋳いた像ぞうなどを除のぞいて、ユダとエルサレムを清きよめることを始はじめ、34:4 もろもろのバアルの祭壇さいだんを、自分じぶんの前まえで打うちこわさせ、その上うえに立たっていた香こうの祭壇さいだんを切きり倒たおし、アシラ像ぞう、刻きざんだ像ぞう、鋳いた像ぞうを打うち砕くだいて粉々こなごなにし、これらの像ぞうに犠牲ぎせいをささげた者ものどもの墓はかの上うえにそれをまき散ちらし、34:5 祭司さいしらの骨ほねをそのもろもろの祭壇さいだんの上うえで焼やき、こうしてユダとエルサレムを清きよめた。34:6 またマナセ、エフライム、シメオンおよびナフタリの荒あれた町々まちまちにもこのようにし、34:7 もろもろの祭壇さいだんをこわし、アシラ像ぞうおよびもろもろの刻きざんだ像ぞうを粉々こなごなに打うち砕くだき、イスラエル全国ぜんこくの香こうの祭壇さいだんをことごとく切きり倒たおして、エルサレムに帰かえった。 34:8 ヨシヤはその治世ちせいの十八年ねんに、国くにと宮みやとを清きよめた時とき、その神かみ、主しゅの宮みやを繕つくろわせようと、アザリヤの子こシャパン、町まちのつかさマアセヤおよびヨアハズの子こ史官しかんヨアをつかわした。34:9 彼かれらは大だい祭司さいしヒルキヤのもとへ行いって、神かみの宮みやにはいった金かねを渡わたした。これは門もんを守まもるレビびとがマナセ、エフライムおよびその他たのすべてのイスラエル、ならびにユダとベニヤミンのすべての人ひと、およびエルサレムの住民じゅうみんの手てから集あつめたものである。34:10 彼かれらはこれを主しゅの宮みやを監督かんとくする職工しょっこうらの手てに渡わたしたので、主しゅの宮みやで働はたらく職工しょっこうらは、これを宮みやを繕つくろい直なおすために支払しはらった。34:11 すなわち、大工だいくおよび建築者けんちくしゃにこれを渡わたして、ユダの王おうたちが破やぶった建物たてもののために、切きり石いしおよび骨組ほねぐみの材木ざいもくを買かわせ、梁はり材ざいを整ととのえさせた。34:12 その人々ひとびとは忠実ちゅうじつに仕事しごとをした。その監督かんとく者しゃはメラリの子孫しそんであるレビびとヤハテとオバデヤ、およびコハテびとの子孫しそんであるゼカリヤとメシュラムであって、工事こうじをつかさどった。また楽器がっきに巧たくみなレビびとがこれに伴ともなった。34:13 彼かれらはまた荷にを負おう者ものを監督かんとくし、様々さまざまの仕事しごとに働はたらくすべての者ものをつかさどった。また他たのレビびとは書記しょきとなり、役人やくにんとなり、また門衛もんえいとなった。 34:14 さて彼かれらが主しゅの宮みやにはいった金かねを取とりだした時とき、祭司さいしヒルキヤはモーセの伝つたえた主しゅの律法りっぽうの書しょを発見はっけんした。34:15 そこでヒルキヤは書記官しょきかんシャパンに言いった、「わたしは主しゅの宮みやで律法りっぽうの書しょを発見はっけんしました」と。そしてヒルキヤはその書しょをシャパンに渡わたした。34:16 シャパンはその書しょを王おうのもとに持もって行いき、さらに王おうに復命ふくめいして言いった、「しもべらはゆだねられた事ことをことごとくなし、34:17 主しゅの宮みやにあった金かねをあけて、監督かんとく者しゃの手ておよび職工しょっこうの手てに渡わたしました」。34:18 書記官しょきかんシャパンはまた王おうに告つげて、「祭司さいしヒルキヤはわたしに一つの書物しょもつを渡わたしました」と言いい、シャパンはそれを王おうの前まえで読よんだ。34:19 王おうはその律法りっぽうの言葉ことばを聞きいて衣ころもを裂さいた。34:20 そして王おうはヒルキヤおよびシャパンの子こアヒカムとミカの子こアブドンと書記官しょきかんシャパンと王おうの家来けらいアサヤとに命めいじて言いった、34:21 「あなたがたは行いって、この発見はっけんされた書物しょもつの言葉ことばについてわたしのために、またイスラエルとユダの残のこりの者もののために主しゅに問といなさい。われわれの先祖せんぞたちが主しゅの言葉ことばを守まもらず、すべてこの書物しょもつにしるされていることを行おこなわなかったので、主しゅはわれわれに大おおいなる怒いかりを注そそがれるからです」。 34:22 そこでヒルキヤおよび王おうのつかわした人々ひとびとは、シャルムの妻つまである女おんな預言者よげんしゃホルダのもとへ行いった。シャルムはハスラの子こであるトクハテの子こで、衣装いしょうを守まもる者ものである。時ときにホルダは、エルサレムの第だい二区くに住すんでいた。彼かれらはホルダにその趣意しゅいを語かたったので、34:23 ホルダは彼かれらに言いった、「イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられます、『あなたがたをわたしにつかわした人ひとに告つげなさい。34:24 主しゅはこう仰おおせられます。見みよ、わたしはユダの王おうの前まえで読よんだ書物しょもつにしるされているもろもろののろい、すなわち災わざわいをこの所ところと、ここに住すむ者ものに下くだす。34:25 彼かれらはわたしを捨すてて、他たの神々かみがみに香こうをたき、自分じぶんの手てで造つくったもろもろの物ものをもって、わたしの怒いかりを引ひき起おこそうとしたからである。それゆえ、わたしの怒いかりは、この所ところに注そそがれて消きえない。34:26 しかしあなたがたをつかわして、主しゅに問とわせるユダの王おうにはこう言いいなさい。イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる。あなたが聞きいた言葉ことばについては、34:27 この所ところと、ここに住すむ者ものを責せめる神かみの言葉ことばを、あなたが聞きいた時とき、心こころに悔くい、神かみの前まえに身みをひくくし、わたしの前まえにへりくだり、衣ころもを裂さいて、わたしの前まえに泣ないたので、わたしもまた、あなたに聞きいた、と主しゅは言いわれる。34:28 見みよ、わたしはあなたを先祖せんぞたちのもとに集あつめる。あなたは安やすらかにあなたの墓はかに集あつめられる。あなたはわたしがこの所ところと、ここに住すむ者ものに下くだすもろもろの災わざわいを目めに見みることがない』と」。彼かれらは王おうに復命ふくめいした。 34:29 そこで王おうは人ひとをつかわしてユダとエルサレムの長老ちょうろうをことごとく集あつめ、34:30 そして王おうは主しゅの宮みやに上のぼって行いった。ユダのすべての人々ひとびと、エルサレムの住民じゅうみん、祭司さいし、レビびと、およびすべての民たみは、老おいた者ものも若わかい者ものもことごとく彼かれに従したがった。そこで王おうは主しゅの宮みやで発見はっけんした契約けいやくの書しょの言葉ことばを、ことごとく彼かれらの耳みみに読よみ聞きかせ、34:31 そして王おうは自分じぶんの所ところに立たって、主しゅの前まえに契約けいやくを立たて、主しゅに従したがって歩あゆみ、心こころをつくし、精神せいしんをつくして、その戒いましめと、あかしと定さだめとをまもり、この書しょにしるされた契約けいやくの言葉ことばを行おこなおうと言いい、34:32 エルサレムおよびベニヤミンの人々ひとびとを皆みなこれに加くわわらせた。エルサレムの住民じゅうみんは先祖せんぞの神かみであるその神かみの契約けいやくにしたがって行いった。34:33 ヨシヤはイスラエルの人々ひとびとに属ぞくするすべての地ちから、憎にくむべきものをことごとく取とり除のぞき、イスラエルにいるすべての人ひとをその神かみ、主しゅに仕つかえさせた。ヨシヤが世よにある日ひの間あいだは、彼かれらは先祖せんぞの神かみ、主しゅに従したがって離はなれなかった。 第35章 35:1 ヨシヤはエルサレムで主しゅに過越すぎこしの祭まつりを行おこなった。すなわち正月しょうがつの十四日かに過越すぎこしの小羊こひつじをほふらせ、35:2 祭司さいしにその職務しょくむをとり行おこなわせ、彼かれらを励はげまして主しゅの宮みやの務つとめをさせ、35:3 また主しゅの聖せいなる者ものとなってすべてのイスラエルびとを教おしえるレビびとに言いった、「あなたがたはイスラエルの王おうダビデの子こソロモンの建たてた宮みやに、聖せいなる箱はこを置おきなさい。再ふたたびこれを肩かたにになうに及およばない。あなたがたの神かみ、主しゅおよびその民たみイスラエルに仕つかえなさい。35:4 あなたがたはイスラエルの王おうダビデの書しょ、およびその子こソロモンの書しょに基もとづいて氏族しぞくにしたがい、その班はんによって、みずから備そなえをなし、35:5 あなたがたの兄弟きょうだいである民たみの人々ひとびとの氏族しぞくの区分くぶんにしたがって聖所せいじょに立たち、このためにレビびとの氏族しぞくの分ぶんが かけることのないようにしなさい。35:6 あなたがたは過越すぎこしの小羊こひつじをほふり、身みを清きよめ、あなたがたの兄弟きょうだいのために備そなえをし、モーセが伝つたえた主しゅの言葉ことばにしたがって行おこないなさい」。 35:7 ヨシヤは、小羊こひつじおよび子こやぎを民たみの人々ひとびとに贈おくった。これは皆みなその所ところにいるすべての人ひとのための過越すぎこしの供そなえ物ものであって、その数かず三万、また雄牛おうし三千を贈おくった。それらは王おうの所有しょゆうから出だしたのである。35:8 そのつかさたちも民たみと祭司さいしとレビびとに真心こころから贈おくった。また神かみの宮みやのつかさたちヒルキヤ、ゼカリヤ、エヒエルも小羊こひつじと子こやぎ二千六百頭とう、牛うし三百頭とうを祭司さいしに与あたえて過越すぎこしの供そなえ物ものとした。35:9 またレビびとの長ちょうである人々ひとびとすなわちコナニヤおよびその兄弟きょうだいシマヤ、ネタンエルならびにハシャビヤ、エイエル、ヨザバデなども小羊こひつじと子こやぎ五千頭とう、牛うし五百頭とうをレビびとに贈おくって過越すぎこしの供そなえ物ものとした。 35:10 このように勤つとめのことが備そなわったので、王おうの命いのちに従したがって祭司さいしたちはその持もち場ばに立たち、レビびとはその班はんに従したがって仕つかえ、35:11 やがて過越すぎこしの小羊こひつじがほふられたので、祭司さいしはその血ちを受うけ取とって注そそいだ。レビびとはその皮かわをはいだ。35:12 それから燔祭はんさいの物ものをとり分わけ、それを民たみの人々ひとびとの氏族しぞくの区分くぶんに従したがって渡わたし、主しゅにささげさせた。これはモーセの書しょにしるされたとおりである。また牛うしをもこのようにした。35:13 そして定さだめに従したがって過越すぎこしの小羊こひつじを火ひであぶり、その他たの聖せいなる供そなえ物ものを深ふかなべ、かま、浅あさなべなどに煮にて、急いそいですべての民たみの人々ひとびとにくばった。35:14 その後のち、彼かれらは自分じぶんのためと、祭司さいしたちのために備そなえをした。アロンの子孫しそんである祭司さいしたちは、燔祭はんさいと脂肪しぼうをささげるのに忙いそがしくて、夜よるになったからである。それでレビびとは自分じぶんたちのためと、アロンの子孫しそんである祭司さいしたちのために備そなえたのである。35:15 アサフの子孫しそんである歌うたうたう者ものたちは、ダビデ、アサフ、ヘマンおよび王おうの先見者せんけんしゃエドトンの命いのちに従したがってその持もち場ばにおり、門衛もんえいたちはおのおの門もんにいて、その職務しょくむを離はなれるに及およばなかった。兄弟きょうだいであるレビびとが彼かれらのために備そなえたからである。 35:16 このようにその日ひ、主しゅの勤つとめの事ことがことごとく備そなわったので、ヨシヤ王おうの命いのちに従したがって過越すぎこしの祭まつりを行おこない、主しゅの祭壇さいだんに燔祭はんさいをささげた。35:17 ここに来きていたイスラエルの人々ひとびとは、そのとき過越すぎこしの祭まつりを行おこない、また七日なぬかの間あいだ、種たね入いれぬパンの祭まつりを行おこなった。35:18 預言者よげんしゃサムエルの日ひからこのかた、イスラエルでこのような過越すぎこしの祭まつりを行おこなったことはなかった。またイスラエルの諸王しょおうのうちには、ヨシヤが、祭司さいし、レビびと、ならびにそこに来きたユダとイスラエルのすべての人々ひとびと、およびエルサレムの住民じゅうみんと共ともに行いったような過越すぎこしの祭まつりを行おこなった者ものはひとりもなかった。35:19 この過越すぎこしの祭まつりはヨシヤの治世ちせいの第だい十八年ねんに行おこなわれた。 35:20 このようにヨシヤが宮みやを整ととのえた後のち、エジプトの王おうネコはユフラテ川かわのほとりにあるカルケミシで戦たたかうために上のぼってきたので、ヨシヤはこれを防ふせごうと出でて行いった。35:21 しかしネコは彼かれに使者ししゃをつかわして言いった、「ユダの王おうよ、われわれはお互たがいに何なにのあずかるところがありますか。わたしはきょう、あなたを攻せめようとして来きたのではありません。わたしの敵てきの家いえを攻せめようとして来きたのです。神かみがわたしに命めいじて急いそがせています。わたしと共ともにおられる神かみに逆さからうことをやめなさい。そうしないと、神かみはあなたを滅ほろぼされるでしょう」。35:22 しかしヨシヤは引ひき返かえすことを好このまず、かえって彼かれと戦たたかうために、姿すがたを変かえ、神かみの口くちから出でたネコの言葉ことばを聞ききいれず、行いってメギドの谷たにで戦たたかったが、35:23 射手しゃしゅの者ものどもがヨシヤを射いあてたので、王おうはその家来けらいたちに、「わたしを助たすけ出だせ。わたしはひどく傷きずついた」と言いった。35:24 そこで家来けらいたちは彼かれを車くるまから助たすけ出だし、王おうのもっていた第だい二の車くるまに乗のせてエルサレムにつれて行いったが、ついに死しんだので、その先祖せんぞの墓はかにこれを葬ほうむった。そしてユダとエルサレムは皆みなヨシヤのために悲かなしんだ。35:25 時ときにエレミヤはヨシヤのために哀歌あいかを作つくった。歌うたうたう男おとこ、歌うたうたう女おんなは今日こんにちに至いたるまで、その哀歌あいかのうちにヨシヤのことを述のべ、イスラエルのうちにこれを例れいとした。これは哀歌あいかのうちにしるされている。35:26 ヨシヤのその他たの行為こうい、主しゅの律法りっぽうにしるされた所ところに従したがって行いった徳行とっこう、35:27 およびその始終しじゅうの行おこないなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。 第36章 36:1 国くにの民たみはヨシヤの子こエホアハズを立たて、エルサレムでその父ちちに代かわって王おうとならせた。36:2 エホアハズは王おうとなった時とき二十三歳さいで、エルサレムで三月つきの間あいだ、世よを治おさめたが、36:3 エジプトの王おうはエルサレムで彼かれを廃はいし、かつ銀ぎん百タラント、金きん一タラントの罰金ばっきんを国くにに課かした。36:4 そしてエジプト王おうは彼かれの兄弟きょうだいエリアキムをユダとエルサレムの王おうとし、その名なをエホヤキムと改あらため、その兄弟きょうだいエホアハズを捕とらえてエジプトへ引ひいて行いった。 36:5 エホヤキムは王おうとなった時とき二十五歳さいで、十一年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。彼かれはその神かみ、主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。36:6 時ときに、バビロンの王おうネブカデネザルが彼かれの所ところに攻せめ上のぼり、彼かれをバビロンに引ひいて行いこうとして、かせにつないだ。36:7 ネブカデネザルはまた主しゅの宮みやの器物うつわものをバビロンに運はこんで行いって、バビロンにあるその宮殿きゅうでんにそれをおさめた。36:8 エホヤキムのその他たの行為こうい、その行いった憎にくむべき事ことおよび彼かれがひそかに行いった事ことなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。その子こエホヤキンが彼かれに代かわって王おうとなった。 36:9 エホヤキンは王おうとなった時とき八歳さいで、エルサレムで三月つきと十日かの間あいだ、世よを治おさめ、主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。36:10 年としが改あらたまり春はるになって、ネブカデネザル王おうは人ひとをつかわして、彼かれを主しゅの宮みやの尊たっとい器物うつわものと共ともにバビロンに連つれて行いかせ、その兄弟きょうだいゼデキヤをユダとエルサレムの王おうとした。 36:11 ゼデキヤは王おうとなった時とき二十一歳さいで、十一年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。36:12 彼かれはその神かみ、主しゅの前まえに悪あくを行おこない、主しゅの言葉ことばを伝つたえる預言者よげんしゃエレミヤの前まえに、身みをひくくしなかった。36:13 彼かれはまた、彼かれに神かみをさして誓ちかわせたネブカデネザル王おうにもそむいた。彼かれは強情ごうじょうで、その心こころをかたくなにして、イスラエルの神かみ、主しゅに立たち返かえらなかった。36:14 祭司さいしのかしらたちおよび民たみらもまた、すべて異邦人いほうじんのもろもろの憎にくむべき行為こういにならって、はなはだしく罪つみを犯おかし、主しゅがエルサレムに聖別せいべつしておかれた主しゅの宮みやを汚けがした。 36:15 その先祖せんぞの神かみ、主しゅはその民たみと、すみかをあわれむがゆえに、しきりに、その使者ししゃを彼かれらにつかわされたが、36:16 彼かれらが神かみの使者ししゃたちをあざけり、その言葉ことばを軽かろんじ、その預言者よげんしゃたちをののしったので、主しゅの怒いかりがその民たみに向むかって起おこり、ついに救すくうことができないようになった。 36:17 そこで主しゅはカルデヤびとの王おうを彼かれらに攻せめこさせられたので、彼かれはその聖所せいじょの家いえでつるぎをもって若者わかものたちを殺ころし、若者わかものをも、処女しょじょをも、老人ろうじんをも、しらがの者ものをもあわれまなかった。主しゅは彼かれらをことごとく彼かれの手てに渡わたされた。36:18 彼かれは神かみの宮みやのもろもろの大小だいしょうの器物うつわもの、主しゅの宮みやの貨か財ざい、王おうとそのつかさたちの貨か財ざいなど、すべてこれをバビロンに携たずさえて行いき、36:19 神かみの宮みやを焼やき、エルサレムの城壁じょうへきをくずし、そのうちの宮殿きゅうでんをことごとく火ひで焼やき、そのうちの尊たっとい器物うつわものをことごとくこわした。36:20 彼かれはまたつるぎをのがれた者ものどもを、バビロンに捕とらえて行いって、彼かれとその子こらの家来けらいとなし、ペルシャの国くにの興おこるまで、そうして置おいた。36:21 これはエレミヤの口くちによって伝つたえられた主しゅの言葉ことばの成就じょうじゅするためであった。こうして国くにはついにその安息あんそくをうけた。すなわちこれはその荒あれている間あいだ、安息あんそくして、ついに七十年ねんが満みちた。 36:22 ペルシャ王おうクロスの元年がんねんに当あたり、主しゅはエレミヤの口くちによって伝つたえた主しゅの言葉ことばを成就じょうじゅするため、ペルシャ王おうクロスの霊れいを感動かんどうされたので、王おうはあまねく国中くにぢゅうにふれ示しめし、またそれを書かき示しめして言いった、36:23 「ペルシャの王おうクロスはこう言いう、『天てんの神かみ、主しゅは地上ちじょうの国々くにぐにをことごとくわたしに賜たまわって、主しゅの宮みやをユダにあるエルサレムに建たてることをわたしに命めいじられた。あなたがたのうち、その民たみである者ものは皆みな、その神かみ、主しゅの助たすけを得えて上のぼって行いきなさい』」。
33:1 マナセは十二歳さいで王おうとなり、五十五年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。
33:2 彼かれは主しゅがイスラエルの人々ひとびとの前まえから追おい払はらわれた国々くにぐにの民たみの憎にくむべき行おこないに見みならって、主しゅの目めの前まえに悪あくを行おこなった。
33:3 すなわち、その父ちちヒゼキヤがこわした高たかき所ところを再ふたたび築きずき、またもろもろのバアルのために祭壇さいだんを設もうけ、アシラ像ぞうを造つくり、天てんの万象ばんしょうを拝おがんで、これに仕つかえ、
33:4 また主しゅが「わが名なは永遠えいえんにエルサレムにある」と言いわれた主しゅの宮みやのうちに数個すうこの祭壇さいだんを築きずき、
33:5 主しゅの宮みやの二つの庭にわに天てんの万象ばんしょうのために祭壇さいだんを築きずいた。
33:6 彼かれはまたベンヒンノムの谷たにでその子こ供ともを火ひに焼やいて供そなえ物ものとし、占うらないをし、魔法まほうをつかい、まじないを行おこない、口寄くちよせと、占うらない師しを任用にんようするなど、主しゅの前まえに多おおくの悪あくを行いって、その怒いかりをひき起おこした。
33:7 彼かれはまた刻きざんだ偶像ぐうぞうを造つくって神かみの宮みやに安置あんちした。神かみはこの宮みやについてダビデとその子こソロモンに言いわれたことがある、「わたしはこの宮みやと、わたしがイスラエルのすべての部族ぶぞくのうちから選えらんだエルサレムとに、わたしの名なを永遠えいえんに置おく。
33:8 彼かれらがもし、わたしがすべて命めいじた事こと、すなわち、モーセが伝つたえたすべての律法りっぽうと定さだめとおきてとを慎つつしんで行おこなうならば、わたしがあなたがたの先祖せんぞのために定さだめた地ちから、重かさねてイスラエルの足あしを移うつすことをしない」と。
33:9 マナセはこのようにユダとエルサレムの住民じゅうみんを迷まよわせ、主しゅがイスラエルの人々ひとびとの前まえに滅ほろぼされた国々くにぐにの民たみにもまさって悪あくを行おこなわせた。
33:10 主しゅはマナセおよびその民たみに告つげられたが、彼かれらは心こころに留とめなかった。
33:11 それゆえ、主しゅはアッスリヤの王おうの軍勢ぐんぜいの諸しょ将しょうをこれに攻せめこさせられたので、彼かれらはマナセをかぎで捕とらえ、青銅せいどうのかせにつないで、バビロンに引ひいて行いった。
33:12 彼かれは悩なやみにあうに及およんで、その神かみ、主しゅに願ねがい求もとめ、その先祖せんぞの神かみの前まえに大おおいに身みを低ひくくして、
33:13 神かみに祈いのったので、神かみはその祈いのりを受うけいれ、その願ねがいを聞きき、彼かれをエルサレムに連つれ帰かえって、再ふたたび国くにに臨のぞませられた。これによってマナセは主しゅこそ、まことに神かみにいますことを知しった。
33:14 この後のち、彼かれはダビデの町まちの外そとの石いしがきをギホンの西にしの方ほうの谷たにのうちに築きずき、魚うおの門もんの入口いりぐちにまで及およぼし、またオペルに石いしがきをめぐらして、非常ひじょうに高たかくこれを築きずき上あげ、ユダのすべての堅固けんごな町まちに軍ぐん長ちょうを置おき、
33:15 また主しゅの宮みやから、異邦いほうの神々かみがみおよび偶像ぐうぞうを取とり除のぞき、主しゅの宮みやの山やまとエルサレムに自分じぶんで築きずいたすべての祭壇さいだんを取とり除のぞいて、町まちの外そとに投なげ捨すて、
33:16 主しゅの祭壇さいだんを築きずき直なおして、酬恩祭しゅうおんさいおよび感謝かんしゃの犠牲ぎせいを、その上うえにささげ、ユダに命めいじてイスラエルの神かみ、主しゅに仕つかえさせた。
33:17 しかし民たみは、なお高たかき所ところで犠牲ぎせいをささげた。ただしその神かみ、主しゅにのみささげた。
33:18 マナセのそのほかの行為こうい、その神かみにささげた祈いのり、およびイスラエルの神かみ、主しゅの名なをもって彼かれに告つげた先見者せんけんしゃたちの言葉ことばは、イスラエルの列れつ王おうの記録きろくのうちにしるされている。
33:19 またその祈いのりと、祈いのりの聞きかれた事こと、そのもろもろの罪つみと、とが、その身みを低ひくくする前まえに高たかき所ところを築きずいて、アシラ像ぞうおよび刻きざんだ像ぞうを立たてた場所ばしょなどは、先見者せんけんしゃの記録きろくのうちにしるされている。
33:20 マナセはその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、その家いえに葬ほうむられた。その子こアモンが彼かれに代かわって王おうとなった。
33:21 アモンは王おうとなった時とき二十二歳さいで、二年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。
33:22 彼かれはその父ちちマナセのしたように主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。すなわちアモンはその父ちちマナセが造つくったもろもろの刻きざんだ像ぞうに犠牲ぎせいをささげて、これに仕つかえ、
33:23 その父ちちマナセが身みを低ひくくしたように主しゅの前まえに身みを低ひくくしなかった。かえってこのアモンは、いよいよそのとがを増ました。
33:24 その家来けらいたちは党とうを結むすんで彼かれにそむき、彼かれをその家いえで殺ころした。
33:25 しかし国くにの民たみは、党とうを結むすんでアモン王おうにそむいた者ものどもをことごとく撃うち殺ころした。そして国くにの民たみはその子こヨシヤを王おうとなして、そのあとを継つがせた。
第34章 34:1 ヨシヤは八歳さいのとき王おうとなり、エルサレムで三十一年ねんの間あいだ世よを治おさめた。34:2 彼かれは主しゅの良よしと見みられることをなし、その父ちちダビデの道みちを歩あゆんで、右みぎにも左ひだりにも曲まがらなかった。34:3 彼かれはまだ若わかかったが、その治世ちせいの第だい八年ねんに父ちちダビデの神かみを求もとめることを始はじめ、その十二年ねんには高たかき所ところ、アシラ像ぞう、刻きざんだ像ぞう、鋳いた像ぞうなどを除のぞいて、ユダとエルサレムを清きよめることを始はじめ、34:4 もろもろのバアルの祭壇さいだんを、自分じぶんの前まえで打うちこわさせ、その上うえに立たっていた香こうの祭壇さいだんを切きり倒たおし、アシラ像ぞう、刻きざんだ像ぞう、鋳いた像ぞうを打うち砕くだいて粉々こなごなにし、これらの像ぞうに犠牲ぎせいをささげた者ものどもの墓はかの上うえにそれをまき散ちらし、34:5 祭司さいしらの骨ほねをそのもろもろの祭壇さいだんの上うえで焼やき、こうしてユダとエルサレムを清きよめた。34:6 またマナセ、エフライム、シメオンおよびナフタリの荒あれた町々まちまちにもこのようにし、34:7 もろもろの祭壇さいだんをこわし、アシラ像ぞうおよびもろもろの刻きざんだ像ぞうを粉々こなごなに打うち砕くだき、イスラエル全国ぜんこくの香こうの祭壇さいだんをことごとく切きり倒たおして、エルサレムに帰かえった。 34:8 ヨシヤはその治世ちせいの十八年ねんに、国くにと宮みやとを清きよめた時とき、その神かみ、主しゅの宮みやを繕つくろわせようと、アザリヤの子こシャパン、町まちのつかさマアセヤおよびヨアハズの子こ史官しかんヨアをつかわした。34:9 彼かれらは大だい祭司さいしヒルキヤのもとへ行いって、神かみの宮みやにはいった金かねを渡わたした。これは門もんを守まもるレビびとがマナセ、エフライムおよびその他たのすべてのイスラエル、ならびにユダとベニヤミンのすべての人ひと、およびエルサレムの住民じゅうみんの手てから集あつめたものである。34:10 彼かれらはこれを主しゅの宮みやを監督かんとくする職工しょっこうらの手てに渡わたしたので、主しゅの宮みやで働はたらく職工しょっこうらは、これを宮みやを繕つくろい直なおすために支払しはらった。34:11 すなわち、大工だいくおよび建築者けんちくしゃにこれを渡わたして、ユダの王おうたちが破やぶった建物たてもののために、切きり石いしおよび骨組ほねぐみの材木ざいもくを買かわせ、梁はり材ざいを整ととのえさせた。34:12 その人々ひとびとは忠実ちゅうじつに仕事しごとをした。その監督かんとく者しゃはメラリの子孫しそんであるレビびとヤハテとオバデヤ、およびコハテびとの子孫しそんであるゼカリヤとメシュラムであって、工事こうじをつかさどった。また楽器がっきに巧たくみなレビびとがこれに伴ともなった。34:13 彼かれらはまた荷にを負おう者ものを監督かんとくし、様々さまざまの仕事しごとに働はたらくすべての者ものをつかさどった。また他たのレビびとは書記しょきとなり、役人やくにんとなり、また門衛もんえいとなった。 34:14 さて彼かれらが主しゅの宮みやにはいった金かねを取とりだした時とき、祭司さいしヒルキヤはモーセの伝つたえた主しゅの律法りっぽうの書しょを発見はっけんした。34:15 そこでヒルキヤは書記官しょきかんシャパンに言いった、「わたしは主しゅの宮みやで律法りっぽうの書しょを発見はっけんしました」と。そしてヒルキヤはその書しょをシャパンに渡わたした。34:16 シャパンはその書しょを王おうのもとに持もって行いき、さらに王おうに復命ふくめいして言いった、「しもべらはゆだねられた事ことをことごとくなし、34:17 主しゅの宮みやにあった金かねをあけて、監督かんとく者しゃの手ておよび職工しょっこうの手てに渡わたしました」。34:18 書記官しょきかんシャパンはまた王おうに告つげて、「祭司さいしヒルキヤはわたしに一つの書物しょもつを渡わたしました」と言いい、シャパンはそれを王おうの前まえで読よんだ。34:19 王おうはその律法りっぽうの言葉ことばを聞きいて衣ころもを裂さいた。34:20 そして王おうはヒルキヤおよびシャパンの子こアヒカムとミカの子こアブドンと書記官しょきかんシャパンと王おうの家来けらいアサヤとに命めいじて言いった、34:21 「あなたがたは行いって、この発見はっけんされた書物しょもつの言葉ことばについてわたしのために、またイスラエルとユダの残のこりの者もののために主しゅに問といなさい。われわれの先祖せんぞたちが主しゅの言葉ことばを守まもらず、すべてこの書物しょもつにしるされていることを行おこなわなかったので、主しゅはわれわれに大おおいなる怒いかりを注そそがれるからです」。 34:22 そこでヒルキヤおよび王おうのつかわした人々ひとびとは、シャルムの妻つまである女おんな預言者よげんしゃホルダのもとへ行いった。シャルムはハスラの子こであるトクハテの子こで、衣装いしょうを守まもる者ものである。時ときにホルダは、エルサレムの第だい二区くに住すんでいた。彼かれらはホルダにその趣意しゅいを語かたったので、34:23 ホルダは彼かれらに言いった、「イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられます、『あなたがたをわたしにつかわした人ひとに告つげなさい。34:24 主しゅはこう仰おおせられます。見みよ、わたしはユダの王おうの前まえで読よんだ書物しょもつにしるされているもろもろののろい、すなわち災わざわいをこの所ところと、ここに住すむ者ものに下くだす。34:25 彼かれらはわたしを捨すてて、他たの神々かみがみに香こうをたき、自分じぶんの手てで造つくったもろもろの物ものをもって、わたしの怒いかりを引ひき起おこそうとしたからである。それゆえ、わたしの怒いかりは、この所ところに注そそがれて消きえない。34:26 しかしあなたがたをつかわして、主しゅに問とわせるユダの王おうにはこう言いいなさい。イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる。あなたが聞きいた言葉ことばについては、34:27 この所ところと、ここに住すむ者ものを責せめる神かみの言葉ことばを、あなたが聞きいた時とき、心こころに悔くい、神かみの前まえに身みをひくくし、わたしの前まえにへりくだり、衣ころもを裂さいて、わたしの前まえに泣ないたので、わたしもまた、あなたに聞きいた、と主しゅは言いわれる。34:28 見みよ、わたしはあなたを先祖せんぞたちのもとに集あつめる。あなたは安やすらかにあなたの墓はかに集あつめられる。あなたはわたしがこの所ところと、ここに住すむ者ものに下くだすもろもろの災わざわいを目めに見みることがない』と」。彼かれらは王おうに復命ふくめいした。 34:29 そこで王おうは人ひとをつかわしてユダとエルサレムの長老ちょうろうをことごとく集あつめ、34:30 そして王おうは主しゅの宮みやに上のぼって行いった。ユダのすべての人々ひとびと、エルサレムの住民じゅうみん、祭司さいし、レビびと、およびすべての民たみは、老おいた者ものも若わかい者ものもことごとく彼かれに従したがった。そこで王おうは主しゅの宮みやで発見はっけんした契約けいやくの書しょの言葉ことばを、ことごとく彼かれらの耳みみに読よみ聞きかせ、34:31 そして王おうは自分じぶんの所ところに立たって、主しゅの前まえに契約けいやくを立たて、主しゅに従したがって歩あゆみ、心こころをつくし、精神せいしんをつくして、その戒いましめと、あかしと定さだめとをまもり、この書しょにしるされた契約けいやくの言葉ことばを行おこなおうと言いい、34:32 エルサレムおよびベニヤミンの人々ひとびとを皆みなこれに加くわわらせた。エルサレムの住民じゅうみんは先祖せんぞの神かみであるその神かみの契約けいやくにしたがって行いった。34:33 ヨシヤはイスラエルの人々ひとびとに属ぞくするすべての地ちから、憎にくむべきものをことごとく取とり除のぞき、イスラエルにいるすべての人ひとをその神かみ、主しゅに仕つかえさせた。ヨシヤが世よにある日ひの間あいだは、彼かれらは先祖せんぞの神かみ、主しゅに従したがって離はなれなかった。 第35章 35:1 ヨシヤはエルサレムで主しゅに過越すぎこしの祭まつりを行おこなった。すなわち正月しょうがつの十四日かに過越すぎこしの小羊こひつじをほふらせ、35:2 祭司さいしにその職務しょくむをとり行おこなわせ、彼かれらを励はげまして主しゅの宮みやの務つとめをさせ、35:3 また主しゅの聖せいなる者ものとなってすべてのイスラエルびとを教おしえるレビびとに言いった、「あなたがたはイスラエルの王おうダビデの子こソロモンの建たてた宮みやに、聖せいなる箱はこを置おきなさい。再ふたたびこれを肩かたにになうに及およばない。あなたがたの神かみ、主しゅおよびその民たみイスラエルに仕つかえなさい。35:4 あなたがたはイスラエルの王おうダビデの書しょ、およびその子こソロモンの書しょに基もとづいて氏族しぞくにしたがい、その班はんによって、みずから備そなえをなし、35:5 あなたがたの兄弟きょうだいである民たみの人々ひとびとの氏族しぞくの区分くぶんにしたがって聖所せいじょに立たち、このためにレビびとの氏族しぞくの分ぶんが かけることのないようにしなさい。35:6 あなたがたは過越すぎこしの小羊こひつじをほふり、身みを清きよめ、あなたがたの兄弟きょうだいのために備そなえをし、モーセが伝つたえた主しゅの言葉ことばにしたがって行おこないなさい」。 35:7 ヨシヤは、小羊こひつじおよび子こやぎを民たみの人々ひとびとに贈おくった。これは皆みなその所ところにいるすべての人ひとのための過越すぎこしの供そなえ物ものであって、その数かず三万、また雄牛おうし三千を贈おくった。それらは王おうの所有しょゆうから出だしたのである。35:8 そのつかさたちも民たみと祭司さいしとレビびとに真心こころから贈おくった。また神かみの宮みやのつかさたちヒルキヤ、ゼカリヤ、エヒエルも小羊こひつじと子こやぎ二千六百頭とう、牛うし三百頭とうを祭司さいしに与あたえて過越すぎこしの供そなえ物ものとした。35:9 またレビびとの長ちょうである人々ひとびとすなわちコナニヤおよびその兄弟きょうだいシマヤ、ネタンエルならびにハシャビヤ、エイエル、ヨザバデなども小羊こひつじと子こやぎ五千頭とう、牛うし五百頭とうをレビびとに贈おくって過越すぎこしの供そなえ物ものとした。 35:10 このように勤つとめのことが備そなわったので、王おうの命いのちに従したがって祭司さいしたちはその持もち場ばに立たち、レビびとはその班はんに従したがって仕つかえ、35:11 やがて過越すぎこしの小羊こひつじがほふられたので、祭司さいしはその血ちを受うけ取とって注そそいだ。レビびとはその皮かわをはいだ。35:12 それから燔祭はんさいの物ものをとり分わけ、それを民たみの人々ひとびとの氏族しぞくの区分くぶんに従したがって渡わたし、主しゅにささげさせた。これはモーセの書しょにしるされたとおりである。また牛うしをもこのようにした。35:13 そして定さだめに従したがって過越すぎこしの小羊こひつじを火ひであぶり、その他たの聖せいなる供そなえ物ものを深ふかなべ、かま、浅あさなべなどに煮にて、急いそいですべての民たみの人々ひとびとにくばった。35:14 その後のち、彼かれらは自分じぶんのためと、祭司さいしたちのために備そなえをした。アロンの子孫しそんである祭司さいしたちは、燔祭はんさいと脂肪しぼうをささげるのに忙いそがしくて、夜よるになったからである。それでレビびとは自分じぶんたちのためと、アロンの子孫しそんである祭司さいしたちのために備そなえたのである。35:15 アサフの子孫しそんである歌うたうたう者ものたちは、ダビデ、アサフ、ヘマンおよび王おうの先見者せんけんしゃエドトンの命いのちに従したがってその持もち場ばにおり、門衛もんえいたちはおのおの門もんにいて、その職務しょくむを離はなれるに及およばなかった。兄弟きょうだいであるレビびとが彼かれらのために備そなえたからである。 35:16 このようにその日ひ、主しゅの勤つとめの事ことがことごとく備そなわったので、ヨシヤ王おうの命いのちに従したがって過越すぎこしの祭まつりを行おこない、主しゅの祭壇さいだんに燔祭はんさいをささげた。35:17 ここに来きていたイスラエルの人々ひとびとは、そのとき過越すぎこしの祭まつりを行おこない、また七日なぬかの間あいだ、種たね入いれぬパンの祭まつりを行おこなった。35:18 預言者よげんしゃサムエルの日ひからこのかた、イスラエルでこのような過越すぎこしの祭まつりを行おこなったことはなかった。またイスラエルの諸王しょおうのうちには、ヨシヤが、祭司さいし、レビびと、ならびにそこに来きたユダとイスラエルのすべての人々ひとびと、およびエルサレムの住民じゅうみんと共ともに行いったような過越すぎこしの祭まつりを行おこなった者ものはひとりもなかった。35:19 この過越すぎこしの祭まつりはヨシヤの治世ちせいの第だい十八年ねんに行おこなわれた。 35:20 このようにヨシヤが宮みやを整ととのえた後のち、エジプトの王おうネコはユフラテ川かわのほとりにあるカルケミシで戦たたかうために上のぼってきたので、ヨシヤはこれを防ふせごうと出でて行いった。35:21 しかしネコは彼かれに使者ししゃをつかわして言いった、「ユダの王おうよ、われわれはお互たがいに何なにのあずかるところがありますか。わたしはきょう、あなたを攻せめようとして来きたのではありません。わたしの敵てきの家いえを攻せめようとして来きたのです。神かみがわたしに命めいじて急いそがせています。わたしと共ともにおられる神かみに逆さからうことをやめなさい。そうしないと、神かみはあなたを滅ほろぼされるでしょう」。35:22 しかしヨシヤは引ひき返かえすことを好このまず、かえって彼かれと戦たたかうために、姿すがたを変かえ、神かみの口くちから出でたネコの言葉ことばを聞ききいれず、行いってメギドの谷たにで戦たたかったが、35:23 射手しゃしゅの者ものどもがヨシヤを射いあてたので、王おうはその家来けらいたちに、「わたしを助たすけ出だせ。わたしはひどく傷きずついた」と言いった。35:24 そこで家来けらいたちは彼かれを車くるまから助たすけ出だし、王おうのもっていた第だい二の車くるまに乗のせてエルサレムにつれて行いったが、ついに死しんだので、その先祖せんぞの墓はかにこれを葬ほうむった。そしてユダとエルサレムは皆みなヨシヤのために悲かなしんだ。35:25 時ときにエレミヤはヨシヤのために哀歌あいかを作つくった。歌うたうたう男おとこ、歌うたうたう女おんなは今日こんにちに至いたるまで、その哀歌あいかのうちにヨシヤのことを述のべ、イスラエルのうちにこれを例れいとした。これは哀歌あいかのうちにしるされている。35:26 ヨシヤのその他たの行為こうい、主しゅの律法りっぽうにしるされた所ところに従したがって行いった徳行とっこう、35:27 およびその始終しじゅうの行おこないなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。 第36章 36:1 国くにの民たみはヨシヤの子こエホアハズを立たて、エルサレムでその父ちちに代かわって王おうとならせた。36:2 エホアハズは王おうとなった時とき二十三歳さいで、エルサレムで三月つきの間あいだ、世よを治おさめたが、36:3 エジプトの王おうはエルサレムで彼かれを廃はいし、かつ銀ぎん百タラント、金きん一タラントの罰金ばっきんを国くにに課かした。36:4 そしてエジプト王おうは彼かれの兄弟きょうだいエリアキムをユダとエルサレムの王おうとし、その名なをエホヤキムと改あらため、その兄弟きょうだいエホアハズを捕とらえてエジプトへ引ひいて行いった。 36:5 エホヤキムは王おうとなった時とき二十五歳さいで、十一年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。彼かれはその神かみ、主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。36:6 時ときに、バビロンの王おうネブカデネザルが彼かれの所ところに攻せめ上のぼり、彼かれをバビロンに引ひいて行いこうとして、かせにつないだ。36:7 ネブカデネザルはまた主しゅの宮みやの器物うつわものをバビロンに運はこんで行いって、バビロンにあるその宮殿きゅうでんにそれをおさめた。36:8 エホヤキムのその他たの行為こうい、その行いった憎にくむべき事ことおよび彼かれがひそかに行いった事ことなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。その子こエホヤキンが彼かれに代かわって王おうとなった。 36:9 エホヤキンは王おうとなった時とき八歳さいで、エルサレムで三月つきと十日かの間あいだ、世よを治おさめ、主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。36:10 年としが改あらたまり春はるになって、ネブカデネザル王おうは人ひとをつかわして、彼かれを主しゅの宮みやの尊たっとい器物うつわものと共ともにバビロンに連つれて行いかせ、その兄弟きょうだいゼデキヤをユダとエルサレムの王おうとした。 36:11 ゼデキヤは王おうとなった時とき二十一歳さいで、十一年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。36:12 彼かれはその神かみ、主しゅの前まえに悪あくを行おこない、主しゅの言葉ことばを伝つたえる預言者よげんしゃエレミヤの前まえに、身みをひくくしなかった。36:13 彼かれはまた、彼かれに神かみをさして誓ちかわせたネブカデネザル王おうにもそむいた。彼かれは強情ごうじょうで、その心こころをかたくなにして、イスラエルの神かみ、主しゅに立たち返かえらなかった。36:14 祭司さいしのかしらたちおよび民たみらもまた、すべて異邦人いほうじんのもろもろの憎にくむべき行為こういにならって、はなはだしく罪つみを犯おかし、主しゅがエルサレムに聖別せいべつしておかれた主しゅの宮みやを汚けがした。 36:15 その先祖せんぞの神かみ、主しゅはその民たみと、すみかをあわれむがゆえに、しきりに、その使者ししゃを彼かれらにつかわされたが、36:16 彼かれらが神かみの使者ししゃたちをあざけり、その言葉ことばを軽かろんじ、その預言者よげんしゃたちをののしったので、主しゅの怒いかりがその民たみに向むかって起おこり、ついに救すくうことができないようになった。 36:17 そこで主しゅはカルデヤびとの王おうを彼かれらに攻せめこさせられたので、彼かれはその聖所せいじょの家いえでつるぎをもって若者わかものたちを殺ころし、若者わかものをも、処女しょじょをも、老人ろうじんをも、しらがの者ものをもあわれまなかった。主しゅは彼かれらをことごとく彼かれの手てに渡わたされた。36:18 彼かれは神かみの宮みやのもろもろの大小だいしょうの器物うつわもの、主しゅの宮みやの貨か財ざい、王おうとそのつかさたちの貨か財ざいなど、すべてこれをバビロンに携たずさえて行いき、36:19 神かみの宮みやを焼やき、エルサレムの城壁じょうへきをくずし、そのうちの宮殿きゅうでんをことごとく火ひで焼やき、そのうちの尊たっとい器物うつわものをことごとくこわした。36:20 彼かれはまたつるぎをのがれた者ものどもを、バビロンに捕とらえて行いって、彼かれとその子こらの家来けらいとなし、ペルシャの国くにの興おこるまで、そうして置おいた。36:21 これはエレミヤの口くちによって伝つたえられた主しゅの言葉ことばの成就じょうじゅするためであった。こうして国くにはついにその安息あんそくをうけた。すなわちこれはその荒あれている間あいだ、安息あんそくして、ついに七十年ねんが満みちた。 36:22 ペルシャ王おうクロスの元年がんねんに当あたり、主しゅはエレミヤの口くちによって伝つたえた主しゅの言葉ことばを成就じょうじゅするため、ペルシャ王おうクロスの霊れいを感動かんどうされたので、王おうはあまねく国中くにぢゅうにふれ示しめし、またそれを書かき示しめして言いった、36:23 「ペルシャの王おうクロスはこう言いう、『天てんの神かみ、主しゅは地上ちじょうの国々くにぐにをことごとくわたしに賜たまわって、主しゅの宮みやをユダにあるエルサレムに建たてることをわたしに命めいじられた。あなたがたのうち、その民たみである者ものは皆みな、その神かみ、主しゅの助たすけを得えて上のぼって行いきなさい』」。
34:1 ヨシヤは八歳さいのとき王おうとなり、エルサレムで三十一年ねんの間あいだ世よを治おさめた。
34:2 彼かれは主しゅの良よしと見みられることをなし、その父ちちダビデの道みちを歩あゆんで、右みぎにも左ひだりにも曲まがらなかった。
34:3 彼かれはまだ若わかかったが、その治世ちせいの第だい八年ねんに父ちちダビデの神かみを求もとめることを始はじめ、その十二年ねんには高たかき所ところ、アシラ像ぞう、刻きざんだ像ぞう、鋳いた像ぞうなどを除のぞいて、ユダとエルサレムを清きよめることを始はじめ、
34:4 もろもろのバアルの祭壇さいだんを、自分じぶんの前まえで打うちこわさせ、その上うえに立たっていた香こうの祭壇さいだんを切きり倒たおし、アシラ像ぞう、刻きざんだ像ぞう、鋳いた像ぞうを打うち砕くだいて粉々こなごなにし、これらの像ぞうに犠牲ぎせいをささげた者ものどもの墓はかの上うえにそれをまき散ちらし、
34:5 祭司さいしらの骨ほねをそのもろもろの祭壇さいだんの上うえで焼やき、こうしてユダとエルサレムを清きよめた。
34:6 またマナセ、エフライム、シメオンおよびナフタリの荒あれた町々まちまちにもこのようにし、
34:7 もろもろの祭壇さいだんをこわし、アシラ像ぞうおよびもろもろの刻きざんだ像ぞうを粉々こなごなに打うち砕くだき、イスラエル全国ぜんこくの香こうの祭壇さいだんをことごとく切きり倒たおして、エルサレムに帰かえった。
34:8 ヨシヤはその治世ちせいの十八年ねんに、国くにと宮みやとを清きよめた時とき、その神かみ、主しゅの宮みやを繕つくろわせようと、アザリヤの子こシャパン、町まちのつかさマアセヤおよびヨアハズの子こ史官しかんヨアをつかわした。
34:9 彼かれらは大だい祭司さいしヒルキヤのもとへ行いって、神かみの宮みやにはいった金かねを渡わたした。これは門もんを守まもるレビびとがマナセ、エフライムおよびその他たのすべてのイスラエル、ならびにユダとベニヤミンのすべての人ひと、およびエルサレムの住民じゅうみんの手てから集あつめたものである。
34:10 彼かれらはこれを主しゅの宮みやを監督かんとくする職工しょっこうらの手てに渡わたしたので、主しゅの宮みやで働はたらく職工しょっこうらは、これを宮みやを繕つくろい直なおすために支払しはらった。
34:11 すなわち、大工だいくおよび建築者けんちくしゃにこれを渡わたして、ユダの王おうたちが破やぶった建物たてもののために、切きり石いしおよび骨組ほねぐみの材木ざいもくを買かわせ、梁はり材ざいを整ととのえさせた。
34:12 その人々ひとびとは忠実ちゅうじつに仕事しごとをした。その監督かんとく者しゃはメラリの子孫しそんであるレビびとヤハテとオバデヤ、およびコハテびとの子孫しそんであるゼカリヤとメシュラムであって、工事こうじをつかさどった。また楽器がっきに巧たくみなレビびとがこれに伴ともなった。
34:13 彼かれらはまた荷にを負おう者ものを監督かんとくし、様々さまざまの仕事しごとに働はたらくすべての者ものをつかさどった。また他たのレビびとは書記しょきとなり、役人やくにんとなり、また門衛もんえいとなった。
34:14 さて彼かれらが主しゅの宮みやにはいった金かねを取とりだした時とき、祭司さいしヒルキヤはモーセの伝つたえた主しゅの律法りっぽうの書しょを発見はっけんした。
34:15 そこでヒルキヤは書記官しょきかんシャパンに言いった、「わたしは主しゅの宮みやで律法りっぽうの書しょを発見はっけんしました」と。そしてヒルキヤはその書しょをシャパンに渡わたした。
34:16 シャパンはその書しょを王おうのもとに持もって行いき、さらに王おうに復命ふくめいして言いった、「しもべらはゆだねられた事ことをことごとくなし、
34:17 主しゅの宮みやにあった金かねをあけて、監督かんとく者しゃの手ておよび職工しょっこうの手てに渡わたしました」。
34:18 書記官しょきかんシャパンはまた王おうに告つげて、「祭司さいしヒルキヤはわたしに一つの書物しょもつを渡わたしました」と言いい、シャパンはそれを王おうの前まえで読よんだ。
34:19 王おうはその律法りっぽうの言葉ことばを聞きいて衣ころもを裂さいた。
34:20 そして王おうはヒルキヤおよびシャパンの子こアヒカムとミカの子こアブドンと書記官しょきかんシャパンと王おうの家来けらいアサヤとに命めいじて言いった、
34:21 「あなたがたは行いって、この発見はっけんされた書物しょもつの言葉ことばについてわたしのために、またイスラエルとユダの残のこりの者もののために主しゅに問といなさい。われわれの先祖せんぞたちが主しゅの言葉ことばを守まもらず、すべてこの書物しょもつにしるされていることを行おこなわなかったので、主しゅはわれわれに大おおいなる怒いかりを注そそがれるからです」。
34:22 そこでヒルキヤおよび王おうのつかわした人々ひとびとは、シャルムの妻つまである女おんな預言者よげんしゃホルダのもとへ行いった。シャルムはハスラの子こであるトクハテの子こで、衣装いしょうを守まもる者ものである。時ときにホルダは、エルサレムの第だい二区くに住すんでいた。彼かれらはホルダにその趣意しゅいを語かたったので、
34:23 ホルダは彼かれらに言いった、「イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられます、『あなたがたをわたしにつかわした人ひとに告つげなさい。
34:24 主しゅはこう仰おおせられます。見みよ、わたしはユダの王おうの前まえで読よんだ書物しょもつにしるされているもろもろののろい、すなわち災わざわいをこの所ところと、ここに住すむ者ものに下くだす。
34:25 彼かれらはわたしを捨すてて、他たの神々かみがみに香こうをたき、自分じぶんの手てで造つくったもろもろの物ものをもって、わたしの怒いかりを引ひき起おこそうとしたからである。それゆえ、わたしの怒いかりは、この所ところに注そそがれて消きえない。
34:26 しかしあなたがたをつかわして、主しゅに問とわせるユダの王おうにはこう言いいなさい。イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる。あなたが聞きいた言葉ことばについては、
34:27 この所ところと、ここに住すむ者ものを責せめる神かみの言葉ことばを、あなたが聞きいた時とき、心こころに悔くい、神かみの前まえに身みをひくくし、わたしの前まえにへりくだり、衣ころもを裂さいて、わたしの前まえに泣ないたので、わたしもまた、あなたに聞きいた、と主しゅは言いわれる。
34:28 見みよ、わたしはあなたを先祖せんぞたちのもとに集あつめる。あなたは安やすらかにあなたの墓はかに集あつめられる。あなたはわたしがこの所ところと、ここに住すむ者ものに下くだすもろもろの災わざわいを目めに見みることがない』と」。彼かれらは王おうに復命ふくめいした。
34:29 そこで王おうは人ひとをつかわしてユダとエルサレムの長老ちょうろうをことごとく集あつめ、
34:30 そして王おうは主しゅの宮みやに上のぼって行いった。ユダのすべての人々ひとびと、エルサレムの住民じゅうみん、祭司さいし、レビびと、およびすべての民たみは、老おいた者ものも若わかい者ものもことごとく彼かれに従したがった。そこで王おうは主しゅの宮みやで発見はっけんした契約けいやくの書しょの言葉ことばを、ことごとく彼かれらの耳みみに読よみ聞きかせ、
34:31 そして王おうは自分じぶんの所ところに立たって、主しゅの前まえに契約けいやくを立たて、主しゅに従したがって歩あゆみ、心こころをつくし、精神せいしんをつくして、その戒いましめと、あかしと定さだめとをまもり、この書しょにしるされた契約けいやくの言葉ことばを行おこなおうと言いい、
34:32 エルサレムおよびベニヤミンの人々ひとびとを皆みなこれに加くわわらせた。エルサレムの住民じゅうみんは先祖せんぞの神かみであるその神かみの契約けいやくにしたがって行いった。
34:33 ヨシヤはイスラエルの人々ひとびとに属ぞくするすべての地ちから、憎にくむべきものをことごとく取とり除のぞき、イスラエルにいるすべての人ひとをその神かみ、主しゅに仕つかえさせた。ヨシヤが世よにある日ひの間あいだは、彼かれらは先祖せんぞの神かみ、主しゅに従したがって離はなれなかった。
第35章 35:1 ヨシヤはエルサレムで主しゅに過越すぎこしの祭まつりを行おこなった。すなわち正月しょうがつの十四日かに過越すぎこしの小羊こひつじをほふらせ、35:2 祭司さいしにその職務しょくむをとり行おこなわせ、彼かれらを励はげまして主しゅの宮みやの務つとめをさせ、35:3 また主しゅの聖せいなる者ものとなってすべてのイスラエルびとを教おしえるレビびとに言いった、「あなたがたはイスラエルの王おうダビデの子こソロモンの建たてた宮みやに、聖せいなる箱はこを置おきなさい。再ふたたびこれを肩かたにになうに及およばない。あなたがたの神かみ、主しゅおよびその民たみイスラエルに仕つかえなさい。35:4 あなたがたはイスラエルの王おうダビデの書しょ、およびその子こソロモンの書しょに基もとづいて氏族しぞくにしたがい、その班はんによって、みずから備そなえをなし、35:5 あなたがたの兄弟きょうだいである民たみの人々ひとびとの氏族しぞくの区分くぶんにしたがって聖所せいじょに立たち、このためにレビびとの氏族しぞくの分ぶんが かけることのないようにしなさい。35:6 あなたがたは過越すぎこしの小羊こひつじをほふり、身みを清きよめ、あなたがたの兄弟きょうだいのために備そなえをし、モーセが伝つたえた主しゅの言葉ことばにしたがって行おこないなさい」。 35:7 ヨシヤは、小羊こひつじおよび子こやぎを民たみの人々ひとびとに贈おくった。これは皆みなその所ところにいるすべての人ひとのための過越すぎこしの供そなえ物ものであって、その数かず三万、また雄牛おうし三千を贈おくった。それらは王おうの所有しょゆうから出だしたのである。35:8 そのつかさたちも民たみと祭司さいしとレビびとに真心こころから贈おくった。また神かみの宮みやのつかさたちヒルキヤ、ゼカリヤ、エヒエルも小羊こひつじと子こやぎ二千六百頭とう、牛うし三百頭とうを祭司さいしに与あたえて過越すぎこしの供そなえ物ものとした。35:9 またレビびとの長ちょうである人々ひとびとすなわちコナニヤおよびその兄弟きょうだいシマヤ、ネタンエルならびにハシャビヤ、エイエル、ヨザバデなども小羊こひつじと子こやぎ五千頭とう、牛うし五百頭とうをレビびとに贈おくって過越すぎこしの供そなえ物ものとした。 35:10 このように勤つとめのことが備そなわったので、王おうの命いのちに従したがって祭司さいしたちはその持もち場ばに立たち、レビびとはその班はんに従したがって仕つかえ、35:11 やがて過越すぎこしの小羊こひつじがほふられたので、祭司さいしはその血ちを受うけ取とって注そそいだ。レビびとはその皮かわをはいだ。35:12 それから燔祭はんさいの物ものをとり分わけ、それを民たみの人々ひとびとの氏族しぞくの区分くぶんに従したがって渡わたし、主しゅにささげさせた。これはモーセの書しょにしるされたとおりである。また牛うしをもこのようにした。35:13 そして定さだめに従したがって過越すぎこしの小羊こひつじを火ひであぶり、その他たの聖せいなる供そなえ物ものを深ふかなべ、かま、浅あさなべなどに煮にて、急いそいですべての民たみの人々ひとびとにくばった。35:14 その後のち、彼かれらは自分じぶんのためと、祭司さいしたちのために備そなえをした。アロンの子孫しそんである祭司さいしたちは、燔祭はんさいと脂肪しぼうをささげるのに忙いそがしくて、夜よるになったからである。それでレビびとは自分じぶんたちのためと、アロンの子孫しそんである祭司さいしたちのために備そなえたのである。35:15 アサフの子孫しそんである歌うたうたう者ものたちは、ダビデ、アサフ、ヘマンおよび王おうの先見者せんけんしゃエドトンの命いのちに従したがってその持もち場ばにおり、門衛もんえいたちはおのおの門もんにいて、その職務しょくむを離はなれるに及およばなかった。兄弟きょうだいであるレビびとが彼かれらのために備そなえたからである。 35:16 このようにその日ひ、主しゅの勤つとめの事ことがことごとく備そなわったので、ヨシヤ王おうの命いのちに従したがって過越すぎこしの祭まつりを行おこない、主しゅの祭壇さいだんに燔祭はんさいをささげた。35:17 ここに来きていたイスラエルの人々ひとびとは、そのとき過越すぎこしの祭まつりを行おこない、また七日なぬかの間あいだ、種たね入いれぬパンの祭まつりを行おこなった。35:18 預言者よげんしゃサムエルの日ひからこのかた、イスラエルでこのような過越すぎこしの祭まつりを行おこなったことはなかった。またイスラエルの諸王しょおうのうちには、ヨシヤが、祭司さいし、レビびと、ならびにそこに来きたユダとイスラエルのすべての人々ひとびと、およびエルサレムの住民じゅうみんと共ともに行いったような過越すぎこしの祭まつりを行おこなった者ものはひとりもなかった。35:19 この過越すぎこしの祭まつりはヨシヤの治世ちせいの第だい十八年ねんに行おこなわれた。 35:20 このようにヨシヤが宮みやを整ととのえた後のち、エジプトの王おうネコはユフラテ川かわのほとりにあるカルケミシで戦たたかうために上のぼってきたので、ヨシヤはこれを防ふせごうと出でて行いった。35:21 しかしネコは彼かれに使者ししゃをつかわして言いった、「ユダの王おうよ、われわれはお互たがいに何なにのあずかるところがありますか。わたしはきょう、あなたを攻せめようとして来きたのではありません。わたしの敵てきの家いえを攻せめようとして来きたのです。神かみがわたしに命めいじて急いそがせています。わたしと共ともにおられる神かみに逆さからうことをやめなさい。そうしないと、神かみはあなたを滅ほろぼされるでしょう」。35:22 しかしヨシヤは引ひき返かえすことを好このまず、かえって彼かれと戦たたかうために、姿すがたを変かえ、神かみの口くちから出でたネコの言葉ことばを聞ききいれず、行いってメギドの谷たにで戦たたかったが、35:23 射手しゃしゅの者ものどもがヨシヤを射いあてたので、王おうはその家来けらいたちに、「わたしを助たすけ出だせ。わたしはひどく傷きずついた」と言いった。35:24 そこで家来けらいたちは彼かれを車くるまから助たすけ出だし、王おうのもっていた第だい二の車くるまに乗のせてエルサレムにつれて行いったが、ついに死しんだので、その先祖せんぞの墓はかにこれを葬ほうむった。そしてユダとエルサレムは皆みなヨシヤのために悲かなしんだ。35:25 時ときにエレミヤはヨシヤのために哀歌あいかを作つくった。歌うたうたう男おとこ、歌うたうたう女おんなは今日こんにちに至いたるまで、その哀歌あいかのうちにヨシヤのことを述のべ、イスラエルのうちにこれを例れいとした。これは哀歌あいかのうちにしるされている。35:26 ヨシヤのその他たの行為こうい、主しゅの律法りっぽうにしるされた所ところに従したがって行いった徳行とっこう、35:27 およびその始終しじゅうの行おこないなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。 第36章 36:1 国くにの民たみはヨシヤの子こエホアハズを立たて、エルサレムでその父ちちに代かわって王おうとならせた。36:2 エホアハズは王おうとなった時とき二十三歳さいで、エルサレムで三月つきの間あいだ、世よを治おさめたが、36:3 エジプトの王おうはエルサレムで彼かれを廃はいし、かつ銀ぎん百タラント、金きん一タラントの罰金ばっきんを国くにに課かした。36:4 そしてエジプト王おうは彼かれの兄弟きょうだいエリアキムをユダとエルサレムの王おうとし、その名なをエホヤキムと改あらため、その兄弟きょうだいエホアハズを捕とらえてエジプトへ引ひいて行いった。 36:5 エホヤキムは王おうとなった時とき二十五歳さいで、十一年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。彼かれはその神かみ、主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。36:6 時ときに、バビロンの王おうネブカデネザルが彼かれの所ところに攻せめ上のぼり、彼かれをバビロンに引ひいて行いこうとして、かせにつないだ。36:7 ネブカデネザルはまた主しゅの宮みやの器物うつわものをバビロンに運はこんで行いって、バビロンにあるその宮殿きゅうでんにそれをおさめた。36:8 エホヤキムのその他たの行為こうい、その行いった憎にくむべき事ことおよび彼かれがひそかに行いった事ことなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。その子こエホヤキンが彼かれに代かわって王おうとなった。 36:9 エホヤキンは王おうとなった時とき八歳さいで、エルサレムで三月つきと十日かの間あいだ、世よを治おさめ、主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。36:10 年としが改あらたまり春はるになって、ネブカデネザル王おうは人ひとをつかわして、彼かれを主しゅの宮みやの尊たっとい器物うつわものと共ともにバビロンに連つれて行いかせ、その兄弟きょうだいゼデキヤをユダとエルサレムの王おうとした。 36:11 ゼデキヤは王おうとなった時とき二十一歳さいで、十一年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。36:12 彼かれはその神かみ、主しゅの前まえに悪あくを行おこない、主しゅの言葉ことばを伝つたえる預言者よげんしゃエレミヤの前まえに、身みをひくくしなかった。36:13 彼かれはまた、彼かれに神かみをさして誓ちかわせたネブカデネザル王おうにもそむいた。彼かれは強情ごうじょうで、その心こころをかたくなにして、イスラエルの神かみ、主しゅに立たち返かえらなかった。36:14 祭司さいしのかしらたちおよび民たみらもまた、すべて異邦人いほうじんのもろもろの憎にくむべき行為こういにならって、はなはだしく罪つみを犯おかし、主しゅがエルサレムに聖別せいべつしておかれた主しゅの宮みやを汚けがした。 36:15 その先祖せんぞの神かみ、主しゅはその民たみと、すみかをあわれむがゆえに、しきりに、その使者ししゃを彼かれらにつかわされたが、36:16 彼かれらが神かみの使者ししゃたちをあざけり、その言葉ことばを軽かろんじ、その預言者よげんしゃたちをののしったので、主しゅの怒いかりがその民たみに向むかって起おこり、ついに救すくうことができないようになった。 36:17 そこで主しゅはカルデヤびとの王おうを彼かれらに攻せめこさせられたので、彼かれはその聖所せいじょの家いえでつるぎをもって若者わかものたちを殺ころし、若者わかものをも、処女しょじょをも、老人ろうじんをも、しらがの者ものをもあわれまなかった。主しゅは彼かれらをことごとく彼かれの手てに渡わたされた。36:18 彼かれは神かみの宮みやのもろもろの大小だいしょうの器物うつわもの、主しゅの宮みやの貨か財ざい、王おうとそのつかさたちの貨か財ざいなど、すべてこれをバビロンに携たずさえて行いき、36:19 神かみの宮みやを焼やき、エルサレムの城壁じょうへきをくずし、そのうちの宮殿きゅうでんをことごとく火ひで焼やき、そのうちの尊たっとい器物うつわものをことごとくこわした。36:20 彼かれはまたつるぎをのがれた者ものどもを、バビロンに捕とらえて行いって、彼かれとその子こらの家来けらいとなし、ペルシャの国くにの興おこるまで、そうして置おいた。36:21 これはエレミヤの口くちによって伝つたえられた主しゅの言葉ことばの成就じょうじゅするためであった。こうして国くにはついにその安息あんそくをうけた。すなわちこれはその荒あれている間あいだ、安息あんそくして、ついに七十年ねんが満みちた。 36:22 ペルシャ王おうクロスの元年がんねんに当あたり、主しゅはエレミヤの口くちによって伝つたえた主しゅの言葉ことばを成就じょうじゅするため、ペルシャ王おうクロスの霊れいを感動かんどうされたので、王おうはあまねく国中くにぢゅうにふれ示しめし、またそれを書かき示しめして言いった、36:23 「ペルシャの王おうクロスはこう言いう、『天てんの神かみ、主しゅは地上ちじょうの国々くにぐにをことごとくわたしに賜たまわって、主しゅの宮みやをユダにあるエルサレムに建たてることをわたしに命めいじられた。あなたがたのうち、その民たみである者ものは皆みな、その神かみ、主しゅの助たすけを得えて上のぼって行いきなさい』」。
35:1 ヨシヤはエルサレムで主しゅに過越すぎこしの祭まつりを行おこなった。すなわち正月しょうがつの十四日かに過越すぎこしの小羊こひつじをほふらせ、
35:2 祭司さいしにその職務しょくむをとり行おこなわせ、彼かれらを励はげまして主しゅの宮みやの務つとめをさせ、
35:3 また主しゅの聖せいなる者ものとなってすべてのイスラエルびとを教おしえるレビびとに言いった、「あなたがたはイスラエルの王おうダビデの子こソロモンの建たてた宮みやに、聖せいなる箱はこを置おきなさい。再ふたたびこれを肩かたにになうに及およばない。あなたがたの神かみ、主しゅおよびその民たみイスラエルに仕つかえなさい。
35:4 あなたがたはイスラエルの王おうダビデの書しょ、およびその子こソロモンの書しょに基もとづいて氏族しぞくにしたがい、その班はんによって、みずから備そなえをなし、
35:5 あなたがたの兄弟きょうだいである民たみの人々ひとびとの氏族しぞくの区分くぶんにしたがって聖所せいじょに立たち、このためにレビびとの氏族しぞくの分ぶんが かけることのないようにしなさい。
35:6 あなたがたは過越すぎこしの小羊こひつじをほふり、身みを清きよめ、あなたがたの兄弟きょうだいのために備そなえをし、モーセが伝つたえた主しゅの言葉ことばにしたがって行おこないなさい」。
35:7 ヨシヤは、小羊こひつじおよび子こやぎを民たみの人々ひとびとに贈おくった。これは皆みなその所ところにいるすべての人ひとのための過越すぎこしの供そなえ物ものであって、その数かず三万、また雄牛おうし三千を贈おくった。それらは王おうの所有しょゆうから出だしたのである。
35:8 そのつかさたちも民たみと祭司さいしとレビびとに真心こころから贈おくった。また神かみの宮みやのつかさたちヒルキヤ、ゼカリヤ、エヒエルも小羊こひつじと子こやぎ二千六百頭とう、牛うし三百頭とうを祭司さいしに与あたえて過越すぎこしの供そなえ物ものとした。
35:9 またレビびとの長ちょうである人々ひとびとすなわちコナニヤおよびその兄弟きょうだいシマヤ、ネタンエルならびにハシャビヤ、エイエル、ヨザバデなども小羊こひつじと子こやぎ五千頭とう、牛うし五百頭とうをレビびとに贈おくって過越すぎこしの供そなえ物ものとした。
35:10 このように勤つとめのことが備そなわったので、王おうの命いのちに従したがって祭司さいしたちはその持もち場ばに立たち、レビびとはその班はんに従したがって仕つかえ、
35:11 やがて過越すぎこしの小羊こひつじがほふられたので、祭司さいしはその血ちを受うけ取とって注そそいだ。レビびとはその皮かわをはいだ。
35:12 それから燔祭はんさいの物ものをとり分わけ、それを民たみの人々ひとびとの氏族しぞくの区分くぶんに従したがって渡わたし、主しゅにささげさせた。これはモーセの書しょにしるされたとおりである。また牛うしをもこのようにした。
35:13 そして定さだめに従したがって過越すぎこしの小羊こひつじを火ひであぶり、その他たの聖せいなる供そなえ物ものを深ふかなべ、かま、浅あさなべなどに煮にて、急いそいですべての民たみの人々ひとびとにくばった。
35:14 その後のち、彼かれらは自分じぶんのためと、祭司さいしたちのために備そなえをした。アロンの子孫しそんである祭司さいしたちは、燔祭はんさいと脂肪しぼうをささげるのに忙いそがしくて、夜よるになったからである。それでレビびとは自分じぶんたちのためと、アロンの子孫しそんである祭司さいしたちのために備そなえたのである。
35:15 アサフの子孫しそんである歌うたうたう者ものたちは、ダビデ、アサフ、ヘマンおよび王おうの先見者せんけんしゃエドトンの命いのちに従したがってその持もち場ばにおり、門衛もんえいたちはおのおの門もんにいて、その職務しょくむを離はなれるに及およばなかった。兄弟きょうだいであるレビびとが彼かれらのために備そなえたからである。
35:16 このようにその日ひ、主しゅの勤つとめの事ことがことごとく備そなわったので、ヨシヤ王おうの命いのちに従したがって過越すぎこしの祭まつりを行おこない、主しゅの祭壇さいだんに燔祭はんさいをささげた。
35:17 ここに来きていたイスラエルの人々ひとびとは、そのとき過越すぎこしの祭まつりを行おこない、また七日なぬかの間あいだ、種たね入いれぬパンの祭まつりを行おこなった。
35:18 預言者よげんしゃサムエルの日ひからこのかた、イスラエルでこのような過越すぎこしの祭まつりを行おこなったことはなかった。またイスラエルの諸王しょおうのうちには、ヨシヤが、祭司さいし、レビびと、ならびにそこに来きたユダとイスラエルのすべての人々ひとびと、およびエルサレムの住民じゅうみんと共ともに行いったような過越すぎこしの祭まつりを行おこなった者ものはひとりもなかった。
35:19 この過越すぎこしの祭まつりはヨシヤの治世ちせいの第だい十八年ねんに行おこなわれた。
35:20 このようにヨシヤが宮みやを整ととのえた後のち、エジプトの王おうネコはユフラテ川かわのほとりにあるカルケミシで戦たたかうために上のぼってきたので、ヨシヤはこれを防ふせごうと出でて行いった。
35:21 しかしネコは彼かれに使者ししゃをつかわして言いった、「ユダの王おうよ、われわれはお互たがいに何なにのあずかるところがありますか。わたしはきょう、あなたを攻せめようとして来きたのではありません。わたしの敵てきの家いえを攻せめようとして来きたのです。神かみがわたしに命めいじて急いそがせています。わたしと共ともにおられる神かみに逆さからうことをやめなさい。そうしないと、神かみはあなたを滅ほろぼされるでしょう」。
35:22 しかしヨシヤは引ひき返かえすことを好このまず、かえって彼かれと戦たたかうために、姿すがたを変かえ、神かみの口くちから出でたネコの言葉ことばを聞ききいれず、行いってメギドの谷たにで戦たたかったが、
35:23 射手しゃしゅの者ものどもがヨシヤを射いあてたので、王おうはその家来けらいたちに、「わたしを助たすけ出だせ。わたしはひどく傷きずついた」と言いった。
35:24 そこで家来けらいたちは彼かれを車くるまから助たすけ出だし、王おうのもっていた第だい二の車くるまに乗のせてエルサレムにつれて行いったが、ついに死しんだので、その先祖せんぞの墓はかにこれを葬ほうむった。そしてユダとエルサレムは皆みなヨシヤのために悲かなしんだ。
35:25 時ときにエレミヤはヨシヤのために哀歌あいかを作つくった。歌うたうたう男おとこ、歌うたうたう女おんなは今日こんにちに至いたるまで、その哀歌あいかのうちにヨシヤのことを述のべ、イスラエルのうちにこれを例れいとした。これは哀歌あいかのうちにしるされている。
35:26 ヨシヤのその他たの行為こうい、主しゅの律法りっぽうにしるされた所ところに従したがって行いった徳行とっこう、
35:27 およびその始終しじゅうの行おこないなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。
第36章 36:1 国くにの民たみはヨシヤの子こエホアハズを立たて、エルサレムでその父ちちに代かわって王おうとならせた。36:2 エホアハズは王おうとなった時とき二十三歳さいで、エルサレムで三月つきの間あいだ、世よを治おさめたが、36:3 エジプトの王おうはエルサレムで彼かれを廃はいし、かつ銀ぎん百タラント、金きん一タラントの罰金ばっきんを国くにに課かした。36:4 そしてエジプト王おうは彼かれの兄弟きょうだいエリアキムをユダとエルサレムの王おうとし、その名なをエホヤキムと改あらため、その兄弟きょうだいエホアハズを捕とらえてエジプトへ引ひいて行いった。 36:5 エホヤキムは王おうとなった時とき二十五歳さいで、十一年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。彼かれはその神かみ、主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。36:6 時ときに、バビロンの王おうネブカデネザルが彼かれの所ところに攻せめ上のぼり、彼かれをバビロンに引ひいて行いこうとして、かせにつないだ。36:7 ネブカデネザルはまた主しゅの宮みやの器物うつわものをバビロンに運はこんで行いって、バビロンにあるその宮殿きゅうでんにそれをおさめた。36:8 エホヤキムのその他たの行為こうい、その行いった憎にくむべき事ことおよび彼かれがひそかに行いった事ことなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。その子こエホヤキンが彼かれに代かわって王おうとなった。 36:9 エホヤキンは王おうとなった時とき八歳さいで、エルサレムで三月つきと十日かの間あいだ、世よを治おさめ、主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。36:10 年としが改あらたまり春はるになって、ネブカデネザル王おうは人ひとをつかわして、彼かれを主しゅの宮みやの尊たっとい器物うつわものと共ともにバビロンに連つれて行いかせ、その兄弟きょうだいゼデキヤをユダとエルサレムの王おうとした。 36:11 ゼデキヤは王おうとなった時とき二十一歳さいで、十一年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。36:12 彼かれはその神かみ、主しゅの前まえに悪あくを行おこない、主しゅの言葉ことばを伝つたえる預言者よげんしゃエレミヤの前まえに、身みをひくくしなかった。36:13 彼かれはまた、彼かれに神かみをさして誓ちかわせたネブカデネザル王おうにもそむいた。彼かれは強情ごうじょうで、その心こころをかたくなにして、イスラエルの神かみ、主しゅに立たち返かえらなかった。36:14 祭司さいしのかしらたちおよび民たみらもまた、すべて異邦人いほうじんのもろもろの憎にくむべき行為こういにならって、はなはだしく罪つみを犯おかし、主しゅがエルサレムに聖別せいべつしておかれた主しゅの宮みやを汚けがした。 36:15 その先祖せんぞの神かみ、主しゅはその民たみと、すみかをあわれむがゆえに、しきりに、その使者ししゃを彼かれらにつかわされたが、36:16 彼かれらが神かみの使者ししゃたちをあざけり、その言葉ことばを軽かろんじ、その預言者よげんしゃたちをののしったので、主しゅの怒いかりがその民たみに向むかって起おこり、ついに救すくうことができないようになった。 36:17 そこで主しゅはカルデヤびとの王おうを彼かれらに攻せめこさせられたので、彼かれはその聖所せいじょの家いえでつるぎをもって若者わかものたちを殺ころし、若者わかものをも、処女しょじょをも、老人ろうじんをも、しらがの者ものをもあわれまなかった。主しゅは彼かれらをことごとく彼かれの手てに渡わたされた。36:18 彼かれは神かみの宮みやのもろもろの大小だいしょうの器物うつわもの、主しゅの宮みやの貨か財ざい、王おうとそのつかさたちの貨か財ざいなど、すべてこれをバビロンに携たずさえて行いき、36:19 神かみの宮みやを焼やき、エルサレムの城壁じょうへきをくずし、そのうちの宮殿きゅうでんをことごとく火ひで焼やき、そのうちの尊たっとい器物うつわものをことごとくこわした。36:20 彼かれはまたつるぎをのがれた者ものどもを、バビロンに捕とらえて行いって、彼かれとその子こらの家来けらいとなし、ペルシャの国くにの興おこるまで、そうして置おいた。36:21 これはエレミヤの口くちによって伝つたえられた主しゅの言葉ことばの成就じょうじゅするためであった。こうして国くにはついにその安息あんそくをうけた。すなわちこれはその荒あれている間あいだ、安息あんそくして、ついに七十年ねんが満みちた。 36:22 ペルシャ王おうクロスの元年がんねんに当あたり、主しゅはエレミヤの口くちによって伝つたえた主しゅの言葉ことばを成就じょうじゅするため、ペルシャ王おうクロスの霊れいを感動かんどうされたので、王おうはあまねく国中くにぢゅうにふれ示しめし、またそれを書かき示しめして言いった、36:23 「ペルシャの王おうクロスはこう言いう、『天てんの神かみ、主しゅは地上ちじょうの国々くにぐにをことごとくわたしに賜たまわって、主しゅの宮みやをユダにあるエルサレムに建たてることをわたしに命めいじられた。あなたがたのうち、その民たみである者ものは皆みな、その神かみ、主しゅの助たすけを得えて上のぼって行いきなさい』」。
36:1 国くにの民たみはヨシヤの子こエホアハズを立たて、エルサレムでその父ちちに代かわって王おうとならせた。
36:2 エホアハズは王おうとなった時とき二十三歳さいで、エルサレムで三月つきの間あいだ、世よを治おさめたが、
36:3 エジプトの王おうはエルサレムで彼かれを廃はいし、かつ銀ぎん百タラント、金きん一タラントの罰金ばっきんを国くにに課かした。
36:4 そしてエジプト王おうは彼かれの兄弟きょうだいエリアキムをユダとエルサレムの王おうとし、その名なをエホヤキムと改あらため、その兄弟きょうだいエホアハズを捕とらえてエジプトへ引ひいて行いった。
36:5 エホヤキムは王おうとなった時とき二十五歳さいで、十一年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。彼かれはその神かみ、主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。
36:6 時ときに、バビロンの王おうネブカデネザルが彼かれの所ところに攻せめ上のぼり、彼かれをバビロンに引ひいて行いこうとして、かせにつないだ。
36:7 ネブカデネザルはまた主しゅの宮みやの器物うつわものをバビロンに運はこんで行いって、バビロンにあるその宮殿きゅうでんにそれをおさめた。
36:8 エホヤキムのその他たの行為こうい、その行いった憎にくむべき事ことおよび彼かれがひそかに行いった事ことなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。その子こエホヤキンが彼かれに代かわって王おうとなった。
36:9 エホヤキンは王おうとなった時とき八歳さいで、エルサレムで三月つきと十日かの間あいだ、世よを治おさめ、主しゅの前まえに悪あくを行おこなった。
36:10 年としが改あらたまり春はるになって、ネブカデネザル王おうは人ひとをつかわして、彼かれを主しゅの宮みやの尊たっとい器物うつわものと共ともにバビロンに連つれて行いかせ、その兄弟きょうだいゼデキヤをユダとエルサレムの王おうとした。
36:11 ゼデキヤは王おうとなった時とき二十一歳さいで、十一年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。
36:12 彼かれはその神かみ、主しゅの前まえに悪あくを行おこない、主しゅの言葉ことばを伝つたえる預言者よげんしゃエレミヤの前まえに、身みをひくくしなかった。
36:13 彼かれはまた、彼かれに神かみをさして誓ちかわせたネブカデネザル王おうにもそむいた。彼かれは強情ごうじょうで、その心こころをかたくなにして、イスラエルの神かみ、主しゅに立たち返かえらなかった。
36:14 祭司さいしのかしらたちおよび民たみらもまた、すべて異邦人いほうじんのもろもろの憎にくむべき行為こういにならって、はなはだしく罪つみを犯おかし、主しゅがエルサレムに聖別せいべつしておかれた主しゅの宮みやを汚けがした。
36:15 その先祖せんぞの神かみ、主しゅはその民たみと、すみかをあわれむがゆえに、しきりに、その使者ししゃを彼かれらにつかわされたが、
36:16 彼かれらが神かみの使者ししゃたちをあざけり、その言葉ことばを軽かろんじ、その預言者よげんしゃたちをののしったので、主しゅの怒いかりがその民たみに向むかって起おこり、ついに救すくうことができないようになった。
36:17 そこで主しゅはカルデヤびとの王おうを彼かれらに攻せめこさせられたので、彼かれはその聖所せいじょの家いえでつるぎをもって若者わかものたちを殺ころし、若者わかものをも、処女しょじょをも、老人ろうじんをも、しらがの者ものをもあわれまなかった。主しゅは彼かれらをことごとく彼かれの手てに渡わたされた。
36:18 彼かれは神かみの宮みやのもろもろの大小だいしょうの器物うつわもの、主しゅの宮みやの貨か財ざい、王おうとそのつかさたちの貨か財ざいなど、すべてこれをバビロンに携たずさえて行いき、
36:19 神かみの宮みやを焼やき、エルサレムの城壁じょうへきをくずし、そのうちの宮殿きゅうでんをことごとく火ひで焼やき、そのうちの尊たっとい器物うつわものをことごとくこわした。
36:20 彼かれはまたつるぎをのがれた者ものどもを、バビロンに捕とらえて行いって、彼かれとその子こらの家来けらいとなし、ペルシャの国くにの興おこるまで、そうして置おいた。
36:21 これはエレミヤの口くちによって伝つたえられた主しゅの言葉ことばの成就じょうじゅするためであった。こうして国くにはついにその安息あんそくをうけた。すなわちこれはその荒あれている間あいだ、安息あんそくして、ついに七十年ねんが満みちた。
36:22 ペルシャ王おうクロスの元年がんねんに当あたり、主しゅはエレミヤの口くちによって伝つたえた主しゅの言葉ことばを成就じょうじゅするため、ペルシャ王おうクロスの霊れいを感動かんどうされたので、王おうはあまねく国中くにぢゅうにふれ示しめし、またそれを書かき示しめして言いった、
36:23 「ペルシャの王おうクロスはこう言いう、『天てんの神かみ、主しゅは地上ちじょうの国々くにぐにをことごとくわたしに賜たまわって、主しゅの宮みやをユダにあるエルサレムに建たてることをわたしに命めいじられた。あなたがたのうち、その民たみである者ものは皆みな、その神かみ、主しゅの助たすけを得えて上のぼって行いきなさい』」。