口語訳聖書(振り仮名付き)

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列王紀れつおうきじょう

第15章    1Kn-Audio 

15:1 ネバテのヤラベアムおうだい十八ねんにアビヤムがユダのおうとなり、

15:2 エルサレムで三ねんおさめた。そのはははマアカといって、アブサロムのむすめであった。

15:3 かれはそのちちさきおこなったもろもろのつみをおこない、そのこころちちダビデのこころのようにそのかみしゅたいしてまった真実しんじつではなかった。

15:4 それにもかかわらず、そのかみしゅはダビデのために、エルサレムにおいてかれに一つのともしびをあたえ、そのかれのあとにてて、エルサレムをかためられた。

15:5 それはダビデがヘテびとウリヤのことのほか、一生いっしょうあいだしゅにかなうことおこない、しゅめいじられたすべてのことに、そむかなかったからである。

15:6 レハベアムとヤラベアムのあいだには一生いっしょうあいだ戦争せんそうがあった。

15:7 アビヤムのその行為こういと、かれがしたすべてのことは、ユダのおう歴代志れきだいししょにしるされているではないか。アビヤムとヤラベアムのあいだにも戦争せんそうがあった。

15:8 アビヤムはその先祖せんぞとも ねむって、ダビデのまちほうむられ、そのアサがかわっておうとなった。

15:9 イスラエルのおうヤラベアムのだい二十ねんにアサはユダのおうとなり、

15:10 エルサレムで四十一ねんおさめた。そのはははマアカといってアブサロムのむすめであった。

15:11 アサはそのちちダビデがしたようにしゅにかなうことをし、

15:12 神殿しんでん男娼だんしょうくにからし、先祖せんぞたちのつくったもろもろの偶像ぐうぞうのぞいた。

15:13 かれはまたそのははマアカが、アシラのためににくむべきぞうつくらせたので、彼女かのじょ太后たいこうくらいから退しりぞけた。そしてアサはそのにくむべきぞうたおしてキデロンのたにてた。

15:14 ただしたかところのぞかなかった。けれどもアサのこころ一生いっしょうあいだしゅたいしてまった真実しんじつであった。

15:15 かれちち献納けんのうしたもの自分じぶん献納けんのうしたもの金銀きんぎんおよび器物うつわものしゅみやたずされた。

15:16 アサとイスラエルのおうバアシャのあいだには一生いっしょうあいだ戦争せんそうがあった。

15:17 イスラエルのおうバアシャはユダにのぼり、ユダのおうアサのところに、だれをも出入でいりさせないためにラマをきずいた。

15:18 そこでアサはしゅみや宝蔵ほうぞうと、おう宮殿きゅうでん宝蔵ほうぞうのこっている金銀きんぎんをことごとくって、これを家来けらいたちのにわたし、そしてアサおうかれらをダマスコにんでいるスリヤのおう、ヘジョンのタブリモンのであるベネハダデにつかわしてわせた、

15:19 「わたしのちちとあなたのちちとのあいだむすばれていたように、わたしとあなたのあいだ同盟どうめいむすびましょう。わたしはあなたに金銀きんぎんおくものをさしあげます。って、あなたとイスラエルのおうバアシャとの同盟どうめい破棄はきし、かれをわたしのところから撤退てったいさせてください」。

15:20 ベネハダデはアサおううことをき、自分じぶん軍勢ぐんぜいちょうたちをつかわしてイスラエルの町々まちまちめ、イヨンとダンとアベル・ベテ・マアカおよびキンネレテのぜんと、ナフタリのぜんった。

15:21 バアシャはこれをき、ラマをきずくことをやめて、テルザにとどまった。

15:22 そこでアサおうはユダ全国ぜんこく布告ふこくはっした。ひとりもまぬかれるものはなかった。すなわちバアシャがラマをきずくためにもちいたいし材木ざいもくはこびこさせ、アサおうはそれをもちいて、ベニヤミンのゲバとミヅパをきずいた。

15:23 アサのその事績じせきとそのすべての勲功くんこうと、かれがしたすべてのことおよびかれてた町々まちまちは、ユダのおう歴代志れきだいししょにしるされているではないか。かれ老年ろうねんになってあしんだ。

15:24 アサはその先祖せんぞともねむって、ちちダビデのまち先祖せんぞともほうむられ、そのヨシャパテがかわっておうとなった。

15:25 ユダのおうアサのだいねんにヤラベアムのナダブがイスラエルのおうとなって、二ねんイスラエルをおさめた。

15:26 かれしゅまえあくおこない、そのちちみちあゆみ、ちちがイスラエルにおかさせたつみをおこなった。

15:27 イッサカルのいえのアヒヤのバアシャはかれたいしてむほんをくわだて、ペリシテびとにぞくするギベトンでかれった。これはナダブとイスラエルがみなギベトンをかこんでいたからである。

15:28 こうしてユダのおうアサのだいねんにバアシャはかれころし、かれかわっておうとなった。

15:29 かれおうとなるとすぐヤラベアムの全家ぜんかち、いきのあるものをひとりもヤラベアムのいえのこさず、ことごとくほろぼした。しゅがそのしもべシロびとアヒヤによってわれた言葉ことばのとおりであって、

15:30 これはヤラベアムがみずからおかし、またイスラエルにおかさせたつみのため、またかれがイスラエルのかみしゅいからせたそのいかりによるのであった。

15:31 ナダブのその事績じせきと、かれがしたすべてのことは、イスラエルのおう歴代志れきだいししょにしるされているではないか。

15:32 アサとイスラエルのおうバアシャのあいだには一生いっしょうあいだ戦争せんそうがあった。

15:33 ユダのおうアサのだいねんにアヒヤのバアシャはテルザでイスラエルのぜんおうとなって、二十四ねんおさめた。

15:34 かれしゅまえあくおこない、ヤラベアムのみちあゆみ、ヤラベアムがイスラエルにおかさせたつみをおこなった。 

第16章 

16:1 そこでしゅ言葉ことばがハナニのエヒウにのぞみ、バアシャをめてった、

16:2 「わたしはあなたをちりのなかからあげて、わたしのたみイスラエルのうえきみとしたが、あなたはヤラベアムのみちあゆみ、わたしのたみイスラエルにつみおかさせ、そのつみをもってわたしをいからせた。

16:3 それでわたしは、バアシャとそのいえまったほろぼしり、あなたのいえをネバテのヤラベアムのいえのようにする。

16:4 バアシャにぞくするもので、まちものいぬべ、かれぞくするもので、ものそらとりべるであろう」。

16:5 バアシャのその事績じせきと、かれがしたことと、その勲功くんこうとは、イスラエルのおう歴代志れきだいししょにしるされているではないか。

16:6 バアシャはその先祖せんぞともねむって、テルザにほうむられ、そのエラがかわっておうとなった。

16:7 しゅ言葉ことばはまたハナニの預言者よげんしゃエヒウによってのぞみ、バアシャとそのいえめた。これはかれしゅまえに、もろもろのあくおこない、そののわざをもってしゅいからせ、ヤラベアムのいえにならったためであり、またかれがヤラベアムのいえほろぼしたためであった。

16:8 ユダのおうアサのだい二十六ねんにバアシャのエラはテルザでイスラエルのおうとなり、二ねんおさめた。

16:9 かれがテルザにいて、テルザの宮殿きゅうでんのつかさアルザのいえさけんでったとき、その家来けらい戦車せんしゃたいなかばを指揮しきしていたジムリが、かれにそむいた。

16:10 そしてユダのおうアサのだい二十七ねんにジムリは、はいってきてかれころし、かれかわっておうとなった。

16:11 ジムリはおうとなって、くらいについたとき、バアシャの全家ぜんかころし、その親族しんぞくまたはともだちの男子だんしは、ひとりものこさなかった。

16:12 こうしてジムリはバアシャの全家ぜんかほろぼした。しゅ預言者よげんしゃエヒウによってバアシャをめてわれた言葉ことばのとおりである。

16:13 これはバアシャのもろもろのつみと、そのエラのつみのためであって、かれらがつみおかし、またイスラエルにつみおかさせ、かれらの偶像ぐうぞうをもってイスラエルのかみしゅいからせたからである。

16:14 エラのその事績じせきと、かれがしたすべてのことは、イスラエルのおう歴代志れきだいししょにしるされているではないか。

16:15 ユダのおうアサのだい二十七ねんにジムリはテルザで七日なぬかあいだおさめた。たみはペリシテびとにぞくするギベトンにむかって陣取じんどっていたが、

16:16 その陣取じんどっていたたみが「ジムリはむほんをおこしておうころした」とひとのいうのをいたので、イスラエルはみなその陣営じんえいで、ぐんちょうオムリをイスラエルのおうとした。

16:17 そこでオムリはイスラエルの人々ひとびとともにギベトンからのぼってテルザをかこんだ。

16:18 ジムリはそのまちおちいるのをて、おう宮殿きゅうでん天守てんしゅにはいり、おう宮殿きゅうでんをかけてそのなかんだ。

16:19 これはかれおかしたつみのためであって、かれしゅまえあくおこない、ヤラベアムのみちあゆみ、ヤラベアムがイスラエルにおかさせたそのつみおこなったからである。

16:20 ジムリのその事績じせきと、かれくわだてた陰謀いんぼうは、イスラエルのおう歴代志れきだいししょにしるされているではないか。

16:21 そのときイスラエルのたみは二つにわかれ、たみなかばはギナテのテブニにしたがって、これをおうとしようとし、なかばはオムリにしたがった。

16:22 しかしオムリにしたがったたみはギナテのテブニにしたがったたみって、テブニはに、オムリがおうとなった。

16:23 ユダのおうアサのだい三十一ねんにオムリはイスラエルのおうとなって十二ねんおさめた。かれはテルザで六ねんおうであった。

16:24 かれぎん二タラントでセメルからサマリヤのやまい、そのうえまちて、そのてたまちをそのやまぬしであったセメルのしたがってサマリヤとんだ。

16:25 オムリはしゅまえあくおこない、かれよりもさきにいたすべてのものにまさってわることをした。

16:26 かれはネバテのヤラベアムのすべてのみちあゆみ、ヤラベアムがイスラエルにつみおかさせ、かれらの偶像ぐうぞうをもってイスラエルのかみしゅいからせたそのつみおこなった。

16:27 オムリがったその事績じせきと、かれがあらわした勲功くんこうとは、イスラエルのおう歴代志れきだいししょにしるされているではないか。

16:28 オムリはその先祖せんぞともねむって、サマリヤにほうむられ、そのアハブがかわっておうとなった。

16:29 ユダのおうアサのだい三十八ねんにオムリのアハブがイスラエルのおうとなった。オムリのアハブはサマリヤで二十二ねんイスラエルをおさめた。

16:30 オムリのアハブはかれよりもさきにいたすべてのものにまさって、しゅまえあくおこなった。

16:31 かれはネバテのヤラベアムのつみおこなうことを、かることとし、シドンびとのおうエテバアルのむすめイゼベルをつまにめとり、ってバアルにつかえ、これをおがんだ。

16:32 かれはサマリヤにてたバアルのみやに、バアルのために祭壇さいだんきずいた。

16:33 アハブはまたアシラぞうつくった。アハブはかれよりもさきにいたイスラエルのすべてのおうにまさってイスラエルのかみしゅいからせることをおこなった。

16:34 かれにベテルびとヒエルはエリコをてた。かれはそのもといをすえるとき長子ちょうしアビラムをうしない、そのもんてるときすえセグブをうしなった。しゅがヌンのヨシュアによってわれた言葉ことばのとおりである。 

第17章 

17:1 ギレアデのテシベにむテシベびとエリヤはアハブにった、「わたしのつかえているイスラエルのかみしゅきておられます。わたしの言葉ことばのないうちは、数年すうねんあめつゆもないでしょう」。

17:2 しゅ言葉ことばがエリヤにのぞんだ、

17:3 「ここをってひがしにおもむき、ヨルダンのひがしにあるケリテかわのほとりにかくしなさい。

17:4 そしてそのかわみずみなさい。わたしはからすにめいじて、そこであなたをやしなわせよう」。

17:5 エリヤはって、しゅ言葉ことばのとおりにした。すなわちって、ヨルダンのひがしにあるケリテかわのほとりにんだ。

17:6 すると、からすがあさごとにかれところにパンとにくはこび、またゆうごとにパンとにくはこんできた。そしてかれはそのかわみずんだ。

17:7 しかしくにあめがなかったので、しばらくしてそのかわはかれた。

17:8 そのときしゅ言葉ことばかれのぞんでった、

17:9 「ってシドンにぞくするザレパテへって、そこにみなさい。わたしはそのところのやもめおんなめいじてあなたをやしなわせよう」。

17:10 そこでかれってザレパテへったが、まちもんいたとき、ひとりのやもめおんなが、そのところでたきぎをひろっていた。かれはそのおんなこえをかけてった、「うつわみずすこってきて、わたしにませてください」。

17:11 彼女かのじょって、それをってこようとしたときかれ彼女かのじょんでった、「一口ひとくちのパンをってきてください」。

17:12 彼女かのじょった、「あなたのかみしゅきておられます。わたしにはパンはありません。ただ、かめに一握ひとにぎりのこなと、びんにすこしのあぶらがあるだけです。いまわたしはたきぎ二、三ぼんひろい、うちへかえって、わたしと子供こどものためにそれを調理ちょうりし、それをべてのうとしているのです」。

17:13 エリヤは彼女かのじょった、「おそれるにはおよばない。って、あなたがったとおりにしなさい。しかしまず、それでわたしのためにちいさいパンを、一つつくってってきなさい。そののち、あなたと、あなたの子供こどものためにつくりなさい。

17:14 『しゅあめのおもてにらすまで、かめのこなきず、びんのあぶらえない』とイスラエルのかみしゅわれるからです」。

17:15 彼女かのじょって、エリヤがったとおりにした。彼女かのじょかれおよび彼女かのじょ家族かぞくひさしくべた。

17:16 しゅがエリヤによってわれた言葉ことばのように、かめのこなきず、びんのあぶらえなかった。

17:17 これらのことのち、そのいえ主婦しゅふであるこのおんなおとこ病気びょうきになった。その病気びょうきはたいそうおもく、いきえたので、

17:18 彼女かのじょはエリヤにった、「かみひとよ、あなたはわたしに、なにうらみがあるのですか。あなたはわたしのつみおもさせるため、またわたしのなせるためにおいでになったのですか」。

17:19 エリヤは彼女かのじょった、「をわたしによこしなさい」。そして彼女かのじょのふところから子供こどもり、自分じぶんのいる屋上おくじょうのへやへかかえてのぼり、自分じぶん寝台しんだいかせ、

17:20 しゅばわってった、「わがかみしゅよ、あなたはわたしが宿やどっているいえのやもめにさえわざわいをくだして、子供こどもころされるのですか」。

17:21 そして三そのともうえばし、しゅばわってった、「わがかみしゅよ、この子供こどもたましいをもとにかえらせてください」。

17:22 しゅはエリヤのこえきいれられたので、そのともたましいはもとにかえって、かれきかえった。

17:23 エリヤはそのともって屋上おくじょうのへやからいえなかにつれてり、そのははにわたしてった、「ごらんなさい。あなたのきかえりました」。

17:24 おんなはエリヤにった、「いまわたしはあなたがかみひとであることと、あなたのくちにあるしゅ言葉ことば真実しんじつであることをりました」。 

第18章 

18:1 おおくのて、三ねんしゅ言葉ことばがエリヤにのぞんだ、「って、あなたのをアハブにしめしなさい。わたしはあめらせる」。

18:2 エリヤはそのをアハブにしめそうとしてった。そのとき、サマリヤにききんがはげしかった。

18:3 アハブはいえづかさオバデヤをした。(オバデヤはふかしゅおそれるひとで、

18:4 イゼベルがしゅ預言者よげんしゃほろぼしたとき、オバデヤは百にん預言者よげんしゃすくして五十にんずつほらあなかくし、パンとみずをもってかれらをやしなった)。

18:5 アハブはオバデヤにった、「国中くにぢゅうのすべてのみずみなもとと、すべてのかわってみるがよい。うま騾馬らばかしておくためのくさがあるかもしれない。そうすれば、われわれは家畜かちくをいくぶんでもうしなわずにすむであろう」。

18:6 かれらはめぐをふたりでけ、アハブはひとりでこのみちき、オバデヤはひとりでみちおこなった。

18:7 オバデヤがみちすすんでいたとき、エリヤがかれった。かれはエリヤをみとめてしてった、「わがしゅエリヤよ、あなたはここにおられるのですか」。

18:8 エリヤはかれった、「そうです。って、あなたの主人しゅじんに、エリヤはここにいるとげなさい」。

18:9 かれった、「わたしにどんなつみがあって、あなたはしもべをアハブのにわたしてころそうとされるのですか。

18:10 あなたのかみしゅきておられます。わたしの主人しゅじんがあなたをたずねるために、ひとをつかわさないたみはなく、くにもありません。そしてエリヤはいないとときは、そのくに、そのたみに、あなたがつからないというちかいをさせるのです。

18:11 あなたはいまって、エリヤはここにいると主人しゅじんげよ』とわれます。

18:12 しかしわたしがあなたをはなれてくと、しゅれいはあなたを、わたしのらないところれてくでしょう。わたしがってアハブにげ、かれがあなたをつけることができなければ、かれはわたしをころすでしょう。しかし、しもべはおさなときからしゅおそれているものです。

18:13 イゼベルがしゅ預言者よげんしゃころしたときに、わたしがしたこと、すなわち、わたしがしゅ預言者よげんしゃのうち百にんを五十にんずつほらあなかくして、パンとみずをもってやしなったことを、わがしゅかれませんでしたか。

18:14 ところがいまあなたは『って、エリヤはここにいると主人しゅじんげよ』とわれます。そのようなことをすればかれはわたしをころすでしょう」。

18:15 エリヤはった、「わたしのつかえる万軍ばんぐんしゅきておられる。わたしはかならず、きょう、わたしのかれしめすであろう」。

18:16 オバデヤはってアハブにい、かれげたので、アハブはエリヤにおうとしてった。

18:17 アハブはエリヤをたとき、かれった、「イスラエルをなやますものよ、あなたはここにいるのですか」。

18:18 かれこたえた、「わたしがイスラエルをなやますのではありません。あなたと、あなたのちちいえなやましたのです。あなたがたがしゅ命令めいれいて、バアルにしたがったためです。

18:19 それでいまひとをつかわしてイスラエルのすべてのひとおよびバアルの預言者よげんしゃ四百五十にん、ならびにアシラの預言者よげんしゃ四百にん、イゼベルの食卓しょくたく食事しょくじするものたちをカルメルやまあつめて、わたしのところにこさせなさい」。

18:20 そこでアハブはイスラエルのすべてのひとひとをつかわして、預言者よげんしゃたちをカルメルやまあつめた。

18:21 そのときエリヤはすべてのたみちかづいてった、「あなたがたはいつまで二つのもののあいだまよっているのですか。しゅかみならばそれにしたがいなさい。しかしバアルがかみならば、それにしたがいなさい」。たみはひとことかれこたえなかった。

18:22 エリヤはたみった、「わたしはただひとりのこったしゅ預言者よげんしゃです。しかしバアルの預言者よげんしゃは四百五十にんあります。

18:23 われわれに二とううしをください。そして一とううしかれらにえらばせ、それをいて、たきぎのうえせ、それにをつけずにおかせなさい。わたしも一とううしととのえ、それをたきぎのうえせてをつけずにおきましょう。

18:24 こうしてあなたがたはあなたがたのかみびなさい。わたしはしゅびましょう。そしてをもってこたえるかみかみとしましょう」。たみみなこたえて「それがよかろう」とった。

18:25 そこでエリヤはバアルの預言者よげんしゃたちにった、「あなたがたはだいぜいだからはじめに一とううしえらんで、それをととのえ、あなたがたのかみびなさい。ただしをつけてはなりません」。

18:26 かれらはあたえられたうしってととのえ、あさからひるまでバアルのんで「バアルよ、こたえてください」とった。しかしなんのこえもなく、またこたえるものもなかったので、かれらは自分じぶんたちのつくった祭壇さいだんのまわりにおどった。

18:27 ひるになってエリヤはかれらをあざけってった、「かれかみだから、大声おおごえをあげてびなさい。かれかんがえにふけっているのか、よそへったのか、たびたのか、またはねむっていておこされなければならないのか」。

18:28 そこでかれらは大声おおごえばわり、かれらのならわしにしたがって、かたなとやりできずつけ、をそのながすにいたった。

18:29 こうしてひるぎてもかれらはなおさけつづけて、ゆうそなものをささげるときにまでおよんだ。しかしなんのこえもなく、こたえるものもなく、またかえりみるものもなかった。

18:30 そのときエリヤはすべてのたみにむかって「わたしに近寄ちかよりなさい」とったので、たみみなかれ近寄ちかよった。かれはこわれているしゅ祭壇さいだんつくろった。

18:31 そしてエリヤはむかししゅ言葉ことばがヤコブにのぞんで、「イスラエルをあなたのとせよ」とわれたヤコブのらの部族ぶぞくかずにしたがって十二のいしり、

18:32 そのいししゅによって祭壇さいだんきずき、祭壇さいだん周囲しゅういたね二セヤをいれるほどのおおきさの、みぞをつくった。

18:33 また、たきぎをならべ、うしいてたきぎのうえせてった、「四つのかめにみずたし、それを燔祭はんさいとたきぎのうえそそげ」。

18:34 またった、「それを二せよ」。二それをすると、またった、「三それをせよ」。三それをした。

18:35 みず祭壇さいだん周囲しゅういながれた。またみぞにもみずたした。

18:36 ゆうそなものをささげるときになって、預言者よげんしゃエリヤは近寄ちかよってった、「アブラハム、イサク、ヤコブのかみしゅよ、イスラエルでは、あなたがかみであること、わたしがあなたのしもべであって、あなたの言葉ことばしたがってこのすべてのことおこなったことを、今日こんにちらせてください。

18:37 しゅよ、わたしにこたえてください、わたしにこたえてください。しゅよ、このたみにあなたがかみであること、またあなたがかれらのこころひるがえされたのであることをらせてください」。

18:38 そのときしゅくだって燔祭はんさいと、たきぎと、いしと、ちりとをきつくし、またみぞのみずをなめつくした。

18:39 たみみなて、ひれしてった、「しゅかみである。しゅかみである」。

18:40 エリヤはかれらにった、「バアルの預言者よげんしゃとらえよ。そのひとりもがしてはならない」。そこでかれらをとらえたので、エリヤはかれらをキションかわれくだって、そこでかれらをころした。

18:41 エリヤはアハブにった、「大雨おおあめおとがするから、のぼってって、みしなさい」。

18:42 アハブはみするためにのぼっていった。しかしエリヤはカルメルのいただきのぼり、してかおをひざのあいだれていたが、

18:43 かれはしもべにった、「のぼっていってうみほうなさい」。かれのぼっていって、て、「なにもありません」とったので、エリヤは「もう一きなさい」とって七およんだ。

18:44 七度目どめにしもべはった、「うみからひとほどのちいさなくもっています」。エリヤはった、「のぼっていって、『あめにとどめられないようにくるまととのえてくだれ』とアハブにいなさい」。

18:45 するともなく、くもかぜおこり、そらくろくなって大雨おおあめってきた。アハブはくるまってエズレルへった。

18:46 またしゅがエリヤにのぞんだので、かれこしをからげ、エズレルの入口いりぐちまでアハブのまえはしっていった。 

第19章 

19:1 アハブはエリヤのしたすべてのこと、またかれがすべての預言者よげんしゃかたなころしたことをイゼベルにげたので、

19:2 イゼベルは使者ししゃをエリヤにつかわしてった、「もしわたしが、あすのいまごろ、あなたのいのちをあの人々ひとびとのひとりのいのちのようにしていないならば、神々かみがみがどんなにでも、わたしをばっしてくださるように」。

19:3 そこでエリヤはおそれて、自分じぶんいのちすくうためにってげ、ユダにぞくするベエルシバへって、しもべをそこにのこし、

19:4 自分じぶんは一にちみちのりほど荒野あらのにはいってって、れだまのしたし、自分じぶんもとめてった、「しゅよ、もはや、じゅうぶんです。いまわたしのいのちってください。わたしは先祖せんぞにまさるものではありません」。

19:5 かれはれだまのしたしてねむったが、てん使つかいかれにさわり、「きてべなさい」とったので、

19:6 きてると、とうのそばに、いしうえいたパン一と、一びんのみずがあった。かれべ、かつんでまたた。

19:7 しゅ使つかいふたたびきて、かれにさわってった、「きてべなさい。みちとおくてえられないでしょうから」。

19:8 かれきてべ、かつみ、その食物しょくもつちからづいて四十にち四十って、かみやまホレブにいた。

19:9 そのところかれはほらあなにはいって、そこに宿やどったが、しゅ言葉ことばかれのぞんで、かれわれた、「エリヤよ、あなたはここでなにをしているのか」。

19:10 かれった、「わたしは万軍ばんぐんかみしゅのために非常ひじょう熱心ねっしんでありました。イスラエルの人々ひとびとはあなたの契約けいやくて、あなたの祭壇さいだんをこわし、かたなをもってあなたの預言者よげんしゃたちをころしたのです。ただわたしだけのこりましたが、かれらはわたしのいのちろうとしています」。

19:11 しゅわれた、「て、やまうえしゅまえに、ちなさい」。そのときしゅとおぎられ、しゅまえおおきなつよかぜき、やまき、いわくだいた。しかししゅかぜなかにおられなかった。かぜのち地震じしんがあったが、地震じしんなかにもしゅはおられなかった。

19:12 地震じしんのちがあったが、なかにもしゅはおられなかった。のちしずかなほそこえきこえた。

19:13 エリヤはそれをいてかお外套がいとうつつみ、てほらあなくちつと、かれかたこえきこえた、「エリヤよ、あなたはここでなにをしているのか」。

19:14 かれった、「わたしは万軍ばんぐんかみしゅのために非常ひじょう熱心ねっしんでありました。イスラエルの人々ひとびとはあなたの契約けいやくて、あなたの祭壇さいだんをこわし、かたなであなたの預言者よげんしゃたちをころしたからです。ただわたしだけのこりましたが、かれらはわたしのいのちろうとしています」。

19:15 しゅかれわれた、「あなたのみちかえってって、ダマスコの荒野あらのにおもむき、ダマスコにいて、ハザエルにあぶらそそぎ、スリヤのおうとしなさい。

19:16 またニムシのエヒウにあぶらそそいでイスラエルのおうとしなさい。またアベルメホラのシャパテのエリシャにあぶらそそいで、あなたにかわって預言者よげんしゃとしなさい。

19:17 ハザエルのつるぎをのがれるものをエヒウがころし、エヒウのつるぎをのがれるものをエリシャがころすであろう。

19:18 また、わたしはイスラエルのうちに七千にんのこすであろう。みなバアルにひざをかがめず、それにくちづけしないものである」。

19:19 さてエリヤはそこをってって、シャパテのエリシャにった。かれは十二くびきのうしまえかせ、自分じぶんは十二番目ばんめのくびきとともにいてたがやしていた。エリヤはかれのかたわらをとおぎて外套がいとうかれうえにかけた。

19:20 エリシャはうして、エリヤのあとにはしってきてった、「わたしの父母ふぼくちづけさせてください。そしてのちあなたにしたがいましょう」。エリヤはかれった、「ってきなさい。わたしはあなたになにをしましたか」。

19:21 エリシャはかれはなれてかえり、ひとくびきのうしってころし、うしのくびきをやしてそのにく、それをたみあたえてべさせ、ってってエリヤにしたがい、かれつかえた。 

第20章 

20:1 スリヤのおうベネハダデはその軍勢ぐんぜいをことごとくあつめた。三十二にんおうかれともにおり、またうま戦車せんしゃもあった。かれのぼってサマリヤをかこみ、これをめた。

20:2 またかれまち使者ししゃをつかわし、イスラエルのおうアハブにった、「ベネハダデはこうもうします、

20:3 『あなたの金銀きんぎんはわたしのもの、またあなたのつまたちと子供こどもたちのもっとうつくしいものもわたしのものです』」。

20:4 イスラエルのおうこたえた、「おう、わがしゅよ、おおせのとおり、わたしと、わたしのものみなあなたのものです」。

20:5 使者ししゃふたたびきてった、「ベネハダデはこうもうします、『わたしはさきにひとをつかわして、あなたの金銀きんぎん妻子さいしきわたせといました。

20:6 しかし、あすのいまごろ、しもべたちをあなたにつかわします。かれらはあなたのいえと、あなたの家来けらいいえさぐって、すべてかれらのにいるものれてうばるでしょう』」。

20:7 そこでイスラエルのおうくに長老ちょうろうをことごとくしてった、「よく注意ちゅういして、このひと無理むりこともとめているのをりなさい。かれひとをつかわして、わたしの妻子さいし金銀きんぎんもとめたが、わたしはそれをこばまなかった」。

20:8 すべての長老ちょうろうおよびたみみなかれった、「いてはなりません。承諾しょうだくしてはなりません」。

20:9 それでかれはベネハダデの使者ししゃった、「おう、わがしゅげなさい。『あなたがはじめに要求ようきゅうされたことはみないたしましょう。しかし今度こんどことはできません』」。使者ししゃって復命ふくめいした。

20:10 ベネハダデはかれひとをつかわしてった、「もしサマリヤのちりが、わたしにしたがうすべてのたみたすにりるならば、神々かみがみがどんなにでも、わたしをばっしてくださるように」。

20:11 イスラエルのおうこたえた、「『武具ぶぐびるものは、それをもののようにほこってはならない』とげなさい」。

20:12 ベネハダデはかり小屋ごやで、おうたちとさけんでいたが、このこといて、その家来けらいたちにった、「たたかいのそなえをせよ」。かれらはまちにむかってたたかいのそなえをした。

20:13 このときひとりの預言者よげんしゃがイスラエルのおうアハブのもとにきてった、「しゅはこうおおせられる、『あなたはこの大軍たいぐんたか。わたしはきょう、これをあなたのにわたす。あなたは、わたしがしゅであることを、るようになるであろう』」。

20:14 アハブはった、「だれにさせましょうか」。かれった、「しゅはこうおおせられる、『地方ちほう代官だいかん家来けらいたちにさせよ』」。アハブはった、「だれがたたかいをはじめましょうか」。かれこたえた、「あなたです」。

20:15 そこでアハブは地方ちほう代官だいかん家来けらいたちを調しらべたところ二百三十二にんあった。つぎにすべてのたみ、すなわちイスラエルのすべてのひと調しらべたところ七千にんあった。

20:16 かれらはひるごろていったが、ベネハダデはかり小屋ごやで、味方みかたの三十二にんおうたちとともさけんでっていた。

20:17 地方ちほう代官だいかん家来けらいたちがさきていった。ベネハダデは斥候せっこうをつかわしたが、かれらは「サマリヤから人々ひとびとてきた」と報告ほうこくしたので、

20:18 かれった、「和解わかいのためにてきたのであっても、いけどりにせよ。またたたかいのためにてきたのであっても、いけどりにせよ」。

20:19 地方ちほう代官だいかん家来けらいたちと、それにしたが軍勢ぐんぜいまちからていって、

20:20 おのおのその相手あいてころしたので、スリヤびとはげた。イスラエルはこれをったが、スリヤのおうベネハダデはうまり、騎兵きへいしたがえてのがれた。

20:21 イスラエルのおうていって、うま戦車せんしゃをぶんどり、またおおいにスリヤびとをころした。

20:22 ときに、かの預言者よげんしゃがイスラエルのおうのもとにきてった、「って、ちからやしない、なすべきことをよくかんがえなさい。来年らいねんはるにはスリヤのおうが、あなたのところにのぼってくるからです」。

20:23 スリヤのおう家来けらいたちはおうった、「かれらの神々かみがみやまかみですからかれらがわれわれよりもつよかったのです。もしわれわれが平地へいちたたかうならば、かならかれらよりもつよいでしょう。

20:24 それでこうしなさい。おうたちをおのおのその地位ちいから退しりぞかせ、総督そうとくいてそれにかわらせなさい。

20:25 またあなたがうしなった軍勢ぐんぜいひとしい軍勢ぐんぜいあつめ、うまうま戦車せんしゃ戦車せんしゃをもっておぎないなさい。こうしてわれわれが平地へいちたたかうならばかならかれらよりもつよいでしょう」。かれはその言葉ことばきいれて、そのようにした。

20:26 はるになって、ベネハダデはスリヤびとをあつめて、イスラエルとたたかうために、アペクにのぼってきた。

20:27 イスラエルの人々ひとびと召集しょうしゅうされ、糧食りょうしょくけてかれらをむかつためにかけた。イスラエルの人々ひとびとはやぎの二つのちいさいれのようにかれらのまえ陣取じんどったが、スリヤびとはそのちていた。

20:28 そのときかみひとがきて、イスラエルのおうった、「しゅはこうおおせられる、『スリヤびとが、しゅやまかみであって、たにかみではないとっているから、わたしはこのすべての大軍たいぐんをあなたのにわたす。あなたは、わたしがしゅであることをるようになるであろう』」。

20:29 かれらは七日なぬかあいだたがいにむかいあって陣取じんどり、七日なぬかになってたたかいをまじえたが、イスラエルの人々ひとびとは一にちにスリヤびとの歩兵ほへい十万にんころした。

20:30 そのほかのものはアペクのまちげこんだが、城壁じょうへきがくずれて、そののこった二万七千にんうえたおれた。

ベネハダデはげてまちはいり、おくあいだにはいった。

20:31 家来けらいたちはかれった、「イスラエルのいえおうたちはあわれみふかおうであるといています。それでわれわれのこし荒布あらぬのをつけ、くびになわをかけて、イスラエルのおうところかせてください。たぶんかれはあなたのいのちたすけるでしょう」。

20:32 そこでかれらは荒布あらぬのこしにまき、なわをくびにかけてイスラエルのおうところってった、「あなたのしもべベネハダデが『どうぞ、わたしのいのちたすけてください』ともうしています」。アハブはった、「かれはまだきているのですか。かれはわたしの兄弟きょうだいです」。

20:33 その人々ひとびとはこれを吉兆きっちょうとしてすみやかにかれ言葉ことばをうけ、「そうです。ベネハダデはあなたの兄弟きょうだいです」とったので、かれった、「ってかれをつれてきなさい」。それでベネハダデはかれところてきたので、かれはこれを自分じぶんくるませた。

20:34 ベネハダデはかれった、「わたしのちちが、あなたの父上ちちうえからった町々まちまちかえします。またわたしのちちがサマリヤにつくったように、あなたはダマスコに、あなたのために市場しじょうもうけなさい」。アハブはった、「わたしはこの契約けいやくをもってあなたをかえらせましょう」。こうしてアハブはかれ契約けいやくむすび、かれかえらせた。

20:35 さて預言者よげんしゃのともがらのひとりがしゅ言葉ことばしたがってその仲間なかまった、「どうぞ、わたしをってください」。しかしそのひとつことをこばんだので、

20:36 かれはそのひとった、「あなたはしゅ言葉ことばしたがわないゆえ、わたしをはなれてくとすぐ、ししがあなたをころすでしょう」。そのひとかれのそばをはなれてくとすぐ、ししがかれってかれころした。

20:37 かれはまたほかのひとってった、「どうぞ、わたしをってください」。するとそのひとかれち、ってきずつけた。

20:38 こうしてその預言者よげんしゃって、みちのかたわらでおうち、にほうたいをてて姿すがたえていた。

20:39 おうとおぎるときおうばわってった、「しもべはいくさのなかきましたが、ある軍人ぐんじんが、ひとりのひとをわたしのところにつれてきていました、『このひとまもっていなさい。もしかれがいなくなれば、あなたのいのちかれいのちえるか、またはぎん一タラントをはらわなければならない』。

20:40 ところが、しもべはあちらこちらといそがしくしていたので、ついにかれはいなくなりました」。イスラエルのおうかれった、「あなたはそのとおりにさばかれなければならない。あなたが自分じぶんでそれをさだめたのです」。

20:41 そこでかれいそいでのほうたいをのぞいたので、イスラエルのおうはそれが預言者よげんしゃのひとりであることをった。

20:42 かれおうった、「しゅはこうおおせられる、『わたしがほろぼそうとさだめたひとを、あなたは自分じぶんからはなしてかせたので、あなたのいのちかれいのちかわり、あなたのたみかれたみかわるであろう』と」。

20:43 イスラエルのおうかなしみ、かついかって自分じぶんいえにおもむき、サマリヤにかえった。 

第21章 

21:1 さてエズレルびとナボテはエズレルにぶどうはたけをもっていたが、サマリヤのおうアハブの宮殿きゅうでんのかたわらにあったので、

21:2 アハブはナボテにった、「あなたのぶどうはたけはわたしのいえちかくにあるので、わたしにゆずって青物あおものはたけにさせてください。そのかわり、わたしはそれよりもいぶどうはたけをあなたにあげましょう。もしおのぞみならば、そのあたいきんでさしあげましょう」。

21:3 ナボテはアハブにった、「わたしは先祖せんぞぎょうをあなたにゆずることをだんじていたしません」。

21:4 アハブはエズレルびとナボテがった言葉ことばいて、かなしみ、かついかっていえにはいった。ナボテが「わたしは先祖せんぞぎょうをあなたにゆずりません」とったからである。アハブはとこし、かおをそむけて食事しょくじをしなかった。

21:5 つまイゼベルはかれところにきて、った、「あなたはなにをそんなにかなしんで、食事しょくじをなさらないのですか」。

21:6 かれ彼女かのじょった、「わたしはエズレルびとナボテに『あなたのぶどうはたけかねゆずってください。もしのぞむならば、そのかわりに、ほかのぶどうはたけをあげよう』とったが、かれこたえて『わたしはぶどうはたけゆずりません』とったからだ」。

21:7 つまイゼベルはかれった、「あなたがいまイスラエルをおさめているのですか。きて食事しょくじをし、元気げんきしてください。わたしがエズレルびとナボテのぶどうはたけをあなたにあげます」。

21:8 彼女かのじょはアハブの手紙てがみき、かれしるしをおして、ナボテとおなじように、そのまちんでいる長老ちょうろうたちと身分みぶんたっと人々ひとびとに、その手紙てがみおくった。

21:9 彼女かのじょはその手紙てがみきしるした、「断食だんじき布告ふこくして、ナボテをたみのうちのたかところにすわらせ、

21:10 またふたりのよこしまなものかれまえにすわらせ、そしてかれうったえて、『あなたはかみおうとをのろった』とわせなさい。こうしてかれし、いしころしなさい」。

21:11 そのまち人々ひとびと、すなわち、そのまちんでいる長老ちょうろうたちおよび身分みぶんたっと人々ひとびとは、イゼベルがいつかわしたようにした。彼女かのじょかれらにおくった手紙てがみきしるされていたように、

21:12 かれらは断食だんじき布告ふこくして、ナボテをたみのうちのたかところにすわらせた。

21:13 そしてふたりのよこしまなものがはいってきて、そのまえにすわり、そのよこしまなものたちがたみまえでナボテをうったえて、「ナボテはかみおうとをのろった」とった。そこで人々ひとびとかれまちそとし、いしころした。

21:14 そして人々ひとびとはイゼベルに「ナボテはいしころされた」とおくった。

21:15 イゼベルはナボテがいしころされたのをくとすぐ、アハブにった、「って、あのエズレルびとナボテが、あなたにかねゆずることをこばんだぶどうはたけりなさい。ナボテはきていません。んだのです」。

21:16 アハブはナボテのんだのをくとすぐ、って、エズレルびとナボテのぶどうはたけるために、そこへくだっていった。

21:17 そのとき、しゅ言葉ことばがテシベびとエリヤにのぞんだ、

21:18 「って、くだってき、サマリヤにいるイスラエルのおうアハブにいなさい。かれはナボテのぶどうはたけろうとしてそこへくだっている。

21:19 あなたはかれわなければならない、『しゅはこうおおせられる、あなたはころしたのか、またったのか』と。またかれいなさい、『しゅはこうおおせられる、いぬがナボテのをなめた場所ばしょで、いぬがあなたのをなめるであろう』」。

21:20 アハブはエリヤにった、「わがてきよ、ついに、わたしをつけたのか」。かれった、「つけました。あなたがしゅまえあくおこなうことにをゆだねたゆえ、

21:21 わたしはあなたにわざわいくだし、あなたをまったほろぼし、アハブにぞくするおとこは、イスラエルにいてつながれたものも、自由じゆうものもことごとくち、

21:22 またあなたのいえをネバテのヤラベアムのいえのようにし、アヒヤのバアシャのいえのようにするでしょう。これはあなたがわたしをいからせたいかりのゆえ、またイスラエルにつみおかさせたゆえです。

21:23 イゼベルについて、しゅはまたわれました、『いぬがエズレルの地域ちいきでイゼベルをうであろう』と。

21:24 アハブにぞくするものは、まちものいぬい、ものそらとりうでしょう」。

21:25 アハブのようにしゅまえあくおこなうことにをゆだねたものはなかった。そのつまイゼベルがかれをそそのかしたのである。

21:26 かれしゅがイスラエルの人々ひとびとまえからはらわれたアモリびとがしたように偶像ぐうぞうしたがって、はなはだにくむべきことおこなった。

21:27 アハブはこれらの言葉ことばいたときころもき、荒布あらぬのにまとい、しょくち、荒布あらぬのし、ちしおれてあるいた。

21:28 このときしゅ言葉ことばがテシベびとエリヤにのぞんだ、

21:29 「アハブがわたしのまえにへりくだっているのをたか。かれがわたしのまえにへりくだっているゆえ、わたしはにはわざわいくださない。そのわざわいをそのいえくだすであろう」。 

第22章 

22:1 スリヤとイスラエルのあいだ戦争せんそうがなくて三ねんた。

22:2 しかし三ねんにユダのおうヨシャパテがイスラエルのおうところくだっていったので、

22:3 イスラエルのおうはその家来けらいたちにった、「あなたがたは、ラモテ・ギレアデがわれわれの所有しょゆうであることをっていますか。しかもなおわれわれはスリヤのおうからそれをらずにだまっているのです」。

22:4 かれはヨシャパテにった、「ラモテ・ギレアデでたたかうためにわたしと一緒いっしょかれませんか」。ヨシャパテはイスラエルのおうった、「わたしはあなたと一つです。わたしのたみはあなたのたみと一つです。わたしのうまはあなたのうまと一つです」。

22:5 ヨシャパテはまたイスラエルのおうった、「まず、しゅ言葉ことばうかがいなさい」。

22:6 そこでイスラエルのおう預言者よげんしゃ四百にんばかりをあつめて、かれらにった、「わたしはラモテ・ギレアデにたたかいにくべきでしょうか、あるいはひかえるべきでしょうか」。かれらはった、「のぼっていきなさい。しゅはそれをおうにわたされるでしょう」。

22:7 ヨシャパテはった、「ここには、われわれのうべきしゅ預言者よげんしゃがほかにいませんか」。

22:8 イスラエルのおうはヨシャパテにった、「われわれがしゅうことのできるひとが、まだひとりいます。イムラのミカヤです。かれはわたしについてこと預言よげんせず、ただわることだけを預言よげんするので、わたしはかれにくんでいます」。ヨシャパテはった、「おうよ、そうわないでください」。

22:9 そこでイスラエルのおう役人やくにんんで、「いそいでイムラのミカヤをれてきなさい」とった。

22:10 さてイスラエルのおうおよびユダのおうヨシャパテはおうふくて、サマリヤのもん入口いりぐち広場ひろばに、おのおのその王座おうざにすわり、預言者よげんしゃたちはみなそのまえ預言よげんしていた。

22:11 ケナアナのゼデキヤはてつつのつくってった、「しゅはこうおおせられます、『あなたはこれらのつのをもってスリヤびとをいてかれらをほろぼしなさい』」。

22:12 預言者よげんしゃたちはみなそのように預言よげんしてった、「ラモテ・ギレアデにのぼっていって勝利しょうりなさい。しゅはそれをおうにわたされるでしょう」。

22:13 さてミカヤをびにいった使者ししゃかれった、「預言者よげんしゃたちは一致いっちしておうこといました。どうぞ、あなたも、かれらのひとりの言葉ことばのようにして、ことってください」。

22:14 ミカヤはった、「しゅきておられます。しゅがわたしにわれることもうしましょう」。

22:15 かれおうところくと、おうかれった、「ミカヤよ、われわれはラモテ・ギレアデにたたかいにくべきでしょうか、あるいはひかえるべきでしょうか」。かれおうった、「のぼっていって勝利しょうりなさい。しゅはそれをおうにわたされるでしょう」。

22:16 しかしおうかれった、「いくたびあなたをちかわせたら、あなたはしゅをもって、ただ真実しんじつのみをわたしにげるでしょうか」。

22:17 かれった、「わたしはイスラエルがみな牧者ぼくしゃのないひつじのように、やまっているのをました。するとしゅは『これらのもの飼主かいぬしがいない。かれらをそれぞれやすらかに、そのいえかえらせよ』とわれました」。

22:18 イスラエルのおうはヨシャパテにった、「かれがわたしについてこと預言よげんせず、ただわることだけを預言よげんすると、あなたにげたではありませんか」。

22:19 ミカヤはった、「それゆえしゅ言葉ことばきなさい。わたしはしゅがその玉座ぎょくざにすわり、てん万軍ばんぐんがそのかたわらに、右左みぎひだりっているのをたが、

22:20 しゅは『だれがアハブをいざなってラモテ・ギレアデにのぼらせ、かれたおれさせるであろうか』とわれました。するとひとりはこのことい、ひとりはほかのこといました。

22:21 そのとき一つのれいすすて、しゅまえち、『わたしがかれをいざないましょう』といました。

22:22 しゅは『どのような方法ほうほうでするのか』とわれたので、かれは『わたしがって、いつわりをれいとなって、すべての預言者よげんしゃくち宿やどりましょう』といました。そこでしゅは『おまえはかれをいざなって、それをげるであろう。って、そうしなさい』とわれました。

22:23 それでしゅいつわりをれいをあなたのすべての預言者よげんしゃくちれ、またしゅはあなたのおこわざわいげられたのです」。

22:24 するとケナアナのゼデキヤは近寄ちかよって、ミカヤのほおをってった、「どのようにしてしゅれいがわたしをはなれて、あなたにかたりましたか」。

22:25 ミカヤはった、「あなたがおくあいだにはいってかくすそのに、わかるでしょう」。

22:26 イスラエルのおうった、「ミカヤをとらえ、まちのつかさアモンと、おうヨアシのところいてかえって、

22:27 いなさい、『おうがこういます、このもの獄屋ごくやれ、わずかのパンとみずをもってかれやしない、わたしが勝利しょうりかえってくるのをて』」。

22:28 ミカヤはった、「もしあなたが勝利しょうりかえってこられるならば、しゅがわたしによってかたられなかったのです」。またかれった、「あなたがた、すべてのたみよ、きなさい」。

22:29 こうしてイスラエルのおうとユダのおうヨシャパテはラモテ・ギレアデにのぼっていった。

22:30 イスラエルのおうはヨシャパテにった、「わたしは姿すがたえて、たたかいにきます。あなたはおうふくけなさい」。イスラエルのおう姿すがたえてたたかいにった。

22:31 さて、スリヤのおうは、その戦車せんしゃちょう三十二にんめいじてった、「あなたがたは、ちいさいものともおおきいものともたたかわないで、ただイスラエルのおうとだけたたかいなさい」。

22:32 戦車せんしゃちょうらはヨシャパテをたとき、これはきっとイスラエルのおうだとおもったので、をめぐらして、これとたたかおうとすると、ヨシャパテはばわった。

22:33 戦車せんしゃちょうらはかれがイスラエルのおうでないのをたので、かれうことをやめてかえした。

22:34 しかし、ひとりのひとなにこころなくゆみをひいて、イスラエルのおう胸当むねあて草摺くさずりあいだたので、かれはその戦車せんしゃ御者ぎょしゃった、「わたしはきずけた。戦車せんしゃをめぐらして、わたしを戦場せんじょうからはこせ」。

22:35 そのたたかいははげしくなった。おう戦車せんしゃなかにささえられてち、スリヤびとにむかっていたが、ついに、夕暮ゆうぐれになってんだ。きず戦車せんしゃそこながれた。

22:36 ぼっするころ、軍勢ぐんぜいなかばわるこえがした、「めいめいそのまちへ、めいめいそのくにかえれ」。

22:37 おうんで、サマリヤへたずさかれた。人々ひとびとおうをサマリヤにほうむった。

22:38 またその戦車せんしゃをサマリヤのいけあらったが、いぬがそのをなめた。また遊女ゆうじょがそこであらった。しゅわれた言葉ことばのとおりである。

22:39 アハブのそのほかの事績じせきと、かれがしたすべてのことと、そのてた象牙ぞうげいえと、そのてたすべてのまちは、イスラエルのおう歴代志れきだいししょにしるされているではないか。

22:40 こうしてアハブはその先祖せんぞともねむって、そのアハジヤがかわっておうとなった。

22:41 アサのヨシャパテはイスラエルのおうアハブのだいねんにユダのおうとなった。

22:42 ヨシャパテはおうとなったとき、三十五さいであったが、エルサレムで二十五ねんおさめた。そのはははアズバといい、シルヒのむすめであった。

22:43 ヨシャパテはちちアサのすべてのみちあゆみ、それをはなれることなく、しゅにかなうことをした。ただしたかところのぞかなかったので、たみはなおたかところ犠牲ぎせいをささげ、こうをたいた。

22:44 ヨシャパテはまたイスラエルのおうと、よしみをむすんだ。

22:45 ヨシャパテのその事績じせきと、かれがあらわした勲功くんこうおよびその戦争せんそうについては、ユダのおう歴代志れきだいししょにしるされているではないか。

22:46 かれちちアサのになおのこっていた神殿しんでん男娼だんしょうたちをくにのうちからはらった。

22:47 そのころエドムにはおうがなく、代官だいかんおうであった。

22:48 ヨシャパテはタルシシのふねつくって、きんるためにオフルにかせようとしたが、そのふねはエジオン・ゲベルで難破なんぱしたため、ついにかなかった。

22:49 そこでアハブのアハジヤはヨシャパテに「わたしの家来けらいをあなたの家来けらい一緒いっしょふねかせなさい」とったが、ヨシャパテは承知しょうちしなかった。

22:50 ヨシャパテはその先祖せんぞともねむって、ちちダビデのまち先祖せんぞともほうむられ、そのヨラムがかわっておうとなった。

22:51 アハブのアハジヤはユダのおうヨシャパテのだい十七ねんにサマリヤでイスラエルのおうとなり、二ねんイスラエルをおさめた。

22:52 かれしゅまえあくおこない、そのちちみちと、そのははみち、およびかのイスラエルにつみおかさせたネバテのヤラベアムのみちあゆみ、

22:53 バアルにつかえて、それをおがみ、イスラエルのかみしゅいからせた。すべてかれちちがしたとおりであった。