口語訳聖書(振り仮名付き)

章: 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14

歴代志れきだいし

第1章    2Ch-Audio 

1:1 ダビデのソロモンはそのくに自分じぶん地位ちい確立かくりつした。そのかみしゅともにいましてかれ非常ひじょうおおいなるものにされた。

1:2 ソロモンはすべてのイスラエルびと、すなわち千にんちょう、百にんちょう、さばきびとおよびイスラエルのぜんのすべてのつかさ、氏族しぞくのかしらたちにげた。

1:3 そしてソロモンとイスラエルのぜん会衆かいしゅうはともにギベオンにあるたかところった。しゅのしもべモーセが荒野あらの つくったかみ会見かいけん幕屋まくやがそこにあったからである。

1:4 (しかしかみはこはダビデがすでにキリアテ・ヤリムから、これのためにそなえたところはこのぼらせてあった。ダビデはさきに、エルサレムでこれのために天幕てんまくっていたからである。)

1:5 またホルのであるウリのベザレルが つくった青銅せいどう祭壇さいだんがそのところしゅ幕屋まくやまえにあり、ソロモンおよび会衆かいしゅうしゅもとめた。

1:6 ソロモンはそこにのぼってって、会見かいけん幕屋まくやのうちにあるしゅまえ青銅せいどう祭壇さいだん燔祭はんさい一千をささげた。

1:7 そのよるかみはソロモンにあらわれてわれた、「あなたになにあたえようか、もとめなさい」。

1:8 ソロモンはかみった、「あなたはわたしのちちダビデにおおいなるいつくしみをしめし、またわたしをかれかわっておうとされました。

1:9 しゅなるかみよ、どうぞわがちちダビデに約束やくそくされたことはたしてください。あなたはのちりのようなおおくのたみうえにわたしをてておうとされたからです。

1:10 このたみまえ出入でいりすることのできるようにいまわたしに知恵ちえ知識ちしきとをあたえてください。だれがこのようなおおいなるあなたのたみをさばくことができましょうか」。

1:11 かみはソロモンにわれた、「このことがあなたのこころにあって、とみをも、たからをも、ほまれをも、またあなたをにくものいのちをももとめず、また長命ちょうめいをももとめず、ただわたしがあなたをてておうとしたわたしのたみをさばくために知恵ちえ知識ちしきとを自分じぶんのためにもとめたので、

1:12 知恵ちえ知識ちしきとはあなたにあたえられている。わたしはまたあなたのまえおうたちの、まだたことのないほどのとみたからほまれとをあなたにあたえよう。あなたののちものも、このようなものをないでしょう」。

1:13 それからソロモンはギベオンのたかところり、会見かいけん幕屋まくやまえって、エルサレムにかえり、イスラエルをおさめた。

1:14 ソロモンは戦車せんしゃ騎兵きへいとをあつめたが、戦車せんしゃ一千四百りょう騎兵きへい一万二千にんあった。ソロモンはこれを戦車せんしゃ町々まちまちと、エルサレムのおうのもととにいた。

1:15 おうぎんきんいしのようにエルサレムにおおくし、香柏こうはく平野へいやのいちじくくわのようにおおくした。

1:16 ソロモンがうま輸入ゆにゅうしたのはエジプトとクエからであった。すなわちおう貿易ぼうえき商人しょうにんがクエから代価だいかはらってってた。

1:17 かれらはエジプトから戦車せんしゃりょうぎん六百シケルで輸入ゆにゅうし、うまとうぎん百五十で輸入ゆにゅうした。おなじようにこれらのものがかれらによってヘテびとのすべてのおうたち、およびスリヤのおうたちにも輸出ゆしゅつされた。 

第2章 

2:1 さてソロモンはしゅのために一つのみやて、また自分じぶんのために一つの王宮おうきゅうてようとおもった。

2:2 そしてソロモンはもの七万にんやまいしもの八万にん、これらを監督かんとくするもの三千六百にんかぞした。

2:3 ソロモンはまずツロのヒラムにひとをつかわしてわせた、「あなたはわたしのちちダビデに、そのむべきいえてるために香柏こうはくおくられました。どうぞかれにされたように、わたしにもしてください。

2:4 よ、わたしはわがかみしゅのために一つのいえて、これを聖別せいべつしてかれにささげ、かれまえにこうばしいこうをたき、常供じょうくのパンをそなえ、また燔祭はんさい安息日あんそくにち新月しんげつ、およびわれらのかみしゅさだめのまつり朝夕あさゆうささげ、これをイスラエルのながくまもるべきさだめにしようとしています。

2:5 またわたしのてるいえおおきないえです。われらのかみはすべてのかみよりもおおいなるかみだからです。

2:6 しかし、てんも、しょてんてんかれれることができないのに、だれがかれのためにいえてることができましょうか。わたしは何者なにものですか、かれのためにいえてるというのも、ただかれまえこうをたくところに、ほかならないのです。

2:7 それで、どうぞきんぎん青銅せいどうてつ細工さいくおよびむらさきいといとあおいと織物おりものにくわしく、また彫刻ちょうこくじゅつたくみな工人こうじんひとりをわたしにおくって、ちちダビデがそなえておいたユダとエルサレムのわたしの工人こうじんたちと一緒いっしょはたらかせてください。

2:8 またどうぞレバノンから香柏こうはく、いとすぎ、びゃくだんをおくってください。わたしはあなたのしもべたちがレバノンでることをよくわきまえているのをっています。わたしのしもべたちも、あなたのしもべたちと一緒いっしょはたらかせ、

2:9 わたしのためにたくさんの材木ざいもくそなえさせてください。わたしのてるいえ非常ひじょう広大こうだいなものですから。

2:10 わたしはるあなたのしもべたちにくだいた小麦こむぎ二万コル、大麦おおむぎ二万コル、ぶどうしゅ二万バテ、あぶら二万バテをあたえます」。

2:11 そこでツロのおうヒラムは手紙てがみをソロモンにおくってこたえた、「しゅはそのたみあいするゆえに、あなたをかれらのおうとされました」。

2:12 ヒラムはまたった、「天地てんちつくられたイスラエルのかみしゅはほむべきかな。かれはダビデおうかしこあたえ、これに分別ふんべつ知恵ちえさづけて、しゅのためにみやて、また自分じぶんのために、王宮おうきゅうてることをさせられた。

2:13 いまわたしは達人たつじんヒラムという知恵ちえのある工人こうじんをつかわします。

2:14 かれはダンの子孫しそんであるおんなははとし、ツロのひとちちとし、金銀きんぎん青銅せいどうてついし細工さいくおよびむらさきいとあおいと亜麻あまいといと織物おりものにくわしく、またよくもろもろの彫刻ちょうこくをし、いしょうらしてもろもろの工作こうさくをします。かれもちいてあなたの工人こうじんおよびあなたのちち、わがしゅダビデの工人こうじん一緒いっしょはたらかせなさい。

2:15 それでいまわがしゅわれた小麦こむぎ大麦おおむぎあぶらおよびぶどうしゅをそのしもべどもにおくってください。

2:16 あなたのもとめられる材木ざいもくはレバノンからりだし、いかだにんで、うみからヨッパにおくります。あなたはそれをエルサレムにはこげなさい」。

2:17 そこでソロモンはそのちちダビデがかぞえたようにイスラエルのくににいるすべての他国たこくじんかぞえたが、わせて十五万三千六百にんあった。

2:18 かれはその七万にんものとし、八万にんやまいしものとし、三千六百にんたみはたらかせる監督かんとくしゃとした。 

第3章 

3:1 ソロモンはエルサレムのモリアのやましゅみやてることをはじめた。そこはちちダビデにしゅあらわれられたところ、すなわちエブスびとオルナンのにダビデがそなえたところである。

3:2 ソロモンがみやはじめたのは、その治世ちせいの四ねんの二がつであった。

3:3 ソロモンのてたかみみやもとい寸法すんぽうつぎのとおりである。すなわちむかし尺度しゃくどによればながさ六十キュビト、はば二十キュビト、

3:4 みやまえろうみやはばしたがってながさ二十キュビトたかさ百二十キュビトで、その内部ないぶ純金じゅんきんでおおった。

3:5 またその拝殿はいでんはいとすぎのいたり、せいきんをもってこれをおおい、そのうえにしゅろとくさりかたちほどこした。

3:6 また宝石ほうせきをはめんでみやかざった。そのきんはパルワイムのきんであった。

3:7 かれはまたきんをもってそのみや、すなわち、はり敷居しきいかべおよびをおおい、かべうえにケルビムをりつけた。

3:8 かれはまた至聖所しせいじょつくった。そのながさはみやながさにしたがって二十キュビト、はばも二十キュビトである。かれせいきん六百タラントをもってこれをおおった。

3:9 そのくぎきんおもさは五十シケルであった。かれはまた階上かいじょうしつきんでおおった。

3:10 かれ至聖所しせいじょきざんだケルビムのぞうを二つつくり、これをきんでおおった。

3:11 ケルビムのつばさながさはわせて二十キュビトあった。すなわち一つのケルブの一つのつばさは五キュビトで、みやかべとどき、ほかのつばさも五キュビトで、のケルブのつばさとどき、

3:12 のケルブの一つのつばさも五キュビトで、みやかべとどき、ほかのつばさも五キュビトで、さきのケルブのつばさせっしていた。

3:13 これらのケルビムのつばさひろげると二十キュビトあった。かれらはともあしち、そのかお拝殿はいでんかっていた。

3:14 ソロモンはまたあおいとむらさきいといとおよび亜麻あまいと垂幕たれまくつくり、そのうえにケルビムのりをほどこした。

3:15 かれみやまえはしらを二ほんつくった。そのたかさは三十五キュビト、おのおののはしらいただきに五キュビトの柱頭ちゅうとうつくった。

3:16 かれくびかざりのようなくさりつくって、はしらいただきにつけ、ざくろ百を つくってそのくさりうえにつけた。

3:17 かれはこのはしら神殿しんでんまえに、一ぽんみなみほうに、一ぽんきたほうて、みなみほうのをヤキンとづけ、きたほうのをボアズとづけた。 

第4章 

4:1 ソロモンはまた青銅せいどう祭壇さいだんつくった。そのながさ二十キュビト、はば二十キュビト、たかさ十キュビトである。

4:2 かれはまたうみつくった。ふちからふちまで十キュビトであって、周囲しゅうい円形えんけいをなし、たかさ五キュビトで、その周囲しゅういつなをもってはかると三十キュビトあった。

4:3 うみしたには三十キュビトの周囲しゅういをめぐるひさごのかたちがあって、うみ周囲しゅういかこんでいた。そのひさごは二ならびで、うみときたものである。

4:4 そのうみは十二のうしうえかれ、その三つはきたかい、三つは西にしかい、三つはみなみかい、三つはひがしかっていた。うみはそのうえかれ、うしのうしろはみなうちかっていた。

4:5 うみあつさははばで、そのふちはいふちのように、ゆりのはなせてつくられた。うみにはみずを三千バテれることができた。

4:6 かれはまたものあらうために洗盤せんばん つくって、五南側みなみがわに、五北側きたがわいた。そのなか燔祭はんさいもちいるものをあらった。しかしうみ祭司さいしがそのなかあらうためであった。

4:7 かれはまたきん燭台しょくだいをそのさだめにしたがってつくり、拝殿はいでんなか南側みなみがわに五北側きたがわに五き、

4:8 またつくえつくり、神殿しんでんなか南側みなみがわに五北側きたがわに五き、またきんはち百を つくった。

4:9 かれはまた祭司さいしにわ大庭おおにわおよびにわつくり、その青銅せいどうでおおった。

4:10 かれうみみや東南とうなんのすみにすえた。

4:11 ヒラムはまたつぼと十能じゅうのうはちとをつくった。こうしてヒラムはソロモンおうのため、かみみや工事こうじえた。

4:12 すなわち二ほんはしらたまと、はしらいただきにある二つの柱頭ちゅうとうと、はしらいただきにある柱頭ちゅうとうの二つのたまをおおう二つのあみ細工ざいくと、

4:13 その二つのあみ細工ざいくのためのざくろ四百、このざくろはおのおのあみ細工ざいくに二ならびにつけて、はしらいただきにある柱頭ちゅうとうの二つのたまいていた。

4:14 かれはまただいだいうえ洗盤せんばんと、

4:15 一つのうみとそのしたの十二のうし つくった。

4:16 つぼ、十能じゅうのうにくさしなどすべてこれらの器物うつわものを、達人たつじんヒラムはソロモンおうのため、しゅみやのために、ひかりのある青銅せいどうつくった。

4:17 おうはヨルダンの低地ていちで、スコテとゼレダのあいだ粘土ねんどでこれをた。

4:18 このようにソロモンはこれらのすべての器物うつわもの非常ひじょうおおつくったので、その青銅せいどう重量じゅうりょうは、はかることができなかった。

4:19 こうしてソロモンはかみみやのすべての器物うつわものつくった。すなわちきん祭壇さいだんと、そなえのパンをせるつくえ

4:20 またさだめのように本殿ほんでんまえをともす純金じゅんきん燭台しょくだいと、そのともしびさら つくった。

4:21 そのはな、ともしびさらこころかきはせいきんであった。

4:22 また心切しんきりばさみ、はちこうはい心取しんとざら純金じゅんきんであった。またみや、すなわち至聖所しせいじょ内部ないぶおよび拝殿はいでんのひじつぼはきんであった。 

第5章 

5:1 こうしてソロモンはしゅみやのためにしたすべての工事こうじおわった。そしてソロモンはちちダビデがささげたもの、すなわち金銀きんぎんおよびもろもろの器物うつわものたずさえてってかみみや宝蔵ほうぞうおさめた。

5:2 ソロモンはしゅ契約けいやくはこをダビデのまちシオンからかつぎのぼろうとして、イスラエルの長老ちょうろうたちと、すべての部族ぶぞくのかしらたちと、イスラエルの人々ひとびと氏族しぞくちょうたちをエルサレムにあつめた。

5:3 イスラエルの人々ひとびとみながつまつりおうのもとにあつまった。

5:4 イスラエルの長老ちょうろうたちがみなきたので、レビびとたちははこげた。

5:5 かれらははこと、会見かいけん幕屋まくやと、幕屋まくやにあるすべてせいなるうつわをかつぎのぼった。すなわち祭司さいしとレビびとがこれらのものをかつぎのぼった。

5:6 ソロモンおうおよびかれのもとにあつまったイスラエルの会衆かいしゅうみなはこまえひつじうしをささげたが、そのかずおおくて、調しらべることもかぞえることもできなかった。

5:7 こうして祭司さいしたちはしゅ契約けいやくはこをその場所ばしょにかつぎれ、みや本殿ほんでんである至聖所しせいじょのうちのケルビムのつばさしたいた。

5:8 ケルビムはつばさはこところうえべていたので、ケルビムはうえからはことそのさおをおおった。

5:9 さおはながかったので、さおのはし本殿ほんでんまえ聖所せいじょからえた。しかし外部がいぶにはえなかった。さおは今日こんにちまでそこにある。

5:10 はこうちには二まいいたのほかなにもなかった。これはイスラエルの人々ひとびとがエジプトからたとき、しゅかれらと契約けいやくむすばれ、モーセがホレブでそれをおさめたものである。

5:11 そして祭司さいしたちが聖所せいじょからたとき(ここにいた祭司さいしたちはみな、そのくみじゅんにかかわらずきよめた。

5:12 またレビびとのうたうたうもの、すなわちアサフ、ヘマン、エドトンおよびかれらのたちと兄弟きょうだいたちはみな亜麻あまぬの、シンバルと、立琴たてごとと、ことをとって祭壇さいだんひがしち、百二十にん祭司さいしかれらと一緒いっしょってラッパをいた。

5:13 ラッパものうたうたうものとは、ひとりのようにこえわせてしゅをほめ、感謝かんしゃした)、そしてかれらがラッパと、シンバルとその楽器がっきをもってこえをふりあげ、しゅをほめて

しゅめぐみあり、そのあわれみはとこしえにえることがない」
ったとき、くもはそのみやすなわちしゅみやちた。

5:14 祭司さいしたちはくものゆえにってつとめをすることができなかった。しゅ栄光えいこうかみみやちたからである。 

第6章 

6:1 そこでソロモンはった、

しゅはみずからくもなかまおうとわれた。

6:2 しかしわたしはあなたのためにたかいえとこしえのみすまいをてた」。

6:3 そしておうかおをふりけてイスラエルのぜん会衆かいしゅう祝福しゅくふくした。そのときイスラエルのぜん会衆かいしゅうっていた。

6:4 かれった、「イスラエルのかみしゅはほむべきかな。しゅくちをもってわがちちダビデに約束やくそくされたことを、そのをもってなしげられた。すなわちしゅわれた、

6:5 『わがたみをエジプトのからみちびしたから、わたしはわがくべきいえてるために、イスラエルのもろもろの部族ぶぞくのうちから、どのまちをもえらんだことがなく、またのだれをもわがたみイスラエルのきみとしてえらんだことがない。

6:6 わがくために、ただエルサレムだけをえらび、またわがたみイスラエルをおさめさせるために、ただダビデだけをえらんだ』。

6:7 イスラエルのかみしゅのためにいえてることは、ちちダビデのこころにあった。

6:8 しかししゅちちダビデにわれた、『わたしののためにいえてることはあなたのこころにあった。あなたのこころにこのことのあったのは結構けっこうである。

6:9 しかしあなたはそのいえててはならない。あなたのこしからるあなたのがわたしののためにいえてるであろう』。

6:10 そしてしゅはそうわれた言葉ことばおこなわれた。すなわちわたしはちちダビデにかわってち、しゅわれたように、イスラエルのくらいし、イスラエルのかみしゅのためにいえてた。

6:11 わたしはまた、しゅがイスラエルの人々ひとびとむすばれたしゅ契約けいやくれたはこをそこにおさめた」。

6:12 ソロモンはイスラエルのぜん会衆かいしゅうまえしゅ祭壇さいだんまえって、べた。

6:13 ソロモンはさきにながさ五キュビト、はば五キュビト、たかさ三キュビトの青銅せいどうだいつくって、にわのまんなかにすえていたので、かれはそのうえち、イスラエルのぜん会衆かいしゅうまえでひざをかがめ、そのてんべて、

6:14 った、「イスラエルのかみしゅよ、てんにもにも、あなたのようなかみはありません。あなたは契約けいやくまもられ、こころをつくしてあなたのまえあゆむあなたのしもべらに、いつくしみをほどこし、

6:15 あなたのしもべ、わたしのちちダビデに約束やくそくされたことをまもられました。あなたがくちをもって約束やくそくされたことを、をもってなしげられたことは、今日こんにちるとおりであります。

6:16 それゆえ、イスラエルのかみしゅよ、あなたのしもべ、わたしのちちダビデに、あなたが約束やくそくして、『おまえがわたしのまえあゆんだように、おまえの子孫しそんがそのみちつつしんで、わたしのおきてにあゆむならば、おまえにはイスラエルのくらいするひとがわたしのまえ けることはない』とわれたことを、ダビデのためにおまもりください。

6:17 それゆえ、イスラエルのかみしゅよ、どうぞ、あなたのしもべダビデにわれた言葉ことば確認かくにんしてください。

6:18 しかしかみは、はたしてひととも地上ちじょうまわれるでしょうか。よ、てんも、いとたかてんもあなたをいれることはできません。わたしのてたこのいえなどなおさらです。

6:19 しかしわがかみしゅよ、しもべのいのりねがいをかえりみて、しもべがあなたのまえにささげるさけびといのりをおきください。

6:20 どうぞ、あなたのひるよるもこのいえに、すなわち、あなたのをそこにくとわれたところかっておひらきください。どうぞ、しもべがこのところかってささげるいのりをおきください。

6:21 どうぞ、しもべと、あなたのたみイスラエルがこのところかっていのときに、そのねがいをおきください。あなたのすみかであるてんからき、いておゆるしください。

6:22 もしひとがそのとなびとたいしてつみおかし、ちかいをすることをもとめられるとき、てこのみやで、あなたの祭壇さいだんまえちかうならば、

6:23 あなたはてんからいて、おこない、あなたのしもべらをさばき、悪人あくにんむくいをなして、そのおこないのむくいをそのこうべにし、義人ぎじんとして、そのにしたがってそのひとむくいてください。

6:24 もしあなたのたみイスラエルが、あなたにたいしてつみおかしたために、てきまえやぶれたとき、あなたにかえって、あなたのをあがめ、このみやであなたのまえいのねがうならば、

6:25 あなたはてんからき、あなたのたみイスラエルのつみをゆるして、あなたがかれらとその先祖せんぞあたえられたかれらをかえらせてください。

6:26 もしかれらがあなたにつみおかしたために、てんざされて、あめがなく、あなたがかれらをくるしめられるとき、かれらがこのところかっていのり、あなたのをあがめ、そのつみはなれるならば、

6:27 あなたはてんにあってき、あなたのしもべ、あなたのたみイスラエルのつみをゆるして、かれらにあゆむべきみちおしえ、あなたのたみぎょうとしてたまわったあめらせてください。

6:28 もしくににききんがあるか、もしくは疫病えきびょうれ、くさ、いなご、青虫あおむしがあるか、またはてきのためにまちもんなかかこまれることがあるか、どんな災害さいがい、どんな病気びょうきがあっても、

6:29 もし、ひとりか、あるいはあなたのたみイスラエルがみなおのおのそのこころなやみをって、このみやかい、べるならば、どんないのり、どんなねがいでも、

6:30 あなたはそのすみかであるてんからいてゆるし、おのおののひとに、そのこころっておられるゆえ、そのすべてのみちにしたがってむくいてください。ただあなただけがすべてのひとこころっておられるからです。

6:31 あなたがわれわれの先祖せんぞたちにたまわったに、かれらのきながらえるあいだつねにあなたをおそれさせ、あなたのみちあゆませてください。

6:32 またあなたのたみイスラエルのものでなく、他国たこくじんで、あなたのおおいなると、つよと、べたうでのためにとおくにからて、このみやかっていのるならば、

6:33 あなたは、あなたのすみかであるてんからき、すべて他国たこくじんがあなたにもとめるようにしてください。そうすればのすべてのたみはあなたのたみイスラエルのように、あなたのり、あなたをおそれ、またわたしがてたこのみやが、あなたのによってばれることをるにいたるでしょう。

6:34 あなたのたみてきたたかうために、あなたがつかわされるみちによってるとき、もしかれらがあなたのえらばれたこのまちと、わたしがあなたののためにてたこのみやかってあなたにいのるならば、

6:35 あなたはてんからかれらのいのりねがいとをいてかれらをおたすけください。

6:36 かれらがあなたにたいしてつみおかすことがあって、――つみおかさないひとはないゆえ、――あなたがかれらをいかって、てきにわたし、てきかれらを捕虜ほりょとしてとおあるいはちかいてくとき、

6:37 もし、かれらがとらわれてったで、みずからかえりみてい、そのとらわれのであなたにねがい、『われわれはつみおかし、よこしまなことをし、あくおこないました』とい、

6:38 そのとらわれのこころをつくし、精神せいしんをつくしてあなたにかえり、あなたがかれらの先祖せんぞあたえられた、あなたがえらばれたまち、わたしがあなたののためにてたこのみやかっていのるならば、

6:39 あなたのすみかであるてんから、かれらのいのりねがいとをいてかれらをたすけ、あなたにかってつみおかしたあなたのたみをおゆるしください。

6:40 わがかみよ、どうぞ、このところでささげるいのりにあなたのひらき、あなたのみみかたむけてください。

6:41 しゅなるかみよ、いまあなたと、あなたのちからはこって、あなたの安息所あんそくじょにおはいりください。しゅなるかみよ、どうぞあなたの祭司さいしたちにすくいころもせ、あなたの聖徒せいとたちにめぐみをよろこばせてください。

6:42 しゅなるかみよ、どうぞあなたのあぶらそそがれたものかお退しりぞけないでください。あなたのしもべダビデにしめされたいつくしみをおぼえてください」。 

第7章 

7:1 ソロモンがいのおわったとき、てんからくだって燔祭はんさい犠牲ぎせいき、しゅ栄光えいこうみやちた。

7:2 しゅ栄光えいこうしゅみやちたので、祭司さいしたちはしゅみやに、はいることができなかった。

7:3 イスラエルの人々ひとびとはみなくだったのを、またしゅ栄光えいこうみやのぞんだのをて、敷石しきいしうえにひれしてはいし、しゅ感謝かんしゃしてった、

しゅめぐみふかく、そのいつくしみはとこしえにえることがない」。

7:4 そしておうたみみなしゅまえ犠牲ぎせいをささげた。

7:5 ソロモンおうのささげた犠牲ぎせいは、うし二万二千とうひつじ十二万とうであった。こうしておうたみみなかみみやをささげた。

7:6 祭司さいしはそのち、レビびともしゅ楽器がっきをとってった。その楽器がっきはダビデおうしゅ感謝かんしゃするためにつくったもので、ダビデがかれらのによってさんびをささげるとき、「そのいつくしみは、とこしえにえることがない」ととなえさせたものである。祭司さいしかれらのまえでラッパをき、すべてのイスラエルびとはっていた。

7:7 ソロモンはまたしゅみやまえにあるにわなか聖別せいべつし、そのところで、燔祭はんさい酬恩祭しゅうおんさいのあぶらをささげた。これはソロモンがつくった青銅せいどう祭壇さいだんが、その燔祭はんさい素祭そさいとあぶらとをせるにりなかったからである。

7:8 そのときソロモンは七日なぬかあいだまつりおこなった。ハマテの入口いりぐちからエジプトのかわいたるまでのすべてのイスラエルびとがかれともにあり、非常ひじょうおおきな会衆かいしゅうであった。

7:9 そして八せいかいひらいた。かれらは七日なぬかあいだ祭壇さいだん奉献ほうけんれいおこない、七日なぬかあいだまつりおこなったが、

7:10 七がつ二十三にちいたってソロモンはたみをその天幕てんまくかえらせた。みなしゅがダビデ、ソロモンおよびそのたみイスラエルにほどこされためぐみのためによろこび、かつこころたのしんでった。

7:11 こうしてソロモンはしゅいえおういえとをつくえた。すなわちかれしゅいえ自分じぶんいえについて、しようと計画けいかくしたすべてのこと首尾しゅびよくなしげた。

7:12 ときしゅよるソロモンにあらわれてわれた、「わたしはあなたのいのりき、このところをわたしのためにえらんで、犠牲ぎせいをささげるいえとした。

7:13 わたしがてんじてあめをなくし、またはわたしがいなごにめいじてものわせ、または疫病えきびょうたみなかおくるとき、

7:14 わたしのをもってとなえられるわたしのたみが、もしへりくだり、いのって、わたしのかおもとめ、そのわるみちはなれるならば、わたしはてんからいて、そのつみをゆるし、そのをいやす。

7:15 いまこのところにささげられるいのりにわたしのひらき、みみかたむける。

7:16 いまわたしはわたしのをながくここにとどめるために、このみやえらび、かつ聖別せいべつした。わたしのとわたしのこころつねにここにある。

7:17 あなたがもしちちダビデのあゆんだようにわたしのまえあゆみ、わたしがめいじたとおりにすべてって、わたしのさだめとおきてとをまもるならば、

7:18 わたしはあなたのちちダビデに契約けいやくして『イスラエルをおさめるひとはあなたにけることがない』とったとおりに、あなたのおうくらいかたくする。

7:19 しかし、あなたがたがもしひるがえって、わたしがあなたがたのまえいたさだめといましめとをて、って神々かみがみつかえ、それをおがむならば、

7:20 わたしはあなたがたをわたしのあたえたからり、またわたしののために聖別せいべつしたこのみやをわたしのまえからてて、もろもろのたみのうちにことわざとし、わらぐさとする。

7:21 またこのみやたかいけれども、ついには、そのかたわらをぎるものみなおどろいて、『なにゆえしゅはこのと、このみやとにこのようにされたのか』とうであろう。

7:22 そのとき人々ひとびとこたえて『かれらはその先祖せんぞたちをエジプトのからみちびしたかれらのかみしゅてて、神々かみがみにつきしたがい、それをおがみ、それにつかえたために、しゅはこのすべてのわざわいかれらのうえくだしたのである』とうであろう」。 

第8章 

8:1 ソロモンは二十ねんて、しゅいえ自分じぶんいえとをおわった。

8:2 またソロモンはヒラムからおくられた町々まちまちなおして、そこにイスラエルの人々ひとびとませた。

8:3 ソロモンはまたハマテ・ゾバをめて、これをった。

8:4 かれはまた荒野あらのにタデモルをて、もろもろのくらまちをハマテにてた。

8:5 また城壁じょうへきもんかんのある堅固けんごまちうえベテホロンとしたベテホロンをてた。

8:6 ソロモンはまたバアラテと自分じぶんのもっていたすべてのくらまちと、すべての戦車せんしゃまちと、騎兵きへいまち、ならびにエルサレム、レバノンおよび自分じぶんおさめるぜん地方ちほうてようとのぞんだものを、ことごとくてた。

8:7 すべてイスラエルの子孫しそんでないヘテびと、アモリびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとののこったたみ

8:8 そのにあってかれらのあとにのこったその子孫しそん、すなわちイスラエルの子孫しそんほろぼしつくさなかったたみに、ソロモンは強制きょうせい徴募ちょうぼをおこなって今日こんにちおよんでいる。

8:9 しかし、イスラエルの人々ひとびとをソロモンはその工事こうじのためには、ひとりも奴隷どれいとしなかった。かれらは兵士へいしとなり、将校しょうこうとなり、戦車せんしゃと、騎兵きへいちょうとなった。

8:10 これらはソロモンおうのおもな官吏かんりで、二百五十にんあり、たみおさめた。

8:11 ソロモンはパロのむすめをダビデのまちからのぼって、彼女かのじょのためにてたいえれてった、「しゅはこむかえたところ神聖しんせいであるから、わたしのつまはイスラエルのおうダビデのいえんではならない」。

8:12 ソロモンはろうまえきずいておいたしゅ祭壇さいだんうえしゅ燔祭はんさいをささげた。

8:13 すなわちモーセの命令めいれいしたがって、毎日まいにちさだめのようにささげ、安息日あんそくにち新月しんげつおよびねんに三まつり、すなわちたねれぬパンのまつり、七しゅうまつり仮庵かりいおまつりにこれをささげた。

8:14 ソロモンは、そのちちダビデのおきてにしたがって、祭司さいしくみさだめてそのしょくにんじ、またレビびとをそのつとめににんじて、毎日まいにちさだめのように祭司さいしまえでさんびと奉仕ほうしをさせ、またもんまもものに、そのくみにしたがって、もろもろのもんまもらせた。これはかみひとダビデがこのようにめいじたからである。

8:15 祭司さいしとレビびとはすべてのことにつき、またくらことについて、おう命令めいれいにそむかなかった。

8:16 このようにソロモンは、しゅみやもといをすえたからこれをなしえたときまで、その工事こうじ準備じゅんびをことごとくなしたので、しゅみや完成かんせいした。

8:17 それからソロモンはエドムのうみべにあるエジオン・ゲベルおよびエロテへった。

8:18 ときにヒラムはそのしもべどものによって船団せんだんかれおくり、またうみことになれたしもべどもをつかわしたので、かれらはソロモンのしもべらとともにオフルへき、そこからきん四百五十タラントをって、これをソロモンおうのもとにたずさえてきた。 

第9章 

9:1 シバの女王じょおうはソロモンの名声めいせいいたので、難問なんもんをもってソロモンをこころみようと、非常ひじょうおおくの従者じゅうしゃれ、香料こうりょう非常ひじょうにたくさんのきん宝石ほうせきとをらくだにわせて、エルサレムのソロモンのもとにて、そのこころにあることをことごとくかれげた。

9:2 ソロモンは彼女かのじょのすべてのといこたえた。ソロモンがらないで彼女かのじょ説明せつめいのできないことは一つもなかった。

9:3 シバの女王じょおうはソロモンの知恵ちえと、かれてたいえ

9:4 またその食卓しょくたく食物しょくもつと、列座れつざ家来けらいたちと、その侍臣じしんたちの伺候しこうりとかれらの服装ふくそう、およびかれ給仕きゅうじたちとその服装ふくそう、ならびにかれしゅみやでささげる燔祭はんさいて、まったうばわれてしまった。

9:5 彼女かのじょおうった、「わたしがくにであなたのことと、あなたの知恵ちえについていたうわさは真実しんじつでした。

9:6 しかしわたしはるまでは、そのうわさをしんじませんでしたが、今見いまみると、あなたの知恵ちえおおいなることはその半分はんぶんもわたしにらされませんでした。あなたはわたしのいたうわさにまさっています。

9:7 あなたの奥方おくがたたちはさいわいです。つねにあなたのまえって、あなたの知恵ちえくこのあなたの家来けらいたちはさいわいです。

9:8 あなたのかみしゅはほむべきかな。しゅはあなたをよろこび、あなたをそのくらいにつかせ、あなたのかみしゅのためにおうとされました。あなたのかみはイスラエルをあいして、とこしえにこれをかたくするために、あなたをそのおうとされ、公道こうどう正義せいぎおこなわれるのです」。

9:9 そして彼女かのじょきん百二十タラント、および非常ひじょうおおくの香料こうりょう宝石ほうせきとをおうおくった。シバの女王じょおうがソロモンにおくったような香料こうりょうは、いまだかつてなかった。

9:10 オフルからきんたずさえてたヒラムのしもべたちとソロモンのしもべたちはまた、びゃくだんの宝石ほうせきをもたずさえてた。

9:11 おうはそのびゃくだんので、しゅみやおういえとに階段かいだんつくり、またうたうたうもののためにこと立琴たてごと つくった。このようなものはかつてユダのたことがなかった。

9:12 ソロモンおうは、シバの女王じょおうおくったものむくいたほかに、彼女かのじょのぞみにまかせて、すべてそのもとめるものをおくった。そして彼女かのじょはその家来けらいたちととも自分じぶんくにかえってった。

9:13 さて一ねんあいだにソロモンのところにはいってきん目方めかたは六百六十六タラントであった。

9:14 このほかに貿易ぼうえきしょうおよび商人しょうにんたずさえてたものがあった。またアラビヤのすべてのおうたちおよびくに代官だいかんたちも金銀きんぎんをソロモンにたずさえてきた。

9:15 ソロモンおう延金のべきん大盾おおだて二百をつくった。その大盾おおだてにはおのおの六百シケルの延金のべきんもちいた。

9:16 また延金のべきん小盾こだて三百をつくった。小盾こだてにはおのおの三百シケルのきんもちいた。おうはこれらをレバノンのもりいえいた。

9:17 おうはまたおおきな象牙ぞうげ玉座ぎょくざつくり、純金じゅんきんでこれをおおった。

9:18 その玉座ぎょくざには六つのだんがあり、またきんあしだいがあってとも玉座ぎょくざにつらなり、そのするところ両方りょうほうに、ひじかけがあって、ひじかけのわきに二つのししがっていた。

9:19 また十二のししが六つのだんのおのおのの両側りょうがわっていた。このようなものはどこのくにでもつくられたことがなかった。

9:20 ソロモンおうむときにもちいたうつわはみなきんであった。またレバノンのもりいえうつわもみな純金じゅんきんであって、ぎんはソロモンのにはたっとばれなかった。

9:21 これはおうふねがヒラムのしもべたちをせてタルシシへき、三ねんごとに一、そのタルシシのふねきんぎん象牙ぞうげ、さる、くじゃくをせてたからである。

9:22 このようにソロモンおうとみ知恵ちえにおいて、のすべてのおうにまさっていたので、

9:23 のすべてのおうかみがソロモンのこころさづけられた知恵ちえこうとしてソロモンに謁見えっけんもとめた。

9:24 人々ひとびとはおのおのおくものたずさえてきた。すなわちぎんうつわきんうつわ衣服いふく没薬もつやく香料こうりょううま騾馬らばなど年々ねんねんさだまっていた。

9:25 ソロモンはうま戦車せんしゃのために馬屋うまや四千と騎兵きへい一万二千をち、これを戦車せんしゃまちき、またエルサレムのおうのもとにいた。

9:26 かれはユフラテかわからペリシテびとのと、エジプトのさかいいたるまでのすべてのおうおさめた。

9:27 おうはまたぎんいしのようにエルサレムにおおくし、香柏こうはく平野へいやのいちじくくわのようにおおくした。

9:28 また人々ひとびとはエジプトおよび諸国しょこくからうまをソロモンのために輸入ゆにゅうした。

9:29 ソロモンのそのほかの始終しじゅう行為こういは、預言者よげんしゃナタンのしょと、シロびとアヒヤの預言よげんと、先見者せんけんしゃイドがネバテのヤラベアムについてべた黙示もくしのなかに、しるされているではないか。

9:30 ソロモンはエルサレムで四十ねんあいだイスラエルのぜんおさめた。

9:31 ソロモンはその先祖せんぞたちとともねむって、ちちダビデのまちほうむられ、そのレハベアムがかわっておうとなった。 

第10章 

10:1 レハベアムはシケムへった。すべてのイスラエルびとがかれおうにしようとシケムへったからである。

10:2 ネバテのヤラベアムは、ソロモンをけてエジプトにのがれていたが、これをいてエジプトからかえったので、

10:3 人々ひとびとひとをつかわしてかれまねいた。そこでヤラベアムとすべてのイスラエルはて、レハベアムにった、

10:4 「あなたのちちは、われわれのくびきをおもくしましたが、いまあなたのちちのきびしい使役しえきと、あなたのちちが、われわれにわせたおもいくびきをかるくしてください。そうすればわたしたちはあなたにつかえましょう」。

10:5 レハベアムはかれらにこたえた、「三のち、またわたしのところなさい」。それでたみった。

10:6 レハベアムおうちちソロモンの存命ぞんめいちゅうソロモンにつかえた長老ちょうろうたちに相談そうだんしてった、「あなたがたはこのたみにどう返答へんとうすればよいとおもいますか」。

10:7 かれらはレハベアムにった、「あなたがもしこのたみ親切しんせつにあつかい、かれらをよろこばせ、ねんごろにかたられるならばかれらはながくあなたのしもべとなるでしょう」。

10:8 しかしかれ長老ちょうろうたちがあたえたすすめをすてて、自分じぶん一緒いっしょおおきくなって自分じぶんつかえている若者わかものたちに相談そうだんして、

10:9 かれらにった、「あなたがたは、このたみがわたしにかって、『あなたの父上ちちうえが、われわれにわせたくびきをかるくしてください』とうのに、われわれはなんと返答へんとうすればよいとおもいますか」。

10:10 かれ一緒いっしょおおきくなった若者わかものたちはかれった、「あなたにかって、『あなたのちちは、われわれのくびきをおもくしたが、あなたは、それをわれわれのためにかるくしてください』とったこのたみに、こういなさい、『わたしの小指こゆびちちこしよりもふとい、

10:11 ちちはあなたがたにおもいくびきをわせたが、わたしはさらに、あなたがたのくびきをおもくしよう。ちちはむちであなたがたをらしたが、わたしはさそりであなたがたをらそう』」。

10:12 さてヤラベアムとたみみなおうが「三にわたしのところになさい」とったとおりに、三にレハベアムのところへった。

10:13 おう荒々あらあらしくかれらにこたえた。すなわちレハベアムおう長老ちょうろうたちのすすめをすて、

10:14 若者わかものたちのすすめにしたがい、かれらにげてった、「ちちはあなたがたのくびきをおもくしたが、わたしはさらにこれをおもくしよう。ちちはむちであなたがたをらしたが、わたしはさそりであなたがたをらそう」。

10:15 このようにおうたみうことをきいれなかった。これはしゅが、かつてシロびとアヒヤによって、ネバテのヤラベアムにわれた言葉ことば成就じょうじゅするために、かみがなされたのであった。

10:16 イスラエルの人々ひとびとみなおう自分じぶんたちのうことをきいれないのをたので、たみおうこたえてった、

「われわれはダビデのうちになにぶんがあろうか。われわれはエッサイののうちにぎょうがない。イスラエルよ、めいめいの天幕てんまくかえれ。ダビデよ、いまあなたのいえよ」。
そしてイスラエルはみなかれらの天幕てんまくってった。

10:17 しかしレハベアムはユダの町々まちまちんでいるイスラエルの人々ひとびとおさめた。

10:18 レハベアムおう徴募ちょうぼにん監督かんとくであったアドラムをつかわしたが、イスラエルの人々ひとびといしかれころしたので、レハベアムおういそいでくるまり、エルサレムにげた。

10:19 こうしてイスラエルはダビデのいえにそむいて今日こんにちいたった。 

第11章 

11:1 レハベアムはエルサレムにて、ユダとベニヤミンのいえもの、すなわち、えりきの軍人ぐんじん十八万にんあつめ、くにりもどすためにイスラエルとたたかおうとしたが、

11:2 しゅ言葉ことばかみひとシマヤにのぞんでった、

11:3 「ソロモンの、ユダのおうレハベアムおよびユダとベニヤミンにいるすべてのイスラエルの人々ひとびといなさい、

11:4 『しゅはこうおおせられる、あなたがたはのぼってはならない。あなたがたの兄弟きょうだいたたかってはならない。おのおの自分じぶんいえかえりなさい。このことはわたしからたのである』」。それで人々ひとびとしゅ言葉ことばき、ヤラベアムをめにくのをやめてかえった。

11:5 レハベアムはエルサレムにんで、ユダに防衛ぼうえい町々まちまちてた。

11:6 すなわちベツレヘム、エタム、テコア、

11:7 ベテズル、ソコ、アドラム、

11:8 ガテ、マレシャ、ジフ、

11:9 アドライム、ラキシ、アゼカ、

11:10 ゾラ、アヤロン、およびヘブロン。これらはユダとベニヤミンにあって要害ようがい町々まちまちである。

11:11 かれはその要害ようがい堅固けんごにし、これにぐんちょうき、糧食りょうしょくあぶらとぶどうしゅをたくわえ、

11:12 またそのすべてのまちたてとやりをそなえて、これを非常ひじょう強化きょうかし、そしてユダとベニヤミンを確保かくほした。

11:13 イスラエルのぜん祭司さいしとレビびとは四方しほうさかいからてレハベアムにせた。

11:14 すなわちレビびとは自分じぶん放牧ほうぼく領地りょうちはなれてユダとエルサレムにた。これはヤラベアムとそのらがかれらを排斥はいせきして、しゅまえ祭司さいしつとめをさせなかったためである。

11:15 ヤラベアムはたかところと、みだらなかみと、自分じぶんつくったうしのために自分じぶん祭司さいしてた。

11:16 またイスラエルのすべての部族ぶぞくのうちで、すべてそのこころかたむけて、イスラエルのかみしゅもとめるもの先祖せんぞかみしゅ犠牲ぎせいをささげるために、レビびとにしたがってエルサレムにた。

11:17 このようにかれらはユダのくにかたくし、ソロモンのレハベアムを三ねんあいだつよくした。かれらは三ねんあいだダビデとソロモンのみちあゆんだからである。

11:18 レハベアムはダビデのエレモテのむすめマハラテをつまにめとった。マハラテはエッサイのエリアブのむすめアビハイルがんだものである。

11:19 彼女かのじょはエウシ、シマリヤおよびザハムの三んだ。

11:20 かれはまた彼女かのじょのちにアブサロムのむすめマアカをめとった。マアカはアビヤ、アッタイ、ジザおよびシロミテをんだ。

11:21 レハベアムはアブサロムのむすめマアカをすべてのつまとそばめにまさってあいした。かれつま十八にん、そばめ六十にんをめとって、おとこ二十八にんおんな六十にんをもうけた。

11:22 レハベアムはマアカのアビヤをててかしらとし、その兄弟きょうだいちょうとした。かれはアビヤをおうにしようとおもったからである。

11:23 それでおうかしこくとりおこない、そのむすこたちをことごとく、ユダとベニヤミンのぜん地方ちほうにあるすべての要害ようがいまち散在さんざいさせ、かれらに糧食りょうしょくおおあたえ、またおおくのつまさせた。 

第12章 

12:1 レハベアムはそのくにかたち、つよくなるにおよんで、しゅのおきてをてた。イスラエルもみなかれにならった。

12:2 かれらがこのようにしゅかってつみおかしたので、レハベアムおうの五ねんにエジプトのおうシシャクがエルサレムにのぼってきた。

12:3 その戦車せんしゃは一千二百、騎兵きへいは六万、またかれしたがってエジプトからたみ、すなわちリビアびと、スキびと、エチオピヤびとは無数むすうであった。

12:4 シシャクはユダの要害ようがい町々まちまちり、エルサレムにせまってた。

12:5 そこで預言者よげんしゃシマヤは、レハベアムおよびシシャクのゆえに、エルサレムにあつまったユダのつかさたちのもとにきてった、「しゅはこうおおせられる、『あなたがたはわたしをてたので、わたしもあなたがたをててシシャクにわたした』と」。

12:6 そこでイスラエルのつかさたち、およびおうはへりくだって、「しゅただしい」とった。

12:7 しゅかれらのへりくだるのをられたので、しゅ言葉ことばがシマヤにのぞんでった、「かれらがへりくだったから、わたしはかれらをほろぼさないで、もなくすくいほどこす。わたしはシシャクのによって、いかりをエルサレムにそそぐことをしない。

12:8 しかしかれらはシシャクのしもべになる。これはかれらがわたしにつかえることと、国々くにぐにおうたちにつかえることとの相違そういるためである」。

12:9 エジプトのおうシシャクはエルサレムにめのぼって、しゅみや宝物ほうもつと、おういえ宝物ほうもつとをうばった。すなわちそれらをことごとくうばり、またソロモンのつくったきんたてをもうばった。

12:10 それでレハベアムおうは、そのかわりに青銅せいどうたてつくって、おういえもんまも侍衛じえいちょうたちのわたした。

12:11 おうしゅみやにはいるごとに侍衛じえいて、これをい、またこれを侍衛じえいのへやへってかえった。

12:12 レハベアムがへりくだったのでしゅいかりはかれはなれ、かれをことごとくほろぼそうとはされなかった。またユダの事情じじょうもよくなった。

12:13 レハベアムおうはエルサレムで自分じぶん地位ちい確立かくりつし、おさめた。すなわちレハベアムは四十一さいのときくらいにつき、十七ねんあいだエルサレムでおさめた。エルサレムはしゅがそのくためにイスラエルのすべての部族ぶぞくのうちからえらばれたまちである。かれはははアンモンのおんなで、をナアマといった。

12:14 レハベアムはしゅもとめることにこころかたむけないで、わることおこなった。

12:15 レハベアムの始終しじゅう行為こういは、預言者よげんしゃシマヤおよび先見者せんけんしゃイドのしょにしるされているではないか。レハベアムとヤラベアムとのあいだにはえず戦争せんそうがあった。

12:16 レハベアムはその先祖せんぞたちとともねむって、ダビデのまちほうむられ、そのアビヤがかれかわっておうとなった。 

第13章 

13:1 ヤラベアムおうだい十八ねんにアビヤがユダのおうとなった。

13:2 かれは三ねんあいだエルサレムでおさめた。かれはははギベアのウリエルのむすめで、をミカヤといった。

13:3 ここにアビヤとヤラベアムとのあいだ戦争せんそうおこり、アビヤは四十万の精兵せいへいから勇敢ゆうかん軍勢ぐんぜいをもってたたかいにいで、ヤラベアムもだい勇士ゆうしからる八十万の精兵せいへいをもって、これにかってたたかいのそなえをした。

13:4 ときにアビヤはエフライムの山地さんちにあるゼマライムやまうえってった、「ヤラベアムおよびイスラエルの人々ひとびとみなけ。

13:5 あなたがたはイスラエルのかみしゅしお契約けいやくをもってイスラエルのくにをながくダビデとその子孫しそんたまわったことをらないのか。

13:6 ところがダビデのソロモンの家来けらいであるネバテのヤラベアムがって、その主君しゅくんにそむき、

13:7 またいやしい無頼ぶらいのともがらがあつまってかれにくみし、ソロモンのレハベアムにてきしたが、レハベアムはわかく、かつ意志いしよわくてこれにあたることができなかった。

13:8 いままた、あなたがたは大軍たいぐんをたのみ、またヤラベアムがつくって、あなたがたのかみとしたきんうしをたのんで、ダビデの子孫しそんにあるしゅくに敵対てきたいしようとしている。

13:9 またあなたがたはアロンの子孫しそんであるしゅ祭司さいしとレビびととをいだして、国々くにぐにたみがするように祭司さいしてたではないか。すなわちだれでもわか雄牛おうしとう雄羊おひつじとうたずさえてきて、自分じぶん聖別せいべつするものみなあのかみでないもの祭司さいしとすることができた。

13:10 しかしわれわれにおいては、しゅがわれわれのかみであって、われわれはかれてない。またしゅつかえる祭司さいしはアロンの子孫しそんであり、はたらきをなすものはレビびとである。

13:11 かれらはあさごとゆうごとにしゅ燔祭はんさいと、こうばしいこうをささげ、そなえのパンを純金じゅんきんつくえうえそなえ、またきん燭台しょくだいとそのともしびさらととのえて、ゆうごとにともすのである。このようにわれわれはわれわれのかみしゅつとめまもっているが、あなたがたはかれてた。

13:12 よ、かみはみずからわれわれとともにおられて、われわれのかしらとなられ、また、その祭司さいしたちはラッパをきならして、あなたがたをめる。イスラエルの人々ひとびとよ、あなたがたの先祖せんぞかみしゅてきしてたたかってはならない。あなたがたは成功せいこうしない」。

13:13 ヤラベアムは伏兵ふくへいかれらのうしろにまわらせたので、かれ軍隊ぐんたいはユダのまえにあり、伏兵ふくへいかれらのうしろにあった。

13:14 ユダはうしろをると、てきまえとうしろとにあったので、しゅかってばわり、祭司さいしたちはラッパをいた。

13:15 そこでユダの人々ひとびとはときのこえをあげた。ユダの人々ひとびとがときのこえをあげると、かみはヤラベアムとイスラエルの人々ひとびとをアビヤとユダのまえやぶられたので、

13:16 イスラエルの人々ひとびとはユダのまえからげた。かみかれらをユダのわたされたので、

13:17 アビヤとそのたみは、かれらをおびただしくころした。イスラエルのころされてたおれたものは五十万にんみな精兵せいへいであった。

13:18 このように、このときイスラエルの人々ひとびとかされ、ユダの人々ひとびとかちた。かれらがその先祖せんぞかみしゅたのんだからである。

13:19 アビヤはヤラベアムを追撃ついげきして数個すうこまちかれからった。すなわちベテルとその村里むらざと、エシャナとその村里むらざと、エフロンとその村里むらざとである。

13:20 ヤラベアムは、アビヤのにはふたたちからることができず、しゅたれてんだ。

13:21 しかしアビヤはつよくなり、つま十四にんをめとり、むすこ二十二にん、むすめ十六にんをもうけた。

13:22 アビヤのその行為こういすなわちその行動こうどう言葉ことばは、預言者よげんしゃイドの注釈ちゅうしゃくにしるされている。 

第14章 

14:1 アビヤはその先祖せんぞたちとともねむって、ダビデのまちほうむられ、そのアサがかわっておうとなった。アサの治世ちせいくには十ねんあいだおだやかであった。

14:2 アサはそのかみしゅしとえ、またただしとえることをおこなった。

14:3 かれことなる祭壇さいだんと、もろもろのたかところのぞき、石柱せきちゅうをこわし、アシラぞうたおし、

14:4 ユダにめいじてその先祖せんぞたちのかみしゅもとめさせ、おきてといましめとをおこなわせ、

14:5 ユダのすべての町々まちまちから、たかところこう祭壇さいだんとをのぞいた。そしてくにかれのもとにおだやかであった。

14:6 かれくにおだやかであったので、要害ようがいまち数個すうこをユダにてた。またしゅかれ平安へいあんたまわったので、このとしごろ戦争せんそうがなかった。

14:7 かれはユダにった、「われわれはこれらのまちて、その周囲しゅういいしがきをきずき、やぐらをて、もんかんもうけよう。われわれがわれわれのかみしゅもとめたので、このくにはなおわれわれのものであり、われわれがかれもとめたので、四方しほうにおいて、われわれに平安へいあんたまわった」。こうしてかれらはとどこおりなくおわった。

14:8 アサの軍隊ぐんたいはユダからもの三十万にんあって、たてとやりをとり、ベニヤミンからもの二十八万にんあって、小盾こだてをとり、ゆみいた。これはみなだい勇士ゆうしであった。

14:9 エチオピヤびとゼラが、百万の軍隊ぐんたいと三百の戦車せんしゃひきいて、マレシャまでめてきた。

14:10 アサはて、これをむかえ、マレシャのゼパタのたにたたかいのそなえをした。

14:11 ときにアサはそのかみしゅかってばわってった、「しゅよ、ちからのあるものたすけることも、ちからのないものたすけることも、あなたにおいてはことなることはありません。われわれのかみしゅよ、われわれをおたすけください。われわれはあなたにたのみ、あなたのによってこの大軍たいぐんあたります。しゅよ、あなたはわれわれのかみです。どうぞひとをあなたにたせないでください」。

14:12 そこでしゅはアサのまえとユダのまえでエチオピヤびとをやぶられたので、エチオピヤびとはった。

14:13 アサとかれしたがたみかれらをゲラルまで追撃ついげきしたので、エチオピヤびとはたおれて、のこったものはひとりもなかった。しゅしゅ軍勢ぐんぜいまえやぶられたからである。ユダの人々ひとびとたぶんどりもの非常ひじょうおおかった。

14:14 かれらはまた、ゲラルの周囲しゅうい町々まちまちをことごとくやぶった。しゅおそれがかれらのうえのぞんだからである。そしてかれらはそのすべてのまちをかすめうばった。そのうちおおくのものがあったからである。

14:15 また家畜かちくをもっているもの天幕てんまくおそい、おおくのひつじとらくだをうばって、エルサレムにかえった。