口語訳聖書(振り仮名付き)

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ヨハネによる福音ふくいんしょ

第11章    Jh-Audio 

11:1 さて、ひとりの病人びょうにんがいた。ラザロといい、マリヤとその姉妹しまいマルタのむらベタニヤのひとであった。

11:2 このマリヤはしゅ香油こうゆをぬり、自分じぶんかみで、しゅあしをふいたおんなであって、病気びょうきであったのは、彼女かのじょ兄弟きょうだいラザロであった。

11:3 姉妹しまいたちはひとをイエスのもとにつかわして、「しゅよ、ただいま、あなたがあいしておられるもの病気びょうきをしています」とわせた。

11:4 イエスはそれをいてわれた、「この病気びょうきぬほどのものではない。それはかみ栄光えいこうのため、また、かみがそれによって栄光えいこうけるためのものである」。

11:5 イエスは、マルタとその姉妹しまいとラザロとをあいしておられた。

11:6 ラザロが病気びょうきであることをいてから、なおふつか、そのおられたところ滞在たいざいされた。

11:7 それから弟子でしたちに、「もう一ユダヤにこう」とわれた。

11:8 弟子でしたちはった、「先生せんせい、ユダヤじんらが、さきほどもあなたをいしころそうとしていましたのに、またそこにかれるのですか」。

11:9 イエスはこたえられた、「一にちには十二時間じかんあるではないか。昼間ひるまあるけば、ひとはつまずくことはない。このひかりているからである。

11:10 しかし、よるあるけば、つまずく。そのひとのうちに、ひかりがないからである」。

11:11 そうわれたが、それからまた、かれらにわれた、「わたしたちのともラザロが ねむっている。わたしはかれおこしにく」。

11:12 すると弟子でしたちはった、「しゅよ、ねむっているのでしたら、たすかるでしょう」。

11:13 イエスはラザロがんだことをわれたのであるが、弟子でしたちは、ねむってやすんでいることをさしてわれたのだとおもった。

11:14 するとイエスは、あからさまにかれらにわれた、「ラザロはんだのだ。

11:15 そして、わたしがそこにいあわせなかったことを、あなたがたのためによろこぶ。それは、あなたがたがしんじるようになるためである。では、かれのところにこう」。

11:16 するとデドモとばれているトマスが、仲間なかま弟子でしたちにった、「わたしたちもって、先生せんせい一緒いっしょのうではないか」。

11:17 さて、イエスがってごらんになると、ラザロはすでに四日間かかんはかなかかれていた。

11:18 ベタニヤはエルサレムにちかく、二十五ちょうばかりはなれたところにあった。

11:19 おおぜいのユダヤじんが、その兄弟きょうだいのことで、マルタとマリヤとをなぐさめようとしてきていた。

11:20 マルタはイエスがこられたといて、出迎でむかえにったが、マリヤはいえですわっていた。

11:21 マルタはイエスにった、「しゅよ、もしあなたがここにいてくださったなら、わたしの兄弟きょうだいななかったでしょう。

11:22 しかし、あなたがどんなことをおねがいになっても、かみはかなえてくださることを、わたしはいまでもぞんじています」。

11:23 イエスはマルタにわれた、「あなたの兄弟きょうだいはよみがえるであろう」。

11:24 マルタはった、「おわりののよみがえりのときよみがえることは、ぞんじています」。

11:25 イエスは彼女かのじょわれた、「わたしはよみがえりであり、いのちである。わたしをしんじるものは、たといんでもきる。

11:26 また、きていて、わたしをしんじるものは、いつまでもなない。あなたはこれをしんじるか」。

11:27 マルタはイエスにった、「しゅよ、しんじます。あなたがこのにきたるべきキリスト、かみ御子みこであるとしんじております」。

11:28 マルタはこうってから、かえって姉妹しまいのマリヤをび、「先生せんせいがおいでになって、あなたをんでおられます」と小声こごえった。

11:29 これをいたマリヤはすぐがって、イエスのもとにった。

11:30 イエスはまだむらに、はいってこられず、マルタがおむかえしたその場所ばしょにおられた。

11:31 マリヤと一緒いっしょいえにいて彼女かのじょなぐさめていたユダヤじんたちは、マリヤがいそいでがってくのをて、彼女かのじょはかきにくのであろうとおもい、そのあとからついてった。

11:32 マリヤは、イエスのおられるところっておにかかり、そのあしもとにひれしてった、「しゅよ、もしあなたがここにいてくださったなら、わたしの兄弟きょうだいななかったでしょう」。

11:33 イエスは、彼女かのじょき、また、彼女かのじょ一緒いっしょにきたユダヤじんたちもいているのをごらんになり、はげしく感動かんどうし、またこころさわがせ、そしてわれた、

11:34 「かれをどこにいたのか」。かれらはイエスにった、「しゅよ、きて、ごらんください」。

11:35 イエスはなみだながされた。

11:36 するとユダヤじんたちはった、「ああ、なんとかれあいしておられたことか」。

11:37 しかし、かれらのあるひとたちはった、「あの盲人もうじんをあけたこのひとでも、ラザロをなせないようには、できなかったのか」。

11:38 イエスはまたはげしく感動かんどうして、はかにはいられた。それは洞穴ほらあなであって、そこにいしがはめてあった。

11:39 イエスはわれた、「いしりのけなさい」。んだラザロの姉妹しまいマルタがった、「しゅよ、もうくさくなっております。四もたっていますから」。

11:40 イエスは彼女かのじょわれた、「もししんじるならかみ栄光えいこうるであろうと、あなたにったではないか」。

11:41 人々ひとびといしりのけた。すると、イエスはてんにむけてわれた、「ちちよ、わたしのねがいをおくださったことを感謝かんしゃします。

11:42 あなたがいつでもわたしのねがいをきいれてくださることを、よくっています。しかし、こうもうしますのは、そばにっている人々ひとびとに、あなたがわたしをつかわされたことを、しんじさせるためであります」。

11:43 こういながら、大声おおごえで「ラザロよ、てきなさい」とばわれた。

11:44 すると、死人しにん手足てあしぬのでまかれ、かおかおおおいでつつまれたまま、てきた。イエスは人々ひとびとわれた、「かれをほどいてやって、かえらせなさい」。

11:45 マリヤのところにきて、イエスのなさったことをおおくのユダヤじんたちは、イエスをしんじた。

11:46 しかし、そのうちの数人すうにんがパリサイびとたちのところにって、イエスのされたことをげた。

11:47 そこで、祭司長さいしちょうたちとパリサイびとたちとは、議会ぎかい召集しょうしゅうしてった、「このひとおおくのしるしをおこなっているのに、おたがいなにをしているのだ。

11:48 もしこのままにしておけば、みんながかれしんじるようになるだろう。そのうえ、ローマじんがやってきて、わたしたちの土地とち人民じんみんうばってしまうであろう」。

11:49 かれらのうちのひとりで、そのとし大祭司だいさいしであったカヤパが、かれらにった、「あなたがたは、なにもわかっていないし、

11:50 ひとりのひと人民じんみんかわってんで、全国民ぜんこくみんほろびないようになるのがわたしたちにとってだということを、かんがえてもいない」。

11:51 このことはかれ自分じぶんからったのではない。かれはこのとし大祭司だいさいしであったので、預言よげんをして、イエスが国民こくみんのために、

11:52 ただ国民こくみんのためだけではなく、また散在さんざいしているかみらを一つにあつめるために、ぬことになっていると、ったのである。

11:53 かれらはこのからイエスをころそうと相談そうだんした。

11:54 そのためイエスは、もはや公然こうぜんとユダヤじんあいだあるかないで、そこをて、荒野あらのちか地方ちほうのエフライムというまちかれ、そこに弟子でしたちと一緒いっしょ滞在たいざいしておられた。

11:55 さて、ユダヤじん過越すぎこしまつりちかづいたので、おおくの人々ひとびとをきよめるために、まつりまえに、地方ちほうからエルサレムへのぼった。

11:56 人々ひとびとはイエスをさがもとめ、みやにわってたがいった、「あなたがたはどうおもうか。イエスはこのまつりにこないのだろうか」。

11:57 祭司長さいしちょうたちとパリサイびとたちとは、イエスをとらえようとして、そのいどころをっているものがあればもうよ、という指令しれいしていた。 

第12章 

12:1 過越すぎこしまつりの六まえに、イエスはベタニヤにかれた。そこは、イエスが死人しにんなかからよみがえらせたラザロのいたところである。

12:2 イエスのためにそこで夕食ゆうしょく用意よういがされ、マルタは給仕きゅうじをしていた。イエスと一緒いっしょ食卓しょくたくについていたもののうちに、ラザロもくわわっていた。

12:3 そのとき、マリヤは高価こうか純粋じゅんすいなナルドの香油こうゆきんってきて、イエスのあしにぬり、自分じぶんかみでそれをふいた。すると、香油こうゆのかおりがいえにいっぱいになった。

12:4 弟子でしのひとりで、イエスを裏切うらぎろうとしていたイスカリオテのユダがった、

12:5 「なぜこの香油こうゆを三百デナリにって、まずしいひとたちに、ほどこさなかったのか」。

12:6 かれがこうったのは、まずしいひとたちにたいするおもいやりがあったからではなく、自分じぶん盗人ぬすびとであり、財布さいふあずかっていて、その中身なかみをごまかしていたからであった。

12:7 イエスはわれた、「このおんなのするままにさせておきなさい。わたしのほうむりののために、それをとっておいたのだから。

12:8 まずしいひとたちはいつもあなたがたとともにいるが、わたしはいつもともにいるわけではない」。

12:9 おおぜいのユダヤじんたちが、そこにイエスのおられるのをって、しよせてきた。それはイエスにうためだけではなく、イエスが死人しにんのなかから、よみがえらせたラザロをるためでもあった。

12:10 そこで祭司長さいしちょうたちは、ラザロもころそうと相談そうだんした。

12:11 それは、ラザロのことで、おおくのユダヤじんかれらをはなって、イエスをしんじるにいたったからである。

12:12 その翌日よくじつまつりにきていたおおぜいの群衆ぐんしゅうは、イエスがエルサレムにこられるといて、

12:13 しゅろのえだにとり、むかえにった。そしてさけんだ、

「ホサナ、しゅ御名みなによってきたるもの祝福しゅくふくあれ、イスラエルのおうに」。

12:14 イエスは、ろばのつけて、そのうえられた。それは

12:15 「シオンのむすめよ、おそれるな。よ、あなたのおうろばのっておいでになる」

いてあるとおりであった。

12:16 弟子でしたちははじめにはこのことをさとらなかったが、イエスが栄光えいこうけられたときに、このことがイエスについてかれてあり、またそのとおりに、人々ひとびとがイエスにたいしてしたのだということを、おもおこした。

12:17 また、イエスがラザロをはかからして、死人しにんなかからよみがえらせたとき、イエスと一緒いっしょにいた群衆ぐんしゅうが、そのあかしをした。

12:18 群衆ぐんしゅうがイエスをむかえにたのは、イエスがこのようなしるしをおこなわれたことを、いていたからである。

12:19 そこで、パリサイびとたちはたがいった、「なにをしてもむだだった。をあげてかれのあとをってったではないか」。

12:20 まつり礼拝れいはいするためにのぼってきた人々ひとびとのうちに、数人すうにんのギリシヤじんがいた。

12:21 かれらはガリラヤのベツサイダであるピリポのところにきて、「きみよ、イエスにおにかかりたいのですが」とってたのんだ。

12:22 ピリポはアンデレのところにってそのことをはなし、アンデレとピリポは、イエスのもとにってつたえた。

12:23 すると、イエスはこたえてわれた、「ひと栄光えいこうけるときがきた。

12:24 よくよくあなたがたにっておく。一つぶむぎちてななければ、それはただ一つぶのままである。しかし、もしんだなら、ゆたかにむすぶようになる。

12:25 自分じぶんいのちあいするものはそれをうしない、この自分じぶんいのちにくものは、それをたもって永遠えいえんいのちいたるであろう。

12:26 もしわたしにつかえようとするひとがあれば、そのひとはわたしにしたがってるがよい。そうすれば、わたしのおるところに、わたしにつかえるものもまた、おるであろう。もしわたしにつかえようとするひとがあれば、そのひとちちおもんじてくださるであろう。

12:27 いまわたしはこころさわいでいる。わたしはなんとおうか。ちちよ、このときからわたしをおすくください。しかし、わたしはこのために、このときいたったのです。

12:28 ちちよ、みがあがめられますように」。するとてんからこえがあった、「わたしはすでに栄光えいこうをあらわした。そして、さらにそれをあらわすであろう」。

12:29 すると、そこにっていた群衆ぐんしゅうがこれをいて、「かみなりがなったのだ」とい、ほかのひとたちは、「御使みつかいかれはなしかけたのだ」とった。

12:30 イエスはこたえてわれた、「このこえがあったのは、わたしのためではなく、あなたがたのためである。

12:31 いまはこのがさばかれるときである。いまこそこのきみされるであろう。

12:32 そして、わたしがこのからげられるときには、すべてのひとをわたしのところにきよせるであろう」。

12:33 イエスはこうって、自分じぶんがどんなほうのうとしていたかを、おしめしになったのである。

12:34 すると群衆ぐんしゅうはイエスにむかってった、「わたしたちは律法りっぽうによって、キリストはいつまでもきておいでになるのだ、といていました。それだのに、どうしてひとげられねばならないと、われるのですか。そのひととは、だれのことですか」。

12:35 そこでイエスはかれらにわれた、「もうしばらくのあいだひかりはあなたがたと一緒いっしょにここにある。ひかりがあるあいだあるいて、やみにいつかれないようにしなさい。やみのなかあるものは、自分じぶんがどこへくのかわかっていない。

12:36 ひかりのあるあいだに、ひかりとなるために、ひかりしんじなさい」。

イエスはこれらのことをはなしてから、そこをって、かれらからをおかくしになった。

12:37 このようにおおくのしるしをかれらのまえでなさったが、かれらはイエスをしんじなかった。

12:38 それは、預言者よげんしゃイザヤのつぎ言葉ことば成就じょうじゅするためである、「しゅよ、わたしたちのくところを、だれがしんじたでしょうか。また、しゅのみうではだれにしめされたでしょうか」。

12:39 こういうわけで、かれらはしんじることができなかった。イザヤはまた、こうもった、

12:40 「かみかれらのをくらまし、こころをかたくなになさった。それは、かれらがず、こころさとらず、あらためていやされることがないためである」。

12:41 イザヤがこうったのは、イエスの栄光えいこうたからであって、イエスのことをかたったのである。

12:42 しかし、役人やくにんたちのなかにも、イエスをしんじたものおおかったが、パリサイびとをはばかって、告白こくはくはしなかった。会堂かいどうからされるのをおそれていたのである。

12:43 かれらはかみのほまれよりも、ひとのほまれをこのんだからである。

12:44 イエスは大声おおごえわれた、「わたしをしんじるものは、わたしをしんじるのではなく、わたしをつかわされたかたをしんじるのであり、

12:45 また、わたしをものは、わたしをつかわされたかたをるのである。

12:46 わたしはひかりとしてこのにきた。それは、わたしをしんじるものが、やみのうちにとどまらないようになるためである。

12:47 たとい、わたしのうことをいてそれをまもらないひとがあっても、わたしはそのひとをさばかない。わたしがきたのは、このをさばくためではなく、このすくうためである。

12:48 わたしをてて、わたしの言葉ことばけいれないひとには、そのひとをさばくものがある。わたしのかたったその言葉ことばが、おわりのにそのひとをさばくであろう。

12:49 わたしは自分じぶんからかたったのではなく、わたしをつかわされたちち自身じしんが、わたしのうべきこと、かたるべきことをおめいじになったのである。

12:50 わたしは、この命令めいれい永遠えいえんいのちであることをっている。それゆえに、わたしがかたっていることは、わたしのちちがわたしにおおせになったことを、そのままかたっているのである」。 

第13章 

13:1 過越すぎこしまつりまえに、イエスは、このってちちのみもとにくべき自分じぶんときがきたことをり、にいる自分じぶんものたちをあいして、かれらを最後さいごまであいとおされた。

13:2 夕食ゆうしょくのとき、悪魔あくまはすでにシモンのイスカリオテのユダのこころに、イエスを裏切うらぎろうとするおもいをれていたが、

13:3 イエスは、ちちがすべてのものを自分じぶんにおあたえになったこと、また、自分じぶんかみからてきて、かみにかえろうとしていることをおもい、

13:4 夕食ゆうしょくせきからがって、上着うわぎぎ、ぬぐいをとってこしき、

13:5 それからみずをたらいにれて、弟子でしたちのあしあらい、こしいたぬぐいでふきはじめられた。

13:6 こうして、シモン・ペテロのばんになった。するとかれはイエスに、「しゅよ、あなたがわたしのあしをおあらいになるのですか」とった。

13:7 イエスはかれこたえてわれた、「わたしのしていることはいまあなたにはわからないが、あとでわかるようになるだろう」。

13:8 ペテロはイエスにった、「わたしのあしけっしてあらわないでください」。イエスはかれこたえられた、「もしわたしがあなたのあしあらわないなら、あなたはわたしとなんのかかわりもなくなる」。

13:9 シモン・ペテロはイエスにった、「しゅよ、では、あしだけではなく、どうぞ、あたまも」。

13:10 イエスはかれわれた、「すでにからだをあらったものは、あしのほかはあら必要ひつようがない。全身ぜんしんがきれいなのだから。あなたがたはきれいなのだ。しかし、みんながそうなのではない」。

13:11 イエスは自分じぶん裏切うらぎものっておられた。それで、「みんながきれいなのではない」とわれたのである。

13:12 こうしてかれらのあしあらってから、上着うわぎをつけ、ふたたびせきにもどって、かれらにわれた、「わたしがあなたがたにしたことがわかるか。

13:13 あなたがたはわたしを教師きょうし、またしゅんでいる。そううのはただしい。わたしはそのとおりである。

13:14 しかし、しゅであり、また教師きょうしであるわたしが、あなたがたのあしあらったからには、あなたがたもまた、たがいあしあらうべきである。

13:15 わたしがあなたがたにしたとおりに、あなたがたもするように、わたしは手本てほんしめしたのだ。

13:16 よくよくあなたがたにっておく。しもべはその主人しゅじんにまさるものではなく、つかわされたものはつかわしたものにまさるものではない。

13:17 もしこれらのことがわかっていて、それをおこなうなら、あなたがたはさいわいである。

13:18 あなたがた全部ぜんぶものについて、こうっているのではない。わたしは自分じぶんえらんだひとたちをっている。しかし、『わたしのパンをべているものが、わたしにむかってそのかかとをあげた』とある聖書せいしょ成就じょうじゅされなければならない。

13:19 そのことがまだおこらないいまのうちに、あなたがたにっておく。いよいよことおこったとき、わたしがそれであることを、あなたがたがしんじるためである。

13:20 よくよくあなたがたにっておく。わたしがつかわすものけいれるものは、わたしをけいれるのである。わたしをけいれるものは、わたしをつかわされたかたを、けいれるのである」。

13:21 イエスがこれらのことをわれたのち、そのこころさわぎ、おごそかにわれた、「よくよくあなたがたにっておく。あなたがたのうちのひとりが、わたしを裏切うらぎろうとしている」。

13:22 弟子でしたちはだれのことをわれたのかさっしかねて、たがいかお見合みあわせた。

13:23 弟子でしたちのひとりで、イエスのあいしておられたものが、みむねちかせきについていた。

13:24 そこで、シモン・ペテロはかれ合図あいずをしてった、「だれのことをおっしゃったのか、らせてくれ」。

13:25 その弟子でしはそのままイエスのむねによりかかって、「しゅよ、だれのことですか」とたずねると、

13:26 イエスはこたえられた、「わたしが一きれの食物しょくもつをひたしてあたえるものが、それである」。そして、一きれの食物しょくもつをひたしてとりげ、シモンのイスカリオテのユダにおあたえになった。

13:27 この一きれの食物しょくもつけるやいなや、サタンがユダにはいった。そこでイエスはかれわれた、「しようとしていることを、いますぐするがよい」。

13:28 せきともにしていたもののうち、なぜユダにこうわれたのか、わかっていたものはひとりもなかった。

13:29 ある人々ひとびとは、ユダが金入かねいれをあずかっていたので、イエスがかれに、「まつりのために必要ひつようなものをえ」とわれたか、あるいは、まずしいものなにほどこさせようとされたのだとおもっていた。

13:30 ユダは一きれの食物しょくもつけると、すぐにった。ときよるであった。

13:31 さて、かれくと、イエスはわれた、「いまひと栄光えいこうけた。かみもまたかれによって栄光えいこうをおけになった。

13:32 かれによって栄光えいこうをおけになったのなら、かみ自身じしんかれ栄光えいこうをおさづけになるであろう。すぐにもおさづけになるであろう。

13:33 たちよ、わたしはまだしばらく、あなたがたと一緒いっしょにいる。あなたがたはわたしをさがすだろうが、すでにユダヤじんたちにったとおり、いまあなたがたにもう、『あなたがたはわたしのところることはできない』。

13:34 わたしは、あたらしいいましめをあなたがたにあたえる、たがいあいいなさい。わたしがあなたがたをあいしたように、あなたがたもたがいあいいなさい。

13:35 たがいあいうならば、それによって、あなたがたがわたしの弟子でしであることを、すべてのものみとめるであろう」。

13:36 シモン・ペテロがイエスにった、「しゅよ、どこへおいでになるのですか」。イエスはこたえられた、「あなたはわたしのくところに、いまはついてることはできない。しかし、あとになってから、ついてることになろう」。

13:37 ペテロはイエスにった、「しゅよ、なぜ、いまあなたについてくことができないのですか。あなたのためには、いのちてます」。

13:38 イエスはこたえられた、「わたしのためにいのちてるとうのか。よくよくあなたにっておく。にわとりまえに、あなたはわたしを三らないとうであろう」。 

第14章 

14:1 「あなたがたは、こころさわがせないがよい。かみしんじ、またわたしをしんじなさい。

14:2 わたしのちちいえには、すまいがたくさんある。もしなかったならば、わたしはそうっておいたであろう。あなたがたのために、場所ばしょ用意よういしにくのだから。

14:3 そして、って、場所ばしょ用意よういができたならば、またきて、あなたがたをわたしのところにむかえよう。わたしのおるところにあなたがたもおらせるためである。

14:4 わたしがどこへくのか、そのみちはあなたがたにわかっている」。

14:5 トマスはイエスにった、「しゅよ、どこへおいでになるのか、わたしたちにはわかりません。どうしてそのみちがわかるでしょう」。

14:6 イエスはかれわれた、「わたしはみちであり、真理しんりであり、いのちである。だれでもわたしによらないでは、ちちのみもとにくことはできない。

14:7 もしあなたがたがわたしをっていたならば、わたしのちちをもったであろう。しかし、いまちちっており、またすでにちちたのである」。

14:8 ピリポはイエスにった、「しゅよ、わたしたちにちちしめしてください。そうしてくだされば、わたしたちは満足まんぞくします」。

14:9 イエスはかれわれた、「ピリポよ、こんなにながくあなたがたと一緒いっしょにいるのに、わたしがわかっていないのか。わたしをものは、ちちたのである。どうして、わたしたちにちちしめしてほしいと、うのか。

14:10 わたしがちちにおり、ちちがわたしにおられることをあなたはしんじないのか。わたしがあなたがたにはなしている言葉ことばは、自分じぶんからはなしているのではない。ちちがわたしのうちにおられて、みわざをなさっているのである。

14:11 わたしがちちにおり、ちちがわたしにおられることをしんじなさい。もしそれがしんじられないならば、わざそのものによってしんじなさい。

14:12 よくよくあなたがたにっておく。わたしをしんじるものは、またわたしのしているわざをするであろう。そればかりか、もっとおおきいわざをするであろう。わたしがちちのみもとにくからである。

14:13 わたしのによってねがうことは、なんでもかなえてあげよう。ちちによって栄光えいこうをおけになるためである。

14:14 何事なにごとでもわたしのによってねがうならば、わたしはそれをかなえてあげよう。

14:15 もしあなたがたがわたしをあいするならば、わたしのいましめをまもるべきである。

14:16 わたしはちちにおねがいしよう。そうすれば、ちちべつたすぬしおくって、いつまでもあなたがたとともにおらせてくださるであろう。

14:17 それは真理しんり御霊みたまである。このはそれをようともせず、ろうともしないので、それをけることができない。あなたがたはそれをっている。なぜなら、それはあなたがたとともにおり、またあなたがたのうちにいるからである。

14:18 わたしはあなたがたをてて孤児こじとはしない。あなたがたのところにかえってる。

14:19 もうしばらくしたら、はもはやわたしをなくなるだろう。しかし、あなたがたはわたしをる。わたしがきるので、あなたがたもきるからである。

14:20 そのには、わたしはわたしのちちにおり、あなたがたはわたしにおり、また、わたしがあなたがたにおることが、わかるであろう。

14:21 わたしのいましめをこころにいだいてこれをまもものは、わたしをあいするものである。わたしをあいするものは、わたしのちちあいされるであろう。わたしもそのひとあいし、そのひとにわたし自身じしんをあらわすであろう」。

14:22 イスカリオテでないほうのユダがイエスにった、「しゅよ、あなたご自身じしんをわたしたちにあらわそうとして、にはあらわそうとされないのはなぜですか」。

14:23 イエスはかれこたえてわれた、「もしだれでもわたしをあいするならば、わたしの言葉ことばまもるであろう。そして、わたしのちちはそのひとあいし、また、わたしたちはそのひとのところにって、そのひと一緒いっしょむであろう。

14:24 わたしをあいさないものはわたしの言葉ことばまもらない。あなたがたがいている言葉ことばは、わたしの言葉ことばではなく、わたしをつかわされたちち言葉ことばである。

14:25 これらのことは、あなたがたと一緒いっしょにいたとき、すでにかたったことである。

14:26 しかし、たすぬし、すなわち、ちちがわたしのによってつかわされる聖霊せいれいは、あなたがたにすべてのことをおしえ、またわたしがはなしておいたことを、ことごとくおもおこさせるであろう。

14:27 わたしは平安へいあんをあなたがたにのこしてく。わたしの平安へいあんをあなたがたにあたえる。わたしがあたえるのは、あたえるようなものとはことなる。あなたがたはこころさわがせるな、またおじけるな。

14:28 『わたしはってくが、またあなたがたのところにかえってる』と、わたしがったのを、あなたがたはいている。もしわたしをあいしているなら、わたしがちちのもとにくのをよろこんでくれるであろう。ちちがわたしよりおおきいかたであるからである。

14:29 いまわたしは、そのことがおこらないさきにあなたがたにかたった。それは、ことおこったときにあなたがたがしんじるためである。

14:30 わたしはもはや、あなたがたに、おおくをかたるまい。このきみるからである。だが、かれはわたしにたいして、なんのちからもない。

14:31 しかし、わたしがちちあいしていることをるように、わたしはちちがおめいじになったとおりのことをおこなうのである。て。さあ、ここからかけてこう。 

第15章 

15:1 わたしはまことのぶどうの、わたしのちち農夫のうふである。

15:2 わたしにつながっているえだむすばないものは、ちちがすべてこれをとりのぞき、むすぶものは、もっとゆたかにみのらせるために、手入ていれしてこれをきれいになさるのである。

15:3 あなたがたは、わたしがかたった言葉ことばによってすでにきよくされている。

15:4 わたしにつながっていなさい。そうすれば、わたしはあなたがたとつながっていよう。えだがぶどうのにつながっていなければ、自分じぶんだけではむすぶことができないように、あなたがたもわたしにつながっていなければむすぶことができない。

15:5 わたしはぶどうの、あなたがたはそのえだである。もしひとがわたしにつながっており、またわたしがそのひととつながっておれば、そのひとゆたかにむすぶようになる。わたしからはなれては、あなたがたは何一なにひとつできないからである。

15:6 ひとがわたしにつながっていないならば、えだのようにそとげすてられてれる。人々ひとびとはそれをかきあつめ、れて、いてしまうのである。

15:7 あなたがたがわたしにつながっており、わたしの言葉ことばがあなたがたにとどまっているならば、なんでものぞむものをもとめるがよい。そうすれば、あたえられるであろう。

15:8 あなたがたがゆたかにむすび、そしてわたしの弟子でしとなるならば、それによって、わたしのちち栄光えいこうをおけになるであろう。

15:9 ちちがわたしをあいされたように、わたしもあなたがたをあいしたのである。わたしのあいのうちにいなさい。

15:10 もしわたしのいましめをまもるならば、あなたがたはわたしのあいのうちにおるのである。それはわたしがわたしのちちのいましめをまもったので、そのあいのうちにおるのとおなじである。

15:11 わたしがこれらのことをはなしたのは、わたしのよろこびがあなたがたのうちにも宿やどるため、また、あなたがたのよろこびがちあふれるためである。

15:12 わたしのいましめは、これである。わたしがあなたがたをあいしたように、あなたがたもたがいあいいなさい。

15:13 ひとがそのとものために自分じぶんいのちてること、これよりもおおきなあいはない。

15:14 あなたがたにわたしがめいじることをおこなうならば、あなたがたはわたしのともである。

15:15 わたしはもう、あなたがたをしもべとはばない。しもべ主人しゅじんのしていることをらないからである。わたしはあなたがたをともんだ。わたしのちちからいたことをみな、あなたがたにらせたからである。

15:16 あなたがたがわたしをえらんだのではない。わたしがあなたがたをえらんだのである。そして、あなたがたをてた。それは、あなたがたがってをむすび、そのがいつまでものこるためであり、また、あなたがたがわたしのによってちちもとめるものはなんでも、ちちあたえてくださるためである。

15:17 これらのことをめいじるのは、あなたがたがたがいあいうためである。

15:18 もしこのがあなたがたをにくむならば、あなたがたよりもさきにわたしをにくんだことを、っておくがよい。

15:19 もしあなたがたがこのからたものであったなら、このは、あなたがたを自分じぶんのものとしてあいしたであろう。しかし、あなたがたはこののものではない。かえって、わたしがあなたがたをこのからえらしたのである。だから、このはあなたがたをにくむのである。

15:20 わたしがあなたがたに『しもべはその主人しゅじんにまさるものではない』とったことを、おぼえていなさい。もし人々ひとびとがわたしを迫害はくがいしたなら、あなたがたをも迫害はくがいするであろう。また、もしかれらがわたしの言葉ことばまもっていたなら、あなたがたの言葉ことばをもまもるであろう。

15:21 かれらはわたしののゆえに、あなたがたにたいしてすべてそれらのことをするであろう。それは、わたしをつかわされたかたをかれらがらないからである。

15:22 もしわたしがきてかれらにかたらなかったならば、かれらはつみおかさないですんだであろう。しかしいまとなっては、かれらには、そのつみについていのがれるみちがない。

15:23 わたしをにくものは、わたしのちちをもにくむ。

15:24 もし、ほかのだれもがしなかったようなわざを、わたしがかれらのあいだでしなかったならば、かれらはつみおかさないですんだであろう。しかし事実じじつかれらはわたしとわたしのちちとをて、にくんだのである。

15:25 それは、『かれらは理由りゆうなしにわたしをにくんだ』といてあるかれらの律法りっぽう言葉ことば成就じょうじゅするためである。

15:26 わたしがちちのみもとからあなたがたにつかわそうとしているたすぬし、すなわち、ちちのみもとから真理しんり御霊みたまくだとき、それはわたしについてあかしをするであろう。

15:27 あなたがたも、はじめからわたしと一緒いっしょにいたのであるから、あかしをするのである。 

第16章 

16:1 わたしがこれらのことをかたったのは、あなたがたがつまずくことのないためである。

16:2 人々ひとびとはあなたがたを会堂かいどうからすであろう。さらにあなたがたをころものがみな、それによって自分じぶんたちはかみつかえているのだとおもときるであろう。

16:3 かれらがそのようなことをするのは、ちちをもわたしをもらないからである。

16:4 わたしがあなたがたにこれらのことをったのは、かれらのときがきた場合ばあい、わたしがかれらについてったことを、おもおこさせるためである。これらのことをはじめからわなかったのは、わたしがあなたがたと一緒いっしょにいたからである。

16:5 けれどもいまわたしは、わたしをつかわされたかたのところにこうとしている。しかし、あなたがたのうち、だれも『どこへくのか』とたずねるものはない。

16:6 かえって、わたしがこれらのことをったために、あなたがたのこころうれいでたされている。

16:7 しかし、わたしはほんとうのことをあなたがたにうが、わたしがってくことは、あなたがたのえきになるのだ。わたしがってかなければ、あなたがたのところにたすぬしはこないであろう。もしけば、それをあなたがたにつかわそう。

16:8 それがきたら、つみとさばきとについて、ひとひらくであろう。

16:9 つみについてとったのは、かれらがわたしをしんじないからである。

16:10 についてとったのは、わたしがちちのみもとにき、あなたがたは、もはやわたしをなくなるからである。

16:11 さばきについてとったのは、このきみがさばかれるからである。

16:12 わたしには、あなたがたにうべきことがまだおおくあるが、あなたがたはいまはそれにえられない。

16:13 けれども真理しんり御霊みたまときには、あなたがたをあらゆる真理しんりみちびいてくれるであろう。それは自分じぶんからかたるのではなく、そのくところをかたり、きたるべきことをあなたがたにらせるであろう。

16:14 御霊みたまはわたしに栄光えいこうさせるであろう。わたしのものをけて、それをあなたがたにらせるからである。

16:15 ちちがおちになっているものはみな、わたしのものである。御霊みたまはわたしのものをけて、それをあなたがたにらせるのだと、わたしがったのは、そのためである。

16:16 しばらくすれば、あなたがたはもうわたしをなくなる。しかし、またしばらくすれば、わたしにえるであろう」。

16:17 そこで、弟子でしたちのうちのあるものたがいった、「『しばらくすれば、わたしをなくなる。またしばらくすれば、わたしにえるであろう』とわれ、『わたしのちちのところにく』とわれたのは、いったい、どういうことなのであろう」。

16:18 かれらはまたった、「『しばらくすれば』とわれるのは、どういうことか。わたしたちには、その言葉ことば意味いみがわからない」。

16:19 イエスは、かれらがたずねたがっていることにがついて、かれらにわれた、「しばらくすればわたしをなくなる、またしばらくすればわたしにえるであろうと、わたしがったことで、たがいろんっているのか。

16:20 よくよくあなたがたにっておく。あなたがたはかなしむが、このよろこぶであろう。あなたがたはうれえているが、そのうれいはよろこびにかわるであろう。

16:21 おんな場合ばあいには、そのときがきたというので、不安ふあんかんじる。しかし、んでしまえば、もはやそのくるしみをおぼえてはいない。ひとりのひとがこのうまれた、というよろこびがあるためである。

16:22 このように、あなたがたにもいま不安ふあんがある。しかし、わたしはふたたびあなたがたとうであろう。そして、あなたがたのこころよろこびにたされるであろう。そのよろこびをあなたがたからものはいない。

16:23 そのには、あなたがたがわたしにうことは、なにもないであろう。よくよくあなたがたにっておく。あなたがたがちちもとめるものはなんでも、わたしのによってくださるであろう。

16:24 いままでは、あなたがたはわたしのによってもとめたことはなかった。もとめなさい、そうすれば、あたえられるであろう。そして、あなたがたのよろこびがちあふれるであろう。

16:25 わたしはこれらのことを比喩ひゆはなしたが、もはや比喩ひゆでははなさないで、あからさまに、ちちのことをあなたがたにはなしてきかせるときるであろう。

16:26 そのには、あなたがたは、わたしのによってもとめるであろう。わたしは、あなたがたのためにちちねがってあげようとはうまい。

16:27 ちち自身じしんがあなたがたをあいしておいでになるからである。それは、あなたがたがわたしをあいしたため、また、わたしがかみのみもとからきたことをしんじたためである。

16:28 わたしはちちからてこのにきたが、またこのって、ちちのみもとにくのである」。

16:29 弟子でしたちはった、「いまはあからさまにおはなしになって、すこしも比喩ひゆではおはなしになりません。

16:30 あなたはすべてのことをごぞんじであり、だれもあなたにおたずねする必要ひつようのないことが、いまわかりました。このことによって、わたしたちはあなたがかみからこられたかたであるとしんじます」。

16:31 イエスはこたえられた、「あなたがたはいましんじているのか。

16:32 よ、あなたがたはらされて、それぞれ自分じぶんいえかえり、わたしをひとりだけのこときるであろう。いや、すでにきている。しかし、わたしはひとりでいるのではない。ちちがわたしと一緒いっしょにおられるのである。

16:33 これらのことをあなたがたにはなしたのは、わたしにあって平安へいあんるためである。あなたがたは、このではなやみがある。しかし、勇気ゆうきしなさい。わたしはすでにっている」。 

第17章 

17:1 これらのことをかたえると、イエスはてんあげてわれた、「ちちよ、ときがきました。あなたのがあなたの栄光えいこうをあらわすように、栄光えいこうをあらわしてください。

17:2 あなたは、たまわったすべてのものに、永遠えいえんいのちさづけさせるため、万民ばんみん支配しはいする権威けんいにおあたえになったのですから。

17:3 永遠えいえんいのちとは、唯一ゆいいつの、まことのかみでいますあなたと、また、あなたがつかわされたイエス・キリストとをることであります。

17:4 わたしは、わたしにさせるためにおさづけになったわざをなしげて、地上ちじょうであなたの栄光えいこうをあらわしました。

17:5 ちちよ、つくられるまえに、わたしがみそばでっていた栄光えいこうで、いままえにわたしをかがやかせてください。

17:6 わたしは、あなたがからえらんでわたしにたまわった人々ひとびとに、みをあらわしました。かれらはあなたのものでありましたが、わたしにくださいました。そして、かれらはあなたの言葉ことばまもりました。

17:7 いまかれらは、わたしにたまわったものはすべて、あなたからたものであることをりました。

17:8 なぜなら、わたしはあなたからいただいた言葉ことばかれらにあたえ、そしてかれらはそれをけ、わたしがあなたからたものであることをほんとうにり、また、あなたがわたしをつかわされたことをしんじるにいたったからです。

17:9 わたしはかれらのためにおねがいします。わたしがおねがいするのは、こののためにではなく、あなたがわたしにたまわったものたちのためです。かれらはあなたのものなのです。

17:10 わたしのものはみなあなたのもの、あなたのものはわたしのものです。そして、わたしはかれらによって栄光えいこうけました。

17:11 わたしはもうこのにはいなくなりますが、かれらはこののこっており、わたしはみもとにまいります。せいなるちちよ、わたしにたまわった御名みなによってかれらをまもってください。それはわたしたちが一つであるように、かれらも一つになるためであります。

17:12 わたしがかれらと一緒いっしょにいたあいだは、あなたからいただいた御名みなによってかれらをまもり、また保護ほごしてまいりました。かれらのうち、だれもほろびず、ただほろびのだけがほろびました。それは聖書せいしょ成就じょうじゅするためでした。

17:13 いまわたしはみもとにまいります。そしてにいるあいだにこれらのことをかたるのは、わたしのよろこびがかれらのうちにちあふれるためであります。

17:14 わたしはかれらに御言みことばあたえましたが、かれらをにくみました。わたしがのものでないように、かれらものものではないからです。

17:15 わたしがおねがいするのは、かれらをからることではなく、かれらをしきものからまもってくださることであります。

17:16 わたしがのものでないように、かれらものものではありません。

17:17 真理しんりによってかれらをせいべつしてください。あなたの御言みことば真理しんりであります。

17:18 あなたがわたしをにつかわされたように、わたしもかれらをにつかわしました。

17:19 またかれらが真理しんりによってせいべつされるように、かれらのためわたし自身じしんせいべついたします。

17:20 わたしはかれらのためばかりではなく、かれらの言葉ことばいてわたしをしんじている人々ひとびとのためにも、おねがいいたします。

17:21 ちちよ、それは、あなたがわたしのうちにおられ、わたしがあなたのうちにいるように、みんなのものが一つとなるためであります。すなわち、かれらをもわたしたちのうちにおらせるためであり、それによって、あなたがわたしをおつかわしになったことを、しんじるようになるためであります。

17:22 わたしは、あなたからいただいた栄光えいこうかれらにもあたえました。それは、わたしたちが一つであるように、かれらも一つになるためであります。

17:23 わたしがかれらにおり、あなたがわたしにいますのは、かれらが完全かんぜんに一つとなるためであり、また、あなたがわたしをつかわし、わたしをあいされたように、かれらをおあいしになったことを、るためであります。

17:24 ちちよ、あなたがわたしにたまわった人々ひとびとが、わたしのいるところ一緒いっしょにいるようにしてください。天地てんちつくられるまえからわたしをあいしてくださって、わたしにたまわった栄光えいこうを、かれらにさせてください。

17:25 ただしいちちよ、このはあなたをっていません。しかし、わたしはあなたをり、またかれらも、あなたがわたしをおつかわしになったことをっています。

17:26 そしてわたしはかれらに御名みならせました。またこれからもらせましょう。それは、あなたがわたしをあいしてくださったそのあいかれらのうちにあり、またわたしもかれらのうちにおるためであります」。 

第18章 

18:1 イエスはこれらのことをかたえて、弟子でしたちと一緒いっしょにケデロンのたにこうへかれた。そこにはそのがあって、イエスは弟子でしたちと一緒いっしょにそのなかにはいられた。

18:2 イエスを裏切うらぎったユダは、そのところをよくっていた。イエスと弟子でしたちとがたびたびそこであつまったことがあるからである。

18:3 さてユダは、一隊いったい兵卒へいそつ祭司長さいしちょうやパリサイびとたちのおくった下役したやくどもをれ、たいまつやあかりや武器ぶきって、そこへやってきた。

18:4 しかしイエスは、自分じぶんおころうとすることをことごとく承知しょうちしておられ、すすかれらにわれた、「だれをさがしているのか」。

18:5 かれらは「ナザレのイエスを」とこたえた。イエスはかれらにわれた、「わたしが、それである」。イエスを裏切うらぎったユダも、かれらと一緒いっしょっていた。

18:6 イエスがかれらに「わたしが、それである」とわれたとき、かれらはうしろにきさがってたおれた。

18:7 そこでまたかれらに、「だれをさがしているのか」とおたずねになると、かれらは「ナザレのイエスを」とった。

18:8 イエスはこたえられた、「わたしがそれであると、ったではないか。わたしをさがしているのなら、このひとたちをらせてもらいたい」。

18:9 それは、「あなたがあたえてくださったひとたちのなかのひとりも、わたしはうしなわなかった」とイエスのわれた言葉ことばが、成就じょうじゅするためである。

18:10 シモン・ペテロはけんっていたが、それをいて、大祭司だいさいししもべりかかり、そのみぎみみおとした。そのしもべはマルコスであった。

18:11 すると、イエスはペテロにわれた、「けんをさやにおさめなさい。ちちがわたしにくださったさかずきは、むべきではないか」。

18:12 それから一隊いったい兵卒へいそつやその千卒長せんそつちょうやユダヤじん下役したやくどもが、イエスをとらえ、しばりあげて、

18:13 まずアンナスのところにれてった。かれはそのとし大祭司だいさいしカヤパのしゅうとであった。

18:14 カヤパはまえに、ひとりのひとたみのためにぬのはよいことだと、ユダヤじん助言じょげんしたものであった。

18:15 シモン・ペテロともうひとりの弟子でしとが、イエスについてった。この弟子でし大祭司だいさいしいであったので、イエスと一緒いっしょ大祭司だいさいし中庭なかにわにはいった。

18:16 しかし、ペテロはそと戸口とぐちっていた。すると大祭司だいさいしいであるその弟子でしが、そとって門番もんばんおんなはなし、ペテロをうちれてやった。

18:17 すると、この門番もんばんおんながペテロにった、「あなたも、あのひと弟子でしのひとりではありませんか」。ペテロは「いや、そうではない」とこたえた。

18:18 しもべ下役したやくどもは、さむときであったので、炭火すみびをおこし、そこにってあたっていた。ペテロもまたかれらにじり、ってあたっていた。

18:19 大祭司だいさいしはイエスに、弟子でしたちのことやイエスのおしえのことをたずねた。

18:20 イエスはこたえられた、「わたしはこのたいして公然こうぜんかたってきた。すべてのユダヤじんあつまる会堂かいどうみやで、いつもおしえていた。何事なにごとかくれてかたったことはない。

18:21 なぜ、わたしにたずねるのか。わたしがかれらにかたったことは、それをいた人々ひとびとたずねるがよい。わたしのったことは、かれらがっているのだから」。

18:22 イエスがこうわれると、そこにっていた下役したやくのひとりが、「大祭司だいさいしにむかって、そのようなこたえをするのか」とって、平手ひらてでイエスをった。

18:23 イエスはこたえられた、「もしわたしがなにわるいことをったのなら、そのわる理由りゆういなさい。しかし、ただしいことをったのなら、なぜわたしをつのか」。

18:24 それからアンナスは、イエスをしばったまま大祭司だいさいしカヤパのところへおくった。

18:25 シモン・ペテロは、ってにあたっていた。すると人々ひとびとかれった、「あなたも、あのひと弟子でしのひとりではないか」。かれはそれをうちして、「いや、そうではない」とった。

18:26 大祭司だいさいししもべのひとりで、ペテロにみみりおとされたひと親族しんぞくものった、「あなたがそのであのひと一緒いっしょにいるのを、わたしはたではないか」。

18:27 ペテロはまたそれをした。するとすぐに、にわとりいた。

18:28 それから人々ひとびとは、イエスをカヤパのところから官邸かんていにつれてった。とき夜明よあけであった。かれらは、けがれをけないで過越すぎこし食事しょくじができるように、官邸かんていにはいらなかった。

18:29 そこで、ピラトはかれらのところにてきてった、「あなたがたは、このひとたいしてどんなうったえをおこすのか」。

18:30 かれらはピラトにこたえてった、「もしこのひと悪事あくじをはたらかなかったなら、あなたにわたすようなことはしなかったでしょう」。

18:31 そこでピラトはかれらにった、「あなたがたはかれって、自分じぶんたちの律法りっぽうでさばくがよい」。ユダヤじんらはかれった、「わたしたちには、ひと死刑しけいにする権限けんげんがありません」。

18:32 これは、ご自身じしんがどんなにかたをしようとしているかをしめすためにわれたイエスの言葉ことばが、成就じょうじゅするためである。

18:33 さて、ピラトはまた官邸かんていにはいり、イエスをしてった、「あなたは、ユダヤじんおうであるか」。

18:34 イエスはこたえられた、「あなたがそううのは、自分じぶんかんがえからか。それともほかの人々ひとびとが、わたしのことをあなたにそうったのか」。

18:35 ピラトはこたえた、「わたしはユダヤじんなのか。あなたの同族どうぞく祭司長さいしちょうたちが、あなたをわたしにわたしたのだ。あなたは、いったい、なにをしたのか」。

18:36 イエスはこたえられた、「わたしのくにはこののものではない。もしわたしのくにがこののものであれば、わたしにしたがっているものたちは、わたしをユダヤじんわたさないようにたたかったであろう。しかし事実じじつ、わたしのくにはこののものではない」。

18:37 そこでピラトはイエスにった、「それでは、あなたはおうなのだな」。イエスはこたえられた、「あなたのうとおり、わたしはおうである。わたしは真理しんりについてあかしをするためにうまれ、また、そのためにこのにきたのである。だれでも真理しんりにつくものは、わたしのこえみみかたむける」。

18:38 ピラトはイエスにった、「真理しんりとはなにか」。こうって、かれはまたユダヤじんところき、かれらにった、「わたしには、このひとになんのつみいだせない。

18:39 過越すぎこしときには、わたしがあなたがたのために、ひとりのひとゆるしてやるのが、あなたがたのしきたりになっている。ついては、あなたがたは、このユダヤじんおうゆるしてもらいたいのか」。

18:40 するとかれらは、またさけんで「そのひとではなく、バラバを」とった。このバラバは強盗ごうとうであった。 

第19章 

19:1 そこでピラトは、イエスをとらえ、むちでたせた。

19:2 兵卒へいそつたちは、いばらでかんむりをあんで、イエスのあたまにかぶらせ、むらさき上着うわぎせ、

19:3 それから、そのまえすすて、「ユダヤじんおう、ばんざい」とった。そして平手ひらてでイエスをちつづけた。

19:4 するとピラトは、またってユダヤじんたちにった、「よ、わたしはこのひとをあなたがたのまえすが、それはこのひとになんのつみいだせないことを、あなたがたにってもらうためである」。

19:5 イエスはいばらのかんむりをかぶり、むらさき上着うわぎたままでそとられると、ピラトはかれらにった、「よ、このひとだ」。

19:6 祭司長さいしちょうたちや下役したやくどもはイエスをると、さけんで「十字架じゅうじかにつけよ、十字架じゅうじかにつけよ」とった。ピラトはかれらにった、「あなたがたが、このひとって十字架じゅうじかにつけるがよい。わたしは、かれにはなんのつみいだせない」。

19:7 ユダヤじんたちはかれこたえた、「わたしたちには律法りっぽうがあります。その律法りっぽうによれば、かれ自分じぶんかみとしたのだから、死罪しざいあたものです」。

19:8 ピラトがこの言葉ことばいたとき、ますますおそれ、

19:9 もう一官邸かんていにはいってイエスにった、「あなたは、もともと、どこからきたのか」。しかし、イエスはなんのこたえもなさらなかった。

19:10 そこでピラトはった、「なにこたえないのか。わたしには、あなたをゆる権威けんいがあり、また十字架じゅうじかにつける権威けんいがあることを、らないのか」。

19:11 イエスはこたえられた、「あなたは、うえからたまわるのでなければ、わたしにたいしてなんの権威けんいもない。だから、わたしをあなたにわたしたものつみは、もっとおおきい」。

19:12 これをいて、ピラトはイエスをゆるそうとつとめた。しかしユダヤじんたちがさけんでった、「もしこのひとゆるしたなら、あなたはカイザルの味方みかたではありません。自分じぶんおうとするものはすべて、カイザルにそむくものです」。

19:13 ピラトはこれらの言葉ことばいて、イエスをそとしてき、敷石しきいし(ヘブルではガバタ)という場所ばしょ裁判さいばんせきについた。

19:14 その過越すぎこし準備じゅんびであって、ときひるの十二ころであった。ピラトはユダヤじんらにった、「よ、これがあなたがたのおうだ」。

19:15 するとかれらはさけんだ、「ころせ、ころせ、かれ十字架じゅうじかにつけよ」。ピラトはかれらにった、「あなたがたのおうを、わたしが十字架じゅうじかにつけるのか」。祭司長さいしちょうたちはこたえた、「わたしたちには、カイザル以外いがいおうはありません」。

19:16 そこでピラトは、十字架じゅうじかにつけさせるために、イエスをかれらにわたした。

かれらはイエスをった。

19:17 イエスはみずから十字架じゅうじか背負せおって、されこうべ(ヘブルではゴルゴダ)という場所ばしょかれた。

19:18 かれらはそこで、イエスを十字架じゅうじかにつけた。イエスをまんなかにして、ほかのふたりのもの両側りょうがわに、イエスと一緒いっしょ十字架じゅうじかにつけた。

19:19 ピラトは罪状ざいじょうきをいて、十字架じゅうじかうえにかけさせた。それには「ユダヤじんおう、ナザレのイエス」といてあった。

19:20 イエスが十字架じゅうじかにつけられた場所ばしょみやこちかかったので、おおくのユダヤじんがこの罪状ざいじょうきをんだ。それはヘブル、ローマ、ギリシヤの国語こくごいてあった。

19:21 ユダヤじん祭司長さいしちょうたちがピラトにった、「『ユダヤじんおう』とかずに、『このひとはユダヤじんおうしょうしていた』といてほしい」。

19:22 ピラトはこたえた、「わたしがいたことは、いたままにしておけ」。

19:23 さて、兵卒へいそつたちはイエスを十字架じゅうじかにつけてから、その上着うわぎをとって四つにけ、おのおの、その一つをった。また下着したぎってみたが、それにはがなく、うえほうから全部ぜんぶ一つにったものであった。

19:24 そこでかれらはたがいった、「それをかないで、だれのものになるか、くじをこう」。これは、「かれらはたがいにわたしの上着うわぎい、わたしのころもをくじ引にした」という聖書せいしょ成就じょうじゅするためで、兵卒へいそつたちはそのようにしたのである。

19:25 さて、イエスの十字架じゅうじかのそばには、イエスのははと、はは姉妹しまいと、クロパのつまマリヤと、マグダラのマリヤとが、たたずんでいた。

19:26 イエスは、そのはは愛弟子あいでしとがそばにっているのをごらんになって、ははにいわれた、「婦人ふじんよ、ごらんなさい。これはあなたのです」。

19:27 それからこの弟子でしわれた、「ごらんなさい。これはあなたのははです」。そのとき以来いらい、この弟子でしはイエスのはは自分じぶんいえきとった。

19:28 そののち、イエスはいま万事ばんじおわったことをって、「わたしは、かわく」とわれた。それは、聖書せいしょまっとうされるためであった。

19:29 そこに、いぶどうしゅがいっぱいれてあるうつわがおいてあったので、人々ひとびとは、このぶどうしゅふくませた海綿かいめんをヒソプのくきむすびつけて、イエスのくちもとにさしした。

19:30 すると、イエスはそのぶどうしゅけて、「すべてがおわった」とわれ、くびをたれていきをひきとられた。

19:31 さてユダヤじんたちは、その準備じゅんびであったので、安息日あんそくにち死体したい十字架じゅうじかうえのこしておくまいと、(とくにその安息日あんそくにち大事だいじであったから)、ピラトにねがって、あしったうえで、死体したいりおろすことにした。

19:32 そこで兵卒へいそつらがきて、イエスと一緒いっしょ十字架じゅうじかにつけられたはじめのものと、もうひとりのものとのあしった。

19:33 しかし、かれらがイエスのところにきたとき、イエスはもうんでおられたのをて、そのあしることはしなかった。

19:34 しかし、ひとりの兵卒へいそつがやりでそのわきをきさすと、すぐみずとがながた。

19:35 それをものがあかしをした。そして、そのあかしは真実しんじつである。そのひとは、自分じぶん真実しんじつかたっていることをっている。それは、あなたがたもしんずるようになるためである。

19:36 これらのことがおこったのは、「そのほねはくだかれないであろう」との聖書せいしょ言葉ことばが、成就じょうじゅするためである。

19:37 また聖書せいしょのほかのところに、「かれらは自分じぶんとおしたものるであろう」とある。

19:38 そののち、ユダヤじんをはばかって、ひそかにイエスの弟子でしとなったアリマタヤのヨセフというひとが、イエスの死体したいりおろしたいと、ピラトにねがた。ピラトはそれをゆるしたので、かれはイエスの死体したいりおろしにった。

19:39 また、まえに、よる、イエスのみもとにったニコデモも、没薬もつやく沈香ぢんこうとをまぜたものを百きんほどってきた。

19:40 かれらは、イエスの死体したいりおろし、ユダヤじん埋葬まいそう習慣しゅうかんにしたがって、香料こうりょうれて亜麻布あまぬのいた。

19:41 イエスが十字架じゅうじかにかけられたところには、一つのそのがあり、そこにはまだだれもほうむられたことのないあたらしいはかがあった。

19:42 そのはユダヤじん準備じゅんびであったので、そのはかちかくにあったため、イエスをそこにおさめた。 

第20章 

20:1 さて、一しゅうはじめのに、あさはやくまだくらいうちに、マグダラのマリヤがはかくと、はかからいしがとりのけてあるのをた。

20:2 そこではしって、シモン・ペテロとイエスがあいしておられた、もうひとりの弟子でしのところへって、かれらにった、「だれかが、しゅはかからりました。どこへいたのか、わかりません」。

20:3 そこでペテロともうひとりの弟子でしかけて、はかへむかってった。

20:4 ふたりは一緒いっしょはししたが、そのもうひとりの弟子でしほうが、ペテロよりもはやはしってさきはかき、

20:5 そしてをかがめてみると、亜麻布あまぬのがそこにいてあるのをたが、なかへははいらなかった。

20:6 シモン・ペテロもつづいてきて、はかなかにはいった。かれ亜麻布あまぬのがそこにいてあるのをたが、

20:7 イエスのあたまいてあったぬの亜麻布あまぬののそばにはなくて、はなれたべつ場所ばしょにくるめてあった。

20:8 すると、さきはかいたもうひとりの弟子でしもはいってきて、これをしんじた。

20:9 しかし、かれらは死人しにんのうちからイエスがよみがえるべきことをしるしたせいを、まださとっていなかった。

20:10 それから、ふたりの弟子でしたちは自分じぶんいえかえってった。

20:11 しかし、マリヤははかそとっていていた。そしてきながら、をかがめてはかなかをのぞくと、

20:12 しろころもたふたりの御使みつかいが、イエスの死体したいのおかれていた場所ばしょに、ひとりはあたまほうに、ひとりはあしほうに、すわっているのをた。

20:13 すると、かれらはマリヤに、「おんなよ、なぜいているのか」とった。マリヤはかれらにった、「だれかが、わたしのしゅりました。そして、どこにいたのか、わからないのです」。

20:14 そうって、うしろをふりくと、そこにイエスがっておられるのをた。しかし、それがイエスであることにがつかなかった。

20:15 イエスはおんなわれた、「おんなよ、なぜいているのか。だれをさがしているのか」。マリヤは、そのひとその番人ばんにんだとおもってった、「もしあなたが、あのかたをうつしたのでしたら、どこへいたのか、どうぞ、おっしゃってください。わたしがそのかたをります」。

20:16 イエスは彼女かのじょに「マリヤよ」とわれた。マリヤはふりかえって、イエスにむかってヘブルで「ラボニ」とった。それは、先生せんせいという意味いみである。

20:17 イエスは彼女かのじょわれた、「わたしにさわってはいけない。わたしは、まだちちのみもとにのぼっていないのだから。ただ、わたしの兄弟きょうだいたちのところって、『わたしは、わたしのちちまたあなたがたのちちであって、わたしのかみまたあなたがたのかみであられるかたのみもとへのぼってく』と、かれらにつたえなさい」。

20:18 マグダラのマリヤは弟子でしたちのところにって、自分じぶんしゅったこと、またイエスがこれこれのことを自分じぶんおおせになったことを、報告ほうこくした。

20:19 その、すなわち、一しゅうはじめの夕方ゆうがた弟子でしたちはユダヤじんをおそれて、自分じぶんたちのおるところをみなしめていると、イエスがはいってきて、かれらのなかち、「やすかれ」とわれた。

20:20 そうって、とわきとを、かれらにおせになった。弟子でしたちはしゅよろこんだ。

20:21 イエスはまたかれらにわれた、「やすかれ。ちちがわたしをおつかわしになったように、わたしもまたあなたがたをつかわす」。

20:22 そうって、かれらにいききかけておおせになった、「聖霊せいれいけよ。

20:23 あなたがたがゆるすつみは、だれのつみでもゆるされ、あなたがたがゆるさずにおくつみは、そのままのこるであろう」。

20:24 十二弟子でしのひとりで、デドモとばれているトマスは、イエスがこられたとき、かれらと一緒いっしょにいなかった。

20:25 ほかの弟子でしたちが、かれに「わたしたちはしゅにおにかかった」とうと、トマスはかれらにった、「わたしは、そのくぎあとを、わたしのゆびをそのくぎあとにさしれ、また、わたしのをそのわきにさしれてみなければ、けっしてしんじない」。

20:26 八ののち、イエスの弟子でしたちはまたいえうちにおり、トマスも一緒いっしょにいた。はみなざされていたが、イエスがはいってこられ、なかって「やすかれ」とわれた。

20:27 それからトマスにわれた、「あなたのゆびをここにつけて、わたしのなさい。をのばしてわたしのわきにさしれてみなさい。しんじないものにならないで、しんじるものになりなさい」。

20:28 トマスはイエスにこたえてった、「わがしゅよ、わがかみよ」。

20:29 イエスはかれわれた、「あなたはわたしをたのでしんじたのか。ないでしんずるものは、さいわいである」。

20:30 イエスは、このしょかれていないしるしを、ほかにもおおく、弟子でしたちのまえおこなわれた。

20:31 しかし、これらのことをいたのは、あなたがたがイエスはかみキリストであるとしんじるためであり、また、そうしんじて、イエスのによっていのちるためである。 

第21章 

21:1 そののち、イエスはテベリヤのうみべで、ご自身じしんをまた弟子でしたちにあらわされた。そのあらわされた次第しだいは、こうである。

21:2 シモン・ペテロが、デドモとばれているトマス、ガリラヤのカナのナタナエル、ゼベダイのらや、ほかのふたりの弟子でしたちと一緒いっしょにいたときのことである。

21:3 シモン・ペテロはかれらに「わたしはりょうくのだ」とうと、かれらは「わたしたちも一緒いっしょこう」とった。かれらはってふねった。しかし、そのはなんの獲物えものもなかった。

21:4 けたころ、イエスがきしっておられた。しかし弟子でしたちはそれがイエスだとはらなかった。

21:5 イエスはかれらにわれた、「たちよ、なにべるものがあるか」。かれらは「ありません」とこたえた。

21:6 すると、イエスはかれらにわれた、「ふねみぎほうあみをおろしてなさい。そうすれば、なにかとれるだろう」。かれらはあみをおろすと、うおおおくとれたので、それをげることができなかった。

21:7 イエスのあいしておられた弟子でしが、ペテロに「あれはしゅだ」とった。シモン・ペテロはしゅであるといて、はだかになっていたため、上着うわぎをまとってうみにとびこんだ。

21:8 しかし、ほかの弟子でしたちはふねったまま、うおのはいっているあみきながらかえってった。りくからはあまりとおくない五十けんほどのところにいたからである。

21:9 かれらがりくのぼってると、炭火すみびがおこしてあって、そのうえうおがのせてあり、またそこにパンがあった。

21:10 イエスはかれらにわれた、「いまとったうおすこってきなさい」。

21:11 シモン・ペテロがって、あみりくげると、百五十三びきのおおきなうおでいっぱいになっていた。そんなにおおかったが、あみはさけないでいた。

21:12 イエスはかれらにわれた、「さあ、あさ食事しょくじをしなさい」。弟子でしたちは、しゅであることがわかっていたので、だれも「あなたはどなたですか」とすすんでたずねるものがなかった。

21:13 イエスはそこにきて、パンをとりかれらにあたえ、またうおおなじようにされた。

21:14 イエスが死人しにんなかからよみがえったのち、弟子でしたちにあらわれたのは、これですでに三度目どめである。

21:15 かれらが食事しょくじをすませると、イエスはシモン・ペテロにわれた、「ヨハネのシモンよ、あなたはこのひとたちがあいする以上いじょうに、わたしをあいするか」。ペテロはった、「しゅよ、そうです。わたしがあなたをあいすることは、あなたがごぞんじです」。イエスはかれに「わたしの小羊こひつじやしないなさい」とわれた。

21:16 またもう一度いちどかれわれた、「ヨハネのシモンよ、わたしをあいするか」。かれはイエスにった、「しゅよ、そうです。わたしがあなたをあいすることは、あなたがごぞんじです」。イエスはかれわれた、「わたしのひつじいなさい」。

21:17 イエスは三度目どめわれた、「ヨハネのシモンよ、わたしをあいするか」。ペテロは「わたしをあいするか」とイエスが三われたので、こころをいためてイエスにった、「しゅよ、あなたはすべてをごぞんじです。わたしがあなたをあいしていることは、おわかりになっています」。イエスはかれわれた、「わたしのひつじやしないなさい。

21:18 よくよくあなたにっておく。あなたがわかかったときには、自分じぶんおびをしめて、おもいのままにあるきまわっていた。しかしとしをとってからは、自分じぶんをのばすことになろう。そして、ほかのひとがあなたにおびむすびつけ、きたくないところれてくであろう」。

21:19 これは、ペテロがどんなかたで、かみ栄光えいこうをあらわすかをしめすために、おはなしになったのである。こうはなしてから、「わたしにしたがってきなさい」とわれた。

21:20 ペテロはふりかえると、イエスのあいしておられた弟子でしがついてるのをた。この弟子でしは、あの夕食ゆうしょくのときイエスのむねちかくにりかかって、「しゅよ、あなたを裏切うらぎものは、だれなのですか」とたずねたひとである。

21:21 ペテロはこの弟子でして、イエスにった、「しゅよ、このひとはどうなのですか」。

21:22 イエスはかれわれた、「たとい、わたしのときまでかれのこっていることを、わたしがのぞんだとしても、あなたにはなんのかかわりがあるか。あなたは、わたしにしたがってきなさい」。

21:23 こういうわけで、この弟子でしぬことがないといううわさが、兄弟きょうだいたちのあいだにひろまった。しかし、イエスはかれぬことはないとわれたのではなく、ただ「たとい、わたしのときまでかれのこっていることを、わたしがのぞんだとしても、あなたにはなんのかかわりがあるか」とわれただけである。

21:24 これらのことについてあかしをし、またこれらのこといたのは、この弟子でしである。そしてかれのあかしが真実しんじつであることを、わたしたちはっている。

21:25 イエスのなさったことは、このほかにまだ数多かずおおくある。もしいちいちきつけるならば、世界せかいもそのかれた文書ぶんしょおさめきれないであろうとおもう。