口語訳聖書(振り仮名付き)

章: 1  2  3  4  5  6  7  8

列王紀れつおうき

第1章    2Kn-Audio 

1:1 アハブがんだのち、モアブはイスラエルにそむいた。

1:2 さてアハジヤはサマリヤにある高殿たかどののらんかんからちて病気びょうきになったので、使者ししゃをつかわし、「ってエクロンのかみバアル・ゼブブに、この病気びょうきがなおるかどうかをたずねよ」とめいじた。

1:3 ときに、しゅ使つかいはテシベびとエリヤにった、「って、のぼってき、サマリヤのおう使者ししゃっていなさい、『あなたがたがエクロンのかみバアル・ゼブブにたずねようとしてくのは、イスラエルにかみがないためか』。

1:4 それゆえしゅはこうおおせられる、『あなたは、のぼった寝台しんだいからりることなく、かならぬであろう』」。そこでエリヤはのぼってった。

1:5 使者ししゃたちがアハジヤのもとにかえってきたので、アハジヤはかれらにった、「なぜかえってきたのか」。

1:6 かれらはった、「ひとりのひとのぼってきて、われわれにっていました、『おまえたちをつかわしたおうところかえっていなさい。しゅはこうおおせられる、あなたがエクロンのかみバアル・ゼブブにたずねようとしてひとをつかわすのは、イスラエルにかみがないためなのか。それゆえあなたは、のぼった寝台しんだいからりることなく、かならぬであろう』」。

1:7 アハジヤはかれらにった、「のぼってきて、あなたがたにって、これらのことげたひとはどんなひとであったか」。

1:8 かれらはこたえた、「そのひとごろもをて、こしかわおびめていました」。かれった、「そのひとはテシべびとエリヤだ」。

1:9 そこでおうは五十にんちょうを、部下ぶかの五十にんともにエリヤのところへつかわした。かれがエリヤのところのぼっていくと、エリヤはやまいただきにすわっていたので、エリヤにった、「かみひとよ、おうがあなたに、くだってるようにとわれます」。

1:10 しかしエリヤは五十にんちょうこたえた、「わたしがもしかみひとであるならば、てんからくだって、あなたと部下ぶかの五十にんとをつくすでしょう」。そのようにてんからくだって、かれ部下ぶかの五十にんとをつくした。

1:11 おうはまたの五十にんちょうを、部下ぶかの五十にんともにエリヤにつかわした。かれのぼっていってエリヤにった、「かみひとよ、おうがこうめいじられます、『すみやかにくだってきなさい』」。

1:12 しかしエリヤはかれらにこたえた、「わたしがもしかみひとであるならば、てんからくだって、あなたと部下ぶかの五十にんとをつくすでしょう」。そのようにかみてんからくだって、かれ部下ぶかの五十にんとをつくした。

1:13 おうはまただい三の五十にんちょう部下ぶかの五十にんともにつかわした。だい三の五十にんちょうのぼっていって、エリヤのまえにひざまずき、かれねがってった、「かみひとよ、どうぞ、わたしのいのちと、あなたのしもべであるこの五十にんいのちをあなたのたっといものとみなしてください。

1:14 ごらんなさい、てんからくだって、さきの五十にんちょうふたりと、その部下ぶかの五十にんずつとをつくしました。しかしいまわたしのいのちをあなたのたっといものとみなしてください」。

1:15 そのときしゅ使つかいはエリヤにった、「かれともくだりなさい。かれおそれてはならない」。そこでエリヤはって、かれともくだり、おうのもとへって、

1:16 おうった、「しゅはこうおおせられます、『あなたはエクロンのかみバアル・ゼブブにたずねようと使者ししゃをつかわしたが、それはイスラエルに、その言葉ことばもとむべきかみがないためであるか。それゆえあなたは、のぼった寝台しんだいからりることなく、かならぬであろう』」。

1:17 かれはエリヤがったしゅ言葉ことばのとおりにんだが、かれがなかったので、その兄弟きょうだいヨラムがかれかわっておうとなった。これはユダのおうヨシャパテのヨラムのだいねんである。

1:18 アハジヤのその事績じせきは、イスラエルのおう歴代志れきだいししょにしるされているではないか。 

第2章 

2:1 しゅがつむじかぜをもってエリヤをてんのぼらせようとされたとき、エリヤはエリシャとともにギルガルをった。

2:2 エリヤはエリシャにった、「どうぞ、ここにとどまってください。しゅはわたしをベテルにつかわされるのですから」。しかしエリシャはった、「しゅきておられます。またあなたもきておられます。わたしはあなたをはなれません」。そしてかれらはベテルへくだった。

2:3 ベテルにいる預言者よげんしゃのともがらが、エリシャのもとにてきてかれった、「しゅがきょう、あなたの師事しじする主人しゅじんをあなたからられるのをっていますか」。かれった、「はい、っています。あなたがたはだまっていてください」。

2:4 エリヤはかれった、「エリシャよ、どうぞ、ここにとどまってください。しゅはわたしをエリコにつかわされるのですから」。しかしエリシャはった、「しゅきておられます。またあなたもきておられます。わたしはあなたをはなれません」。そしてかれらはエリコへった。

2:5 エリコにいた預言者よげんしゃのともがらが、エリシャのもとにきてかれった、「しゅがきょう、あなたの師事しじする主人しゅじんをあなたからられるのをっていますか」。かれった、「はい、っています。あなたがたはだまっていてください」。

2:6 エリヤはまたかれった、「どうぞ、ここにとどまってください。しゅはわたしをヨルダンにつかわされるのですから」。しかしかれった、「しゅきておられます。またあなたもきておられます。わたしはあなたをはなれません」。そしてふたりはすすんでった。

2:7 預言者よげんしゃのともがら五十にんって、かれらにむかって、はるかにはなれてっていた。かれらふたりは、ヨルダンのほとりにったが、

2:8 エリヤは外套がいとうり、それをいてみずつと、みず左右さゆうわかれたので、ふたりはかわいたつちうえわたることができた。

2:9 かれらがわたったとき、エリヤはエリシャにった、「わたしがられて、あなたをはなれるまえに、あなたのしてほしいこともとめなさい」。エリシャはった、「どうぞ、あなたのれいの二つのぶんをわたしにがせてください」。

2:10 エリヤはった、「あなたはむずかしいこともとめる。あなたがもし、わたしがられて、あなたをはなれるのをるならば、そのようになるであろう。しかしないならば、そのようにはならない」。

2:11 かれらがすすみながらかたっていたときくるまうまがあらわれて、ふたりをへだてた。そしてエリヤはつむじかぜっててんにのぼった。

2:12 エリシャはこれをて「わがちちよ、わがちちよ、イスラエルの戦車せんしゃよ、その騎兵きへいよ」とさけんだが、ふたたかれなかった。

そこでエリシャは自分じぶん着物きものをつかんで、それを二つにき、

2:13 またエリヤのからちた外套がいとうげ、かえってきてヨルダンのきしった。

2:14 そしてエリヤのからちたその外套がいとうってみずち、「エリヤのかみしゅはどこにおられますか」とい、かれみずつと、みず左右さゆうわかれたので、エリシャはわたった。

2:15 エリコにいる預言者よげんしゃのともがらはかれちかづいてるのをて、「エリヤのれいがエリシャのうえにとどまっている」とった。そしてかれらはかれむかえ、そのまえして、

2:16 かれった、「しもべらのところちからつよものが五十にんいます。どうぞかれらをつかわして、あなたの主人しゅじんたずねさせてください。しゅれいかれきあげて、かれやまたにげたのかもれません」。エリシャは「つかわしてはならない」とったが、

2:17 かれじるまで、しいたので、かれは「つかわしなさい」とった。それでかれらは五十にんものをつかわし、三あいだたずねたが、かれいださなかった。

2:18 エリシャのなおエリコにとどまっているときかれらがかえってきたので、エリシャはかれらにった、「わたしは、あなたがたに、ってはならないとげたではないか」。

2:19 まち人々ひとびとはエリシャにった、「られるとおり、このまち場所ばしょいがみずわるいので、この流産りゅうざんおこすのです」。

2:20 エリシャはった、「あたらしいさらしおって、わたしにってきなさい」。かれらはってきた。

2:21 エリシャはみずみなもとって、しおをそこにれてった、「しゅはこうおおせられる、『わたしはこのみずみずにした。もはやここには流産りゅうざんおこらないであろう』」。

2:22 こうしてそのみずはエリシャのったとおりにみずになって今日こんにちいたっている。

2:23 かれはそこからベテルへのぼったが、のぼって途中とちゅうちいさい子供こどもらがまちからてきてかれをあざけり、かれにむかって「はげあたまよ、のぼれ。はげあたまよ、のぼれ」とったので、

2:24 かれはふりかえってかれらをしゅをもってかれらをのろった。するとはやしなかから二とうぐまがてきて、そのともらのうち四十二にんいた。

2:25 かれはそこからカルメルやまき、そこからサマリヤにかえった。 

第3章 

3:1 ユダのおうヨシャパテのだい十八ねんにアハブのヨラムはサマリヤでイスラエルのおうとなり、十二ねんおさめた。

3:2 かれしゅまえあくをおこなったが、その父母ふぼのようではなかった。かれがそのちち つくったバアルの石柱せきちゅうのぞいたからである。

3:3 しかしかれはイスラエルにつみおかさせたネバテのヤラベアムのつみにつきしたがって、それをはなれなかった。

3:4 モアブのおうメシャはひつじ飼育しいくもので、十万の小羊こひつじと、十万の雄羊おひつじとを年々ねんねんイスラエルのおうおさめていたが、

3:5 アハブがんだのち、モアブのおうはイスラエルのおうにそむいた。

3:6 そこでヨラムおうはそのときサマリヤをて、イスラエルびとをことごとくあつめ、

3:7 また、ひとをユダのおうヨシャパテにつかわし、「モアブのおうはわたしにそむきました。あなたはモアブとたたかうために、わたしと一緒いっしょかれませんか」とわせた。かれった、「きましょう。わたしはあなたと一つです。わたしのたみはあなたのたみと一つです。わたしのうまはあなたのうまと一つです」。

3:8 かれはまたった、「われわれはどのみちのぼるのですか」。ヨラムはこたえた、「エドムの荒野あらのみちのぼりましょう」。

3:9 こうしてイスラエルのおうはユダのおうおよびエドムのおうともった。しかしかれらはまわみちをして、七日なぬかあいだすすんだが、軍勢ぐんぜいとそれにしたが家畜かちくみずがなかったので、

3:10 イスラエルのおうった、「ああ、しゅは、この三にんおうをモアブのわたそうとしてあつめられたのだ」。

3:11 ヨシャパテはった、「われわれがしゅうことのできるしゅ預言者よげんしゃはここにいませんか」。イスラエルのおうのひとりの家来けらいこたえた、「エリヤのみずそそいだシャパテのエリシャがここにいます」。

3:12 ヨシャパテはった、「しゅ言葉ことばかれにあります」。そこでイスラエルのおうとヨシャパテとエドムのおうとはかれのもとへくだっていった。

3:13 エリシャはイスラエルのおうった、「わたしはあなたとなんのかかわりがありますか。あなたの父上ちちうえ預言者よげんしゃたちと母上ははうえ預言者よげんしゃたちのところきなさい」。イスラエルのおうかれった、「いいえ、しゅがこの三にんおうをモアブのわたそうとしてあつめられたのです」。

3:14 エリシャはった、「わたしのつかえる万軍ばんぐんしゅきておられます。わたしはユダのおうヨシャパテのためにするのでなければ、あなたをかえりみ、あなたにうことはしないのだが、

3:15 いま楽人がくじんをわたしのところれてきなさい」。そこで楽人がくじんがくそうすると、しゅかれのぞんで、

3:16 かれった、「しゅはこうおおせられる、『わたしはこのたにみずたまりでたそう』。

3:17 これはしゅがこうおおせられるからである、『あなたがたはかぜあめないのに、このたにみずちて、あなたがたと、その家畜かちくおよびけものむであろう』。

3:18 これはしゅにはちいさいことである。しゅはモアブびとをも、あなたがたのわたされる。

3:19 そしてあなたがたはすべての堅固けんごまちと、すべてのまちち、すべてのたおし、すべてのみず井戸いどをふさぎ、いしをもってのすべてのところあらすであろう」。

3:20 あくるあさになって、そなものをささげるときに、みずがエドムのほうからながれてきて、みずくにちた。

3:21 さてモアブびとはみなおうたちが自分じぶんたちをめるためにのぼってきたのをいたので、よろいをることのできるものを、いもわかきもことごとく召集しょうしゅうして、国境こっきょう配置はいちしたが、

3:22 あさはやくきて、太陽たいようがのぼってみずてらしたとき、モアブびとはまえのようにあかみずたので、

3:23 かれらはった、「これはだ、きっとおうたちがたがいたたかってころったのだ。だから、モアブよ、ぶんどりにきなさい」。

3:24 しかしモアブびとがイスラエルの陣営じんえいくと、イスラエルびとはちあがってモアブびとをったので、かれらはイスラエルのまえからった。イスラエルびとはすすんで、モアブびとをち、そのくににはいって、

3:25 町々まちまちほろぼし、おのおのいしを一つずつ、のすべてのところげて、これにたし、みず井戸いどをことごとくふさぎ、をことごとくたおして、ただキル・ハラセテはそののこすのみとなったが、いしげるものがこれをかこんでほろぼした。

3:26 モアブのおうたたかいがあまりにはげしく、あたりがたいのをて、つるぎをもの七百にんひきい、エドムのおうところはいろうとしたが、はたさなかったので、

3:27 自分じぶんくらいぐべきその長子ちょうしをとって城壁じょうへきうえ燔祭はんさいとしてささげた。そのときイスラエルにおおいなるいきどおりがのぞんだので、かれらはかれをすてて自分じぶんくにかえった。 

第4章 

4:1 預言者よげんしゃのともがらの、ひとりのつまがエリシャにばわってった、「あなたのしもべであるわたしのおっとにました。ごぞんじのように、あなたのしもべはしゅおそれるものでありましたが、いまさいしゅがきて、わたしのふたりの子供こどもって奴隷どれいにしようとしているのです」。

4:2 エリシャは彼女かのじょった、「あなたのためになにをしましょうか。あなたのいえにどんなものがあるか、いなさい」。彼女かのじょった、「一びんのあぶらのほかは、はしためのいえなにもありません」。

4:3 かれった、「ほかへって、となり人々ひとびとからうつわりなさい。あいたうつわりなさい。すこしばかりではいけません。

4:4 そしてうちにはいって、あなたの子供こどもたちと一緒いっしょうちじこもり、そのすべてのうつわあぶらをついで、いっぱいになったとき、一つずつそれをりのけておきなさい」。

4:5 彼女かのじょかれはなれてり、子供こどもたちと一緒いっしょうちじこもり、子供こどもたちのってうつわあぶらをついだ。

4:6 あぶらちたとき、彼女かのじょ子供こどもに「もっとうつわってきなさい」とったが、子供こどもが「うつわはもうありません」とったので、あぶらはとまった。

4:7 そこで彼女かのじょかみひとのところにきてげたので、かれった、「って、そのあぶらって負債ふさいはらいなさい。あなたと、あなたの子供こどもたちはそののこりでくらすことができます」。

4:8 あるエリシャはシュネムへったが、そこにひとりの裕福ゆうふく婦人ふじんがいて、しきりにかれ食事しょくじをすすめたので、かれはそこをとおるごとに、そこにって食事しょくじをした。

4:9 そのおんなおっとった、「いつもわたしたちのところとおるあのひとたしかにかみせいなるひとです。

4:10 わたしたちは屋上おくじょうかべのある一つのちいさいへやをつくり、そこに寝台しんだいつくえといすと燭台しょくだいとをかれのためにそなえましょう。そうすればかれがわたしたちのところるとき、そこに、はいることができます」。

4:11 さて、あるエリシャはそこにきて、そのへやにはいり、そこにやすんだが、

4:12 かれはそのしもべゲハジに「このシュネムのおんなんできなさい」とった。かれがそのおんなぶと、彼女かのじょはきてエリシャのまえったので、

4:13 エリシャはゲハジにった、「彼女かのじょいなさい、『あなたはこんなにねんごろに、わたしたちのためにこころもちいられたが、あなたのためにはなにをしたらよいでしょうか。おうまたは軍勢ぐんぜいちょうにあなたのことをよろしくたのむことをおのぞみですか』」。彼女かのじょこたえてった、「わたしは自分じぶんたみのうちにんでいます」。

4:14 エリシャはった、「それでは彼女かのじょのためになにをしようか」。ゲハジはった、「彼女かのじょには子供こどもがなく、そのおっといています」。

4:15 するとエリシャが「彼女かのじょびなさい」とったので、彼女かのじょぶと、戸口とぐちった。

4:16 エリシャはった、「来年らいねんいまごろ、あなたはひとりのくでしょう」。彼女かのじょった、「いいえ、わがしゅよ、かみひとよ、はしためをあざむかないでください」。

4:17 しかしおんなはついにごもって、エリシャが彼女かのじょったように、つぎねんのそのころにんだ。

4:18 その成長せいちょうして、ある刈入かりいれびとのところていって、ちちのもとへったが、

4:19 ちちにむかって「あたまが、あたまが」とったので、ちちはしもべに「かれははのもとへ背負せおっていきなさい」とった。

4:20 かれ背負せおってははのもとへくと、ひるまでははのひざのうえにすわっていたが、ついにんだ。

4:21 ははがっていって、これをかみひと寝台しんだいうえき、じててきた。

4:22 そしておっとんでった、「どうぞ、しもべひとりと、ろば一とうをわたしにかしてください。いそいでかみひとところって、またかえってきます」。

4:23 おっとった、「どうしてきょうかれところこうとするのか。きょうは、ついたちでもなく、安息日あんそくにちでもない」。彼女かのじょった、「よろしいのです」。

4:24 そして彼女かのじょはろばにくらをいて、しもべにった、「はやけさせなさい。わたしがめいじるときでなければ、歩調ほちょうをゆるめてはなりません」。

4:25 こうして彼女かのじょ出発しゅっぱつしてカルメルやまき、かみひとところった。

かみひと彼女かのじょちかづいてくるのをて、しもべゲハジにった、「こうから、あのシュネムのおんなる。

4:26 すぐはしってって、彼女かのじょむかえていなさい、『あなたは無事ぶじですか。あなたのおっと無事ぶじですか。あなたの子供こども無事ぶじですか』」。彼女かのじょこたえた、「無事ぶじです」。

4:27 ところが彼女かのじょやまにきて、かみひとところへくるとエリシャのあしにすがりついた。ゲハジが彼女かのじょいのけようとちかよったときかみひとった、「かまわずにおきなさい。彼女かのじょこころくるしみがあるのだから。しゅはそれをかくして、まだわたしにおげにならないのだ」。

4:28 そこで彼女かのじょった、「わたしがあなたにもとめましたか。わたしをあざむかないでくださいとったではありませんか」。

4:29 エリシャはゲハジにった、「こしをひきからげ、わたしのつえをってきなさい。だれにっても、あいさつしてはならない。またあなたにあいさつするものがあっても、それにこたえてはならない。わたしのつえを子供こどもかおうえきなさい」。

4:30 子供こどもははった、「しゅきておられます。あなたもきておられます。わたしはあなたをはなれません」。そこでエリシャはついにちあがって彼女かのじょのあとについてった。

4:31 ゲハジはかれらのさきって、つえを子供こどもかおうえいたが、なんのこえもなく、きかえったしるしもなかったので、かえってきてエリシャにい、かれげて「子供こどもはまだをさましません」とった。

4:32 エリシャがいえにはいってると、子供こどもんで、寝台しんだいうえよこたわっていたので、

4:33 かれははいってじ、かれらふたりだけうちにいてしゅいのった。

4:34 そしてエリシャががって子供こどもうえし、自分じぶんくち子供こどもくちうえに、自分じぶん子供こどもうえに、自分じぶん両手りょうて子供こども両手りょうてうえにあて、その子供こどもうえばしたとき、子供こどものからだはあたたかになった。

4:35 こうしてエリシャはふたたきあがって、いえなかをあちらこちらとあゆみ、またうえがって、その子供こどもうえばすと、子供こどもは七たびくしゃみをしてひらいた。

4:36 エリシャはただちにゲハジをんで、「あのシュネムのおんなべ」とったので、彼女かのじょんだ。彼女かのじょがはいってくるとエリシャはった、「あなたの子供こどもをつれてきなさい」。

4:37 彼女かのじょははいってきて、エリシャのあしもとにし、をかがめた。そしてそのともりあげてていった。

4:38 エリシャはギルガルにかえったが、そのにききんがあった。預言者よげんしゃのともがらがかれまえしていたので、エリシャはそのしもべにった、「おおきなかまをすえて、預言者よげんしゃのともがらのために野菜やさい煮物にものをつくりなさい」。

4:39 かれらのうちのひとりがはたけていって青物あおものをつんだが、つるくさのあるのをて、そのうりを一つつみつんできて、煮物にもののかまのなかんだ。かれらはそれがなにであるかをらなかったからである。

4:40 やがてこれをって人々ひとびとべさせようとしたが、かれらがその煮物にものべようとしたときさけんで、「ああかみひとよ、かまのなかに、たべるとぬものがはいっています」とって、べることができなかったので、

4:41 エリシャは「それではこなってなさい」とって、それをかまにれ、「って人々ひとびとべさせなさい」とった。かまのなかには、なんの毒物どくぶつもなくなった。

4:42 そのとき、バアル・シャリシャからひとがきて、初穂はつほのパンと、大麦おおむぎのパン二十と、新穀しんこくふくろとをかみひとのもとにってきたので、エリシャは「人々ひとびとあたえてべさせなさい」とったが、

4:43 その召使めしつかいった、「どうしてこれを百にんまえそなえるのですか」。しかしかれった、「人々ひとびとあたえてべさせなさい。しゅはこうわれる、『かれらはべてなおあますであろう』」。

4:44 そこでかれはそれをかれらのまえそなえたので、かれらはべてなおあました。しゅ言葉ことばのとおりであった。 

第5章 

5:1 スリヤおう軍勢ぐんぜいちょうナアマンはその主君しゅくんおもんじられた有力ゆうりょくひとであった。しゅがかつてかれもちいてスリヤに勝利しょうりさせられたからである。かれだい勇士ゆうしであったが、らいびょうをわずらっていた。

5:2 さきにスリヤびとが略奪りゃくだつたいんでてきたとき、イスラエルのからひとりの少女しょうじょとらえてった。彼女かのじょはナアマンのつまつかえたが、

5:3 そのおんな主人しゅじんにむかって、「ああ、主人しゅじんがサマリヤにいる預言者よげんしゃともにおられたらよかったでしょうに。かれはそのらいびょうをいやしたことでしょう」とったので、

5:4 ナアマンはって、その主君しゅくんに、「イスラエルのからきたむすめがこういうこといました」とげると、

5:5 スリヤおうった、「それではきなさい。わたしはイスラエルのおう手紙てがみきましょう」。

そこでかれぎん十タラントと、きん六千シケルと、ちゃくたずさえてった。

5:6 かれがイスラエルのおうってった手紙てがみには、「この手紙てがみがあなたにとどいたならば、わたしの家来けらいナアマンを、あなたにつかわしたことと承知しょうちください。あなたにかれのらいびょうをいやしていただくためです」とあった。

5:7 イスラエルのおうはその手紙てがみんだときころもいてった、「わたしはころしたり、かしたりすることのできるかみであろうか。どうしてこのひとは、らい病人びょうにんをわたしにつかわして、それをいやせとうのか。あなたがたは、かれがわたしにあらそいをしかけているのをって警戒けいかいするがよい」。

5:8 かみひとエリシャは、イスラエルのおうがそのころもいたことをき、おうひとをつかわしてった、「どうしてあなたはころもいたのですか。かれをわたしのもとにこさせなさい。そうすればかれはイスラエルに預言者よげんしゃのあることをるようになるでしょう」。

5:9 そこでナアマンはうまくるまとをしたがえてきて、エリシャのいえ入口いりぐちった。

5:10 するとエリシャはかれ使者ししゃをつかわしてった、「あなたはヨルダンへって七たびあらいなさい。そうすれば、あなたのにくはもとにかえってきよくなるでしょう」。

5:11 しかしナアマンはいかってり、そしてった、「わたしは、かれがきっとわたしのもとにてきてち、そのかみしゅんで、その箇所かしょうえうごかして、らいびょうをいやすのだろうとおもった。

5:12 ダマスコのかわアバナとパルパルはイスラエルのすべてのかわみずにまさるではないか。わたしはこれらのかわあらってきよまることができないのであろうか」。こうしてかれをめぐらし、いかってった。

5:13 そのとき、しもべたちはかれちかよってった、「わがちちよ、預言者よげんしゃがあなたに、なにおおきなことをせよとめいじても、あなたはそれをなさらなかったでしょうか。ましてかれはあなたに『あらってきよくなれ』とうだけではありませんか」。

5:14 そこでナアマンはくだってって、かみひと言葉ことばのように七たびヨルダンにひたすと、そのにくがもとにかえっておさにくのようになり、きよくなった。

5:15 かれはすべての従者じゅうしゃれてかみひとのもとにかえってきて、そのまえってった、「わたしはいま、イスラエルのほか、ぜんのどこにもかみのおられないことをりました。それゆえ、どうぞ、しもべのおくものけてください」。

5:16 エリシャはった、「わたしのつかえるしゅきておられる。わたしはなにけません」。かれはしいてけさせようとしたが、それをこばんだ。

5:17 そこでナアマンはった、「もしおけにならないのであれば、どうぞ騾馬らばに二つちをしもべにください。これからのちしもべは、かみには燔祭はんさい犠牲ぎせいもささげず、ただしゅにのみささげます。

5:18 どうぞしゅがこのことを、しもべにおゆるしくださるように。すなわち、わたしの主君しゅくんがリンモンのみやにはいって、そこでれいはいするとき、わたしのによりかかることがあり、またわたしもリンモンのみやをかがめることがありましょう。わたしがリンモンのみやをかがめるとき、どうぞしゅがそのことを、しもべにおゆるしくださるように」。

5:19 エリシャはかれった、「やすんじてきなさい」。

ナアマンがエリシャをはなれてすこったとき、

5:20 かみひとエリシャのしもべゲハジはった、「主人しゅじんはこのスリヤびとナアマンをいたわって、かれたずさえてきたものけなかった。しゅきておられる。わたしはかれのあとをいかけて、かれからすこし、ものけよう」。

5:21 そしてゲハジはナアマンのあとをったが、ナアマンは自分じぶんのあとからかれはしってくるのをて、くるまからり、かれむかえて、「かわったことがあるのですか」とうと、

5:22 かれった、「無事ぶじです。主人しゅじんがわたしをつかわしてわせます、『ただいまエフライムの山地さんちから、預言者よげんしゃのともがらのふたりの若者わかものが、わたしのもとにましたので、どうぞかれらにぎん一タラントとちゃくあたえてください』」。

5:23 ナアマンは、「どうぞ二タラントをけてください」とってかれにしい、ぎん二タラントを二つのふくろれ、ちゃくえて、自分じぶんのふたりのしもべにわたしたので、かれらはそれをってゲハジのさきってすすんだが、

5:24 かれおかにきたとき、それをかれらのからっていえのうちにおさめ、人々ひとびとおくりかえしたので、かれらはった。

5:25 かれがはいって主人しゅじんまえつと、エリシャはかれった、「ゲハジよ、どこへってきたのか」。かれった、「しもべはどこへもきません」。

5:26 エリシャはった、「あのひとくるまをはなれて、あなたをむかえたとき、わたしのこころはあなたと一緒いっしょにそこにいたではないか。いまきんけ、着物きものけ、オリブはたけ、ぶどうはたけひつじうし、しもべ、はしためをけるときであろうか。

5:27 それゆえ、ナアマンのらいびょうはあなたにき、ながくあなたの子孫しそんおよぶであろう」。かれがエリシャのまえていくとき、らいびょうはっしてゆきのようにしろくなっていた。 

第6章 

6:1 さて預言者よげんしゃのともがらはエリシャにった、「わたしたちがあなたとともんでいるところせまくなりましたので、

6:2 わたしたちをヨルダンにかせ、そこからめいめい一ぽんずつ材木ざいもくってきて、わたしたちの場所ばしょつくらせてください」。エリシャはった、「きなさい」。

6:3 ときにそのひとりが、「どうぞあなたも、しもべらと一緒いっしょってください」とったので、エリシャは「きましょう」とこたえた。

6:4 そしてエリシャはかれらと一緒いっしょった。かれらはヨルダンへってたおしたが、

6:5 ひとりが材木ざいもくたおしているとき、おののあたまみずなかちたので、かれさけんでった。「ああ、わがしゅよ。これはりたものです」。

6:6 かみひとった、「それはどこにちたのか」。かれがその場所ばしょらせると、エリシャは一ぽんえだおとし、そこにれて、そのおののあたまうかばせ、

6:7 「それをりあげよ」とったので、そのひとべてそれをった。

6:8 かつてスリヤのおうがイスラエルとたたかっていたとき、家来けらいたちと評議ひょうぎして「しかじかのところにわたしのじんろう」とうと、

6:9 かみひとはイスラエルのおうに「あなたは用心ようじんして、このところをとおってはなりません。スリヤびとがそこにくだってきますから」とおくった。

6:10 それでイスラエルのおうかみひと自分じぶんげてくれたところひとをつかわし、警戒けいかいしたので、そのところでみずからをふせぎえたことは一、二かいにとどまらなかった。

6:11 スリヤのおうはこのことのためにこころなやまし、家来けらいたちをしてった、「われわれのうち、だれがイスラエルのおうつうじているのか、わたしにげるものはないか」。

6:12 ひとりの家来けらいった、「おう、わがしゅよ、だれもつうじているものはいません。ただイスラエルの預言者よげんしゃエリシャが、あなたが寝室しんしつかたられる言葉ことばでもイスラエルのおうげるのです」。

6:13 おうった、「かれがどこにいるかってさがしなさい。わたしはひとをやってかれとらえよう」。ときに「かれはドタンにいる」とおうげるものがあったので、

6:14 おうはそこにうま戦車せんしゃおよび大軍たいぐんをつかわした。かれらはよるのうちにて、そのまちかこんだ。

6:15 かみひと召使めしつかいあさはやきてると、軍勢ぐんぜいうま戦車せんしゃをもってまちかこんでいたので、その若者わかものはエリシャにった、「ああ、わがしゅよ、わたしたちはどうしましょうか」。

6:16 エリシャはった、「おそれることはない。われわれとともにいるものかれらとともにいるものよりもおおいのだから」。

6:17 そしてエリシャがいのって「しゅよ、どうぞ、かれひらいてさせてください」とうと、しゅはその若者わかものひらかれたので、かれると、うま戦車せんしゃやまちてエリシャのまわりにあった。

6:18 スリヤびとがエリシャのところくだってきたとき、エリシャはしゅいのってった、「どうぞ、この人々ひとびとをくらましてください」。するとエリシャの言葉ことばのとおりにかれらのをくらまされた。

6:19 そこでエリシャはかれらに「これはそのみちではない。これはそのまちでもない。わたしについてきなさい。わたしはあなたがたを、あなたがたのたずねるひとところれてきましょう」とって、かれらをサマリヤへれてった。

6:20 かれらがサマリヤにはいったとき、エリシャはった、「しゅよ、この人々ひとびとひらいてさせてください」。しゅかれらのひらかれたので、かれらがると、よ、かれらはサマリヤのうちにていた。

6:21 イスラエルのおうかれらをて、エリシャにった、「わがちちよ、かれらをころしましょうか。かれらをころしましょうか」。

6:22 エリシャはこたえた、「ころしてはならない。あなたはつるぎとゆみをもって、捕虜ほりょにしたものどもをころすでしょうか。パンとみずかれらのまえそなえてみさせ、その主君しゅくんのもとへかせなさい」。

6:23 そこでおうかれらのためにさかんなふるまいをもうけた。かれらがみをおわるとかれらをらせたので、その主君しゅくんところかえった。スリヤの略奪りゃくだつたいふたたびイスラエルのにこなかった。

6:24 こののちスリヤのおうベネハダデはそのぜんぐんあつめ、のぼってきてサマリヤをかこんだので、

6:25 サマリヤにはげしいききんがった。すなわちかれらがこれをかこんだので、ついに、ろばのあたま一つがぎん八十シケルでられ、はとのふん一カブの四ぶんの一がぎん五シケルでられるようになった。

6:26 イスラエルのおう城壁じょうへきうえをとおっていたとき、ひとりのおんなかればわって、「わがしゅおうよ、たすけてください」とったので、

6:27 かれった、「もししゅがあなたをたすけられないならば、なにをもってわたしがあなたをたすけることができよう。ものをもってか、さかぶねのものをもってか」。

6:28 そしておうおんなたずねた、「何事なにごとなのですか」。彼女かのじょこたえた、「このおんなはわたしにむかって『あなたのをください。わたしたちは、きょうそれをべ、あす、わたしのべましょう』といました。

6:29 それでわたしたちは、まずわたしのべましたが、つぎわたしが彼女かのじょにむかって『あなたのをください。わたしたちはそれをべましょう』といますと、彼女かのじょはそのかくしました」。

6:30 おうはそのおんな言葉ことばいて、ころもき、――おう城壁じょうへきうえをとおっていたが、たみると、その荒布あらぬのけていた――

6:31 そしておうった「きょう、シャパテのエリシャのくびがそのかたうえにすわっているならば、かみがどんなにでもわたしをばっしてくださるように」。

6:32 さてエリシャはそのいえしていたが、長老ちょうろうたちもきてかれともした。おう自分じぶんところからひとをつかわしたが、エリシャはその使者ししゃがまだかないうちに長老ちょうろうたちにった、「あなたがたは、このひところものがわたしのくびるために、ひとをつかわすのをますか。その使者ししゃがきたならば、じて、うちれてはなりません。かれのうしろに、その主君しゅくん足音あしおとがするではありませんか」。

6:33 かれがなおかれらとかたっているうちに、おうかれのもとにくだってきてった、「このわざわいしゅからたのです。わたしはどうしてこのうえしゅたなければならないでしょうか」。 

第7章 

7:1 エリシャはった、「しゅ言葉ことばきなさい。しゅはこうおおせられる、『あすのいまごろサマリヤのもんで、麦粉むぎこ一セアを一シケルでり、大麦おおむぎ二セアを一シケルでるようになるであろう』」。

7:2 ときにひとりの副官ふくかんすなわちおうがそのひとによりかかっていたものかみひとこたえてった、「たといしゅてんまどひらかれても、そんなことがありえましょうか」。エリシャはった、「あなたは自分じぶんをもってそれをるであろう。しかしそれをべることはなかろう」。

7:3 さてまちもん入口いりぐちに四にんのらい病人びょうにんがいたが、かれらはたがいった、「われわれはどうしてここにしてたねばならないのか。

7:4 われわれがもしまちにはいろうといえば、まちには食物しょくもつきているから、われわれはそこでぬであろう。しかしここにしていてもぬのだ。いっそのこと、われわれはスリヤびとの陣営じんえいげてこう。もしかれらがわれわれをかしておいてくれるならば、たすかるが、たといわれわれをころしてもぬばかりだ」。

7:5 そこでかれらはスリヤびとの陣営じんえいこうと、たそがれにちあがったが、スリヤびとの陣営じんえいのほとりにってると、そこにはだれもいなかった。

7:6 これはしゅがスリヤびとの軍勢ぐんぜい戦車せんしゃおとうまおと大軍たいぐんおとかせられたので、かれらはたがいに「よ、イスラエルのおうがわれわれをめるために、ヘテびとのおうたちおよびエジプトのおうたちをやとってきて、われわれをおそうのだ」とって、

7:7 たそがれにってげ、その天幕てんまくと、うまと、ろばをて、陣営じんえいをそのままにしておいて、いのちまっとうしようとげたからである。

7:8 そこでらい病人びょうにんたちは陣営じんえいのほとりにき、一つの天幕てんまくにはいってみし、そこから金銀きんぎん衣服いふくしてそれをかくし、またて、天幕てんまくはいり、そこからもしてそれをかくした。

7:9 そしてかれらはたがいった、「われわれのしていることはよくない。きょうはいおとずれのあるであるのに、だまっていて、夜明よあけまでつならば、われわれはばつをこうむるであろう。さあ、われわれはっておう家族かぞくげよう」。

7:10 そこでかれらはて、まちもんまもものんでった、「わたしたちがスリヤびとの陣営じんえいってると、そこにはだれの姿すがたえず、また人声ひとごえもなく、ただ、うまとろばがつないであり、天幕てんまくはそのままでした」。

7:11 そこでもんまもものばわって、それをおう家族かぞくのうちにらせた。

7:12 おうよるのうちにきて、家来けらいたちにった、「スリヤびとがわれわれにたいしてはかっていることをあなたがたにげよう。かれらは、われわれのえているのをって、陣営じんえいかくれ、『イスラエルびとがまちたら、いけどりにして、まちろう』とかんがえているのだ」。

7:13 家来けらいのひとりがこたえてった、「人々ひとびとに、ここにのこっているうまのうち五とうれてこさせてください。ここにのこっているこれらの人々ひとびとは、すでにほろびうせたイスラエルのぜん群衆ぐんしゅうおな運命うんめいにあうのですから。わたしたちはひとをやってうかがわせましょう」。

7:14 そこでかれらはふたりの騎兵きへいえらんだ。おうはそれをつかわし、「ってよ」とって、スリヤびとの軍勢ぐんぜいのあとをつけさせたので、

7:15 かれらはそのあとをってヨルダンまでったが、みちにはすべて、スリヤびとがあわててげるときてていった衣服いふく武器ぶきらばっていた。その使者ししゃかえってきて、これをおうげた。

7:16 そこでたみていって、スリヤびとの陣営じんえいをかすめたので、麦粉むぎこ一セアは一シケルでられ、大麦おおむぎ二セアは一シケルでられ、しゅ言葉ことばのとおりになった。

7:17 おう自分じぶんがそのひとによりかかっていた、あの副官ふくかんててもん管理かんりさせたが、たみもんかれみつけたので、かれんだ。すなわち、おうかみひとのところにくだってきたときかみひとったとおりであった。

7:18 これはかみひとおうにむかって、「あすのいまごろ、サマリヤのもん大麦おおむぎ二セアを一シケルでり、麦粉むぎこ一セアを一シケルでるようになるであろう」とったときに、

7:19 その副官ふくかんかみひとこたえて、「たといしゅてんまどひらかれても、そんなことがありえようか」とったからである。そのときかみひとは「あなたは自分じぶんをもってそれをるであろう。しかしそれをべることはなかろう」とったが、

7:20 これはそのとおりかれのぞんだ。すなわちたみもんかれみつけたのでかれんだ。 

第8章 

8:1 エリシャはかつて、そのきかえらせてやったおんなったことがある。「あなたは、ここをって、あなたの家族かぞくともき、寄留きりゅうしようとおもところ寄留きりゅうしなさい。しゅがききんをくだされたので、七ねんあいだそれがこののぞむから」。

8:2 そこでおんなってかみひと言葉ことばのようにし、その家族かぞくともってペリシテびとのに七ねん寄留きりゅうした。

8:3 七ねんたってのちおんなはペリシテびとのからかえってきて、自分じぶんいえはたけのためにおううったえようとていった。

8:4 ときおうかみひとのしもべゲハジにむかって「エリシャがしたもろもろのおおきなことをわたしにはなしてください」とって、かれ物語ものがたっていた。

8:5 すなわちエリシャが死人しにんきかえらせたことを、ゲハジがおう物語ものがたっていたとき、そのきかえらせてもらったおんなが、自分じぶんいえはたけのためにおううったえてきたので、ゲハジはった、「わがしゅおうよ、これがそのおんなです。またこれがそので、エリシャがきかえらせたのです」。

8:6 おうがそのおんなたずねると、彼女かのじょおうはなしたので、おう彼女かのじょのためにひとりの役人やくにんめいじてった、「すべて彼女かのじょぞくするもの、ならびに彼女かのじょがこのったからいままでのそのはたけ産物さんぶつをことごとく彼女かのじょかえしなさい」。

8:7 さてエリシャはダマスコにた。ときにスリヤのおうベネハダデは病気びょうきであったが、「かみひとがここにた」とげるものがあったので、

8:8 おうはハザエルにった、「おくものたずさえてってかみひとむかえ、かれによってしゅに『わたしのこの病気びょうきはなおりましょうか』とってたずねなさい」。

8:9 そこでハザエルはかれむかえようと、ダマスコのもろもろのものをらくだ四十とうせ、おくものとしてたずさき、エリシャのまえってった、「あなたの、スリヤのおうベネハダデがわたしをあなたにつかわして、『わたしのこの病気びょうきはなおりましょうか』とわせています」。

8:10 エリシャはかれった、「ってかれに『あなたはかならずなおります』とげなさい。ただししゅはわたしに、かれかならぬことをしめされました」。

8:11 そしてかみひとがひとみをさだめてかれじるまでにつめ、やがてしたので、

8:12 ハザエルはった、「わがしゅよ、どうしてかれるのですか」。エリシャはこたえた、「わたしはあなたがイスラエルの人々ひとびとにしようとする害悪がいあくっているからです。すなわち、あなたはかれらのしろをかけ、つるぎをもって若者わかものころし、おさげうち、にんしんおんなくでしょう」。

8:13 ハザエルはった、「しもべは一ぴきいぬにすぎないのに、どうしてそんなおおきなことをすることができましょう」。エリシャはった、「しゅがわたしにしめされました。あなたはスリヤのおうとなるでしょう」。

8:14 かれがエリシャのもとをって、主君しゅくんのところへくと、「エリシャはあなたになんとったか」とたずねられたので、「あなたがかならずなおるでしょうと、かれはわたしにげました」とこたえた。

8:15 しかし翌日よくじつになってハザエルはぬのってみずひたし、それをもっておうかおをおおったので、おうんだ。ハザエルはかれかわっておうとなった。

8:16 イスラエルのおうアハブのヨラムのだいねんに、ユダのおうヨシャパテのヨラムがくらいについた。

8:17 かれおうとなったとき三十二さいで、八ねんあいだエルサレムでおさめた。

8:18 かれはアハブのいえがしたようにイスラエルのおうたちのみちあゆんだ。アハブのむすめかれつまであったからである。かれしゅまえあくをおこなったが、

8:19 しゅはしもべダビデのためにユダをほろぼすことをこのまれなかった。すなわちしゅかれとその子孫しそんつねにともしびをあたえると、かれ約束やくそくされたからである。

8:20 ヨラムのにエドムがそむいてユダの支配しはいだっし、みずからおうてたので、

8:21 ヨラムはすべての戦車せんしゃしたがえてザイルにわたってき、その戦車せんしゃ指揮しきかんたちとともに、のうちにちあがって、かれ包囲ほういしているエドムびとをった。しかしヨラムの軍隊ぐんたい天幕てんまくかえった。

8:22 エドムはこのようにそむいてユダの支配しはいだっし、今日こんにちいたっている。リブナもまた同時どうじにそむいた。

8:23 ヨラムのその事績じせきおよびかれがしたすべてのことは、ユダの歴代志れきだいししょにしるされているではないか。

8:24 ヨラムはその先祖せんぞたちととも ねむって、ダビデのまちにその先祖せんぞたちとともほうむられ、そのアハジヤがかわっておうとなった。

8:25 イスラエルのおうアハブのヨラムのだい十二ねんにユダのおうヨラムのアハジヤがくらいについた。

8:26 アハジヤはおうとなったとき二十二さいで、エルサレムで一ねんおさめた。そのははをアタリヤとって、イスラエルのおうオムリの孫娘まごむすめであった。

8:27 アハジヤはまたアハブのいえみちあゆみ、アハブのいえがしたようにしゅまえあくをおこなった。かれはアハブのいえ婿むこであったからである。

8:28 かれはアハブのヨラムとともって、スリヤのおうハザエルとラモテ・ギレアデでたたかったが、スリヤびとらはヨラムにきずわせた。

8:29 ヨラムおうはそのスリヤのおうハザエルとたたかうときにラマでスリヤびとにわされたきずをいやすため、エズレルにかえったが、ユダのおうヨラムのアハジヤはアハブのヨラムがんでいたので、エズレルにくだってかれをおとずれた。