口語訳聖書(振り仮名付き)
章: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
申命しんめい記き
第1章 Dt-Audio
1:1 これはヨルダンの向むこうの荒野あらの、パランと、トペル、ラバン、ハゼロテ、デザハブとの間あいだの、スフの前まえにあるアラバにおいて、モーセがイスラエルのすべての人ひとに告つげた言葉ことばである。
1:2 ホレブからセイル山やまの道みちを経へて、カデシ・バルネアに達たっするには、十一日にちの道みちのりである。
1:3 第だい四十年ねんの十一月がつとなり、その月つきの一日にちに、モーセはイスラエルの人々ひとびとにむかって、主しゅが彼かれらのため彼かれに授さづけられた命令めいれいを、ことごとく告つげた。
1:4 これはモーセがヘシボンに住すんでいたアモリびとの王おうシホン、およびアシタロテとエデレイとに住すんでいたバシャンの王おうオグを殺ころした後のちであった。
1:5 すなわちモーセはヨルダンの向むこうのモアブの地ちで、みずから、この律法りっぽうの説明せつめいに当あたった、そして言いった、
1:6 「われわれの神かみ、主しゅはホレブにおいて、われわれに言いわれた、『あなたがたはすでに久ひさしく、この山やまにとどまっていたが、
1:7 身みをめぐらして道みちに進すすみ、アモリびとの山地さんちに行いき、その近隣きんりんのすべての所ところ、アラバ、山地さんち、低地ていち、ネゲブ、海うみべ、カナンびとの地ち、またレバノンに行いき、大川おおかわユフラテにまで行いきなさい。
1:8 見みよ、わたしはこの地ちをあなたがたの前まえに置おいた。この地ちにはいって、それを自分じぶんのものとしなさい。これは主しゅが、あなたがたの先祖せんぞアブラハム、イサク、ヤコブに誓ちかって、彼かれらとその後のちの子孫しそんに与あたえると言いわれた所ところである』。
1:9 あの時とき、わたしはあなたがたに言いった、『わたしはひとりであなたがたを負おうことができない。
1:10 あなたがたの神かみ、主しゅはあなたがたを多おおくされたので、あなたがたは、きょう、空そらの星ほしのように多おおい。
1:11 ――どうぞ、あなたがたの先祖せんぞの神かみ、主しゅがあなたがたを、今いまあるより千倍ばいも多おおくし、またあなたがたに約束やくそくされたように、あなたがたを恵めぐんでくださるように。――
1:12 わたしひとりで、どうして、あなたがたを負おい、あなたがたの重荷おもにと、あなたがたの争あらそいを処理しょりすることができようか。
1:13 あなたがたは、おのおの部族ぶぞくごとに、知恵ちえがあり、知識ちしきがあって、人ひとに知しられている人々ひとびとを選えらび出だしなさい。わたしはその人々ひとびとを、あなたがたのかしらとするであろう』。
1:14 その時とき、あなたがたはわたしに答こたえた、『あなたがしようと言いわれることは良よいことです』。
1:15 そこで、わたしは、あなたがたのうちから、知恵ちえがあり、人ひとに知しられている人々ひとびとを取とって、あなたがたのかしらとした。すなわち千人にんの長ちょう、百人にんの長ちょう、五十人にんの長ちょう、十人にんの長ちょうとし、また、あなたがたの部族ぶぞくのつかさびととした。
1:16 また、あのとき、わたしはあなたがたのさばきびとたちに命めいじて言いった、『あなたがたは、兄弟きょうだいたちの間あいだの訴うったえを聞きき、人ひととその兄弟きょうだい、または寄留きりゅうの他国たこく人じんとの間あいだを、正ただしくさばかなければならない。
1:17 あなたがたは、さばきをする時とき、人ひとを片寄かたより見みてはならない。小ちいさい者ものにも大おおいなる者ものにも聞きかなければならない。人ひとの顔かおを恐おそれてはならない。さばきは神かみの事ことだからである。あなたがたで決きめるのにむずかしい事ことは、わたしのところに持もってこなければならない。わたしはそれを聞きくであろう』。
1:18 わたしはまた、あの時とき、あなたがたがしなければならないことを、ことごとく命めいじた。
1:19 われわれの神かみ、主しゅが命めいじられたように、われわれは、ホレブを出立しゅったつして、あなたがたが見みた、あの大おおきな恐おそろしい荒野あらのを通とおり、アモリびとの山地さんちへ行ゆく道みちによって、カデシ・バルネアにきた。
1:20 その時ときわたしはあなたがたに言いった、『あなたがたは、われわれの神かみ、主しゅがお与あたえになるアモリびとの山地さんちに着ついた。
1:21 見みよ、あなたの神かみ、主しゅはこの地ちをあなたの前まえに置おかれた。あなたの先祖せんぞの神かみ、主しゅが告つげられたように、上のぼって行いって、これを自分じぶんのものとしなさい。恐おそれてはならない。おののいてはならない』。
1:22 あなたがたは皆みなわたしに近寄ちかよって言いった、『われわれは人ひとをさきにつかわして、その地ちを探さぐらせ、どの道みちから上のぼるべきか、どの町々まちまちに入いるべきかを、復命ふくめいさせましょう』。
1:23 このことは良よいと思おもったので、わたしはあなたがたのうち、おのおのの部族ぶぞくから、ひとりずつ十二人にんの者ものを選えらんだ。
1:24 彼かれらは身みをめぐらして、山地さんちに上のぼって行いき、エシコルの谷たにへ行いってそれを探さぐり、
1:25 その地ちのくだものを手てに取とって、われわれのところに持もって下くだり、復命ふくめいして言いった、『われわれの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちは良よい地ちです』。
1:26 しかし、あなたがたは上のぼって行いくことを好このまないで、あなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいにそむいた。
1:27 そして天幕てんまくでつぶやいて言いった。『主しゅはわれわれを憎にくんでアモリびとの手てに渡わたし、滅ほろぼそうとしてエジプトの国くにから導みちびき出だされたのだ。
1:28 われわれはどこへ上のぼって行いくのか。兄弟きょうだいたちは、「その民たみはわれわれよりも大おおきくて、背せも高たかい。町々まちまちは大おおきく、その石いしがきは天てんに届とどいている。われわれは、またアナクびとの子孫しそんをその所ところで見みた」と言いって、われわれの心こころをくじいた』。
1:29 その時とき、わたしはあなたがたに言いった、『彼かれらをこわがってはならない。また恐おそれてはならない。
1:30 先さきに立たって行いかれるあなたがたの神かみ、主しゅはエジプトにおいて、あなたがたの目めの前まえで、すべてのことを行おこなわれたように、あなたがたのために戦たたかわれるであろう。
1:31 あなたがたはまた荒野あらので、あなたの神かみ、主しゅが、人ひとのその子こを抱だくように、あなたを抱だかれるのを見みた。あなたがたが、この所ところに来くるまで、その道みちすがら、いつもそうであった』。
1:32 このように言いっても、あなたがたはなお、あなたがたの神かみ、主しゅを信しんじなかった。
1:33 主しゅは道々みちみちあなたがたの先さきに立たって行いき、あなたがたが宿営しゅくえいする場所ばしょを捜さがし、夜よるは火ひのうちにあり、昼ひるは雲くものうちにあって、あなたがたに行ゆくべき道みちを示しめされた。
1:34 主しゅは、あなたがたの言葉ことばを聞きいて怒いかり、誓ちかって言いわれた、
1:35 『この悪わるい世代せだいの人々ひとびとのうちには、わたしが、あなたがたの先祖せんぞたちに与あたえると誓ちかったあの良よい地ちを見みる者ものは、ひとりもないであろう。
1:36 ただエフンネの子こカレブだけはそれを見みることができるであろう。彼かれが踏ふんだ地ちを、わたしは彼かれとその子孫しそんに与あたえるであろう。彼かれが全まったく主しゅに従したがったからである』。
1:37 主しゅはまた、あなたがたのゆえに、わたしをも怒いかって言いわれた、『おまえもまた、そこにはいることができないであろう。
1:38 おまえに仕つかえているヌンの子こヨシュアが、そこにはいるであろう。彼かれを力ちからづけよ。彼かれはイスラエルにそれを獲えさせるであろう。
1:39 またあなたがたが、かすめられるであろうと言いったあなたがたのおさなごたち、およびその日ひにまだ善悪ぜんあくをわきまえないあなたがたの子供こどもたちが、そこにはいるであろう。わたしはそれを彼かれらに与あたえる。彼かれらはそれを所有しょゆうとするであろう。
1:40 あなたがたは身みをめぐらし、紅海こうかいの道みちによって、荒野あらのに進すすんで行いきなさい』。
1:41 しかし、あなたがたはわたしに答こたえて言いった、『われわれは主しゅにむかって罪つみを犯おかしました。われわれの神かみ、主しゅが命めいじられたように、われわれは上のぼって行いって戦たたかいましょう』。そして、おのおの武器ぶきを身みに帯おびて、かるがるしく山地さんちへ上のぼって行いこうとした。
1:42 その時とき、主しゅはわたしに言いわれた、『彼かれらに言いいなさい、「あなたがたは上のぼって行いってはならない。また戦たたかってはならない。わたしはあなたがたのうちにいない。おそらく、あなたがたは敵てきに撃うち敗やぶられるであろう」』。
1:43 このようにわたしが告つげたのに、あなたがたは聞きかないで主しゅの命令めいれいにそむき、ほしいままに山地さんちへ上のぼって行いったが、
1:44 その山地さんちに住すんでいるアモリびとが、あなたがたに向むかって出でてきて、はちが追おうように、あなたがたを追おいかけ、セイルで撃うち敗やぶって、ホルマにまで及およんだ。
1:45 あなたがたは帰かえってきて、主しゅの前まえで泣ないたが、主しゅはあなたがたの声こえを聞きかず、あなたがたに耳みみを傾かたむけられなかった。
1:46 こうしてあなたがたは、日ひ久ひさしくカデシにとどまった。あなたがたのそこにとどまった日数にっすうのとおりである。
第2章 2:1 それから、われわれは身みをめぐらし、主しゅがわたしに告つげられたように、紅海こうかいの方ほうに向むかって荒野あらのに進すすみ入いり、日ひ久ひさしくセイル山やまを行いきめぐっていたが、2:2 主しゅはわたしに言いわれた、2:3 『あなたがたは既すでに久ひさしくこの山やまを行いきめぐっているが、身みをめぐらして北きたに進すすみなさい。2:4 おまえはまた民たみに命めいじて言いえ、「あなたがたは、エサウの子孫しそん、すなわちセイルに住すんでいるあなたがたの兄弟きょうだいの領内りょうないを通とおろうとしている。彼かれらはあなたがたを恐おそれるであろう。それゆえ、あなたがたはみずから深ふかく慎つつしみ、2:5 彼かれらと争あらそってはならない。彼かれらの地ちは、足あしの裏うらで踏ふむほどでも、あなたがたに与あたえないであろう。わたしがセイル山やまをエサウに与あたえて、領地りょうちとさせたからである。2:6 あなたがたは彼かれらから金かねで食物しょくもつを買かって食たべ、また金かねで水みずを買かって飲のまなければならない。2:7 あなたの神かみ、主しゅが、あなたのするすべての事ことにおいて、あなたを恵めぐみ、あなたがこの大おおいなる荒野あらのを通とおるのを、見守みまもられたからである。あなたの神かみ、主しゅがこの四十年ねんの間あいだ、あなたと共ともにおられたので、あなたは何なにも乏とぼしいことがなかった」』。2:8 こうしてわれわれは、エサウの子孫しそんでセイルに住すんでいる兄弟きょうだいを離はなれ、アラバの道みちを避さけ、エラテとエジオン・ゲベルを離はなれて進すすんだ。 われわれは転てんじて、モアブの荒野あらのの方ほうに向むかって進すすんだ。2:9 その時とき、主しゅはわたしに言いわれた、『モアブを敵視てきししてはならない。またそれと争あらそい戦たたかってはならない。彼かれらの地ちは、領地りょうちとしてあなたに与あたえない。ロトの子孫しそんにアルを与あたえて、領地りょうちとさせたからである。2:10 (むかし、エミびとがこの所ところに住すんでいた。この民たみは大おおいなる民たみであって、数かずも多おおく、アナクびとのように背せも高たかく、2:11 またアナクびとと同おなじくレパイムであると、みなされていたが、モアブびとは、これをエミびとと呼よんでいた。2:12 ホリびとも、むかしはセイルに住すんでいたが、エサウの子孫しそんがこれを追おい払はらい、これを滅ほろぼし、彼かれらに代かわってそこに住すんだ。主しゅが賜たまわった所有しょゆうの地ちに、イスラエルがおこなったのと同おなじである。)2:13 あなたがたは、いま、立たちあがってゼレデ川がわを渡わたりなさい』。そこでわれわれはゼレデ川がわを渡わたった。2:14 カデシ・バルネアを出でてこのかた、ゼレデ川がわを渡わたるまでの間あいだの日ひは三十八年ねんであって、その世代せだいのいくさびとはみな死しに絶たえて、宿営しゅくえいのうちにいなくなった。主しゅが彼かれらに誓ちかわれたとおりである。2:15 まことに主しゅの手てが彼かれらを攻せめ、宿営しゅくえいのうちから滅ほろぼし去さられたので、彼かれらはついに死しに絶たえた。 2:16 いくさびとがみな民たみのうちから死しに絶たえたとき、2:17 主しゅはわたしに言いわれた、2:18 『おまえは、きょう、モアブの領地りょうちアルを通とおろうとしている。2:19 アンモンの子孫しそんに近ちかづく時とき、おまえは彼かれらを敵視てきししてはならない。また争あらそってはならない。わたしはアンモンの子孫しそんの地ちを領地りょうちとして、おまえに与あたえない。それをロトの子孫しそんに領地りょうちとして与あたえたからである。2:20 (これもまたレパイムの国くにとみなされた。むかし、レパイムがここに住すんでいたからである。しかし、アンモンびとは彼かれらをザムズミびとと呼よんだ。2:21 この民たみは大おおいなる民たみであって数かずも多おおく、アナクびとのように背せも高たかかったが、主しゅはアンモンびとの前まえから、これを滅ほろぼされ、アンモンびとがこれを追おい払はらって、彼かれらに代かわってそこに住すんだ。2:22 この事ことは、セイルに住すんでいるエサウの子孫しそんのためにその前まえから、ホリびとを滅ほろぼされたのと同おなじである。彼かれらはホリびとを追おい払はらい、これに代かわって今日こんにちまでそこに住すんでいる。2:23 またカフトルから出でたカフトルびとは、ガザにまで及およぶ村々むらむらに住すんでいたアビびとを滅ほろぼして、これに代かわってそこに住すんでいる。)2:24 あなたがたは立たちあがり、進すすんでアルノン川がわを渡わたりなさい。わたしはヘシボンの王おうアモリびとシホンとその国くにとを、おまえの手てに渡わたした。それを征服せいふくし始はじめよ。彼かれと争あらそって戦たたかえ。2:25 きょうから、わたしは全ぜん天下てんかの民たみに、おまえをおびえ恐おそれさせるであろう。彼かれらはおまえのうわさを聞きいて震ふるえ、おまえのために苦くるしむであろう』。2:26 そこでわたしは、ケデモテの荒野あらのから、ヘシボンの王おうシホンに使者ししゃをつかわし、平和へいわの言葉ことばを述のべさせた。2:27 『あなたの国くにを通とおらせてください。わたしは大路おおじをとおっていきます、右みぎにも左ひだりにも曲まがりません。2:28 金かねで食物しょくもつを売うってわたしに食たべさせ、金かねをとって水みずを与あたえてわたしに飲のませてください。徒歩とほで通とおらせてくださるだけでよいのです。2:29 セイルに住すむエサウの子孫しそんと、アルに住すむモアブびとが、わたしにしたようにしてください。そうすれば、わたしはヨルダンを渡わたって、われわれの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちに行いきます』。2:30 しかし、ヘシボンの王おうシホンは、われわれを通とおらせるのを好このまなかった。あなたの神かみ、主しゅが彼かれをあなたの手てに渡わたすため、その気きを強つよくし、その心こころをかたくなにされたからである。今日こんにち見みるとおりである。2:31 時ときに主しゅはわたしに言いわれた、『わたしはシホンと、その地ちとを、おまえに渡わたし始はじめた。おまえはそれを征服せいふくしはじめ、その地ちを自分じぶんのものとせよ』。2:32 そこでシホンは、われわれを攻せめようとして、その民たみをことごとく率ひきい、出でてきてヤハズで戦たたかったが、2:33 われわれの神かみ、主しゅが彼かれを渡わたされたので、われわれは彼かれとその子こらと、そのすべての民たみとを撃うち殺ころした。2:34 その時とき、われわれは彼かれのすべての町まちを取とり、そのすべての町まちの男おとこ、女おんなおよび子供こどもを全まったく滅ほろぼして、ひとりをも残のこさなかった。2:35 ただその家畜かちくは、われわれが取とった町々まちまちのぶんどり物ものと共ともに、われわれが獲えて自分じぶんの物ものとした。2:36 アルノンの谷たにのほとりにあるアロエルおよび谷たにの中なかにある町まちからギレアデに至いたるまで、われわれが攻せめて取とれなかった町まちは一つもなかった。われわれの神かみ、主しゅがことごとくわれわれに渡わたされたのである。2:37 ただアンモンの子孫しそんの地ち、すなわちヤボク川がわの全ぜん岸きし、および山地さんちの町々まちまち、またすべてわれわれの神かみ、主しゅが禁きんじられた所ところには近寄ちかよらなかった。 第3章 3:1 そしてわれわれは身みをめぐらして、バシャンの道みちを上のぼって行いったが、バシャンの王おうオグは、われわれを迎むかえ撃うとうとして、その民たみをことごとく率ひきい、出でてきてエデレイで戦たたかった。3:2 時ときに主しゅはわたしに言いわれた、『彼かれを恐おそれてはならない。わたしは彼かれと、そのすべての民たみと、その地ちをおまえの手てに渡わたしている。おまえはヘシボンに住すんでいたアモリびとの王おうシホンにしたように、彼かれにするであろう』。3:3 こうしてわれわれの神かみ、主しゅはバシャンの王おうオグと、そのすべての民たみを、われわれの手てに渡わたされたので、われわれはこれを撃うち殺ころして、ひとりをも残のこさなかった。3:4 その時とき、われわれは彼かれの町々まちまちを、ことごとく取とった。われわれが取とらなかった町まちは一つもなかった。取とった町まちは六十。アルゴブの全ぜん地方ちほうであって、バシャンにおけるオグの国くにである。3:5 これらは皆みな、高たかい石いしがきがあり、門もんがあり、貫かんの木きのある堅固けんごな町まちであった。このほかに石いしがきのない町まちは、非常ひじょうに多おおかった。3:6 われわれはヘシボンの王おうシホンにしたように、これらを全まったく滅ほろぼし、そのすべての町まちの男おとこ、女おんなおよび子供こどもをことごとく滅ほろぼした。3:7 ただし、そのすべての家畜かちくと、その町々まちまちからのぶんどり物ものとは、われわれが獲えて自分じぶんの物ものとした。3:8 その時ときわれわれはヨルダンの向むこう側がわにいるアモリびとのふたりの王おうの手てから、アルノン川がわからヘルモン山ざんまでの地ちを取とった。3:9 (シドンびとはヘルモンをシリオンと呼よび、アモリびとはこれをセニルと呼よんでいる。)3:10 すなわち高原こうげんのすべての町まち、ギレアデの全ぜん地ち、バシャンの全ぜん地ち、サルカおよびエデレイまで、バシャンにあるオグの国くにの町々まちまちをことごとく取とった。3:11 (バシャンの王おうオグはレパイムのただひとりの生存者せいぞんしゃであった。彼かれの寝台しんだいは鉄てつの寝台しんだいであった。これは今いまなおアンモンびとのラバにあるではないか。これは普通ふつうのキュビト尺しゃくで、長ながさ九きゅうキュビト、幅はば四キュビトである。) 3:12 その時ときわれわれは、この地ちを獲えた。そしてわたしはアルノン川がわのほとりのアロエルから始はじまる地ちと、ギレアデの山地さんちの半なかばと、その町々まちまちとは、ルベンびとと、ガドびととに与あたえた。3:13 わたしはまたギレアデの残のこりの地ちと、オグの国くにであったバシャンの全ぜん地ちとは、マナセの半はん部族ぶぞくに与あたえた。すなわちアルゴブの全ぜん地方ちほうである。(そのバシャンの全ぜん地ちはレパイムの国くにと唱となえられる。3:14 マナセの子こヤイルは、アルゴブの全ぜん地方ちほうを取とって、ゲシュルびとと、マアカびとの境さかいにまで達たっし、自分じぶんの名なにしたがって、バシャンをハボテ・ヤイルと名なづけた。この名なは今日こんにちにまでおよんでいる。)3:15 またわたしはマキルにはギレアデを与あたえた。3:16 ルベンびとと、ガドびととには、ギレアデからアルノン川がわまでを与あたえ、その川かわのまん中なかをもって境さかいとし、またアンモンびとの境さかいであるヤボク川がわにまで達たっせしめた。3:17 またヨルダンを境さかいとして、キンネレテからアラバの海うみすなわち塩しおの海うみまで、アラバをこれに与あたえて、東ひがしの方ほうピスガのふもとに達たっせしめた。 3:18 その時ときわたしはあなたがたに命めいじて言いった、『あなたがたの神かみ、主しゅはこの地ちをあなたがたに与あたえて、これを獲えさせられるから、あなたがた勇士ゆうしはみな武装ぶそうして、兄弟きょうだいであるイスラエルの人々ひとびとに先立さきだって、渡わたって行いかなければならない。3:19 ただし、あなたがたの妻つまと、子供こどもと、家畜かちくとは、わたしが与あたえた町々まちまちにとどまらなければならない。(わたしはあなたがたが多おおくの家畜かちくを持もっているのを知しっている。)3:20 主しゅがすでにあなたがたに与あたえられたように、あなたがたの兄弟きょうだいにも安息あんそくを与あたえられて、彼かれらもまたヨルダンの向むこう側がわで、あなたがたの神かみ、主しゅが与あたえられる地ちを獲えるようになったならば、あなたがたはおのおのわたしがあなたがたに与あたえた領地りょうちに帰かえることができる』。3:21 その時ときわたしはヨシュアに命めいじて言いった、『あなたの目めはあなたがたの神かみ、主しゅがこのふたりの王おうに行おこなわれたすべてのことを見みた。主しゅはまたあなたが渡わたって行いくもろもろの国くににも、同おなじように行おこなわれるであろう。3:22 彼かれらを恐おそれてはならない。あなたがたの神かみ、主しゅがあなたがたのために戦たたかわれるからである』。 3:23 その時ときわたしは主しゅに願ねがって言いった、3:24 『主しゅなる神かみよ、あなたの大おおいなる事ことと、あなたの強つよい手てとを、たった今いま、しもべに示しめし始はじめられました。天てんにも地ちにも、あなたのようなわざをなし、あなたのような力ちからあるわざのできる神かみが、ほかにありましょうか。3:25 どうぞ、わたしにヨルダンを渡わたって行いかせ、その向むこう側がわの良よい地ち、あの良よい山地さんち、およびレバノンを見みることのできるようにしてください』。3:26 しかし主しゅはあなたがたのゆえにわたしを怒いかり、わたしに聞きかれなかった。そして主しゅはわたしに言いわれた、『おまえはもはや足たりている。この事ことについては、重かさねてわたしに言いってはならない。3:27 おまえはピスガの頂いただきに登のぼり、目めをあげて西にし、北きた、南みなみ、東ひがしを望のぞみ見みよ。おまえはこのヨルダンを渡わたることができないからである。3:28 しかし、おまえはヨシュアに命めいじ、彼かれを励はげまし、彼かれを強つよくせよ。彼かれはこの民たみに先立さきだって渡わたって行いき、彼かれらにおまえの見みる地ちを継つがせるであろう』。3:29 こうしてわれわれはベテペオルに対たいする谷たににとどまっていた。 第4章 4:1 イスラエルよ、いま、わたしがあなたがたに教おしえる定さだめと、おきてとを聞きいて、これを行おこないなさい。そうすれば、あなたがたは生いきることができ、あなたがたの先祖せんぞの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちにはいって、それを自分じぶんのものとすることができよう。4:2 わたしがあなたがたに命めいじる言葉ことばに付つけ加くわえてはならない。また減へらしてはならない。わたしが命めいじるあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいを守まもることのできるためである。4:3 あなたがたの目めは、主しゅがバアル・ペオルで行おこなわれたことを見みた。ペオルのバアルに従したがった人々ひとびとは、あなたの神かみ、主しゅがことごとく、あなたのうちから滅ほろぼしつくされたのである。4:4 しかし、あなたがたの神かみ、主しゅにつき従したがったあなたがたは皆みな、きょう、生いきながらえている。4:5 わたしはわたしの神かみ、主しゅが命めいじられたとおりに、定さだめと、おきてとを、あなたがたに教おしえる。あなたがたがはいって、自分じぶんのものとする地ちにおいて、そのように行おこなうためである。4:6 あなたがたは、これを守まもって行おこなわなければならない。これは、もろもろの民たみにあなたがたの知恵ちえ、また知識ちしきを示しめす事ことである。彼かれらは、このもろもろの定さだめを聞きいて、『この大おおいなる国民こくみんは、まことに知恵ちえあり、知識ちしきある民たみである』と言いうであろう。 4:7 われわれの神かみ、主しゅは、われわれが呼よび求もとめる時とき、つねにわれわれに近ちかくおられる。いずれの大おおいなる国民こくみんに、このように近ちかくおる神かみがあるであろうか。4:8 また、いずれの大おおいなる国民こくみんに、きょう、わたしがあなたがたの前まえに立たてるこのすべての律法りっぽうのような正ただしい定さだめと、おきてとがあるであろうか。 4:9 ただあなたはみずから慎つつしみ、またあなた自身じしんをよく守まもりなさい。そして目めに見みたことを忘わすれず、生いきながらえている間あいだ、それらの事ことをあなたの心こころから離はなしてはならない。またそれらのことを、あなたの子孫しそんに知しらせなければならない。4:10 あなたがホレブにおいて、あなたの神かみ、主しゅの前まえに立たった日ひに、主しゅはわたしに言いわれた、『民たみをわたしのもとに集あつめよ。わたしは彼かれらにわたしの言葉ことばを聞きかせ、地上ちじょうに生いきながらえる間あいだ、彼かれらにわたしを恐おそれることを学まなばせ、またその子こ供ともを教おしえることのできるようにさせよう』。4:11 そこであなたがたは近ちかづいて、山やまのふもとに立たったが、山やまは火ひで焼やけて、その炎ほのおは中天ちゅうてんに達たっし、暗黒あんこくと雲くもと濃こい雲くもとがあった。4:12 時ときに主しゅは火ひの中なかから、あなたがたに語かたられたが、あなたがたは言葉ことばの声こえを聞きいたけれども、声こえばかりで、なんの形かたちも見みなかった。4:13 主しゅはその契約けいやくを述のべて、それを行おこなうように、あなたがたに命めいじられた。それはすなわち十誡じっかいであって、主しゅはそれを二に枚まいの石いしの板いたに書かきしるされた。4:14 その時とき、主しゅはわたしに命めいじて、あなたがたに定さだめと、おきてとを教おしえさせられた。あなたがたが渡わたって行いって自分じぶんのものとする地ちで、行おこなわせるためであった。 4:15 それゆえ、あなたがたはみずから深ふかく慎つつしまなければならない。ホレブで主しゅが火ひの中なかからあなたがたに語かたられた日ひに、あなたがたはなんの形かたちも見みなかった。4:16 それであなたがたは道みちを誤あやまって、自分じぶんのために、どんな形かたちの刻きざんだ像ぞうをも つくってはならない。男おとこまたは女おんなの像ぞうを造つくってはならない。4:17 すなわち地ちの上うえにおるもろもろの獣けものの像ぞう、空そらを飛とぶもろもろの鳥とりの像ぞう、4:18 地ちに這はうもろもろの物ものの像ぞう、地ちの下したの水みずの中なかにおるもろもろの魚うおの像ぞうを つくってはならない。4:19 あなたはまた目めを上あげて天てんを望のぞみ、日ひ、月つき、星ほしすなわちすべて天てんの万象ばんしょうを見み、誘惑ゆうわくされてそれを拝おがみ、それに仕つかえてはならない。それらのものは、あなたの神かみ、主しゅが全ぜん天下てんかの万民ばんみんに分わけられたものである。4:20 しかし、主しゅはあなたがたを取とって、鉄てつの炉ろすなわちエジプトから導みちびき出だし、自分じぶんの所有しょゆうの民たみとされた。きょう、見みるとおりである。4:21 ところで主しゅはあなたがたのゆえに、わたしを怒いかり、わたしがヨルダンを渡わたって行いくことができないことと、あなたの神かみ、主しゅが嗣し業ぎょうとしてあなたに賜たまわる良よい地ちにはいることができないこととを誓ちかわれた。4:22 わたしはこの地ちで死しぬ。ヨルダンを渡わたって行いくことはできない。しかしあなたがたは渡わたって行いって、あの良よい地ちを獲えるであろう。4:23 あなたがたは慎つつしみ、あなたがたの神かみ、主しゅがあなたがたと結むすばれた契約けいやくを忘わすれて、あなたの神かみ、主しゅが禁きんじられたどんな形かたちの刻きざんだ像ぞうをも つくってはならない。4:24 あなたの神かみ、主しゅは焼やきつくす火ひ、ねたむ神かみである。 4:25 あなたがたが子こを生うみ、孫まごを得え、長ながくその地ちにおるうちに、道みちを誤あやまって、すべて何なにかの形かたちに刻きざんだ像ぞうを造つくり、あなたの神かみ、主しゅの目めの前まえに悪あくをなして、その憤いきどおりを引ひき起おこすことがあれば、4:26 わたしは、きょう、天てんと地ちを呼よんであなたがたに対たいしてあかしとする。あなたがたはヨルダンを渡わたって行いって獲える地ちから、たちまち全滅ぜんめつするであろう。あなたがたはその所ところで長ながく命いのちを保たもつことができず、全まったく滅ほろぼされるであろう。4:27 主しゅはあなたがたを国々くにぐにに散ちらされるであろう。そして主しゅがあなたがたを追おいやられる国民こくみんのうちに、あなたがたの残のこる者ものの数かずは少すくないであろう。4:28 その所ところであなたがたは人ひとが手てで作つくった、見みることも、聞きくことも、食たべることも、かぐこともない木きや石いしの神々かみがみに仕つかえるであろう。4:29 しかし、その所ところからあなたの神かみ、主しゅを求もとめ、もし心こころをつくし、精神せいしんをつくして、主しゅを求もとめるならば、あなたは主しゅに会あうであろう。4:30 後のちの日ひになって、あなたがなやみにあい、これらのすべての事ことが、あなたに臨のぞむとき、もしあなたの神かみ、主しゅに立たち帰かえってその声こえに聞ききしたがうならば、4:31 あなたの神かみ、主しゅはいつくしみの深ふかい神かみであるから、あなたを捨すてず、あなたを滅ほろぼさず、またあなたの先祖せんぞに誓ちかった契約けいやくを忘わすれられないであろう。 4:32 試こころみにあなたの前まえに過すぎ去さった日ひについて問とえ。神かみが地上ちじょうに人ひとを造つくられた日ひからこのかた、天てんのこの端はしから、かの端はしまでに、かつてこのように大おおいなる事ことがあったであろうか。このようなことを聞きいたことがあったであろうか。4:33 火ひの中なかから語かたられる神かみの声こえをあなたが聞きいたように、聞きいてなお生いきていた民たみがかつてあったであろうか。4:34 あるいはまた、あなたがたの神かみ、主しゅがエジプトにおいて、あなたがたの目めの前まえに、あなたがたのためにもろもろの事ことをなされたように、試こころみと、しるしと、不思議ふしぎと、戦たたかいと、強つよい手てと、伸のばした腕うでと、大おおいなる恐おそるべき事こととをもって臨のぞみ、一つの国民こくみんを他たの国民こくみんのうちから引ひき出だして、自分じぶんの民たみとされた神かみが、かつてあったであろうか。4:35 あなたにこの事ことを示しめしたのは、主しゅこそ神かみであって、ほかに神かみのないことを知しらせるためであった。4:36 あなたを訓練くんれんするために、主しゅは天てんからその声こえを聞きかせ、地上ちじょうでは、またその大おおいなる火ひを示しめされた。あなたはその言葉ことばが火ひの中なかから出でるのを聞きいた。4:37 主しゅはあなたの先祖せんぞたちを愛あいされたので、その後のちの子孫しそんを選えらび、大おおいなる力ちからをもって、みずからあなたをエジプトから導みちびき出だし、4:38 あなたよりも大おおきく、かつ強つよいもろもろの国民こくみんを、あなたの前まえから追おい払はらい、あなたをその地ちに導みちびき入いれて、これを嗣し業ぎょうとしてあなたに与あたえようとされること、今日こんにち見みるとおりである。4:39 それゆえ、あなたは、きょう知しって、心こころにとめなければならない。上うえは天てん、下したは地ちにおいて、主しゅこそ神かみにいまし、ほかに神かみのないことを。4:40 あなたは、きょう、わたしが命めいじる主しゅの定さだめと命令めいれいとを守まもらなければならない。そうすれば、あなたとあなたの後のちの子孫しそんはさいわいを得え、あなたの神かみ、主しゅが永久えいきゅうにあなたに賜たまわる地ちにおいて、長ながく命いのちを保たもつことができるであろう」。 4:41 それからモーセはヨルダンの向むこう側がわ、東ひがしの方ほうに三つの町々まちまちを指定していした。4:42 過去かこの恨うらみによるのではなく、あやまって隣人りんじんを殺ころした者ものをそこにのがれさせ、その町まちの一つにのがれて、命いのちを全まっとうさせるためであった。4:43 すなわちルベンびとのためには荒野あらのの中なかの高地こうちにあるベゼルを、ガドびとのためにはギレアデのラモテを、マナセびとのためにはバシャンのゴランを定さだめた。 4:44 モーセがイスラエルの人々ひとびとの前まえに示しめした律法りっぽうはこれである。4:45 イスラエルの人々ひとびとがエジプトから出でたとき、モーセが彼かれらに述のべたあかしと、定さだめと、おきてとはこれである。4:46 すなわちヨルダンの向むこう側がわ、アモリびとの王おうシホンの国くにのベテペオルに対たいする谷たににおいてこれを述のべた。シホンはヘシボンに住すんでいたが、モーセとイスラエルの人々ひとびとが、エジプトを出でてきた時とき、これを撃うち敗やぶって、4:47 その国くにを獲え、またバシャンの王おうオグの国くにを獲えた。このふたりはアモリびとの王おうであって、ヨルダンの向むこう側がわ、東ひがしの方ほうにおった。4:48 彼かれらの獲えた地ちはアルノン川がわのほとりにあるアロエルからシリオン山ざんすなわちヘルモンに及および、4:49 ヨルダンの東側ひがしがわのアラバの全部ぜんぶをかねて、アラバの海うみに達たっし、ピスガのふもとに及およんだ。 第5章 5:1 さてモーセはイスラエルのすべての人ひとを召めし寄よせて言いった、「イスラエルよ、きょう、わたしがあなたがたの耳みみに語かたる定さだめと、おきてを聞きき、これを学まなび、これを守まもって行おこなえ。5:2 われわれの神かみ、主しゅはホレブで、われわれと契約けいやくを結むすばれた。5:3 主しゅはこの契約けいやくをわれわれの先祖せんぞたちとは結むすばず、きょう、ここに生いきながらえているわれわれすべての者ものと結むすばれた。5:4 主しゅは山やまで火ひの中なかから、あなたがたと顔かおを合あわせて語かたられた。5:5 その時とき、わたしは主しゅとあなたがたとの間あいだに立たって主しゅの言葉ことばをあなたがたに伝つたえた。あなたがたは火ひのゆえに恐おそれて山やまに登のぼることができなかったからである。主しゅは言いわれた、 5:6 『わたしはあなたの神かみ、主しゅであって、あなたをエジプトの地ち、奴隷どれいの家いえから導みちびき出だした者ものである。 5:7 あなたはわたしのほかに何なにものをも神かみとしてはならない。 5:8 あなたは自分じぶんのために刻きざんだ像ぞうを造つくってはならない。上うえは天てんにあるもの、下したは地ちにあるもの、また地ちの下したの水みずの中なかにあるものの、どのような形かたちをも造つくってはならない。5:9 それを拝おがんではならない。またそれに仕つかえてはならない。あなたの神かみ、主しゅであるわたしは、ねたむ神かみであるから、わたしを憎にくむものには、父ちちの罪つみを子こに報むくいて三、四代だいに及およぼし、5:10 わたしを愛あいし、わたしの戒いましめを守まもる者ものには恵めぐみを施ほどこして千せん代だいに至いたるであろう。 5:11 あなたの神かみ、主しゅの名なをみだりに唱となえてはならない。主しゅはその名なをみだりに唱となえる者ものを罰ばっしないではおかないであろう。 5:12 安息日あんそくにちを守まもってこれを聖せいとし、あなたの神かみ、主しゅがあなたに命めいじられたようにせよ。5:13 六日かのあいだ働はたらいて、あなたのすべてのわざをしなければならない。5:14 七日なぬか目めはあなたの神かみ、主しゅの安息あんそくであるから、なんのわざをもしてはならない。あなたも、あなたのむすこ、娘むすめ、しもべ、はしため、牛うし、ろば、もろもろの家畜かちくも、あなたの門もんのうちにおる他国たこくの人ひとも同おなじである。こうしてあなたのしもべ、はしためを、あなたと同おなじように休やすませなければならない。5:15 あなたはかつてエジプトの地ちで奴隷どれいであったが、あなたの神かみ、主しゅが強つよい手てと、伸のばした腕うでとをもって、そこからあなたを導みちびき出だされたことを覚おぼえなければならない。それゆえ、あなたの神かみ、主しゅは安息日あんそくにちを守まもることを命めいじられるのである。 5:16 あなたの神かみ、主しゅが命めいじられたように、あなたの父ちちと母ははとを敬うやまえ。あなたの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちで、あなたが長ながく命いのちを保たもち、さいわいを得えることのできるためである。 5:17 あなたは殺ころしてはならない。 5:18 あなたは姦淫かんいんしてはならない。 5:19 あなたは盗ぬすんではならない。 5:20 あなたは隣人りんじんについて偽証ぎしょうしてはならない。 5:21 あなたは隣人りんじんの妻つまをむさぼってはならない。また隣人りんじんの家いえ、畑はたけ、しもべ、はしため、牛うし、ろば、またすべて隣人りんじんのものをほしがってはならない』。 5:22 主しゅはこれらの言葉ことばを山やまで火ひの中なか、雲くもの中なか、濃こい雲くもの中なかから、大おおいなる声こえをもって、あなたがたの全ぜん会衆かいしゅうにお告つげになったが、このほかのことは言いわれず、二枚まいの石いしの板いたにこれを書かきしるして、わたしに授さづけられた。5:23 時ときに山やまは火ひで燃もえていたが、あなたがたが暗黒あんこくのうちから聞きこえる声こえを聞きくに及およんで、あなたがたの部族ぶぞくのすべてのかしらと長老ちょうろうたちは、わたしに近寄ちかよって、5:24 言いった、『われわれの神かみ、主しゅがその栄光えいこうと、その大おおいなることとを、われわれに示しめされて、われわれは火ひの中なかから出でるその声こえを聞ききました。きょう、われわれは神かみが人ひとと語かたられ、しかもなおその人ひとが生いきているのを見みました。5:25 われわれはなぜ死しななければならないでしょうか。この大おおいなる火ひはわれわれを焼やき滅ほろぼそうとしています。もしこの上うえなおわれわれの神かみ、主しゅの声こえを聞きくならば、われわれは死しんでしまうでしょう。5:26 およそ肉にくなる者もののうち、だれが、火ひの中なかから語かたられる生いける神かみの声こえを、われわれのように聞きいてなお生いきている者ものがありましょうか。5:27 あなたはどうぞ近ちかく進すすんで行いって、われわれの神かみ、主しゅが言いわれることをみな聞きき、われわれの神かみ、主しゅがあなたにお告つげになることをすべてわれわれに告つげてください。われわれは聞きいて行おこないます』。 5:28 あなたがたがわたしに語かたっている時とき、主しゅはあなたがたの言葉ことばを聞きいて、わたしに言いわれた、『わたしはこの民たみがおまえに語かたっている言葉ことばを聞きいた。彼かれらの言いったことはみな良よい。5:29 ただ願ねがわしいことは、彼かれらがつねにこのような心こころをもってわたしを恐おそれ、わたしのすべての命令めいれいを守まもって、彼かれらもその子孫しそんも永久えいきゅうにさいわいを得えるにいたることである。5:30 おまえは行いって彼かれらに、「あなたがたはおのおのその天幕てんまくに帰かえれ」と言いえ。5:31 しかし、おまえはこの所ところでわたしのそばに立たて。わたしはすべての命令めいれいと、定さだめと、おきてとをおまえに告つげ示しめすであろう。おまえはこれを彼かれらに教おしえ、わたしが彼かれらに与あたえて獲えさせる地ちにおいて、これを行おこなわせなければならない』。5:32 それゆえ、あなたがたの神かみ、主しゅが命めいじられたとおりに、慎つつしんで行おこなわなければならない。そして左ひだりにも右みぎにも曲まがってはならない。5:33 あなたがたの神かみ、主しゅが命めいじられた道みちに歩あゆまなければならない。そうすればあなたがたは生いきることができ、かつさいわいを得えて、あなたがたの獲える地ちにおいて、長ながく命いのちを保たもつことができるであろう。 第6章 6:1 これはあなたがたの神かみ、主しゅがあなたがたに教おしえよと命めいじられた命令めいれいと、定さだめと、おきてであって、あなたがたは渡わたって行いって獲える地ちで、これを行おこなわなければならない。6:2 これはあなたが子こや孫まごと共ともに、あなたの生いきながらえる日ひの間あいだ、つねにあなたの神かみ、主しゅを恐おそれて、わたしが命めいじるもろもろの定さだめと、命令めいれいとを守まもらせるため、またあなたが長ながく命いのちを保たもつことのできるためである。6:3 それゆえ、イスラエルよ、聞きいて、それを守まもり行おこなえ。そうすれば、あなたはさいわいを得え、あなたの先祖せんぞの神かみ、主しゅがあなたに言いわれたように、乳ちちと蜜みつの流ながれる国くにで、あなたの数かずは大おおいに増ますであろう。 6:4 イスラエルよ聞きけ。われわれの神かみ、主しゅは唯一ゆいいつの主しゅである。6:5 あなたは心こころをつくし、精神せいしんをつくし、力ちからをつくして、あなたの神かみ、主しゅを愛あいさなければならない。6:6 きょう、わたしがあなたに命めいじるこれらの言葉ことばをあなたの心こころに留とめ、6:7 努つとめてこれをあなたの子こらに教おしえ、あなたが家いえに座ざしている時ときも、道みちを歩あるく時ときも、寝ねる時ときも、起おきる時ときも、これについて語かたらなければならない。6:8 またあなたはこれをあなたの手てにつけてしるしとし、あなたの目めの間あいだに置おいて覚おぼえとし、6:9 またあなたの家いえの入口いりぐちの柱はしらと、あなたの門もんとに書かきしるさなければならない。 6:10 あなたの神かみ、主しゅは、あなたの先祖せんぞアブラハム、イサク、ヤコブに向むかって、あなたに与あたえると誓ちかわれた地ちに、あなたをはいらせられる時とき、あなたが建たてたものでない大おおきな美うつくしい町々まちまちを得えさせ、6:11 あなたが満みたしたものでないもろもろの良よい物ものを満みたした家いえを得えさせ、あなたが掘ほったものでない掘ほり井戸いどを得えさせ、あなたが植うえたものでないぶどう畑はたけとオリブの畑はたけとを得えさせられるであろう。あなたは食たべて飽あきるであろう。6:12 その時とき、あなたはみずから慎つつしみ、エジプトの地ち、奴隷どれいの家いえから導みちびき出だされた主しゅを忘わすれてはならない。6:13 あなたの神かみ、主しゅを恐おそれてこれに仕つかえ、その名なをさして誓ちかわなければならない。6:14 あなたがたは他たの神々かみがみすなわち周囲しゅういの民たみの神々かみがみに従したがってはならない。6:15 あなたのうちにおられるあなたの神かみ、主しゅはねたむ神かみであるから、おそらく、あなたに向むかって怒いかりを発はっし、地ちのおもてからあなたを滅ほろぼし去さられるであろう。 6:16 あなたがたがマッサでしたように、あなたがたの神かみ、主しゅを試こころみてはならない。6:17 あなたがたの神かみ、主しゅがあなたがたに命めいじられた命令めいれいと、あかしと、定さだめとを、努つとめて守まもらなければならない。6:18 あなたは主しゅが見みて正ただしいとし、良よいとされることを行おこなわなければならない。そうすれば、あなたはさいわいを得え、かつ主しゅがあなたの先祖せんぞに誓ちかわれた、あの良よい地ちにはいって、自分じぶんのものとすることができるであろう。6:19 また主しゅが仰おおせられたように、あなたの敵てきを皆みなあなたの前まえから追おい払はらわれるであろう。 6:20 後のちの日ひとなって、あなたの子こがあなたに問とうて言いうであろう、『われわれの神かみ、主しゅがあなたがたに命めいじられたこのあかしと、定さだめと、おきてとは、なんのためですか』。6:21 その時ときあなたはその子こに言いわなければならない。『われわれはエジプトでパロの奴隷どれいであったが、主しゅは強つよい手てをもって、われわれをエジプトから導みちびき出だされた。6:22 主しゅはわれわれの目めの前まえで、大おおきな恐おそろしいしるしと不思議ふしぎとをエジプトと、パロとその全家ぜんかとに示しめされ、6:23 われわれをそこから導みちびき出だし、かつてわれわれの先祖せんぞに誓ちかわれた地ちにはいらせ、それをわれわれに賜たまわった。6:24 そして主しゅはこのすべての定さだめを行おこなえと、われわれに命めいじられた。これはわれわれの神かみ、主しゅを恐おそれて、われわれが、つねにさいわいであり、また今日こんにちのように、主しゅがわれわれを守まもって命いのちを保たもたせるためである。6:25 もしわれわれが、命めいじられたとおりに、このすべての命令めいれいをわれわれの神かみ、主しゅの前まえに守まもって行おこなうならば、それはわれわれの義ぎとなるであろう』。 第7章 7:1 あなたの神かみ、主しゅが、あなたの行いって取とる地ちにあなたを導みちびき入いれ、多おおくの国々くにぐにの民たみ、ヘテびと、ギルガシびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、およびエブスびと、すなわちあなたよりも数多かずおおく、また力ちからのある七つの民たみを、あなたの前まえから追おいはらわれる時とき、7:2 すなわちあなたの神かみ、主しゅが彼かれらをあなたに渡わたして、これを撃うたせられる時ときは、あなたは彼かれらを全まったく滅ほろぼさなければならない。彼かれらとなんの契約けいやくをもしてはならない。彼かれらに何なにのあわれみをも示しめしてはならない。7:3 また彼かれらと婚姻こんいんをしてはならない。あなたの娘むすめを彼かれのむすこに与あたえてはならない。かれの娘むすめをあなたのむすこにめとってはならない。7:4 それは彼かれらがあなたのむすこを惑まどわしてわたしに従したがわせず、ほかの神々かみがみに仕つかえさせ、そのため主しゅはあなたがたにむかって怒いかりを発はっし、すみやかにあなたがたを滅ほろぼされることとなるからである。7:5 むしろ、あなたがたはこのように彼かれらに行おこなわなければならない。すなわち彼かれらの祭壇さいだんをこぼち、その石いしの柱はしらを撃うち砕くだき、そのアシラ像ぞうを切きり倒たおし、その刻きざんだ像ぞうを火ひで焼やかなければならない。 7:6 あなたはあなたの神かみ、主しゅの聖せいなる民たみである。あなたの神かみ、主しゅは地ちのおもてのすべての民たみのうちからあなたを選えらんで、自分じぶんの宝たからの民たみとされた。7:7 主しゅがあなたがたを愛あいし、あなたがたを選えらばれたのは、あなたがたがどの国民こくみんよりも数かずが多おおかったからではない。あなたがたはよろずの民たみのうち、もっとも数かずの少すくないものであった。7:8 ただ主しゅがあなたがたを愛あいし、またあなたがたの先祖せんぞに誓ちかわれた誓ちかいを守まもろうとして、主しゅは強つよい手てをもってあなたがたを導みちびき出だし、奴隷どれいの家いえから、エジプトの王おうパロの手てから、あがない出だされたのである。7:9 それゆえあなたは知しらなければならない。あなたの神かみ、主しゅは神かみにましまし、真実しんじつの神かみにましまして、彼かれを愛あいし、その命令めいれいを守まもる者ものには、契約けいやくを守まもり、恵めぐみを施ほどこして千せん代だいに及および、7:10 また彼かれを憎にくむ者ものには、めいめいに報むくいて滅ほろぼされることを。主しゅは自分じぶんを憎にくむ者ものには猶予ゆうよすることなく、めいめいに報むくいられる。7:11 それゆえ、きょうわたしがあなたに命めいじる命令めいれいと、定さだめと、おきてとを守まもって、これを行おこなわなければならない。 7:12 あなたがたがこれらのおきてを聞きいて守まもり行おこなうならば、あなたの神かみ、主しゅはあなたの先祖せんぞたちに誓ちかわれた契約けいやくを守まもり、いつくしみを施ほどこされるであろう。7:13 あなたを愛あいし、あなたを祝福しゅくふくし、あなたの数かずを増まし、あなたに与あたえると先祖せんぞたちに誓ちかわれた地ちで、あなたの子女しじょを祝福しゅくふくし、あなたの地ちの産物さんぶつ、穀物こくもつ、酒さけ、油あぶら、また牛うしの子こ、羊ひつじの子こを増まされるであろう。7:14 あなたは万民ばんみんにまさって祝福しゅくふくされるであろう。あなたのうち、男おとこも女おんなも子このないものはなく、またあなたの家畜かちくにも子このないものはないであろう。7:15 主しゅはまたすべての病やまいをあなたから取とり去さり、あなたの知しっている、あのエジプトの悪疫あくえきにかからせず、ただあなたを憎にくむすべての者ものにそれを臨のぞませられるであろう。7:16 あなたの神かみ、主しゅがあなたに渡わたされる国民こくみんを滅ほろぼしつくし、彼かれらを見みてあわれんではならない。また彼かれらの神々かみがみに仕つかえてはならない。それがあなたのわなとなるからである。 7:17 あなたは心こころのうちで『これらの国民こくみんはわたしよりも多おおいから、どうしてこれを追おい払はらうことができようか』と言いうのか。7:18 彼かれらを恐おそれてはならない。あなたの神かみ、主しゅがパロと、すべてのエジプトびととにされたことを、よく覚おぼえなさい。7:19 すなわち、あなたが目めで見みた大おおいなる試こころみと、しるしと、不思議ふしぎと、強つよい手てと、伸のばした腕うでとを覚おぼえなさい。あなたの神かみ、主しゅはこれらをもって、あなたを導みちびき出だされたのである。またそのように、あなたの神かみ、主しゅはあなたが恐おそれているすべての民たみにされるであろう。7:20 あなたの神かみ、主しゅはまた、くまばちを彼かれらのうちに送おくって、なお残のこっている者ものと逃にげ隠かくれている者ものを滅ほろぼしつくされるであろう。7:21 あなたは彼かれらを恐おそれてはならない。あなたの神かみ、主しゅである大おおいなる恐おそるべき神かみがあなたのうちにおられるからである。7:22 あなたの神かみ、主しゅはこれらの国民こくみんを徐々じょじょにあなたの前まえから追おい払はらわれるであろう。あなたはすみやかに彼かれらを滅ほろぼしつくしてはならない。そうでなければ、野のの獣けものが増ましてあなたを害がいするであろう。7:23 しかし、あなたの神かみ、主しゅは彼かれらをあなたに渡わたし、大おおいなる混乱こんらんにおとしいれて、ついに滅ほろぼされるであろう。7:24 また彼かれらの王おうたちをあなたの手てに渡わたされるであろう。あなたは彼かれらの名なを天てんの下したから消けし去さるであろう。あなたに立たちむかうものはなく、あなたはついに彼かれらを滅ほろぼすにいたるであろう。7:25 あなたは彼かれらの神々かみがみの彫像ちょうぞうを火ひに焼やかなければならない。それに着きせた銀ぎんまたは金きんをむさぼってはならない。これを取とって自分じぶんのものにしてはならない。そうでなければ、あなたはこれによって、わなにかかるであろう。これはあなたの神かみが忌いみきらわれるものだからである。7:26 あなたは忌いむべきものを家いえに持もちこんで、それと同おなじようにあなた自身じしんも、のろわれたものとなってはならない。あなたはそれを全まったく忌いみきらわなければならない。それはのろわれたものだからである。 第8章 8:1 わたしが、きょう、命めいじるこのすべての命令めいれいを、あなたがたは守まもって行おこなわなければならない。そうすればあなたがたは生いきることができ、かつふえ増まし、主しゅがあなたがたの先祖せんぞに誓ちかわれた地ちにはいって、それを自分じぶんのものとすることができるであろう。8:2 あなたの神かみ、主しゅがこの四十年ねんの間あいだ、荒野あらのであなたを導みちびかれたそのすべての道みちを覚おぼえなければならない。それはあなたを苦くるしめて、あなたを試こころみ、あなたの心こころのうちを知しり、あなたがその命令めいれいを守まもるか、どうかを知しるためであった。8:3 それで主しゅはあなたを苦くるしめ、あなたを飢うえさせ、あなたも知しらず、あなたの先祖せんぞたちも知しらなかったマナをもって、あなたを養やしなわれた。人ひとはパンだけでは生いきず、人ひとは主しゅの口くちから出でるすべてのことばによって生いきることをあなたに知しらせるためであった。8:4 この四十年ねんの間あいだ、あなたの着物きものはすり切きれず、あなたの足あしは、はれなかった。8:5 あなたはまた人ひとがその子こを訓練くんれんするように、あなたの神かみ、主しゅもあなたを訓練くんれんされることを心こころにとめなければならない。8:6 あなたの神かみ、主しゅの命令めいれいを守まもり、その道みちに歩あゆんで、彼かれを恐おそれなければならない。8:7 それはあなたの神かみ、主しゅがあなたを良よい地ちに導みちびき入いれられるからである。そこは谷たににも山やまにもわき出でる水みずの流ながれ、泉いずみ、および淵ふちのある地ち、8:8 小麦こむぎ、大麦おおむぎ、ぶどう、いちじく及およびざくろのある地ち、油あぶらのオリブの木き、および蜜みつのある地ち、8:9 あなたが食たべる食物しょくもつに欠かけることなく、なんの乏とぼしいこともない地ちである。その地ちの石いしは鉄てつであって、その山やまからは銅どうを掘ほり取とることができる。8:10 あなたは食たべて飽あき、あなたの神かみ、主しゅがその良よい地ちを賜たまわったことを感謝かんしゃするであろう。 8:11 あなたは、きょう、わたしが命めいじる主しゅの命令めいれいと、おきてと、定さだめとを守まもらず、あなたの神かみ、主しゅを忘わすれることのないように慎つつしまなければならない。8:12 あなたは食たべて飽あき、麗うるわしい家いえを建たてて住すみ、8:13 また牛うしや羊ひつじがふえ、金銀きんぎんが増まし、持もち物ものがみな増まし加くわわるとき、8:14 おそらく心こころにたかぶり、あなたの神かみ、主しゅを忘わすれるであろう。主しゅはあなたをエジプトの地ち、奴隷どれいの家いえから導みちびき出だし、8:15 あなたを導みちびいて、あの大おおきな恐おそろしい荒野あらの、すなわち火ひのへびや、さそりがいて、水みずのない、かわいた地ちを通とおり、あなたのために堅かたい岩いわから水みずを出だし、8:16 先祖せんぞたちも知しらなかったマナを荒野あらのであなたに食たべさせられた。それはあなたを苦くるしめ、あなたを試こころみて、ついにはあなたをさいわいにするためであった。8:17 あなたは心こころのうちに『自分じぶんの力ちからと自分じぶんの手ての働はたらきで、わたしはこの富とみを得えた』と言いってはならない。8:18 あなたはあなたの神かみ、主しゅを覚おぼえなければならない。主しゅはあなたの先祖せんぞたちに誓ちかわれた契約けいやくを今日こんにちのように行おこなうために、あなたに富とみを得える力ちからを与あたえられるからである。8:19 もしあなたの神かみ、主しゅを忘わすれて他たの神々かみがみに従したがい、これに仕つかえ、これを拝おがむならば、――わたしは、きょう、あなたがたに警告けいこくする。――あなたがたはきっと滅ほろびるであろう。8:20 主しゅがあなたがたの前まえから滅ほろぼし去さられる国々くにぐにの民たみのように、あなたがたも滅ほろびるであろう。あなたがたの神かみ、主しゅの声こえに従したがわないからである。 第9章 9:1 イスラエルよ、聞ききなさい。あなたは、きょう、ヨルダンを渡わたって行いって、あなたよりも大おおきく、かつ強つよい国々くにぐにを取とろうとしている。その町々まちまちは大おおきく、石いしがきは天てんに達たっしている。9:2 その民たみは、あなたの知しっているアナクびとの子孫しそんであって、大おおきく、また背せが高たかい。あなたはまた『アナクの子孫しそんの前まえに、だれが立たつことができようか』と人ひとの言いうのを聞きいた。9:3 それゆえ、あなたは、きょう、あなたの神かみ、主しゅは焼やきつくす火ひであって、あなたの前まえに進すすまれることを知しらなければならない。主しゅは彼かれらを滅ほろぼし、彼かれらをあなたの前まえに屈伏くっぷくさせられるであろう。主しゅがあなたに言いわれたように、彼かれらを追おい払はらい、すみやかに滅ほろぼさなければならない。 9:4 あなたの神かみ、主しゅがあなたの前まえから彼かれらを追おい払はらわれた後のちに、あなたは心こころのなかで『わたしが正ただしいから主しゅはわたしをこの地ちに導みちびき入いれてこれを獲えさせられた』と言いってはならない。この国々くにぐにの民たみが悪わるいから、主しゅはこれをあなたの前まえから追おい払はらわれるのである。9:5 あなたが行いってその地ちを獲えるのは、あなたが正ただしいからではなく、またあなたの心こころがまっすぐだからでもない。この国々くにぐにの民たみが悪わるいから、あなたの神かみ、主しゅは彼かれらをあなたの前まえから追おい払はらわれるのである。これは主しゅがあなたの先祖せんぞアブラハム、イサク、ヤコブに誓ちかわれた言葉ことばを行おこなわれるためである。 9:6 それであなたは、あなたの神かみ、主しゅがあなたにこの良よい地ちを与あたえてこれを得えさせられるのは、あなたが正ただしいからではないことを知しらなければならない。あなたは強情ごうじょうな民たみである。9:7 あなたは荒野あらのであなたの神かみ、主しゅを怒いからせたことを覚おぼえ、それを忘わすれてはならない。あなたがたはエジプトの地ちを出でた日ひからこの所ところに来くるまで、いつも主しゅにそむいた。9:8 またホレブにおいてさえ、あなたがたが主しゅを怒いからせたので、主しゅは怒いかってあなたがたを滅ほろぼそうとされた。9:9 わたしが石いしの板いたすなわち主しゅがあなたがたと結むすばれた契約けいやくの板いたを受うけるために山やまに登のぼった時とき、わたしは四十日にち四十夜や、山やまにいて、パンも食たべず水みずも飲のまなかった。9:10 主しゅは神かみの指ゆびをもって書かきしるした石いしの板いた二枚まいをわたしに授さづけられた。その上うえには、集会しゅうかいの日ひに主しゅが山やまで火ひの中なかから、あなたがたに告つげられた言葉ことばが、ことごとく書かいてあった。9:11 すなわち四十日にち四十夜やが終おわった時とき、主しゅはわたしにその契約けいやくの板いたである石いしの板いた二枚まいを授さづけ、9:12 そして主しゅはわたしに言いわれた、『おまえは立たって、すみやかにこの所ところから降ふりなさい。おまえがエジプトから導みちびき出だした民たみは悪あくを行おこなったからである。彼かれらはわたしが命めいじた道みちを早はやくも離はなれて、鋳いた像ぞうを自分じぶんたちのために つくった』。 9:13 主しゅはまたわたしに言いわれた、『この民たみを見みるのに、これは強情ごうじょうな民たみである。9:14 わたしを止とめるな。わたしは彼かれらを滅ほろぼし、彼かれらの名なを天てんの下したから消けし去さり、おまえを彼かれらよりも強つよく、かつ大おおいなる国民こくみんとしよう』。9:15 そこでわたしは身みをめぐらして山やまを降おりたが、山やまは火ひで焼やけていた。契約けいやくの板いた二枚まいはわたしの両手りょうてにあった。9:16 そしてわたしが見みると、あなたがたは、あなたがたの神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかし、自分じぶんたちのために鋳物いものの子こ牛うしを つくって、主しゅが命めいじられた道みちを早はやくも離はなれたので、9:17 わたしはその二枚まいの板いたをつかんで、両手りょうてから投なげ出だし、あなたがたの目めの前まえでこれを砕くだいた。9:18 そしてわたしは前まえのように四十日にち四十夜や、主しゅの前まえにひれ伏ふし、パンも食たべず、水みずも飲のまなかった。これはあなたがたが主しゅの目めの前まえに悪あくをおこない、罪つみを犯おかして主しゅを怒いからせたすべての罪つみによるのである。9:19 主しゅは怒いかりを発はっし、憤いきどおりを起おこし、あなたがたを怒いかって滅ほろぼそうとされたので、わたしは恐おそれたが、その時ときもまた主しゅはわたしの願ねがいを聞きかれた。9:20 主しゅはまた、はなはだしくアロンを怒いかって、彼かれを滅ほろぼそうとされたが、わたしはその時ときもまたアロンのために祈いのった。9:21 わたしはあなたがたが造つくって罪つみを得えた子こ牛うしを取とり、それを火ひで焼やき、それを撃うち砕くだき、よくひいて細こまかいちりとし、そのちりを山やまから流ながれ下くだる谷川たにがわに投なげ捨すてた。 9:22 あなたがたはタベラ、マッサおよびキブロテ・ハッタワにおいてもまた主しゅを怒いからせた。9:23 また主しゅはカデシ・バルネアから、あなたがたをつかわそうとされた時とき、『上のぼって行いって、わたしが与あたえる地ちを占領せんりょうせよ』と言いわれた。ところが、あなたがたはあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいにそむき、彼かれを信しんぜず、また彼かれの声こえに聞きき従したがわなかった。9:24 わたしがあなたがたを知しったその日ひからこのかた、あなたがたはいつも主しゅにそむいた。 9:25 そしてわたしは、さきにひれ伏ふしたように、四十日にち四十夜や、主しゅの前まえにひれ伏ふした。主しゅがあなたがたを滅ほろぼすと言いわれたからである。9:26 わたしは主しゅに祈いのって言いった、『主しゅなる神かみよ、あなたが大おおいなる力ちからをもってあがない、強つよい手てをもってエジプトから導みちびき出だされたあなたの民たみ、あなたの嗣し業ぎょうを滅ほろぼさないでください。9:27 あなたのしもべアブラハム、イサク、ヤコブを覚おぼえてください。この民たみの強情ごうじょうと悪あくと罪つみとに目めをとめないでください。9:28 あなたがわれわれを導みちびき出だされた国くにの人ひとはおそらく、「主しゅは、約束やくそくした地ちに彼かれらを導みちびき入いれることができず、また彼かれらを憎にくんだので、彼かれらを導みちびき出だして荒野あらので殺ころしたのだ」と言いうでしょう。9:29 しかし彼かれらは、あなたの民たみ、あなたの嗣し業ぎょうであって、あなたが大おおいなる力ちからと伸のばした腕うでとをもって導みちびき出だされたのです』。 第10章 10:1 その時とき、主しゅはわたしに言いわれた、『おまえは、前まえのような石いしの板いた二枚まいを切きって作つくり、山やまに登のぼって、わたしのもとにきなさい。また木きの箱はこ一つを作つくりなさい。10:2 さきにおまえが砕くだいた二枚まいの板いたに書かいてあった言葉ことばを、わたしはその板いたに書かきしるそう。おまえはそれをその箱はこにおさめなければならない』。10:3 そこでわたしはアカシヤ材ざいの箱はこ一つを作つくり、また前まえのような石いしの板いた二枚まいを切きって作つくり、その二枚まいの板いたを手てに持もって山やまに登のぼった。10:4 主しゅはかつて、かの集会しゅうかいの日ひに山やまで火ひの中なかからあなたがたに告つげられた十誡じっかいを書かきしるされたように、その板いたに書かきしるし、それを主しゅはわたしに授さづけられた。10:5 それでわたしは身みをめぐらして山やまから降おり、その板いたを、わたしが作つくった箱はこにおさめた。今いまなおその中なかにある。主しゅがわたしに命めいじられたとおりである。 10:6 (こうしてイスラエルの人々ひとびとはベエロテ・ベネ・ヤカンを出立しゅったつしてモセラに着ついた。アロンはその所ところで死しんでそこに葬ほうむられ、その子こエレアザルが彼かれに代かわって祭司さいしとなった。10:7 またそこを出立しゅったつしてグデゴダに至いたり、グデゴダを出立しゅったつしてヨテバタに着ついた。この地ちには多おおくの水みずの流ながれがあった。10:8 その時とき、主しゅはレビの部族ぶぞくを選えらんで、主しゅの契約けいやくの箱はこをかつぎ、主しゅの前まえに立たって仕つかえ、また主しゅの名なをもって祝福しゅくふくすることをさせられた。この事ことは今日こんにちに及およんでいる。10:9 そのためレビは兄弟きょうだいたちと一緒いっしょには分わけ前まえがなく、嗣し業ぎょうもない。あなたの神かみ、主しゅが彼かれに言いわれたとおり、主しゅみずからが彼かれの嗣し業ぎょうであった。) 10:10 わたしは前まえの時ときのように四十日にち四十夜や、山やまにおったが、主しゅはその時ときにもわたしの願ねがいを聞きかれた。主しゅはあなたを滅ほろぼすことを望のぞまれなかった。10:11 そして主しゅはわたしに『おまえは立たちあがり、民たみに先立さきだって進すすみ行いき、わたしが彼かれらに与あたえると、その先祖せんぞに誓ちかった地ちに彼かれらをはいらせ、それを取とらせよ』と言いわれた。 10:12 イスラエルよ、今いま、あなたの神かみ、主しゅがあなたに求もとめられる事ことはなんであるか。ただこれだけである。すなわちあなたの神かみ、主しゅを恐おそれ、そのすべての道みちに歩あゆんで、彼かれを愛あいし、心こころをつくし、精神せいしんをつくしてあなたの神かみ、主しゅに仕つかえ、10:13 また、わたしがきょうあなたに命めいじる主しゅの命令めいれいと定さだめとを守まもって、さいわいを得えることである。10:14 見みよ、天てんと、もろもろの天てんの天てん、および地ちと、地ちにあるものとはみな、あなたの神かみ、主しゅのものである。10:15 そうであるのに、主しゅはただあなたの先祖せんぞたちを喜よろこび愛あいし、その後のちの子孫しそんであるあなたがたを万民ばんみんのうちから選えらばれた。今日こんにち見みるとおりである。10:16 それゆえ、あなたがたは心こころに割礼かつれいをおこない、もはや強情ごうじょうであってはならない。10:17 あなたがたの神かみである主しゅは、神かみの神かみ、主しゅの主しゅ、大おおいにして力ちからある恐おそるべき神かみにましまし、人ひとをかたより見みず、また、まいないを取とらず、10:18 みなし子ことやもめのために正ただしいさばきを行おこない、また寄留きりゅうの他国たこく人じんを愛あいして、食物しょくもつと着物きものを与あたえられるからである。10:19 それゆえ、あなたがたは寄留きりゅうの他国たこく人じんを愛あいしなさい。あなたがたもエジプトの国くにで寄留きりゅうの他国たこく人じんであった。10:20 あなたの神かみ、主しゅを恐おそれ、彼かれに仕つかえ、彼かれに従したがい、その名なをさして誓ちかわなければならない。10:21 彼かれはあなたのさんびすべきもの、またあなたの神かみであって、あなたが目めに見みたこれらの大おおいなる恐おそるべき事ことを、あなたのために行おこなわれた。10:22 あなたの先祖せんぞたちは、わずか七十人にんでエジプトに下くだったが、いま、あなたの神かみ、主しゅはあなたを天てんの星ほしのように多おおくされた。 第11章 11:1 それゆえ、あなたの神かみ、主しゅを愛あいし、常つねにそのさとしと、定さだめと、おきてと、戒いましめとを守まもらなければならない。11:2 あなたがたは、きょう、次つぎのことを知しらなければならない。わたしが語かたるのは、あなたがたの子供こどもたちに対たいしてではない。彼かれらはあなたがたの神かみ、主しゅの訓練くんれんと、主しゅの大おおいなる事ことと、その強つよい手てと、伸のべた腕うでとを知しらず、また見みなかった。11:3 また彼かれらは主しゅがエジプトで、エジプト王おうパロとその全国ぜんこくに対たいして行おこなわれたしるしと、わざ、11:4 また主しゅがエジプトの軍勢ぐんぜいとその馬うまと戦車せんしゃとに行おこなわれた事こと、すなわち彼かれらがあなたがたのあとを追おってきた時ときに、紅海こうかいの水みずを彼かれらの上うえにあふれさせ、彼かれらを滅ほろぼされて、今日こんにちに至いたった事こと、11:5 またあなたがたがこの所ところに来くるまで、主しゅが荒野あらので、あなたがたに行おこなわれた事こと、11:6 およびルベンの子このエリアブの子こ、ダタンとアビラムとにされた事こと、すなわちイスラエルのすべての人々ひとびとの中なかで、地ちが口くちを開ひらき、彼かれらと、その家族かぞくと、天幕てんまくと、彼かれらに従したがうすべてのものを、のみつくした事ことなどを彼かれらは知しらず、また見みなかった。11:7 しかし、あなたがたは主しゅが行おこなわれたこれらの大おおいなる事ことを、ことごとく目めに見みたのである。 11:8 ゆえに、わたしが、きょう、あなたがたに命めいじる戒いましめを、ことごとく守まもらなければならない。そうすればあなたがたは強つよくなり、渡わたって行いって取とろうとする地ちにはいって、それを取とることができ、11:9 かつ、主しゅが先祖せんぞたちに誓ちかって彼かれらとその子孫しそんとに与あたえようと言いわれた地ち、乳ちちと蜜みつの流ながれる国くににおいて、長ながく生いきることができるであろう。11:10 あなたがたが行いって取とろうとする地ちは、あなたがたが出でてきたエジプトの地ちのようではない。あそこでは、青物あおもの畑ばたけでするように、あなたがたは種たねをまき、足あしでそれに水みずを注そそいだ。11:11 しかし、あなたがたが渡わたって行いって取とる地ちは、山やまと谷たにの多おおい地ちで、天てんから降ふる雨あめで潤うるおっている。11:12 その地ちは、あなたの神かみ、主しゅが顧かえりみられる所ところで、年としの始はじめから年としの終おわりまで、あなたの神かみ、主しゅの目めが常つねにその上うえにある。 11:13 もし、きょう、あなたがたに命めいじるわたしの命令めいれいによく聞きき従したがって、あなたがたの神かみ、主しゅを愛あいし、心こころをつくし、精神せいしんをつくして仕つかえるならば、11:14 主しゅはあなたがたの地ちに雨あめを、秋あきの雨あめ、春はるの雨あめともに、時ときにしたがって降ふらせ、穀物こくもつと、ぶどう酒しゅと、油あぶらを取とり入いれさせ、11:15 また家畜かちくのために野のに草くさを生はえさせられるであろう。あなたは飽あきるほど食たべることができるであろう。11:16 あなたがたは心こころが迷まよい、離はなれ去さって、他たの神々かみがみに仕つかえ、それを拝おがむことのないよう、慎つつしまなければならない。11:17 おそらく主しゅはあなたがたにむかい怒いかりを発はっして、天てんを閉とざされるであろう。そのため雨あめは降ふらず、地ちは産物さんぶつを出ださず、あなたがたは主しゅが賜たまわる良よい地ちから、すみやかに滅ほろびうせるであろう。 11:18 それゆえ、これらのわたしの言葉ことばを心こころと魂たましいにおさめ、またそれを手てにつけて、しるしとし、目めの間あいだに置おいて覚おぼえとし、11:19 これを子供こどもたちに教おしえ、家いえに座ざしている時ときも、道みちを歩あるく時ときも、寝ねる時ときも、起おきる時ときも、それについて語かたり、11:20 また家いえの入口いりぐちの柱はしらと、門もんにそれを書かきしるさなければならない。11:21 そうすれば、主しゅが先祖せんぞたちに与あたえようと誓ちかわれた地ちに、あなたがたの住すむ日数にっすうおよびあなたがたの子供こどもたちの住すむ日数にっすうは、天てんが地ちをおおう日数にっすうのように多おおいであろう。11:22 もしわたしがあなたがたに命めいじるこのすべての命令めいれいをよく守まもって行おこない、あなたがたの神かみ、主しゅを愛あいし、そのすべての道みちに歩あゆみ、主しゅにつき従したがうならば、11:23 主しゅはこの国々くにぐにの民たみを皆みな、あなたがたの前まえから追おい払はらわれ、あなたがたはあなたがたよりも大おおきく、かつ強つよい国々くにぐにを取とるに至いたるであろう。11:24 あなたがたが足あしの裏うらで踏ふむ所ところは皆みな、あなたがたのものとなり、あなたがたの領域りょういきは荒野あらのからレバノンに及および、また大川おおかわユフラテから西にしの海うみに及およぶであろう。11:25 だれもあなたがたに立たち向むかうことのできる者ものはないであろう。あなたがたの神かみ、主しゅは、かつて言いわれたように、あなたがたの踏ふみ入いる地ちの人々ひとびとが、あなたがたを恐おそれおののくようにされるであろう。 11:26 見みよ、わたしは、きょう、あなたがたの前まえに祝福しゅくふくと、のろいとを置おく。11:27 もし、きょう、わたしがあなたがたに命めいじるあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいに聞きき従したがうならば、祝福しゅくふくを受うけるであろう。11:28 もしあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいに聞きき従したがわず、わたしが、きょう、あなたがたに命めいじる道みちを離はなれ、あなたがたの知しらなかった他たの神々かみがみに従したがうならば、のろいを受うけるであろう。11:29 あなたの神かみ、主しゅが、あなたの行いって占領せんりょうする地ちにあなたを導みちびき入いれられる時とき、あなたはゲリジム山やまに祝福しゅくふくを置おき、エバル山やまにのろいを置おかなければならない。11:30 これらの山やまはヨルダンの向むこう側がわ、アラバに住すんでいるカナンびとの地ちで、日ひの入いる方ほうの道みちの西側にしがわにあり、ギルガルに向むかいあって、モレのテレビンの木きの近ちかくにあるではないか。11:31 あなたがたはヨルダンを渡わたり、あなたがたの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちにはいって、それを占領せんりょうしようとしている。あなたがたはそれを占領せんりょうして、そこに住すむであろう。11:32 それゆえ、わたしが、きょう、あなたがたに授さづける定さだめと、おきてをことごとく守まもって行おこなわなければならない。
2:1 それから、われわれは身みをめぐらし、主しゅがわたしに告つげられたように、紅海こうかいの方ほうに向むかって荒野あらのに進すすみ入いり、日ひ久ひさしくセイル山やまを行いきめぐっていたが、
2:2 主しゅはわたしに言いわれた、
2:3 『あなたがたは既すでに久ひさしくこの山やまを行いきめぐっているが、身みをめぐらして北きたに進すすみなさい。
2:4 おまえはまた民たみに命めいじて言いえ、「あなたがたは、エサウの子孫しそん、すなわちセイルに住すんでいるあなたがたの兄弟きょうだいの領内りょうないを通とおろうとしている。彼かれらはあなたがたを恐おそれるであろう。それゆえ、あなたがたはみずから深ふかく慎つつしみ、
2:5 彼かれらと争あらそってはならない。彼かれらの地ちは、足あしの裏うらで踏ふむほどでも、あなたがたに与あたえないであろう。わたしがセイル山やまをエサウに与あたえて、領地りょうちとさせたからである。
2:6 あなたがたは彼かれらから金かねで食物しょくもつを買かって食たべ、また金かねで水みずを買かって飲のまなければならない。
2:7 あなたの神かみ、主しゅが、あなたのするすべての事ことにおいて、あなたを恵めぐみ、あなたがこの大おおいなる荒野あらのを通とおるのを、見守みまもられたからである。あなたの神かみ、主しゅがこの四十年ねんの間あいだ、あなたと共ともにおられたので、あなたは何なにも乏とぼしいことがなかった」』。
2:8 こうしてわれわれは、エサウの子孫しそんでセイルに住すんでいる兄弟きょうだいを離はなれ、アラバの道みちを避さけ、エラテとエジオン・ゲベルを離はなれて進すすんだ。
われわれは転てんじて、モアブの荒野あらのの方ほうに向むかって進すすんだ。
2:9 その時とき、主しゅはわたしに言いわれた、『モアブを敵視てきししてはならない。またそれと争あらそい戦たたかってはならない。彼かれらの地ちは、領地りょうちとしてあなたに与あたえない。ロトの子孫しそんにアルを与あたえて、領地りょうちとさせたからである。
2:10 (むかし、エミびとがこの所ところに住すんでいた。この民たみは大おおいなる民たみであって、数かずも多おおく、アナクびとのように背せも高たかく、
2:11 またアナクびとと同おなじくレパイムであると、みなされていたが、モアブびとは、これをエミびとと呼よんでいた。
2:12 ホリびとも、むかしはセイルに住すんでいたが、エサウの子孫しそんがこれを追おい払はらい、これを滅ほろぼし、彼かれらに代かわってそこに住すんだ。主しゅが賜たまわった所有しょゆうの地ちに、イスラエルがおこなったのと同おなじである。)
2:13 あなたがたは、いま、立たちあがってゼレデ川がわを渡わたりなさい』。そこでわれわれはゼレデ川がわを渡わたった。
2:14 カデシ・バルネアを出でてこのかた、ゼレデ川がわを渡わたるまでの間あいだの日ひは三十八年ねんであって、その世代せだいのいくさびとはみな死しに絶たえて、宿営しゅくえいのうちにいなくなった。主しゅが彼かれらに誓ちかわれたとおりである。
2:15 まことに主しゅの手てが彼かれらを攻せめ、宿営しゅくえいのうちから滅ほろぼし去さられたので、彼かれらはついに死しに絶たえた。
2:16 いくさびとがみな民たみのうちから死しに絶たえたとき、
2:17 主しゅはわたしに言いわれた、
2:18 『おまえは、きょう、モアブの領地りょうちアルを通とおろうとしている。
2:19 アンモンの子孫しそんに近ちかづく時とき、おまえは彼かれらを敵視てきししてはならない。また争あらそってはならない。わたしはアンモンの子孫しそんの地ちを領地りょうちとして、おまえに与あたえない。それをロトの子孫しそんに領地りょうちとして与あたえたからである。
2:20 (これもまたレパイムの国くにとみなされた。むかし、レパイムがここに住すんでいたからである。しかし、アンモンびとは彼かれらをザムズミびとと呼よんだ。
2:21 この民たみは大おおいなる民たみであって数かずも多おおく、アナクびとのように背せも高たかかったが、主しゅはアンモンびとの前まえから、これを滅ほろぼされ、アンモンびとがこれを追おい払はらって、彼かれらに代かわってそこに住すんだ。
2:22 この事ことは、セイルに住すんでいるエサウの子孫しそんのためにその前まえから、ホリびとを滅ほろぼされたのと同おなじである。彼かれらはホリびとを追おい払はらい、これに代かわって今日こんにちまでそこに住すんでいる。
2:23 またカフトルから出でたカフトルびとは、ガザにまで及およぶ村々むらむらに住すんでいたアビびとを滅ほろぼして、これに代かわってそこに住すんでいる。)
2:24 あなたがたは立たちあがり、進すすんでアルノン川がわを渡わたりなさい。わたしはヘシボンの王おうアモリびとシホンとその国くにとを、おまえの手てに渡わたした。それを征服せいふくし始はじめよ。彼かれと争あらそって戦たたかえ。
2:25 きょうから、わたしは全ぜん天下てんかの民たみに、おまえをおびえ恐おそれさせるであろう。彼かれらはおまえのうわさを聞きいて震ふるえ、おまえのために苦くるしむであろう』。
2:26 そこでわたしは、ケデモテの荒野あらのから、ヘシボンの王おうシホンに使者ししゃをつかわし、平和へいわの言葉ことばを述のべさせた。
2:27 『あなたの国くにを通とおらせてください。わたしは大路おおじをとおっていきます、右みぎにも左ひだりにも曲まがりません。
2:28 金かねで食物しょくもつを売うってわたしに食たべさせ、金かねをとって水みずを与あたえてわたしに飲のませてください。徒歩とほで通とおらせてくださるだけでよいのです。
2:29 セイルに住すむエサウの子孫しそんと、アルに住すむモアブびとが、わたしにしたようにしてください。そうすれば、わたしはヨルダンを渡わたって、われわれの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちに行いきます』。
2:30 しかし、ヘシボンの王おうシホンは、われわれを通とおらせるのを好このまなかった。あなたの神かみ、主しゅが彼かれをあなたの手てに渡わたすため、その気きを強つよくし、その心こころをかたくなにされたからである。今日こんにち見みるとおりである。
2:31 時ときに主しゅはわたしに言いわれた、『わたしはシホンと、その地ちとを、おまえに渡わたし始はじめた。おまえはそれを征服せいふくしはじめ、その地ちを自分じぶんのものとせよ』。
2:32 そこでシホンは、われわれを攻せめようとして、その民たみをことごとく率ひきい、出でてきてヤハズで戦たたかったが、
2:33 われわれの神かみ、主しゅが彼かれを渡わたされたので、われわれは彼かれとその子こらと、そのすべての民たみとを撃うち殺ころした。
2:34 その時とき、われわれは彼かれのすべての町まちを取とり、そのすべての町まちの男おとこ、女おんなおよび子供こどもを全まったく滅ほろぼして、ひとりをも残のこさなかった。
2:35 ただその家畜かちくは、われわれが取とった町々まちまちのぶんどり物ものと共ともに、われわれが獲えて自分じぶんの物ものとした。
2:36 アルノンの谷たにのほとりにあるアロエルおよび谷たにの中なかにある町まちからギレアデに至いたるまで、われわれが攻せめて取とれなかった町まちは一つもなかった。われわれの神かみ、主しゅがことごとくわれわれに渡わたされたのである。
2:37 ただアンモンの子孫しそんの地ち、すなわちヤボク川がわの全ぜん岸きし、および山地さんちの町々まちまち、またすべてわれわれの神かみ、主しゅが禁きんじられた所ところには近寄ちかよらなかった。
第3章 3:1 そしてわれわれは身みをめぐらして、バシャンの道みちを上のぼって行いったが、バシャンの王おうオグは、われわれを迎むかえ撃うとうとして、その民たみをことごとく率ひきい、出でてきてエデレイで戦たたかった。3:2 時ときに主しゅはわたしに言いわれた、『彼かれを恐おそれてはならない。わたしは彼かれと、そのすべての民たみと、その地ちをおまえの手てに渡わたしている。おまえはヘシボンに住すんでいたアモリびとの王おうシホンにしたように、彼かれにするであろう』。3:3 こうしてわれわれの神かみ、主しゅはバシャンの王おうオグと、そのすべての民たみを、われわれの手てに渡わたされたので、われわれはこれを撃うち殺ころして、ひとりをも残のこさなかった。3:4 その時とき、われわれは彼かれの町々まちまちを、ことごとく取とった。われわれが取とらなかった町まちは一つもなかった。取とった町まちは六十。アルゴブの全ぜん地方ちほうであって、バシャンにおけるオグの国くにである。3:5 これらは皆みな、高たかい石いしがきがあり、門もんがあり、貫かんの木きのある堅固けんごな町まちであった。このほかに石いしがきのない町まちは、非常ひじょうに多おおかった。3:6 われわれはヘシボンの王おうシホンにしたように、これらを全まったく滅ほろぼし、そのすべての町まちの男おとこ、女おんなおよび子供こどもをことごとく滅ほろぼした。3:7 ただし、そのすべての家畜かちくと、その町々まちまちからのぶんどり物ものとは、われわれが獲えて自分じぶんの物ものとした。3:8 その時ときわれわれはヨルダンの向むこう側がわにいるアモリびとのふたりの王おうの手てから、アルノン川がわからヘルモン山ざんまでの地ちを取とった。3:9 (シドンびとはヘルモンをシリオンと呼よび、アモリびとはこれをセニルと呼よんでいる。)3:10 すなわち高原こうげんのすべての町まち、ギレアデの全ぜん地ち、バシャンの全ぜん地ち、サルカおよびエデレイまで、バシャンにあるオグの国くにの町々まちまちをことごとく取とった。3:11 (バシャンの王おうオグはレパイムのただひとりの生存者せいぞんしゃであった。彼かれの寝台しんだいは鉄てつの寝台しんだいであった。これは今いまなおアンモンびとのラバにあるではないか。これは普通ふつうのキュビト尺しゃくで、長ながさ九きゅうキュビト、幅はば四キュビトである。) 3:12 その時ときわれわれは、この地ちを獲えた。そしてわたしはアルノン川がわのほとりのアロエルから始はじまる地ちと、ギレアデの山地さんちの半なかばと、その町々まちまちとは、ルベンびとと、ガドびととに与あたえた。3:13 わたしはまたギレアデの残のこりの地ちと、オグの国くにであったバシャンの全ぜん地ちとは、マナセの半はん部族ぶぞくに与あたえた。すなわちアルゴブの全ぜん地方ちほうである。(そのバシャンの全ぜん地ちはレパイムの国くにと唱となえられる。3:14 マナセの子こヤイルは、アルゴブの全ぜん地方ちほうを取とって、ゲシュルびとと、マアカびとの境さかいにまで達たっし、自分じぶんの名なにしたがって、バシャンをハボテ・ヤイルと名なづけた。この名なは今日こんにちにまでおよんでいる。)3:15 またわたしはマキルにはギレアデを与あたえた。3:16 ルベンびとと、ガドびととには、ギレアデからアルノン川がわまでを与あたえ、その川かわのまん中なかをもって境さかいとし、またアンモンびとの境さかいであるヤボク川がわにまで達たっせしめた。3:17 またヨルダンを境さかいとして、キンネレテからアラバの海うみすなわち塩しおの海うみまで、アラバをこれに与あたえて、東ひがしの方ほうピスガのふもとに達たっせしめた。 3:18 その時ときわたしはあなたがたに命めいじて言いった、『あなたがたの神かみ、主しゅはこの地ちをあなたがたに与あたえて、これを獲えさせられるから、あなたがた勇士ゆうしはみな武装ぶそうして、兄弟きょうだいであるイスラエルの人々ひとびとに先立さきだって、渡わたって行いかなければならない。3:19 ただし、あなたがたの妻つまと、子供こどもと、家畜かちくとは、わたしが与あたえた町々まちまちにとどまらなければならない。(わたしはあなたがたが多おおくの家畜かちくを持もっているのを知しっている。)3:20 主しゅがすでにあなたがたに与あたえられたように、あなたがたの兄弟きょうだいにも安息あんそくを与あたえられて、彼かれらもまたヨルダンの向むこう側がわで、あなたがたの神かみ、主しゅが与あたえられる地ちを獲えるようになったならば、あなたがたはおのおのわたしがあなたがたに与あたえた領地りょうちに帰かえることができる』。3:21 その時ときわたしはヨシュアに命めいじて言いった、『あなたの目めはあなたがたの神かみ、主しゅがこのふたりの王おうに行おこなわれたすべてのことを見みた。主しゅはまたあなたが渡わたって行いくもろもろの国くににも、同おなじように行おこなわれるであろう。3:22 彼かれらを恐おそれてはならない。あなたがたの神かみ、主しゅがあなたがたのために戦たたかわれるからである』。 3:23 その時ときわたしは主しゅに願ねがって言いった、3:24 『主しゅなる神かみよ、あなたの大おおいなる事ことと、あなたの強つよい手てとを、たった今いま、しもべに示しめし始はじめられました。天てんにも地ちにも、あなたのようなわざをなし、あなたのような力ちからあるわざのできる神かみが、ほかにありましょうか。3:25 どうぞ、わたしにヨルダンを渡わたって行いかせ、その向むこう側がわの良よい地ち、あの良よい山地さんち、およびレバノンを見みることのできるようにしてください』。3:26 しかし主しゅはあなたがたのゆえにわたしを怒いかり、わたしに聞きかれなかった。そして主しゅはわたしに言いわれた、『おまえはもはや足たりている。この事ことについては、重かさねてわたしに言いってはならない。3:27 おまえはピスガの頂いただきに登のぼり、目めをあげて西にし、北きた、南みなみ、東ひがしを望のぞみ見みよ。おまえはこのヨルダンを渡わたることができないからである。3:28 しかし、おまえはヨシュアに命めいじ、彼かれを励はげまし、彼かれを強つよくせよ。彼かれはこの民たみに先立さきだって渡わたって行いき、彼かれらにおまえの見みる地ちを継つがせるであろう』。3:29 こうしてわれわれはベテペオルに対たいする谷たににとどまっていた。 第4章 4:1 イスラエルよ、いま、わたしがあなたがたに教おしえる定さだめと、おきてとを聞きいて、これを行おこないなさい。そうすれば、あなたがたは生いきることができ、あなたがたの先祖せんぞの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちにはいって、それを自分じぶんのものとすることができよう。4:2 わたしがあなたがたに命めいじる言葉ことばに付つけ加くわえてはならない。また減へらしてはならない。わたしが命めいじるあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいを守まもることのできるためである。4:3 あなたがたの目めは、主しゅがバアル・ペオルで行おこなわれたことを見みた。ペオルのバアルに従したがった人々ひとびとは、あなたの神かみ、主しゅがことごとく、あなたのうちから滅ほろぼしつくされたのである。4:4 しかし、あなたがたの神かみ、主しゅにつき従したがったあなたがたは皆みな、きょう、生いきながらえている。4:5 わたしはわたしの神かみ、主しゅが命めいじられたとおりに、定さだめと、おきてとを、あなたがたに教おしえる。あなたがたがはいって、自分じぶんのものとする地ちにおいて、そのように行おこなうためである。4:6 あなたがたは、これを守まもって行おこなわなければならない。これは、もろもろの民たみにあなたがたの知恵ちえ、また知識ちしきを示しめす事ことである。彼かれらは、このもろもろの定さだめを聞きいて、『この大おおいなる国民こくみんは、まことに知恵ちえあり、知識ちしきある民たみである』と言いうであろう。 4:7 われわれの神かみ、主しゅは、われわれが呼よび求もとめる時とき、つねにわれわれに近ちかくおられる。いずれの大おおいなる国民こくみんに、このように近ちかくおる神かみがあるであろうか。4:8 また、いずれの大おおいなる国民こくみんに、きょう、わたしがあなたがたの前まえに立たてるこのすべての律法りっぽうのような正ただしい定さだめと、おきてとがあるであろうか。 4:9 ただあなたはみずから慎つつしみ、またあなた自身じしんをよく守まもりなさい。そして目めに見みたことを忘わすれず、生いきながらえている間あいだ、それらの事ことをあなたの心こころから離はなしてはならない。またそれらのことを、あなたの子孫しそんに知しらせなければならない。4:10 あなたがホレブにおいて、あなたの神かみ、主しゅの前まえに立たった日ひに、主しゅはわたしに言いわれた、『民たみをわたしのもとに集あつめよ。わたしは彼かれらにわたしの言葉ことばを聞きかせ、地上ちじょうに生いきながらえる間あいだ、彼かれらにわたしを恐おそれることを学まなばせ、またその子こ供ともを教おしえることのできるようにさせよう』。4:11 そこであなたがたは近ちかづいて、山やまのふもとに立たったが、山やまは火ひで焼やけて、その炎ほのおは中天ちゅうてんに達たっし、暗黒あんこくと雲くもと濃こい雲くもとがあった。4:12 時ときに主しゅは火ひの中なかから、あなたがたに語かたられたが、あなたがたは言葉ことばの声こえを聞きいたけれども、声こえばかりで、なんの形かたちも見みなかった。4:13 主しゅはその契約けいやくを述のべて、それを行おこなうように、あなたがたに命めいじられた。それはすなわち十誡じっかいであって、主しゅはそれを二に枚まいの石いしの板いたに書かきしるされた。4:14 その時とき、主しゅはわたしに命めいじて、あなたがたに定さだめと、おきてとを教おしえさせられた。あなたがたが渡わたって行いって自分じぶんのものとする地ちで、行おこなわせるためであった。 4:15 それゆえ、あなたがたはみずから深ふかく慎つつしまなければならない。ホレブで主しゅが火ひの中なかからあなたがたに語かたられた日ひに、あなたがたはなんの形かたちも見みなかった。4:16 それであなたがたは道みちを誤あやまって、自分じぶんのために、どんな形かたちの刻きざんだ像ぞうをも つくってはならない。男おとこまたは女おんなの像ぞうを造つくってはならない。4:17 すなわち地ちの上うえにおるもろもろの獣けものの像ぞう、空そらを飛とぶもろもろの鳥とりの像ぞう、4:18 地ちに這はうもろもろの物ものの像ぞう、地ちの下したの水みずの中なかにおるもろもろの魚うおの像ぞうを つくってはならない。4:19 あなたはまた目めを上あげて天てんを望のぞみ、日ひ、月つき、星ほしすなわちすべて天てんの万象ばんしょうを見み、誘惑ゆうわくされてそれを拝おがみ、それに仕つかえてはならない。それらのものは、あなたの神かみ、主しゅが全ぜん天下てんかの万民ばんみんに分わけられたものである。4:20 しかし、主しゅはあなたがたを取とって、鉄てつの炉ろすなわちエジプトから導みちびき出だし、自分じぶんの所有しょゆうの民たみとされた。きょう、見みるとおりである。4:21 ところで主しゅはあなたがたのゆえに、わたしを怒いかり、わたしがヨルダンを渡わたって行いくことができないことと、あなたの神かみ、主しゅが嗣し業ぎょうとしてあなたに賜たまわる良よい地ちにはいることができないこととを誓ちかわれた。4:22 わたしはこの地ちで死しぬ。ヨルダンを渡わたって行いくことはできない。しかしあなたがたは渡わたって行いって、あの良よい地ちを獲えるであろう。4:23 あなたがたは慎つつしみ、あなたがたの神かみ、主しゅがあなたがたと結むすばれた契約けいやくを忘わすれて、あなたの神かみ、主しゅが禁きんじられたどんな形かたちの刻きざんだ像ぞうをも つくってはならない。4:24 あなたの神かみ、主しゅは焼やきつくす火ひ、ねたむ神かみである。 4:25 あなたがたが子こを生うみ、孫まごを得え、長ながくその地ちにおるうちに、道みちを誤あやまって、すべて何なにかの形かたちに刻きざんだ像ぞうを造つくり、あなたの神かみ、主しゅの目めの前まえに悪あくをなして、その憤いきどおりを引ひき起おこすことがあれば、4:26 わたしは、きょう、天てんと地ちを呼よんであなたがたに対たいしてあかしとする。あなたがたはヨルダンを渡わたって行いって獲える地ちから、たちまち全滅ぜんめつするであろう。あなたがたはその所ところで長ながく命いのちを保たもつことができず、全まったく滅ほろぼされるであろう。4:27 主しゅはあなたがたを国々くにぐにに散ちらされるであろう。そして主しゅがあなたがたを追おいやられる国民こくみんのうちに、あなたがたの残のこる者ものの数かずは少すくないであろう。4:28 その所ところであなたがたは人ひとが手てで作つくった、見みることも、聞きくことも、食たべることも、かぐこともない木きや石いしの神々かみがみに仕つかえるであろう。4:29 しかし、その所ところからあなたの神かみ、主しゅを求もとめ、もし心こころをつくし、精神せいしんをつくして、主しゅを求もとめるならば、あなたは主しゅに会あうであろう。4:30 後のちの日ひになって、あなたがなやみにあい、これらのすべての事ことが、あなたに臨のぞむとき、もしあなたの神かみ、主しゅに立たち帰かえってその声こえに聞ききしたがうならば、4:31 あなたの神かみ、主しゅはいつくしみの深ふかい神かみであるから、あなたを捨すてず、あなたを滅ほろぼさず、またあなたの先祖せんぞに誓ちかった契約けいやくを忘わすれられないであろう。 4:32 試こころみにあなたの前まえに過すぎ去さった日ひについて問とえ。神かみが地上ちじょうに人ひとを造つくられた日ひからこのかた、天てんのこの端はしから、かの端はしまでに、かつてこのように大おおいなる事ことがあったであろうか。このようなことを聞きいたことがあったであろうか。4:33 火ひの中なかから語かたられる神かみの声こえをあなたが聞きいたように、聞きいてなお生いきていた民たみがかつてあったであろうか。4:34 あるいはまた、あなたがたの神かみ、主しゅがエジプトにおいて、あなたがたの目めの前まえに、あなたがたのためにもろもろの事ことをなされたように、試こころみと、しるしと、不思議ふしぎと、戦たたかいと、強つよい手てと、伸のばした腕うでと、大おおいなる恐おそるべき事こととをもって臨のぞみ、一つの国民こくみんを他たの国民こくみんのうちから引ひき出だして、自分じぶんの民たみとされた神かみが、かつてあったであろうか。4:35 あなたにこの事ことを示しめしたのは、主しゅこそ神かみであって、ほかに神かみのないことを知しらせるためであった。4:36 あなたを訓練くんれんするために、主しゅは天てんからその声こえを聞きかせ、地上ちじょうでは、またその大おおいなる火ひを示しめされた。あなたはその言葉ことばが火ひの中なかから出でるのを聞きいた。4:37 主しゅはあなたの先祖せんぞたちを愛あいされたので、その後のちの子孫しそんを選えらび、大おおいなる力ちからをもって、みずからあなたをエジプトから導みちびき出だし、4:38 あなたよりも大おおきく、かつ強つよいもろもろの国民こくみんを、あなたの前まえから追おい払はらい、あなたをその地ちに導みちびき入いれて、これを嗣し業ぎょうとしてあなたに与あたえようとされること、今日こんにち見みるとおりである。4:39 それゆえ、あなたは、きょう知しって、心こころにとめなければならない。上うえは天てん、下したは地ちにおいて、主しゅこそ神かみにいまし、ほかに神かみのないことを。4:40 あなたは、きょう、わたしが命めいじる主しゅの定さだめと命令めいれいとを守まもらなければならない。そうすれば、あなたとあなたの後のちの子孫しそんはさいわいを得え、あなたの神かみ、主しゅが永久えいきゅうにあなたに賜たまわる地ちにおいて、長ながく命いのちを保たもつことができるであろう」。 4:41 それからモーセはヨルダンの向むこう側がわ、東ひがしの方ほうに三つの町々まちまちを指定していした。4:42 過去かこの恨うらみによるのではなく、あやまって隣人りんじんを殺ころした者ものをそこにのがれさせ、その町まちの一つにのがれて、命いのちを全まっとうさせるためであった。4:43 すなわちルベンびとのためには荒野あらのの中なかの高地こうちにあるベゼルを、ガドびとのためにはギレアデのラモテを、マナセびとのためにはバシャンのゴランを定さだめた。 4:44 モーセがイスラエルの人々ひとびとの前まえに示しめした律法りっぽうはこれである。4:45 イスラエルの人々ひとびとがエジプトから出でたとき、モーセが彼かれらに述のべたあかしと、定さだめと、おきてとはこれである。4:46 すなわちヨルダンの向むこう側がわ、アモリびとの王おうシホンの国くにのベテペオルに対たいする谷たににおいてこれを述のべた。シホンはヘシボンに住すんでいたが、モーセとイスラエルの人々ひとびとが、エジプトを出でてきた時とき、これを撃うち敗やぶって、4:47 その国くにを獲え、またバシャンの王おうオグの国くにを獲えた。このふたりはアモリびとの王おうであって、ヨルダンの向むこう側がわ、東ひがしの方ほうにおった。4:48 彼かれらの獲えた地ちはアルノン川がわのほとりにあるアロエルからシリオン山ざんすなわちヘルモンに及および、4:49 ヨルダンの東側ひがしがわのアラバの全部ぜんぶをかねて、アラバの海うみに達たっし、ピスガのふもとに及およんだ。 第5章 5:1 さてモーセはイスラエルのすべての人ひとを召めし寄よせて言いった、「イスラエルよ、きょう、わたしがあなたがたの耳みみに語かたる定さだめと、おきてを聞きき、これを学まなび、これを守まもって行おこなえ。5:2 われわれの神かみ、主しゅはホレブで、われわれと契約けいやくを結むすばれた。5:3 主しゅはこの契約けいやくをわれわれの先祖せんぞたちとは結むすばず、きょう、ここに生いきながらえているわれわれすべての者ものと結むすばれた。5:4 主しゅは山やまで火ひの中なかから、あなたがたと顔かおを合あわせて語かたられた。5:5 その時とき、わたしは主しゅとあなたがたとの間あいだに立たって主しゅの言葉ことばをあなたがたに伝つたえた。あなたがたは火ひのゆえに恐おそれて山やまに登のぼることができなかったからである。主しゅは言いわれた、 5:6 『わたしはあなたの神かみ、主しゅであって、あなたをエジプトの地ち、奴隷どれいの家いえから導みちびき出だした者ものである。 5:7 あなたはわたしのほかに何なにものをも神かみとしてはならない。 5:8 あなたは自分じぶんのために刻きざんだ像ぞうを造つくってはならない。上うえは天てんにあるもの、下したは地ちにあるもの、また地ちの下したの水みずの中なかにあるものの、どのような形かたちをも造つくってはならない。5:9 それを拝おがんではならない。またそれに仕つかえてはならない。あなたの神かみ、主しゅであるわたしは、ねたむ神かみであるから、わたしを憎にくむものには、父ちちの罪つみを子こに報むくいて三、四代だいに及およぼし、5:10 わたしを愛あいし、わたしの戒いましめを守まもる者ものには恵めぐみを施ほどこして千せん代だいに至いたるであろう。 5:11 あなたの神かみ、主しゅの名なをみだりに唱となえてはならない。主しゅはその名なをみだりに唱となえる者ものを罰ばっしないではおかないであろう。 5:12 安息日あんそくにちを守まもってこれを聖せいとし、あなたの神かみ、主しゅがあなたに命めいじられたようにせよ。5:13 六日かのあいだ働はたらいて、あなたのすべてのわざをしなければならない。5:14 七日なぬか目めはあなたの神かみ、主しゅの安息あんそくであるから、なんのわざをもしてはならない。あなたも、あなたのむすこ、娘むすめ、しもべ、はしため、牛うし、ろば、もろもろの家畜かちくも、あなたの門もんのうちにおる他国たこくの人ひとも同おなじである。こうしてあなたのしもべ、はしためを、あなたと同おなじように休やすませなければならない。5:15 あなたはかつてエジプトの地ちで奴隷どれいであったが、あなたの神かみ、主しゅが強つよい手てと、伸のばした腕うでとをもって、そこからあなたを導みちびき出だされたことを覚おぼえなければならない。それゆえ、あなたの神かみ、主しゅは安息日あんそくにちを守まもることを命めいじられるのである。 5:16 あなたの神かみ、主しゅが命めいじられたように、あなたの父ちちと母ははとを敬うやまえ。あなたの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちで、あなたが長ながく命いのちを保たもち、さいわいを得えることのできるためである。 5:17 あなたは殺ころしてはならない。 5:18 あなたは姦淫かんいんしてはならない。 5:19 あなたは盗ぬすんではならない。 5:20 あなたは隣人りんじんについて偽証ぎしょうしてはならない。 5:21 あなたは隣人りんじんの妻つまをむさぼってはならない。また隣人りんじんの家いえ、畑はたけ、しもべ、はしため、牛うし、ろば、またすべて隣人りんじんのものをほしがってはならない』。 5:22 主しゅはこれらの言葉ことばを山やまで火ひの中なか、雲くもの中なか、濃こい雲くもの中なかから、大おおいなる声こえをもって、あなたがたの全ぜん会衆かいしゅうにお告つげになったが、このほかのことは言いわれず、二枚まいの石いしの板いたにこれを書かきしるして、わたしに授さづけられた。5:23 時ときに山やまは火ひで燃もえていたが、あなたがたが暗黒あんこくのうちから聞きこえる声こえを聞きくに及およんで、あなたがたの部族ぶぞくのすべてのかしらと長老ちょうろうたちは、わたしに近寄ちかよって、5:24 言いった、『われわれの神かみ、主しゅがその栄光えいこうと、その大おおいなることとを、われわれに示しめされて、われわれは火ひの中なかから出でるその声こえを聞ききました。きょう、われわれは神かみが人ひとと語かたられ、しかもなおその人ひとが生いきているのを見みました。5:25 われわれはなぜ死しななければならないでしょうか。この大おおいなる火ひはわれわれを焼やき滅ほろぼそうとしています。もしこの上うえなおわれわれの神かみ、主しゅの声こえを聞きくならば、われわれは死しんでしまうでしょう。5:26 およそ肉にくなる者もののうち、だれが、火ひの中なかから語かたられる生いける神かみの声こえを、われわれのように聞きいてなお生いきている者ものがありましょうか。5:27 あなたはどうぞ近ちかく進すすんで行いって、われわれの神かみ、主しゅが言いわれることをみな聞きき、われわれの神かみ、主しゅがあなたにお告つげになることをすべてわれわれに告つげてください。われわれは聞きいて行おこないます』。 5:28 あなたがたがわたしに語かたっている時とき、主しゅはあなたがたの言葉ことばを聞きいて、わたしに言いわれた、『わたしはこの民たみがおまえに語かたっている言葉ことばを聞きいた。彼かれらの言いったことはみな良よい。5:29 ただ願ねがわしいことは、彼かれらがつねにこのような心こころをもってわたしを恐おそれ、わたしのすべての命令めいれいを守まもって、彼かれらもその子孫しそんも永久えいきゅうにさいわいを得えるにいたることである。5:30 おまえは行いって彼かれらに、「あなたがたはおのおのその天幕てんまくに帰かえれ」と言いえ。5:31 しかし、おまえはこの所ところでわたしのそばに立たて。わたしはすべての命令めいれいと、定さだめと、おきてとをおまえに告つげ示しめすであろう。おまえはこれを彼かれらに教おしえ、わたしが彼かれらに与あたえて獲えさせる地ちにおいて、これを行おこなわせなければならない』。5:32 それゆえ、あなたがたの神かみ、主しゅが命めいじられたとおりに、慎つつしんで行おこなわなければならない。そして左ひだりにも右みぎにも曲まがってはならない。5:33 あなたがたの神かみ、主しゅが命めいじられた道みちに歩あゆまなければならない。そうすればあなたがたは生いきることができ、かつさいわいを得えて、あなたがたの獲える地ちにおいて、長ながく命いのちを保たもつことができるであろう。 第6章 6:1 これはあなたがたの神かみ、主しゅがあなたがたに教おしえよと命めいじられた命令めいれいと、定さだめと、おきてであって、あなたがたは渡わたって行いって獲える地ちで、これを行おこなわなければならない。6:2 これはあなたが子こや孫まごと共ともに、あなたの生いきながらえる日ひの間あいだ、つねにあなたの神かみ、主しゅを恐おそれて、わたしが命めいじるもろもろの定さだめと、命令めいれいとを守まもらせるため、またあなたが長ながく命いのちを保たもつことのできるためである。6:3 それゆえ、イスラエルよ、聞きいて、それを守まもり行おこなえ。そうすれば、あなたはさいわいを得え、あなたの先祖せんぞの神かみ、主しゅがあなたに言いわれたように、乳ちちと蜜みつの流ながれる国くにで、あなたの数かずは大おおいに増ますであろう。 6:4 イスラエルよ聞きけ。われわれの神かみ、主しゅは唯一ゆいいつの主しゅである。6:5 あなたは心こころをつくし、精神せいしんをつくし、力ちからをつくして、あなたの神かみ、主しゅを愛あいさなければならない。6:6 きょう、わたしがあなたに命めいじるこれらの言葉ことばをあなたの心こころに留とめ、6:7 努つとめてこれをあなたの子こらに教おしえ、あなたが家いえに座ざしている時ときも、道みちを歩あるく時ときも、寝ねる時ときも、起おきる時ときも、これについて語かたらなければならない。6:8 またあなたはこれをあなたの手てにつけてしるしとし、あなたの目めの間あいだに置おいて覚おぼえとし、6:9 またあなたの家いえの入口いりぐちの柱はしらと、あなたの門もんとに書かきしるさなければならない。 6:10 あなたの神かみ、主しゅは、あなたの先祖せんぞアブラハム、イサク、ヤコブに向むかって、あなたに与あたえると誓ちかわれた地ちに、あなたをはいらせられる時とき、あなたが建たてたものでない大おおきな美うつくしい町々まちまちを得えさせ、6:11 あなたが満みたしたものでないもろもろの良よい物ものを満みたした家いえを得えさせ、あなたが掘ほったものでない掘ほり井戸いどを得えさせ、あなたが植うえたものでないぶどう畑はたけとオリブの畑はたけとを得えさせられるであろう。あなたは食たべて飽あきるであろう。6:12 その時とき、あなたはみずから慎つつしみ、エジプトの地ち、奴隷どれいの家いえから導みちびき出だされた主しゅを忘わすれてはならない。6:13 あなたの神かみ、主しゅを恐おそれてこれに仕つかえ、その名なをさして誓ちかわなければならない。6:14 あなたがたは他たの神々かみがみすなわち周囲しゅういの民たみの神々かみがみに従したがってはならない。6:15 あなたのうちにおられるあなたの神かみ、主しゅはねたむ神かみであるから、おそらく、あなたに向むかって怒いかりを発はっし、地ちのおもてからあなたを滅ほろぼし去さられるであろう。 6:16 あなたがたがマッサでしたように、あなたがたの神かみ、主しゅを試こころみてはならない。6:17 あなたがたの神かみ、主しゅがあなたがたに命めいじられた命令めいれいと、あかしと、定さだめとを、努つとめて守まもらなければならない。6:18 あなたは主しゅが見みて正ただしいとし、良よいとされることを行おこなわなければならない。そうすれば、あなたはさいわいを得え、かつ主しゅがあなたの先祖せんぞに誓ちかわれた、あの良よい地ちにはいって、自分じぶんのものとすることができるであろう。6:19 また主しゅが仰おおせられたように、あなたの敵てきを皆みなあなたの前まえから追おい払はらわれるであろう。 6:20 後のちの日ひとなって、あなたの子こがあなたに問とうて言いうであろう、『われわれの神かみ、主しゅがあなたがたに命めいじられたこのあかしと、定さだめと、おきてとは、なんのためですか』。6:21 その時ときあなたはその子こに言いわなければならない。『われわれはエジプトでパロの奴隷どれいであったが、主しゅは強つよい手てをもって、われわれをエジプトから導みちびき出だされた。6:22 主しゅはわれわれの目めの前まえで、大おおきな恐おそろしいしるしと不思議ふしぎとをエジプトと、パロとその全家ぜんかとに示しめされ、6:23 われわれをそこから導みちびき出だし、かつてわれわれの先祖せんぞに誓ちかわれた地ちにはいらせ、それをわれわれに賜たまわった。6:24 そして主しゅはこのすべての定さだめを行おこなえと、われわれに命めいじられた。これはわれわれの神かみ、主しゅを恐おそれて、われわれが、つねにさいわいであり、また今日こんにちのように、主しゅがわれわれを守まもって命いのちを保たもたせるためである。6:25 もしわれわれが、命めいじられたとおりに、このすべての命令めいれいをわれわれの神かみ、主しゅの前まえに守まもって行おこなうならば、それはわれわれの義ぎとなるであろう』。 第7章 7:1 あなたの神かみ、主しゅが、あなたの行いって取とる地ちにあなたを導みちびき入いれ、多おおくの国々くにぐにの民たみ、ヘテびと、ギルガシびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、およびエブスびと、すなわちあなたよりも数多かずおおく、また力ちからのある七つの民たみを、あなたの前まえから追おいはらわれる時とき、7:2 すなわちあなたの神かみ、主しゅが彼かれらをあなたに渡わたして、これを撃うたせられる時ときは、あなたは彼かれらを全まったく滅ほろぼさなければならない。彼かれらとなんの契約けいやくをもしてはならない。彼かれらに何なにのあわれみをも示しめしてはならない。7:3 また彼かれらと婚姻こんいんをしてはならない。あなたの娘むすめを彼かれのむすこに与あたえてはならない。かれの娘むすめをあなたのむすこにめとってはならない。7:4 それは彼かれらがあなたのむすこを惑まどわしてわたしに従したがわせず、ほかの神々かみがみに仕つかえさせ、そのため主しゅはあなたがたにむかって怒いかりを発はっし、すみやかにあなたがたを滅ほろぼされることとなるからである。7:5 むしろ、あなたがたはこのように彼かれらに行おこなわなければならない。すなわち彼かれらの祭壇さいだんをこぼち、その石いしの柱はしらを撃うち砕くだき、そのアシラ像ぞうを切きり倒たおし、その刻きざんだ像ぞうを火ひで焼やかなければならない。 7:6 あなたはあなたの神かみ、主しゅの聖せいなる民たみである。あなたの神かみ、主しゅは地ちのおもてのすべての民たみのうちからあなたを選えらんで、自分じぶんの宝たからの民たみとされた。7:7 主しゅがあなたがたを愛あいし、あなたがたを選えらばれたのは、あなたがたがどの国民こくみんよりも数かずが多おおかったからではない。あなたがたはよろずの民たみのうち、もっとも数かずの少すくないものであった。7:8 ただ主しゅがあなたがたを愛あいし、またあなたがたの先祖せんぞに誓ちかわれた誓ちかいを守まもろうとして、主しゅは強つよい手てをもってあなたがたを導みちびき出だし、奴隷どれいの家いえから、エジプトの王おうパロの手てから、あがない出だされたのである。7:9 それゆえあなたは知しらなければならない。あなたの神かみ、主しゅは神かみにましまし、真実しんじつの神かみにましまして、彼かれを愛あいし、その命令めいれいを守まもる者ものには、契約けいやくを守まもり、恵めぐみを施ほどこして千せん代だいに及および、7:10 また彼かれを憎にくむ者ものには、めいめいに報むくいて滅ほろぼされることを。主しゅは自分じぶんを憎にくむ者ものには猶予ゆうよすることなく、めいめいに報むくいられる。7:11 それゆえ、きょうわたしがあなたに命めいじる命令めいれいと、定さだめと、おきてとを守まもって、これを行おこなわなければならない。 7:12 あなたがたがこれらのおきてを聞きいて守まもり行おこなうならば、あなたの神かみ、主しゅはあなたの先祖せんぞたちに誓ちかわれた契約けいやくを守まもり、いつくしみを施ほどこされるであろう。7:13 あなたを愛あいし、あなたを祝福しゅくふくし、あなたの数かずを増まし、あなたに与あたえると先祖せんぞたちに誓ちかわれた地ちで、あなたの子女しじょを祝福しゅくふくし、あなたの地ちの産物さんぶつ、穀物こくもつ、酒さけ、油あぶら、また牛うしの子こ、羊ひつじの子こを増まされるであろう。7:14 あなたは万民ばんみんにまさって祝福しゅくふくされるであろう。あなたのうち、男おとこも女おんなも子このないものはなく、またあなたの家畜かちくにも子このないものはないであろう。7:15 主しゅはまたすべての病やまいをあなたから取とり去さり、あなたの知しっている、あのエジプトの悪疫あくえきにかからせず、ただあなたを憎にくむすべての者ものにそれを臨のぞませられるであろう。7:16 あなたの神かみ、主しゅがあなたに渡わたされる国民こくみんを滅ほろぼしつくし、彼かれらを見みてあわれんではならない。また彼かれらの神々かみがみに仕つかえてはならない。それがあなたのわなとなるからである。 7:17 あなたは心こころのうちで『これらの国民こくみんはわたしよりも多おおいから、どうしてこれを追おい払はらうことができようか』と言いうのか。7:18 彼かれらを恐おそれてはならない。あなたの神かみ、主しゅがパロと、すべてのエジプトびととにされたことを、よく覚おぼえなさい。7:19 すなわち、あなたが目めで見みた大おおいなる試こころみと、しるしと、不思議ふしぎと、強つよい手てと、伸のばした腕うでとを覚おぼえなさい。あなたの神かみ、主しゅはこれらをもって、あなたを導みちびき出だされたのである。またそのように、あなたの神かみ、主しゅはあなたが恐おそれているすべての民たみにされるであろう。7:20 あなたの神かみ、主しゅはまた、くまばちを彼かれらのうちに送おくって、なお残のこっている者ものと逃にげ隠かくれている者ものを滅ほろぼしつくされるであろう。7:21 あなたは彼かれらを恐おそれてはならない。あなたの神かみ、主しゅである大おおいなる恐おそるべき神かみがあなたのうちにおられるからである。7:22 あなたの神かみ、主しゅはこれらの国民こくみんを徐々じょじょにあなたの前まえから追おい払はらわれるであろう。あなたはすみやかに彼かれらを滅ほろぼしつくしてはならない。そうでなければ、野のの獣けものが増ましてあなたを害がいするであろう。7:23 しかし、あなたの神かみ、主しゅは彼かれらをあなたに渡わたし、大おおいなる混乱こんらんにおとしいれて、ついに滅ほろぼされるであろう。7:24 また彼かれらの王おうたちをあなたの手てに渡わたされるであろう。あなたは彼かれらの名なを天てんの下したから消けし去さるであろう。あなたに立たちむかうものはなく、あなたはついに彼かれらを滅ほろぼすにいたるであろう。7:25 あなたは彼かれらの神々かみがみの彫像ちょうぞうを火ひに焼やかなければならない。それに着きせた銀ぎんまたは金きんをむさぼってはならない。これを取とって自分じぶんのものにしてはならない。そうでなければ、あなたはこれによって、わなにかかるであろう。これはあなたの神かみが忌いみきらわれるものだからである。7:26 あなたは忌いむべきものを家いえに持もちこんで、それと同おなじようにあなた自身じしんも、のろわれたものとなってはならない。あなたはそれを全まったく忌いみきらわなければならない。それはのろわれたものだからである。 第8章 8:1 わたしが、きょう、命めいじるこのすべての命令めいれいを、あなたがたは守まもって行おこなわなければならない。そうすればあなたがたは生いきることができ、かつふえ増まし、主しゅがあなたがたの先祖せんぞに誓ちかわれた地ちにはいって、それを自分じぶんのものとすることができるであろう。8:2 あなたの神かみ、主しゅがこの四十年ねんの間あいだ、荒野あらのであなたを導みちびかれたそのすべての道みちを覚おぼえなければならない。それはあなたを苦くるしめて、あなたを試こころみ、あなたの心こころのうちを知しり、あなたがその命令めいれいを守まもるか、どうかを知しるためであった。8:3 それで主しゅはあなたを苦くるしめ、あなたを飢うえさせ、あなたも知しらず、あなたの先祖せんぞたちも知しらなかったマナをもって、あなたを養やしなわれた。人ひとはパンだけでは生いきず、人ひとは主しゅの口くちから出でるすべてのことばによって生いきることをあなたに知しらせるためであった。8:4 この四十年ねんの間あいだ、あなたの着物きものはすり切きれず、あなたの足あしは、はれなかった。8:5 あなたはまた人ひとがその子こを訓練くんれんするように、あなたの神かみ、主しゅもあなたを訓練くんれんされることを心こころにとめなければならない。8:6 あなたの神かみ、主しゅの命令めいれいを守まもり、その道みちに歩あゆんで、彼かれを恐おそれなければならない。8:7 それはあなたの神かみ、主しゅがあなたを良よい地ちに導みちびき入いれられるからである。そこは谷たににも山やまにもわき出でる水みずの流ながれ、泉いずみ、および淵ふちのある地ち、8:8 小麦こむぎ、大麦おおむぎ、ぶどう、いちじく及およびざくろのある地ち、油あぶらのオリブの木き、および蜜みつのある地ち、8:9 あなたが食たべる食物しょくもつに欠かけることなく、なんの乏とぼしいこともない地ちである。その地ちの石いしは鉄てつであって、その山やまからは銅どうを掘ほり取とることができる。8:10 あなたは食たべて飽あき、あなたの神かみ、主しゅがその良よい地ちを賜たまわったことを感謝かんしゃするであろう。 8:11 あなたは、きょう、わたしが命めいじる主しゅの命令めいれいと、おきてと、定さだめとを守まもらず、あなたの神かみ、主しゅを忘わすれることのないように慎つつしまなければならない。8:12 あなたは食たべて飽あき、麗うるわしい家いえを建たてて住すみ、8:13 また牛うしや羊ひつじがふえ、金銀きんぎんが増まし、持もち物ものがみな増まし加くわわるとき、8:14 おそらく心こころにたかぶり、あなたの神かみ、主しゅを忘わすれるであろう。主しゅはあなたをエジプトの地ち、奴隷どれいの家いえから導みちびき出だし、8:15 あなたを導みちびいて、あの大おおきな恐おそろしい荒野あらの、すなわち火ひのへびや、さそりがいて、水みずのない、かわいた地ちを通とおり、あなたのために堅かたい岩いわから水みずを出だし、8:16 先祖せんぞたちも知しらなかったマナを荒野あらのであなたに食たべさせられた。それはあなたを苦くるしめ、あなたを試こころみて、ついにはあなたをさいわいにするためであった。8:17 あなたは心こころのうちに『自分じぶんの力ちからと自分じぶんの手ての働はたらきで、わたしはこの富とみを得えた』と言いってはならない。8:18 あなたはあなたの神かみ、主しゅを覚おぼえなければならない。主しゅはあなたの先祖せんぞたちに誓ちかわれた契約けいやくを今日こんにちのように行おこなうために、あなたに富とみを得える力ちからを与あたえられるからである。8:19 もしあなたの神かみ、主しゅを忘わすれて他たの神々かみがみに従したがい、これに仕つかえ、これを拝おがむならば、――わたしは、きょう、あなたがたに警告けいこくする。――あなたがたはきっと滅ほろびるであろう。8:20 主しゅがあなたがたの前まえから滅ほろぼし去さられる国々くにぐにの民たみのように、あなたがたも滅ほろびるであろう。あなたがたの神かみ、主しゅの声こえに従したがわないからである。 第9章 9:1 イスラエルよ、聞ききなさい。あなたは、きょう、ヨルダンを渡わたって行いって、あなたよりも大おおきく、かつ強つよい国々くにぐにを取とろうとしている。その町々まちまちは大おおきく、石いしがきは天てんに達たっしている。9:2 その民たみは、あなたの知しっているアナクびとの子孫しそんであって、大おおきく、また背せが高たかい。あなたはまた『アナクの子孫しそんの前まえに、だれが立たつことができようか』と人ひとの言いうのを聞きいた。9:3 それゆえ、あなたは、きょう、あなたの神かみ、主しゅは焼やきつくす火ひであって、あなたの前まえに進すすまれることを知しらなければならない。主しゅは彼かれらを滅ほろぼし、彼かれらをあなたの前まえに屈伏くっぷくさせられるであろう。主しゅがあなたに言いわれたように、彼かれらを追おい払はらい、すみやかに滅ほろぼさなければならない。 9:4 あなたの神かみ、主しゅがあなたの前まえから彼かれらを追おい払はらわれた後のちに、あなたは心こころのなかで『わたしが正ただしいから主しゅはわたしをこの地ちに導みちびき入いれてこれを獲えさせられた』と言いってはならない。この国々くにぐにの民たみが悪わるいから、主しゅはこれをあなたの前まえから追おい払はらわれるのである。9:5 あなたが行いってその地ちを獲えるのは、あなたが正ただしいからではなく、またあなたの心こころがまっすぐだからでもない。この国々くにぐにの民たみが悪わるいから、あなたの神かみ、主しゅは彼かれらをあなたの前まえから追おい払はらわれるのである。これは主しゅがあなたの先祖せんぞアブラハム、イサク、ヤコブに誓ちかわれた言葉ことばを行おこなわれるためである。 9:6 それであなたは、あなたの神かみ、主しゅがあなたにこの良よい地ちを与あたえてこれを得えさせられるのは、あなたが正ただしいからではないことを知しらなければならない。あなたは強情ごうじょうな民たみである。9:7 あなたは荒野あらのであなたの神かみ、主しゅを怒いからせたことを覚おぼえ、それを忘わすれてはならない。あなたがたはエジプトの地ちを出でた日ひからこの所ところに来くるまで、いつも主しゅにそむいた。9:8 またホレブにおいてさえ、あなたがたが主しゅを怒いからせたので、主しゅは怒いかってあなたがたを滅ほろぼそうとされた。9:9 わたしが石いしの板いたすなわち主しゅがあなたがたと結むすばれた契約けいやくの板いたを受うけるために山やまに登のぼった時とき、わたしは四十日にち四十夜や、山やまにいて、パンも食たべず水みずも飲のまなかった。9:10 主しゅは神かみの指ゆびをもって書かきしるした石いしの板いた二枚まいをわたしに授さづけられた。その上うえには、集会しゅうかいの日ひに主しゅが山やまで火ひの中なかから、あなたがたに告つげられた言葉ことばが、ことごとく書かいてあった。9:11 すなわち四十日にち四十夜やが終おわった時とき、主しゅはわたしにその契約けいやくの板いたである石いしの板いた二枚まいを授さづけ、9:12 そして主しゅはわたしに言いわれた、『おまえは立たって、すみやかにこの所ところから降ふりなさい。おまえがエジプトから導みちびき出だした民たみは悪あくを行おこなったからである。彼かれらはわたしが命めいじた道みちを早はやくも離はなれて、鋳いた像ぞうを自分じぶんたちのために つくった』。 9:13 主しゅはまたわたしに言いわれた、『この民たみを見みるのに、これは強情ごうじょうな民たみである。9:14 わたしを止とめるな。わたしは彼かれらを滅ほろぼし、彼かれらの名なを天てんの下したから消けし去さり、おまえを彼かれらよりも強つよく、かつ大おおいなる国民こくみんとしよう』。9:15 そこでわたしは身みをめぐらして山やまを降おりたが、山やまは火ひで焼やけていた。契約けいやくの板いた二枚まいはわたしの両手りょうてにあった。9:16 そしてわたしが見みると、あなたがたは、あなたがたの神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかし、自分じぶんたちのために鋳物いものの子こ牛うしを つくって、主しゅが命めいじられた道みちを早はやくも離はなれたので、9:17 わたしはその二枚まいの板いたをつかんで、両手りょうてから投なげ出だし、あなたがたの目めの前まえでこれを砕くだいた。9:18 そしてわたしは前まえのように四十日にち四十夜や、主しゅの前まえにひれ伏ふし、パンも食たべず、水みずも飲のまなかった。これはあなたがたが主しゅの目めの前まえに悪あくをおこない、罪つみを犯おかして主しゅを怒いからせたすべての罪つみによるのである。9:19 主しゅは怒いかりを発はっし、憤いきどおりを起おこし、あなたがたを怒いかって滅ほろぼそうとされたので、わたしは恐おそれたが、その時ときもまた主しゅはわたしの願ねがいを聞きかれた。9:20 主しゅはまた、はなはだしくアロンを怒いかって、彼かれを滅ほろぼそうとされたが、わたしはその時ときもまたアロンのために祈いのった。9:21 わたしはあなたがたが造つくって罪つみを得えた子こ牛うしを取とり、それを火ひで焼やき、それを撃うち砕くだき、よくひいて細こまかいちりとし、そのちりを山やまから流ながれ下くだる谷川たにがわに投なげ捨すてた。 9:22 あなたがたはタベラ、マッサおよびキブロテ・ハッタワにおいてもまた主しゅを怒いからせた。9:23 また主しゅはカデシ・バルネアから、あなたがたをつかわそうとされた時とき、『上のぼって行いって、わたしが与あたえる地ちを占領せんりょうせよ』と言いわれた。ところが、あなたがたはあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいにそむき、彼かれを信しんぜず、また彼かれの声こえに聞きき従したがわなかった。9:24 わたしがあなたがたを知しったその日ひからこのかた、あなたがたはいつも主しゅにそむいた。 9:25 そしてわたしは、さきにひれ伏ふしたように、四十日にち四十夜や、主しゅの前まえにひれ伏ふした。主しゅがあなたがたを滅ほろぼすと言いわれたからである。9:26 わたしは主しゅに祈いのって言いった、『主しゅなる神かみよ、あなたが大おおいなる力ちからをもってあがない、強つよい手てをもってエジプトから導みちびき出だされたあなたの民たみ、あなたの嗣し業ぎょうを滅ほろぼさないでください。9:27 あなたのしもべアブラハム、イサク、ヤコブを覚おぼえてください。この民たみの強情ごうじょうと悪あくと罪つみとに目めをとめないでください。9:28 あなたがわれわれを導みちびき出だされた国くにの人ひとはおそらく、「主しゅは、約束やくそくした地ちに彼かれらを導みちびき入いれることができず、また彼かれらを憎にくんだので、彼かれらを導みちびき出だして荒野あらので殺ころしたのだ」と言いうでしょう。9:29 しかし彼かれらは、あなたの民たみ、あなたの嗣し業ぎょうであって、あなたが大おおいなる力ちからと伸のばした腕うでとをもって導みちびき出だされたのです』。 第10章 10:1 その時とき、主しゅはわたしに言いわれた、『おまえは、前まえのような石いしの板いた二枚まいを切きって作つくり、山やまに登のぼって、わたしのもとにきなさい。また木きの箱はこ一つを作つくりなさい。10:2 さきにおまえが砕くだいた二枚まいの板いたに書かいてあった言葉ことばを、わたしはその板いたに書かきしるそう。おまえはそれをその箱はこにおさめなければならない』。10:3 そこでわたしはアカシヤ材ざいの箱はこ一つを作つくり、また前まえのような石いしの板いた二枚まいを切きって作つくり、その二枚まいの板いたを手てに持もって山やまに登のぼった。10:4 主しゅはかつて、かの集会しゅうかいの日ひに山やまで火ひの中なかからあなたがたに告つげられた十誡じっかいを書かきしるされたように、その板いたに書かきしるし、それを主しゅはわたしに授さづけられた。10:5 それでわたしは身みをめぐらして山やまから降おり、その板いたを、わたしが作つくった箱はこにおさめた。今いまなおその中なかにある。主しゅがわたしに命めいじられたとおりである。 10:6 (こうしてイスラエルの人々ひとびとはベエロテ・ベネ・ヤカンを出立しゅったつしてモセラに着ついた。アロンはその所ところで死しんでそこに葬ほうむられ、その子こエレアザルが彼かれに代かわって祭司さいしとなった。10:7 またそこを出立しゅったつしてグデゴダに至いたり、グデゴダを出立しゅったつしてヨテバタに着ついた。この地ちには多おおくの水みずの流ながれがあった。10:8 その時とき、主しゅはレビの部族ぶぞくを選えらんで、主しゅの契約けいやくの箱はこをかつぎ、主しゅの前まえに立たって仕つかえ、また主しゅの名なをもって祝福しゅくふくすることをさせられた。この事ことは今日こんにちに及およんでいる。10:9 そのためレビは兄弟きょうだいたちと一緒いっしょには分わけ前まえがなく、嗣し業ぎょうもない。あなたの神かみ、主しゅが彼かれに言いわれたとおり、主しゅみずからが彼かれの嗣し業ぎょうであった。) 10:10 わたしは前まえの時ときのように四十日にち四十夜や、山やまにおったが、主しゅはその時ときにもわたしの願ねがいを聞きかれた。主しゅはあなたを滅ほろぼすことを望のぞまれなかった。10:11 そして主しゅはわたしに『おまえは立たちあがり、民たみに先立さきだって進すすみ行いき、わたしが彼かれらに与あたえると、その先祖せんぞに誓ちかった地ちに彼かれらをはいらせ、それを取とらせよ』と言いわれた。 10:12 イスラエルよ、今いま、あなたの神かみ、主しゅがあなたに求もとめられる事ことはなんであるか。ただこれだけである。すなわちあなたの神かみ、主しゅを恐おそれ、そのすべての道みちに歩あゆんで、彼かれを愛あいし、心こころをつくし、精神せいしんをつくしてあなたの神かみ、主しゅに仕つかえ、10:13 また、わたしがきょうあなたに命めいじる主しゅの命令めいれいと定さだめとを守まもって、さいわいを得えることである。10:14 見みよ、天てんと、もろもろの天てんの天てん、および地ちと、地ちにあるものとはみな、あなたの神かみ、主しゅのものである。10:15 そうであるのに、主しゅはただあなたの先祖せんぞたちを喜よろこび愛あいし、その後のちの子孫しそんであるあなたがたを万民ばんみんのうちから選えらばれた。今日こんにち見みるとおりである。10:16 それゆえ、あなたがたは心こころに割礼かつれいをおこない、もはや強情ごうじょうであってはならない。10:17 あなたがたの神かみである主しゅは、神かみの神かみ、主しゅの主しゅ、大おおいにして力ちからある恐おそるべき神かみにましまし、人ひとをかたより見みず、また、まいないを取とらず、10:18 みなし子ことやもめのために正ただしいさばきを行おこない、また寄留きりゅうの他国たこく人じんを愛あいして、食物しょくもつと着物きものを与あたえられるからである。10:19 それゆえ、あなたがたは寄留きりゅうの他国たこく人じんを愛あいしなさい。あなたがたもエジプトの国くにで寄留きりゅうの他国たこく人じんであった。10:20 あなたの神かみ、主しゅを恐おそれ、彼かれに仕つかえ、彼かれに従したがい、その名なをさして誓ちかわなければならない。10:21 彼かれはあなたのさんびすべきもの、またあなたの神かみであって、あなたが目めに見みたこれらの大おおいなる恐おそるべき事ことを、あなたのために行おこなわれた。10:22 あなたの先祖せんぞたちは、わずか七十人にんでエジプトに下くだったが、いま、あなたの神かみ、主しゅはあなたを天てんの星ほしのように多おおくされた。 第11章 11:1 それゆえ、あなたの神かみ、主しゅを愛あいし、常つねにそのさとしと、定さだめと、おきてと、戒いましめとを守まもらなければならない。11:2 あなたがたは、きょう、次つぎのことを知しらなければならない。わたしが語かたるのは、あなたがたの子供こどもたちに対たいしてではない。彼かれらはあなたがたの神かみ、主しゅの訓練くんれんと、主しゅの大おおいなる事ことと、その強つよい手てと、伸のべた腕うでとを知しらず、また見みなかった。11:3 また彼かれらは主しゅがエジプトで、エジプト王おうパロとその全国ぜんこくに対たいして行おこなわれたしるしと、わざ、11:4 また主しゅがエジプトの軍勢ぐんぜいとその馬うまと戦車せんしゃとに行おこなわれた事こと、すなわち彼かれらがあなたがたのあとを追おってきた時ときに、紅海こうかいの水みずを彼かれらの上うえにあふれさせ、彼かれらを滅ほろぼされて、今日こんにちに至いたった事こと、11:5 またあなたがたがこの所ところに来くるまで、主しゅが荒野あらので、あなたがたに行おこなわれた事こと、11:6 およびルベンの子このエリアブの子こ、ダタンとアビラムとにされた事こと、すなわちイスラエルのすべての人々ひとびとの中なかで、地ちが口くちを開ひらき、彼かれらと、その家族かぞくと、天幕てんまくと、彼かれらに従したがうすべてのものを、のみつくした事ことなどを彼かれらは知しらず、また見みなかった。11:7 しかし、あなたがたは主しゅが行おこなわれたこれらの大おおいなる事ことを、ことごとく目めに見みたのである。 11:8 ゆえに、わたしが、きょう、あなたがたに命めいじる戒いましめを、ことごとく守まもらなければならない。そうすればあなたがたは強つよくなり、渡わたって行いって取とろうとする地ちにはいって、それを取とることができ、11:9 かつ、主しゅが先祖せんぞたちに誓ちかって彼かれらとその子孫しそんとに与あたえようと言いわれた地ち、乳ちちと蜜みつの流ながれる国くににおいて、長ながく生いきることができるであろう。11:10 あなたがたが行いって取とろうとする地ちは、あなたがたが出でてきたエジプトの地ちのようではない。あそこでは、青物あおもの畑ばたけでするように、あなたがたは種たねをまき、足あしでそれに水みずを注そそいだ。11:11 しかし、あなたがたが渡わたって行いって取とる地ちは、山やまと谷たにの多おおい地ちで、天てんから降ふる雨あめで潤うるおっている。11:12 その地ちは、あなたの神かみ、主しゅが顧かえりみられる所ところで、年としの始はじめから年としの終おわりまで、あなたの神かみ、主しゅの目めが常つねにその上うえにある。 11:13 もし、きょう、あなたがたに命めいじるわたしの命令めいれいによく聞きき従したがって、あなたがたの神かみ、主しゅを愛あいし、心こころをつくし、精神せいしんをつくして仕つかえるならば、11:14 主しゅはあなたがたの地ちに雨あめを、秋あきの雨あめ、春はるの雨あめともに、時ときにしたがって降ふらせ、穀物こくもつと、ぶどう酒しゅと、油あぶらを取とり入いれさせ、11:15 また家畜かちくのために野のに草くさを生はえさせられるであろう。あなたは飽あきるほど食たべることができるであろう。11:16 あなたがたは心こころが迷まよい、離はなれ去さって、他たの神々かみがみに仕つかえ、それを拝おがむことのないよう、慎つつしまなければならない。11:17 おそらく主しゅはあなたがたにむかい怒いかりを発はっして、天てんを閉とざされるであろう。そのため雨あめは降ふらず、地ちは産物さんぶつを出ださず、あなたがたは主しゅが賜たまわる良よい地ちから、すみやかに滅ほろびうせるであろう。 11:18 それゆえ、これらのわたしの言葉ことばを心こころと魂たましいにおさめ、またそれを手てにつけて、しるしとし、目めの間あいだに置おいて覚おぼえとし、11:19 これを子供こどもたちに教おしえ、家いえに座ざしている時ときも、道みちを歩あるく時ときも、寝ねる時ときも、起おきる時ときも、それについて語かたり、11:20 また家いえの入口いりぐちの柱はしらと、門もんにそれを書かきしるさなければならない。11:21 そうすれば、主しゅが先祖せんぞたちに与あたえようと誓ちかわれた地ちに、あなたがたの住すむ日数にっすうおよびあなたがたの子供こどもたちの住すむ日数にっすうは、天てんが地ちをおおう日数にっすうのように多おおいであろう。11:22 もしわたしがあなたがたに命めいじるこのすべての命令めいれいをよく守まもって行おこない、あなたがたの神かみ、主しゅを愛あいし、そのすべての道みちに歩あゆみ、主しゅにつき従したがうならば、11:23 主しゅはこの国々くにぐにの民たみを皆みな、あなたがたの前まえから追おい払はらわれ、あなたがたはあなたがたよりも大おおきく、かつ強つよい国々くにぐにを取とるに至いたるであろう。11:24 あなたがたが足あしの裏うらで踏ふむ所ところは皆みな、あなたがたのものとなり、あなたがたの領域りょういきは荒野あらのからレバノンに及および、また大川おおかわユフラテから西にしの海うみに及およぶであろう。11:25 だれもあなたがたに立たち向むかうことのできる者ものはないであろう。あなたがたの神かみ、主しゅは、かつて言いわれたように、あなたがたの踏ふみ入いる地ちの人々ひとびとが、あなたがたを恐おそれおののくようにされるであろう。 11:26 見みよ、わたしは、きょう、あなたがたの前まえに祝福しゅくふくと、のろいとを置おく。11:27 もし、きょう、わたしがあなたがたに命めいじるあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいに聞きき従したがうならば、祝福しゅくふくを受うけるであろう。11:28 もしあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいに聞きき従したがわず、わたしが、きょう、あなたがたに命めいじる道みちを離はなれ、あなたがたの知しらなかった他たの神々かみがみに従したがうならば、のろいを受うけるであろう。11:29 あなたの神かみ、主しゅが、あなたの行いって占領せんりょうする地ちにあなたを導みちびき入いれられる時とき、あなたはゲリジム山やまに祝福しゅくふくを置おき、エバル山やまにのろいを置おかなければならない。11:30 これらの山やまはヨルダンの向むこう側がわ、アラバに住すんでいるカナンびとの地ちで、日ひの入いる方ほうの道みちの西側にしがわにあり、ギルガルに向むかいあって、モレのテレビンの木きの近ちかくにあるではないか。11:31 あなたがたはヨルダンを渡わたり、あなたがたの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちにはいって、それを占領せんりょうしようとしている。あなたがたはそれを占領せんりょうして、そこに住すむであろう。11:32 それゆえ、わたしが、きょう、あなたがたに授さづける定さだめと、おきてをことごとく守まもって行おこなわなければならない。
3:1 そしてわれわれは身みをめぐらして、バシャンの道みちを上のぼって行いったが、バシャンの王おうオグは、われわれを迎むかえ撃うとうとして、その民たみをことごとく率ひきい、出でてきてエデレイで戦たたかった。
3:2 時ときに主しゅはわたしに言いわれた、『彼かれを恐おそれてはならない。わたしは彼かれと、そのすべての民たみと、その地ちをおまえの手てに渡わたしている。おまえはヘシボンに住すんでいたアモリびとの王おうシホンにしたように、彼かれにするであろう』。
3:3 こうしてわれわれの神かみ、主しゅはバシャンの王おうオグと、そのすべての民たみを、われわれの手てに渡わたされたので、われわれはこれを撃うち殺ころして、ひとりをも残のこさなかった。
3:4 その時とき、われわれは彼かれの町々まちまちを、ことごとく取とった。われわれが取とらなかった町まちは一つもなかった。取とった町まちは六十。アルゴブの全ぜん地方ちほうであって、バシャンにおけるオグの国くにである。
3:5 これらは皆みな、高たかい石いしがきがあり、門もんがあり、貫かんの木きのある堅固けんごな町まちであった。このほかに石いしがきのない町まちは、非常ひじょうに多おおかった。
3:6 われわれはヘシボンの王おうシホンにしたように、これらを全まったく滅ほろぼし、そのすべての町まちの男おとこ、女おんなおよび子供こどもをことごとく滅ほろぼした。
3:7 ただし、そのすべての家畜かちくと、その町々まちまちからのぶんどり物ものとは、われわれが獲えて自分じぶんの物ものとした。
3:8 その時ときわれわれはヨルダンの向むこう側がわにいるアモリびとのふたりの王おうの手てから、アルノン川がわからヘルモン山ざんまでの地ちを取とった。
3:9 (シドンびとはヘルモンをシリオンと呼よび、アモリびとはこれをセニルと呼よんでいる。)
3:10 すなわち高原こうげんのすべての町まち、ギレアデの全ぜん地ち、バシャンの全ぜん地ち、サルカおよびエデレイまで、バシャンにあるオグの国くにの町々まちまちをことごとく取とった。
3:11 (バシャンの王おうオグはレパイムのただひとりの生存者せいぞんしゃであった。彼かれの寝台しんだいは鉄てつの寝台しんだいであった。これは今いまなおアンモンびとのラバにあるではないか。これは普通ふつうのキュビト尺しゃくで、長ながさ九きゅうキュビト、幅はば四キュビトである。)
3:12 その時ときわれわれは、この地ちを獲えた。そしてわたしはアルノン川がわのほとりのアロエルから始はじまる地ちと、ギレアデの山地さんちの半なかばと、その町々まちまちとは、ルベンびとと、ガドびととに与あたえた。
3:13 わたしはまたギレアデの残のこりの地ちと、オグの国くにであったバシャンの全ぜん地ちとは、マナセの半はん部族ぶぞくに与あたえた。すなわちアルゴブの全ぜん地方ちほうである。(そのバシャンの全ぜん地ちはレパイムの国くにと唱となえられる。
3:14 マナセの子こヤイルは、アルゴブの全ぜん地方ちほうを取とって、ゲシュルびとと、マアカびとの境さかいにまで達たっし、自分じぶんの名なにしたがって、バシャンをハボテ・ヤイルと名なづけた。この名なは今日こんにちにまでおよんでいる。)
3:15 またわたしはマキルにはギレアデを与あたえた。
3:16 ルベンびとと、ガドびととには、ギレアデからアルノン川がわまでを与あたえ、その川かわのまん中なかをもって境さかいとし、またアンモンびとの境さかいであるヤボク川がわにまで達たっせしめた。
3:17 またヨルダンを境さかいとして、キンネレテからアラバの海うみすなわち塩しおの海うみまで、アラバをこれに与あたえて、東ひがしの方ほうピスガのふもとに達たっせしめた。
3:18 その時ときわたしはあなたがたに命めいじて言いった、『あなたがたの神かみ、主しゅはこの地ちをあなたがたに与あたえて、これを獲えさせられるから、あなたがた勇士ゆうしはみな武装ぶそうして、兄弟きょうだいであるイスラエルの人々ひとびとに先立さきだって、渡わたって行いかなければならない。
3:19 ただし、あなたがたの妻つまと、子供こどもと、家畜かちくとは、わたしが与あたえた町々まちまちにとどまらなければならない。(わたしはあなたがたが多おおくの家畜かちくを持もっているのを知しっている。)
3:20 主しゅがすでにあなたがたに与あたえられたように、あなたがたの兄弟きょうだいにも安息あんそくを与あたえられて、彼かれらもまたヨルダンの向むこう側がわで、あなたがたの神かみ、主しゅが与あたえられる地ちを獲えるようになったならば、あなたがたはおのおのわたしがあなたがたに与あたえた領地りょうちに帰かえることができる』。
3:21 その時ときわたしはヨシュアに命めいじて言いった、『あなたの目めはあなたがたの神かみ、主しゅがこのふたりの王おうに行おこなわれたすべてのことを見みた。主しゅはまたあなたが渡わたって行いくもろもろの国くににも、同おなじように行おこなわれるであろう。
3:22 彼かれらを恐おそれてはならない。あなたがたの神かみ、主しゅがあなたがたのために戦たたかわれるからである』。
3:23 その時ときわたしは主しゅに願ねがって言いった、
3:24 『主しゅなる神かみよ、あなたの大おおいなる事ことと、あなたの強つよい手てとを、たった今いま、しもべに示しめし始はじめられました。天てんにも地ちにも、あなたのようなわざをなし、あなたのような力ちからあるわざのできる神かみが、ほかにありましょうか。
3:25 どうぞ、わたしにヨルダンを渡わたって行いかせ、その向むこう側がわの良よい地ち、あの良よい山地さんち、およびレバノンを見みることのできるようにしてください』。
3:26 しかし主しゅはあなたがたのゆえにわたしを怒いかり、わたしに聞きかれなかった。そして主しゅはわたしに言いわれた、『おまえはもはや足たりている。この事ことについては、重かさねてわたしに言いってはならない。
3:27 おまえはピスガの頂いただきに登のぼり、目めをあげて西にし、北きた、南みなみ、東ひがしを望のぞみ見みよ。おまえはこのヨルダンを渡わたることができないからである。
3:28 しかし、おまえはヨシュアに命めいじ、彼かれを励はげまし、彼かれを強つよくせよ。彼かれはこの民たみに先立さきだって渡わたって行いき、彼かれらにおまえの見みる地ちを継つがせるであろう』。
3:29 こうしてわれわれはベテペオルに対たいする谷たににとどまっていた。
第4章 4:1 イスラエルよ、いま、わたしがあなたがたに教おしえる定さだめと、おきてとを聞きいて、これを行おこないなさい。そうすれば、あなたがたは生いきることができ、あなたがたの先祖せんぞの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちにはいって、それを自分じぶんのものとすることができよう。4:2 わたしがあなたがたに命めいじる言葉ことばに付つけ加くわえてはならない。また減へらしてはならない。わたしが命めいじるあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいを守まもることのできるためである。4:3 あなたがたの目めは、主しゅがバアル・ペオルで行おこなわれたことを見みた。ペオルのバアルに従したがった人々ひとびとは、あなたの神かみ、主しゅがことごとく、あなたのうちから滅ほろぼしつくされたのである。4:4 しかし、あなたがたの神かみ、主しゅにつき従したがったあなたがたは皆みな、きょう、生いきながらえている。4:5 わたしはわたしの神かみ、主しゅが命めいじられたとおりに、定さだめと、おきてとを、あなたがたに教おしえる。あなたがたがはいって、自分じぶんのものとする地ちにおいて、そのように行おこなうためである。4:6 あなたがたは、これを守まもって行おこなわなければならない。これは、もろもろの民たみにあなたがたの知恵ちえ、また知識ちしきを示しめす事ことである。彼かれらは、このもろもろの定さだめを聞きいて、『この大おおいなる国民こくみんは、まことに知恵ちえあり、知識ちしきある民たみである』と言いうであろう。 4:7 われわれの神かみ、主しゅは、われわれが呼よび求もとめる時とき、つねにわれわれに近ちかくおられる。いずれの大おおいなる国民こくみんに、このように近ちかくおる神かみがあるであろうか。4:8 また、いずれの大おおいなる国民こくみんに、きょう、わたしがあなたがたの前まえに立たてるこのすべての律法りっぽうのような正ただしい定さだめと、おきてとがあるであろうか。 4:9 ただあなたはみずから慎つつしみ、またあなた自身じしんをよく守まもりなさい。そして目めに見みたことを忘わすれず、生いきながらえている間あいだ、それらの事ことをあなたの心こころから離はなしてはならない。またそれらのことを、あなたの子孫しそんに知しらせなければならない。4:10 あなたがホレブにおいて、あなたの神かみ、主しゅの前まえに立たった日ひに、主しゅはわたしに言いわれた、『民たみをわたしのもとに集あつめよ。わたしは彼かれらにわたしの言葉ことばを聞きかせ、地上ちじょうに生いきながらえる間あいだ、彼かれらにわたしを恐おそれることを学まなばせ、またその子こ供ともを教おしえることのできるようにさせよう』。4:11 そこであなたがたは近ちかづいて、山やまのふもとに立たったが、山やまは火ひで焼やけて、その炎ほのおは中天ちゅうてんに達たっし、暗黒あんこくと雲くもと濃こい雲くもとがあった。4:12 時ときに主しゅは火ひの中なかから、あなたがたに語かたられたが、あなたがたは言葉ことばの声こえを聞きいたけれども、声こえばかりで、なんの形かたちも見みなかった。4:13 主しゅはその契約けいやくを述のべて、それを行おこなうように、あなたがたに命めいじられた。それはすなわち十誡じっかいであって、主しゅはそれを二に枚まいの石いしの板いたに書かきしるされた。4:14 その時とき、主しゅはわたしに命めいじて、あなたがたに定さだめと、おきてとを教おしえさせられた。あなたがたが渡わたって行いって自分じぶんのものとする地ちで、行おこなわせるためであった。 4:15 それゆえ、あなたがたはみずから深ふかく慎つつしまなければならない。ホレブで主しゅが火ひの中なかからあなたがたに語かたられた日ひに、あなたがたはなんの形かたちも見みなかった。4:16 それであなたがたは道みちを誤あやまって、自分じぶんのために、どんな形かたちの刻きざんだ像ぞうをも つくってはならない。男おとこまたは女おんなの像ぞうを造つくってはならない。4:17 すなわち地ちの上うえにおるもろもろの獣けものの像ぞう、空そらを飛とぶもろもろの鳥とりの像ぞう、4:18 地ちに這はうもろもろの物ものの像ぞう、地ちの下したの水みずの中なかにおるもろもろの魚うおの像ぞうを つくってはならない。4:19 あなたはまた目めを上あげて天てんを望のぞみ、日ひ、月つき、星ほしすなわちすべて天てんの万象ばんしょうを見み、誘惑ゆうわくされてそれを拝おがみ、それに仕つかえてはならない。それらのものは、あなたの神かみ、主しゅが全ぜん天下てんかの万民ばんみんに分わけられたものである。4:20 しかし、主しゅはあなたがたを取とって、鉄てつの炉ろすなわちエジプトから導みちびき出だし、自分じぶんの所有しょゆうの民たみとされた。きょう、見みるとおりである。4:21 ところで主しゅはあなたがたのゆえに、わたしを怒いかり、わたしがヨルダンを渡わたって行いくことができないことと、あなたの神かみ、主しゅが嗣し業ぎょうとしてあなたに賜たまわる良よい地ちにはいることができないこととを誓ちかわれた。4:22 わたしはこの地ちで死しぬ。ヨルダンを渡わたって行いくことはできない。しかしあなたがたは渡わたって行いって、あの良よい地ちを獲えるであろう。4:23 あなたがたは慎つつしみ、あなたがたの神かみ、主しゅがあなたがたと結むすばれた契約けいやくを忘わすれて、あなたの神かみ、主しゅが禁きんじられたどんな形かたちの刻きざんだ像ぞうをも つくってはならない。4:24 あなたの神かみ、主しゅは焼やきつくす火ひ、ねたむ神かみである。 4:25 あなたがたが子こを生うみ、孫まごを得え、長ながくその地ちにおるうちに、道みちを誤あやまって、すべて何なにかの形かたちに刻きざんだ像ぞうを造つくり、あなたの神かみ、主しゅの目めの前まえに悪あくをなして、その憤いきどおりを引ひき起おこすことがあれば、4:26 わたしは、きょう、天てんと地ちを呼よんであなたがたに対たいしてあかしとする。あなたがたはヨルダンを渡わたって行いって獲える地ちから、たちまち全滅ぜんめつするであろう。あなたがたはその所ところで長ながく命いのちを保たもつことができず、全まったく滅ほろぼされるであろう。4:27 主しゅはあなたがたを国々くにぐにに散ちらされるであろう。そして主しゅがあなたがたを追おいやられる国民こくみんのうちに、あなたがたの残のこる者ものの数かずは少すくないであろう。4:28 その所ところであなたがたは人ひとが手てで作つくった、見みることも、聞きくことも、食たべることも、かぐこともない木きや石いしの神々かみがみに仕つかえるであろう。4:29 しかし、その所ところからあなたの神かみ、主しゅを求もとめ、もし心こころをつくし、精神せいしんをつくして、主しゅを求もとめるならば、あなたは主しゅに会あうであろう。4:30 後のちの日ひになって、あなたがなやみにあい、これらのすべての事ことが、あなたに臨のぞむとき、もしあなたの神かみ、主しゅに立たち帰かえってその声こえに聞ききしたがうならば、4:31 あなたの神かみ、主しゅはいつくしみの深ふかい神かみであるから、あなたを捨すてず、あなたを滅ほろぼさず、またあなたの先祖せんぞに誓ちかった契約けいやくを忘わすれられないであろう。 4:32 試こころみにあなたの前まえに過すぎ去さった日ひについて問とえ。神かみが地上ちじょうに人ひとを造つくられた日ひからこのかた、天てんのこの端はしから、かの端はしまでに、かつてこのように大おおいなる事ことがあったであろうか。このようなことを聞きいたことがあったであろうか。4:33 火ひの中なかから語かたられる神かみの声こえをあなたが聞きいたように、聞きいてなお生いきていた民たみがかつてあったであろうか。4:34 あるいはまた、あなたがたの神かみ、主しゅがエジプトにおいて、あなたがたの目めの前まえに、あなたがたのためにもろもろの事ことをなされたように、試こころみと、しるしと、不思議ふしぎと、戦たたかいと、強つよい手てと、伸のばした腕うでと、大おおいなる恐おそるべき事こととをもって臨のぞみ、一つの国民こくみんを他たの国民こくみんのうちから引ひき出だして、自分じぶんの民たみとされた神かみが、かつてあったであろうか。4:35 あなたにこの事ことを示しめしたのは、主しゅこそ神かみであって、ほかに神かみのないことを知しらせるためであった。4:36 あなたを訓練くんれんするために、主しゅは天てんからその声こえを聞きかせ、地上ちじょうでは、またその大おおいなる火ひを示しめされた。あなたはその言葉ことばが火ひの中なかから出でるのを聞きいた。4:37 主しゅはあなたの先祖せんぞたちを愛あいされたので、その後のちの子孫しそんを選えらび、大おおいなる力ちからをもって、みずからあなたをエジプトから導みちびき出だし、4:38 あなたよりも大おおきく、かつ強つよいもろもろの国民こくみんを、あなたの前まえから追おい払はらい、あなたをその地ちに導みちびき入いれて、これを嗣し業ぎょうとしてあなたに与あたえようとされること、今日こんにち見みるとおりである。4:39 それゆえ、あなたは、きょう知しって、心こころにとめなければならない。上うえは天てん、下したは地ちにおいて、主しゅこそ神かみにいまし、ほかに神かみのないことを。4:40 あなたは、きょう、わたしが命めいじる主しゅの定さだめと命令めいれいとを守まもらなければならない。そうすれば、あなたとあなたの後のちの子孫しそんはさいわいを得え、あなたの神かみ、主しゅが永久えいきゅうにあなたに賜たまわる地ちにおいて、長ながく命いのちを保たもつことができるであろう」。 4:41 それからモーセはヨルダンの向むこう側がわ、東ひがしの方ほうに三つの町々まちまちを指定していした。4:42 過去かこの恨うらみによるのではなく、あやまって隣人りんじんを殺ころした者ものをそこにのがれさせ、その町まちの一つにのがれて、命いのちを全まっとうさせるためであった。4:43 すなわちルベンびとのためには荒野あらのの中なかの高地こうちにあるベゼルを、ガドびとのためにはギレアデのラモテを、マナセびとのためにはバシャンのゴランを定さだめた。 4:44 モーセがイスラエルの人々ひとびとの前まえに示しめした律法りっぽうはこれである。4:45 イスラエルの人々ひとびとがエジプトから出でたとき、モーセが彼かれらに述のべたあかしと、定さだめと、おきてとはこれである。4:46 すなわちヨルダンの向むこう側がわ、アモリびとの王おうシホンの国くにのベテペオルに対たいする谷たににおいてこれを述のべた。シホンはヘシボンに住すんでいたが、モーセとイスラエルの人々ひとびとが、エジプトを出でてきた時とき、これを撃うち敗やぶって、4:47 その国くにを獲え、またバシャンの王おうオグの国くにを獲えた。このふたりはアモリびとの王おうであって、ヨルダンの向むこう側がわ、東ひがしの方ほうにおった。4:48 彼かれらの獲えた地ちはアルノン川がわのほとりにあるアロエルからシリオン山ざんすなわちヘルモンに及および、4:49 ヨルダンの東側ひがしがわのアラバの全部ぜんぶをかねて、アラバの海うみに達たっし、ピスガのふもとに及およんだ。 第5章 5:1 さてモーセはイスラエルのすべての人ひとを召めし寄よせて言いった、「イスラエルよ、きょう、わたしがあなたがたの耳みみに語かたる定さだめと、おきてを聞きき、これを学まなび、これを守まもって行おこなえ。5:2 われわれの神かみ、主しゅはホレブで、われわれと契約けいやくを結むすばれた。5:3 主しゅはこの契約けいやくをわれわれの先祖せんぞたちとは結むすばず、きょう、ここに生いきながらえているわれわれすべての者ものと結むすばれた。5:4 主しゅは山やまで火ひの中なかから、あなたがたと顔かおを合あわせて語かたられた。5:5 その時とき、わたしは主しゅとあなたがたとの間あいだに立たって主しゅの言葉ことばをあなたがたに伝つたえた。あなたがたは火ひのゆえに恐おそれて山やまに登のぼることができなかったからである。主しゅは言いわれた、 5:6 『わたしはあなたの神かみ、主しゅであって、あなたをエジプトの地ち、奴隷どれいの家いえから導みちびき出だした者ものである。 5:7 あなたはわたしのほかに何なにものをも神かみとしてはならない。 5:8 あなたは自分じぶんのために刻きざんだ像ぞうを造つくってはならない。上うえは天てんにあるもの、下したは地ちにあるもの、また地ちの下したの水みずの中なかにあるものの、どのような形かたちをも造つくってはならない。5:9 それを拝おがんではならない。またそれに仕つかえてはならない。あなたの神かみ、主しゅであるわたしは、ねたむ神かみであるから、わたしを憎にくむものには、父ちちの罪つみを子こに報むくいて三、四代だいに及およぼし、5:10 わたしを愛あいし、わたしの戒いましめを守まもる者ものには恵めぐみを施ほどこして千せん代だいに至いたるであろう。 5:11 あなたの神かみ、主しゅの名なをみだりに唱となえてはならない。主しゅはその名なをみだりに唱となえる者ものを罰ばっしないではおかないであろう。 5:12 安息日あんそくにちを守まもってこれを聖せいとし、あなたの神かみ、主しゅがあなたに命めいじられたようにせよ。5:13 六日かのあいだ働はたらいて、あなたのすべてのわざをしなければならない。5:14 七日なぬか目めはあなたの神かみ、主しゅの安息あんそくであるから、なんのわざをもしてはならない。あなたも、あなたのむすこ、娘むすめ、しもべ、はしため、牛うし、ろば、もろもろの家畜かちくも、あなたの門もんのうちにおる他国たこくの人ひとも同おなじである。こうしてあなたのしもべ、はしためを、あなたと同おなじように休やすませなければならない。5:15 あなたはかつてエジプトの地ちで奴隷どれいであったが、あなたの神かみ、主しゅが強つよい手てと、伸のばした腕うでとをもって、そこからあなたを導みちびき出だされたことを覚おぼえなければならない。それゆえ、あなたの神かみ、主しゅは安息日あんそくにちを守まもることを命めいじられるのである。 5:16 あなたの神かみ、主しゅが命めいじられたように、あなたの父ちちと母ははとを敬うやまえ。あなたの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちで、あなたが長ながく命いのちを保たもち、さいわいを得えることのできるためである。 5:17 あなたは殺ころしてはならない。 5:18 あなたは姦淫かんいんしてはならない。 5:19 あなたは盗ぬすんではならない。 5:20 あなたは隣人りんじんについて偽証ぎしょうしてはならない。 5:21 あなたは隣人りんじんの妻つまをむさぼってはならない。また隣人りんじんの家いえ、畑はたけ、しもべ、はしため、牛うし、ろば、またすべて隣人りんじんのものをほしがってはならない』。 5:22 主しゅはこれらの言葉ことばを山やまで火ひの中なか、雲くもの中なか、濃こい雲くもの中なかから、大おおいなる声こえをもって、あなたがたの全ぜん会衆かいしゅうにお告つげになったが、このほかのことは言いわれず、二枚まいの石いしの板いたにこれを書かきしるして、わたしに授さづけられた。5:23 時ときに山やまは火ひで燃もえていたが、あなたがたが暗黒あんこくのうちから聞きこえる声こえを聞きくに及およんで、あなたがたの部族ぶぞくのすべてのかしらと長老ちょうろうたちは、わたしに近寄ちかよって、5:24 言いった、『われわれの神かみ、主しゅがその栄光えいこうと、その大おおいなることとを、われわれに示しめされて、われわれは火ひの中なかから出でるその声こえを聞ききました。きょう、われわれは神かみが人ひとと語かたられ、しかもなおその人ひとが生いきているのを見みました。5:25 われわれはなぜ死しななければならないでしょうか。この大おおいなる火ひはわれわれを焼やき滅ほろぼそうとしています。もしこの上うえなおわれわれの神かみ、主しゅの声こえを聞きくならば、われわれは死しんでしまうでしょう。5:26 およそ肉にくなる者もののうち、だれが、火ひの中なかから語かたられる生いける神かみの声こえを、われわれのように聞きいてなお生いきている者ものがありましょうか。5:27 あなたはどうぞ近ちかく進すすんで行いって、われわれの神かみ、主しゅが言いわれることをみな聞きき、われわれの神かみ、主しゅがあなたにお告つげになることをすべてわれわれに告つげてください。われわれは聞きいて行おこないます』。 5:28 あなたがたがわたしに語かたっている時とき、主しゅはあなたがたの言葉ことばを聞きいて、わたしに言いわれた、『わたしはこの民たみがおまえに語かたっている言葉ことばを聞きいた。彼かれらの言いったことはみな良よい。5:29 ただ願ねがわしいことは、彼かれらがつねにこのような心こころをもってわたしを恐おそれ、わたしのすべての命令めいれいを守まもって、彼かれらもその子孫しそんも永久えいきゅうにさいわいを得えるにいたることである。5:30 おまえは行いって彼かれらに、「あなたがたはおのおのその天幕てんまくに帰かえれ」と言いえ。5:31 しかし、おまえはこの所ところでわたしのそばに立たて。わたしはすべての命令めいれいと、定さだめと、おきてとをおまえに告つげ示しめすであろう。おまえはこれを彼かれらに教おしえ、わたしが彼かれらに与あたえて獲えさせる地ちにおいて、これを行おこなわせなければならない』。5:32 それゆえ、あなたがたの神かみ、主しゅが命めいじられたとおりに、慎つつしんで行おこなわなければならない。そして左ひだりにも右みぎにも曲まがってはならない。5:33 あなたがたの神かみ、主しゅが命めいじられた道みちに歩あゆまなければならない。そうすればあなたがたは生いきることができ、かつさいわいを得えて、あなたがたの獲える地ちにおいて、長ながく命いのちを保たもつことができるであろう。 第6章 6:1 これはあなたがたの神かみ、主しゅがあなたがたに教おしえよと命めいじられた命令めいれいと、定さだめと、おきてであって、あなたがたは渡わたって行いって獲える地ちで、これを行おこなわなければならない。6:2 これはあなたが子こや孫まごと共ともに、あなたの生いきながらえる日ひの間あいだ、つねにあなたの神かみ、主しゅを恐おそれて、わたしが命めいじるもろもろの定さだめと、命令めいれいとを守まもらせるため、またあなたが長ながく命いのちを保たもつことのできるためである。6:3 それゆえ、イスラエルよ、聞きいて、それを守まもり行おこなえ。そうすれば、あなたはさいわいを得え、あなたの先祖せんぞの神かみ、主しゅがあなたに言いわれたように、乳ちちと蜜みつの流ながれる国くにで、あなたの数かずは大おおいに増ますであろう。 6:4 イスラエルよ聞きけ。われわれの神かみ、主しゅは唯一ゆいいつの主しゅである。6:5 あなたは心こころをつくし、精神せいしんをつくし、力ちからをつくして、あなたの神かみ、主しゅを愛あいさなければならない。6:6 きょう、わたしがあなたに命めいじるこれらの言葉ことばをあなたの心こころに留とめ、6:7 努つとめてこれをあなたの子こらに教おしえ、あなたが家いえに座ざしている時ときも、道みちを歩あるく時ときも、寝ねる時ときも、起おきる時ときも、これについて語かたらなければならない。6:8 またあなたはこれをあなたの手てにつけてしるしとし、あなたの目めの間あいだに置おいて覚おぼえとし、6:9 またあなたの家いえの入口いりぐちの柱はしらと、あなたの門もんとに書かきしるさなければならない。 6:10 あなたの神かみ、主しゅは、あなたの先祖せんぞアブラハム、イサク、ヤコブに向むかって、あなたに与あたえると誓ちかわれた地ちに、あなたをはいらせられる時とき、あなたが建たてたものでない大おおきな美うつくしい町々まちまちを得えさせ、6:11 あなたが満みたしたものでないもろもろの良よい物ものを満みたした家いえを得えさせ、あなたが掘ほったものでない掘ほり井戸いどを得えさせ、あなたが植うえたものでないぶどう畑はたけとオリブの畑はたけとを得えさせられるであろう。あなたは食たべて飽あきるであろう。6:12 その時とき、あなたはみずから慎つつしみ、エジプトの地ち、奴隷どれいの家いえから導みちびき出だされた主しゅを忘わすれてはならない。6:13 あなたの神かみ、主しゅを恐おそれてこれに仕つかえ、その名なをさして誓ちかわなければならない。6:14 あなたがたは他たの神々かみがみすなわち周囲しゅういの民たみの神々かみがみに従したがってはならない。6:15 あなたのうちにおられるあなたの神かみ、主しゅはねたむ神かみであるから、おそらく、あなたに向むかって怒いかりを発はっし、地ちのおもてからあなたを滅ほろぼし去さられるであろう。 6:16 あなたがたがマッサでしたように、あなたがたの神かみ、主しゅを試こころみてはならない。6:17 あなたがたの神かみ、主しゅがあなたがたに命めいじられた命令めいれいと、あかしと、定さだめとを、努つとめて守まもらなければならない。6:18 あなたは主しゅが見みて正ただしいとし、良よいとされることを行おこなわなければならない。そうすれば、あなたはさいわいを得え、かつ主しゅがあなたの先祖せんぞに誓ちかわれた、あの良よい地ちにはいって、自分じぶんのものとすることができるであろう。6:19 また主しゅが仰おおせられたように、あなたの敵てきを皆みなあなたの前まえから追おい払はらわれるであろう。 6:20 後のちの日ひとなって、あなたの子こがあなたに問とうて言いうであろう、『われわれの神かみ、主しゅがあなたがたに命めいじられたこのあかしと、定さだめと、おきてとは、なんのためですか』。6:21 その時ときあなたはその子こに言いわなければならない。『われわれはエジプトでパロの奴隷どれいであったが、主しゅは強つよい手てをもって、われわれをエジプトから導みちびき出だされた。6:22 主しゅはわれわれの目めの前まえで、大おおきな恐おそろしいしるしと不思議ふしぎとをエジプトと、パロとその全家ぜんかとに示しめされ、6:23 われわれをそこから導みちびき出だし、かつてわれわれの先祖せんぞに誓ちかわれた地ちにはいらせ、それをわれわれに賜たまわった。6:24 そして主しゅはこのすべての定さだめを行おこなえと、われわれに命めいじられた。これはわれわれの神かみ、主しゅを恐おそれて、われわれが、つねにさいわいであり、また今日こんにちのように、主しゅがわれわれを守まもって命いのちを保たもたせるためである。6:25 もしわれわれが、命めいじられたとおりに、このすべての命令めいれいをわれわれの神かみ、主しゅの前まえに守まもって行おこなうならば、それはわれわれの義ぎとなるであろう』。 第7章 7:1 あなたの神かみ、主しゅが、あなたの行いって取とる地ちにあなたを導みちびき入いれ、多おおくの国々くにぐにの民たみ、ヘテびと、ギルガシびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、およびエブスびと、すなわちあなたよりも数多かずおおく、また力ちからのある七つの民たみを、あなたの前まえから追おいはらわれる時とき、7:2 すなわちあなたの神かみ、主しゅが彼かれらをあなたに渡わたして、これを撃うたせられる時ときは、あなたは彼かれらを全まったく滅ほろぼさなければならない。彼かれらとなんの契約けいやくをもしてはならない。彼かれらに何なにのあわれみをも示しめしてはならない。7:3 また彼かれらと婚姻こんいんをしてはならない。あなたの娘むすめを彼かれのむすこに与あたえてはならない。かれの娘むすめをあなたのむすこにめとってはならない。7:4 それは彼かれらがあなたのむすこを惑まどわしてわたしに従したがわせず、ほかの神々かみがみに仕つかえさせ、そのため主しゅはあなたがたにむかって怒いかりを発はっし、すみやかにあなたがたを滅ほろぼされることとなるからである。7:5 むしろ、あなたがたはこのように彼かれらに行おこなわなければならない。すなわち彼かれらの祭壇さいだんをこぼち、その石いしの柱はしらを撃うち砕くだき、そのアシラ像ぞうを切きり倒たおし、その刻きざんだ像ぞうを火ひで焼やかなければならない。 7:6 あなたはあなたの神かみ、主しゅの聖せいなる民たみである。あなたの神かみ、主しゅは地ちのおもてのすべての民たみのうちからあなたを選えらんで、自分じぶんの宝たからの民たみとされた。7:7 主しゅがあなたがたを愛あいし、あなたがたを選えらばれたのは、あなたがたがどの国民こくみんよりも数かずが多おおかったからではない。あなたがたはよろずの民たみのうち、もっとも数かずの少すくないものであった。7:8 ただ主しゅがあなたがたを愛あいし、またあなたがたの先祖せんぞに誓ちかわれた誓ちかいを守まもろうとして、主しゅは強つよい手てをもってあなたがたを導みちびき出だし、奴隷どれいの家いえから、エジプトの王おうパロの手てから、あがない出だされたのである。7:9 それゆえあなたは知しらなければならない。あなたの神かみ、主しゅは神かみにましまし、真実しんじつの神かみにましまして、彼かれを愛あいし、その命令めいれいを守まもる者ものには、契約けいやくを守まもり、恵めぐみを施ほどこして千せん代だいに及および、7:10 また彼かれを憎にくむ者ものには、めいめいに報むくいて滅ほろぼされることを。主しゅは自分じぶんを憎にくむ者ものには猶予ゆうよすることなく、めいめいに報むくいられる。7:11 それゆえ、きょうわたしがあなたに命めいじる命令めいれいと、定さだめと、おきてとを守まもって、これを行おこなわなければならない。 7:12 あなたがたがこれらのおきてを聞きいて守まもり行おこなうならば、あなたの神かみ、主しゅはあなたの先祖せんぞたちに誓ちかわれた契約けいやくを守まもり、いつくしみを施ほどこされるであろう。7:13 あなたを愛あいし、あなたを祝福しゅくふくし、あなたの数かずを増まし、あなたに与あたえると先祖せんぞたちに誓ちかわれた地ちで、あなたの子女しじょを祝福しゅくふくし、あなたの地ちの産物さんぶつ、穀物こくもつ、酒さけ、油あぶら、また牛うしの子こ、羊ひつじの子こを増まされるであろう。7:14 あなたは万民ばんみんにまさって祝福しゅくふくされるであろう。あなたのうち、男おとこも女おんなも子このないものはなく、またあなたの家畜かちくにも子このないものはないであろう。7:15 主しゅはまたすべての病やまいをあなたから取とり去さり、あなたの知しっている、あのエジプトの悪疫あくえきにかからせず、ただあなたを憎にくむすべての者ものにそれを臨のぞませられるであろう。7:16 あなたの神かみ、主しゅがあなたに渡わたされる国民こくみんを滅ほろぼしつくし、彼かれらを見みてあわれんではならない。また彼かれらの神々かみがみに仕つかえてはならない。それがあなたのわなとなるからである。 7:17 あなたは心こころのうちで『これらの国民こくみんはわたしよりも多おおいから、どうしてこれを追おい払はらうことができようか』と言いうのか。7:18 彼かれらを恐おそれてはならない。あなたの神かみ、主しゅがパロと、すべてのエジプトびととにされたことを、よく覚おぼえなさい。7:19 すなわち、あなたが目めで見みた大おおいなる試こころみと、しるしと、不思議ふしぎと、強つよい手てと、伸のばした腕うでとを覚おぼえなさい。あなたの神かみ、主しゅはこれらをもって、あなたを導みちびき出だされたのである。またそのように、あなたの神かみ、主しゅはあなたが恐おそれているすべての民たみにされるであろう。7:20 あなたの神かみ、主しゅはまた、くまばちを彼かれらのうちに送おくって、なお残のこっている者ものと逃にげ隠かくれている者ものを滅ほろぼしつくされるであろう。7:21 あなたは彼かれらを恐おそれてはならない。あなたの神かみ、主しゅである大おおいなる恐おそるべき神かみがあなたのうちにおられるからである。7:22 あなたの神かみ、主しゅはこれらの国民こくみんを徐々じょじょにあなたの前まえから追おい払はらわれるであろう。あなたはすみやかに彼かれらを滅ほろぼしつくしてはならない。そうでなければ、野のの獣けものが増ましてあなたを害がいするであろう。7:23 しかし、あなたの神かみ、主しゅは彼かれらをあなたに渡わたし、大おおいなる混乱こんらんにおとしいれて、ついに滅ほろぼされるであろう。7:24 また彼かれらの王おうたちをあなたの手てに渡わたされるであろう。あなたは彼かれらの名なを天てんの下したから消けし去さるであろう。あなたに立たちむかうものはなく、あなたはついに彼かれらを滅ほろぼすにいたるであろう。7:25 あなたは彼かれらの神々かみがみの彫像ちょうぞうを火ひに焼やかなければならない。それに着きせた銀ぎんまたは金きんをむさぼってはならない。これを取とって自分じぶんのものにしてはならない。そうでなければ、あなたはこれによって、わなにかかるであろう。これはあなたの神かみが忌いみきらわれるものだからである。7:26 あなたは忌いむべきものを家いえに持もちこんで、それと同おなじようにあなた自身じしんも、のろわれたものとなってはならない。あなたはそれを全まったく忌いみきらわなければならない。それはのろわれたものだからである。 第8章 8:1 わたしが、きょう、命めいじるこのすべての命令めいれいを、あなたがたは守まもって行おこなわなければならない。そうすればあなたがたは生いきることができ、かつふえ増まし、主しゅがあなたがたの先祖せんぞに誓ちかわれた地ちにはいって、それを自分じぶんのものとすることができるであろう。8:2 あなたの神かみ、主しゅがこの四十年ねんの間あいだ、荒野あらのであなたを導みちびかれたそのすべての道みちを覚おぼえなければならない。それはあなたを苦くるしめて、あなたを試こころみ、あなたの心こころのうちを知しり、あなたがその命令めいれいを守まもるか、どうかを知しるためであった。8:3 それで主しゅはあなたを苦くるしめ、あなたを飢うえさせ、あなたも知しらず、あなたの先祖せんぞたちも知しらなかったマナをもって、あなたを養やしなわれた。人ひとはパンだけでは生いきず、人ひとは主しゅの口くちから出でるすべてのことばによって生いきることをあなたに知しらせるためであった。8:4 この四十年ねんの間あいだ、あなたの着物きものはすり切きれず、あなたの足あしは、はれなかった。8:5 あなたはまた人ひとがその子こを訓練くんれんするように、あなたの神かみ、主しゅもあなたを訓練くんれんされることを心こころにとめなければならない。8:6 あなたの神かみ、主しゅの命令めいれいを守まもり、その道みちに歩あゆんで、彼かれを恐おそれなければならない。8:7 それはあなたの神かみ、主しゅがあなたを良よい地ちに導みちびき入いれられるからである。そこは谷たににも山やまにもわき出でる水みずの流ながれ、泉いずみ、および淵ふちのある地ち、8:8 小麦こむぎ、大麦おおむぎ、ぶどう、いちじく及およびざくろのある地ち、油あぶらのオリブの木き、および蜜みつのある地ち、8:9 あなたが食たべる食物しょくもつに欠かけることなく、なんの乏とぼしいこともない地ちである。その地ちの石いしは鉄てつであって、その山やまからは銅どうを掘ほり取とることができる。8:10 あなたは食たべて飽あき、あなたの神かみ、主しゅがその良よい地ちを賜たまわったことを感謝かんしゃするであろう。 8:11 あなたは、きょう、わたしが命めいじる主しゅの命令めいれいと、おきてと、定さだめとを守まもらず、あなたの神かみ、主しゅを忘わすれることのないように慎つつしまなければならない。8:12 あなたは食たべて飽あき、麗うるわしい家いえを建たてて住すみ、8:13 また牛うしや羊ひつじがふえ、金銀きんぎんが増まし、持もち物ものがみな増まし加くわわるとき、8:14 おそらく心こころにたかぶり、あなたの神かみ、主しゅを忘わすれるであろう。主しゅはあなたをエジプトの地ち、奴隷どれいの家いえから導みちびき出だし、8:15 あなたを導みちびいて、あの大おおきな恐おそろしい荒野あらの、すなわち火ひのへびや、さそりがいて、水みずのない、かわいた地ちを通とおり、あなたのために堅かたい岩いわから水みずを出だし、8:16 先祖せんぞたちも知しらなかったマナを荒野あらのであなたに食たべさせられた。それはあなたを苦くるしめ、あなたを試こころみて、ついにはあなたをさいわいにするためであった。8:17 あなたは心こころのうちに『自分じぶんの力ちからと自分じぶんの手ての働はたらきで、わたしはこの富とみを得えた』と言いってはならない。8:18 あなたはあなたの神かみ、主しゅを覚おぼえなければならない。主しゅはあなたの先祖せんぞたちに誓ちかわれた契約けいやくを今日こんにちのように行おこなうために、あなたに富とみを得える力ちからを与あたえられるからである。8:19 もしあなたの神かみ、主しゅを忘わすれて他たの神々かみがみに従したがい、これに仕つかえ、これを拝おがむならば、――わたしは、きょう、あなたがたに警告けいこくする。――あなたがたはきっと滅ほろびるであろう。8:20 主しゅがあなたがたの前まえから滅ほろぼし去さられる国々くにぐにの民たみのように、あなたがたも滅ほろびるであろう。あなたがたの神かみ、主しゅの声こえに従したがわないからである。 第9章 9:1 イスラエルよ、聞ききなさい。あなたは、きょう、ヨルダンを渡わたって行いって、あなたよりも大おおきく、かつ強つよい国々くにぐにを取とろうとしている。その町々まちまちは大おおきく、石いしがきは天てんに達たっしている。9:2 その民たみは、あなたの知しっているアナクびとの子孫しそんであって、大おおきく、また背せが高たかい。あなたはまた『アナクの子孫しそんの前まえに、だれが立たつことができようか』と人ひとの言いうのを聞きいた。9:3 それゆえ、あなたは、きょう、あなたの神かみ、主しゅは焼やきつくす火ひであって、あなたの前まえに進すすまれることを知しらなければならない。主しゅは彼かれらを滅ほろぼし、彼かれらをあなたの前まえに屈伏くっぷくさせられるであろう。主しゅがあなたに言いわれたように、彼かれらを追おい払はらい、すみやかに滅ほろぼさなければならない。 9:4 あなたの神かみ、主しゅがあなたの前まえから彼かれらを追おい払はらわれた後のちに、あなたは心こころのなかで『わたしが正ただしいから主しゅはわたしをこの地ちに導みちびき入いれてこれを獲えさせられた』と言いってはならない。この国々くにぐにの民たみが悪わるいから、主しゅはこれをあなたの前まえから追おい払はらわれるのである。9:5 あなたが行いってその地ちを獲えるのは、あなたが正ただしいからではなく、またあなたの心こころがまっすぐだからでもない。この国々くにぐにの民たみが悪わるいから、あなたの神かみ、主しゅは彼かれらをあなたの前まえから追おい払はらわれるのである。これは主しゅがあなたの先祖せんぞアブラハム、イサク、ヤコブに誓ちかわれた言葉ことばを行おこなわれるためである。 9:6 それであなたは、あなたの神かみ、主しゅがあなたにこの良よい地ちを与あたえてこれを得えさせられるのは、あなたが正ただしいからではないことを知しらなければならない。あなたは強情ごうじょうな民たみである。9:7 あなたは荒野あらのであなたの神かみ、主しゅを怒いからせたことを覚おぼえ、それを忘わすれてはならない。あなたがたはエジプトの地ちを出でた日ひからこの所ところに来くるまで、いつも主しゅにそむいた。9:8 またホレブにおいてさえ、あなたがたが主しゅを怒いからせたので、主しゅは怒いかってあなたがたを滅ほろぼそうとされた。9:9 わたしが石いしの板いたすなわち主しゅがあなたがたと結むすばれた契約けいやくの板いたを受うけるために山やまに登のぼった時とき、わたしは四十日にち四十夜や、山やまにいて、パンも食たべず水みずも飲のまなかった。9:10 主しゅは神かみの指ゆびをもって書かきしるした石いしの板いた二枚まいをわたしに授さづけられた。その上うえには、集会しゅうかいの日ひに主しゅが山やまで火ひの中なかから、あなたがたに告つげられた言葉ことばが、ことごとく書かいてあった。9:11 すなわち四十日にち四十夜やが終おわった時とき、主しゅはわたしにその契約けいやくの板いたである石いしの板いた二枚まいを授さづけ、9:12 そして主しゅはわたしに言いわれた、『おまえは立たって、すみやかにこの所ところから降ふりなさい。おまえがエジプトから導みちびき出だした民たみは悪あくを行おこなったからである。彼かれらはわたしが命めいじた道みちを早はやくも離はなれて、鋳いた像ぞうを自分じぶんたちのために つくった』。 9:13 主しゅはまたわたしに言いわれた、『この民たみを見みるのに、これは強情ごうじょうな民たみである。9:14 わたしを止とめるな。わたしは彼かれらを滅ほろぼし、彼かれらの名なを天てんの下したから消けし去さり、おまえを彼かれらよりも強つよく、かつ大おおいなる国民こくみんとしよう』。9:15 そこでわたしは身みをめぐらして山やまを降おりたが、山やまは火ひで焼やけていた。契約けいやくの板いた二枚まいはわたしの両手りょうてにあった。9:16 そしてわたしが見みると、あなたがたは、あなたがたの神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかし、自分じぶんたちのために鋳物いものの子こ牛うしを つくって、主しゅが命めいじられた道みちを早はやくも離はなれたので、9:17 わたしはその二枚まいの板いたをつかんで、両手りょうてから投なげ出だし、あなたがたの目めの前まえでこれを砕くだいた。9:18 そしてわたしは前まえのように四十日にち四十夜や、主しゅの前まえにひれ伏ふし、パンも食たべず、水みずも飲のまなかった。これはあなたがたが主しゅの目めの前まえに悪あくをおこない、罪つみを犯おかして主しゅを怒いからせたすべての罪つみによるのである。9:19 主しゅは怒いかりを発はっし、憤いきどおりを起おこし、あなたがたを怒いかって滅ほろぼそうとされたので、わたしは恐おそれたが、その時ときもまた主しゅはわたしの願ねがいを聞きかれた。9:20 主しゅはまた、はなはだしくアロンを怒いかって、彼かれを滅ほろぼそうとされたが、わたしはその時ときもまたアロンのために祈いのった。9:21 わたしはあなたがたが造つくって罪つみを得えた子こ牛うしを取とり、それを火ひで焼やき、それを撃うち砕くだき、よくひいて細こまかいちりとし、そのちりを山やまから流ながれ下くだる谷川たにがわに投なげ捨すてた。 9:22 あなたがたはタベラ、マッサおよびキブロテ・ハッタワにおいてもまた主しゅを怒いからせた。9:23 また主しゅはカデシ・バルネアから、あなたがたをつかわそうとされた時とき、『上のぼって行いって、わたしが与あたえる地ちを占領せんりょうせよ』と言いわれた。ところが、あなたがたはあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいにそむき、彼かれを信しんぜず、また彼かれの声こえに聞きき従したがわなかった。9:24 わたしがあなたがたを知しったその日ひからこのかた、あなたがたはいつも主しゅにそむいた。 9:25 そしてわたしは、さきにひれ伏ふしたように、四十日にち四十夜や、主しゅの前まえにひれ伏ふした。主しゅがあなたがたを滅ほろぼすと言いわれたからである。9:26 わたしは主しゅに祈いのって言いった、『主しゅなる神かみよ、あなたが大おおいなる力ちからをもってあがない、強つよい手てをもってエジプトから導みちびき出だされたあなたの民たみ、あなたの嗣し業ぎょうを滅ほろぼさないでください。9:27 あなたのしもべアブラハム、イサク、ヤコブを覚おぼえてください。この民たみの強情ごうじょうと悪あくと罪つみとに目めをとめないでください。9:28 あなたがわれわれを導みちびき出だされた国くにの人ひとはおそらく、「主しゅは、約束やくそくした地ちに彼かれらを導みちびき入いれることができず、また彼かれらを憎にくんだので、彼かれらを導みちびき出だして荒野あらので殺ころしたのだ」と言いうでしょう。9:29 しかし彼かれらは、あなたの民たみ、あなたの嗣し業ぎょうであって、あなたが大おおいなる力ちからと伸のばした腕うでとをもって導みちびき出だされたのです』。 第10章 10:1 その時とき、主しゅはわたしに言いわれた、『おまえは、前まえのような石いしの板いた二枚まいを切きって作つくり、山やまに登のぼって、わたしのもとにきなさい。また木きの箱はこ一つを作つくりなさい。10:2 さきにおまえが砕くだいた二枚まいの板いたに書かいてあった言葉ことばを、わたしはその板いたに書かきしるそう。おまえはそれをその箱はこにおさめなければならない』。10:3 そこでわたしはアカシヤ材ざいの箱はこ一つを作つくり、また前まえのような石いしの板いた二枚まいを切きって作つくり、その二枚まいの板いたを手てに持もって山やまに登のぼった。10:4 主しゅはかつて、かの集会しゅうかいの日ひに山やまで火ひの中なかからあなたがたに告つげられた十誡じっかいを書かきしるされたように、その板いたに書かきしるし、それを主しゅはわたしに授さづけられた。10:5 それでわたしは身みをめぐらして山やまから降おり、その板いたを、わたしが作つくった箱はこにおさめた。今いまなおその中なかにある。主しゅがわたしに命めいじられたとおりである。 10:6 (こうしてイスラエルの人々ひとびとはベエロテ・ベネ・ヤカンを出立しゅったつしてモセラに着ついた。アロンはその所ところで死しんでそこに葬ほうむられ、その子こエレアザルが彼かれに代かわって祭司さいしとなった。10:7 またそこを出立しゅったつしてグデゴダに至いたり、グデゴダを出立しゅったつしてヨテバタに着ついた。この地ちには多おおくの水みずの流ながれがあった。10:8 その時とき、主しゅはレビの部族ぶぞくを選えらんで、主しゅの契約けいやくの箱はこをかつぎ、主しゅの前まえに立たって仕つかえ、また主しゅの名なをもって祝福しゅくふくすることをさせられた。この事ことは今日こんにちに及およんでいる。10:9 そのためレビは兄弟きょうだいたちと一緒いっしょには分わけ前まえがなく、嗣し業ぎょうもない。あなたの神かみ、主しゅが彼かれに言いわれたとおり、主しゅみずからが彼かれの嗣し業ぎょうであった。) 10:10 わたしは前まえの時ときのように四十日にち四十夜や、山やまにおったが、主しゅはその時ときにもわたしの願ねがいを聞きかれた。主しゅはあなたを滅ほろぼすことを望のぞまれなかった。10:11 そして主しゅはわたしに『おまえは立たちあがり、民たみに先立さきだって進すすみ行いき、わたしが彼かれらに与あたえると、その先祖せんぞに誓ちかった地ちに彼かれらをはいらせ、それを取とらせよ』と言いわれた。 10:12 イスラエルよ、今いま、あなたの神かみ、主しゅがあなたに求もとめられる事ことはなんであるか。ただこれだけである。すなわちあなたの神かみ、主しゅを恐おそれ、そのすべての道みちに歩あゆんで、彼かれを愛あいし、心こころをつくし、精神せいしんをつくしてあなたの神かみ、主しゅに仕つかえ、10:13 また、わたしがきょうあなたに命めいじる主しゅの命令めいれいと定さだめとを守まもって、さいわいを得えることである。10:14 見みよ、天てんと、もろもろの天てんの天てん、および地ちと、地ちにあるものとはみな、あなたの神かみ、主しゅのものである。10:15 そうであるのに、主しゅはただあなたの先祖せんぞたちを喜よろこび愛あいし、その後のちの子孫しそんであるあなたがたを万民ばんみんのうちから選えらばれた。今日こんにち見みるとおりである。10:16 それゆえ、あなたがたは心こころに割礼かつれいをおこない、もはや強情ごうじょうであってはならない。10:17 あなたがたの神かみである主しゅは、神かみの神かみ、主しゅの主しゅ、大おおいにして力ちからある恐おそるべき神かみにましまし、人ひとをかたより見みず、また、まいないを取とらず、10:18 みなし子ことやもめのために正ただしいさばきを行おこない、また寄留きりゅうの他国たこく人じんを愛あいして、食物しょくもつと着物きものを与あたえられるからである。10:19 それゆえ、あなたがたは寄留きりゅうの他国たこく人じんを愛あいしなさい。あなたがたもエジプトの国くにで寄留きりゅうの他国たこく人じんであった。10:20 あなたの神かみ、主しゅを恐おそれ、彼かれに仕つかえ、彼かれに従したがい、その名なをさして誓ちかわなければならない。10:21 彼かれはあなたのさんびすべきもの、またあなたの神かみであって、あなたが目めに見みたこれらの大おおいなる恐おそるべき事ことを、あなたのために行おこなわれた。10:22 あなたの先祖せんぞたちは、わずか七十人にんでエジプトに下くだったが、いま、あなたの神かみ、主しゅはあなたを天てんの星ほしのように多おおくされた。 第11章 11:1 それゆえ、あなたの神かみ、主しゅを愛あいし、常つねにそのさとしと、定さだめと、おきてと、戒いましめとを守まもらなければならない。11:2 あなたがたは、きょう、次つぎのことを知しらなければならない。わたしが語かたるのは、あなたがたの子供こどもたちに対たいしてではない。彼かれらはあなたがたの神かみ、主しゅの訓練くんれんと、主しゅの大おおいなる事ことと、その強つよい手てと、伸のべた腕うでとを知しらず、また見みなかった。11:3 また彼かれらは主しゅがエジプトで、エジプト王おうパロとその全国ぜんこくに対たいして行おこなわれたしるしと、わざ、11:4 また主しゅがエジプトの軍勢ぐんぜいとその馬うまと戦車せんしゃとに行おこなわれた事こと、すなわち彼かれらがあなたがたのあとを追おってきた時ときに、紅海こうかいの水みずを彼かれらの上うえにあふれさせ、彼かれらを滅ほろぼされて、今日こんにちに至いたった事こと、11:5 またあなたがたがこの所ところに来くるまで、主しゅが荒野あらので、あなたがたに行おこなわれた事こと、11:6 およびルベンの子このエリアブの子こ、ダタンとアビラムとにされた事こと、すなわちイスラエルのすべての人々ひとびとの中なかで、地ちが口くちを開ひらき、彼かれらと、その家族かぞくと、天幕てんまくと、彼かれらに従したがうすべてのものを、のみつくした事ことなどを彼かれらは知しらず、また見みなかった。11:7 しかし、あなたがたは主しゅが行おこなわれたこれらの大おおいなる事ことを、ことごとく目めに見みたのである。 11:8 ゆえに、わたしが、きょう、あなたがたに命めいじる戒いましめを、ことごとく守まもらなければならない。そうすればあなたがたは強つよくなり、渡わたって行いって取とろうとする地ちにはいって、それを取とることができ、11:9 かつ、主しゅが先祖せんぞたちに誓ちかって彼かれらとその子孫しそんとに与あたえようと言いわれた地ち、乳ちちと蜜みつの流ながれる国くににおいて、長ながく生いきることができるであろう。11:10 あなたがたが行いって取とろうとする地ちは、あなたがたが出でてきたエジプトの地ちのようではない。あそこでは、青物あおもの畑ばたけでするように、あなたがたは種たねをまき、足あしでそれに水みずを注そそいだ。11:11 しかし、あなたがたが渡わたって行いって取とる地ちは、山やまと谷たにの多おおい地ちで、天てんから降ふる雨あめで潤うるおっている。11:12 その地ちは、あなたの神かみ、主しゅが顧かえりみられる所ところで、年としの始はじめから年としの終おわりまで、あなたの神かみ、主しゅの目めが常つねにその上うえにある。 11:13 もし、きょう、あなたがたに命めいじるわたしの命令めいれいによく聞きき従したがって、あなたがたの神かみ、主しゅを愛あいし、心こころをつくし、精神せいしんをつくして仕つかえるならば、11:14 主しゅはあなたがたの地ちに雨あめを、秋あきの雨あめ、春はるの雨あめともに、時ときにしたがって降ふらせ、穀物こくもつと、ぶどう酒しゅと、油あぶらを取とり入いれさせ、11:15 また家畜かちくのために野のに草くさを生はえさせられるであろう。あなたは飽あきるほど食たべることができるであろう。11:16 あなたがたは心こころが迷まよい、離はなれ去さって、他たの神々かみがみに仕つかえ、それを拝おがむことのないよう、慎つつしまなければならない。11:17 おそらく主しゅはあなたがたにむかい怒いかりを発はっして、天てんを閉とざされるであろう。そのため雨あめは降ふらず、地ちは産物さんぶつを出ださず、あなたがたは主しゅが賜たまわる良よい地ちから、すみやかに滅ほろびうせるであろう。 11:18 それゆえ、これらのわたしの言葉ことばを心こころと魂たましいにおさめ、またそれを手てにつけて、しるしとし、目めの間あいだに置おいて覚おぼえとし、11:19 これを子供こどもたちに教おしえ、家いえに座ざしている時ときも、道みちを歩あるく時ときも、寝ねる時ときも、起おきる時ときも、それについて語かたり、11:20 また家いえの入口いりぐちの柱はしらと、門もんにそれを書かきしるさなければならない。11:21 そうすれば、主しゅが先祖せんぞたちに与あたえようと誓ちかわれた地ちに、あなたがたの住すむ日数にっすうおよびあなたがたの子供こどもたちの住すむ日数にっすうは、天てんが地ちをおおう日数にっすうのように多おおいであろう。11:22 もしわたしがあなたがたに命めいじるこのすべての命令めいれいをよく守まもって行おこない、あなたがたの神かみ、主しゅを愛あいし、そのすべての道みちに歩あゆみ、主しゅにつき従したがうならば、11:23 主しゅはこの国々くにぐにの民たみを皆みな、あなたがたの前まえから追おい払はらわれ、あなたがたはあなたがたよりも大おおきく、かつ強つよい国々くにぐにを取とるに至いたるであろう。11:24 あなたがたが足あしの裏うらで踏ふむ所ところは皆みな、あなたがたのものとなり、あなたがたの領域りょういきは荒野あらのからレバノンに及および、また大川おおかわユフラテから西にしの海うみに及およぶであろう。11:25 だれもあなたがたに立たち向むかうことのできる者ものはないであろう。あなたがたの神かみ、主しゅは、かつて言いわれたように、あなたがたの踏ふみ入いる地ちの人々ひとびとが、あなたがたを恐おそれおののくようにされるであろう。 11:26 見みよ、わたしは、きょう、あなたがたの前まえに祝福しゅくふくと、のろいとを置おく。11:27 もし、きょう、わたしがあなたがたに命めいじるあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいに聞きき従したがうならば、祝福しゅくふくを受うけるであろう。11:28 もしあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいに聞きき従したがわず、わたしが、きょう、あなたがたに命めいじる道みちを離はなれ、あなたがたの知しらなかった他たの神々かみがみに従したがうならば、のろいを受うけるであろう。11:29 あなたの神かみ、主しゅが、あなたの行いって占領せんりょうする地ちにあなたを導みちびき入いれられる時とき、あなたはゲリジム山やまに祝福しゅくふくを置おき、エバル山やまにのろいを置おかなければならない。11:30 これらの山やまはヨルダンの向むこう側がわ、アラバに住すんでいるカナンびとの地ちで、日ひの入いる方ほうの道みちの西側にしがわにあり、ギルガルに向むかいあって、モレのテレビンの木きの近ちかくにあるではないか。11:31 あなたがたはヨルダンを渡わたり、あなたがたの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちにはいって、それを占領せんりょうしようとしている。あなたがたはそれを占領せんりょうして、そこに住すむであろう。11:32 それゆえ、わたしが、きょう、あなたがたに授さづける定さだめと、おきてをことごとく守まもって行おこなわなければならない。
4:1 イスラエルよ、いま、わたしがあなたがたに教おしえる定さだめと、おきてとを聞きいて、これを行おこないなさい。そうすれば、あなたがたは生いきることができ、あなたがたの先祖せんぞの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちにはいって、それを自分じぶんのものとすることができよう。
4:2 わたしがあなたがたに命めいじる言葉ことばに付つけ加くわえてはならない。また減へらしてはならない。わたしが命めいじるあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいを守まもることのできるためである。
4:3 あなたがたの目めは、主しゅがバアル・ペオルで行おこなわれたことを見みた。ペオルのバアルに従したがった人々ひとびとは、あなたの神かみ、主しゅがことごとく、あなたのうちから滅ほろぼしつくされたのである。
4:4 しかし、あなたがたの神かみ、主しゅにつき従したがったあなたがたは皆みな、きょう、生いきながらえている。
4:5 わたしはわたしの神かみ、主しゅが命めいじられたとおりに、定さだめと、おきてとを、あなたがたに教おしえる。あなたがたがはいって、自分じぶんのものとする地ちにおいて、そのように行おこなうためである。
4:6 あなたがたは、これを守まもって行おこなわなければならない。これは、もろもろの民たみにあなたがたの知恵ちえ、また知識ちしきを示しめす事ことである。彼かれらは、このもろもろの定さだめを聞きいて、『この大おおいなる国民こくみんは、まことに知恵ちえあり、知識ちしきある民たみである』と言いうであろう。
4:7 われわれの神かみ、主しゅは、われわれが呼よび求もとめる時とき、つねにわれわれに近ちかくおられる。いずれの大おおいなる国民こくみんに、このように近ちかくおる神かみがあるであろうか。
4:8 また、いずれの大おおいなる国民こくみんに、きょう、わたしがあなたがたの前まえに立たてるこのすべての律法りっぽうのような正ただしい定さだめと、おきてとがあるであろうか。
4:9 ただあなたはみずから慎つつしみ、またあなた自身じしんをよく守まもりなさい。そして目めに見みたことを忘わすれず、生いきながらえている間あいだ、それらの事ことをあなたの心こころから離はなしてはならない。またそれらのことを、あなたの子孫しそんに知しらせなければならない。
4:10 あなたがホレブにおいて、あなたの神かみ、主しゅの前まえに立たった日ひに、主しゅはわたしに言いわれた、『民たみをわたしのもとに集あつめよ。わたしは彼かれらにわたしの言葉ことばを聞きかせ、地上ちじょうに生いきながらえる間あいだ、彼かれらにわたしを恐おそれることを学まなばせ、またその子こ供ともを教おしえることのできるようにさせよう』。
4:11 そこであなたがたは近ちかづいて、山やまのふもとに立たったが、山やまは火ひで焼やけて、その炎ほのおは中天ちゅうてんに達たっし、暗黒あんこくと雲くもと濃こい雲くもとがあった。
4:12 時ときに主しゅは火ひの中なかから、あなたがたに語かたられたが、あなたがたは言葉ことばの声こえを聞きいたけれども、声こえばかりで、なんの形かたちも見みなかった。
4:13 主しゅはその契約けいやくを述のべて、それを行おこなうように、あなたがたに命めいじられた。それはすなわち十誡じっかいであって、主しゅはそれを二に枚まいの石いしの板いたに書かきしるされた。
4:14 その時とき、主しゅはわたしに命めいじて、あなたがたに定さだめと、おきてとを教おしえさせられた。あなたがたが渡わたって行いって自分じぶんのものとする地ちで、行おこなわせるためであった。
4:15 それゆえ、あなたがたはみずから深ふかく慎つつしまなければならない。ホレブで主しゅが火ひの中なかからあなたがたに語かたられた日ひに、あなたがたはなんの形かたちも見みなかった。
4:16 それであなたがたは道みちを誤あやまって、自分じぶんのために、どんな形かたちの刻きざんだ像ぞうをも つくってはならない。男おとこまたは女おんなの像ぞうを造つくってはならない。
4:17 すなわち地ちの上うえにおるもろもろの獣けものの像ぞう、空そらを飛とぶもろもろの鳥とりの像ぞう、
4:18 地ちに這はうもろもろの物ものの像ぞう、地ちの下したの水みずの中なかにおるもろもろの魚うおの像ぞうを つくってはならない。
4:19 あなたはまた目めを上あげて天てんを望のぞみ、日ひ、月つき、星ほしすなわちすべて天てんの万象ばんしょうを見み、誘惑ゆうわくされてそれを拝おがみ、それに仕つかえてはならない。それらのものは、あなたの神かみ、主しゅが全ぜん天下てんかの万民ばんみんに分わけられたものである。
4:20 しかし、主しゅはあなたがたを取とって、鉄てつの炉ろすなわちエジプトから導みちびき出だし、自分じぶんの所有しょゆうの民たみとされた。きょう、見みるとおりである。
4:21 ところで主しゅはあなたがたのゆえに、わたしを怒いかり、わたしがヨルダンを渡わたって行いくことができないことと、あなたの神かみ、主しゅが嗣し業ぎょうとしてあなたに賜たまわる良よい地ちにはいることができないこととを誓ちかわれた。
4:22 わたしはこの地ちで死しぬ。ヨルダンを渡わたって行いくことはできない。しかしあなたがたは渡わたって行いって、あの良よい地ちを獲えるであろう。
4:23 あなたがたは慎つつしみ、あなたがたの神かみ、主しゅがあなたがたと結むすばれた契約けいやくを忘わすれて、あなたの神かみ、主しゅが禁きんじられたどんな形かたちの刻きざんだ像ぞうをも つくってはならない。
4:24 あなたの神かみ、主しゅは焼やきつくす火ひ、ねたむ神かみである。
4:25 あなたがたが子こを生うみ、孫まごを得え、長ながくその地ちにおるうちに、道みちを誤あやまって、すべて何なにかの形かたちに刻きざんだ像ぞうを造つくり、あなたの神かみ、主しゅの目めの前まえに悪あくをなして、その憤いきどおりを引ひき起おこすことがあれば、
4:26 わたしは、きょう、天てんと地ちを呼よんであなたがたに対たいしてあかしとする。あなたがたはヨルダンを渡わたって行いって獲える地ちから、たちまち全滅ぜんめつするであろう。あなたがたはその所ところで長ながく命いのちを保たもつことができず、全まったく滅ほろぼされるであろう。
4:27 主しゅはあなたがたを国々くにぐにに散ちらされるであろう。そして主しゅがあなたがたを追おいやられる国民こくみんのうちに、あなたがたの残のこる者ものの数かずは少すくないであろう。
4:28 その所ところであなたがたは人ひとが手てで作つくった、見みることも、聞きくことも、食たべることも、かぐこともない木きや石いしの神々かみがみに仕つかえるであろう。
4:29 しかし、その所ところからあなたの神かみ、主しゅを求もとめ、もし心こころをつくし、精神せいしんをつくして、主しゅを求もとめるならば、あなたは主しゅに会あうであろう。
4:30 後のちの日ひになって、あなたがなやみにあい、これらのすべての事ことが、あなたに臨のぞむとき、もしあなたの神かみ、主しゅに立たち帰かえってその声こえに聞ききしたがうならば、
4:31 あなたの神かみ、主しゅはいつくしみの深ふかい神かみであるから、あなたを捨すてず、あなたを滅ほろぼさず、またあなたの先祖せんぞに誓ちかった契約けいやくを忘わすれられないであろう。
4:32 試こころみにあなたの前まえに過すぎ去さった日ひについて問とえ。神かみが地上ちじょうに人ひとを造つくられた日ひからこのかた、天てんのこの端はしから、かの端はしまでに、かつてこのように大おおいなる事ことがあったであろうか。このようなことを聞きいたことがあったであろうか。
4:33 火ひの中なかから語かたられる神かみの声こえをあなたが聞きいたように、聞きいてなお生いきていた民たみがかつてあったであろうか。
4:34 あるいはまた、あなたがたの神かみ、主しゅがエジプトにおいて、あなたがたの目めの前まえに、あなたがたのためにもろもろの事ことをなされたように、試こころみと、しるしと、不思議ふしぎと、戦たたかいと、強つよい手てと、伸のばした腕うでと、大おおいなる恐おそるべき事こととをもって臨のぞみ、一つの国民こくみんを他たの国民こくみんのうちから引ひき出だして、自分じぶんの民たみとされた神かみが、かつてあったであろうか。
4:35 あなたにこの事ことを示しめしたのは、主しゅこそ神かみであって、ほかに神かみのないことを知しらせるためであった。
4:36 あなたを訓練くんれんするために、主しゅは天てんからその声こえを聞きかせ、地上ちじょうでは、またその大おおいなる火ひを示しめされた。あなたはその言葉ことばが火ひの中なかから出でるのを聞きいた。
4:37 主しゅはあなたの先祖せんぞたちを愛あいされたので、その後のちの子孫しそんを選えらび、大おおいなる力ちからをもって、みずからあなたをエジプトから導みちびき出だし、
4:38 あなたよりも大おおきく、かつ強つよいもろもろの国民こくみんを、あなたの前まえから追おい払はらい、あなたをその地ちに導みちびき入いれて、これを嗣し業ぎょうとしてあなたに与あたえようとされること、今日こんにち見みるとおりである。
4:39 それゆえ、あなたは、きょう知しって、心こころにとめなければならない。上うえは天てん、下したは地ちにおいて、主しゅこそ神かみにいまし、ほかに神かみのないことを。
4:40 あなたは、きょう、わたしが命めいじる主しゅの定さだめと命令めいれいとを守まもらなければならない。そうすれば、あなたとあなたの後のちの子孫しそんはさいわいを得え、あなたの神かみ、主しゅが永久えいきゅうにあなたに賜たまわる地ちにおいて、長ながく命いのちを保たもつことができるであろう」。
4:41 それからモーセはヨルダンの向むこう側がわ、東ひがしの方ほうに三つの町々まちまちを指定していした。
4:42 過去かこの恨うらみによるのではなく、あやまって隣人りんじんを殺ころした者ものをそこにのがれさせ、その町まちの一つにのがれて、命いのちを全まっとうさせるためであった。
4:43 すなわちルベンびとのためには荒野あらのの中なかの高地こうちにあるベゼルを、ガドびとのためにはギレアデのラモテを、マナセびとのためにはバシャンのゴランを定さだめた。
4:44 モーセがイスラエルの人々ひとびとの前まえに示しめした律法りっぽうはこれである。
4:45 イスラエルの人々ひとびとがエジプトから出でたとき、モーセが彼かれらに述のべたあかしと、定さだめと、おきてとはこれである。
4:46 すなわちヨルダンの向むこう側がわ、アモリびとの王おうシホンの国くにのベテペオルに対たいする谷たににおいてこれを述のべた。シホンはヘシボンに住すんでいたが、モーセとイスラエルの人々ひとびとが、エジプトを出でてきた時とき、これを撃うち敗やぶって、
4:47 その国くにを獲え、またバシャンの王おうオグの国くにを獲えた。このふたりはアモリびとの王おうであって、ヨルダンの向むこう側がわ、東ひがしの方ほうにおった。
4:48 彼かれらの獲えた地ちはアルノン川がわのほとりにあるアロエルからシリオン山ざんすなわちヘルモンに及および、
4:49 ヨルダンの東側ひがしがわのアラバの全部ぜんぶをかねて、アラバの海うみに達たっし、ピスガのふもとに及およんだ。
第5章 5:1 さてモーセはイスラエルのすべての人ひとを召めし寄よせて言いった、「イスラエルよ、きょう、わたしがあなたがたの耳みみに語かたる定さだめと、おきてを聞きき、これを学まなび、これを守まもって行おこなえ。5:2 われわれの神かみ、主しゅはホレブで、われわれと契約けいやくを結むすばれた。5:3 主しゅはこの契約けいやくをわれわれの先祖せんぞたちとは結むすばず、きょう、ここに生いきながらえているわれわれすべての者ものと結むすばれた。5:4 主しゅは山やまで火ひの中なかから、あなたがたと顔かおを合あわせて語かたられた。5:5 その時とき、わたしは主しゅとあなたがたとの間あいだに立たって主しゅの言葉ことばをあなたがたに伝つたえた。あなたがたは火ひのゆえに恐おそれて山やまに登のぼることができなかったからである。主しゅは言いわれた、 5:6 『わたしはあなたの神かみ、主しゅであって、あなたをエジプトの地ち、奴隷どれいの家いえから導みちびき出だした者ものである。 5:7 あなたはわたしのほかに何なにものをも神かみとしてはならない。 5:8 あなたは自分じぶんのために刻きざんだ像ぞうを造つくってはならない。上うえは天てんにあるもの、下したは地ちにあるもの、また地ちの下したの水みずの中なかにあるものの、どのような形かたちをも造つくってはならない。5:9 それを拝おがんではならない。またそれに仕つかえてはならない。あなたの神かみ、主しゅであるわたしは、ねたむ神かみであるから、わたしを憎にくむものには、父ちちの罪つみを子こに報むくいて三、四代だいに及およぼし、5:10 わたしを愛あいし、わたしの戒いましめを守まもる者ものには恵めぐみを施ほどこして千せん代だいに至いたるであろう。 5:11 あなたの神かみ、主しゅの名なをみだりに唱となえてはならない。主しゅはその名なをみだりに唱となえる者ものを罰ばっしないではおかないであろう。 5:12 安息日あんそくにちを守まもってこれを聖せいとし、あなたの神かみ、主しゅがあなたに命めいじられたようにせよ。5:13 六日かのあいだ働はたらいて、あなたのすべてのわざをしなければならない。5:14 七日なぬか目めはあなたの神かみ、主しゅの安息あんそくであるから、なんのわざをもしてはならない。あなたも、あなたのむすこ、娘むすめ、しもべ、はしため、牛うし、ろば、もろもろの家畜かちくも、あなたの門もんのうちにおる他国たこくの人ひとも同おなじである。こうしてあなたのしもべ、はしためを、あなたと同おなじように休やすませなければならない。5:15 あなたはかつてエジプトの地ちで奴隷どれいであったが、あなたの神かみ、主しゅが強つよい手てと、伸のばした腕うでとをもって、そこからあなたを導みちびき出だされたことを覚おぼえなければならない。それゆえ、あなたの神かみ、主しゅは安息日あんそくにちを守まもることを命めいじられるのである。 5:16 あなたの神かみ、主しゅが命めいじられたように、あなたの父ちちと母ははとを敬うやまえ。あなたの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちで、あなたが長ながく命いのちを保たもち、さいわいを得えることのできるためである。 5:17 あなたは殺ころしてはならない。 5:18 あなたは姦淫かんいんしてはならない。 5:19 あなたは盗ぬすんではならない。 5:20 あなたは隣人りんじんについて偽証ぎしょうしてはならない。 5:21 あなたは隣人りんじんの妻つまをむさぼってはならない。また隣人りんじんの家いえ、畑はたけ、しもべ、はしため、牛うし、ろば、またすべて隣人りんじんのものをほしがってはならない』。 5:22 主しゅはこれらの言葉ことばを山やまで火ひの中なか、雲くもの中なか、濃こい雲くもの中なかから、大おおいなる声こえをもって、あなたがたの全ぜん会衆かいしゅうにお告つげになったが、このほかのことは言いわれず、二枚まいの石いしの板いたにこれを書かきしるして、わたしに授さづけられた。5:23 時ときに山やまは火ひで燃もえていたが、あなたがたが暗黒あんこくのうちから聞きこえる声こえを聞きくに及およんで、あなたがたの部族ぶぞくのすべてのかしらと長老ちょうろうたちは、わたしに近寄ちかよって、5:24 言いった、『われわれの神かみ、主しゅがその栄光えいこうと、その大おおいなることとを、われわれに示しめされて、われわれは火ひの中なかから出でるその声こえを聞ききました。きょう、われわれは神かみが人ひとと語かたられ、しかもなおその人ひとが生いきているのを見みました。5:25 われわれはなぜ死しななければならないでしょうか。この大おおいなる火ひはわれわれを焼やき滅ほろぼそうとしています。もしこの上うえなおわれわれの神かみ、主しゅの声こえを聞きくならば、われわれは死しんでしまうでしょう。5:26 およそ肉にくなる者もののうち、だれが、火ひの中なかから語かたられる生いける神かみの声こえを、われわれのように聞きいてなお生いきている者ものがありましょうか。5:27 あなたはどうぞ近ちかく進すすんで行いって、われわれの神かみ、主しゅが言いわれることをみな聞きき、われわれの神かみ、主しゅがあなたにお告つげになることをすべてわれわれに告つげてください。われわれは聞きいて行おこないます』。 5:28 あなたがたがわたしに語かたっている時とき、主しゅはあなたがたの言葉ことばを聞きいて、わたしに言いわれた、『わたしはこの民たみがおまえに語かたっている言葉ことばを聞きいた。彼かれらの言いったことはみな良よい。5:29 ただ願ねがわしいことは、彼かれらがつねにこのような心こころをもってわたしを恐おそれ、わたしのすべての命令めいれいを守まもって、彼かれらもその子孫しそんも永久えいきゅうにさいわいを得えるにいたることである。5:30 おまえは行いって彼かれらに、「あなたがたはおのおのその天幕てんまくに帰かえれ」と言いえ。5:31 しかし、おまえはこの所ところでわたしのそばに立たて。わたしはすべての命令めいれいと、定さだめと、おきてとをおまえに告つげ示しめすであろう。おまえはこれを彼かれらに教おしえ、わたしが彼かれらに与あたえて獲えさせる地ちにおいて、これを行おこなわせなければならない』。5:32 それゆえ、あなたがたの神かみ、主しゅが命めいじられたとおりに、慎つつしんで行おこなわなければならない。そして左ひだりにも右みぎにも曲まがってはならない。5:33 あなたがたの神かみ、主しゅが命めいじられた道みちに歩あゆまなければならない。そうすればあなたがたは生いきることができ、かつさいわいを得えて、あなたがたの獲える地ちにおいて、長ながく命いのちを保たもつことができるであろう。 第6章 6:1 これはあなたがたの神かみ、主しゅがあなたがたに教おしえよと命めいじられた命令めいれいと、定さだめと、おきてであって、あなたがたは渡わたって行いって獲える地ちで、これを行おこなわなければならない。6:2 これはあなたが子こや孫まごと共ともに、あなたの生いきながらえる日ひの間あいだ、つねにあなたの神かみ、主しゅを恐おそれて、わたしが命めいじるもろもろの定さだめと、命令めいれいとを守まもらせるため、またあなたが長ながく命いのちを保たもつことのできるためである。6:3 それゆえ、イスラエルよ、聞きいて、それを守まもり行おこなえ。そうすれば、あなたはさいわいを得え、あなたの先祖せんぞの神かみ、主しゅがあなたに言いわれたように、乳ちちと蜜みつの流ながれる国くにで、あなたの数かずは大おおいに増ますであろう。 6:4 イスラエルよ聞きけ。われわれの神かみ、主しゅは唯一ゆいいつの主しゅである。6:5 あなたは心こころをつくし、精神せいしんをつくし、力ちからをつくして、あなたの神かみ、主しゅを愛あいさなければならない。6:6 きょう、わたしがあなたに命めいじるこれらの言葉ことばをあなたの心こころに留とめ、6:7 努つとめてこれをあなたの子こらに教おしえ、あなたが家いえに座ざしている時ときも、道みちを歩あるく時ときも、寝ねる時ときも、起おきる時ときも、これについて語かたらなければならない。6:8 またあなたはこれをあなたの手てにつけてしるしとし、あなたの目めの間あいだに置おいて覚おぼえとし、6:9 またあなたの家いえの入口いりぐちの柱はしらと、あなたの門もんとに書かきしるさなければならない。 6:10 あなたの神かみ、主しゅは、あなたの先祖せんぞアブラハム、イサク、ヤコブに向むかって、あなたに与あたえると誓ちかわれた地ちに、あなたをはいらせられる時とき、あなたが建たてたものでない大おおきな美うつくしい町々まちまちを得えさせ、6:11 あなたが満みたしたものでないもろもろの良よい物ものを満みたした家いえを得えさせ、あなたが掘ほったものでない掘ほり井戸いどを得えさせ、あなたが植うえたものでないぶどう畑はたけとオリブの畑はたけとを得えさせられるであろう。あなたは食たべて飽あきるであろう。6:12 その時とき、あなたはみずから慎つつしみ、エジプトの地ち、奴隷どれいの家いえから導みちびき出だされた主しゅを忘わすれてはならない。6:13 あなたの神かみ、主しゅを恐おそれてこれに仕つかえ、その名なをさして誓ちかわなければならない。6:14 あなたがたは他たの神々かみがみすなわち周囲しゅういの民たみの神々かみがみに従したがってはならない。6:15 あなたのうちにおられるあなたの神かみ、主しゅはねたむ神かみであるから、おそらく、あなたに向むかって怒いかりを発はっし、地ちのおもてからあなたを滅ほろぼし去さられるであろう。 6:16 あなたがたがマッサでしたように、あなたがたの神かみ、主しゅを試こころみてはならない。6:17 あなたがたの神かみ、主しゅがあなたがたに命めいじられた命令めいれいと、あかしと、定さだめとを、努つとめて守まもらなければならない。6:18 あなたは主しゅが見みて正ただしいとし、良よいとされることを行おこなわなければならない。そうすれば、あなたはさいわいを得え、かつ主しゅがあなたの先祖せんぞに誓ちかわれた、あの良よい地ちにはいって、自分じぶんのものとすることができるであろう。6:19 また主しゅが仰おおせられたように、あなたの敵てきを皆みなあなたの前まえから追おい払はらわれるであろう。 6:20 後のちの日ひとなって、あなたの子こがあなたに問とうて言いうであろう、『われわれの神かみ、主しゅがあなたがたに命めいじられたこのあかしと、定さだめと、おきてとは、なんのためですか』。6:21 その時ときあなたはその子こに言いわなければならない。『われわれはエジプトでパロの奴隷どれいであったが、主しゅは強つよい手てをもって、われわれをエジプトから導みちびき出だされた。6:22 主しゅはわれわれの目めの前まえで、大おおきな恐おそろしいしるしと不思議ふしぎとをエジプトと、パロとその全家ぜんかとに示しめされ、6:23 われわれをそこから導みちびき出だし、かつてわれわれの先祖せんぞに誓ちかわれた地ちにはいらせ、それをわれわれに賜たまわった。6:24 そして主しゅはこのすべての定さだめを行おこなえと、われわれに命めいじられた。これはわれわれの神かみ、主しゅを恐おそれて、われわれが、つねにさいわいであり、また今日こんにちのように、主しゅがわれわれを守まもって命いのちを保たもたせるためである。6:25 もしわれわれが、命めいじられたとおりに、このすべての命令めいれいをわれわれの神かみ、主しゅの前まえに守まもって行おこなうならば、それはわれわれの義ぎとなるであろう』。 第7章 7:1 あなたの神かみ、主しゅが、あなたの行いって取とる地ちにあなたを導みちびき入いれ、多おおくの国々くにぐにの民たみ、ヘテびと、ギルガシびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、およびエブスびと、すなわちあなたよりも数多かずおおく、また力ちからのある七つの民たみを、あなたの前まえから追おいはらわれる時とき、7:2 すなわちあなたの神かみ、主しゅが彼かれらをあなたに渡わたして、これを撃うたせられる時ときは、あなたは彼かれらを全まったく滅ほろぼさなければならない。彼かれらとなんの契約けいやくをもしてはならない。彼かれらに何なにのあわれみをも示しめしてはならない。7:3 また彼かれらと婚姻こんいんをしてはならない。あなたの娘むすめを彼かれのむすこに与あたえてはならない。かれの娘むすめをあなたのむすこにめとってはならない。7:4 それは彼かれらがあなたのむすこを惑まどわしてわたしに従したがわせず、ほかの神々かみがみに仕つかえさせ、そのため主しゅはあなたがたにむかって怒いかりを発はっし、すみやかにあなたがたを滅ほろぼされることとなるからである。7:5 むしろ、あなたがたはこのように彼かれらに行おこなわなければならない。すなわち彼かれらの祭壇さいだんをこぼち、その石いしの柱はしらを撃うち砕くだき、そのアシラ像ぞうを切きり倒たおし、その刻きざんだ像ぞうを火ひで焼やかなければならない。 7:6 あなたはあなたの神かみ、主しゅの聖せいなる民たみである。あなたの神かみ、主しゅは地ちのおもてのすべての民たみのうちからあなたを選えらんで、自分じぶんの宝たからの民たみとされた。7:7 主しゅがあなたがたを愛あいし、あなたがたを選えらばれたのは、あなたがたがどの国民こくみんよりも数かずが多おおかったからではない。あなたがたはよろずの民たみのうち、もっとも数かずの少すくないものであった。7:8 ただ主しゅがあなたがたを愛あいし、またあなたがたの先祖せんぞに誓ちかわれた誓ちかいを守まもろうとして、主しゅは強つよい手てをもってあなたがたを導みちびき出だし、奴隷どれいの家いえから、エジプトの王おうパロの手てから、あがない出だされたのである。7:9 それゆえあなたは知しらなければならない。あなたの神かみ、主しゅは神かみにましまし、真実しんじつの神かみにましまして、彼かれを愛あいし、その命令めいれいを守まもる者ものには、契約けいやくを守まもり、恵めぐみを施ほどこして千せん代だいに及および、7:10 また彼かれを憎にくむ者ものには、めいめいに報むくいて滅ほろぼされることを。主しゅは自分じぶんを憎にくむ者ものには猶予ゆうよすることなく、めいめいに報むくいられる。7:11 それゆえ、きょうわたしがあなたに命めいじる命令めいれいと、定さだめと、おきてとを守まもって、これを行おこなわなければならない。 7:12 あなたがたがこれらのおきてを聞きいて守まもり行おこなうならば、あなたの神かみ、主しゅはあなたの先祖せんぞたちに誓ちかわれた契約けいやくを守まもり、いつくしみを施ほどこされるであろう。7:13 あなたを愛あいし、あなたを祝福しゅくふくし、あなたの数かずを増まし、あなたに与あたえると先祖せんぞたちに誓ちかわれた地ちで、あなたの子女しじょを祝福しゅくふくし、あなたの地ちの産物さんぶつ、穀物こくもつ、酒さけ、油あぶら、また牛うしの子こ、羊ひつじの子こを増まされるであろう。7:14 あなたは万民ばんみんにまさって祝福しゅくふくされるであろう。あなたのうち、男おとこも女おんなも子このないものはなく、またあなたの家畜かちくにも子このないものはないであろう。7:15 主しゅはまたすべての病やまいをあなたから取とり去さり、あなたの知しっている、あのエジプトの悪疫あくえきにかからせず、ただあなたを憎にくむすべての者ものにそれを臨のぞませられるであろう。7:16 あなたの神かみ、主しゅがあなたに渡わたされる国民こくみんを滅ほろぼしつくし、彼かれらを見みてあわれんではならない。また彼かれらの神々かみがみに仕つかえてはならない。それがあなたのわなとなるからである。 7:17 あなたは心こころのうちで『これらの国民こくみんはわたしよりも多おおいから、どうしてこれを追おい払はらうことができようか』と言いうのか。7:18 彼かれらを恐おそれてはならない。あなたの神かみ、主しゅがパロと、すべてのエジプトびととにされたことを、よく覚おぼえなさい。7:19 すなわち、あなたが目めで見みた大おおいなる試こころみと、しるしと、不思議ふしぎと、強つよい手てと、伸のばした腕うでとを覚おぼえなさい。あなたの神かみ、主しゅはこれらをもって、あなたを導みちびき出だされたのである。またそのように、あなたの神かみ、主しゅはあなたが恐おそれているすべての民たみにされるであろう。7:20 あなたの神かみ、主しゅはまた、くまばちを彼かれらのうちに送おくって、なお残のこっている者ものと逃にげ隠かくれている者ものを滅ほろぼしつくされるであろう。7:21 あなたは彼かれらを恐おそれてはならない。あなたの神かみ、主しゅである大おおいなる恐おそるべき神かみがあなたのうちにおられるからである。7:22 あなたの神かみ、主しゅはこれらの国民こくみんを徐々じょじょにあなたの前まえから追おい払はらわれるであろう。あなたはすみやかに彼かれらを滅ほろぼしつくしてはならない。そうでなければ、野のの獣けものが増ましてあなたを害がいするであろう。7:23 しかし、あなたの神かみ、主しゅは彼かれらをあなたに渡わたし、大おおいなる混乱こんらんにおとしいれて、ついに滅ほろぼされるであろう。7:24 また彼かれらの王おうたちをあなたの手てに渡わたされるであろう。あなたは彼かれらの名なを天てんの下したから消けし去さるであろう。あなたに立たちむかうものはなく、あなたはついに彼かれらを滅ほろぼすにいたるであろう。7:25 あなたは彼かれらの神々かみがみの彫像ちょうぞうを火ひに焼やかなければならない。それに着きせた銀ぎんまたは金きんをむさぼってはならない。これを取とって自分じぶんのものにしてはならない。そうでなければ、あなたはこれによって、わなにかかるであろう。これはあなたの神かみが忌いみきらわれるものだからである。7:26 あなたは忌いむべきものを家いえに持もちこんで、それと同おなじようにあなた自身じしんも、のろわれたものとなってはならない。あなたはそれを全まったく忌いみきらわなければならない。それはのろわれたものだからである。 第8章 8:1 わたしが、きょう、命めいじるこのすべての命令めいれいを、あなたがたは守まもって行おこなわなければならない。そうすればあなたがたは生いきることができ、かつふえ増まし、主しゅがあなたがたの先祖せんぞに誓ちかわれた地ちにはいって、それを自分じぶんのものとすることができるであろう。8:2 あなたの神かみ、主しゅがこの四十年ねんの間あいだ、荒野あらのであなたを導みちびかれたそのすべての道みちを覚おぼえなければならない。それはあなたを苦くるしめて、あなたを試こころみ、あなたの心こころのうちを知しり、あなたがその命令めいれいを守まもるか、どうかを知しるためであった。8:3 それで主しゅはあなたを苦くるしめ、あなたを飢うえさせ、あなたも知しらず、あなたの先祖せんぞたちも知しらなかったマナをもって、あなたを養やしなわれた。人ひとはパンだけでは生いきず、人ひとは主しゅの口くちから出でるすべてのことばによって生いきることをあなたに知しらせるためであった。8:4 この四十年ねんの間あいだ、あなたの着物きものはすり切きれず、あなたの足あしは、はれなかった。8:5 あなたはまた人ひとがその子こを訓練くんれんするように、あなたの神かみ、主しゅもあなたを訓練くんれんされることを心こころにとめなければならない。8:6 あなたの神かみ、主しゅの命令めいれいを守まもり、その道みちに歩あゆんで、彼かれを恐おそれなければならない。8:7 それはあなたの神かみ、主しゅがあなたを良よい地ちに導みちびき入いれられるからである。そこは谷たににも山やまにもわき出でる水みずの流ながれ、泉いずみ、および淵ふちのある地ち、8:8 小麦こむぎ、大麦おおむぎ、ぶどう、いちじく及およびざくろのある地ち、油あぶらのオリブの木き、および蜜みつのある地ち、8:9 あなたが食たべる食物しょくもつに欠かけることなく、なんの乏とぼしいこともない地ちである。その地ちの石いしは鉄てつであって、その山やまからは銅どうを掘ほり取とることができる。8:10 あなたは食たべて飽あき、あなたの神かみ、主しゅがその良よい地ちを賜たまわったことを感謝かんしゃするであろう。 8:11 あなたは、きょう、わたしが命めいじる主しゅの命令めいれいと、おきてと、定さだめとを守まもらず、あなたの神かみ、主しゅを忘わすれることのないように慎つつしまなければならない。8:12 あなたは食たべて飽あき、麗うるわしい家いえを建たてて住すみ、8:13 また牛うしや羊ひつじがふえ、金銀きんぎんが増まし、持もち物ものがみな増まし加くわわるとき、8:14 おそらく心こころにたかぶり、あなたの神かみ、主しゅを忘わすれるであろう。主しゅはあなたをエジプトの地ち、奴隷どれいの家いえから導みちびき出だし、8:15 あなたを導みちびいて、あの大おおきな恐おそろしい荒野あらの、すなわち火ひのへびや、さそりがいて、水みずのない、かわいた地ちを通とおり、あなたのために堅かたい岩いわから水みずを出だし、8:16 先祖せんぞたちも知しらなかったマナを荒野あらのであなたに食たべさせられた。それはあなたを苦くるしめ、あなたを試こころみて、ついにはあなたをさいわいにするためであった。8:17 あなたは心こころのうちに『自分じぶんの力ちからと自分じぶんの手ての働はたらきで、わたしはこの富とみを得えた』と言いってはならない。8:18 あなたはあなたの神かみ、主しゅを覚おぼえなければならない。主しゅはあなたの先祖せんぞたちに誓ちかわれた契約けいやくを今日こんにちのように行おこなうために、あなたに富とみを得える力ちからを与あたえられるからである。8:19 もしあなたの神かみ、主しゅを忘わすれて他たの神々かみがみに従したがい、これに仕つかえ、これを拝おがむならば、――わたしは、きょう、あなたがたに警告けいこくする。――あなたがたはきっと滅ほろびるであろう。8:20 主しゅがあなたがたの前まえから滅ほろぼし去さられる国々くにぐにの民たみのように、あなたがたも滅ほろびるであろう。あなたがたの神かみ、主しゅの声こえに従したがわないからである。 第9章 9:1 イスラエルよ、聞ききなさい。あなたは、きょう、ヨルダンを渡わたって行いって、あなたよりも大おおきく、かつ強つよい国々くにぐにを取とろうとしている。その町々まちまちは大おおきく、石いしがきは天てんに達たっしている。9:2 その民たみは、あなたの知しっているアナクびとの子孫しそんであって、大おおきく、また背せが高たかい。あなたはまた『アナクの子孫しそんの前まえに、だれが立たつことができようか』と人ひとの言いうのを聞きいた。9:3 それゆえ、あなたは、きょう、あなたの神かみ、主しゅは焼やきつくす火ひであって、あなたの前まえに進すすまれることを知しらなければならない。主しゅは彼かれらを滅ほろぼし、彼かれらをあなたの前まえに屈伏くっぷくさせられるであろう。主しゅがあなたに言いわれたように、彼かれらを追おい払はらい、すみやかに滅ほろぼさなければならない。 9:4 あなたの神かみ、主しゅがあなたの前まえから彼かれらを追おい払はらわれた後のちに、あなたは心こころのなかで『わたしが正ただしいから主しゅはわたしをこの地ちに導みちびき入いれてこれを獲えさせられた』と言いってはならない。この国々くにぐにの民たみが悪わるいから、主しゅはこれをあなたの前まえから追おい払はらわれるのである。9:5 あなたが行いってその地ちを獲えるのは、あなたが正ただしいからではなく、またあなたの心こころがまっすぐだからでもない。この国々くにぐにの民たみが悪わるいから、あなたの神かみ、主しゅは彼かれらをあなたの前まえから追おい払はらわれるのである。これは主しゅがあなたの先祖せんぞアブラハム、イサク、ヤコブに誓ちかわれた言葉ことばを行おこなわれるためである。 9:6 それであなたは、あなたの神かみ、主しゅがあなたにこの良よい地ちを与あたえてこれを得えさせられるのは、あなたが正ただしいからではないことを知しらなければならない。あなたは強情ごうじょうな民たみである。9:7 あなたは荒野あらのであなたの神かみ、主しゅを怒いからせたことを覚おぼえ、それを忘わすれてはならない。あなたがたはエジプトの地ちを出でた日ひからこの所ところに来くるまで、いつも主しゅにそむいた。9:8 またホレブにおいてさえ、あなたがたが主しゅを怒いからせたので、主しゅは怒いかってあなたがたを滅ほろぼそうとされた。9:9 わたしが石いしの板いたすなわち主しゅがあなたがたと結むすばれた契約けいやくの板いたを受うけるために山やまに登のぼった時とき、わたしは四十日にち四十夜や、山やまにいて、パンも食たべず水みずも飲のまなかった。9:10 主しゅは神かみの指ゆびをもって書かきしるした石いしの板いた二枚まいをわたしに授さづけられた。その上うえには、集会しゅうかいの日ひに主しゅが山やまで火ひの中なかから、あなたがたに告つげられた言葉ことばが、ことごとく書かいてあった。9:11 すなわち四十日にち四十夜やが終おわった時とき、主しゅはわたしにその契約けいやくの板いたである石いしの板いた二枚まいを授さづけ、9:12 そして主しゅはわたしに言いわれた、『おまえは立たって、すみやかにこの所ところから降ふりなさい。おまえがエジプトから導みちびき出だした民たみは悪あくを行おこなったからである。彼かれらはわたしが命めいじた道みちを早はやくも離はなれて、鋳いた像ぞうを自分じぶんたちのために つくった』。 9:13 主しゅはまたわたしに言いわれた、『この民たみを見みるのに、これは強情ごうじょうな民たみである。9:14 わたしを止とめるな。わたしは彼かれらを滅ほろぼし、彼かれらの名なを天てんの下したから消けし去さり、おまえを彼かれらよりも強つよく、かつ大おおいなる国民こくみんとしよう』。9:15 そこでわたしは身みをめぐらして山やまを降おりたが、山やまは火ひで焼やけていた。契約けいやくの板いた二枚まいはわたしの両手りょうてにあった。9:16 そしてわたしが見みると、あなたがたは、あなたがたの神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかし、自分じぶんたちのために鋳物いものの子こ牛うしを つくって、主しゅが命めいじられた道みちを早はやくも離はなれたので、9:17 わたしはその二枚まいの板いたをつかんで、両手りょうてから投なげ出だし、あなたがたの目めの前まえでこれを砕くだいた。9:18 そしてわたしは前まえのように四十日にち四十夜や、主しゅの前まえにひれ伏ふし、パンも食たべず、水みずも飲のまなかった。これはあなたがたが主しゅの目めの前まえに悪あくをおこない、罪つみを犯おかして主しゅを怒いからせたすべての罪つみによるのである。9:19 主しゅは怒いかりを発はっし、憤いきどおりを起おこし、あなたがたを怒いかって滅ほろぼそうとされたので、わたしは恐おそれたが、その時ときもまた主しゅはわたしの願ねがいを聞きかれた。9:20 主しゅはまた、はなはだしくアロンを怒いかって、彼かれを滅ほろぼそうとされたが、わたしはその時ときもまたアロンのために祈いのった。9:21 わたしはあなたがたが造つくって罪つみを得えた子こ牛うしを取とり、それを火ひで焼やき、それを撃うち砕くだき、よくひいて細こまかいちりとし、そのちりを山やまから流ながれ下くだる谷川たにがわに投なげ捨すてた。 9:22 あなたがたはタベラ、マッサおよびキブロテ・ハッタワにおいてもまた主しゅを怒いからせた。9:23 また主しゅはカデシ・バルネアから、あなたがたをつかわそうとされた時とき、『上のぼって行いって、わたしが与あたえる地ちを占領せんりょうせよ』と言いわれた。ところが、あなたがたはあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいにそむき、彼かれを信しんぜず、また彼かれの声こえに聞きき従したがわなかった。9:24 わたしがあなたがたを知しったその日ひからこのかた、あなたがたはいつも主しゅにそむいた。 9:25 そしてわたしは、さきにひれ伏ふしたように、四十日にち四十夜や、主しゅの前まえにひれ伏ふした。主しゅがあなたがたを滅ほろぼすと言いわれたからである。9:26 わたしは主しゅに祈いのって言いった、『主しゅなる神かみよ、あなたが大おおいなる力ちからをもってあがない、強つよい手てをもってエジプトから導みちびき出だされたあなたの民たみ、あなたの嗣し業ぎょうを滅ほろぼさないでください。9:27 あなたのしもべアブラハム、イサク、ヤコブを覚おぼえてください。この民たみの強情ごうじょうと悪あくと罪つみとに目めをとめないでください。9:28 あなたがわれわれを導みちびき出だされた国くにの人ひとはおそらく、「主しゅは、約束やくそくした地ちに彼かれらを導みちびき入いれることができず、また彼かれらを憎にくんだので、彼かれらを導みちびき出だして荒野あらので殺ころしたのだ」と言いうでしょう。9:29 しかし彼かれらは、あなたの民たみ、あなたの嗣し業ぎょうであって、あなたが大おおいなる力ちからと伸のばした腕うでとをもって導みちびき出だされたのです』。 第10章 10:1 その時とき、主しゅはわたしに言いわれた、『おまえは、前まえのような石いしの板いた二枚まいを切きって作つくり、山やまに登のぼって、わたしのもとにきなさい。また木きの箱はこ一つを作つくりなさい。10:2 さきにおまえが砕くだいた二枚まいの板いたに書かいてあった言葉ことばを、わたしはその板いたに書かきしるそう。おまえはそれをその箱はこにおさめなければならない』。10:3 そこでわたしはアカシヤ材ざいの箱はこ一つを作つくり、また前まえのような石いしの板いた二枚まいを切きって作つくり、その二枚まいの板いたを手てに持もって山やまに登のぼった。10:4 主しゅはかつて、かの集会しゅうかいの日ひに山やまで火ひの中なかからあなたがたに告つげられた十誡じっかいを書かきしるされたように、その板いたに書かきしるし、それを主しゅはわたしに授さづけられた。10:5 それでわたしは身みをめぐらして山やまから降おり、その板いたを、わたしが作つくった箱はこにおさめた。今いまなおその中なかにある。主しゅがわたしに命めいじられたとおりである。 10:6 (こうしてイスラエルの人々ひとびとはベエロテ・ベネ・ヤカンを出立しゅったつしてモセラに着ついた。アロンはその所ところで死しんでそこに葬ほうむられ、その子こエレアザルが彼かれに代かわって祭司さいしとなった。10:7 またそこを出立しゅったつしてグデゴダに至いたり、グデゴダを出立しゅったつしてヨテバタに着ついた。この地ちには多おおくの水みずの流ながれがあった。10:8 その時とき、主しゅはレビの部族ぶぞくを選えらんで、主しゅの契約けいやくの箱はこをかつぎ、主しゅの前まえに立たって仕つかえ、また主しゅの名なをもって祝福しゅくふくすることをさせられた。この事ことは今日こんにちに及およんでいる。10:9 そのためレビは兄弟きょうだいたちと一緒いっしょには分わけ前まえがなく、嗣し業ぎょうもない。あなたの神かみ、主しゅが彼かれに言いわれたとおり、主しゅみずからが彼かれの嗣し業ぎょうであった。) 10:10 わたしは前まえの時ときのように四十日にち四十夜や、山やまにおったが、主しゅはその時ときにもわたしの願ねがいを聞きかれた。主しゅはあなたを滅ほろぼすことを望のぞまれなかった。10:11 そして主しゅはわたしに『おまえは立たちあがり、民たみに先立さきだって進すすみ行いき、わたしが彼かれらに与あたえると、その先祖せんぞに誓ちかった地ちに彼かれらをはいらせ、それを取とらせよ』と言いわれた。 10:12 イスラエルよ、今いま、あなたの神かみ、主しゅがあなたに求もとめられる事ことはなんであるか。ただこれだけである。すなわちあなたの神かみ、主しゅを恐おそれ、そのすべての道みちに歩あゆんで、彼かれを愛あいし、心こころをつくし、精神せいしんをつくしてあなたの神かみ、主しゅに仕つかえ、10:13 また、わたしがきょうあなたに命めいじる主しゅの命令めいれいと定さだめとを守まもって、さいわいを得えることである。10:14 見みよ、天てんと、もろもろの天てんの天てん、および地ちと、地ちにあるものとはみな、あなたの神かみ、主しゅのものである。10:15 そうであるのに、主しゅはただあなたの先祖せんぞたちを喜よろこび愛あいし、その後のちの子孫しそんであるあなたがたを万民ばんみんのうちから選えらばれた。今日こんにち見みるとおりである。10:16 それゆえ、あなたがたは心こころに割礼かつれいをおこない、もはや強情ごうじょうであってはならない。10:17 あなたがたの神かみである主しゅは、神かみの神かみ、主しゅの主しゅ、大おおいにして力ちからある恐おそるべき神かみにましまし、人ひとをかたより見みず、また、まいないを取とらず、10:18 みなし子ことやもめのために正ただしいさばきを行おこない、また寄留きりゅうの他国たこく人じんを愛あいして、食物しょくもつと着物きものを与あたえられるからである。10:19 それゆえ、あなたがたは寄留きりゅうの他国たこく人じんを愛あいしなさい。あなたがたもエジプトの国くにで寄留きりゅうの他国たこく人じんであった。10:20 あなたの神かみ、主しゅを恐おそれ、彼かれに仕つかえ、彼かれに従したがい、その名なをさして誓ちかわなければならない。10:21 彼かれはあなたのさんびすべきもの、またあなたの神かみであって、あなたが目めに見みたこれらの大おおいなる恐おそるべき事ことを、あなたのために行おこなわれた。10:22 あなたの先祖せんぞたちは、わずか七十人にんでエジプトに下くだったが、いま、あなたの神かみ、主しゅはあなたを天てんの星ほしのように多おおくされた。 第11章 11:1 それゆえ、あなたの神かみ、主しゅを愛あいし、常つねにそのさとしと、定さだめと、おきてと、戒いましめとを守まもらなければならない。11:2 あなたがたは、きょう、次つぎのことを知しらなければならない。わたしが語かたるのは、あなたがたの子供こどもたちに対たいしてではない。彼かれらはあなたがたの神かみ、主しゅの訓練くんれんと、主しゅの大おおいなる事ことと、その強つよい手てと、伸のべた腕うでとを知しらず、また見みなかった。11:3 また彼かれらは主しゅがエジプトで、エジプト王おうパロとその全国ぜんこくに対たいして行おこなわれたしるしと、わざ、11:4 また主しゅがエジプトの軍勢ぐんぜいとその馬うまと戦車せんしゃとに行おこなわれた事こと、すなわち彼かれらがあなたがたのあとを追おってきた時ときに、紅海こうかいの水みずを彼かれらの上うえにあふれさせ、彼かれらを滅ほろぼされて、今日こんにちに至いたった事こと、11:5 またあなたがたがこの所ところに来くるまで、主しゅが荒野あらので、あなたがたに行おこなわれた事こと、11:6 およびルベンの子このエリアブの子こ、ダタンとアビラムとにされた事こと、すなわちイスラエルのすべての人々ひとびとの中なかで、地ちが口くちを開ひらき、彼かれらと、その家族かぞくと、天幕てんまくと、彼かれらに従したがうすべてのものを、のみつくした事ことなどを彼かれらは知しらず、また見みなかった。11:7 しかし、あなたがたは主しゅが行おこなわれたこれらの大おおいなる事ことを、ことごとく目めに見みたのである。 11:8 ゆえに、わたしが、きょう、あなたがたに命めいじる戒いましめを、ことごとく守まもらなければならない。そうすればあなたがたは強つよくなり、渡わたって行いって取とろうとする地ちにはいって、それを取とることができ、11:9 かつ、主しゅが先祖せんぞたちに誓ちかって彼かれらとその子孫しそんとに与あたえようと言いわれた地ち、乳ちちと蜜みつの流ながれる国くににおいて、長ながく生いきることができるであろう。11:10 あなたがたが行いって取とろうとする地ちは、あなたがたが出でてきたエジプトの地ちのようではない。あそこでは、青物あおもの畑ばたけでするように、あなたがたは種たねをまき、足あしでそれに水みずを注そそいだ。11:11 しかし、あなたがたが渡わたって行いって取とる地ちは、山やまと谷たにの多おおい地ちで、天てんから降ふる雨あめで潤うるおっている。11:12 その地ちは、あなたの神かみ、主しゅが顧かえりみられる所ところで、年としの始はじめから年としの終おわりまで、あなたの神かみ、主しゅの目めが常つねにその上うえにある。 11:13 もし、きょう、あなたがたに命めいじるわたしの命令めいれいによく聞きき従したがって、あなたがたの神かみ、主しゅを愛あいし、心こころをつくし、精神せいしんをつくして仕つかえるならば、11:14 主しゅはあなたがたの地ちに雨あめを、秋あきの雨あめ、春はるの雨あめともに、時ときにしたがって降ふらせ、穀物こくもつと、ぶどう酒しゅと、油あぶらを取とり入いれさせ、11:15 また家畜かちくのために野のに草くさを生はえさせられるであろう。あなたは飽あきるほど食たべることができるであろう。11:16 あなたがたは心こころが迷まよい、離はなれ去さって、他たの神々かみがみに仕つかえ、それを拝おがむことのないよう、慎つつしまなければならない。11:17 おそらく主しゅはあなたがたにむかい怒いかりを発はっして、天てんを閉とざされるであろう。そのため雨あめは降ふらず、地ちは産物さんぶつを出ださず、あなたがたは主しゅが賜たまわる良よい地ちから、すみやかに滅ほろびうせるであろう。 11:18 それゆえ、これらのわたしの言葉ことばを心こころと魂たましいにおさめ、またそれを手てにつけて、しるしとし、目めの間あいだに置おいて覚おぼえとし、11:19 これを子供こどもたちに教おしえ、家いえに座ざしている時ときも、道みちを歩あるく時ときも、寝ねる時ときも、起おきる時ときも、それについて語かたり、11:20 また家いえの入口いりぐちの柱はしらと、門もんにそれを書かきしるさなければならない。11:21 そうすれば、主しゅが先祖せんぞたちに与あたえようと誓ちかわれた地ちに、あなたがたの住すむ日数にっすうおよびあなたがたの子供こどもたちの住すむ日数にっすうは、天てんが地ちをおおう日数にっすうのように多おおいであろう。11:22 もしわたしがあなたがたに命めいじるこのすべての命令めいれいをよく守まもって行おこない、あなたがたの神かみ、主しゅを愛あいし、そのすべての道みちに歩あゆみ、主しゅにつき従したがうならば、11:23 主しゅはこの国々くにぐにの民たみを皆みな、あなたがたの前まえから追おい払はらわれ、あなたがたはあなたがたよりも大おおきく、かつ強つよい国々くにぐにを取とるに至いたるであろう。11:24 あなたがたが足あしの裏うらで踏ふむ所ところは皆みな、あなたがたのものとなり、あなたがたの領域りょういきは荒野あらのからレバノンに及および、また大川おおかわユフラテから西にしの海うみに及およぶであろう。11:25 だれもあなたがたに立たち向むかうことのできる者ものはないであろう。あなたがたの神かみ、主しゅは、かつて言いわれたように、あなたがたの踏ふみ入いる地ちの人々ひとびとが、あなたがたを恐おそれおののくようにされるであろう。 11:26 見みよ、わたしは、きょう、あなたがたの前まえに祝福しゅくふくと、のろいとを置おく。11:27 もし、きょう、わたしがあなたがたに命めいじるあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいに聞きき従したがうならば、祝福しゅくふくを受うけるであろう。11:28 もしあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいに聞きき従したがわず、わたしが、きょう、あなたがたに命めいじる道みちを離はなれ、あなたがたの知しらなかった他たの神々かみがみに従したがうならば、のろいを受うけるであろう。11:29 あなたの神かみ、主しゅが、あなたの行いって占領せんりょうする地ちにあなたを導みちびき入いれられる時とき、あなたはゲリジム山やまに祝福しゅくふくを置おき、エバル山やまにのろいを置おかなければならない。11:30 これらの山やまはヨルダンの向むこう側がわ、アラバに住すんでいるカナンびとの地ちで、日ひの入いる方ほうの道みちの西側にしがわにあり、ギルガルに向むかいあって、モレのテレビンの木きの近ちかくにあるではないか。11:31 あなたがたはヨルダンを渡わたり、あなたがたの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちにはいって、それを占領せんりょうしようとしている。あなたがたはそれを占領せんりょうして、そこに住すむであろう。11:32 それゆえ、わたしが、きょう、あなたがたに授さづける定さだめと、おきてをことごとく守まもって行おこなわなければならない。
5:1 さてモーセはイスラエルのすべての人ひとを召めし寄よせて言いった、「イスラエルよ、きょう、わたしがあなたがたの耳みみに語かたる定さだめと、おきてを聞きき、これを学まなび、これを守まもって行おこなえ。
5:2 われわれの神かみ、主しゅはホレブで、われわれと契約けいやくを結むすばれた。
5:3 主しゅはこの契約けいやくをわれわれの先祖せんぞたちとは結むすばず、きょう、ここに生いきながらえているわれわれすべての者ものと結むすばれた。
5:4 主しゅは山やまで火ひの中なかから、あなたがたと顔かおを合あわせて語かたられた。
5:5 その時とき、わたしは主しゅとあなたがたとの間あいだに立たって主しゅの言葉ことばをあなたがたに伝つたえた。あなたがたは火ひのゆえに恐おそれて山やまに登のぼることができなかったからである。主しゅは言いわれた、
5:6 『わたしはあなたの神かみ、主しゅであって、あなたをエジプトの地ち、奴隷どれいの家いえから導みちびき出だした者ものである。
5:7 あなたはわたしのほかに何なにものをも神かみとしてはならない。
5:8 あなたは自分じぶんのために刻きざんだ像ぞうを造つくってはならない。上うえは天てんにあるもの、下したは地ちにあるもの、また地ちの下したの水みずの中なかにあるものの、どのような形かたちをも造つくってはならない。
5:9 それを拝おがんではならない。またそれに仕つかえてはならない。あなたの神かみ、主しゅであるわたしは、ねたむ神かみであるから、わたしを憎にくむものには、父ちちの罪つみを子こに報むくいて三、四代だいに及およぼし、
5:10 わたしを愛あいし、わたしの戒いましめを守まもる者ものには恵めぐみを施ほどこして千せん代だいに至いたるであろう。
5:11 あなたの神かみ、主しゅの名なをみだりに唱となえてはならない。主しゅはその名なをみだりに唱となえる者ものを罰ばっしないではおかないであろう。
5:12 安息日あんそくにちを守まもってこれを聖せいとし、あなたの神かみ、主しゅがあなたに命めいじられたようにせよ。
5:13 六日かのあいだ働はたらいて、あなたのすべてのわざをしなければならない。
5:14 七日なぬか目めはあなたの神かみ、主しゅの安息あんそくであるから、なんのわざをもしてはならない。あなたも、あなたのむすこ、娘むすめ、しもべ、はしため、牛うし、ろば、もろもろの家畜かちくも、あなたの門もんのうちにおる他国たこくの人ひとも同おなじである。こうしてあなたのしもべ、はしためを、あなたと同おなじように休やすませなければならない。
5:15 あなたはかつてエジプトの地ちで奴隷どれいであったが、あなたの神かみ、主しゅが強つよい手てと、伸のばした腕うでとをもって、そこからあなたを導みちびき出だされたことを覚おぼえなければならない。それゆえ、あなたの神かみ、主しゅは安息日あんそくにちを守まもることを命めいじられるのである。
5:16 あなたの神かみ、主しゅが命めいじられたように、あなたの父ちちと母ははとを敬うやまえ。あなたの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちで、あなたが長ながく命いのちを保たもち、さいわいを得えることのできるためである。
5:17 あなたは殺ころしてはならない。
5:18 あなたは姦淫かんいんしてはならない。
5:19 あなたは盗ぬすんではならない。
5:20 あなたは隣人りんじんについて偽証ぎしょうしてはならない。
5:21 あなたは隣人りんじんの妻つまをむさぼってはならない。また隣人りんじんの家いえ、畑はたけ、しもべ、はしため、牛うし、ろば、またすべて隣人りんじんのものをほしがってはならない』。
5:22 主しゅはこれらの言葉ことばを山やまで火ひの中なか、雲くもの中なか、濃こい雲くもの中なかから、大おおいなる声こえをもって、あなたがたの全ぜん会衆かいしゅうにお告つげになったが、このほかのことは言いわれず、二枚まいの石いしの板いたにこれを書かきしるして、わたしに授さづけられた。
5:23 時ときに山やまは火ひで燃もえていたが、あなたがたが暗黒あんこくのうちから聞きこえる声こえを聞きくに及およんで、あなたがたの部族ぶぞくのすべてのかしらと長老ちょうろうたちは、わたしに近寄ちかよって、
5:24 言いった、『われわれの神かみ、主しゅがその栄光えいこうと、その大おおいなることとを、われわれに示しめされて、われわれは火ひの中なかから出でるその声こえを聞ききました。きょう、われわれは神かみが人ひとと語かたられ、しかもなおその人ひとが生いきているのを見みました。
5:25 われわれはなぜ死しななければならないでしょうか。この大おおいなる火ひはわれわれを焼やき滅ほろぼそうとしています。もしこの上うえなおわれわれの神かみ、主しゅの声こえを聞きくならば、われわれは死しんでしまうでしょう。
5:26 およそ肉にくなる者もののうち、だれが、火ひの中なかから語かたられる生いける神かみの声こえを、われわれのように聞きいてなお生いきている者ものがありましょうか。
5:27 あなたはどうぞ近ちかく進すすんで行いって、われわれの神かみ、主しゅが言いわれることをみな聞きき、われわれの神かみ、主しゅがあなたにお告つげになることをすべてわれわれに告つげてください。われわれは聞きいて行おこないます』。
5:28 あなたがたがわたしに語かたっている時とき、主しゅはあなたがたの言葉ことばを聞きいて、わたしに言いわれた、『わたしはこの民たみがおまえに語かたっている言葉ことばを聞きいた。彼かれらの言いったことはみな良よい。
5:29 ただ願ねがわしいことは、彼かれらがつねにこのような心こころをもってわたしを恐おそれ、わたしのすべての命令めいれいを守まもって、彼かれらもその子孫しそんも永久えいきゅうにさいわいを得えるにいたることである。
5:30 おまえは行いって彼かれらに、「あなたがたはおのおのその天幕てんまくに帰かえれ」と言いえ。
5:31 しかし、おまえはこの所ところでわたしのそばに立たて。わたしはすべての命令めいれいと、定さだめと、おきてとをおまえに告つげ示しめすであろう。おまえはこれを彼かれらに教おしえ、わたしが彼かれらに与あたえて獲えさせる地ちにおいて、これを行おこなわせなければならない』。
5:32 それゆえ、あなたがたの神かみ、主しゅが命めいじられたとおりに、慎つつしんで行おこなわなければならない。そして左ひだりにも右みぎにも曲まがってはならない。
5:33 あなたがたの神かみ、主しゅが命めいじられた道みちに歩あゆまなければならない。そうすればあなたがたは生いきることができ、かつさいわいを得えて、あなたがたの獲える地ちにおいて、長ながく命いのちを保たもつことができるであろう。
第6章 6:1 これはあなたがたの神かみ、主しゅがあなたがたに教おしえよと命めいじられた命令めいれいと、定さだめと、おきてであって、あなたがたは渡わたって行いって獲える地ちで、これを行おこなわなければならない。6:2 これはあなたが子こや孫まごと共ともに、あなたの生いきながらえる日ひの間あいだ、つねにあなたの神かみ、主しゅを恐おそれて、わたしが命めいじるもろもろの定さだめと、命令めいれいとを守まもらせるため、またあなたが長ながく命いのちを保たもつことのできるためである。6:3 それゆえ、イスラエルよ、聞きいて、それを守まもり行おこなえ。そうすれば、あなたはさいわいを得え、あなたの先祖せんぞの神かみ、主しゅがあなたに言いわれたように、乳ちちと蜜みつの流ながれる国くにで、あなたの数かずは大おおいに増ますであろう。 6:4 イスラエルよ聞きけ。われわれの神かみ、主しゅは唯一ゆいいつの主しゅである。6:5 あなたは心こころをつくし、精神せいしんをつくし、力ちからをつくして、あなたの神かみ、主しゅを愛あいさなければならない。6:6 きょう、わたしがあなたに命めいじるこれらの言葉ことばをあなたの心こころに留とめ、6:7 努つとめてこれをあなたの子こらに教おしえ、あなたが家いえに座ざしている時ときも、道みちを歩あるく時ときも、寝ねる時ときも、起おきる時ときも、これについて語かたらなければならない。6:8 またあなたはこれをあなたの手てにつけてしるしとし、あなたの目めの間あいだに置おいて覚おぼえとし、6:9 またあなたの家いえの入口いりぐちの柱はしらと、あなたの門もんとに書かきしるさなければならない。 6:10 あなたの神かみ、主しゅは、あなたの先祖せんぞアブラハム、イサク、ヤコブに向むかって、あなたに与あたえると誓ちかわれた地ちに、あなたをはいらせられる時とき、あなたが建たてたものでない大おおきな美うつくしい町々まちまちを得えさせ、6:11 あなたが満みたしたものでないもろもろの良よい物ものを満みたした家いえを得えさせ、あなたが掘ほったものでない掘ほり井戸いどを得えさせ、あなたが植うえたものでないぶどう畑はたけとオリブの畑はたけとを得えさせられるであろう。あなたは食たべて飽あきるであろう。6:12 その時とき、あなたはみずから慎つつしみ、エジプトの地ち、奴隷どれいの家いえから導みちびき出だされた主しゅを忘わすれてはならない。6:13 あなたの神かみ、主しゅを恐おそれてこれに仕つかえ、その名なをさして誓ちかわなければならない。6:14 あなたがたは他たの神々かみがみすなわち周囲しゅういの民たみの神々かみがみに従したがってはならない。6:15 あなたのうちにおられるあなたの神かみ、主しゅはねたむ神かみであるから、おそらく、あなたに向むかって怒いかりを発はっし、地ちのおもてからあなたを滅ほろぼし去さられるであろう。 6:16 あなたがたがマッサでしたように、あなたがたの神かみ、主しゅを試こころみてはならない。6:17 あなたがたの神かみ、主しゅがあなたがたに命めいじられた命令めいれいと、あかしと、定さだめとを、努つとめて守まもらなければならない。6:18 あなたは主しゅが見みて正ただしいとし、良よいとされることを行おこなわなければならない。そうすれば、あなたはさいわいを得え、かつ主しゅがあなたの先祖せんぞに誓ちかわれた、あの良よい地ちにはいって、自分じぶんのものとすることができるであろう。6:19 また主しゅが仰おおせられたように、あなたの敵てきを皆みなあなたの前まえから追おい払はらわれるであろう。 6:20 後のちの日ひとなって、あなたの子こがあなたに問とうて言いうであろう、『われわれの神かみ、主しゅがあなたがたに命めいじられたこのあかしと、定さだめと、おきてとは、なんのためですか』。6:21 その時ときあなたはその子こに言いわなければならない。『われわれはエジプトでパロの奴隷どれいであったが、主しゅは強つよい手てをもって、われわれをエジプトから導みちびき出だされた。6:22 主しゅはわれわれの目めの前まえで、大おおきな恐おそろしいしるしと不思議ふしぎとをエジプトと、パロとその全家ぜんかとに示しめされ、6:23 われわれをそこから導みちびき出だし、かつてわれわれの先祖せんぞに誓ちかわれた地ちにはいらせ、それをわれわれに賜たまわった。6:24 そして主しゅはこのすべての定さだめを行おこなえと、われわれに命めいじられた。これはわれわれの神かみ、主しゅを恐おそれて、われわれが、つねにさいわいであり、また今日こんにちのように、主しゅがわれわれを守まもって命いのちを保たもたせるためである。6:25 もしわれわれが、命めいじられたとおりに、このすべての命令めいれいをわれわれの神かみ、主しゅの前まえに守まもって行おこなうならば、それはわれわれの義ぎとなるであろう』。 第7章 7:1 あなたの神かみ、主しゅが、あなたの行いって取とる地ちにあなたを導みちびき入いれ、多おおくの国々くにぐにの民たみ、ヘテびと、ギルガシびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、およびエブスびと、すなわちあなたよりも数多かずおおく、また力ちからのある七つの民たみを、あなたの前まえから追おいはらわれる時とき、7:2 すなわちあなたの神かみ、主しゅが彼かれらをあなたに渡わたして、これを撃うたせられる時ときは、あなたは彼かれらを全まったく滅ほろぼさなければならない。彼かれらとなんの契約けいやくをもしてはならない。彼かれらに何なにのあわれみをも示しめしてはならない。7:3 また彼かれらと婚姻こんいんをしてはならない。あなたの娘むすめを彼かれのむすこに与あたえてはならない。かれの娘むすめをあなたのむすこにめとってはならない。7:4 それは彼かれらがあなたのむすこを惑まどわしてわたしに従したがわせず、ほかの神々かみがみに仕つかえさせ、そのため主しゅはあなたがたにむかって怒いかりを発はっし、すみやかにあなたがたを滅ほろぼされることとなるからである。7:5 むしろ、あなたがたはこのように彼かれらに行おこなわなければならない。すなわち彼かれらの祭壇さいだんをこぼち、その石いしの柱はしらを撃うち砕くだき、そのアシラ像ぞうを切きり倒たおし、その刻きざんだ像ぞうを火ひで焼やかなければならない。 7:6 あなたはあなたの神かみ、主しゅの聖せいなる民たみである。あなたの神かみ、主しゅは地ちのおもてのすべての民たみのうちからあなたを選えらんで、自分じぶんの宝たからの民たみとされた。7:7 主しゅがあなたがたを愛あいし、あなたがたを選えらばれたのは、あなたがたがどの国民こくみんよりも数かずが多おおかったからではない。あなたがたはよろずの民たみのうち、もっとも数かずの少すくないものであった。7:8 ただ主しゅがあなたがたを愛あいし、またあなたがたの先祖せんぞに誓ちかわれた誓ちかいを守まもろうとして、主しゅは強つよい手てをもってあなたがたを導みちびき出だし、奴隷どれいの家いえから、エジプトの王おうパロの手てから、あがない出だされたのである。7:9 それゆえあなたは知しらなければならない。あなたの神かみ、主しゅは神かみにましまし、真実しんじつの神かみにましまして、彼かれを愛あいし、その命令めいれいを守まもる者ものには、契約けいやくを守まもり、恵めぐみを施ほどこして千せん代だいに及および、7:10 また彼かれを憎にくむ者ものには、めいめいに報むくいて滅ほろぼされることを。主しゅは自分じぶんを憎にくむ者ものには猶予ゆうよすることなく、めいめいに報むくいられる。7:11 それゆえ、きょうわたしがあなたに命めいじる命令めいれいと、定さだめと、おきてとを守まもって、これを行おこなわなければならない。 7:12 あなたがたがこれらのおきてを聞きいて守まもり行おこなうならば、あなたの神かみ、主しゅはあなたの先祖せんぞたちに誓ちかわれた契約けいやくを守まもり、いつくしみを施ほどこされるであろう。7:13 あなたを愛あいし、あなたを祝福しゅくふくし、あなたの数かずを増まし、あなたに与あたえると先祖せんぞたちに誓ちかわれた地ちで、あなたの子女しじょを祝福しゅくふくし、あなたの地ちの産物さんぶつ、穀物こくもつ、酒さけ、油あぶら、また牛うしの子こ、羊ひつじの子こを増まされるであろう。7:14 あなたは万民ばんみんにまさって祝福しゅくふくされるであろう。あなたのうち、男おとこも女おんなも子このないものはなく、またあなたの家畜かちくにも子このないものはないであろう。7:15 主しゅはまたすべての病やまいをあなたから取とり去さり、あなたの知しっている、あのエジプトの悪疫あくえきにかからせず、ただあなたを憎にくむすべての者ものにそれを臨のぞませられるであろう。7:16 あなたの神かみ、主しゅがあなたに渡わたされる国民こくみんを滅ほろぼしつくし、彼かれらを見みてあわれんではならない。また彼かれらの神々かみがみに仕つかえてはならない。それがあなたのわなとなるからである。 7:17 あなたは心こころのうちで『これらの国民こくみんはわたしよりも多おおいから、どうしてこれを追おい払はらうことができようか』と言いうのか。7:18 彼かれらを恐おそれてはならない。あなたの神かみ、主しゅがパロと、すべてのエジプトびととにされたことを、よく覚おぼえなさい。7:19 すなわち、あなたが目めで見みた大おおいなる試こころみと、しるしと、不思議ふしぎと、強つよい手てと、伸のばした腕うでとを覚おぼえなさい。あなたの神かみ、主しゅはこれらをもって、あなたを導みちびき出だされたのである。またそのように、あなたの神かみ、主しゅはあなたが恐おそれているすべての民たみにされるであろう。7:20 あなたの神かみ、主しゅはまた、くまばちを彼かれらのうちに送おくって、なお残のこっている者ものと逃にげ隠かくれている者ものを滅ほろぼしつくされるであろう。7:21 あなたは彼かれらを恐おそれてはならない。あなたの神かみ、主しゅである大おおいなる恐おそるべき神かみがあなたのうちにおられるからである。7:22 あなたの神かみ、主しゅはこれらの国民こくみんを徐々じょじょにあなたの前まえから追おい払はらわれるであろう。あなたはすみやかに彼かれらを滅ほろぼしつくしてはならない。そうでなければ、野のの獣けものが増ましてあなたを害がいするであろう。7:23 しかし、あなたの神かみ、主しゅは彼かれらをあなたに渡わたし、大おおいなる混乱こんらんにおとしいれて、ついに滅ほろぼされるであろう。7:24 また彼かれらの王おうたちをあなたの手てに渡わたされるであろう。あなたは彼かれらの名なを天てんの下したから消けし去さるであろう。あなたに立たちむかうものはなく、あなたはついに彼かれらを滅ほろぼすにいたるであろう。7:25 あなたは彼かれらの神々かみがみの彫像ちょうぞうを火ひに焼やかなければならない。それに着きせた銀ぎんまたは金きんをむさぼってはならない。これを取とって自分じぶんのものにしてはならない。そうでなければ、あなたはこれによって、わなにかかるであろう。これはあなたの神かみが忌いみきらわれるものだからである。7:26 あなたは忌いむべきものを家いえに持もちこんで、それと同おなじようにあなた自身じしんも、のろわれたものとなってはならない。あなたはそれを全まったく忌いみきらわなければならない。それはのろわれたものだからである。 第8章 8:1 わたしが、きょう、命めいじるこのすべての命令めいれいを、あなたがたは守まもって行おこなわなければならない。そうすればあなたがたは生いきることができ、かつふえ増まし、主しゅがあなたがたの先祖せんぞに誓ちかわれた地ちにはいって、それを自分じぶんのものとすることができるであろう。8:2 あなたの神かみ、主しゅがこの四十年ねんの間あいだ、荒野あらのであなたを導みちびかれたそのすべての道みちを覚おぼえなければならない。それはあなたを苦くるしめて、あなたを試こころみ、あなたの心こころのうちを知しり、あなたがその命令めいれいを守まもるか、どうかを知しるためであった。8:3 それで主しゅはあなたを苦くるしめ、あなたを飢うえさせ、あなたも知しらず、あなたの先祖せんぞたちも知しらなかったマナをもって、あなたを養やしなわれた。人ひとはパンだけでは生いきず、人ひとは主しゅの口くちから出でるすべてのことばによって生いきることをあなたに知しらせるためであった。8:4 この四十年ねんの間あいだ、あなたの着物きものはすり切きれず、あなたの足あしは、はれなかった。8:5 あなたはまた人ひとがその子こを訓練くんれんするように、あなたの神かみ、主しゅもあなたを訓練くんれんされることを心こころにとめなければならない。8:6 あなたの神かみ、主しゅの命令めいれいを守まもり、その道みちに歩あゆんで、彼かれを恐おそれなければならない。8:7 それはあなたの神かみ、主しゅがあなたを良よい地ちに導みちびき入いれられるからである。そこは谷たににも山やまにもわき出でる水みずの流ながれ、泉いずみ、および淵ふちのある地ち、8:8 小麦こむぎ、大麦おおむぎ、ぶどう、いちじく及およびざくろのある地ち、油あぶらのオリブの木き、および蜜みつのある地ち、8:9 あなたが食たべる食物しょくもつに欠かけることなく、なんの乏とぼしいこともない地ちである。その地ちの石いしは鉄てつであって、その山やまからは銅どうを掘ほり取とることができる。8:10 あなたは食たべて飽あき、あなたの神かみ、主しゅがその良よい地ちを賜たまわったことを感謝かんしゃするであろう。 8:11 あなたは、きょう、わたしが命めいじる主しゅの命令めいれいと、おきてと、定さだめとを守まもらず、あなたの神かみ、主しゅを忘わすれることのないように慎つつしまなければならない。8:12 あなたは食たべて飽あき、麗うるわしい家いえを建たてて住すみ、8:13 また牛うしや羊ひつじがふえ、金銀きんぎんが増まし、持もち物ものがみな増まし加くわわるとき、8:14 おそらく心こころにたかぶり、あなたの神かみ、主しゅを忘わすれるであろう。主しゅはあなたをエジプトの地ち、奴隷どれいの家いえから導みちびき出だし、8:15 あなたを導みちびいて、あの大おおきな恐おそろしい荒野あらの、すなわち火ひのへびや、さそりがいて、水みずのない、かわいた地ちを通とおり、あなたのために堅かたい岩いわから水みずを出だし、8:16 先祖せんぞたちも知しらなかったマナを荒野あらのであなたに食たべさせられた。それはあなたを苦くるしめ、あなたを試こころみて、ついにはあなたをさいわいにするためであった。8:17 あなたは心こころのうちに『自分じぶんの力ちからと自分じぶんの手ての働はたらきで、わたしはこの富とみを得えた』と言いってはならない。8:18 あなたはあなたの神かみ、主しゅを覚おぼえなければならない。主しゅはあなたの先祖せんぞたちに誓ちかわれた契約けいやくを今日こんにちのように行おこなうために、あなたに富とみを得える力ちからを与あたえられるからである。8:19 もしあなたの神かみ、主しゅを忘わすれて他たの神々かみがみに従したがい、これに仕つかえ、これを拝おがむならば、――わたしは、きょう、あなたがたに警告けいこくする。――あなたがたはきっと滅ほろびるであろう。8:20 主しゅがあなたがたの前まえから滅ほろぼし去さられる国々くにぐにの民たみのように、あなたがたも滅ほろびるであろう。あなたがたの神かみ、主しゅの声こえに従したがわないからである。 第9章 9:1 イスラエルよ、聞ききなさい。あなたは、きょう、ヨルダンを渡わたって行いって、あなたよりも大おおきく、かつ強つよい国々くにぐにを取とろうとしている。その町々まちまちは大おおきく、石いしがきは天てんに達たっしている。9:2 その民たみは、あなたの知しっているアナクびとの子孫しそんであって、大おおきく、また背せが高たかい。あなたはまた『アナクの子孫しそんの前まえに、だれが立たつことができようか』と人ひとの言いうのを聞きいた。9:3 それゆえ、あなたは、きょう、あなたの神かみ、主しゅは焼やきつくす火ひであって、あなたの前まえに進すすまれることを知しらなければならない。主しゅは彼かれらを滅ほろぼし、彼かれらをあなたの前まえに屈伏くっぷくさせられるであろう。主しゅがあなたに言いわれたように、彼かれらを追おい払はらい、すみやかに滅ほろぼさなければならない。 9:4 あなたの神かみ、主しゅがあなたの前まえから彼かれらを追おい払はらわれた後のちに、あなたは心こころのなかで『わたしが正ただしいから主しゅはわたしをこの地ちに導みちびき入いれてこれを獲えさせられた』と言いってはならない。この国々くにぐにの民たみが悪わるいから、主しゅはこれをあなたの前まえから追おい払はらわれるのである。9:5 あなたが行いってその地ちを獲えるのは、あなたが正ただしいからではなく、またあなたの心こころがまっすぐだからでもない。この国々くにぐにの民たみが悪わるいから、あなたの神かみ、主しゅは彼かれらをあなたの前まえから追おい払はらわれるのである。これは主しゅがあなたの先祖せんぞアブラハム、イサク、ヤコブに誓ちかわれた言葉ことばを行おこなわれるためである。 9:6 それであなたは、あなたの神かみ、主しゅがあなたにこの良よい地ちを与あたえてこれを得えさせられるのは、あなたが正ただしいからではないことを知しらなければならない。あなたは強情ごうじょうな民たみである。9:7 あなたは荒野あらのであなたの神かみ、主しゅを怒いからせたことを覚おぼえ、それを忘わすれてはならない。あなたがたはエジプトの地ちを出でた日ひからこの所ところに来くるまで、いつも主しゅにそむいた。9:8 またホレブにおいてさえ、あなたがたが主しゅを怒いからせたので、主しゅは怒いかってあなたがたを滅ほろぼそうとされた。9:9 わたしが石いしの板いたすなわち主しゅがあなたがたと結むすばれた契約けいやくの板いたを受うけるために山やまに登のぼった時とき、わたしは四十日にち四十夜や、山やまにいて、パンも食たべず水みずも飲のまなかった。9:10 主しゅは神かみの指ゆびをもって書かきしるした石いしの板いた二枚まいをわたしに授さづけられた。その上うえには、集会しゅうかいの日ひに主しゅが山やまで火ひの中なかから、あなたがたに告つげられた言葉ことばが、ことごとく書かいてあった。9:11 すなわち四十日にち四十夜やが終おわった時とき、主しゅはわたしにその契約けいやくの板いたである石いしの板いた二枚まいを授さづけ、9:12 そして主しゅはわたしに言いわれた、『おまえは立たって、すみやかにこの所ところから降ふりなさい。おまえがエジプトから導みちびき出だした民たみは悪あくを行おこなったからである。彼かれらはわたしが命めいじた道みちを早はやくも離はなれて、鋳いた像ぞうを自分じぶんたちのために つくった』。 9:13 主しゅはまたわたしに言いわれた、『この民たみを見みるのに、これは強情ごうじょうな民たみである。9:14 わたしを止とめるな。わたしは彼かれらを滅ほろぼし、彼かれらの名なを天てんの下したから消けし去さり、おまえを彼かれらよりも強つよく、かつ大おおいなる国民こくみんとしよう』。9:15 そこでわたしは身みをめぐらして山やまを降おりたが、山やまは火ひで焼やけていた。契約けいやくの板いた二枚まいはわたしの両手りょうてにあった。9:16 そしてわたしが見みると、あなたがたは、あなたがたの神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかし、自分じぶんたちのために鋳物いものの子こ牛うしを つくって、主しゅが命めいじられた道みちを早はやくも離はなれたので、9:17 わたしはその二枚まいの板いたをつかんで、両手りょうてから投なげ出だし、あなたがたの目めの前まえでこれを砕くだいた。9:18 そしてわたしは前まえのように四十日にち四十夜や、主しゅの前まえにひれ伏ふし、パンも食たべず、水みずも飲のまなかった。これはあなたがたが主しゅの目めの前まえに悪あくをおこない、罪つみを犯おかして主しゅを怒いからせたすべての罪つみによるのである。9:19 主しゅは怒いかりを発はっし、憤いきどおりを起おこし、あなたがたを怒いかって滅ほろぼそうとされたので、わたしは恐おそれたが、その時ときもまた主しゅはわたしの願ねがいを聞きかれた。9:20 主しゅはまた、はなはだしくアロンを怒いかって、彼かれを滅ほろぼそうとされたが、わたしはその時ときもまたアロンのために祈いのった。9:21 わたしはあなたがたが造つくって罪つみを得えた子こ牛うしを取とり、それを火ひで焼やき、それを撃うち砕くだき、よくひいて細こまかいちりとし、そのちりを山やまから流ながれ下くだる谷川たにがわに投なげ捨すてた。 9:22 あなたがたはタベラ、マッサおよびキブロテ・ハッタワにおいてもまた主しゅを怒いからせた。9:23 また主しゅはカデシ・バルネアから、あなたがたをつかわそうとされた時とき、『上のぼって行いって、わたしが与あたえる地ちを占領せんりょうせよ』と言いわれた。ところが、あなたがたはあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいにそむき、彼かれを信しんぜず、また彼かれの声こえに聞きき従したがわなかった。9:24 わたしがあなたがたを知しったその日ひからこのかた、あなたがたはいつも主しゅにそむいた。 9:25 そしてわたしは、さきにひれ伏ふしたように、四十日にち四十夜や、主しゅの前まえにひれ伏ふした。主しゅがあなたがたを滅ほろぼすと言いわれたからである。9:26 わたしは主しゅに祈いのって言いった、『主しゅなる神かみよ、あなたが大おおいなる力ちからをもってあがない、強つよい手てをもってエジプトから導みちびき出だされたあなたの民たみ、あなたの嗣し業ぎょうを滅ほろぼさないでください。9:27 あなたのしもべアブラハム、イサク、ヤコブを覚おぼえてください。この民たみの強情ごうじょうと悪あくと罪つみとに目めをとめないでください。9:28 あなたがわれわれを導みちびき出だされた国くにの人ひとはおそらく、「主しゅは、約束やくそくした地ちに彼かれらを導みちびき入いれることができず、また彼かれらを憎にくんだので、彼かれらを導みちびき出だして荒野あらので殺ころしたのだ」と言いうでしょう。9:29 しかし彼かれらは、あなたの民たみ、あなたの嗣し業ぎょうであって、あなたが大おおいなる力ちからと伸のばした腕うでとをもって導みちびき出だされたのです』。 第10章 10:1 その時とき、主しゅはわたしに言いわれた、『おまえは、前まえのような石いしの板いた二枚まいを切きって作つくり、山やまに登のぼって、わたしのもとにきなさい。また木きの箱はこ一つを作つくりなさい。10:2 さきにおまえが砕くだいた二枚まいの板いたに書かいてあった言葉ことばを、わたしはその板いたに書かきしるそう。おまえはそれをその箱はこにおさめなければならない』。10:3 そこでわたしはアカシヤ材ざいの箱はこ一つを作つくり、また前まえのような石いしの板いた二枚まいを切きって作つくり、その二枚まいの板いたを手てに持もって山やまに登のぼった。10:4 主しゅはかつて、かの集会しゅうかいの日ひに山やまで火ひの中なかからあなたがたに告つげられた十誡じっかいを書かきしるされたように、その板いたに書かきしるし、それを主しゅはわたしに授さづけられた。10:5 それでわたしは身みをめぐらして山やまから降おり、その板いたを、わたしが作つくった箱はこにおさめた。今いまなおその中なかにある。主しゅがわたしに命めいじられたとおりである。 10:6 (こうしてイスラエルの人々ひとびとはベエロテ・ベネ・ヤカンを出立しゅったつしてモセラに着ついた。アロンはその所ところで死しんでそこに葬ほうむられ、その子こエレアザルが彼かれに代かわって祭司さいしとなった。10:7 またそこを出立しゅったつしてグデゴダに至いたり、グデゴダを出立しゅったつしてヨテバタに着ついた。この地ちには多おおくの水みずの流ながれがあった。10:8 その時とき、主しゅはレビの部族ぶぞくを選えらんで、主しゅの契約けいやくの箱はこをかつぎ、主しゅの前まえに立たって仕つかえ、また主しゅの名なをもって祝福しゅくふくすることをさせられた。この事ことは今日こんにちに及およんでいる。10:9 そのためレビは兄弟きょうだいたちと一緒いっしょには分わけ前まえがなく、嗣し業ぎょうもない。あなたの神かみ、主しゅが彼かれに言いわれたとおり、主しゅみずからが彼かれの嗣し業ぎょうであった。) 10:10 わたしは前まえの時ときのように四十日にち四十夜や、山やまにおったが、主しゅはその時ときにもわたしの願ねがいを聞きかれた。主しゅはあなたを滅ほろぼすことを望のぞまれなかった。10:11 そして主しゅはわたしに『おまえは立たちあがり、民たみに先立さきだって進すすみ行いき、わたしが彼かれらに与あたえると、その先祖せんぞに誓ちかった地ちに彼かれらをはいらせ、それを取とらせよ』と言いわれた。 10:12 イスラエルよ、今いま、あなたの神かみ、主しゅがあなたに求もとめられる事ことはなんであるか。ただこれだけである。すなわちあなたの神かみ、主しゅを恐おそれ、そのすべての道みちに歩あゆんで、彼かれを愛あいし、心こころをつくし、精神せいしんをつくしてあなたの神かみ、主しゅに仕つかえ、10:13 また、わたしがきょうあなたに命めいじる主しゅの命令めいれいと定さだめとを守まもって、さいわいを得えることである。10:14 見みよ、天てんと、もろもろの天てんの天てん、および地ちと、地ちにあるものとはみな、あなたの神かみ、主しゅのものである。10:15 そうであるのに、主しゅはただあなたの先祖せんぞたちを喜よろこび愛あいし、その後のちの子孫しそんであるあなたがたを万民ばんみんのうちから選えらばれた。今日こんにち見みるとおりである。10:16 それゆえ、あなたがたは心こころに割礼かつれいをおこない、もはや強情ごうじょうであってはならない。10:17 あなたがたの神かみである主しゅは、神かみの神かみ、主しゅの主しゅ、大おおいにして力ちからある恐おそるべき神かみにましまし、人ひとをかたより見みず、また、まいないを取とらず、10:18 みなし子ことやもめのために正ただしいさばきを行おこない、また寄留きりゅうの他国たこく人じんを愛あいして、食物しょくもつと着物きものを与あたえられるからである。10:19 それゆえ、あなたがたは寄留きりゅうの他国たこく人じんを愛あいしなさい。あなたがたもエジプトの国くにで寄留きりゅうの他国たこく人じんであった。10:20 あなたの神かみ、主しゅを恐おそれ、彼かれに仕つかえ、彼かれに従したがい、その名なをさして誓ちかわなければならない。10:21 彼かれはあなたのさんびすべきもの、またあなたの神かみであって、あなたが目めに見みたこれらの大おおいなる恐おそるべき事ことを、あなたのために行おこなわれた。10:22 あなたの先祖せんぞたちは、わずか七十人にんでエジプトに下くだったが、いま、あなたの神かみ、主しゅはあなたを天てんの星ほしのように多おおくされた。 第11章 11:1 それゆえ、あなたの神かみ、主しゅを愛あいし、常つねにそのさとしと、定さだめと、おきてと、戒いましめとを守まもらなければならない。11:2 あなたがたは、きょう、次つぎのことを知しらなければならない。わたしが語かたるのは、あなたがたの子供こどもたちに対たいしてではない。彼かれらはあなたがたの神かみ、主しゅの訓練くんれんと、主しゅの大おおいなる事ことと、その強つよい手てと、伸のべた腕うでとを知しらず、また見みなかった。11:3 また彼かれらは主しゅがエジプトで、エジプト王おうパロとその全国ぜんこくに対たいして行おこなわれたしるしと、わざ、11:4 また主しゅがエジプトの軍勢ぐんぜいとその馬うまと戦車せんしゃとに行おこなわれた事こと、すなわち彼かれらがあなたがたのあとを追おってきた時ときに、紅海こうかいの水みずを彼かれらの上うえにあふれさせ、彼かれらを滅ほろぼされて、今日こんにちに至いたった事こと、11:5 またあなたがたがこの所ところに来くるまで、主しゅが荒野あらので、あなたがたに行おこなわれた事こと、11:6 およびルベンの子このエリアブの子こ、ダタンとアビラムとにされた事こと、すなわちイスラエルのすべての人々ひとびとの中なかで、地ちが口くちを開ひらき、彼かれらと、その家族かぞくと、天幕てんまくと、彼かれらに従したがうすべてのものを、のみつくした事ことなどを彼かれらは知しらず、また見みなかった。11:7 しかし、あなたがたは主しゅが行おこなわれたこれらの大おおいなる事ことを、ことごとく目めに見みたのである。 11:8 ゆえに、わたしが、きょう、あなたがたに命めいじる戒いましめを、ことごとく守まもらなければならない。そうすればあなたがたは強つよくなり、渡わたって行いって取とろうとする地ちにはいって、それを取とることができ、11:9 かつ、主しゅが先祖せんぞたちに誓ちかって彼かれらとその子孫しそんとに与あたえようと言いわれた地ち、乳ちちと蜜みつの流ながれる国くににおいて、長ながく生いきることができるであろう。11:10 あなたがたが行いって取とろうとする地ちは、あなたがたが出でてきたエジプトの地ちのようではない。あそこでは、青物あおもの畑ばたけでするように、あなたがたは種たねをまき、足あしでそれに水みずを注そそいだ。11:11 しかし、あなたがたが渡わたって行いって取とる地ちは、山やまと谷たにの多おおい地ちで、天てんから降ふる雨あめで潤うるおっている。11:12 その地ちは、あなたの神かみ、主しゅが顧かえりみられる所ところで、年としの始はじめから年としの終おわりまで、あなたの神かみ、主しゅの目めが常つねにその上うえにある。 11:13 もし、きょう、あなたがたに命めいじるわたしの命令めいれいによく聞きき従したがって、あなたがたの神かみ、主しゅを愛あいし、心こころをつくし、精神せいしんをつくして仕つかえるならば、11:14 主しゅはあなたがたの地ちに雨あめを、秋あきの雨あめ、春はるの雨あめともに、時ときにしたがって降ふらせ、穀物こくもつと、ぶどう酒しゅと、油あぶらを取とり入いれさせ、11:15 また家畜かちくのために野のに草くさを生はえさせられるであろう。あなたは飽あきるほど食たべることができるであろう。11:16 あなたがたは心こころが迷まよい、離はなれ去さって、他たの神々かみがみに仕つかえ、それを拝おがむことのないよう、慎つつしまなければならない。11:17 おそらく主しゅはあなたがたにむかい怒いかりを発はっして、天てんを閉とざされるであろう。そのため雨あめは降ふらず、地ちは産物さんぶつを出ださず、あなたがたは主しゅが賜たまわる良よい地ちから、すみやかに滅ほろびうせるであろう。 11:18 それゆえ、これらのわたしの言葉ことばを心こころと魂たましいにおさめ、またそれを手てにつけて、しるしとし、目めの間あいだに置おいて覚おぼえとし、11:19 これを子供こどもたちに教おしえ、家いえに座ざしている時ときも、道みちを歩あるく時ときも、寝ねる時ときも、起おきる時ときも、それについて語かたり、11:20 また家いえの入口いりぐちの柱はしらと、門もんにそれを書かきしるさなければならない。11:21 そうすれば、主しゅが先祖せんぞたちに与あたえようと誓ちかわれた地ちに、あなたがたの住すむ日数にっすうおよびあなたがたの子供こどもたちの住すむ日数にっすうは、天てんが地ちをおおう日数にっすうのように多おおいであろう。11:22 もしわたしがあなたがたに命めいじるこのすべての命令めいれいをよく守まもって行おこない、あなたがたの神かみ、主しゅを愛あいし、そのすべての道みちに歩あゆみ、主しゅにつき従したがうならば、11:23 主しゅはこの国々くにぐにの民たみを皆みな、あなたがたの前まえから追おい払はらわれ、あなたがたはあなたがたよりも大おおきく、かつ強つよい国々くにぐにを取とるに至いたるであろう。11:24 あなたがたが足あしの裏うらで踏ふむ所ところは皆みな、あなたがたのものとなり、あなたがたの領域りょういきは荒野あらのからレバノンに及および、また大川おおかわユフラテから西にしの海うみに及およぶであろう。11:25 だれもあなたがたに立たち向むかうことのできる者ものはないであろう。あなたがたの神かみ、主しゅは、かつて言いわれたように、あなたがたの踏ふみ入いる地ちの人々ひとびとが、あなたがたを恐おそれおののくようにされるであろう。 11:26 見みよ、わたしは、きょう、あなたがたの前まえに祝福しゅくふくと、のろいとを置おく。11:27 もし、きょう、わたしがあなたがたに命めいじるあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいに聞きき従したがうならば、祝福しゅくふくを受うけるであろう。11:28 もしあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいに聞きき従したがわず、わたしが、きょう、あなたがたに命めいじる道みちを離はなれ、あなたがたの知しらなかった他たの神々かみがみに従したがうならば、のろいを受うけるであろう。11:29 あなたの神かみ、主しゅが、あなたの行いって占領せんりょうする地ちにあなたを導みちびき入いれられる時とき、あなたはゲリジム山やまに祝福しゅくふくを置おき、エバル山やまにのろいを置おかなければならない。11:30 これらの山やまはヨルダンの向むこう側がわ、アラバに住すんでいるカナンびとの地ちで、日ひの入いる方ほうの道みちの西側にしがわにあり、ギルガルに向むかいあって、モレのテレビンの木きの近ちかくにあるではないか。11:31 あなたがたはヨルダンを渡わたり、あなたがたの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちにはいって、それを占領せんりょうしようとしている。あなたがたはそれを占領せんりょうして、そこに住すむであろう。11:32 それゆえ、わたしが、きょう、あなたがたに授さづける定さだめと、おきてをことごとく守まもって行おこなわなければならない。
6:1 これはあなたがたの神かみ、主しゅがあなたがたに教おしえよと命めいじられた命令めいれいと、定さだめと、おきてであって、あなたがたは渡わたって行いって獲える地ちで、これを行おこなわなければならない。
6:2 これはあなたが子こや孫まごと共ともに、あなたの生いきながらえる日ひの間あいだ、つねにあなたの神かみ、主しゅを恐おそれて、わたしが命めいじるもろもろの定さだめと、命令めいれいとを守まもらせるため、またあなたが長ながく命いのちを保たもつことのできるためである。
6:3 それゆえ、イスラエルよ、聞きいて、それを守まもり行おこなえ。そうすれば、あなたはさいわいを得え、あなたの先祖せんぞの神かみ、主しゅがあなたに言いわれたように、乳ちちと蜜みつの流ながれる国くにで、あなたの数かずは大おおいに増ますであろう。
6:4 イスラエルよ聞きけ。われわれの神かみ、主しゅは唯一ゆいいつの主しゅである。
6:5 あなたは心こころをつくし、精神せいしんをつくし、力ちからをつくして、あなたの神かみ、主しゅを愛あいさなければならない。
6:6 きょう、わたしがあなたに命めいじるこれらの言葉ことばをあなたの心こころに留とめ、
6:7 努つとめてこれをあなたの子こらに教おしえ、あなたが家いえに座ざしている時ときも、道みちを歩あるく時ときも、寝ねる時ときも、起おきる時ときも、これについて語かたらなければならない。
6:8 またあなたはこれをあなたの手てにつけてしるしとし、あなたの目めの間あいだに置おいて覚おぼえとし、
6:9 またあなたの家いえの入口いりぐちの柱はしらと、あなたの門もんとに書かきしるさなければならない。
6:10 あなたの神かみ、主しゅは、あなたの先祖せんぞアブラハム、イサク、ヤコブに向むかって、あなたに与あたえると誓ちかわれた地ちに、あなたをはいらせられる時とき、あなたが建たてたものでない大おおきな美うつくしい町々まちまちを得えさせ、
6:11 あなたが満みたしたものでないもろもろの良よい物ものを満みたした家いえを得えさせ、あなたが掘ほったものでない掘ほり井戸いどを得えさせ、あなたが植うえたものでないぶどう畑はたけとオリブの畑はたけとを得えさせられるであろう。あなたは食たべて飽あきるであろう。
6:12 その時とき、あなたはみずから慎つつしみ、エジプトの地ち、奴隷どれいの家いえから導みちびき出だされた主しゅを忘わすれてはならない。
6:13 あなたの神かみ、主しゅを恐おそれてこれに仕つかえ、その名なをさして誓ちかわなければならない。
6:14 あなたがたは他たの神々かみがみすなわち周囲しゅういの民たみの神々かみがみに従したがってはならない。
6:15 あなたのうちにおられるあなたの神かみ、主しゅはねたむ神かみであるから、おそらく、あなたに向むかって怒いかりを発はっし、地ちのおもてからあなたを滅ほろぼし去さられるであろう。
6:16 あなたがたがマッサでしたように、あなたがたの神かみ、主しゅを試こころみてはならない。
6:17 あなたがたの神かみ、主しゅがあなたがたに命めいじられた命令めいれいと、あかしと、定さだめとを、努つとめて守まもらなければならない。
6:18 あなたは主しゅが見みて正ただしいとし、良よいとされることを行おこなわなければならない。そうすれば、あなたはさいわいを得え、かつ主しゅがあなたの先祖せんぞに誓ちかわれた、あの良よい地ちにはいって、自分じぶんのものとすることができるであろう。
6:19 また主しゅが仰おおせられたように、あなたの敵てきを皆みなあなたの前まえから追おい払はらわれるであろう。
6:20 後のちの日ひとなって、あなたの子こがあなたに問とうて言いうであろう、『われわれの神かみ、主しゅがあなたがたに命めいじられたこのあかしと、定さだめと、おきてとは、なんのためですか』。
6:21 その時ときあなたはその子こに言いわなければならない。『われわれはエジプトでパロの奴隷どれいであったが、主しゅは強つよい手てをもって、われわれをエジプトから導みちびき出だされた。
6:22 主しゅはわれわれの目めの前まえで、大おおきな恐おそろしいしるしと不思議ふしぎとをエジプトと、パロとその全家ぜんかとに示しめされ、
6:23 われわれをそこから導みちびき出だし、かつてわれわれの先祖せんぞに誓ちかわれた地ちにはいらせ、それをわれわれに賜たまわった。
6:24 そして主しゅはこのすべての定さだめを行おこなえと、われわれに命めいじられた。これはわれわれの神かみ、主しゅを恐おそれて、われわれが、つねにさいわいであり、また今日こんにちのように、主しゅがわれわれを守まもって命いのちを保たもたせるためである。
6:25 もしわれわれが、命めいじられたとおりに、このすべての命令めいれいをわれわれの神かみ、主しゅの前まえに守まもって行おこなうならば、それはわれわれの義ぎとなるであろう』。
第7章 7:1 あなたの神かみ、主しゅが、あなたの行いって取とる地ちにあなたを導みちびき入いれ、多おおくの国々くにぐにの民たみ、ヘテびと、ギルガシびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、およびエブスびと、すなわちあなたよりも数多かずおおく、また力ちからのある七つの民たみを、あなたの前まえから追おいはらわれる時とき、7:2 すなわちあなたの神かみ、主しゅが彼かれらをあなたに渡わたして、これを撃うたせられる時ときは、あなたは彼かれらを全まったく滅ほろぼさなければならない。彼かれらとなんの契約けいやくをもしてはならない。彼かれらに何なにのあわれみをも示しめしてはならない。7:3 また彼かれらと婚姻こんいんをしてはならない。あなたの娘むすめを彼かれのむすこに与あたえてはならない。かれの娘むすめをあなたのむすこにめとってはならない。7:4 それは彼かれらがあなたのむすこを惑まどわしてわたしに従したがわせず、ほかの神々かみがみに仕つかえさせ、そのため主しゅはあなたがたにむかって怒いかりを発はっし、すみやかにあなたがたを滅ほろぼされることとなるからである。7:5 むしろ、あなたがたはこのように彼かれらに行おこなわなければならない。すなわち彼かれらの祭壇さいだんをこぼち、その石いしの柱はしらを撃うち砕くだき、そのアシラ像ぞうを切きり倒たおし、その刻きざんだ像ぞうを火ひで焼やかなければならない。 7:6 あなたはあなたの神かみ、主しゅの聖せいなる民たみである。あなたの神かみ、主しゅは地ちのおもてのすべての民たみのうちからあなたを選えらんで、自分じぶんの宝たからの民たみとされた。7:7 主しゅがあなたがたを愛あいし、あなたがたを選えらばれたのは、あなたがたがどの国民こくみんよりも数かずが多おおかったからではない。あなたがたはよろずの民たみのうち、もっとも数かずの少すくないものであった。7:8 ただ主しゅがあなたがたを愛あいし、またあなたがたの先祖せんぞに誓ちかわれた誓ちかいを守まもろうとして、主しゅは強つよい手てをもってあなたがたを導みちびき出だし、奴隷どれいの家いえから、エジプトの王おうパロの手てから、あがない出だされたのである。7:9 それゆえあなたは知しらなければならない。あなたの神かみ、主しゅは神かみにましまし、真実しんじつの神かみにましまして、彼かれを愛あいし、その命令めいれいを守まもる者ものには、契約けいやくを守まもり、恵めぐみを施ほどこして千せん代だいに及および、7:10 また彼かれを憎にくむ者ものには、めいめいに報むくいて滅ほろぼされることを。主しゅは自分じぶんを憎にくむ者ものには猶予ゆうよすることなく、めいめいに報むくいられる。7:11 それゆえ、きょうわたしがあなたに命めいじる命令めいれいと、定さだめと、おきてとを守まもって、これを行おこなわなければならない。 7:12 あなたがたがこれらのおきてを聞きいて守まもり行おこなうならば、あなたの神かみ、主しゅはあなたの先祖せんぞたちに誓ちかわれた契約けいやくを守まもり、いつくしみを施ほどこされるであろう。7:13 あなたを愛あいし、あなたを祝福しゅくふくし、あなたの数かずを増まし、あなたに与あたえると先祖せんぞたちに誓ちかわれた地ちで、あなたの子女しじょを祝福しゅくふくし、あなたの地ちの産物さんぶつ、穀物こくもつ、酒さけ、油あぶら、また牛うしの子こ、羊ひつじの子こを増まされるであろう。7:14 あなたは万民ばんみんにまさって祝福しゅくふくされるであろう。あなたのうち、男おとこも女おんなも子このないものはなく、またあなたの家畜かちくにも子このないものはないであろう。7:15 主しゅはまたすべての病やまいをあなたから取とり去さり、あなたの知しっている、あのエジプトの悪疫あくえきにかからせず、ただあなたを憎にくむすべての者ものにそれを臨のぞませられるであろう。7:16 あなたの神かみ、主しゅがあなたに渡わたされる国民こくみんを滅ほろぼしつくし、彼かれらを見みてあわれんではならない。また彼かれらの神々かみがみに仕つかえてはならない。それがあなたのわなとなるからである。 7:17 あなたは心こころのうちで『これらの国民こくみんはわたしよりも多おおいから、どうしてこれを追おい払はらうことができようか』と言いうのか。7:18 彼かれらを恐おそれてはならない。あなたの神かみ、主しゅがパロと、すべてのエジプトびととにされたことを、よく覚おぼえなさい。7:19 すなわち、あなたが目めで見みた大おおいなる試こころみと、しるしと、不思議ふしぎと、強つよい手てと、伸のばした腕うでとを覚おぼえなさい。あなたの神かみ、主しゅはこれらをもって、あなたを導みちびき出だされたのである。またそのように、あなたの神かみ、主しゅはあなたが恐おそれているすべての民たみにされるであろう。7:20 あなたの神かみ、主しゅはまた、くまばちを彼かれらのうちに送おくって、なお残のこっている者ものと逃にげ隠かくれている者ものを滅ほろぼしつくされるであろう。7:21 あなたは彼かれらを恐おそれてはならない。あなたの神かみ、主しゅである大おおいなる恐おそるべき神かみがあなたのうちにおられるからである。7:22 あなたの神かみ、主しゅはこれらの国民こくみんを徐々じょじょにあなたの前まえから追おい払はらわれるであろう。あなたはすみやかに彼かれらを滅ほろぼしつくしてはならない。そうでなければ、野のの獣けものが増ましてあなたを害がいするであろう。7:23 しかし、あなたの神かみ、主しゅは彼かれらをあなたに渡わたし、大おおいなる混乱こんらんにおとしいれて、ついに滅ほろぼされるであろう。7:24 また彼かれらの王おうたちをあなたの手てに渡わたされるであろう。あなたは彼かれらの名なを天てんの下したから消けし去さるであろう。あなたに立たちむかうものはなく、あなたはついに彼かれらを滅ほろぼすにいたるであろう。7:25 あなたは彼かれらの神々かみがみの彫像ちょうぞうを火ひに焼やかなければならない。それに着きせた銀ぎんまたは金きんをむさぼってはならない。これを取とって自分じぶんのものにしてはならない。そうでなければ、あなたはこれによって、わなにかかるであろう。これはあなたの神かみが忌いみきらわれるものだからである。7:26 あなたは忌いむべきものを家いえに持もちこんで、それと同おなじようにあなた自身じしんも、のろわれたものとなってはならない。あなたはそれを全まったく忌いみきらわなければならない。それはのろわれたものだからである。 第8章 8:1 わたしが、きょう、命めいじるこのすべての命令めいれいを、あなたがたは守まもって行おこなわなければならない。そうすればあなたがたは生いきることができ、かつふえ増まし、主しゅがあなたがたの先祖せんぞに誓ちかわれた地ちにはいって、それを自分じぶんのものとすることができるであろう。8:2 あなたの神かみ、主しゅがこの四十年ねんの間あいだ、荒野あらのであなたを導みちびかれたそのすべての道みちを覚おぼえなければならない。それはあなたを苦くるしめて、あなたを試こころみ、あなたの心こころのうちを知しり、あなたがその命令めいれいを守まもるか、どうかを知しるためであった。8:3 それで主しゅはあなたを苦くるしめ、あなたを飢うえさせ、あなたも知しらず、あなたの先祖せんぞたちも知しらなかったマナをもって、あなたを養やしなわれた。人ひとはパンだけでは生いきず、人ひとは主しゅの口くちから出でるすべてのことばによって生いきることをあなたに知しらせるためであった。8:4 この四十年ねんの間あいだ、あなたの着物きものはすり切きれず、あなたの足あしは、はれなかった。8:5 あなたはまた人ひとがその子こを訓練くんれんするように、あなたの神かみ、主しゅもあなたを訓練くんれんされることを心こころにとめなければならない。8:6 あなたの神かみ、主しゅの命令めいれいを守まもり、その道みちに歩あゆんで、彼かれを恐おそれなければならない。8:7 それはあなたの神かみ、主しゅがあなたを良よい地ちに導みちびき入いれられるからである。そこは谷たににも山やまにもわき出でる水みずの流ながれ、泉いずみ、および淵ふちのある地ち、8:8 小麦こむぎ、大麦おおむぎ、ぶどう、いちじく及およびざくろのある地ち、油あぶらのオリブの木き、および蜜みつのある地ち、8:9 あなたが食たべる食物しょくもつに欠かけることなく、なんの乏とぼしいこともない地ちである。その地ちの石いしは鉄てつであって、その山やまからは銅どうを掘ほり取とることができる。8:10 あなたは食たべて飽あき、あなたの神かみ、主しゅがその良よい地ちを賜たまわったことを感謝かんしゃするであろう。 8:11 あなたは、きょう、わたしが命めいじる主しゅの命令めいれいと、おきてと、定さだめとを守まもらず、あなたの神かみ、主しゅを忘わすれることのないように慎つつしまなければならない。8:12 あなたは食たべて飽あき、麗うるわしい家いえを建たてて住すみ、8:13 また牛うしや羊ひつじがふえ、金銀きんぎんが増まし、持もち物ものがみな増まし加くわわるとき、8:14 おそらく心こころにたかぶり、あなたの神かみ、主しゅを忘わすれるであろう。主しゅはあなたをエジプトの地ち、奴隷どれいの家いえから導みちびき出だし、8:15 あなたを導みちびいて、あの大おおきな恐おそろしい荒野あらの、すなわち火ひのへびや、さそりがいて、水みずのない、かわいた地ちを通とおり、あなたのために堅かたい岩いわから水みずを出だし、8:16 先祖せんぞたちも知しらなかったマナを荒野あらのであなたに食たべさせられた。それはあなたを苦くるしめ、あなたを試こころみて、ついにはあなたをさいわいにするためであった。8:17 あなたは心こころのうちに『自分じぶんの力ちからと自分じぶんの手ての働はたらきで、わたしはこの富とみを得えた』と言いってはならない。8:18 あなたはあなたの神かみ、主しゅを覚おぼえなければならない。主しゅはあなたの先祖せんぞたちに誓ちかわれた契約けいやくを今日こんにちのように行おこなうために、あなたに富とみを得える力ちからを与あたえられるからである。8:19 もしあなたの神かみ、主しゅを忘わすれて他たの神々かみがみに従したがい、これに仕つかえ、これを拝おがむならば、――わたしは、きょう、あなたがたに警告けいこくする。――あなたがたはきっと滅ほろびるであろう。8:20 主しゅがあなたがたの前まえから滅ほろぼし去さられる国々くにぐにの民たみのように、あなたがたも滅ほろびるであろう。あなたがたの神かみ、主しゅの声こえに従したがわないからである。 第9章 9:1 イスラエルよ、聞ききなさい。あなたは、きょう、ヨルダンを渡わたって行いって、あなたよりも大おおきく、かつ強つよい国々くにぐにを取とろうとしている。その町々まちまちは大おおきく、石いしがきは天てんに達たっしている。9:2 その民たみは、あなたの知しっているアナクびとの子孫しそんであって、大おおきく、また背せが高たかい。あなたはまた『アナクの子孫しそんの前まえに、だれが立たつことができようか』と人ひとの言いうのを聞きいた。9:3 それゆえ、あなたは、きょう、あなたの神かみ、主しゅは焼やきつくす火ひであって、あなたの前まえに進すすまれることを知しらなければならない。主しゅは彼かれらを滅ほろぼし、彼かれらをあなたの前まえに屈伏くっぷくさせられるであろう。主しゅがあなたに言いわれたように、彼かれらを追おい払はらい、すみやかに滅ほろぼさなければならない。 9:4 あなたの神かみ、主しゅがあなたの前まえから彼かれらを追おい払はらわれた後のちに、あなたは心こころのなかで『わたしが正ただしいから主しゅはわたしをこの地ちに導みちびき入いれてこれを獲えさせられた』と言いってはならない。この国々くにぐにの民たみが悪わるいから、主しゅはこれをあなたの前まえから追おい払はらわれるのである。9:5 あなたが行いってその地ちを獲えるのは、あなたが正ただしいからではなく、またあなたの心こころがまっすぐだからでもない。この国々くにぐにの民たみが悪わるいから、あなたの神かみ、主しゅは彼かれらをあなたの前まえから追おい払はらわれるのである。これは主しゅがあなたの先祖せんぞアブラハム、イサク、ヤコブに誓ちかわれた言葉ことばを行おこなわれるためである。 9:6 それであなたは、あなたの神かみ、主しゅがあなたにこの良よい地ちを与あたえてこれを得えさせられるのは、あなたが正ただしいからではないことを知しらなければならない。あなたは強情ごうじょうな民たみである。9:7 あなたは荒野あらのであなたの神かみ、主しゅを怒いからせたことを覚おぼえ、それを忘わすれてはならない。あなたがたはエジプトの地ちを出でた日ひからこの所ところに来くるまで、いつも主しゅにそむいた。9:8 またホレブにおいてさえ、あなたがたが主しゅを怒いからせたので、主しゅは怒いかってあなたがたを滅ほろぼそうとされた。9:9 わたしが石いしの板いたすなわち主しゅがあなたがたと結むすばれた契約けいやくの板いたを受うけるために山やまに登のぼった時とき、わたしは四十日にち四十夜や、山やまにいて、パンも食たべず水みずも飲のまなかった。9:10 主しゅは神かみの指ゆびをもって書かきしるした石いしの板いた二枚まいをわたしに授さづけられた。その上うえには、集会しゅうかいの日ひに主しゅが山やまで火ひの中なかから、あなたがたに告つげられた言葉ことばが、ことごとく書かいてあった。9:11 すなわち四十日にち四十夜やが終おわった時とき、主しゅはわたしにその契約けいやくの板いたである石いしの板いた二枚まいを授さづけ、9:12 そして主しゅはわたしに言いわれた、『おまえは立たって、すみやかにこの所ところから降ふりなさい。おまえがエジプトから導みちびき出だした民たみは悪あくを行おこなったからである。彼かれらはわたしが命めいじた道みちを早はやくも離はなれて、鋳いた像ぞうを自分じぶんたちのために つくった』。 9:13 主しゅはまたわたしに言いわれた、『この民たみを見みるのに、これは強情ごうじょうな民たみである。9:14 わたしを止とめるな。わたしは彼かれらを滅ほろぼし、彼かれらの名なを天てんの下したから消けし去さり、おまえを彼かれらよりも強つよく、かつ大おおいなる国民こくみんとしよう』。9:15 そこでわたしは身みをめぐらして山やまを降おりたが、山やまは火ひで焼やけていた。契約けいやくの板いた二枚まいはわたしの両手りょうてにあった。9:16 そしてわたしが見みると、あなたがたは、あなたがたの神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかし、自分じぶんたちのために鋳物いものの子こ牛うしを つくって、主しゅが命めいじられた道みちを早はやくも離はなれたので、9:17 わたしはその二枚まいの板いたをつかんで、両手りょうてから投なげ出だし、あなたがたの目めの前まえでこれを砕くだいた。9:18 そしてわたしは前まえのように四十日にち四十夜や、主しゅの前まえにひれ伏ふし、パンも食たべず、水みずも飲のまなかった。これはあなたがたが主しゅの目めの前まえに悪あくをおこない、罪つみを犯おかして主しゅを怒いからせたすべての罪つみによるのである。9:19 主しゅは怒いかりを発はっし、憤いきどおりを起おこし、あなたがたを怒いかって滅ほろぼそうとされたので、わたしは恐おそれたが、その時ときもまた主しゅはわたしの願ねがいを聞きかれた。9:20 主しゅはまた、はなはだしくアロンを怒いかって、彼かれを滅ほろぼそうとされたが、わたしはその時ときもまたアロンのために祈いのった。9:21 わたしはあなたがたが造つくって罪つみを得えた子こ牛うしを取とり、それを火ひで焼やき、それを撃うち砕くだき、よくひいて細こまかいちりとし、そのちりを山やまから流ながれ下くだる谷川たにがわに投なげ捨すてた。 9:22 あなたがたはタベラ、マッサおよびキブロテ・ハッタワにおいてもまた主しゅを怒いからせた。9:23 また主しゅはカデシ・バルネアから、あなたがたをつかわそうとされた時とき、『上のぼって行いって、わたしが与あたえる地ちを占領せんりょうせよ』と言いわれた。ところが、あなたがたはあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいにそむき、彼かれを信しんぜず、また彼かれの声こえに聞きき従したがわなかった。9:24 わたしがあなたがたを知しったその日ひからこのかた、あなたがたはいつも主しゅにそむいた。 9:25 そしてわたしは、さきにひれ伏ふしたように、四十日にち四十夜や、主しゅの前まえにひれ伏ふした。主しゅがあなたがたを滅ほろぼすと言いわれたからである。9:26 わたしは主しゅに祈いのって言いった、『主しゅなる神かみよ、あなたが大おおいなる力ちからをもってあがない、強つよい手てをもってエジプトから導みちびき出だされたあなたの民たみ、あなたの嗣し業ぎょうを滅ほろぼさないでください。9:27 あなたのしもべアブラハム、イサク、ヤコブを覚おぼえてください。この民たみの強情ごうじょうと悪あくと罪つみとに目めをとめないでください。9:28 あなたがわれわれを導みちびき出だされた国くにの人ひとはおそらく、「主しゅは、約束やくそくした地ちに彼かれらを導みちびき入いれることができず、また彼かれらを憎にくんだので、彼かれらを導みちびき出だして荒野あらので殺ころしたのだ」と言いうでしょう。9:29 しかし彼かれらは、あなたの民たみ、あなたの嗣し業ぎょうであって、あなたが大おおいなる力ちからと伸のばした腕うでとをもって導みちびき出だされたのです』。 第10章 10:1 その時とき、主しゅはわたしに言いわれた、『おまえは、前まえのような石いしの板いた二枚まいを切きって作つくり、山やまに登のぼって、わたしのもとにきなさい。また木きの箱はこ一つを作つくりなさい。10:2 さきにおまえが砕くだいた二枚まいの板いたに書かいてあった言葉ことばを、わたしはその板いたに書かきしるそう。おまえはそれをその箱はこにおさめなければならない』。10:3 そこでわたしはアカシヤ材ざいの箱はこ一つを作つくり、また前まえのような石いしの板いた二枚まいを切きって作つくり、その二枚まいの板いたを手てに持もって山やまに登のぼった。10:4 主しゅはかつて、かの集会しゅうかいの日ひに山やまで火ひの中なかからあなたがたに告つげられた十誡じっかいを書かきしるされたように、その板いたに書かきしるし、それを主しゅはわたしに授さづけられた。10:5 それでわたしは身みをめぐらして山やまから降おり、その板いたを、わたしが作つくった箱はこにおさめた。今いまなおその中なかにある。主しゅがわたしに命めいじられたとおりである。 10:6 (こうしてイスラエルの人々ひとびとはベエロテ・ベネ・ヤカンを出立しゅったつしてモセラに着ついた。アロンはその所ところで死しんでそこに葬ほうむられ、その子こエレアザルが彼かれに代かわって祭司さいしとなった。10:7 またそこを出立しゅったつしてグデゴダに至いたり、グデゴダを出立しゅったつしてヨテバタに着ついた。この地ちには多おおくの水みずの流ながれがあった。10:8 その時とき、主しゅはレビの部族ぶぞくを選えらんで、主しゅの契約けいやくの箱はこをかつぎ、主しゅの前まえに立たって仕つかえ、また主しゅの名なをもって祝福しゅくふくすることをさせられた。この事ことは今日こんにちに及およんでいる。10:9 そのためレビは兄弟きょうだいたちと一緒いっしょには分わけ前まえがなく、嗣し業ぎょうもない。あなたの神かみ、主しゅが彼かれに言いわれたとおり、主しゅみずからが彼かれの嗣し業ぎょうであった。) 10:10 わたしは前まえの時ときのように四十日にち四十夜や、山やまにおったが、主しゅはその時ときにもわたしの願ねがいを聞きかれた。主しゅはあなたを滅ほろぼすことを望のぞまれなかった。10:11 そして主しゅはわたしに『おまえは立たちあがり、民たみに先立さきだって進すすみ行いき、わたしが彼かれらに与あたえると、その先祖せんぞに誓ちかった地ちに彼かれらをはいらせ、それを取とらせよ』と言いわれた。 10:12 イスラエルよ、今いま、あなたの神かみ、主しゅがあなたに求もとめられる事ことはなんであるか。ただこれだけである。すなわちあなたの神かみ、主しゅを恐おそれ、そのすべての道みちに歩あゆんで、彼かれを愛あいし、心こころをつくし、精神せいしんをつくしてあなたの神かみ、主しゅに仕つかえ、10:13 また、わたしがきょうあなたに命めいじる主しゅの命令めいれいと定さだめとを守まもって、さいわいを得えることである。10:14 見みよ、天てんと、もろもろの天てんの天てん、および地ちと、地ちにあるものとはみな、あなたの神かみ、主しゅのものである。10:15 そうであるのに、主しゅはただあなたの先祖せんぞたちを喜よろこび愛あいし、その後のちの子孫しそんであるあなたがたを万民ばんみんのうちから選えらばれた。今日こんにち見みるとおりである。10:16 それゆえ、あなたがたは心こころに割礼かつれいをおこない、もはや強情ごうじょうであってはならない。10:17 あなたがたの神かみである主しゅは、神かみの神かみ、主しゅの主しゅ、大おおいにして力ちからある恐おそるべき神かみにましまし、人ひとをかたより見みず、また、まいないを取とらず、10:18 みなし子ことやもめのために正ただしいさばきを行おこない、また寄留きりゅうの他国たこく人じんを愛あいして、食物しょくもつと着物きものを与あたえられるからである。10:19 それゆえ、あなたがたは寄留きりゅうの他国たこく人じんを愛あいしなさい。あなたがたもエジプトの国くにで寄留きりゅうの他国たこく人じんであった。10:20 あなたの神かみ、主しゅを恐おそれ、彼かれに仕つかえ、彼かれに従したがい、その名なをさして誓ちかわなければならない。10:21 彼かれはあなたのさんびすべきもの、またあなたの神かみであって、あなたが目めに見みたこれらの大おおいなる恐おそるべき事ことを、あなたのために行おこなわれた。10:22 あなたの先祖せんぞたちは、わずか七十人にんでエジプトに下くだったが、いま、あなたの神かみ、主しゅはあなたを天てんの星ほしのように多おおくされた。 第11章 11:1 それゆえ、あなたの神かみ、主しゅを愛あいし、常つねにそのさとしと、定さだめと、おきてと、戒いましめとを守まもらなければならない。11:2 あなたがたは、きょう、次つぎのことを知しらなければならない。わたしが語かたるのは、あなたがたの子供こどもたちに対たいしてではない。彼かれらはあなたがたの神かみ、主しゅの訓練くんれんと、主しゅの大おおいなる事ことと、その強つよい手てと、伸のべた腕うでとを知しらず、また見みなかった。11:3 また彼かれらは主しゅがエジプトで、エジプト王おうパロとその全国ぜんこくに対たいして行おこなわれたしるしと、わざ、11:4 また主しゅがエジプトの軍勢ぐんぜいとその馬うまと戦車せんしゃとに行おこなわれた事こと、すなわち彼かれらがあなたがたのあとを追おってきた時ときに、紅海こうかいの水みずを彼かれらの上うえにあふれさせ、彼かれらを滅ほろぼされて、今日こんにちに至いたった事こと、11:5 またあなたがたがこの所ところに来くるまで、主しゅが荒野あらので、あなたがたに行おこなわれた事こと、11:6 およびルベンの子このエリアブの子こ、ダタンとアビラムとにされた事こと、すなわちイスラエルのすべての人々ひとびとの中なかで、地ちが口くちを開ひらき、彼かれらと、その家族かぞくと、天幕てんまくと、彼かれらに従したがうすべてのものを、のみつくした事ことなどを彼かれらは知しらず、また見みなかった。11:7 しかし、あなたがたは主しゅが行おこなわれたこれらの大おおいなる事ことを、ことごとく目めに見みたのである。 11:8 ゆえに、わたしが、きょう、あなたがたに命めいじる戒いましめを、ことごとく守まもらなければならない。そうすればあなたがたは強つよくなり、渡わたって行いって取とろうとする地ちにはいって、それを取とることができ、11:9 かつ、主しゅが先祖せんぞたちに誓ちかって彼かれらとその子孫しそんとに与あたえようと言いわれた地ち、乳ちちと蜜みつの流ながれる国くににおいて、長ながく生いきることができるであろう。11:10 あなたがたが行いって取とろうとする地ちは、あなたがたが出でてきたエジプトの地ちのようではない。あそこでは、青物あおもの畑ばたけでするように、あなたがたは種たねをまき、足あしでそれに水みずを注そそいだ。11:11 しかし、あなたがたが渡わたって行いって取とる地ちは、山やまと谷たにの多おおい地ちで、天てんから降ふる雨あめで潤うるおっている。11:12 その地ちは、あなたの神かみ、主しゅが顧かえりみられる所ところで、年としの始はじめから年としの終おわりまで、あなたの神かみ、主しゅの目めが常つねにその上うえにある。 11:13 もし、きょう、あなたがたに命めいじるわたしの命令めいれいによく聞きき従したがって、あなたがたの神かみ、主しゅを愛あいし、心こころをつくし、精神せいしんをつくして仕つかえるならば、11:14 主しゅはあなたがたの地ちに雨あめを、秋あきの雨あめ、春はるの雨あめともに、時ときにしたがって降ふらせ、穀物こくもつと、ぶどう酒しゅと、油あぶらを取とり入いれさせ、11:15 また家畜かちくのために野のに草くさを生はえさせられるであろう。あなたは飽あきるほど食たべることができるであろう。11:16 あなたがたは心こころが迷まよい、離はなれ去さって、他たの神々かみがみに仕つかえ、それを拝おがむことのないよう、慎つつしまなければならない。11:17 おそらく主しゅはあなたがたにむかい怒いかりを発はっして、天てんを閉とざされるであろう。そのため雨あめは降ふらず、地ちは産物さんぶつを出ださず、あなたがたは主しゅが賜たまわる良よい地ちから、すみやかに滅ほろびうせるであろう。 11:18 それゆえ、これらのわたしの言葉ことばを心こころと魂たましいにおさめ、またそれを手てにつけて、しるしとし、目めの間あいだに置おいて覚おぼえとし、11:19 これを子供こどもたちに教おしえ、家いえに座ざしている時ときも、道みちを歩あるく時ときも、寝ねる時ときも、起おきる時ときも、それについて語かたり、11:20 また家いえの入口いりぐちの柱はしらと、門もんにそれを書かきしるさなければならない。11:21 そうすれば、主しゅが先祖せんぞたちに与あたえようと誓ちかわれた地ちに、あなたがたの住すむ日数にっすうおよびあなたがたの子供こどもたちの住すむ日数にっすうは、天てんが地ちをおおう日数にっすうのように多おおいであろう。11:22 もしわたしがあなたがたに命めいじるこのすべての命令めいれいをよく守まもって行おこない、あなたがたの神かみ、主しゅを愛あいし、そのすべての道みちに歩あゆみ、主しゅにつき従したがうならば、11:23 主しゅはこの国々くにぐにの民たみを皆みな、あなたがたの前まえから追おい払はらわれ、あなたがたはあなたがたよりも大おおきく、かつ強つよい国々くにぐにを取とるに至いたるであろう。11:24 あなたがたが足あしの裏うらで踏ふむ所ところは皆みな、あなたがたのものとなり、あなたがたの領域りょういきは荒野あらのからレバノンに及および、また大川おおかわユフラテから西にしの海うみに及およぶであろう。11:25 だれもあなたがたに立たち向むかうことのできる者ものはないであろう。あなたがたの神かみ、主しゅは、かつて言いわれたように、あなたがたの踏ふみ入いる地ちの人々ひとびとが、あなたがたを恐おそれおののくようにされるであろう。 11:26 見みよ、わたしは、きょう、あなたがたの前まえに祝福しゅくふくと、のろいとを置おく。11:27 もし、きょう、わたしがあなたがたに命めいじるあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいに聞きき従したがうならば、祝福しゅくふくを受うけるであろう。11:28 もしあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいに聞きき従したがわず、わたしが、きょう、あなたがたに命めいじる道みちを離はなれ、あなたがたの知しらなかった他たの神々かみがみに従したがうならば、のろいを受うけるであろう。11:29 あなたの神かみ、主しゅが、あなたの行いって占領せんりょうする地ちにあなたを導みちびき入いれられる時とき、あなたはゲリジム山やまに祝福しゅくふくを置おき、エバル山やまにのろいを置おかなければならない。11:30 これらの山やまはヨルダンの向むこう側がわ、アラバに住すんでいるカナンびとの地ちで、日ひの入いる方ほうの道みちの西側にしがわにあり、ギルガルに向むかいあって、モレのテレビンの木きの近ちかくにあるではないか。11:31 あなたがたはヨルダンを渡わたり、あなたがたの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちにはいって、それを占領せんりょうしようとしている。あなたがたはそれを占領せんりょうして、そこに住すむであろう。11:32 それゆえ、わたしが、きょう、あなたがたに授さづける定さだめと、おきてをことごとく守まもって行おこなわなければならない。
7:1 あなたの神かみ、主しゅが、あなたの行いって取とる地ちにあなたを導みちびき入いれ、多おおくの国々くにぐにの民たみ、ヘテびと、ギルガシびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、およびエブスびと、すなわちあなたよりも数多かずおおく、また力ちからのある七つの民たみを、あなたの前まえから追おいはらわれる時とき、
7:2 すなわちあなたの神かみ、主しゅが彼かれらをあなたに渡わたして、これを撃うたせられる時ときは、あなたは彼かれらを全まったく滅ほろぼさなければならない。彼かれらとなんの契約けいやくをもしてはならない。彼かれらに何なにのあわれみをも示しめしてはならない。
7:3 また彼かれらと婚姻こんいんをしてはならない。あなたの娘むすめを彼かれのむすこに与あたえてはならない。かれの娘むすめをあなたのむすこにめとってはならない。
7:4 それは彼かれらがあなたのむすこを惑まどわしてわたしに従したがわせず、ほかの神々かみがみに仕つかえさせ、そのため主しゅはあなたがたにむかって怒いかりを発はっし、すみやかにあなたがたを滅ほろぼされることとなるからである。
7:5 むしろ、あなたがたはこのように彼かれらに行おこなわなければならない。すなわち彼かれらの祭壇さいだんをこぼち、その石いしの柱はしらを撃うち砕くだき、そのアシラ像ぞうを切きり倒たおし、その刻きざんだ像ぞうを火ひで焼やかなければならない。
7:6 あなたはあなたの神かみ、主しゅの聖せいなる民たみである。あなたの神かみ、主しゅは地ちのおもてのすべての民たみのうちからあなたを選えらんで、自分じぶんの宝たからの民たみとされた。
7:7 主しゅがあなたがたを愛あいし、あなたがたを選えらばれたのは、あなたがたがどの国民こくみんよりも数かずが多おおかったからではない。あなたがたはよろずの民たみのうち、もっとも数かずの少すくないものであった。
7:8 ただ主しゅがあなたがたを愛あいし、またあなたがたの先祖せんぞに誓ちかわれた誓ちかいを守まもろうとして、主しゅは強つよい手てをもってあなたがたを導みちびき出だし、奴隷どれいの家いえから、エジプトの王おうパロの手てから、あがない出だされたのである。
7:9 それゆえあなたは知しらなければならない。あなたの神かみ、主しゅは神かみにましまし、真実しんじつの神かみにましまして、彼かれを愛あいし、その命令めいれいを守まもる者ものには、契約けいやくを守まもり、恵めぐみを施ほどこして千せん代だいに及および、
7:10 また彼かれを憎にくむ者ものには、めいめいに報むくいて滅ほろぼされることを。主しゅは自分じぶんを憎にくむ者ものには猶予ゆうよすることなく、めいめいに報むくいられる。
7:11 それゆえ、きょうわたしがあなたに命めいじる命令めいれいと、定さだめと、おきてとを守まもって、これを行おこなわなければならない。
7:12 あなたがたがこれらのおきてを聞きいて守まもり行おこなうならば、あなたの神かみ、主しゅはあなたの先祖せんぞたちに誓ちかわれた契約けいやくを守まもり、いつくしみを施ほどこされるであろう。
7:13 あなたを愛あいし、あなたを祝福しゅくふくし、あなたの数かずを増まし、あなたに与あたえると先祖せんぞたちに誓ちかわれた地ちで、あなたの子女しじょを祝福しゅくふくし、あなたの地ちの産物さんぶつ、穀物こくもつ、酒さけ、油あぶら、また牛うしの子こ、羊ひつじの子こを増まされるであろう。
7:14 あなたは万民ばんみんにまさって祝福しゅくふくされるであろう。あなたのうち、男おとこも女おんなも子このないものはなく、またあなたの家畜かちくにも子このないものはないであろう。
7:15 主しゅはまたすべての病やまいをあなたから取とり去さり、あなたの知しっている、あのエジプトの悪疫あくえきにかからせず、ただあなたを憎にくむすべての者ものにそれを臨のぞませられるであろう。
7:16 あなたの神かみ、主しゅがあなたに渡わたされる国民こくみんを滅ほろぼしつくし、彼かれらを見みてあわれんではならない。また彼かれらの神々かみがみに仕つかえてはならない。それがあなたのわなとなるからである。
7:17 あなたは心こころのうちで『これらの国民こくみんはわたしよりも多おおいから、どうしてこれを追おい払はらうことができようか』と言いうのか。
7:18 彼かれらを恐おそれてはならない。あなたの神かみ、主しゅがパロと、すべてのエジプトびととにされたことを、よく覚おぼえなさい。
7:19 すなわち、あなたが目めで見みた大おおいなる試こころみと、しるしと、不思議ふしぎと、強つよい手てと、伸のばした腕うでとを覚おぼえなさい。あなたの神かみ、主しゅはこれらをもって、あなたを導みちびき出だされたのである。またそのように、あなたの神かみ、主しゅはあなたが恐おそれているすべての民たみにされるであろう。
7:20 あなたの神かみ、主しゅはまた、くまばちを彼かれらのうちに送おくって、なお残のこっている者ものと逃にげ隠かくれている者ものを滅ほろぼしつくされるであろう。
7:21 あなたは彼かれらを恐おそれてはならない。あなたの神かみ、主しゅである大おおいなる恐おそるべき神かみがあなたのうちにおられるからである。
7:22 あなたの神かみ、主しゅはこれらの国民こくみんを徐々じょじょにあなたの前まえから追おい払はらわれるであろう。あなたはすみやかに彼かれらを滅ほろぼしつくしてはならない。そうでなければ、野のの獣けものが増ましてあなたを害がいするであろう。
7:23 しかし、あなたの神かみ、主しゅは彼かれらをあなたに渡わたし、大おおいなる混乱こんらんにおとしいれて、ついに滅ほろぼされるであろう。
7:24 また彼かれらの王おうたちをあなたの手てに渡わたされるであろう。あなたは彼かれらの名なを天てんの下したから消けし去さるであろう。あなたに立たちむかうものはなく、あなたはついに彼かれらを滅ほろぼすにいたるであろう。
7:25 あなたは彼かれらの神々かみがみの彫像ちょうぞうを火ひに焼やかなければならない。それに着きせた銀ぎんまたは金きんをむさぼってはならない。これを取とって自分じぶんのものにしてはならない。そうでなければ、あなたはこれによって、わなにかかるであろう。これはあなたの神かみが忌いみきらわれるものだからである。
7:26 あなたは忌いむべきものを家いえに持もちこんで、それと同おなじようにあなた自身じしんも、のろわれたものとなってはならない。あなたはそれを全まったく忌いみきらわなければならない。それはのろわれたものだからである。
第8章 8:1 わたしが、きょう、命めいじるこのすべての命令めいれいを、あなたがたは守まもって行おこなわなければならない。そうすればあなたがたは生いきることができ、かつふえ増まし、主しゅがあなたがたの先祖せんぞに誓ちかわれた地ちにはいって、それを自分じぶんのものとすることができるであろう。8:2 あなたの神かみ、主しゅがこの四十年ねんの間あいだ、荒野あらのであなたを導みちびかれたそのすべての道みちを覚おぼえなければならない。それはあなたを苦くるしめて、あなたを試こころみ、あなたの心こころのうちを知しり、あなたがその命令めいれいを守まもるか、どうかを知しるためであった。8:3 それで主しゅはあなたを苦くるしめ、あなたを飢うえさせ、あなたも知しらず、あなたの先祖せんぞたちも知しらなかったマナをもって、あなたを養やしなわれた。人ひとはパンだけでは生いきず、人ひとは主しゅの口くちから出でるすべてのことばによって生いきることをあなたに知しらせるためであった。8:4 この四十年ねんの間あいだ、あなたの着物きものはすり切きれず、あなたの足あしは、はれなかった。8:5 あなたはまた人ひとがその子こを訓練くんれんするように、あなたの神かみ、主しゅもあなたを訓練くんれんされることを心こころにとめなければならない。8:6 あなたの神かみ、主しゅの命令めいれいを守まもり、その道みちに歩あゆんで、彼かれを恐おそれなければならない。8:7 それはあなたの神かみ、主しゅがあなたを良よい地ちに導みちびき入いれられるからである。そこは谷たににも山やまにもわき出でる水みずの流ながれ、泉いずみ、および淵ふちのある地ち、8:8 小麦こむぎ、大麦おおむぎ、ぶどう、いちじく及およびざくろのある地ち、油あぶらのオリブの木き、および蜜みつのある地ち、8:9 あなたが食たべる食物しょくもつに欠かけることなく、なんの乏とぼしいこともない地ちである。その地ちの石いしは鉄てつであって、その山やまからは銅どうを掘ほり取とることができる。8:10 あなたは食たべて飽あき、あなたの神かみ、主しゅがその良よい地ちを賜たまわったことを感謝かんしゃするであろう。 8:11 あなたは、きょう、わたしが命めいじる主しゅの命令めいれいと、おきてと、定さだめとを守まもらず、あなたの神かみ、主しゅを忘わすれることのないように慎つつしまなければならない。8:12 あなたは食たべて飽あき、麗うるわしい家いえを建たてて住すみ、8:13 また牛うしや羊ひつじがふえ、金銀きんぎんが増まし、持もち物ものがみな増まし加くわわるとき、8:14 おそらく心こころにたかぶり、あなたの神かみ、主しゅを忘わすれるであろう。主しゅはあなたをエジプトの地ち、奴隷どれいの家いえから導みちびき出だし、8:15 あなたを導みちびいて、あの大おおきな恐おそろしい荒野あらの、すなわち火ひのへびや、さそりがいて、水みずのない、かわいた地ちを通とおり、あなたのために堅かたい岩いわから水みずを出だし、8:16 先祖せんぞたちも知しらなかったマナを荒野あらのであなたに食たべさせられた。それはあなたを苦くるしめ、あなたを試こころみて、ついにはあなたをさいわいにするためであった。8:17 あなたは心こころのうちに『自分じぶんの力ちからと自分じぶんの手ての働はたらきで、わたしはこの富とみを得えた』と言いってはならない。8:18 あなたはあなたの神かみ、主しゅを覚おぼえなければならない。主しゅはあなたの先祖せんぞたちに誓ちかわれた契約けいやくを今日こんにちのように行おこなうために、あなたに富とみを得える力ちからを与あたえられるからである。8:19 もしあなたの神かみ、主しゅを忘わすれて他たの神々かみがみに従したがい、これに仕つかえ、これを拝おがむならば、――わたしは、きょう、あなたがたに警告けいこくする。――あなたがたはきっと滅ほろびるであろう。8:20 主しゅがあなたがたの前まえから滅ほろぼし去さられる国々くにぐにの民たみのように、あなたがたも滅ほろびるであろう。あなたがたの神かみ、主しゅの声こえに従したがわないからである。 第9章 9:1 イスラエルよ、聞ききなさい。あなたは、きょう、ヨルダンを渡わたって行いって、あなたよりも大おおきく、かつ強つよい国々くにぐにを取とろうとしている。その町々まちまちは大おおきく、石いしがきは天てんに達たっしている。9:2 その民たみは、あなたの知しっているアナクびとの子孫しそんであって、大おおきく、また背せが高たかい。あなたはまた『アナクの子孫しそんの前まえに、だれが立たつことができようか』と人ひとの言いうのを聞きいた。9:3 それゆえ、あなたは、きょう、あなたの神かみ、主しゅは焼やきつくす火ひであって、あなたの前まえに進すすまれることを知しらなければならない。主しゅは彼かれらを滅ほろぼし、彼かれらをあなたの前まえに屈伏くっぷくさせられるであろう。主しゅがあなたに言いわれたように、彼かれらを追おい払はらい、すみやかに滅ほろぼさなければならない。 9:4 あなたの神かみ、主しゅがあなたの前まえから彼かれらを追おい払はらわれた後のちに、あなたは心こころのなかで『わたしが正ただしいから主しゅはわたしをこの地ちに導みちびき入いれてこれを獲えさせられた』と言いってはならない。この国々くにぐにの民たみが悪わるいから、主しゅはこれをあなたの前まえから追おい払はらわれるのである。9:5 あなたが行いってその地ちを獲えるのは、あなたが正ただしいからではなく、またあなたの心こころがまっすぐだからでもない。この国々くにぐにの民たみが悪わるいから、あなたの神かみ、主しゅは彼かれらをあなたの前まえから追おい払はらわれるのである。これは主しゅがあなたの先祖せんぞアブラハム、イサク、ヤコブに誓ちかわれた言葉ことばを行おこなわれるためである。 9:6 それであなたは、あなたの神かみ、主しゅがあなたにこの良よい地ちを与あたえてこれを得えさせられるのは、あなたが正ただしいからではないことを知しらなければならない。あなたは強情ごうじょうな民たみである。9:7 あなたは荒野あらのであなたの神かみ、主しゅを怒いからせたことを覚おぼえ、それを忘わすれてはならない。あなたがたはエジプトの地ちを出でた日ひからこの所ところに来くるまで、いつも主しゅにそむいた。9:8 またホレブにおいてさえ、あなたがたが主しゅを怒いからせたので、主しゅは怒いかってあなたがたを滅ほろぼそうとされた。9:9 わたしが石いしの板いたすなわち主しゅがあなたがたと結むすばれた契約けいやくの板いたを受うけるために山やまに登のぼった時とき、わたしは四十日にち四十夜や、山やまにいて、パンも食たべず水みずも飲のまなかった。9:10 主しゅは神かみの指ゆびをもって書かきしるした石いしの板いた二枚まいをわたしに授さづけられた。その上うえには、集会しゅうかいの日ひに主しゅが山やまで火ひの中なかから、あなたがたに告つげられた言葉ことばが、ことごとく書かいてあった。9:11 すなわち四十日にち四十夜やが終おわった時とき、主しゅはわたしにその契約けいやくの板いたである石いしの板いた二枚まいを授さづけ、9:12 そして主しゅはわたしに言いわれた、『おまえは立たって、すみやかにこの所ところから降ふりなさい。おまえがエジプトから導みちびき出だした民たみは悪あくを行おこなったからである。彼かれらはわたしが命めいじた道みちを早はやくも離はなれて、鋳いた像ぞうを自分じぶんたちのために つくった』。 9:13 主しゅはまたわたしに言いわれた、『この民たみを見みるのに、これは強情ごうじょうな民たみである。9:14 わたしを止とめるな。わたしは彼かれらを滅ほろぼし、彼かれらの名なを天てんの下したから消けし去さり、おまえを彼かれらよりも強つよく、かつ大おおいなる国民こくみんとしよう』。9:15 そこでわたしは身みをめぐらして山やまを降おりたが、山やまは火ひで焼やけていた。契約けいやくの板いた二枚まいはわたしの両手りょうてにあった。9:16 そしてわたしが見みると、あなたがたは、あなたがたの神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかし、自分じぶんたちのために鋳物いものの子こ牛うしを つくって、主しゅが命めいじられた道みちを早はやくも離はなれたので、9:17 わたしはその二枚まいの板いたをつかんで、両手りょうてから投なげ出だし、あなたがたの目めの前まえでこれを砕くだいた。9:18 そしてわたしは前まえのように四十日にち四十夜や、主しゅの前まえにひれ伏ふし、パンも食たべず、水みずも飲のまなかった。これはあなたがたが主しゅの目めの前まえに悪あくをおこない、罪つみを犯おかして主しゅを怒いからせたすべての罪つみによるのである。9:19 主しゅは怒いかりを発はっし、憤いきどおりを起おこし、あなたがたを怒いかって滅ほろぼそうとされたので、わたしは恐おそれたが、その時ときもまた主しゅはわたしの願ねがいを聞きかれた。9:20 主しゅはまた、はなはだしくアロンを怒いかって、彼かれを滅ほろぼそうとされたが、わたしはその時ときもまたアロンのために祈いのった。9:21 わたしはあなたがたが造つくって罪つみを得えた子こ牛うしを取とり、それを火ひで焼やき、それを撃うち砕くだき、よくひいて細こまかいちりとし、そのちりを山やまから流ながれ下くだる谷川たにがわに投なげ捨すてた。 9:22 あなたがたはタベラ、マッサおよびキブロテ・ハッタワにおいてもまた主しゅを怒いからせた。9:23 また主しゅはカデシ・バルネアから、あなたがたをつかわそうとされた時とき、『上のぼって行いって、わたしが与あたえる地ちを占領せんりょうせよ』と言いわれた。ところが、あなたがたはあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいにそむき、彼かれを信しんぜず、また彼かれの声こえに聞きき従したがわなかった。9:24 わたしがあなたがたを知しったその日ひからこのかた、あなたがたはいつも主しゅにそむいた。 9:25 そしてわたしは、さきにひれ伏ふしたように、四十日にち四十夜や、主しゅの前まえにひれ伏ふした。主しゅがあなたがたを滅ほろぼすと言いわれたからである。9:26 わたしは主しゅに祈いのって言いった、『主しゅなる神かみよ、あなたが大おおいなる力ちからをもってあがない、強つよい手てをもってエジプトから導みちびき出だされたあなたの民たみ、あなたの嗣し業ぎょうを滅ほろぼさないでください。9:27 あなたのしもべアブラハム、イサク、ヤコブを覚おぼえてください。この民たみの強情ごうじょうと悪あくと罪つみとに目めをとめないでください。9:28 あなたがわれわれを導みちびき出だされた国くにの人ひとはおそらく、「主しゅは、約束やくそくした地ちに彼かれらを導みちびき入いれることができず、また彼かれらを憎にくんだので、彼かれらを導みちびき出だして荒野あらので殺ころしたのだ」と言いうでしょう。9:29 しかし彼かれらは、あなたの民たみ、あなたの嗣し業ぎょうであって、あなたが大おおいなる力ちからと伸のばした腕うでとをもって導みちびき出だされたのです』。 第10章 10:1 その時とき、主しゅはわたしに言いわれた、『おまえは、前まえのような石いしの板いた二枚まいを切きって作つくり、山やまに登のぼって、わたしのもとにきなさい。また木きの箱はこ一つを作つくりなさい。10:2 さきにおまえが砕くだいた二枚まいの板いたに書かいてあった言葉ことばを、わたしはその板いたに書かきしるそう。おまえはそれをその箱はこにおさめなければならない』。10:3 そこでわたしはアカシヤ材ざいの箱はこ一つを作つくり、また前まえのような石いしの板いた二枚まいを切きって作つくり、その二枚まいの板いたを手てに持もって山やまに登のぼった。10:4 主しゅはかつて、かの集会しゅうかいの日ひに山やまで火ひの中なかからあなたがたに告つげられた十誡じっかいを書かきしるされたように、その板いたに書かきしるし、それを主しゅはわたしに授さづけられた。10:5 それでわたしは身みをめぐらして山やまから降おり、その板いたを、わたしが作つくった箱はこにおさめた。今いまなおその中なかにある。主しゅがわたしに命めいじられたとおりである。 10:6 (こうしてイスラエルの人々ひとびとはベエロテ・ベネ・ヤカンを出立しゅったつしてモセラに着ついた。アロンはその所ところで死しんでそこに葬ほうむられ、その子こエレアザルが彼かれに代かわって祭司さいしとなった。10:7 またそこを出立しゅったつしてグデゴダに至いたり、グデゴダを出立しゅったつしてヨテバタに着ついた。この地ちには多おおくの水みずの流ながれがあった。10:8 その時とき、主しゅはレビの部族ぶぞくを選えらんで、主しゅの契約けいやくの箱はこをかつぎ、主しゅの前まえに立たって仕つかえ、また主しゅの名なをもって祝福しゅくふくすることをさせられた。この事ことは今日こんにちに及およんでいる。10:9 そのためレビは兄弟きょうだいたちと一緒いっしょには分わけ前まえがなく、嗣し業ぎょうもない。あなたの神かみ、主しゅが彼かれに言いわれたとおり、主しゅみずからが彼かれの嗣し業ぎょうであった。) 10:10 わたしは前まえの時ときのように四十日にち四十夜や、山やまにおったが、主しゅはその時ときにもわたしの願ねがいを聞きかれた。主しゅはあなたを滅ほろぼすことを望のぞまれなかった。10:11 そして主しゅはわたしに『おまえは立たちあがり、民たみに先立さきだって進すすみ行いき、わたしが彼かれらに与あたえると、その先祖せんぞに誓ちかった地ちに彼かれらをはいらせ、それを取とらせよ』と言いわれた。 10:12 イスラエルよ、今いま、あなたの神かみ、主しゅがあなたに求もとめられる事ことはなんであるか。ただこれだけである。すなわちあなたの神かみ、主しゅを恐おそれ、そのすべての道みちに歩あゆんで、彼かれを愛あいし、心こころをつくし、精神せいしんをつくしてあなたの神かみ、主しゅに仕つかえ、10:13 また、わたしがきょうあなたに命めいじる主しゅの命令めいれいと定さだめとを守まもって、さいわいを得えることである。10:14 見みよ、天てんと、もろもろの天てんの天てん、および地ちと、地ちにあるものとはみな、あなたの神かみ、主しゅのものである。10:15 そうであるのに、主しゅはただあなたの先祖せんぞたちを喜よろこび愛あいし、その後のちの子孫しそんであるあなたがたを万民ばんみんのうちから選えらばれた。今日こんにち見みるとおりである。10:16 それゆえ、あなたがたは心こころに割礼かつれいをおこない、もはや強情ごうじょうであってはならない。10:17 あなたがたの神かみである主しゅは、神かみの神かみ、主しゅの主しゅ、大おおいにして力ちからある恐おそるべき神かみにましまし、人ひとをかたより見みず、また、まいないを取とらず、10:18 みなし子ことやもめのために正ただしいさばきを行おこない、また寄留きりゅうの他国たこく人じんを愛あいして、食物しょくもつと着物きものを与あたえられるからである。10:19 それゆえ、あなたがたは寄留きりゅうの他国たこく人じんを愛あいしなさい。あなたがたもエジプトの国くにで寄留きりゅうの他国たこく人じんであった。10:20 あなたの神かみ、主しゅを恐おそれ、彼かれに仕つかえ、彼かれに従したがい、その名なをさして誓ちかわなければならない。10:21 彼かれはあなたのさんびすべきもの、またあなたの神かみであって、あなたが目めに見みたこれらの大おおいなる恐おそるべき事ことを、あなたのために行おこなわれた。10:22 あなたの先祖せんぞたちは、わずか七十人にんでエジプトに下くだったが、いま、あなたの神かみ、主しゅはあなたを天てんの星ほしのように多おおくされた。 第11章 11:1 それゆえ、あなたの神かみ、主しゅを愛あいし、常つねにそのさとしと、定さだめと、おきてと、戒いましめとを守まもらなければならない。11:2 あなたがたは、きょう、次つぎのことを知しらなければならない。わたしが語かたるのは、あなたがたの子供こどもたちに対たいしてではない。彼かれらはあなたがたの神かみ、主しゅの訓練くんれんと、主しゅの大おおいなる事ことと、その強つよい手てと、伸のべた腕うでとを知しらず、また見みなかった。11:3 また彼かれらは主しゅがエジプトで、エジプト王おうパロとその全国ぜんこくに対たいして行おこなわれたしるしと、わざ、11:4 また主しゅがエジプトの軍勢ぐんぜいとその馬うまと戦車せんしゃとに行おこなわれた事こと、すなわち彼かれらがあなたがたのあとを追おってきた時ときに、紅海こうかいの水みずを彼かれらの上うえにあふれさせ、彼かれらを滅ほろぼされて、今日こんにちに至いたった事こと、11:5 またあなたがたがこの所ところに来くるまで、主しゅが荒野あらので、あなたがたに行おこなわれた事こと、11:6 およびルベンの子このエリアブの子こ、ダタンとアビラムとにされた事こと、すなわちイスラエルのすべての人々ひとびとの中なかで、地ちが口くちを開ひらき、彼かれらと、その家族かぞくと、天幕てんまくと、彼かれらに従したがうすべてのものを、のみつくした事ことなどを彼かれらは知しらず、また見みなかった。11:7 しかし、あなたがたは主しゅが行おこなわれたこれらの大おおいなる事ことを、ことごとく目めに見みたのである。 11:8 ゆえに、わたしが、きょう、あなたがたに命めいじる戒いましめを、ことごとく守まもらなければならない。そうすればあなたがたは強つよくなり、渡わたって行いって取とろうとする地ちにはいって、それを取とることができ、11:9 かつ、主しゅが先祖せんぞたちに誓ちかって彼かれらとその子孫しそんとに与あたえようと言いわれた地ち、乳ちちと蜜みつの流ながれる国くににおいて、長ながく生いきることができるであろう。11:10 あなたがたが行いって取とろうとする地ちは、あなたがたが出でてきたエジプトの地ちのようではない。あそこでは、青物あおもの畑ばたけでするように、あなたがたは種たねをまき、足あしでそれに水みずを注そそいだ。11:11 しかし、あなたがたが渡わたって行いって取とる地ちは、山やまと谷たにの多おおい地ちで、天てんから降ふる雨あめで潤うるおっている。11:12 その地ちは、あなたの神かみ、主しゅが顧かえりみられる所ところで、年としの始はじめから年としの終おわりまで、あなたの神かみ、主しゅの目めが常つねにその上うえにある。 11:13 もし、きょう、あなたがたに命めいじるわたしの命令めいれいによく聞きき従したがって、あなたがたの神かみ、主しゅを愛あいし、心こころをつくし、精神せいしんをつくして仕つかえるならば、11:14 主しゅはあなたがたの地ちに雨あめを、秋あきの雨あめ、春はるの雨あめともに、時ときにしたがって降ふらせ、穀物こくもつと、ぶどう酒しゅと、油あぶらを取とり入いれさせ、11:15 また家畜かちくのために野のに草くさを生はえさせられるであろう。あなたは飽あきるほど食たべることができるであろう。11:16 あなたがたは心こころが迷まよい、離はなれ去さって、他たの神々かみがみに仕つかえ、それを拝おがむことのないよう、慎つつしまなければならない。11:17 おそらく主しゅはあなたがたにむかい怒いかりを発はっして、天てんを閉とざされるであろう。そのため雨あめは降ふらず、地ちは産物さんぶつを出ださず、あなたがたは主しゅが賜たまわる良よい地ちから、すみやかに滅ほろびうせるであろう。 11:18 それゆえ、これらのわたしの言葉ことばを心こころと魂たましいにおさめ、またそれを手てにつけて、しるしとし、目めの間あいだに置おいて覚おぼえとし、11:19 これを子供こどもたちに教おしえ、家いえに座ざしている時ときも、道みちを歩あるく時ときも、寝ねる時ときも、起おきる時ときも、それについて語かたり、11:20 また家いえの入口いりぐちの柱はしらと、門もんにそれを書かきしるさなければならない。11:21 そうすれば、主しゅが先祖せんぞたちに与あたえようと誓ちかわれた地ちに、あなたがたの住すむ日数にっすうおよびあなたがたの子供こどもたちの住すむ日数にっすうは、天てんが地ちをおおう日数にっすうのように多おおいであろう。11:22 もしわたしがあなたがたに命めいじるこのすべての命令めいれいをよく守まもって行おこない、あなたがたの神かみ、主しゅを愛あいし、そのすべての道みちに歩あゆみ、主しゅにつき従したがうならば、11:23 主しゅはこの国々くにぐにの民たみを皆みな、あなたがたの前まえから追おい払はらわれ、あなたがたはあなたがたよりも大おおきく、かつ強つよい国々くにぐにを取とるに至いたるであろう。11:24 あなたがたが足あしの裏うらで踏ふむ所ところは皆みな、あなたがたのものとなり、あなたがたの領域りょういきは荒野あらのからレバノンに及および、また大川おおかわユフラテから西にしの海うみに及およぶであろう。11:25 だれもあなたがたに立たち向むかうことのできる者ものはないであろう。あなたがたの神かみ、主しゅは、かつて言いわれたように、あなたがたの踏ふみ入いる地ちの人々ひとびとが、あなたがたを恐おそれおののくようにされるであろう。 11:26 見みよ、わたしは、きょう、あなたがたの前まえに祝福しゅくふくと、のろいとを置おく。11:27 もし、きょう、わたしがあなたがたに命めいじるあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいに聞きき従したがうならば、祝福しゅくふくを受うけるであろう。11:28 もしあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいに聞きき従したがわず、わたしが、きょう、あなたがたに命めいじる道みちを離はなれ、あなたがたの知しらなかった他たの神々かみがみに従したがうならば、のろいを受うけるであろう。11:29 あなたの神かみ、主しゅが、あなたの行いって占領せんりょうする地ちにあなたを導みちびき入いれられる時とき、あなたはゲリジム山やまに祝福しゅくふくを置おき、エバル山やまにのろいを置おかなければならない。11:30 これらの山やまはヨルダンの向むこう側がわ、アラバに住すんでいるカナンびとの地ちで、日ひの入いる方ほうの道みちの西側にしがわにあり、ギルガルに向むかいあって、モレのテレビンの木きの近ちかくにあるではないか。11:31 あなたがたはヨルダンを渡わたり、あなたがたの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちにはいって、それを占領せんりょうしようとしている。あなたがたはそれを占領せんりょうして、そこに住すむであろう。11:32 それゆえ、わたしが、きょう、あなたがたに授さづける定さだめと、おきてをことごとく守まもって行おこなわなければならない。
8:1 わたしが、きょう、命めいじるこのすべての命令めいれいを、あなたがたは守まもって行おこなわなければならない。そうすればあなたがたは生いきることができ、かつふえ増まし、主しゅがあなたがたの先祖せんぞに誓ちかわれた地ちにはいって、それを自分じぶんのものとすることができるであろう。
8:2 あなたの神かみ、主しゅがこの四十年ねんの間あいだ、荒野あらのであなたを導みちびかれたそのすべての道みちを覚おぼえなければならない。それはあなたを苦くるしめて、あなたを試こころみ、あなたの心こころのうちを知しり、あなたがその命令めいれいを守まもるか、どうかを知しるためであった。
8:3 それで主しゅはあなたを苦くるしめ、あなたを飢うえさせ、あなたも知しらず、あなたの先祖せんぞたちも知しらなかったマナをもって、あなたを養やしなわれた。人ひとはパンだけでは生いきず、人ひとは主しゅの口くちから出でるすべてのことばによって生いきることをあなたに知しらせるためであった。
8:4 この四十年ねんの間あいだ、あなたの着物きものはすり切きれず、あなたの足あしは、はれなかった。
8:5 あなたはまた人ひとがその子こを訓練くんれんするように、あなたの神かみ、主しゅもあなたを訓練くんれんされることを心こころにとめなければならない。
8:6 あなたの神かみ、主しゅの命令めいれいを守まもり、その道みちに歩あゆんで、彼かれを恐おそれなければならない。
8:7 それはあなたの神かみ、主しゅがあなたを良よい地ちに導みちびき入いれられるからである。そこは谷たににも山やまにもわき出でる水みずの流ながれ、泉いずみ、および淵ふちのある地ち、
8:8 小麦こむぎ、大麦おおむぎ、ぶどう、いちじく及およびざくろのある地ち、油あぶらのオリブの木き、および蜜みつのある地ち、
8:9 あなたが食たべる食物しょくもつに欠かけることなく、なんの乏とぼしいこともない地ちである。その地ちの石いしは鉄てつであって、その山やまからは銅どうを掘ほり取とることができる。
8:10 あなたは食たべて飽あき、あなたの神かみ、主しゅがその良よい地ちを賜たまわったことを感謝かんしゃするであろう。
8:11 あなたは、きょう、わたしが命めいじる主しゅの命令めいれいと、おきてと、定さだめとを守まもらず、あなたの神かみ、主しゅを忘わすれることのないように慎つつしまなければならない。
8:12 あなたは食たべて飽あき、麗うるわしい家いえを建たてて住すみ、
8:13 また牛うしや羊ひつじがふえ、金銀きんぎんが増まし、持もち物ものがみな増まし加くわわるとき、
8:14 おそらく心こころにたかぶり、あなたの神かみ、主しゅを忘わすれるであろう。主しゅはあなたをエジプトの地ち、奴隷どれいの家いえから導みちびき出だし、
8:15 あなたを導みちびいて、あの大おおきな恐おそろしい荒野あらの、すなわち火ひのへびや、さそりがいて、水みずのない、かわいた地ちを通とおり、あなたのために堅かたい岩いわから水みずを出だし、
8:16 先祖せんぞたちも知しらなかったマナを荒野あらのであなたに食たべさせられた。それはあなたを苦くるしめ、あなたを試こころみて、ついにはあなたをさいわいにするためであった。
8:17 あなたは心こころのうちに『自分じぶんの力ちからと自分じぶんの手ての働はたらきで、わたしはこの富とみを得えた』と言いってはならない。
8:18 あなたはあなたの神かみ、主しゅを覚おぼえなければならない。主しゅはあなたの先祖せんぞたちに誓ちかわれた契約けいやくを今日こんにちのように行おこなうために、あなたに富とみを得える力ちからを与あたえられるからである。
8:19 もしあなたの神かみ、主しゅを忘わすれて他たの神々かみがみに従したがい、これに仕つかえ、これを拝おがむならば、――わたしは、きょう、あなたがたに警告けいこくする。――あなたがたはきっと滅ほろびるであろう。
8:20 主しゅがあなたがたの前まえから滅ほろぼし去さられる国々くにぐにの民たみのように、あなたがたも滅ほろびるであろう。あなたがたの神かみ、主しゅの声こえに従したがわないからである。
第9章 9:1 イスラエルよ、聞ききなさい。あなたは、きょう、ヨルダンを渡わたって行いって、あなたよりも大おおきく、かつ強つよい国々くにぐにを取とろうとしている。その町々まちまちは大おおきく、石いしがきは天てんに達たっしている。9:2 その民たみは、あなたの知しっているアナクびとの子孫しそんであって、大おおきく、また背せが高たかい。あなたはまた『アナクの子孫しそんの前まえに、だれが立たつことができようか』と人ひとの言いうのを聞きいた。9:3 それゆえ、あなたは、きょう、あなたの神かみ、主しゅは焼やきつくす火ひであって、あなたの前まえに進すすまれることを知しらなければならない。主しゅは彼かれらを滅ほろぼし、彼かれらをあなたの前まえに屈伏くっぷくさせられるであろう。主しゅがあなたに言いわれたように、彼かれらを追おい払はらい、すみやかに滅ほろぼさなければならない。 9:4 あなたの神かみ、主しゅがあなたの前まえから彼かれらを追おい払はらわれた後のちに、あなたは心こころのなかで『わたしが正ただしいから主しゅはわたしをこの地ちに導みちびき入いれてこれを獲えさせられた』と言いってはならない。この国々くにぐにの民たみが悪わるいから、主しゅはこれをあなたの前まえから追おい払はらわれるのである。9:5 あなたが行いってその地ちを獲えるのは、あなたが正ただしいからではなく、またあなたの心こころがまっすぐだからでもない。この国々くにぐにの民たみが悪わるいから、あなたの神かみ、主しゅは彼かれらをあなたの前まえから追おい払はらわれるのである。これは主しゅがあなたの先祖せんぞアブラハム、イサク、ヤコブに誓ちかわれた言葉ことばを行おこなわれるためである。 9:6 それであなたは、あなたの神かみ、主しゅがあなたにこの良よい地ちを与あたえてこれを得えさせられるのは、あなたが正ただしいからではないことを知しらなければならない。あなたは強情ごうじょうな民たみである。9:7 あなたは荒野あらのであなたの神かみ、主しゅを怒いからせたことを覚おぼえ、それを忘わすれてはならない。あなたがたはエジプトの地ちを出でた日ひからこの所ところに来くるまで、いつも主しゅにそむいた。9:8 またホレブにおいてさえ、あなたがたが主しゅを怒いからせたので、主しゅは怒いかってあなたがたを滅ほろぼそうとされた。9:9 わたしが石いしの板いたすなわち主しゅがあなたがたと結むすばれた契約けいやくの板いたを受うけるために山やまに登のぼった時とき、わたしは四十日にち四十夜や、山やまにいて、パンも食たべず水みずも飲のまなかった。9:10 主しゅは神かみの指ゆびをもって書かきしるした石いしの板いた二枚まいをわたしに授さづけられた。その上うえには、集会しゅうかいの日ひに主しゅが山やまで火ひの中なかから、あなたがたに告つげられた言葉ことばが、ことごとく書かいてあった。9:11 すなわち四十日にち四十夜やが終おわった時とき、主しゅはわたしにその契約けいやくの板いたである石いしの板いた二枚まいを授さづけ、9:12 そして主しゅはわたしに言いわれた、『おまえは立たって、すみやかにこの所ところから降ふりなさい。おまえがエジプトから導みちびき出だした民たみは悪あくを行おこなったからである。彼かれらはわたしが命めいじた道みちを早はやくも離はなれて、鋳いた像ぞうを自分じぶんたちのために つくった』。 9:13 主しゅはまたわたしに言いわれた、『この民たみを見みるのに、これは強情ごうじょうな民たみである。9:14 わたしを止とめるな。わたしは彼かれらを滅ほろぼし、彼かれらの名なを天てんの下したから消けし去さり、おまえを彼かれらよりも強つよく、かつ大おおいなる国民こくみんとしよう』。9:15 そこでわたしは身みをめぐらして山やまを降おりたが、山やまは火ひで焼やけていた。契約けいやくの板いた二枚まいはわたしの両手りょうてにあった。9:16 そしてわたしが見みると、あなたがたは、あなたがたの神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかし、自分じぶんたちのために鋳物いものの子こ牛うしを つくって、主しゅが命めいじられた道みちを早はやくも離はなれたので、9:17 わたしはその二枚まいの板いたをつかんで、両手りょうてから投なげ出だし、あなたがたの目めの前まえでこれを砕くだいた。9:18 そしてわたしは前まえのように四十日にち四十夜や、主しゅの前まえにひれ伏ふし、パンも食たべず、水みずも飲のまなかった。これはあなたがたが主しゅの目めの前まえに悪あくをおこない、罪つみを犯おかして主しゅを怒いからせたすべての罪つみによるのである。9:19 主しゅは怒いかりを発はっし、憤いきどおりを起おこし、あなたがたを怒いかって滅ほろぼそうとされたので、わたしは恐おそれたが、その時ときもまた主しゅはわたしの願ねがいを聞きかれた。9:20 主しゅはまた、はなはだしくアロンを怒いかって、彼かれを滅ほろぼそうとされたが、わたしはその時ときもまたアロンのために祈いのった。9:21 わたしはあなたがたが造つくって罪つみを得えた子こ牛うしを取とり、それを火ひで焼やき、それを撃うち砕くだき、よくひいて細こまかいちりとし、そのちりを山やまから流ながれ下くだる谷川たにがわに投なげ捨すてた。 9:22 あなたがたはタベラ、マッサおよびキブロテ・ハッタワにおいてもまた主しゅを怒いからせた。9:23 また主しゅはカデシ・バルネアから、あなたがたをつかわそうとされた時とき、『上のぼって行いって、わたしが与あたえる地ちを占領せんりょうせよ』と言いわれた。ところが、あなたがたはあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいにそむき、彼かれを信しんぜず、また彼かれの声こえに聞きき従したがわなかった。9:24 わたしがあなたがたを知しったその日ひからこのかた、あなたがたはいつも主しゅにそむいた。 9:25 そしてわたしは、さきにひれ伏ふしたように、四十日にち四十夜や、主しゅの前まえにひれ伏ふした。主しゅがあなたがたを滅ほろぼすと言いわれたからである。9:26 わたしは主しゅに祈いのって言いった、『主しゅなる神かみよ、あなたが大おおいなる力ちからをもってあがない、強つよい手てをもってエジプトから導みちびき出だされたあなたの民たみ、あなたの嗣し業ぎょうを滅ほろぼさないでください。9:27 あなたのしもべアブラハム、イサク、ヤコブを覚おぼえてください。この民たみの強情ごうじょうと悪あくと罪つみとに目めをとめないでください。9:28 あなたがわれわれを導みちびき出だされた国くにの人ひとはおそらく、「主しゅは、約束やくそくした地ちに彼かれらを導みちびき入いれることができず、また彼かれらを憎にくんだので、彼かれらを導みちびき出だして荒野あらので殺ころしたのだ」と言いうでしょう。9:29 しかし彼かれらは、あなたの民たみ、あなたの嗣し業ぎょうであって、あなたが大おおいなる力ちからと伸のばした腕うでとをもって導みちびき出だされたのです』。 第10章 10:1 その時とき、主しゅはわたしに言いわれた、『おまえは、前まえのような石いしの板いた二枚まいを切きって作つくり、山やまに登のぼって、わたしのもとにきなさい。また木きの箱はこ一つを作つくりなさい。10:2 さきにおまえが砕くだいた二枚まいの板いたに書かいてあった言葉ことばを、わたしはその板いたに書かきしるそう。おまえはそれをその箱はこにおさめなければならない』。10:3 そこでわたしはアカシヤ材ざいの箱はこ一つを作つくり、また前まえのような石いしの板いた二枚まいを切きって作つくり、その二枚まいの板いたを手てに持もって山やまに登のぼった。10:4 主しゅはかつて、かの集会しゅうかいの日ひに山やまで火ひの中なかからあなたがたに告つげられた十誡じっかいを書かきしるされたように、その板いたに書かきしるし、それを主しゅはわたしに授さづけられた。10:5 それでわたしは身みをめぐらして山やまから降おり、その板いたを、わたしが作つくった箱はこにおさめた。今いまなおその中なかにある。主しゅがわたしに命めいじられたとおりである。 10:6 (こうしてイスラエルの人々ひとびとはベエロテ・ベネ・ヤカンを出立しゅったつしてモセラに着ついた。アロンはその所ところで死しんでそこに葬ほうむられ、その子こエレアザルが彼かれに代かわって祭司さいしとなった。10:7 またそこを出立しゅったつしてグデゴダに至いたり、グデゴダを出立しゅったつしてヨテバタに着ついた。この地ちには多おおくの水みずの流ながれがあった。10:8 その時とき、主しゅはレビの部族ぶぞくを選えらんで、主しゅの契約けいやくの箱はこをかつぎ、主しゅの前まえに立たって仕つかえ、また主しゅの名なをもって祝福しゅくふくすることをさせられた。この事ことは今日こんにちに及およんでいる。10:9 そのためレビは兄弟きょうだいたちと一緒いっしょには分わけ前まえがなく、嗣し業ぎょうもない。あなたの神かみ、主しゅが彼かれに言いわれたとおり、主しゅみずからが彼かれの嗣し業ぎょうであった。) 10:10 わたしは前まえの時ときのように四十日にち四十夜や、山やまにおったが、主しゅはその時ときにもわたしの願ねがいを聞きかれた。主しゅはあなたを滅ほろぼすことを望のぞまれなかった。10:11 そして主しゅはわたしに『おまえは立たちあがり、民たみに先立さきだって進すすみ行いき、わたしが彼かれらに与あたえると、その先祖せんぞに誓ちかった地ちに彼かれらをはいらせ、それを取とらせよ』と言いわれた。 10:12 イスラエルよ、今いま、あなたの神かみ、主しゅがあなたに求もとめられる事ことはなんであるか。ただこれだけである。すなわちあなたの神かみ、主しゅを恐おそれ、そのすべての道みちに歩あゆんで、彼かれを愛あいし、心こころをつくし、精神せいしんをつくしてあなたの神かみ、主しゅに仕つかえ、10:13 また、わたしがきょうあなたに命めいじる主しゅの命令めいれいと定さだめとを守まもって、さいわいを得えることである。10:14 見みよ、天てんと、もろもろの天てんの天てん、および地ちと、地ちにあるものとはみな、あなたの神かみ、主しゅのものである。10:15 そうであるのに、主しゅはただあなたの先祖せんぞたちを喜よろこび愛あいし、その後のちの子孫しそんであるあなたがたを万民ばんみんのうちから選えらばれた。今日こんにち見みるとおりである。10:16 それゆえ、あなたがたは心こころに割礼かつれいをおこない、もはや強情ごうじょうであってはならない。10:17 あなたがたの神かみである主しゅは、神かみの神かみ、主しゅの主しゅ、大おおいにして力ちからある恐おそるべき神かみにましまし、人ひとをかたより見みず、また、まいないを取とらず、10:18 みなし子ことやもめのために正ただしいさばきを行おこない、また寄留きりゅうの他国たこく人じんを愛あいして、食物しょくもつと着物きものを与あたえられるからである。10:19 それゆえ、あなたがたは寄留きりゅうの他国たこく人じんを愛あいしなさい。あなたがたもエジプトの国くにで寄留きりゅうの他国たこく人じんであった。10:20 あなたの神かみ、主しゅを恐おそれ、彼かれに仕つかえ、彼かれに従したがい、その名なをさして誓ちかわなければならない。10:21 彼かれはあなたのさんびすべきもの、またあなたの神かみであって、あなたが目めに見みたこれらの大おおいなる恐おそるべき事ことを、あなたのために行おこなわれた。10:22 あなたの先祖せんぞたちは、わずか七十人にんでエジプトに下くだったが、いま、あなたの神かみ、主しゅはあなたを天てんの星ほしのように多おおくされた。 第11章 11:1 それゆえ、あなたの神かみ、主しゅを愛あいし、常つねにそのさとしと、定さだめと、おきてと、戒いましめとを守まもらなければならない。11:2 あなたがたは、きょう、次つぎのことを知しらなければならない。わたしが語かたるのは、あなたがたの子供こどもたちに対たいしてではない。彼かれらはあなたがたの神かみ、主しゅの訓練くんれんと、主しゅの大おおいなる事ことと、その強つよい手てと、伸のべた腕うでとを知しらず、また見みなかった。11:3 また彼かれらは主しゅがエジプトで、エジプト王おうパロとその全国ぜんこくに対たいして行おこなわれたしるしと、わざ、11:4 また主しゅがエジプトの軍勢ぐんぜいとその馬うまと戦車せんしゃとに行おこなわれた事こと、すなわち彼かれらがあなたがたのあとを追おってきた時ときに、紅海こうかいの水みずを彼かれらの上うえにあふれさせ、彼かれらを滅ほろぼされて、今日こんにちに至いたった事こと、11:5 またあなたがたがこの所ところに来くるまで、主しゅが荒野あらので、あなたがたに行おこなわれた事こと、11:6 およびルベンの子このエリアブの子こ、ダタンとアビラムとにされた事こと、すなわちイスラエルのすべての人々ひとびとの中なかで、地ちが口くちを開ひらき、彼かれらと、その家族かぞくと、天幕てんまくと、彼かれらに従したがうすべてのものを、のみつくした事ことなどを彼かれらは知しらず、また見みなかった。11:7 しかし、あなたがたは主しゅが行おこなわれたこれらの大おおいなる事ことを、ことごとく目めに見みたのである。 11:8 ゆえに、わたしが、きょう、あなたがたに命めいじる戒いましめを、ことごとく守まもらなければならない。そうすればあなたがたは強つよくなり、渡わたって行いって取とろうとする地ちにはいって、それを取とることができ、11:9 かつ、主しゅが先祖せんぞたちに誓ちかって彼かれらとその子孫しそんとに与あたえようと言いわれた地ち、乳ちちと蜜みつの流ながれる国くににおいて、長ながく生いきることができるであろう。11:10 あなたがたが行いって取とろうとする地ちは、あなたがたが出でてきたエジプトの地ちのようではない。あそこでは、青物あおもの畑ばたけでするように、あなたがたは種たねをまき、足あしでそれに水みずを注そそいだ。11:11 しかし、あなたがたが渡わたって行いって取とる地ちは、山やまと谷たにの多おおい地ちで、天てんから降ふる雨あめで潤うるおっている。11:12 その地ちは、あなたの神かみ、主しゅが顧かえりみられる所ところで、年としの始はじめから年としの終おわりまで、あなたの神かみ、主しゅの目めが常つねにその上うえにある。 11:13 もし、きょう、あなたがたに命めいじるわたしの命令めいれいによく聞きき従したがって、あなたがたの神かみ、主しゅを愛あいし、心こころをつくし、精神せいしんをつくして仕つかえるならば、11:14 主しゅはあなたがたの地ちに雨あめを、秋あきの雨あめ、春はるの雨あめともに、時ときにしたがって降ふらせ、穀物こくもつと、ぶどう酒しゅと、油あぶらを取とり入いれさせ、11:15 また家畜かちくのために野のに草くさを生はえさせられるであろう。あなたは飽あきるほど食たべることができるであろう。11:16 あなたがたは心こころが迷まよい、離はなれ去さって、他たの神々かみがみに仕つかえ、それを拝おがむことのないよう、慎つつしまなければならない。11:17 おそらく主しゅはあなたがたにむかい怒いかりを発はっして、天てんを閉とざされるであろう。そのため雨あめは降ふらず、地ちは産物さんぶつを出ださず、あなたがたは主しゅが賜たまわる良よい地ちから、すみやかに滅ほろびうせるであろう。 11:18 それゆえ、これらのわたしの言葉ことばを心こころと魂たましいにおさめ、またそれを手てにつけて、しるしとし、目めの間あいだに置おいて覚おぼえとし、11:19 これを子供こどもたちに教おしえ、家いえに座ざしている時ときも、道みちを歩あるく時ときも、寝ねる時ときも、起おきる時ときも、それについて語かたり、11:20 また家いえの入口いりぐちの柱はしらと、門もんにそれを書かきしるさなければならない。11:21 そうすれば、主しゅが先祖せんぞたちに与あたえようと誓ちかわれた地ちに、あなたがたの住すむ日数にっすうおよびあなたがたの子供こどもたちの住すむ日数にっすうは、天てんが地ちをおおう日数にっすうのように多おおいであろう。11:22 もしわたしがあなたがたに命めいじるこのすべての命令めいれいをよく守まもって行おこない、あなたがたの神かみ、主しゅを愛あいし、そのすべての道みちに歩あゆみ、主しゅにつき従したがうならば、11:23 主しゅはこの国々くにぐにの民たみを皆みな、あなたがたの前まえから追おい払はらわれ、あなたがたはあなたがたよりも大おおきく、かつ強つよい国々くにぐにを取とるに至いたるであろう。11:24 あなたがたが足あしの裏うらで踏ふむ所ところは皆みな、あなたがたのものとなり、あなたがたの領域りょういきは荒野あらのからレバノンに及および、また大川おおかわユフラテから西にしの海うみに及およぶであろう。11:25 だれもあなたがたに立たち向むかうことのできる者ものはないであろう。あなたがたの神かみ、主しゅは、かつて言いわれたように、あなたがたの踏ふみ入いる地ちの人々ひとびとが、あなたがたを恐おそれおののくようにされるであろう。 11:26 見みよ、わたしは、きょう、あなたがたの前まえに祝福しゅくふくと、のろいとを置おく。11:27 もし、きょう、わたしがあなたがたに命めいじるあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいに聞きき従したがうならば、祝福しゅくふくを受うけるであろう。11:28 もしあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいに聞きき従したがわず、わたしが、きょう、あなたがたに命めいじる道みちを離はなれ、あなたがたの知しらなかった他たの神々かみがみに従したがうならば、のろいを受うけるであろう。11:29 あなたの神かみ、主しゅが、あなたの行いって占領せんりょうする地ちにあなたを導みちびき入いれられる時とき、あなたはゲリジム山やまに祝福しゅくふくを置おき、エバル山やまにのろいを置おかなければならない。11:30 これらの山やまはヨルダンの向むこう側がわ、アラバに住すんでいるカナンびとの地ちで、日ひの入いる方ほうの道みちの西側にしがわにあり、ギルガルに向むかいあって、モレのテレビンの木きの近ちかくにあるではないか。11:31 あなたがたはヨルダンを渡わたり、あなたがたの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちにはいって、それを占領せんりょうしようとしている。あなたがたはそれを占領せんりょうして、そこに住すむであろう。11:32 それゆえ、わたしが、きょう、あなたがたに授さづける定さだめと、おきてをことごとく守まもって行おこなわなければならない。
9:1 イスラエルよ、聞ききなさい。あなたは、きょう、ヨルダンを渡わたって行いって、あなたよりも大おおきく、かつ強つよい国々くにぐにを取とろうとしている。その町々まちまちは大おおきく、石いしがきは天てんに達たっしている。
9:2 その民たみは、あなたの知しっているアナクびとの子孫しそんであって、大おおきく、また背せが高たかい。あなたはまた『アナクの子孫しそんの前まえに、だれが立たつことができようか』と人ひとの言いうのを聞きいた。
9:3 それゆえ、あなたは、きょう、あなたの神かみ、主しゅは焼やきつくす火ひであって、あなたの前まえに進すすまれることを知しらなければならない。主しゅは彼かれらを滅ほろぼし、彼かれらをあなたの前まえに屈伏くっぷくさせられるであろう。主しゅがあなたに言いわれたように、彼かれらを追おい払はらい、すみやかに滅ほろぼさなければならない。
9:4 あなたの神かみ、主しゅがあなたの前まえから彼かれらを追おい払はらわれた後のちに、あなたは心こころのなかで『わたしが正ただしいから主しゅはわたしをこの地ちに導みちびき入いれてこれを獲えさせられた』と言いってはならない。この国々くにぐにの民たみが悪わるいから、主しゅはこれをあなたの前まえから追おい払はらわれるのである。
9:5 あなたが行いってその地ちを獲えるのは、あなたが正ただしいからではなく、またあなたの心こころがまっすぐだからでもない。この国々くにぐにの民たみが悪わるいから、あなたの神かみ、主しゅは彼かれらをあなたの前まえから追おい払はらわれるのである。これは主しゅがあなたの先祖せんぞアブラハム、イサク、ヤコブに誓ちかわれた言葉ことばを行おこなわれるためである。
9:6 それであなたは、あなたの神かみ、主しゅがあなたにこの良よい地ちを与あたえてこれを得えさせられるのは、あなたが正ただしいからではないことを知しらなければならない。あなたは強情ごうじょうな民たみである。
9:7 あなたは荒野あらのであなたの神かみ、主しゅを怒いからせたことを覚おぼえ、それを忘わすれてはならない。あなたがたはエジプトの地ちを出でた日ひからこの所ところに来くるまで、いつも主しゅにそむいた。
9:8 またホレブにおいてさえ、あなたがたが主しゅを怒いからせたので、主しゅは怒いかってあなたがたを滅ほろぼそうとされた。
9:9 わたしが石いしの板いたすなわち主しゅがあなたがたと結むすばれた契約けいやくの板いたを受うけるために山やまに登のぼった時とき、わたしは四十日にち四十夜や、山やまにいて、パンも食たべず水みずも飲のまなかった。
9:10 主しゅは神かみの指ゆびをもって書かきしるした石いしの板いた二枚まいをわたしに授さづけられた。その上うえには、集会しゅうかいの日ひに主しゅが山やまで火ひの中なかから、あなたがたに告つげられた言葉ことばが、ことごとく書かいてあった。
9:11 すなわち四十日にち四十夜やが終おわった時とき、主しゅはわたしにその契約けいやくの板いたである石いしの板いた二枚まいを授さづけ、
9:12 そして主しゅはわたしに言いわれた、『おまえは立たって、すみやかにこの所ところから降ふりなさい。おまえがエジプトから導みちびき出だした民たみは悪あくを行おこなったからである。彼かれらはわたしが命めいじた道みちを早はやくも離はなれて、鋳いた像ぞうを自分じぶんたちのために つくった』。
9:13 主しゅはまたわたしに言いわれた、『この民たみを見みるのに、これは強情ごうじょうな民たみである。
9:14 わたしを止とめるな。わたしは彼かれらを滅ほろぼし、彼かれらの名なを天てんの下したから消けし去さり、おまえを彼かれらよりも強つよく、かつ大おおいなる国民こくみんとしよう』。
9:15 そこでわたしは身みをめぐらして山やまを降おりたが、山やまは火ひで焼やけていた。契約けいやくの板いた二枚まいはわたしの両手りょうてにあった。
9:16 そしてわたしが見みると、あなたがたは、あなたがたの神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかし、自分じぶんたちのために鋳物いものの子こ牛うしを つくって、主しゅが命めいじられた道みちを早はやくも離はなれたので、
9:17 わたしはその二枚まいの板いたをつかんで、両手りょうてから投なげ出だし、あなたがたの目めの前まえでこれを砕くだいた。
9:18 そしてわたしは前まえのように四十日にち四十夜や、主しゅの前まえにひれ伏ふし、パンも食たべず、水みずも飲のまなかった。これはあなたがたが主しゅの目めの前まえに悪あくをおこない、罪つみを犯おかして主しゅを怒いからせたすべての罪つみによるのである。
9:19 主しゅは怒いかりを発はっし、憤いきどおりを起おこし、あなたがたを怒いかって滅ほろぼそうとされたので、わたしは恐おそれたが、その時ときもまた主しゅはわたしの願ねがいを聞きかれた。
9:20 主しゅはまた、はなはだしくアロンを怒いかって、彼かれを滅ほろぼそうとされたが、わたしはその時ときもまたアロンのために祈いのった。
9:21 わたしはあなたがたが造つくって罪つみを得えた子こ牛うしを取とり、それを火ひで焼やき、それを撃うち砕くだき、よくひいて細こまかいちりとし、そのちりを山やまから流ながれ下くだる谷川たにがわに投なげ捨すてた。
9:22 あなたがたはタベラ、マッサおよびキブロテ・ハッタワにおいてもまた主しゅを怒いからせた。
9:23 また主しゅはカデシ・バルネアから、あなたがたをつかわそうとされた時とき、『上のぼって行いって、わたしが与あたえる地ちを占領せんりょうせよ』と言いわれた。ところが、あなたがたはあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいにそむき、彼かれを信しんぜず、また彼かれの声こえに聞きき従したがわなかった。
9:24 わたしがあなたがたを知しったその日ひからこのかた、あなたがたはいつも主しゅにそむいた。
9:25 そしてわたしは、さきにひれ伏ふしたように、四十日にち四十夜や、主しゅの前まえにひれ伏ふした。主しゅがあなたがたを滅ほろぼすと言いわれたからである。
9:26 わたしは主しゅに祈いのって言いった、『主しゅなる神かみよ、あなたが大おおいなる力ちからをもってあがない、強つよい手てをもってエジプトから導みちびき出だされたあなたの民たみ、あなたの嗣し業ぎょうを滅ほろぼさないでください。
9:27 あなたのしもべアブラハム、イサク、ヤコブを覚おぼえてください。この民たみの強情ごうじょうと悪あくと罪つみとに目めをとめないでください。
9:28 あなたがわれわれを導みちびき出だされた国くにの人ひとはおそらく、「主しゅは、約束やくそくした地ちに彼かれらを導みちびき入いれることができず、また彼かれらを憎にくんだので、彼かれらを導みちびき出だして荒野あらので殺ころしたのだ」と言いうでしょう。
9:29 しかし彼かれらは、あなたの民たみ、あなたの嗣し業ぎょうであって、あなたが大おおいなる力ちからと伸のばした腕うでとをもって導みちびき出だされたのです』。
第10章 10:1 その時とき、主しゅはわたしに言いわれた、『おまえは、前まえのような石いしの板いた二枚まいを切きって作つくり、山やまに登のぼって、わたしのもとにきなさい。また木きの箱はこ一つを作つくりなさい。10:2 さきにおまえが砕くだいた二枚まいの板いたに書かいてあった言葉ことばを、わたしはその板いたに書かきしるそう。おまえはそれをその箱はこにおさめなければならない』。10:3 そこでわたしはアカシヤ材ざいの箱はこ一つを作つくり、また前まえのような石いしの板いた二枚まいを切きって作つくり、その二枚まいの板いたを手てに持もって山やまに登のぼった。10:4 主しゅはかつて、かの集会しゅうかいの日ひに山やまで火ひの中なかからあなたがたに告つげられた十誡じっかいを書かきしるされたように、その板いたに書かきしるし、それを主しゅはわたしに授さづけられた。10:5 それでわたしは身みをめぐらして山やまから降おり、その板いたを、わたしが作つくった箱はこにおさめた。今いまなおその中なかにある。主しゅがわたしに命めいじられたとおりである。 10:6 (こうしてイスラエルの人々ひとびとはベエロテ・ベネ・ヤカンを出立しゅったつしてモセラに着ついた。アロンはその所ところで死しんでそこに葬ほうむられ、その子こエレアザルが彼かれに代かわって祭司さいしとなった。10:7 またそこを出立しゅったつしてグデゴダに至いたり、グデゴダを出立しゅったつしてヨテバタに着ついた。この地ちには多おおくの水みずの流ながれがあった。10:8 その時とき、主しゅはレビの部族ぶぞくを選えらんで、主しゅの契約けいやくの箱はこをかつぎ、主しゅの前まえに立たって仕つかえ、また主しゅの名なをもって祝福しゅくふくすることをさせられた。この事ことは今日こんにちに及およんでいる。10:9 そのためレビは兄弟きょうだいたちと一緒いっしょには分わけ前まえがなく、嗣し業ぎょうもない。あなたの神かみ、主しゅが彼かれに言いわれたとおり、主しゅみずからが彼かれの嗣し業ぎょうであった。) 10:10 わたしは前まえの時ときのように四十日にち四十夜や、山やまにおったが、主しゅはその時ときにもわたしの願ねがいを聞きかれた。主しゅはあなたを滅ほろぼすことを望のぞまれなかった。10:11 そして主しゅはわたしに『おまえは立たちあがり、民たみに先立さきだって進すすみ行いき、わたしが彼かれらに与あたえると、その先祖せんぞに誓ちかった地ちに彼かれらをはいらせ、それを取とらせよ』と言いわれた。 10:12 イスラエルよ、今いま、あなたの神かみ、主しゅがあなたに求もとめられる事ことはなんであるか。ただこれだけである。すなわちあなたの神かみ、主しゅを恐おそれ、そのすべての道みちに歩あゆんで、彼かれを愛あいし、心こころをつくし、精神せいしんをつくしてあなたの神かみ、主しゅに仕つかえ、10:13 また、わたしがきょうあなたに命めいじる主しゅの命令めいれいと定さだめとを守まもって、さいわいを得えることである。10:14 見みよ、天てんと、もろもろの天てんの天てん、および地ちと、地ちにあるものとはみな、あなたの神かみ、主しゅのものである。10:15 そうであるのに、主しゅはただあなたの先祖せんぞたちを喜よろこび愛あいし、その後のちの子孫しそんであるあなたがたを万民ばんみんのうちから選えらばれた。今日こんにち見みるとおりである。10:16 それゆえ、あなたがたは心こころに割礼かつれいをおこない、もはや強情ごうじょうであってはならない。10:17 あなたがたの神かみである主しゅは、神かみの神かみ、主しゅの主しゅ、大おおいにして力ちからある恐おそるべき神かみにましまし、人ひとをかたより見みず、また、まいないを取とらず、10:18 みなし子ことやもめのために正ただしいさばきを行おこない、また寄留きりゅうの他国たこく人じんを愛あいして、食物しょくもつと着物きものを与あたえられるからである。10:19 それゆえ、あなたがたは寄留きりゅうの他国たこく人じんを愛あいしなさい。あなたがたもエジプトの国くにで寄留きりゅうの他国たこく人じんであった。10:20 あなたの神かみ、主しゅを恐おそれ、彼かれに仕つかえ、彼かれに従したがい、その名なをさして誓ちかわなければならない。10:21 彼かれはあなたのさんびすべきもの、またあなたの神かみであって、あなたが目めに見みたこれらの大おおいなる恐おそるべき事ことを、あなたのために行おこなわれた。10:22 あなたの先祖せんぞたちは、わずか七十人にんでエジプトに下くだったが、いま、あなたの神かみ、主しゅはあなたを天てんの星ほしのように多おおくされた。 第11章 11:1 それゆえ、あなたの神かみ、主しゅを愛あいし、常つねにそのさとしと、定さだめと、おきてと、戒いましめとを守まもらなければならない。11:2 あなたがたは、きょう、次つぎのことを知しらなければならない。わたしが語かたるのは、あなたがたの子供こどもたちに対たいしてではない。彼かれらはあなたがたの神かみ、主しゅの訓練くんれんと、主しゅの大おおいなる事ことと、その強つよい手てと、伸のべた腕うでとを知しらず、また見みなかった。11:3 また彼かれらは主しゅがエジプトで、エジプト王おうパロとその全国ぜんこくに対たいして行おこなわれたしるしと、わざ、11:4 また主しゅがエジプトの軍勢ぐんぜいとその馬うまと戦車せんしゃとに行おこなわれた事こと、すなわち彼かれらがあなたがたのあとを追おってきた時ときに、紅海こうかいの水みずを彼かれらの上うえにあふれさせ、彼かれらを滅ほろぼされて、今日こんにちに至いたった事こと、11:5 またあなたがたがこの所ところに来くるまで、主しゅが荒野あらので、あなたがたに行おこなわれた事こと、11:6 およびルベンの子このエリアブの子こ、ダタンとアビラムとにされた事こと、すなわちイスラエルのすべての人々ひとびとの中なかで、地ちが口くちを開ひらき、彼かれらと、その家族かぞくと、天幕てんまくと、彼かれらに従したがうすべてのものを、のみつくした事ことなどを彼かれらは知しらず、また見みなかった。11:7 しかし、あなたがたは主しゅが行おこなわれたこれらの大おおいなる事ことを、ことごとく目めに見みたのである。 11:8 ゆえに、わたしが、きょう、あなたがたに命めいじる戒いましめを、ことごとく守まもらなければならない。そうすればあなたがたは強つよくなり、渡わたって行いって取とろうとする地ちにはいって、それを取とることができ、11:9 かつ、主しゅが先祖せんぞたちに誓ちかって彼かれらとその子孫しそんとに与あたえようと言いわれた地ち、乳ちちと蜜みつの流ながれる国くににおいて、長ながく生いきることができるであろう。11:10 あなたがたが行いって取とろうとする地ちは、あなたがたが出でてきたエジプトの地ちのようではない。あそこでは、青物あおもの畑ばたけでするように、あなたがたは種たねをまき、足あしでそれに水みずを注そそいだ。11:11 しかし、あなたがたが渡わたって行いって取とる地ちは、山やまと谷たにの多おおい地ちで、天てんから降ふる雨あめで潤うるおっている。11:12 その地ちは、あなたの神かみ、主しゅが顧かえりみられる所ところで、年としの始はじめから年としの終おわりまで、あなたの神かみ、主しゅの目めが常つねにその上うえにある。 11:13 もし、きょう、あなたがたに命めいじるわたしの命令めいれいによく聞きき従したがって、あなたがたの神かみ、主しゅを愛あいし、心こころをつくし、精神せいしんをつくして仕つかえるならば、11:14 主しゅはあなたがたの地ちに雨あめを、秋あきの雨あめ、春はるの雨あめともに、時ときにしたがって降ふらせ、穀物こくもつと、ぶどう酒しゅと、油あぶらを取とり入いれさせ、11:15 また家畜かちくのために野のに草くさを生はえさせられるであろう。あなたは飽あきるほど食たべることができるであろう。11:16 あなたがたは心こころが迷まよい、離はなれ去さって、他たの神々かみがみに仕つかえ、それを拝おがむことのないよう、慎つつしまなければならない。11:17 おそらく主しゅはあなたがたにむかい怒いかりを発はっして、天てんを閉とざされるであろう。そのため雨あめは降ふらず、地ちは産物さんぶつを出ださず、あなたがたは主しゅが賜たまわる良よい地ちから、すみやかに滅ほろびうせるであろう。 11:18 それゆえ、これらのわたしの言葉ことばを心こころと魂たましいにおさめ、またそれを手てにつけて、しるしとし、目めの間あいだに置おいて覚おぼえとし、11:19 これを子供こどもたちに教おしえ、家いえに座ざしている時ときも、道みちを歩あるく時ときも、寝ねる時ときも、起おきる時ときも、それについて語かたり、11:20 また家いえの入口いりぐちの柱はしらと、門もんにそれを書かきしるさなければならない。11:21 そうすれば、主しゅが先祖せんぞたちに与あたえようと誓ちかわれた地ちに、あなたがたの住すむ日数にっすうおよびあなたがたの子供こどもたちの住すむ日数にっすうは、天てんが地ちをおおう日数にっすうのように多おおいであろう。11:22 もしわたしがあなたがたに命めいじるこのすべての命令めいれいをよく守まもって行おこない、あなたがたの神かみ、主しゅを愛あいし、そのすべての道みちに歩あゆみ、主しゅにつき従したがうならば、11:23 主しゅはこの国々くにぐにの民たみを皆みな、あなたがたの前まえから追おい払はらわれ、あなたがたはあなたがたよりも大おおきく、かつ強つよい国々くにぐにを取とるに至いたるであろう。11:24 あなたがたが足あしの裏うらで踏ふむ所ところは皆みな、あなたがたのものとなり、あなたがたの領域りょういきは荒野あらのからレバノンに及および、また大川おおかわユフラテから西にしの海うみに及およぶであろう。11:25 だれもあなたがたに立たち向むかうことのできる者ものはないであろう。あなたがたの神かみ、主しゅは、かつて言いわれたように、あなたがたの踏ふみ入いる地ちの人々ひとびとが、あなたがたを恐おそれおののくようにされるであろう。 11:26 見みよ、わたしは、きょう、あなたがたの前まえに祝福しゅくふくと、のろいとを置おく。11:27 もし、きょう、わたしがあなたがたに命めいじるあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいに聞きき従したがうならば、祝福しゅくふくを受うけるであろう。11:28 もしあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいに聞きき従したがわず、わたしが、きょう、あなたがたに命めいじる道みちを離はなれ、あなたがたの知しらなかった他たの神々かみがみに従したがうならば、のろいを受うけるであろう。11:29 あなたの神かみ、主しゅが、あなたの行いって占領せんりょうする地ちにあなたを導みちびき入いれられる時とき、あなたはゲリジム山やまに祝福しゅくふくを置おき、エバル山やまにのろいを置おかなければならない。11:30 これらの山やまはヨルダンの向むこう側がわ、アラバに住すんでいるカナンびとの地ちで、日ひの入いる方ほうの道みちの西側にしがわにあり、ギルガルに向むかいあって、モレのテレビンの木きの近ちかくにあるではないか。11:31 あなたがたはヨルダンを渡わたり、あなたがたの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちにはいって、それを占領せんりょうしようとしている。あなたがたはそれを占領せんりょうして、そこに住すむであろう。11:32 それゆえ、わたしが、きょう、あなたがたに授さづける定さだめと、おきてをことごとく守まもって行おこなわなければならない。
10:1 その時とき、主しゅはわたしに言いわれた、『おまえは、前まえのような石いしの板いた二枚まいを切きって作つくり、山やまに登のぼって、わたしのもとにきなさい。また木きの箱はこ一つを作つくりなさい。
10:2 さきにおまえが砕くだいた二枚まいの板いたに書かいてあった言葉ことばを、わたしはその板いたに書かきしるそう。おまえはそれをその箱はこにおさめなければならない』。
10:3 そこでわたしはアカシヤ材ざいの箱はこ一つを作つくり、また前まえのような石いしの板いた二枚まいを切きって作つくり、その二枚まいの板いたを手てに持もって山やまに登のぼった。
10:4 主しゅはかつて、かの集会しゅうかいの日ひに山やまで火ひの中なかからあなたがたに告つげられた十誡じっかいを書かきしるされたように、その板いたに書かきしるし、それを主しゅはわたしに授さづけられた。
10:5 それでわたしは身みをめぐらして山やまから降おり、その板いたを、わたしが作つくった箱はこにおさめた。今いまなおその中なかにある。主しゅがわたしに命めいじられたとおりである。
10:6 (こうしてイスラエルの人々ひとびとはベエロテ・ベネ・ヤカンを出立しゅったつしてモセラに着ついた。アロンはその所ところで死しんでそこに葬ほうむられ、その子こエレアザルが彼かれに代かわって祭司さいしとなった。
10:7 またそこを出立しゅったつしてグデゴダに至いたり、グデゴダを出立しゅったつしてヨテバタに着ついた。この地ちには多おおくの水みずの流ながれがあった。
10:8 その時とき、主しゅはレビの部族ぶぞくを選えらんで、主しゅの契約けいやくの箱はこをかつぎ、主しゅの前まえに立たって仕つかえ、また主しゅの名なをもって祝福しゅくふくすることをさせられた。この事ことは今日こんにちに及およんでいる。
10:9 そのためレビは兄弟きょうだいたちと一緒いっしょには分わけ前まえがなく、嗣し業ぎょうもない。あなたの神かみ、主しゅが彼かれに言いわれたとおり、主しゅみずからが彼かれの嗣し業ぎょうであった。)
10:10 わたしは前まえの時ときのように四十日にち四十夜や、山やまにおったが、主しゅはその時ときにもわたしの願ねがいを聞きかれた。主しゅはあなたを滅ほろぼすことを望のぞまれなかった。
10:11 そして主しゅはわたしに『おまえは立たちあがり、民たみに先立さきだって進すすみ行いき、わたしが彼かれらに与あたえると、その先祖せんぞに誓ちかった地ちに彼かれらをはいらせ、それを取とらせよ』と言いわれた。
10:12 イスラエルよ、今いま、あなたの神かみ、主しゅがあなたに求もとめられる事ことはなんであるか。ただこれだけである。すなわちあなたの神かみ、主しゅを恐おそれ、そのすべての道みちに歩あゆんで、彼かれを愛あいし、心こころをつくし、精神せいしんをつくしてあなたの神かみ、主しゅに仕つかえ、
10:13 また、わたしがきょうあなたに命めいじる主しゅの命令めいれいと定さだめとを守まもって、さいわいを得えることである。
10:14 見みよ、天てんと、もろもろの天てんの天てん、および地ちと、地ちにあるものとはみな、あなたの神かみ、主しゅのものである。
10:15 そうであるのに、主しゅはただあなたの先祖せんぞたちを喜よろこび愛あいし、その後のちの子孫しそんであるあなたがたを万民ばんみんのうちから選えらばれた。今日こんにち見みるとおりである。
10:16 それゆえ、あなたがたは心こころに割礼かつれいをおこない、もはや強情ごうじょうであってはならない。
10:17 あなたがたの神かみである主しゅは、神かみの神かみ、主しゅの主しゅ、大おおいにして力ちからある恐おそるべき神かみにましまし、人ひとをかたより見みず、また、まいないを取とらず、
10:18 みなし子ことやもめのために正ただしいさばきを行おこない、また寄留きりゅうの他国たこく人じんを愛あいして、食物しょくもつと着物きものを与あたえられるからである。
10:19 それゆえ、あなたがたは寄留きりゅうの他国たこく人じんを愛あいしなさい。あなたがたもエジプトの国くにで寄留きりゅうの他国たこく人じんであった。
10:20 あなたの神かみ、主しゅを恐おそれ、彼かれに仕つかえ、彼かれに従したがい、その名なをさして誓ちかわなければならない。
10:21 彼かれはあなたのさんびすべきもの、またあなたの神かみであって、あなたが目めに見みたこれらの大おおいなる恐おそるべき事ことを、あなたのために行おこなわれた。
10:22 あなたの先祖せんぞたちは、わずか七十人にんでエジプトに下くだったが、いま、あなたの神かみ、主しゅはあなたを天てんの星ほしのように多おおくされた。
第11章 11:1 それゆえ、あなたの神かみ、主しゅを愛あいし、常つねにそのさとしと、定さだめと、おきてと、戒いましめとを守まもらなければならない。11:2 あなたがたは、きょう、次つぎのことを知しらなければならない。わたしが語かたるのは、あなたがたの子供こどもたちに対たいしてではない。彼かれらはあなたがたの神かみ、主しゅの訓練くんれんと、主しゅの大おおいなる事ことと、その強つよい手てと、伸のべた腕うでとを知しらず、また見みなかった。11:3 また彼かれらは主しゅがエジプトで、エジプト王おうパロとその全国ぜんこくに対たいして行おこなわれたしるしと、わざ、11:4 また主しゅがエジプトの軍勢ぐんぜいとその馬うまと戦車せんしゃとに行おこなわれた事こと、すなわち彼かれらがあなたがたのあとを追おってきた時ときに、紅海こうかいの水みずを彼かれらの上うえにあふれさせ、彼かれらを滅ほろぼされて、今日こんにちに至いたった事こと、11:5 またあなたがたがこの所ところに来くるまで、主しゅが荒野あらので、あなたがたに行おこなわれた事こと、11:6 およびルベンの子このエリアブの子こ、ダタンとアビラムとにされた事こと、すなわちイスラエルのすべての人々ひとびとの中なかで、地ちが口くちを開ひらき、彼かれらと、その家族かぞくと、天幕てんまくと、彼かれらに従したがうすべてのものを、のみつくした事ことなどを彼かれらは知しらず、また見みなかった。11:7 しかし、あなたがたは主しゅが行おこなわれたこれらの大おおいなる事ことを、ことごとく目めに見みたのである。 11:8 ゆえに、わたしが、きょう、あなたがたに命めいじる戒いましめを、ことごとく守まもらなければならない。そうすればあなたがたは強つよくなり、渡わたって行いって取とろうとする地ちにはいって、それを取とることができ、11:9 かつ、主しゅが先祖せんぞたちに誓ちかって彼かれらとその子孫しそんとに与あたえようと言いわれた地ち、乳ちちと蜜みつの流ながれる国くににおいて、長ながく生いきることができるであろう。11:10 あなたがたが行いって取とろうとする地ちは、あなたがたが出でてきたエジプトの地ちのようではない。あそこでは、青物あおもの畑ばたけでするように、あなたがたは種たねをまき、足あしでそれに水みずを注そそいだ。11:11 しかし、あなたがたが渡わたって行いって取とる地ちは、山やまと谷たにの多おおい地ちで、天てんから降ふる雨あめで潤うるおっている。11:12 その地ちは、あなたの神かみ、主しゅが顧かえりみられる所ところで、年としの始はじめから年としの終おわりまで、あなたの神かみ、主しゅの目めが常つねにその上うえにある。 11:13 もし、きょう、あなたがたに命めいじるわたしの命令めいれいによく聞きき従したがって、あなたがたの神かみ、主しゅを愛あいし、心こころをつくし、精神せいしんをつくして仕つかえるならば、11:14 主しゅはあなたがたの地ちに雨あめを、秋あきの雨あめ、春はるの雨あめともに、時ときにしたがって降ふらせ、穀物こくもつと、ぶどう酒しゅと、油あぶらを取とり入いれさせ、11:15 また家畜かちくのために野のに草くさを生はえさせられるであろう。あなたは飽あきるほど食たべることができるであろう。11:16 あなたがたは心こころが迷まよい、離はなれ去さって、他たの神々かみがみに仕つかえ、それを拝おがむことのないよう、慎つつしまなければならない。11:17 おそらく主しゅはあなたがたにむかい怒いかりを発はっして、天てんを閉とざされるであろう。そのため雨あめは降ふらず、地ちは産物さんぶつを出ださず、あなたがたは主しゅが賜たまわる良よい地ちから、すみやかに滅ほろびうせるであろう。 11:18 それゆえ、これらのわたしの言葉ことばを心こころと魂たましいにおさめ、またそれを手てにつけて、しるしとし、目めの間あいだに置おいて覚おぼえとし、11:19 これを子供こどもたちに教おしえ、家いえに座ざしている時ときも、道みちを歩あるく時ときも、寝ねる時ときも、起おきる時ときも、それについて語かたり、11:20 また家いえの入口いりぐちの柱はしらと、門もんにそれを書かきしるさなければならない。11:21 そうすれば、主しゅが先祖せんぞたちに与あたえようと誓ちかわれた地ちに、あなたがたの住すむ日数にっすうおよびあなたがたの子供こどもたちの住すむ日数にっすうは、天てんが地ちをおおう日数にっすうのように多おおいであろう。11:22 もしわたしがあなたがたに命めいじるこのすべての命令めいれいをよく守まもって行おこない、あなたがたの神かみ、主しゅを愛あいし、そのすべての道みちに歩あゆみ、主しゅにつき従したがうならば、11:23 主しゅはこの国々くにぐにの民たみを皆みな、あなたがたの前まえから追おい払はらわれ、あなたがたはあなたがたよりも大おおきく、かつ強つよい国々くにぐにを取とるに至いたるであろう。11:24 あなたがたが足あしの裏うらで踏ふむ所ところは皆みな、あなたがたのものとなり、あなたがたの領域りょういきは荒野あらのからレバノンに及および、また大川おおかわユフラテから西にしの海うみに及およぶであろう。11:25 だれもあなたがたに立たち向むかうことのできる者ものはないであろう。あなたがたの神かみ、主しゅは、かつて言いわれたように、あなたがたの踏ふみ入いる地ちの人々ひとびとが、あなたがたを恐おそれおののくようにされるであろう。 11:26 見みよ、わたしは、きょう、あなたがたの前まえに祝福しゅくふくと、のろいとを置おく。11:27 もし、きょう、わたしがあなたがたに命めいじるあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいに聞きき従したがうならば、祝福しゅくふくを受うけるであろう。11:28 もしあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいに聞きき従したがわず、わたしが、きょう、あなたがたに命めいじる道みちを離はなれ、あなたがたの知しらなかった他たの神々かみがみに従したがうならば、のろいを受うけるであろう。11:29 あなたの神かみ、主しゅが、あなたの行いって占領せんりょうする地ちにあなたを導みちびき入いれられる時とき、あなたはゲリジム山やまに祝福しゅくふくを置おき、エバル山やまにのろいを置おかなければならない。11:30 これらの山やまはヨルダンの向むこう側がわ、アラバに住すんでいるカナンびとの地ちで、日ひの入いる方ほうの道みちの西側にしがわにあり、ギルガルに向むかいあって、モレのテレビンの木きの近ちかくにあるではないか。11:31 あなたがたはヨルダンを渡わたり、あなたがたの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちにはいって、それを占領せんりょうしようとしている。あなたがたはそれを占領せんりょうして、そこに住すむであろう。11:32 それゆえ、わたしが、きょう、あなたがたに授さづける定さだめと、おきてをことごとく守まもって行おこなわなければならない。
11:1 それゆえ、あなたの神かみ、主しゅを愛あいし、常つねにそのさとしと、定さだめと、おきてと、戒いましめとを守まもらなければならない。
11:2 あなたがたは、きょう、次つぎのことを知しらなければならない。わたしが語かたるのは、あなたがたの子供こどもたちに対たいしてではない。彼かれらはあなたがたの神かみ、主しゅの訓練くんれんと、主しゅの大おおいなる事ことと、その強つよい手てと、伸のべた腕うでとを知しらず、また見みなかった。
11:3 また彼かれらは主しゅがエジプトで、エジプト王おうパロとその全国ぜんこくに対たいして行おこなわれたしるしと、わざ、
11:4 また主しゅがエジプトの軍勢ぐんぜいとその馬うまと戦車せんしゃとに行おこなわれた事こと、すなわち彼かれらがあなたがたのあとを追おってきた時ときに、紅海こうかいの水みずを彼かれらの上うえにあふれさせ、彼かれらを滅ほろぼされて、今日こんにちに至いたった事こと、
11:5 またあなたがたがこの所ところに来くるまで、主しゅが荒野あらので、あなたがたに行おこなわれた事こと、
11:6 およびルベンの子このエリアブの子こ、ダタンとアビラムとにされた事こと、すなわちイスラエルのすべての人々ひとびとの中なかで、地ちが口くちを開ひらき、彼かれらと、その家族かぞくと、天幕てんまくと、彼かれらに従したがうすべてのものを、のみつくした事ことなどを彼かれらは知しらず、また見みなかった。
11:7 しかし、あなたがたは主しゅが行おこなわれたこれらの大おおいなる事ことを、ことごとく目めに見みたのである。
11:8 ゆえに、わたしが、きょう、あなたがたに命めいじる戒いましめを、ことごとく守まもらなければならない。そうすればあなたがたは強つよくなり、渡わたって行いって取とろうとする地ちにはいって、それを取とることができ、
11:9 かつ、主しゅが先祖せんぞたちに誓ちかって彼かれらとその子孫しそんとに与あたえようと言いわれた地ち、乳ちちと蜜みつの流ながれる国くににおいて、長ながく生いきることができるであろう。
11:10 あなたがたが行いって取とろうとする地ちは、あなたがたが出でてきたエジプトの地ちのようではない。あそこでは、青物あおもの畑ばたけでするように、あなたがたは種たねをまき、足あしでそれに水みずを注そそいだ。
11:11 しかし、あなたがたが渡わたって行いって取とる地ちは、山やまと谷たにの多おおい地ちで、天てんから降ふる雨あめで潤うるおっている。
11:12 その地ちは、あなたの神かみ、主しゅが顧かえりみられる所ところで、年としの始はじめから年としの終おわりまで、あなたの神かみ、主しゅの目めが常つねにその上うえにある。
11:13 もし、きょう、あなたがたに命めいじるわたしの命令めいれいによく聞きき従したがって、あなたがたの神かみ、主しゅを愛あいし、心こころをつくし、精神せいしんをつくして仕つかえるならば、
11:14 主しゅはあなたがたの地ちに雨あめを、秋あきの雨あめ、春はるの雨あめともに、時ときにしたがって降ふらせ、穀物こくもつと、ぶどう酒しゅと、油あぶらを取とり入いれさせ、
11:15 また家畜かちくのために野のに草くさを生はえさせられるであろう。あなたは飽あきるほど食たべることができるであろう。
11:16 あなたがたは心こころが迷まよい、離はなれ去さって、他たの神々かみがみに仕つかえ、それを拝おがむことのないよう、慎つつしまなければならない。
11:17 おそらく主しゅはあなたがたにむかい怒いかりを発はっして、天てんを閉とざされるであろう。そのため雨あめは降ふらず、地ちは産物さんぶつを出ださず、あなたがたは主しゅが賜たまわる良よい地ちから、すみやかに滅ほろびうせるであろう。
11:18 それゆえ、これらのわたしの言葉ことばを心こころと魂たましいにおさめ、またそれを手てにつけて、しるしとし、目めの間あいだに置おいて覚おぼえとし、
11:19 これを子供こどもたちに教おしえ、家いえに座ざしている時ときも、道みちを歩あるく時ときも、寝ねる時ときも、起おきる時ときも、それについて語かたり、
11:20 また家いえの入口いりぐちの柱はしらと、門もんにそれを書かきしるさなければならない。
11:21 そうすれば、主しゅが先祖せんぞたちに与あたえようと誓ちかわれた地ちに、あなたがたの住すむ日数にっすうおよびあなたがたの子供こどもたちの住すむ日数にっすうは、天てんが地ちをおおう日数にっすうのように多おおいであろう。
11:22 もしわたしがあなたがたに命めいじるこのすべての命令めいれいをよく守まもって行おこない、あなたがたの神かみ、主しゅを愛あいし、そのすべての道みちに歩あゆみ、主しゅにつき従したがうならば、
11:23 主しゅはこの国々くにぐにの民たみを皆みな、あなたがたの前まえから追おい払はらわれ、あなたがたはあなたがたよりも大おおきく、かつ強つよい国々くにぐにを取とるに至いたるであろう。
11:24 あなたがたが足あしの裏うらで踏ふむ所ところは皆みな、あなたがたのものとなり、あなたがたの領域りょういきは荒野あらのからレバノンに及および、また大川おおかわユフラテから西にしの海うみに及およぶであろう。
11:25 だれもあなたがたに立たち向むかうことのできる者ものはないであろう。あなたがたの神かみ、主しゅは、かつて言いわれたように、あなたがたの踏ふみ入いる地ちの人々ひとびとが、あなたがたを恐おそれおののくようにされるであろう。
11:26 見みよ、わたしは、きょう、あなたがたの前まえに祝福しゅくふくと、のろいとを置おく。
11:27 もし、きょう、わたしがあなたがたに命めいじるあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいに聞きき従したがうならば、祝福しゅくふくを受うけるであろう。
11:28 もしあなたがたの神かみ、主しゅの命令めいれいに聞きき従したがわず、わたしが、きょう、あなたがたに命めいじる道みちを離はなれ、あなたがたの知しらなかった他たの神々かみがみに従したがうならば、のろいを受うけるであろう。
11:29 あなたの神かみ、主しゅが、あなたの行いって占領せんりょうする地ちにあなたを導みちびき入いれられる時とき、あなたはゲリジム山やまに祝福しゅくふくを置おき、エバル山やまにのろいを置おかなければならない。
11:30 これらの山やまはヨルダンの向むこう側がわ、アラバに住すんでいるカナンびとの地ちで、日ひの入いる方ほうの道みちの西側にしがわにあり、ギルガルに向むかいあって、モレのテレビンの木きの近ちかくにあるではないか。
11:31 あなたがたはヨルダンを渡わたり、あなたがたの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちにはいって、それを占領せんりょうしようとしている。あなたがたはそれを占領せんりょうして、そこに住すむであろう。
11:32 それゆえ、わたしが、きょう、あなたがたに授さづける定さだめと、おきてをことごとく守まもって行おこなわなければならない。