口語訳聖書(振り仮名付き)

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第11章    Jg-Audio 

11:1 さてギレアデびとエフタはつよ勇士ゆうしであったが遊女ゆうじょで、エフタのちちはギレアデであった。

11:2 ギレアデのつま子供こどもんだが、そのつま子供こどもたちが成長せいちょうしたとき、かれらはエフタをしてかれった、「あなたはほかのおんなんだだから、わたしたちのちちいえぐことはできません」。

11:3 それでエフタはその兄弟きょうだいたちのもとからって、トブのんでいると、やくざものがエフタのもとにあつまってきて、かれ一緒いっしょかけて略奪りゃくだつこととしていた。

11:4 がたってのち、アンモンの人々ひとびとはイスラエルとたたかうことになり、

11:5 アンモンの人々ひとびとがイスラエルとたたかったとき、ギレアデの長老ちょうろうたちはってエフタをトブのかられてこようとして、

11:6 エフタにった、「きて、わたしたちの大将たいしょうになってください。そうすればわたしたちはアンモンの人々ひとびとたたかうことができます」。

11:7 エフタはギレアデの長老ちょうろうたちにった、「あなたがたはわたしをにくんで、わたしのちちいえからしたではありませんか。しかるにいまあなたがたがこまっているときとはいえ、わたしのところにるとはどういうわけですか」。

11:8 ギレアデの長老ちょうろうたちはエフタにった、「それでわたしたちはいま、あなたにかえったのです。どうぞ、わたしたちと一緒いっしょって、アンモンの人々ひとびとたたかってください。そしてわたしたちとギレアデにんでいるすべてのものとのかしらになってください」。

11:9 エフタはギレアデの長老ちょうろうたちにった、「もしあなたがたが、わたしをつれてかえって、アンモンの人々ひとびとたたかわせるとき、しゅかれらをわたしにわたされるならば、わたしはあなたがたのかしらとなりましょう」。

11:10 ギレアデの長老ちょうろうたちはエフタにった、「しゅはあなたとわたしたちのあいだ証人しょうにんです。わたしたちはかならずあなたのわれるとおりにしましょう」。

11:11 そこでエフタはギレアデの長老ちょうろうたちと一緒いっしょった。たみかれてて自分じぶんたちのかしらとし、大将たいしょうとした。それでエフタはミヅパで、自分じぶん言葉ことばをことごとくしゅまえべた。

11:12 かくてエフタはアンモンの人々ひとびとおう使者ししゃをつかわしてった、「あなたはわたしとなんのかかわりがあって、わたしのところへめてきて、わたしのくにたたかおうとするのですか」。

11:13 アンモンの人々ひとびとおうはエフタの使者ししゃこたえた、「むかし、イスラエルがエジプトからのぼってきたとき、アルノンからヤボクにおよび、またヨルダンにおよぶわたしのくにうばったからです。それゆえいまおだやかにそれをかえしなさい」。

11:14 エフタはまた使者ししゃをアンモンの人々ひとびとおうにつかわして、

11:15 わせた、「エフタはこうもうします、『イスラエルはモアブのも、またアンモンの人々ひとびとりませんでした。

11:16 イスラエルはエジプトからのぼってきたとき、荒野あらのをとおって紅海こうかいにいたり、カデシにきました。

11:17 そしてイスラエルは使者ししゃをエドムのおうにつかわして「どうぞ、われわれにあなたのくにとおらせてください」とわせましたが、エドムのおうきいれませんでした。またおなじようにひとをモアブのおうにつかわしたが、かれ承諾しょうだくしなかったので、イスラエルはカデシにとどまりました。

11:18 それから荒野あらのをとおって、エドムのとモアブのまわり、モアブの東部とうぶたっし、アルノンのこうに宿営しゅくえいしましたがモアブの領域りょういきには、はいりませんでした。アルノンはモアブのさかいだからです。

11:19 つぎにイスラエルはヘシボンのおうすなわちアモリびとのおうシホンに使者ししゃをつかわし、シホンにかって「どうぞ、われわれにあなたのくにをとおって、われわれの目的もくてきかせてください」とわせました。

11:20 ところがシホンはイスラエルをしんぜず、その領域りょういきとおらせないばかりか、かえってすべてのたみあつめてヤハヅにじんり、イスラエルとたたかいましたが、

11:21 イスラエルのかみしゅはシホンとそのすべてのたみをイスラエルのにわたされたので、イスラエルはかれらをやぶって、その土地とちんでいたアモリびとのをことごとく占領せんりょうし、

11:22 アルノンからヤボクまでと、荒野あらのからヨルダンまで、アモリびとの領域りょういきをことごとく占領せんりょうしました。

11:23 このようにイスラエルのかみしゅはそのたみイスラエルのまえからアモリびとをはらわれたのに、あなたはそれをろうとするのですか。

11:24 あなたは、あなたのかみケモシがあなたにらせるものをらないのですか。われわれはわれわれのかみしゅがわれわれのまえからはらわれたものの土地とちるのです。

11:25 あなたはモアブのおうチッポルのバラクにまさるものですか。バラクはかつてイスラエルとあらそったことがありますか。かつてかれらとたたかったことがありますか。

11:26 イスラエルはヘシボンとその村里むらざとみ、またアロエルとその村里むらざとおよびアルノンのきし沿うすべての町々まちまちむこと三百ねんになりますが、あなたがたはどうしてそのかんにそれをりもどさなかったのですか。

11:27 わたしはあなたになにわることをしたこともないのに、あなたはわたしとたたかって、わたしにがいくわえようとします。審判者しんぱんしゃであられるしゅよ、どうぞ、きょう、イスラエルの人々ひとびととアンモンの人々ひとびととのあいだをおさばきください』」。

11:28 しかしアンモンの人々ひとびとおうはエフタがいつかわした言葉ことばをききいれなかった。

11:29 ときしゅれいがエフタにのぞみ、エフタはギレアデおよびマナセをとおって、ギレアデのミヅパにき、ギレアデのミヅパからすすんでアンモンの人々ひとびとのところにった。

11:30 エフタはしゅ誓願せいがんててった、「もしあなたがアンモンの人々ひとびとをわたしのにわたされるならば、

11:31 わたしがアンモンの人々ひとびとってかえるときに、わたしのいえ戸口とぐちからてきて、わたしをむかえるものはだれでもしゅのものとし、そのもの燔祭はんさいとしてささげましょう」。

11:32 エフタはアンモンの人々ひとびとのところにすすんでって、かれらとたたかったが、しゅかれらをエフタのにわたされたので、

11:33 アロエルからミンニテの附近ふきんまで、二十のまちはいり、アベル・ケラミムにいたるまで、非常ひじょうおおくのひところした。こうしてアンモンの人々ひとびとはイスラエルの人々ひとびとまえせられた。

11:34 やがてエフタはミヅパにかえり、自分じぶんいえると、かれむすめつづみをもち、おどってかれ出迎でむかえた。彼女かのじょはエフタのひとりで、ほかに男子だんし女子じょしもなかった。

11:35 エフタは彼女かのじょると、ころもいてった、「ああ、むすめよ、あなたはまったくわたしをちのめした。わたしをなやますものとなった。わたしがしゅちかったのだからあらためることはできないのだ」。

11:36 むすめった、「ちちよ、あなたはしゅちかわれたのですから、しゅがあなたのために、あなたのてきアンモンの人々ひとびと報復ほうふくされたいま、あなたがわれたとおりにわたしにしてください」。

11:37 むすめはまたちちった、「どうぞ、このことをわたしにさせてください。すなわち二かげつあいだわたしをゆるし、ともだちと一緒いっしょって、山々やまやまをゆきめぐり、わたしの処女しょじょであることをなげかせてください」。

11:38 エフタは「きなさい」とって、彼女かのじょを二かげつあいだしてやった。彼女かのじょともだちと一緒いっしょって、やまうえ自分じぶん処女しょじょであることをなげいたが、

11:39 二かげつのちちちのもとにかえってきたので、ちちちかった誓願せいがんのとおりに彼女かのじょにおこなった。彼女かのじょはついにおとこらなかった。

11:40 これによって年々ねんねんイスラエルのむすめたちはって、ねんに四ほどギレアデびとエフタのむすめのためになげくことがイスラエルのならわしとなった。 

第12章 

12:1 エフライムの人々ひとびとあつまってザポンにき、エフタにった、「なぜあなたはすすんでってアンモンの人々ひとびとたたかいながら、われわれをまねいて一緒いっしょかせませんでしたか。われわれはあなたのいえをつけてあなたを一緒いっしょいてしまいます」。

12:2 エフタはかれらにった、「かつてわたしとわたしのたみがアンモンの人々ひとびとおおいにあらそったとき、あなたがたをんだが、あなたがたはわたしをかれらのからすくってくれませんでした。

12:3 あなたがたがすくってくれないのをたから、わたしはいのちがけでアンモンの人々ひとびとのところへめてきますと、しゅかれらをわたしのにわたされたのです。どうしてあなたがたは、きょう、わたしのところにのぼってきて、わたしとたたかおうとするのですか」。

12:4 そこでエフタはギレアデの人々ひとびとをことごとくあつめてエフライムとたたかい、ギレアデの人々ひとびとはエフライムをやぶった。これはエフライムが「ギレアデびとよ、あなたがたはエフライムとマナセのうちにいるエフライムの落人おちうどだ」とったからである。

12:5 そしてギレアデびとはエフライムにわたるヨルダンのわたおさえたので、エフライムの落人おちうどが「わたらせてください」とうとき、ギレアデの人々ひとびとは「あなたはエフライムびとですか」とい、そのひとがもし「そうではありません」とうならば、

12:6 またそのひとに「では『シボレテ』とってごらんなさい」とい、そのひとがそれをただしく発音はつおんすることができないで「セボレテ」とうときは、そのひととらえて、ヨルダンのわたころした。そのときエフライムびとのたおれたものは四万二千にんであった。

12:7 エフタは六ねんあいだイスラエルをさばいた。ギレアデびとエフタはついにんで、ギレアデの自分じぶんまちほうむられた。

12:8 かれのちにベツレヘムのイブザンがイスラエルをさばいた。

12:9 かれに三十にんのむすこがあった。また三十にんむすめがあったが、それを自分じぶん氏族しぞく以外いがいものにとつがせ、むすこたちのためには三十にんむすめをほかからめとった。かれは七ねんあいだイスラエルをさばいた。

12:10 イブザンはついにんで、ベツレヘムにほうむられた。

12:11 かれのちにゼブルンびとエロンがイスラエルをさばいた。かれは十ねんあいだイスラエルをさばいた。

12:12 ゼブルンびとエロンはついにんで、ゼブルンののアヤロンにほうむられた。

12:13 かれのちにピラトンびとヒレルのアブドンがイスラエルをさばいた。

12:14 かれに四十にんのむすこおよび三十にんまごがあり、七十とうのろばにった。かれは八ねんあいだイスラエルをさばいた。

12:15 ピラトンびとヒレルのアブドンはついにんで、エフライムののアマレクびとの山地さんちにあるピラトンにほうむられた。 

第13章 

13:1 イスラエルの人々ひとびとがまたしゅまえあくおこなったので、しゅかれらを四十ねんあいだペリシテびとのにわたされた。

13:2 ここにダンびとの氏族しぞくもので、をマノアというゾラのひとがあった。そのつまはうまずめで、んだことがなかった。

13:3 しゅ使つかいがそのおんなあらわれてった、「あなたはうまずめで、んだことがありません。しかし、あなたはごもっておとこむでしょう。

13:4 それであなたはをつけて、ぶどうしゅまたはさけんではなりません。またすべてけがれたものをべてはなりません。

13:5 あなたはごもっておとこむでしょう。そのあたまにかみそりをあててはなりません。そのうまれたときからかみにささげられたナジルびとです。かれはペリシテびとのからイスラエルをすくはじめるでしょう」。

13:6 そこでそのおんなはきておっとった、「かみひとがわたしのところにきました。そのかおかたちはかみ使つかいかおかたちのようで、たいそうおそろしゅうございました。わたしはそのひとが、どこからきたのかたずねませんでしたが、そのひともわたしにげませんでした。

13:7 しかしそのひとはわたしに『あなたはごもっておとこむでしょう。それであなたはぶどうしゅまたはさけんではなりません。またすべてけがれたものをべてはなりません。そのうまれたときからまでかみにささげられたナジルびとです』ともうしました」。

13:8 そこでマノアはしゅねがもとめてった、「ああ、しゅよ、どうぞ、あなたがさきにつかわされたかみひとをもう一わたしたちにのぞませて、わたしたちがそのうまれるになすべきことをおしえさせてください」。

13:9 かみがマノアのねがいをかれたので、かみ使つかいおんなはたけしていたとき、ふたたび彼女かのじょのぞんだ。しかしおっとマノアは一緒いっしょにいなかった。

13:10 おんないそはしってっておっとった、「さきごろ、わたしにのぞまれたひとがまたわたしにあらわれました」。

13:11 マノアはってつまのあとについてき、そのひとのもとにってった、「あなたはかつてこのおんなにおげになったおかたですか」。そのひとった、「そうです」。

13:12 マノアはった、「あなたのわれたことが事実じじつとなったとき、そのそだかたおよびこれになすべきことはなんでしょうか」。

13:13 しゅ使つかいはマノアにった、「わたしがさきにおんなったことはみなまもらせなければなりません。

13:14 すなわちぶどうのからさんするものはすべてべてはなりません。またぶどうしゅさけんではなりません。またすべてけがれたものをべてはなりません。わたしが彼女かのじょめいじたことはみなまもらせなければなりません」。

13:15 マノアはしゅ使つかいった、「どうぞ、わたしたちに、あなたをめさせ、あなたのためにやぎをそなえさせてください」。

13:16 しゅ使つかいはマノアにった、「あなたがわたしをめても、わたしはあなたの食物しょくもつをたべません。しかしあなたが燔祭はんさいそなえようとなさるのであれば、しゅにそれをささげなさい」。マノアはかれしゅ使つかいであるのをらなかったからである。

13:17 マノアはしゅ使つかいった、「あなたのはなんといいますか。あなたのわれたことが事実じじつとなったとき、わたしたちはあなたをあがめましょう」。

13:18 しゅ使つかいかれった、「わたしの不思議ふしぎです。どうしてあなたはそれをたずねるのですか」。

13:19 そこでマノアはやぎとそさいとをとり、いわうえでそれをしゅにささげた。しゅ不思議ふしぎなことをされ、マノアとそのつまはそれをた。

13:20 すなわちほのお祭壇さいだんからてんにあがったとき、しゅ使つかい祭壇さいだんほのおのうちにあってのぼった。マノアとそのつまて、にひれした。

13:21 しゅ使つかいはふたたびマノアとそのつまあらわれなかった。そのときマノアはかれしゅ使つかいであることをった。

13:22 マノアはつまかってった、「わたしたちはかみたから、きっとぬであろう」。

13:23 つまかれった、「しゅがもし、わたしたちをころそうとおもわれたのならば、わたしたちのから燔祭はんさい素祭そさいをおうけにならなかったでしょう。またこれらのすべてのことをわたしたちにおしめしになるはずはなく、またいまわたしたちにこのようなことをおげにならなかったでしょう」。

13:24 やがておんなおとこんで、そのをサムソンとんだ。その成長せいちょうし、しゅかれめぐまれた。

13:25 しゅれいはゾラとエシタオルのあいだのマハネダンにおいてはじめてかれ感動かんどうさせた。 

第14章 

14:1 サムソンはテムナにくだってき、ペリシテびとのむすめで、テムナにむひとりのおんなた。

14:2 かれかえってきて父母ふぼった、「わたしはペリシテびとのむすめで、テムナにむひとりのおんなました。彼女かのじょをめとってわたしのつまにしてください」。

14:3 父母ふぼった、「あなたがって、割礼かつれいをうけないペリシテびとのうちからつまむかえようとするのは、身内みうちむすめたちのうちに、あるいはわたしたちのすべてのたみのうちにおんながないためなのですか」。しかしサムソンはちちった、「彼女かのじょをわたしにめとってください。彼女かのじょはわたしのこころにかないますから」。

14:4 父母ふぼはこのことしゅからたものであることをらなかった。サムソンはペリシテびとをめようと、おりをうかがっていたからである。そのころペリシテびとはイスラエルをおさめていた。

14:5 かくてサムソンは父母ふぼともにテムナにくだってった。かれがテムナのぶどうはたけくと、一とうわかいししがほえたけってかれかってきた。

14:6 ときしゅれいはげしくかれのぞんだので、かれはあたかもやぎをくようにそのししをいたが、にはなんの武器ぶきっていなかった。しかしサムソンはそのしたことをちちにもははにもげなかった。

14:7 サムソンはくだってっておんなはなったが、おんなはサムソンのこころにかなった。

14:8 がたってのち、サムソンは彼女かのじょをめとろうとしてかえったが、みちてんじて、かのししのしかばねをると、ししのからだに、はちのれと、みつがあった。

14:9 かれはそれをかきあつめ、にとってあるきながらべ、父母ふぼのもとにかえって、かれらにあたえたので、かれらもそれをべた。しかし、ししのからだからそのみつをかきあつめたことはかれらにげなかった。

14:10 そこでちちくだって、おんなのもとにったので、サムソンはそこにふるまいをもうけた。そうすることは花婿はなむこのならわしであったからである。

14:11 人々ひとびとはサムソンをると、三十にんきゃくれてきて、同席どうせきさせた。

14:12 サムソンはかれらにった、「わたしはあなたがたに一つのなぞをしましょう。あなたがたがもし七日なぬかのふるまいのうちにそれをいて、わたしにげることができたなら、わたしはあなたがたに亜麻あま着物きもの三十と、三十をさしあげましょう。

14:13 しかしあなたがたが、それをわたしにげることができなければ、亜麻あま着物きもの三十と三十をわたしにくれなければなりません」。かれらはサムソンにった、「なぞをしなさい。わたしたちはそれをきましょう」。

14:14 サムソンはかれらにった、

らうものからものつよものからあまものた」。
かれらは三のあいだなぞをくことができなかった。

14:15 四になって、かれらはサムソンのつまった、「あなたのおっときすすめて、なぞをわたしたちにかすようにしてください。そうしなければ、わたしたちはをつけてあなたとあなたのちちいえいてしまいます。あなたはわたしたちのものるために、わたしたちをまねいたのですか」。

14:16 そこでサムソンのつまはサムソンのまえいてった、「あなたはただわたしをにくむだけで、あいしてくれません。あなたはわたしのくに人々ひとびとになぞをして、それをわたしにかしませんでした」。サムソンは彼女かのじょった、「わたしは自分じぶんちちにもははにもかさなかった。どうしてあなたにかせよう」。

14:17 彼女かのじょ七日なぬかのふるまいのあいだかれまえいていたが、七日なぬかになって、サムソンはついに彼女かのじょかした。ひどくかれせまったからである。そこで彼女かのじょはなぞを自分じぶんくに人々ひとびとにあかした。

14:18 七日なぬかになって、ぼっするまえまち人々ひとびとはサムソンにった、

みつよりあまいものになにがあろう。ししよりつよいものになにがあろう」。
サムソンはかれらにった、
「わたしのわか雌牛めうしたがやさなかったなら、わたしのなぞはけなかった」。

14:19 このときしゅれいはげしくサムソンにのぞんだので、サムソンはアシケロンにくだってって、そのまちもの三十にんころし、かれらからはぎって、かのなぞをいた人々ひとびとに、そのあたえ、はげしくいかってちちいえかえった。

14:20 サムソンのつま花婿はなむこ付添人つきそいにんであったきゃくつまとなった。 

第15章 

15:1 がたってのちむぎかりときにサムソンはやぎをたずさえてつまをおとずれ、「へやにはいって、つまいましょう」とったが、つまちちははいることをゆるさなかった。

15:2 そしてちちった、「あなたがたしかに彼女かのじょをきらったに相違そういないとおもったので、わたしは彼女かのじょをあなたのきゃくであったものにやりました。彼女かのじょいもうと彼女かのじょよりもきれいではありませんか。どうぞ、彼女かのじょかわりにいもうとをめとってください」。

15:3 サムソンはかれらにった、「今度こんどはわたしがペリシテびとにがいくわえても、かれらのことでは、わたしにつみがない」。

15:4 そこでサムソンはって、きつね三百ひきとらえ、たいまつをとり、をあわせて、その二つのあいだに一つのたいまつをむすびつけ、

15:5 たいまつにをつけて、そのきつねをペリシテびとのまだらないむぎなかはなれ、そのたばねんだものと、まだらないものとをき、オリブはたけをもいた。

15:6 ペリシテびとはった、「これはだれのしわざか」。人々ひとびとった、「テムナびとの婿むこサムソンだ。そのしゅうとがサムソンのつまかえして、そのきゃくであったものあたえたからだ」。そこでペリシテびとはのぼってきて彼女かのじょとそのちちいえはらった。

15:7 サムソンはかれらにった、「あなたがたがそんなことをするならば、わたしはあなたがたに仕返しかえしせずにはおかない」。

15:8 そしてサムソンはかれらを、さんざんにってだいぜいころした。こうしてサムソンはくだってって、エタムのいわんでいた。

15:9 そこでペリシテびとはのぼってきて、ユダにじんり、レヒをめたので、

15:10 ユダの人々ひとびとった、「あなたがたはどうしてわれわれのところにめのぼってきたのですか」。かれらはった、「われわれはサムソンをしばり、かれがわれわれにしたように、かれにするためにのぼってきたのです」。

15:11 そこでユダの人々ひとびと三千にんがエタムのいわくだってって、サムソンにった、「ペリシテびとはわれわれの支配者しはいしゃであることをあなたはらないのですか。あなたはどうしてわれわれにこんなことをしたのですか」。サムソンはかれらにった、「かれらがわたしにしたように、わたしはかれらにしたのです」。

15:12 かれらはまたサムソンにった、「われわれはあなたをしばって、ペリシテびとのにわたすためにくだってきたのです」。サムソンはかれらにった、「あなたがた自身じしんはわたしをたないということをちかいなさい」。

15:13 かれらはサムソンにった、「いや、われわれはただ、あなたをしばって、ペリシテびとのにわたすだけです。けっしてあなたをころしません」。かれらは二ほんあたらしいつなをもってかれしばって、いわからひきあげた。

15:14 サムソンがレヒにきたとき、ペリシテびとはこえをあげて、かれちかづいた。そのときしゅれいはげしくかれのぞんだので、かれうでにかかっていたつなけた亜麻あまのようになって、そのなわめがからけてちた。

15:15 かれはろばのあたらしいあごほね一つをつけたので、べてり、それをもって一千にんころした。

15:16 そしてサムソンはった、

「ろばのあごほねをもってやままたやまきずき、ろばのあごほねをもって一千にんころした」。

15:17 かれおわると、そのからあごほねげすてた。これがためにそのところは「あごほねおか」とばれた。

15:18 ときかれはひどくかわきをおぼえたので、しゅばわってった、「あなたはしもべのをもって、このおおきなすくいほどこされたのに、わたしはいま、かわいてに、割礼かつれいをうけないもののおちいろうとしています」。

15:19 そこでかみはレヒにあるくぼんだところかれたので、そこからみずながた。サムソンがそれをむとかれれいはもとにかえってもとづいた。それでそのを「ばわったものいずみ」とんだ。これは今日こんにちまでレヒにある。

15:20 サムソンはペリシテびとの時代じだいに二十ねんあいだイスラエルをさばいた。 

第16章 

16:1 サムソンはガザへって、そこでひとりの遊女ゆうじょ、そのおんなのところにはいった。

16:2 「サムソンがここにきた」と、ガザの人々ひとびとげるものがあったので、ガザの人々ひとびとはそのところかこみ、夜通よどおまちもんせし、「われわれはあさまでってかれころそう」とって、夜通よどおしずかにしていた。

16:3 サムソンは夜中よなかまでたが、夜中よなかきて、まちもんのとびらと二つの門柱もんちゅうをかけて、かんもろともにき、かたせて、ヘブロンのかいにあるやまいただきはこんでった。

16:4 こののち、サムソンはソレクのたににいるデリラというおんなあいした。

16:5 ペリシテびとのきみたちはそのおんなのところにきてった、「あなたはサムソンをきすすめて、かれ大力だいりきはどこにあるのか、またわれわれはどうすればかれって、かれしばくるしめることができるかをつけなさい。そうすればわれわれはおのおのぎん千百まいずつをあなたにさしあげましょう」。

16:6 そこでデリラはサムソンにった、「あなたの大力だいりきはどこにあるのか、またどうすればあなたをしばってくるしめることができるか、どうぞわたしにかせてください」。

16:7 サムソンはおんなった、「人々ひとびとがもし、かわいたことのない七ほんあたらしい弓弦ゆみづるをもってわたしをしばるなら、わたしはよわくなってほかのひとのようになるでしょう」。

16:8 そこでペリシテびとのきみたちが、かわいたことのない七ほんあたらしい弓弦ゆみづるおんなってきたので、おんなはそれをもってサムソンをしばった。

16:9 おんなはかねておくのへやにひとしのばせておいて、サムソンにった、「サムソンよ、ペリシテびとがあなたにせまっています」。しかしサムソンはその弓弦ゆみづるを、あたかも亜麻あまいとにあってたれるようにった。こうしてかれちから秘密ひみつれなかった。

16:10 デリラはサムソンにった、「あなたはわたしをあざむいて、うそをいました。どうしたらあなたをしばることができるか、どうぞいまわたしにかせてください」。

16:11 サムソンはおんなった、「もし人々ひとびとがまだもちいたことのないあたらしいつなをもって、わたしをしばるなら、よわくなってほかのひとのようになるでしょう」。

16:12 そこでデリラはあたらしいつなをとり、それをもってかれしばり、そしてかれった、「サムソンよ、ペリシテびとがあなたにせまっています」。とき人々ひとびとおくのへやにしのんでいたが、サムソンはそのつないとのようにうでからおとした。

16:13 そこでデリラはサムソンにった、「あなたはいままで、わたしをあざむいて、うそをいましたが、どうしたらあなたをしばることができるか、わたしにかせてください」。かれおんなった、「あなたがもし、わたしのかみ七ふさをはた縦糸たていと一緒いっしょって、くぎでそれをめておくならば、わたしはよわくなってほかのひとのようになるでしょう」。そこでかれ ねむったとき、デリラはサムソンのかみ、七ふさをとって、それをはた縦糸たていとみ、

16:14 くぎでそれをめておいて、かれった、「サムソンよ、ペリシテびとがあなたにせまっています」。しかしサムソンはをさまして、くぎとはた縦糸たていととをいた。

16:15 そこでおんなはサムソンにった、「あなたのこころがわたしをはなれているのに、どうして『おまえをあいする』とうことができますか。あなたはすでに三もわたしをあざむき、あなたの大力だいりきがどこにあるかをわたしにげませんでした」。

16:16 おんな毎日まいにちその言葉ことばをもってかれせまうながしたので、かれたましいぬばかりにくるしんだ。

16:17 かれはついにそのこころをことごとくけておんなった、「わたしのあたまにはかみそりをてたことがありません。わたしはうまれたときからかみにささげられたナジルびとだからです。もしかみをそりおとされたなら、わたしのちからってよわくなり、ほかのひとのようになるでしょう」。

16:18 デリラはサムソンがそのこころをことごとくけたのをひとをつかわしてペリシテびとのきみたちをんでった、「サムソンはそのこころをことごとくわたしにけましたから、今度こんどこそのぼっておいでなさい」。そこでペリシテびとのきみたちは、ぎんたずさえておんなのもとにのぼってきた。

16:19 おんな自分じぶんのひざのうえにサムソンをねむらせ、ひとんでかみ、七ふさをそりおとさせ、かれくるしめはじめたが、そのちからかれっていた。

16:20 そしておんなが「サムソンよ、ペリシテびとがあなたにせまっています」とったので、かれをさましてった、「わたしはいつものようにって、からだをゆすろう」。かれしゅ自分じぶんられたことをらなかった。

16:21 そこでペリシテびとはかれとらえて、りょうをえぐり、ガザにいてって、青銅せいどうあしかせをかけてかれをつないだ。こうしてサムソンは獄屋ごくやなかで、うすをひいていたが、

16:22 そのかみはそりおとされたのち、ふたたびはじめた。

16:23 さてペリシテびとのきみたちは、かれらのかみダゴンにおおいなる犠牲ぎせいをささげてしゅくをしようと、ともあつまってった、「われわれのかみは、てきサムソンをわれわれのにわたされた」。

16:24 たみはサムソンをて、自分じぶんたちのかみをほめたたえてった、「われわれのかみは、われわれのくにあらし、われわれをおおころしたてきをわれわれのにわたされた」。

16:25 かれらはまたこころよろこんでった、「サムソンをんで、われわれのためにごとをさせよう」。かれらは獄屋ごくやからサムソンをして、かれらのまえごとをさせた。かれらがサムソンをはしらのあいだにたせると、

16:26 サムソンは自分じぶんをひいている若者わかものった、「わたしのはなして、このいえをささえているはしらをさぐらせ、それにりかからせてください」。

16:27 そのいえには男女だんじょち、ペリシテびとのきみたちもみなそこにいた。また屋根やねうえには三千にんばかりの男女だんじょがいて、サムソンのごとをするのをていた。

16:28 サムソンはしゅばわってった、「ああ、しゅなるかみよ、どうぞ、わたしをおぼえてください。ああ、かみよ、どうぞもう一、わたしをつよくして、わたしの二つのの一つのためにでもペリシテびとにあだをむくいさせてください」。

16:29 そしてサムソンは、そのいえをささえている二つのなかはしらの一つをみぎに、一つをひだりにかかえて、をそれにせ、

16:30 「わたしはペリシテびとととものう」とって、ちからをこめてをかがめると、いえはそのなかにいたきみたちと、すべてのたみうえたおれた。こうしてサムソンがぬときにころしたものは、きているときにころしたものよりもおおかった。

16:31 やがてかれ身内みうちひとたちおよびちち家族かぞくものがみなくだってきて、かれり、たずさのぼって、ゾラとエシタオルのあいだにあるちちマノアのはかほうむった。サムソンがイスラエルをさばいたのは二十ねんであった。 

第17章 

17:1 ここにエフライムの山地さんちひとで、をミカとぶものがあった。

17:2 かれははった、「あなたはかつてぎん千百まいられたので、それをのろい、わたしにもはなされましたが、そのぎんはわたしがっています。わたしがそれをったのです」。ははった、「どうぞしゅがわが祝福しゅくふくされますように」。

17:3 そしてかれぎん千百まいははかえしたので、ははった、「わたしはわたしののために一つのきざんだぞうと、一つのぞうつくるためにそのぎんをわたしのからしゅ献納けんのうします。それでいまそれをあなたにかえしましょう」。

17:4 ミカがそのぎんははかえしたので、はははそのぎん二百まいをとって、それをぎん細工人ざいくにんあたえ、一つのきざんだぞうと、一つのぞうつくらせた。そのぞうはミカのいえにあった。

17:5 このミカというひとかみみやをもち、エポデとテラピムを つくり、そののひとりをてて、自分じぶん祭司さいしとした。

17:6 そのころイスラエルにはおうがなかったので、人々ひとびとはおのおの自分じぶんたちのただしいとおもうことをおこなった。

17:7 さてここにユダの氏族しぞくのもので、ユダのベツレヘムからきたひとりの若者わかものがあった。かれはレビびとであって、そこに寄留きりゅうしていたのである。

17:8 このひと自分じぶんむべきところをたずねて、ユダのベツレヘムのまちり、たびしてエフライムの山地さんちのミカのいえにきた。

17:9 ミカはかれった、「あなたはどこからおいでになりましたか」。かれった、「わたしはユダのベツレヘムのレビびとですが、むべきところをたずねてたびをしているのです」。

17:10 ミカはった、「わたしと一緒いっしょにいて、わたしのためにちちとも祭司さいしともなってください。そうすればねんぎんまい衣服いふくひとそろいと食物しょくもつとをさしあげましょう」。

17:11 レビびとはついにそのひと一緒いっしょむことを承諾しょうだくした。そしてその若者わかものかれのひとりのようになった。

17:12 ミカはレビびとであるこの若者わかものてて自分じぶん祭司さいしとしたので、かれはミカのいえにいた。

17:13 それでミカはった、「いまわたしはレビびとを祭司さいしつようになったので、しゅがわたしをおめぐみくださることがわかりました」。 

第18章 

18:1 そのころイスラエルにはおうがなかった。そのころダンびとの部族ぶぞくはイスラエルの部族ぶぞくのうちにあって、そのまでまだぎょうなかったので自分じぶんたちのむべきぎょうもとめていた。

18:2 それでダンの人々ひとびと自分じぶん部族ぶぞく総勢そうぜいのうちから、勇者ゆうしゃにんをゾラとエシタオルからつかわして土地とちをうかがいさぐらせた。すなわちかれらにった、「って土地とちさぐってきなさい」。かれらはエフライムの山地さんちき、ミカのいえいて、そこに宿やどろうとした。

18:3 かれらがミカのいえちかづいたとき、レビびとである若者わかものこえきわけたので、をめぐらしてそこにはいってかれった、「だれがあなたをここにれてきたのですか。あなたはここでなにをしているのですか。ここになんのようがあるのですか」。

18:4 若者わかものかれらにった、「ミカが、かようかようにしてわたしをやとったので、わたしはその祭司さいしとなったのです」。

18:5 かれらはった、「どうぞ、かみうかがって、われわれがみちにしあわせがあるかどうかをらせてください」。

18:6 その祭司さいしかれらにった、「安心あんしんしてきなさい。あなたがたがみちしゅ見守みまもっておられます」。

18:7 そこで五にんものってライシにき、そこにいるたみると、かれらはやすらかにまい、そのおだやかでやすらかなことシドンびとのようであって、このくにには一つとしてけたものがなく、とみち、またシドンびとととおはなれており、ほかのたみまじわることがなかった。

18:8 かくてかれらがゾラとエシタオルにおる兄弟きょうだいたちのもとにかえってくると、兄弟きょうだいたちはかれらにった、「いかがでしたか」。

18:9 かれらはった、「ってかれらのところにのぼりましょう。われわれはかのたが、非常ひじょうゆたかです。あなたがたはなぜじっとしているのですか。ためらわずにすすんでって、かのりなさい。

18:10 あなたがたがけば、やすらかにおるたみところくでしょう。そのひろく、かみはそれをあなたがたのたまわるのです。そこにはにあるもの一つとしてけているものはありません」。

18:11 そこでダンの氏族しぞくのもの六百にん武器ぶきびて、ゾラとエシタオルを出発しゅっぱつし、

18:12 のぼってってユダのキリアテ・ヤリムにじんった。このゆえに、そのところ今日こんにちまでマハネダンとばれる。それはキリアテ・ヤリムの西にしにある。

18:13 かれらはそこからエフライムの山地さんちすすみ、ミカのいえいた。

18:14 かのライシのくにをうかがいにった五にんものはその兄弟きょうだいたちにった、「あなたがたはこれらのいえにエポデとテラピムときざんだぞうぞうのあるのをっていますか。それであなたがたはいま、なすべきことをめなさい」。

18:15 そこでかれらはそのほうをめぐらして、かのレビびとの若者わかものいえすなわちミカのいえって、かれ安否あんぴうた。

18:16 しかし武器ぶきびた六百にんのダンの人々ひとびともん入口いりぐちっていた。

18:17 かの土地とちをうかがいにった五にんもののぼってって、そこにはいり、きざんだぞうとエポデとテラピムとぞうとをったが、祭司さいし武器ぶきびた六百にんものとももん入口いりぐちっていた。

18:18 かれらがミカのいえにはいってきざんだぞうとエポデとテラピムとぞうとをったとき祭司さいしかれらにった、「あなたがたはなにをなさいますか」。

18:19 かれらはった、「だまりなさい。あなたのくちにあてて、われわれと一緒いっしょにきて、われわれのためにちちとも祭司さいしともなりなさい。ひとりのいえ祭司さいしであるのと、イスラエルのいち部族ぶぞくいち氏族しぞく祭司さいしであるのと、どちらがよいですか」。

18:20 祭司さいしよろこんで、エポデとテラピムときざんだぞうとをり、たみのなかにくわわった。

18:21 かくてかれらはをめぐらしてり、そのともたちと家畜かちくざいをさきにたててすすんだが、

18:22 ミカのいえをはるかにはなれたとき、ミカはいえちかいえ人々ひとびとあつめ、ダンの人々ひとびといつき、

18:23 ダンの人々ひとびとんだので、かれらはふりいてミカにった、「あなたがそのように仲間なかまれてきたのは、どうしたのですか」。

18:24 かれった、「あなたがたが、わたしのつくった神々かみがみおよび祭司さいしうばったので、わたしになにのこっていますか。しかるにあなたがたがわたしにかって『どうしたのですか』とわれるとは何事なにごとですか」。

18:25 ダンの人々ひとびとかれった、「あなたはおおきなこえさないがよい。あら連中れんちゅうがあなたにちかかって、あなたは自分じぶんいのち家族かぞくいのちうしなうようになるでしょう」。

18:26 こうしてダンの人々ひとびとってったが、ミカはかれらのつよいのをて、くびすをかえして自分じぶんいえかえった。

18:27 さてかれらはミカがつくったものと、ミカとともにいた祭司さいしとをうばってライシにおもむき、おだやかで、やすらかなたみのところへって、つるぎをもってかれらをち、をつけてそのまちいたが、

18:28 シドンをとおはなれており、ほかのたみとのまじわりがなかったので、それをすくうものがなかった。そのまちはベテレホブにぞくするたににあった。かれらはまちてなおしてそこにみ、

18:29 イスラエルにうまれた先祖せんぞダンのにしたがって、そのまちをダンとづけた。そのまちはもとはライシであった。

18:30 そしてダンの人々ひとびときざんだぞう自分じぶんたちのために安置あんちし、モーセのまごすなわちゲルショムのヨナタンとその子孫しそんがダンびとの部族ぶぞく祭司さいしとなって、くに捕囚ほしゅうとなるにまでおよんだ。

18:31 かみいえがシロにあったあいだ、つねかれらはミカがつくったそのきざんだぞうかざっていた。 

第19章 

19:1 そのころ、イスラエルにおうがなかったとき、エフライムの山地さんちおくにひとりのレビびとが寄留きりゅうしていた。かれはユダのベツレヘムからひとりのおんなむかえて、めかけとしていたが、

19:2 そのめかけはいかって、かれのところをり、ユダのベツレヘムのちちいえかえって、そこに四かげつばかりごした。

19:3 そこでおっと彼女かのじょをなだめてかえろうと、しもべと二とうのろばをしたがえ、って彼女かのじょのあとをってった。かれおんなちちいえいたときむすめちちかれて、よろこんでむかえた。

19:4 むすめちちであるしゅうとがめたので、かれは三ともにおり、みないしてそこに宿やどった。

19:5 四かれらはあさはやくき、かれろうとしたので、むすめちち婿むこった、「すこ食事しょくじをして元気げんきをつけ、それからかけなさい」。

19:6 そこでふたりはしてともいしたが、むすめちちはそのひとった、「どうぞもう一晩ひとばんまってたのしくごしなさい」。

19:7 そのひとってろうとしたが、しゅうとがしいたので、ついにまたそこに宿やどった。

19:8 五になって、あさはやくきてろうとしたが、むすめちちった、「どうぞ、元気げんきをつけて、かたむくまでとどまりなさい」。そこでかれらふたりは食事しょくじをした。

19:9 そのひとがついにめかけおよびしもべとともろうとしてちあがったとき、むすめちちであるしゅうとはかれった、「れようとしている。どうぞもう一ばんまりなさい。かたむいた。ここに宿やどってたのしくごしなさい。そしてあしたのあさはやくきて出立しゅったつし、いえかえりなさい」。

19:10 しかし、そのひとまることをこのまないので、ってり、エブスすなわちエルサレムのかいにいた。くらをおいた二とうのろばとかれのめかけも一緒いっしょであった。

19:11 かれらがエブスにちかづいたとき、はすでにぼっしたので、しもべは主人しゅじんった、「さあ、われわれはみちてんじてエブスびとのこのまちにはいって、そこに宿やどりましょう」。

19:12 主人しゅじんかれった、「われわれはみちてんじて、イスラエルの人々ひとびとまちでない外国がいこくじんまちに、はいってはならない。ギベアまでこう」。

19:13 かれはまたしもべにった、「さあ、われわれはギベアかラマか、そのうちの一つにいてそこに宿やどろう」。

19:14 かれらはすすんでったが、ベニヤミンにぞくするギベアのちかくでれたので、

19:15 ギベアへって宿やどろうと、そこにみちてんじ、まちにはいって、その広場ひろばした。だれもかれらをいえむかえてめてくれるものがなかったからである。

19:16 ときにひとりの老人ろうじん夕暮ゆうぐれはたけ仕事しごとからかえってきた。このひとはエフライムの山地さんちもので、ギベアに寄留きりゅうしていたのである。ただしこのところ人々ひとびとはベニヤミンびとであった。

19:17 かれをあげて、まち広場ひろば旅人たびびとのおるのをた。老人ろうじんった、「あなたはどこへかれるのですか。どこからおいでになりましたか」。

19:18 そのひとった、「われわれはユダのベツレヘムから、エフライムの山地さんちおくくものです。わたしはあそこのもので、ユダのベツレヘムへき、いまわたしのいえかえるところですが、だれもわたしをいえめてくれるものがありません。

19:19 われわれには、ろばのわらも飼葉かいばもあり、またわたしと、はしためと、しもべとともにいる若者わかものとの食物しょくもつさけもあって、なに けているものはありません」。

19:20 老人ろうじんった、「安心あんしんしなさい。あなたの必要ひつようなものはなんでもそなえましょう。ただ広場ひろばよるごしてはなりません」。

19:21 そしてかれいえれていって、ろばに飼葉かいばあたえた。かれらはあしあらっていした。

19:22 かれらがたのしくごしていたときまち人々ひとびとわるものどもがそのいえかこみ、ちたたいて、いえのあるじである老人ろうじんった、「あなたのいえにきたひとしなさい。われわれはそのものるであろう」。

19:23 しかしいえのあるじはかれらのところにていってった、「いいえ、兄弟きょうだいたちよ、どうぞ、そんなわるいことをしないでください。このひとはすでにわたしのいえにはいったのだから、そんなつまらないことをしないでください。

19:24 ここに処女しょじょであるわたしのむすめと、このひとのめかけがいます。いまそれをしますから、それをはずかしめ、あなたがたのきなようにしなさい。しかしこのひとにはそのようなつまらないことをしないでください」。

19:25 しかし人々ひとびときいれなかったので、そのひと自分じぶんのめかけをとってかれらのところにした。かれらはそのおんなおかしてあさまで終夜しゅうやはずかしめ、ののぼるころになってはなかえらせた。

19:26 あさになっておんな自分じぶん主人しゅじん宿やどしてくれたひといえ戸口とぐちにきてたおし、よるのあけるまでにおよんだ。

19:27 彼女かのじょ主人しゅじんあさきていえひらき、旅立たびだとうとすると、そのめかけであるおんないえ戸口とぐちに、敷居しきいにかけてたおれていた。

19:28 かれおんなかって、「きよ、こう」とったけれども、なんのこたえもなかった。そこでそのひとおんなをろばにせ、って自分じぶんいえにおもむいたが、

19:29 そのいえいたとき、かたなり、めかけをとらえて、そのからだを十二れにり、それをイスラエルのぜん領域りょういきにあまねくおくった。

19:30 それをたものはみなった、「イスラエルの人々ひとびとがエジプトのからのぼってきたから今日こんにちまで、このようなことったこともなく、またたこともない。このことをよくかんがえ、協議きょうぎしてうことをめよ」。 

第20章 

20:1 そこでイスラエルの人々ひとびとは、ダンからベエルシバまで、またギレアデのからもみなてきて、その会衆かいしゅうはひとりのようにミヅパでしゅのもとにあつまった。

20:2 たみ首領しゅりょうたち、すなわちイスラエルのすべての部族ぶぞく首領しゅりょうたちは、みずからかみたみ集合しゅうごうた。つるぎをびている歩兵ほへいが四十万にんあった。

20:3 ベニヤミンの人々ひとびとは、イスラエルの人々ひとびとがミヅパにのぼったことをいた。イスラエルの人々ひとびとった、「どうして、この悪事あくじおこったのか、われわれにはなしてください」。

20:4 ころされたおんなおっとであるレビびとはこたえてった、「わたしは、めかけと一緒いっしょにベニヤミンにぞくするギベアへって宿やどりましたが、

20:5 ギベアの人々ひとびとってわたしをめ、に、わたしのおるいえかこんで、わたしをころそうとくわだて、ついにわたしのめかけをはずかしめて、なせました。

20:6 それでわたしはめかけをとらえてり、それをイスラエルのぎょうのすべての地方ちほうにあまねくおくりました。かれらがイスラエルにおいてにくむべきみだらなことをおこなったからです。

20:7 イスラエルの人々ひとびとよ、あなたがたはみな自分じぶん意見いけんかんがえをここにべてください」。

20:8 たみみなひとりのようにってった、「われわれはだれも自分じぶん天幕てんまくきません。まただれも自分じぶんいえかえりません。

20:9 われわれがいまギベアにたいしてしようとすることはこれです。われわれはくじをいて、ギベアにめのぼりましょう。

20:10 すなわちイスラエルのすべての部族ぶぞくから百にんについて十にん、千にんについて百にん、万にんについて千にんえらんで、たみ糧食りょうしょくをとらせ、たみはベニヤミンのギベアにって、ベニヤミンびとがイスラエルにおいておこなったすべてのみだらなことたいして、報復ほうふくしましょう」。

20:11 こうしてイスラエルの人々ひとびとみなあつまり、一致いっち結束けっそくしてまちめようとした。

20:12 イスラエルのもろもろの部族ぶぞく人々ひとびとをあまねくベニヤミンの部族ぶぞくのうちにつかわしてわせた、「あなたがたのうちにったこのことは、なんたる悪事あくじでしょうか。

20:13 それでいまギベアにいるあのわる人々ひとびとをわたしなさい。われわれはかれらをころして、イスラエルからあくのぞりましょう」。しかしベニヤミンの人々ひとびとはその兄弟きょうだいであるイスラエルの人々ひとびと言葉ことばきいれなかった。

20:14 かえってベニヤミンの人々ひとびと町々まちまちからギベアにあつまり、てイスラエルの人々ひとびとたたかおうとした。

20:15 その町々まちまちからあつまったベニヤミンの人々ひとびとはつるぎをびているもの二万六千にんあり、ほかにギベアの住民じゅうみんあつまった精兵せいへいが七百にんあった。

20:16 このすべてのたみのうちにひだりききの精兵せいへいが七百にんあって、いずれも一ぽんすじをねらっていしげても、はずれることがなかった。

20:17 イスラエルの人々ひとびとあつまったものはベニヤミンをのぞいて、つるぎをびているもの四十万にんあり、いずれも軍人ぐんじんであった。

20:18 イスラエルの人々ひとびとちあがってベテルにのぼり、かみたずねた、「われわれのうち、いずれがさきにのぼって、ベニヤミンの人々ひとびとたたかいましょうか」。しゅわれた、「ユダがさきに」。

20:19 そこでイスラエルの人々ひとびとは、あさきて、ギベアにたいじんった。

20:20 すなわちイスラエルの人々ひとびとはベニヤミンとたたかうためにって、ギベアでかれらにたいしてたたかいのそなえをしたが、

20:21 ベニヤミンの人々ひとびとはギベアからてきて、そのイスラエルの人々ひとびとのうち二万二千にんたおした。

20:22 しかしイスラエルのたみ人々ひとびとふるいたってはじめのそなえをしたところにふたたびたたかいのそなえをした。

20:23 そしてイスラエルの人々ひとびとのぼってってしゅまえ夕暮ゆうぐれまでき、しゅたずねた、「われわれはふたたびわれわれの兄弟きょうだいであるベニヤミンの人々ひとびとたたかいをまじえるべきでしょうか」。しゅわれた、「めのぼれ」。

20:24 そこでイスラエルの人々ひとびとは、つぎまたベニヤミンの人々ひとびとところめよせたが、

20:25 ベニヤミンはつぎまたギベアからて、これをむかえ、ふたたびイスラエルの人々ひとびとのうち一万八千にんたおした。これらはみなつるぎをびているものであった。

20:26 これがためにイスラエルのすべての人々ひとびとすなわちぜんぐんはベテルにのぼってってき、そのところしゅまえして、その夕暮ゆうぐれまで断食だんじきし、燔祭はんさい酬恩祭しゅうおんさいしゅまえにささげた。

20:27 そしてイスラエルの人々ひとびとしゅたずね、――そのころかみ契約けいやくはこはそこにあって、

20:28 アロンのエレアザルのであるピネハスが、それにつかえていた――そしてった、「われわれはなおふたたびて、われわれの兄弟きょうだいであるベニヤミンの人々ひとびとたたかうべきでしょうか。あるいはやめるべきでしょうか」。しゅわれた、「のぼれ。わたしはあすかれらをあなたがたのにわたすであろう」。

20:29 そこでイスラエルはギベアの周囲しゅうい伏兵ふくへいき、

20:30 そしてイスラエルの人々ひとびとは三にまたベニヤミンの人々ひとびとのところにめのぼり、まえのようにギベアにたいしてそなえをした。

20:31 ベニヤミンの人々ひとびとて、たみむかえたが、ついにまちからおびきされたので、かれらはまえのように大路おおじたみちはじめ、またでイスラエルのひとを三十にんばかりころした。その大路おおじは、一つはベテルにいたり、一つはギベアにいたるものであった。

20:32 ベニヤミンの人々ひとびとった、「かれらははじめのように、われわれのまえやぶられる」。しかしイスラエルの人々ひとびとった、「われわれはげて、かれらをまちから大路おおじにおびきそう」。

20:33 そしてイスラエルの人々ひとびとみなそのところからってバアル・タマルにそなえをした。そのかんせていたイスラエルの人々ひとびとがそのところから、すなわちゲバの西にしからあらわた。

20:34 すなわちイスラエルのぜんぐんのうちから精兵せいへい一万にんがきて、ギベアをおそい、そのたたかいははげしかった。しかしベニヤミンの人々ひとびとわざわい自分じぶんたちにせまっているのをらなかった。

20:35 しゅがイスラエルのまえにベニヤミンをやぶられたので、イスラエルの人々ひとびとは、そのベニヤミンびと二万五千一百にんころした。これらはみなつるぎをびているものであった。

20:36 こうしてベニヤミンの人々ひとびと自分じぶんたちのやぶられたのをた。

そこでイスラエルの人々ひとびとはギベアにたいしてもうけた伏兵ふくへいをたのんで、ベニヤミンびとをけて退しりぞいた。

20:37 伏兵ふくへいいそいでギベアにり、すすんでつるぎをもってまちをことごとくった。

20:38 イスラエルの人々ひとびと伏兵ふくへいあいださだめた合図あいずは、まちからおおいなるのろしがあがるとき、

20:39 イスラエルの人々ひとびとたたかいにてんじることであった。さてベニヤミンははじめイスラエルの人々ひとびとって三十にんばかりをころしたのでった、「まことにかれらは最初さいしょたたかいのようにわれわれのまえやぶられる」。

20:40 しかし、のろしがけむりはしらとなってまちからのぼりはじめたので、ベニヤミンの人々ひとびとがうしろをると、まちはみなけむりとなっててんにのぼっていた。

20:41 そのときイスラエルの人々ひとびときをえたので、ベニヤミンの人々ひとびとわざわい自分じぶんたちにせまったのをて、うろたえ、

20:42 イスラエルの人々ひとびとまえからをめぐらして荒野あらのほうかったが、たたかいがかれらにせまり、まちからてきたものどもは、かれらをなかにはさんでころした。

20:43 すなわちイスラエルの人々ひとびとはベニヤミンの人々ひとびとたおし、ち、みにじって、ノハからひがしほうギベアのかいにまでおよんだ。

20:44 ベニヤミンのたおれたものは一万八千にんで、みな勇士ゆうしであった。

20:45 かれらはをめぐらして荒野あらのほう、リンモンのいわまでげたが、イスラエルの人々ひとびと大路おおじでそのうち五千にんたおし、なおも追撃ついげきしてギドムにいたり、そのうちの二千にんころした。

20:46 こうしてそのベニヤミンのたおれたものはつるぎをびているものわせて二万五千にんで、みな勇士ゆうしであった。

20:47 しかし六百にんものをめぐらして荒野あらのほう、リンモンのいわまでげて、四かげつあいだリンモンのいわんだ。

20:48 そこでイスラエルの人々ひとびとはまたをかえしてベニヤミンの人々ひとびとめ、つるぎをもってひとけものもすべてつけたものをころし、またつけたすべてのまちをかけた。 

第21章 

21:1 かつてイスラエルの人々ひとびとはミヅパで、「われわれのうちひとりもそのむすめをベニヤミンびとのつまとしてあたえるものがあってはならない」とってちかったので、

21:2 たみはベテルにって、そこで夕暮ゆうぐれまでかみまえし、こえをあげてはげしくいて、

21:3 った、「イスラエルのかみしゅよ、どうしてイスラエルにこのようなことって、今日こんにちイスラエルに一つの部族ぶぞくけるようになったのですか」。

21:4 翌日よくじつたみはやきて、そこに祭壇さいだんきずき、燔祭はんさい酬恩祭しゅうおんさいをささげた。

21:5 そしてイスラエルの人々ひとびとった、「イスラエルのすべての部族ぶぞくのうちで集会しゅうかいのぼって、しゅのもとにかなかったものはだれか」。これはかれらがミヅパにのぼって、しゅのもとにかないもののことについておおいなるちかいをてて、「そのひとかならころされなければならない」とったからである。

21:6 しかしイスラエルの人々ひとびと兄弟きょうだいベニヤミンをあわれんでった、「今日こんにちイスラエルに一つの部族ぶぞくえた。

21:7 われわれはしゅをさして、われわれのむすめかれらにつまとしてあたえないとちかったので、かののこったものどもにつまをめとらせるにはどうしたらよいであろうか」。

21:8 かれらはまたった、「イスラエルの部族ぶぞくのうちで、ミヅパにのぼってしゅのもとにかなかったのはどの部族ぶぞくか」。ところがヤベシ・ギレアデからはひとりも陣営じんえいにきて集会しゅうかいのぞんだものがなかった。

21:9 すなわちたみあつめてると、ヤベシ・ギレアデの住民じゅうみんはひとりもそこにいなかった。

21:10 そこで会衆かいしゅう勇士ゆうし一万二千にんをかしこにつかわし、これにめいじてった、「ヤベシ・ギレアデにって、その住民じゅうみんを、おんな子供こどももろともつるぎをもってて。

21:11 そしてこのようにしなければならない。すなわちおとこおよびおとこおんなはことごとくほろぼさなければならない」。

21:12 こうしてかれらはヤベシ・ギレアデの住民じゅうみんのうちで四百にんわか処女しょじょた。これはまだおとこたことがなく、おとこらないものである。かれらはこれをカナンのにあるシロの陣営じんえいれてきた。

21:13 そこでぜん会衆かいしゅうひとをつかわして、リンモンのいわにおるベニヤミンの人々ひとびと平和へいわげた。

21:14 ベニヤミンの人々ひとびとがそのときかえってきたので、かれらはヤベシ・ギレアデのおんなのうちからかしておいたおんなをこれにあたえたが、なおりなかった。

21:15 こうしてたみは、しゅがイスラエルの部族ぶぞくのうちに欠陥けっかんをつくられたことのために、ベニヤミンをあわれんだ。

21:16 会衆かいしゅう長老ちょうろうたちはった、「ベニヤミンのおんなえたので、かののこりのものどもにつまをめとらせるにはどうしたらよいでしょうか」。

21:17 かれらはまたった、「イスラエルから一つの部族ぶぞくえうせないためにベニヤミンのうちののこりのものどもに、あとつぎがなければならない。

21:18 しかし、われわれのむすめかれらのつまあたえることはできない。イスラエルの人々ひとびとが『ベニヤミンにつまあたえるものはのろわれる』とってちかったからである」。

21:19 それでかれらはった、「年々ねんねんシロにしゅまつりがある」。シロはベテルのきたにあって、ベテルからシケムにのぼる大路おおじひがし、レバナのみなみにある。

21:20 そしてかれらはベニヤミンの人々ひとびとめいじてった、「あなたがたはって、ぶどうはたけせして、

21:21 うかがいなさい。もしシロのむすめたちがおどりをおどりにてきたならば、ぶどうはたけからて、シロのむすめたちのうちから、めいめい自分じぶんつまをとって、ベニヤミンのれてきなさい。

21:22 もしそのちちあるいは兄弟きょうだいがきて、われわれにうったえるならば、われわれはかれらに、『われわれのためにかれらをゆるしてください。戦争せんそうのときにわれわれは、かれらおのおのにつまをとってやらなかったし、またあなたがたもかれらにあたえなかったからです。もしあたえたならば、あなたがたはつみおかしたことになるからでした』といましょう」。

21:23 ベニヤミンの人々ひとびとはそのようにおこない、おどっているものどものうちから自分じぶんたちのかずにしたがってつまり、それをれて領地りょうちかえり、町々まちまちてなおして、そこにんだ。

21:24 こうしてイスラエルの人々ひとびとは、そのときそこをって、おのおのその部族ぶぞくおよび氏族しぞくかえった。すなわちそこをって、おのおのそのぎょうかえった。

21:25 そのころ、イスラエルにはおうがなかったので、おのおの自分じぶんただしいとるところをおこなった。