口語訳聖書(振り仮名付き)

章: 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15

創世そうせい

第1章    Gn-Audio 

1:1 はじめにかみてんとを創造そうぞうされた。

1:2 かたちなく、むなしく、やみがふちのおもてにあり、かみれいみずのおもてをおおっていた。

1:3 かみは「ひかりあれ」とわれた。するとひかりがあった。

1:4 かみはそのひかりて、しとされた。かみはそのひかりとやみとをけられた。

1:5 かみひかりひるづけ、やみをよるづけられた。ゆうとなり、またあさとなった。だいにちである。

1:6 かみはまたわれた、「みずあいだにおおぞらがあって、みずみずとをけよ」。

1:7 そのようになった。かみはおおぞらをつくって、おおぞらのしたみずとおおぞらのうえみずとをけられた。

1:8 かみはそのおおぞらをてんづけられた。ゆうとなり、またあさとなった。だいにちである。

1:9 かみはまたわれた、「てんしたみずひとところあつまり、かわいたあらわれよ」。そのようになった。

1:10 かみはそのかわいたりくづけ、みずあつまったところうみづけられた。かみて、しとされた。

1:11 かみはまたわれた、「青草あおくさと、たねをもつくさと、種類しゅるいにしたがってたねのあるむす果樹かじゅとをうえにはえさせよ」。そのようになった。

1:12 青草あおくさと、種類しゅるいにしたがってたねをもつくさと、種類しゅるいにしたがってたねのあるむすとをはえさせた。かみて、しとされた。

1:13 ゆうとなり、またあさとなった。だいにちである。

1:14 かみはまたわれた、「てんのおおぞらにひかりがあってひるよるとをけ、しるしのため、季節きせつのため、のため、としのためになり、

1:15 てんのおおぞらにあってらすひかりとなれ」。そのようになった。

1:16 かみは二つのおおきなひかり つくり、おおきいひかりひるをつかさどらせ、ちいさいひかりよるをつかさどらせ、またほしつくられた。

1:17 かみはこれらをてんのおおぞらにいてらさせ、

1:18 ひるよるとをつかさどらせ、ひかりとやみとをけさせられた。かみて、しとされた。

1:19 ゆうとなり、またあさとなった。だいにちである。

1:20 かみはまたわれた、「みずものれでち、とりうえてんのおおぞらをべ」。

1:21 かみうみおおいなるけものと、みずむらがるすべてのうごものとを、種類しゅるいにしたがってそうぞうし、またつばさのあるすべてのとりを、種類しゅるいにしたがって創造そうぞうされた。かみて、しとされた。

1:22 かみはこれらを祝福しゅくふくしてわれた、「めよ、ふえよ、うみみずちよ、またとりにふえよ」。

1:23 ゆうとなり、またあさとなった。だいにちである。

1:24 かみはまたわれた、「もの種類しゅるいにしたがっていだせ。家畜かちくと、うものと、けものとを種類しゅるいにしたがっていだせ」。そのようになった。

1:25 かみけもの種類しゅるいにしたがい、家畜かちく種類しゅるいにしたがい、またうすべてのもの種類しゅるいにしたがって つくられた。かみて、しとされた。

1:26 かみはまたわれた、「われわれのかたちに、われわれにかたどってひとつくり、これにうみうおと、そらとりと、家畜かちくと、のすべてのけものと、のすべてのうものとをおさめさせよう」。

1:27 かみ自分じぶんのかたちにひとそうぞうされた。すなわち、かみのかたちに創造そうぞうし、おとこおんなとに創造そうぞうされた。

1:28 かみかれらを祝福しゅくふくしてわれた、「めよ、ふえよ、ちよ、したがわせよ。またうみうおと、そらとりと、うごくすべてのものとをおさめよ」。

1:29 かみはまたわれた、「わたしはぜんのおもてにあるたねをもつすべてのくさと、たねのあるむすぶすべてのとをあなたがたにあたえる。これはあなたがたの食物しょくもつとなるであろう。

1:30 またのすべてのけものそらのすべてのとりうすべてのもの、すなわちいのちあるものには、食物しょくもつとしてすべての青草あおくさあたえる」。そのようになった。

1:31 かみつくったすべてのものられたところ、それは、はなはだかった。ゆうとなり、またあさとなった。だいにちである。 

第2章 

2:1 こうしててんと、その万象ばんしょうとが完成かんせいした。

2:2 かみだいにちにその作業さぎょうえられた。すなわち、そのすべての作業さぎょうおわってだいにちやすまれた。

2:3 かみはそのだいにち祝福しゅくふくして、これを聖別せいべつされた。かみがこのに、そのすべてのそうぞうのわざをおわってやすまれたからである。

2:4 これが天地てんち創造そうぞう由来ゆらいである。

しゅなるかみてんとをつくられたとき

2:5 にはまだもなく、またくさもはえていなかった。しゅなるかみあめらせず、またつちたがやひともなかったからである。

2:6 しかしからいずみがわきあがってつち全面ぜんめんうるおしていた。

2:7 しゅなるかみつちのちりでひとつくり、いのちいきをそのはなきいれられた。そこでひときたものとなった。

2:8 しゅなるかみひがしのかた、エデンに一つのそのもうけて、そのつくったひとをそこにかれた。

2:9 またしゅなるかみは、うつくしく、べるにいすべてのつちからはえさせ、さらその中央ちゅうおういのちと、善悪ぜんあくとをはえさせられた。

2:10 また一つのかわがエデンからながそのうるおし、そこからわかれて四つのかわとなった。

2:11 そのだい一のはピソンといい、きんのあるハビラのぜんをめぐるもので、

2:12 そのきんく、またそこはブドラクと、しまめのうとをさんした。

2:13 だい二のかわはギホンといい、クシのぜんをめぐるもの。

2:14 だい三のかわはヒデケルといい、アッスリヤのひがしながれるもの。だい四のかわはユフラテである。

2:15 しゅなるかみひとれてってエデンのそのき、これをたがやさせ、これをまもらせられた。

2:16 しゅなるかみはそのひとめいじてわれた、「あなたはそののどのからでもこころのままにってべてよろしい。

2:17 しかし善悪ぜんあくからはってべてはならない。それをってべると、きっとぬであろう」。

2:18 またしゅなるかみわれた、「ひとがひとりでいるのはくない。かれのために、ふさわしいたすつくろう」。

2:19 そしてしゅなるかみのすべてのけものと、そらのすべてのとりとをつちつくり、ひとのところへれてきて、かれがそれにどんなをつけるかをられた。ひとがすべてものあたえるは、そのとなるのであった。

2:20 それでひとは、すべての家畜かちくと、そらとりと、のすべてのけものとにをつけたが、ひとにはふさわしいたすつからなかった。

2:21 そこでしゅなるかみひとふかねむらせ、ねむったときに、そのあばらぼねの一つをって、そのところにくでふさがれた。

2:22 しゅなるかみひとからったあばらぼねでひとりのおんなつくり、ひとのところへれてこられた。

2:23 そのとき、ひとった。

「これこそ、ついにわたしのほねほねわたしのにくにくおとこからったものだから、これをおんなづけよう」。

2:24 それでひとはそのちちはははなれて、つまむすい、一体いったいとなるのである。

2:25 ひととそのつまとは、ふたりともはだかであったが、ずかしいとはおもわなかった。 

第3章 

3:1 さてしゅなるかみつくられたもののうちで、へびがもっと狡猾こうかつであった。へびはおんなった、「そのにあるどのからもってべるなと、ほんとうにかみわれたのですか」。

3:2 おんなはへびにった、「わたしたちはそのべることはゆるされていますが、

3:3 ただその中央ちゅうおうにあるについては、これをってべるな、これにれるな、んではいけないからと、かみわれました」。

3:4 へびはおんなった、「あなたがたはけっしてぬことはないでしょう。

3:5 それをべると、あなたがたのひらけ、かみのように善悪ぜんあくものとなることを、かみっておられるのです」。

3:6 おんながそのると、それはべるにく、にはうつくしく、かしこくなるにはこのましいとおもわれたから、そのってべ、またともにいたおっとにもあたえたので、かれべた。

3:7 すると、ふたりのひらけ、自分じぶんたちのはだかであることがわかったので、いちじくのをつづりわせて、こしいた。

3:8 かれらは、すずしいかぜくころ、そのなかしゅなるかみあゆまれるおといた。そこで、ひととそのつまとはしゅなるかみかおけて、そのあいだかくした。

3:9 しゅなるかみひとびかけてわれた、「あなたはどこにいるのか」。

3:10 かれこたえた、「そのなかであなたのあゆまれるおとき、わたしははだかだったので、おそれてかくしたのです」。

3:11 かみわれた、「あなたがはだかであるのを、だれがらせたのか。べるなと、めいじておいたから、あなたはってべたのか」。

3:12 ひとこたえた、「わたしと一緒いっしょにしてくださったあのおんなが、からってくれたので、わたしはべたのです」。

3:13 そこでしゅなるかみおんなわれた、「あなたは、なんということをしたのです」。おんなこたえた、「へびがわたしをだましたのです。それでわたしはべました」。

3:14 しゅなるかみはへびにわれた、

「おまえは、このことを、したので、すべての家畜かちくのすべてのけもののうち、もっとものろわれる。おまえははらで、いあるき、一生いっしょう、ちりをべるであろう。

3:15 わたしはうらみをおく、おまえとおんなとのあいだに、おまえのすえとおんなのすえとのあいだに。かれはおまえのかしらをくだき、おまえはかれのかかとをくだくであろう」。

3:16 つぎにおんなわれた、

「わたしはあなたのみのくるしみをおおいにす。あなたはくるしんでむ。それでもなお、あなたはおっとしたい、かれはあなたをおさめるであろう」。

3:17 さらひとわれた、「あなたがつま言葉ことばいて、べるなと、わたしがめいじたからってべたので、

はあなたのためにのろわれ、あなたは一生いっしょうくるしんでから食物しょくもつる。

3:18 はあなたのために、いばらとあざみとをしょうじ、あなたはくさべるであろう。

3:19 あなたはかおあせしてパンをべ、ついにつちかえる、あなたはつちからられたのだから。あなたは、ちりだから、ちりにかえる」。

3:20 さて、ひとはそのつまをエバとづけた。彼女かのじょがすべてきたものははだからである。

3:21 しゅなるかみひととそのつまとのためにかわ着物きものつくって、かれらにせられた。

3:22 しゅなるかみわれた、「よ、ひとはわれわれのひとりのようになり、善悪ぜんあくるものとなった。かれべ、いのちからもってべ、永久えいきゅうきるかもれない」。

3:23 そこでしゅなるかみかれをエデンのそのからして、ひとつくられたそのつちたがやさせられた。

3:24 かみひとし、エデンのそのひがしに、ケルビムと、まわほのおのつるぎとをいて、いのちみちまもらせられた。 

第4章 

4:1 ひとはそのつまエバをった。彼女かのじょはみごもり、カインをんでった、「わたしはしゅによって、ひとりのひとた」。

4:2 彼女かのじょはまた、そのおとうとアベルをんだ。アベルはひつじものとなり、カインはつちたがやものとなった。

4:3 がたって、カインは産物さんぶつってきて、しゅそなものとした。

4:4 アベルもまた、そのれのういごとえたものとをってきた。しゅはアベルとそのそなものとをかえりみられた。

4:5 しかしカインとそのそなものとはかえりみられなかったので、カインはおおいにいきどおって、かおせた。

4:6 そこでしゅはカインにわれた、「なぜあなたはいきどおるのですか、なぜかおせるのですか。

4:7 ただしいことをしているのでしたら、かおをあげたらよいでしょう。もしただしいことをしていないのでしたら、つみ門口かどぐちせています。それはあなたをしたもとめますが、あなたはそれをおさめなければなりません」。

4:8 カインはおとうとアベルにった、「さあ、野原のはらこう」。かれらがにいたとき、カインはおとうとアベルにちかかって、これをころした。

4:9 しゅはカインにわれた、「おとうとアベルは、どこにいますか」。カインはこたえた、「りません。わたしがおとうと番人ばんにんでしょうか」。

4:10 しゅわれた、「あなたはなにをしたのです。あなたのおとうとこえつちなかからわたしにさけんでいます。

4:11 いまあなたはのろわれてこの土地とちはなれなければなりません。この土地とちくちをあけて、あなたのからおとうとけたからです。

4:12 あなたが土地とちたがやしても、土地とちは、もはやあなたのためにむすびません。あなたは地上ちじょう放浪者ほうろうしゃとなるでしょう」。

4:13 カインはしゅった、「わたしのばつおもくていきれません。

4:14 あなたは、きょう、わたしをのおもてから追放ついほうされました。わたしはあなたをはなれて、地上ちじょう放浪者ほうろうしゃとならねばなりません。わたしを見付みつけるひとはだれでもわたしをころすでしょう」。

4:15 しゅはカインにわれた、「いや、そうではない。だれでもカインをころものは七ばい復讐ふくしゅうけるでしょう」。そしてしゅはカインを見付みつけるものが、だれもかれころすことのないように、かれに一つのしるしをつけられた。

4:16 カインはしゅまえって、エデンのひがし、ノドのんだ。

4:17 カインはそのつまった。彼女かのじょはみごもってエノクをんだ。カインはまちて、そのまちをそのにしたがって、エノクとづけた。

4:18 エノクにはイラデがうまれた。イラデのはメホヤエル、メホヤエルのはメトサエル、メトサエルのはレメクである。

4:19 レメクはふたりのつまをめとった。ひとりのはアダといい、ひとりのはチラといった。

4:20 アダはヤバルをんだ。かれ天幕てんまくんで、家畜かちくもの先祖せんぞとなった。

4:21 そのおとうとはユバルといった。かれことふえるすべてのもの先祖せんぞとなった。

4:22 チラもまたトバルカインをんだ。かれ青銅せいどうてつのすべての刃物はものきたえるものとなった。トバルカインのいもうとをナアマといった。

4:23 レメクはそのつまたちにった、「アダとチラよ、わたしのこえけ、レメクのつまたちよ、わたしの言葉ことばみみかたむけよ。わたしはけるきずのために、ひところし、けるきずのために、わたしは若者わかものころす。

4:24 カインのための復讐ふくしゅうが七ばいならば、レメクのための復讐ふくしゅうは七十七ばい」。

4:25 アダムはまたそのつまった。彼女かのじょおとこみ、そのをセツとづけてった、「カインがアベルをころしたので、かみはアベルのかわりに、ひとりのをわたしにさづけられました」。

4:26 セツにもまたおとこうまれた。かれはそのをエノスとづけた。このとき人々ひとびとしゅはじめた。 

第5章 

5:1 アダムの系図けいずつぎのとおりである。かみひと創造そうぞうされたときかみをかたどってつくり、

5:2 かれらをおとこおんなとに創造そうぞうされた。かれらが創造そうぞうされたときかみかれらを祝福しゅくふくして、そのをアダムとづけられた。

5:3 アダムは百三十さいになって、自分じぶんにかたどり、自分じぶんのかたちのようなおとこみ、そのをセツとづけた。

5:4 アダムがセツをんでのちきたとしは八百ねんであって、ほかに男子だんし女子じょしんだ。

5:5 アダムのきたとしわせて九百三十さいであった。そしてかれんだ。

5:6 セツは百五さいになって、エノスをんだ。

5:7 セツはエノスをんだのち、八百七ねんきて、男子だんし女子じょしんだ。

5:8 セツのとしわせて九百十二さいであった。そしてかれんだ。

5:9 エノスは九十さいになって、カイナンをんだ。

5:10 エノスはカイナンをんだのち、八百十五ねんきて、男子だんし女子じょしんだ。

5:11 エノスのとしわせて九百五さいであった。そしてかれんだ。

5:12 カイナンは七十さいになって、マハラレルをんだ。

5:13 カイナンはマハラレルをんだのち、八百四十ねんきて、男子だんし女子じょしんだ。

5:14 カイナンのとしわせて九百十さいであった。そしてかれんだ。

5:15 マハラレルは六十五さいになって、ヤレドをんだ。

5:16 マハラレルはヤレドをんだのち、八百三十ねんきて、男子だんし女子じょしんだ。

5:17 マハラレルのとしわせて八百九十五さいであった。そしてかれんだ。

5:18 ヤレドは百六十二さいになって、エノクをんだ。

5:19 ヤレドはエノクをんだのち、八百ねんきて、男子だんし女子じょしんだ。

5:20 ヤレドのとしわせて九百六十二さいであった。そしてかれんだ。

5:21 エノクは六十五さいになって、メトセラをんだ。

5:22 エノクはメトセラをんだのち、三百ねんかみとともにあゆみ、男子だんし女子じょしんだ。

5:23 エノクのとしわせて三百六十五さいであった。

5:24 エノクはかみとともにあゆみ、かみかれられたので、いなくなった。

5:25 メトセラは百八十七さいになって、レメクをんだ。

5:26 メトセラはレメクをんだのち、七百八十二ねんきて、男子だんし女子じょしんだ。

5:27 メトセラのとしわせて九百六十九さいであった。そしてかれんだ。

5:28 レメクは百八十二さいになって、おとこみ、

5:29 「このこそ、しゅをのろわれたため、骨折ほねおはたらくわれわれをなぐさめるもの」とって、そのをノアとづけた。

5:30 レメクはノアをんだのち、五百九十五ねんきて、男子だんし女子じょしんだ。

5:31 レメクのとしわせて七百七十七さいであった。そしてかれんだ。

5:32 ノアは五百さいになって、セム、ハム、ヤペテをんだ。 

第6章 

6:1 ひとのおもてにふえはじめて、むすめたちがかれらにうまれたとき

6:2 かみたちはひとむすめたちのうつくしいのをて、自分じぶんこのものつまにめとった。

6:3 そこでしゅわれた、「わたしのれいはながくひとなかにとどまらない。かれにくにすぎないのだ。しかし、かれとしは百二十ねんであろう」。

6:4 そのころ、またそののちにも、にネピリムがいた。これはかみたちがひとむすめたちのところにはいって、むすめたちにませたものである。かれらはむかし勇士ゆうしであり、有名ゆうめい人々ひとびとであった。

6:5 しゅひとあくにはびこり、すべてそのこころおもいはかることが、いつもわることばかりであるのをられた。

6:6 しゅうえひとつくったのをいて、こころいため、

6:7 「わたしが創造そうぞうしたひとのおもてからぬぐいろう。ひとけものも、うものも、そらとりまでも。わたしは、これらをつくったことをいる」とわれた。

6:8 しかし、ノアはしゅまえめぐみをた。

6:9 ノアの系図けいずつぎのとおりである。ノアはその時代じだい人々ひとびとなかただしく、かつまったひとであった。ノアはかみとともにあゆんだ。

6:10 ノアはセム、ハム、ヤペテの三にんんだ。

6:11 ときかみまえみだれて、暴虐ぼうぎゃくちた。

6:12 かみられると、それはみだれていた。すべてのひとうえでそのみちみだしたからである。

6:13 そこでかみはノアにわれた、「わたしは、すべてのひとやそうと決心けっしんした。かれらは暴虐ぼうぎゃくたしたから、わたしはかれらをとともにほろぼそう。

6:14 あなたは、いとすぎの箱舟はこぶねつくり、箱舟はこぶねなかにへやをもうけ、アスファルトでそのうちそとをりなさい。

6:15 そのつくかたつぎのとおりである。すなわち箱舟はこぶねながさは三百キュビト、はばは五十キュビト、たかさは三十キュビトとし、

6:16 箱舟はこぶね屋根やねつくり、うえへ一キュビトにそれを仕上しあげ、また箱舟はこぶね戸口とぐちをそのよこもうけて、一かいと二かいと三かいのある箱舟はこぶねつくりなさい。

6:17 わたしはうえ洪水こうずいおくって、いのちいきのあるにくなるものを、みなてんしたからほろぼしる。にあるものは、みなえるであろう。

6:18 ただし、わたしはあなたと契約けいやく結ぼむすぼう。あなたはらと、つまと、らのつまたちととも箱舟はこぶねにはいりなさい。

6:19 またすべてのもの、すべてのにくなるもののなかから、それぞれ二つずつを箱舟はこぶねれて、あなたとともにそのいのちたもたせなさい。それらはおすめすとでなければならない。

6:20 すなわち、とりはその種類しゅるいにしたがいけものはその種類しゅるいにしたがい、またのすべてのうものも、その種類しゅるいにしたがって、それぞれ二つずつ、あなたのところにれて、いのちたもたせなさい。

6:21 また、すべての食物しょくもつとなるものをとって、あなたのところにたくわえ、あなたとこれらのものとの食物しょくもつとしなさい」。

6:22 ノアはすべてかみめいじられたようにした。 

第7章 

7:1 しゅはノアにわれた、「あなたと家族かぞくとはみな箱舟はこぶねにはいりなさい。あなたがこの時代じだい人々ひとびとなかで、わたしのまえただしいひとであるとわたしはみとめたからである。

7:2 あなたはすべてのきよけものなかからおすめすとを七つずつり、きよくないけものなかからおすめすとを二つずつり、

7:3 またそらとりなかからおすめすとを七つずつって、その種類しゅるいぜんのおもてにのこるようにしなさい。

7:4 七日なぬかのち、わたしは四十にち四十あめらせて、わたしの つくったすべてのものを、のおもてからぬぐいります」。

7:5 ノアはすべてしゅめいじられたようにした。

7:6 さて洪水こうずいったとき、ノアは六百さいであった。

7:7 ノアはらと、つまと、らのつまたちととも洪水こうずいけて箱舟はこぶねにはいった。

7:8 またきよけものと、きよくないけものと、とりと、うすべてのものとの、

7:9 おすめすとが、二つずつノアのもとにきて、かみがノアにめいじられたように箱舟はこぶねにはいった。

7:10 こうして七日なぬかのち洪水こうずいった。

7:11 それはノアの六百さいの二がつ十七にちであって、そのおおいなるふちみなもとは、ことごとくやぶれ、てんまどひらけて、

7:12 あめは四十にち四十そそいだ。

7:13 そのおなに、ノアと、ノアのセム、ハム、ヤペテと、ノアのつまと、そのらの三にんつまとはとも箱舟はこぶねにはいった。

7:14 またすべての種類しゅるいけものも、すべての種類しゅるい家畜かちくも、のすべての種類しゅるいうものも、すべての種類しゅるいとりも、すべてのつばさあるものも、みなはいった。

7:15 すなわちいのちいきのあるすべてのにくなるものが、二つずつノアのもとにきて、箱舟はこぶねにはいった。

7:16 そのはいったものは、すべてにくなるもののおすめすとであって、かみかれめいじられたようにはいった。そこでしゅかれのうしろのざされた。

7:17 洪水こうずいは四十にちのあいだ地上ちじょうにあった。みずして箱舟はこぶねうかべたので、箱舟はこぶねからたかがった。

7:18 またみずがみなぎり、したので、箱舟はこぶねみずのおもてにただよった。

7:19 みずはまた、ますますにみなぎり、てんしたたか山々やまやまみなおおわれた。

7:20 みずはそのうえ、さらに十五キュビトみなぎって、山々やまやままったくおおわれた。

7:21 うえうごくすべてにくなるものは、とり家畜かちくけものも、むらがるすべてのうものも、すべてのひともみなほろびた。

7:22 すなわちはないのちいきのあるすべてのもの、りくにいたすべてのものはんだ。

7:23 のおもてにいたすべてのものは、ひと家畜かちくも、うものも、そらとりもみなからぬぐいられて、ただノアと、かれとも箱舟はこぶねにいたものだけがのこった。

7:24 みずは百五十にちのあいだ地上ちじょうにみなぎった。 

第8章 

8:1 かみはノアと、箱舟はこぶねなかにいたすべてのものと、すべての家畜かちくとをこころにとめられた。かみかぜうえかせられたので、みず退しりぞいた。

8:2 またふちみなもとと、てんまどとはざされて、てんからあめらなくなった。

8:3 それでみずはしだいにうえからいて、百五十にちのちにはみずり、

8:4 箱舟はこぶねは七がつ十七にちにアララテのやまにとどまった。

8:5 みずはしだいにって、十がつになり、十がつにち山々やまやまいただきあらわれた。

8:6 四十にちたって、ノアはそのつくった箱舟はこぶねまどひらいて、

8:7 からすをはなったところ、からすはうえからみずがかわききるまで、あちらこちらへびまわった。

8:8 ノアはまたのおもてから、みずがひいたかどうかをようと、かれところから、はとをはなったが、

8:9 はとはあしうらをとどめるところつからなかったので、箱舟はこぶねのノアのもとにかえってきた。みずがまだぜんのおもてにあったからである。かれべて、これをとらえ、箱舟はこぶねなかかれのもとにれた。

8:10 それから七日なぬかってふたたびはとを箱舟はこぶねからはなった。

8:11 はとは夕方ゆうがたになってかれのもとにかえってきた。ると、そのくちばしには、オリブの若葉わかばがあった。ノアはからみずがひいたのをった。

8:12 さらに七日なぬかってまた、はとをはなったところ、もはやかれのもとにはかえってこなかった。

8:13 六百一さいの一がつにちになって、うえみずはかれた。ノアが箱舟はこぶねのおおいをのぞいてると、つちのおもては、かわいていた。

8:14 二がつ二十七にちになって、まったくかわいた。

8:15 このときかみはノアにわれた、

8:16 「あなたはつまと、らと、らのつまたちととも箱舟はこぶねなさい。

8:17 あなたは、ともにいるにくなるすべてのもの、すなわちとり家畜かちくと、のすべてのうものとをれてて、これらのものがむらがり、うえにふえひろがるようにしなさい」。

8:18 ノアはともにいたらと、つまと、らのつまたちとをれてた。

8:19 またすべてのけもの、すべてのうもの、すべてのとり、すべてうえうごくものはみな種類しゅるいにしたがって箱舟はこぶねた。

8:20 ノアはしゅ祭壇さいだんきずいて、すべてのきよけものと、すべてのきよとりとのうちからって、燔祭はんさい祭壇さいだんうえにささげた。

8:21 しゅはそのこうばしいかおりをかいで、こころわれた、「わたしはもはや二ひとのゆえにをのろわない。ひとこころおもはかることは、おさなときからわるいからである。わたしは、このたびしたように、もう二と、すべてのきたものをほろぼさない。

8:22 のあるかぎり、たねまきのときも、刈入かりいれのときも、あつさむさも、なつふゆも、ひるよるもやむことはないであろう」。 

第9章 

9:1 かみはノアとそのらとを祝福しゅくふくしてかれらにわれた、「めよ、ふえよ、ちよ。

9:2 のすべてのけものそらのすべてのとりうすべてのもの、うみのすべてのうおおそれおののいて、あなたがたの支配しはいふくし、

9:3 すべてきてうごくものはあなたがたの食物しょくもつとなるであろう。さきに青草あおくさをあなたがたにあたえたように、わたしはこれらのものをみなあなたがたにあたえる。

9:4 しかしにくを、そのいのちであるのままで、べてはならない。

9:5 あなたがたのいのちながすものには、わたしはかなら報復ほうふくするであろう。いかなるけものにも報復ほうふくする。兄弟きょうだいであるひとにも、わたしはひといのちのために、報復ほうふくするであろう。

9:6 ひとながすものは、ひとながされる、かみ自分じぶんのかたちにひとつくられたゆえに。

9:7 あなたがたは、めよ、ふえよ、むらがり、うえにふえよ」。

9:8 かみはノアおよびともにいるらにわれた、

9:9 「わたしはあなたがたおよびあなたがたののち子孫しそん契約けいやくてる。

9:10 またあなたがたとともにいるすべてのもの、あなたがたとともにいるとり家畜かちくのすべてのけもの、すなわち、すべて箱舟はこぶねからたものは、のすべてのけものにいたるまで、わたしはそれと契約けいやくてよう。

9:11 わたしがあなたがたとてるこの契約けいやくにより、すべてにくなるものは、もはや洪水こうずいによってほろぼされることはなく、またほろぼす洪水こうずいは、ふたたおこらないであろう」。

9:12 さらにかみわれた、「これはわたしと、あなたがたおよびあなたがたとともにいるすべてのものとのあいだ代々よよかぎりなく、わたしがてる契約けいやくのしるしである。

9:13 すなわち、わたしはくもなかに、にじをく。これがわたしととのあいだ契約けいやくのしるしとなる。

9:14 わたしがくもうえおこすとき、にじはくもなかあらわれる。

9:15 こうして、わたしは、わたしとあなたがた、およびすべてにくなるあらゆるものとのあいだてた契約けいやくおもいおこすゆえ、みずはふたたび、すべてにくなるものほろぼす洪水こうずいとはならない。

9:16 にじがくもなかあらわれるとき、わたしはこれをて、かみ地上ちじょうにあるすべてにくなるあらゆるものとのあいだてた永遠えいえん契約けいやくおもいおこすであろう」。

9:17 そしてかみはノアにわれた、「これがわたしとにあるすべてにくなるものとのあいだに、わたしがてた契約けいやくのしるしである」。

9:18 箱舟はこぶねからたノアのらはセム、ハム、ヤペテであった。ハムはカナンのちちである。

9:19 この三にんはノアのらで、ぜんたみかれらからて、ひろがったのである。

9:20 さてノアは農夫のうふとなり、ぶどうはたけをつくりはじめたが、

9:21 かれはぶどうしゅんでい、天幕てんまくなかはだかになっていた。

9:22 カナンのちちハムはちちはだかて、そとにいるふたりの兄弟きょうだいげた。

9:23 セムとヤペテとは着物きものって、かたにかけ、うしろきにあゆって、ちちはだかをおおい、かおをそむけてちちはだかなかった。

9:24 やがてノアはいがさめて、すえかれにしたことったとき、

9:25 かれった、

「カナンはのろわれよ。かれはしもべのしもべとなって、その兄弟きょうだいたちにつかえる」。

9:26 またった、

「セムのかみしゅはほむべきかな、カナンはそのしもべとなれ。

9:27 かみはヤペテをおおいならしめ、セムの天幕てんまくかれまわせられるように。カナンはそのしもべとなれ」。

9:28 ノアは洪水こうずいのち、なお三百五十ねんきた。

9:29 ノアのとしわせて九百五十さいであった。そしてかれんだ。 

第10章 

10:1 ノアのセム、ハム、ヤペテの系図けいずつぎのとおりである。洪水こうずいのちかれらにうまれた。

10:2 ヤペテの子孫しそんはゴメル、マゴグ、マダイ、ヤワン、トバル、メセク、テラスであった。  

10:3 ゴメルの子孫しそんはアシケナズ、リパテ、トガルマ。

10:4 ヤワンの子孫しそんはエリシャ、タルシシ、キッテム、ドダニムであった。

10:5 これらから海沿うみぞいの国民こくみんわかれて、おのおのその土地とちにおり、その言語げんごにしたがい、その氏族しぞくにしたがって、その国々くにぐにんだ。

10:6 ハムの子孫しそんはクシ、ミツライム、プテ、カナンであった。

10:7 クシの子孫しそんはセバ、ハビラ、サブタ、ラアマ、サブテカであり、ラアマの子孫しそんはシバとデダンであった。

10:8 クシのはニムロデであって、このニムロデは権力者けんりょくしゃとなった最初さいしょひとである。

10:9 かれしゅまえちからある狩猟者しゅりょうしゃであった。これから「しゅまえちからある狩猟者しゅりょうしゃニムロデのごとし」ということわざがった。

10:10 かれくに最初さいしょシナルのにあるバベル、エレク、アカデ、カルネであった。

10:11 かれはそのからアッスリヤにて、ニネベ、レホボテイリ、カラ、

10:12 およびニネベとカラとのあいだにあるおおいなるまちレセンをてた。

10:13 ミツライムからルデぞく、アナミぞく、レハビぞく、ナフトぞく

10:14 パテロスぞく、カスルぞく、カフトリぞくた。カフトリぞくからペリシテぞくた。

10:15 カナンからその長子ちょうしシドンがて、またヘテがた。

10:16 そのエブスびと、アモリびと、ギルガシびと、

10:17 ヒビびと、アルキびと、セニびと、

10:18 アルワデびと、ゼマリびと、ハマテびとがた。のちになってカナンびとの氏族しぞくがひろがった。

10:19 カナンびとのさかいはシドンからゲラルをてガザにいたり、ソドム、ゴモラ、アデマ、ゼボイムをて、レシャにおよんだ。

10:20 これらはハムの子孫しそんであって、その氏族しぞくとその言語げんごとにしたがって、その土地とちと、その国々くにぐににいた。

10:21 セムにもうまれた。セムはエベルのすべての子孫しそん先祖せんぞであって、ヤペテのあにであった。

10:22 セムの子孫しそんはエラム、アシュル、アルパクサデ、ルデ、アラムであった。

10:23 アラムの子孫しそんはウヅ、ホル、ゲテル、マシであった。

10:24 アルパクサデのはシラ、シラのはエベルである。

10:25 エベルにふたりのうまれた。そのひとりのをペレグといった。これはかれたみわかれたからである。そのおとうとをヨクタンといった。

10:26 ヨクタンにアルモダデ、シャレフ、ハザルマウテ、エラ、

10:27 ハドラム、ウザル、デクラ、

10:28 オバル、アビマエル、シバ、

10:29 オフル、ハビラ、ヨバブがうまれた。これらはみなヨクタンのであった。

10:30 かれらがんだところはメシャからひがし山地さんちセパルにおよんだ。

10:31 これらはセムの子孫しそんであって、その氏族しぞくとその言語げんごとにしたがって、その土地とちと、その国々くにぐににいた。

10:32 これらはノアのらの氏族しぞくであって、血統けっとうにしたがって国々くにぐにんでいたが、洪水こうずいのち、これらから地上ちじょうしょ国民こくみんわかれたのである。 

第11章 

11:1 ぜんおな発音はつおんおな言葉ことばであった。

11:2 とき人々ひとびとひがしうつり、シナルの平野へいやて、そこにんだ。

11:3 かれらはたがいった、「さあ、れんがを つくって、よくこう」。こうしてかれらはいしかわりに、れんがを、しっくいのかわりに、アスファルトをた。

11:4 かれらはまたった、「さあ、まちとうとをてて、そのいただきてんとどかせよう。そしてわれわれはげて、ぜんのおもてにるのをまぬかれよう」。

11:5 ときしゅくだって、ひとたちのてるまちとうとをて、

11:6 われた、「たみは一つで、みなおな言葉ことばである。かれらはすでにこのことをしはじめた。かれらがしようとすることは、もはや何事なにごともとどめないであろう。

11:7 さあ、われわれはくだってって、そこでかれらの言葉ことばみだし、たがい言葉ことばつうじないようにしよう」。

11:8 こうしてしゅかれらをそこからぜんのおもてにらされたので、かれらはまちてるのをやめた。

11:9 これによってそのまちはバベルとばれた。しゅがそこでぜん言葉ことばみだされたからである。しゅはそこからかれらをぜんのおもてにらされた。

11:10 セムの系図けいずつぎのとおりである。セムは百さいになって洪水こうずいの二ねんのちにアルパクサデをんだ。

11:11 セムはアルパクサデをんでのち、五百ねんきて、男子だんし女子じょしんだ。

11:12 アルパクサデは三十五さいになってシラをんだ。

11:13 アルパクサデはシラをんでのち、四百三ねんきて、男子だんし女子じょしんだ。

11:14 シラは三十さいになってエベルをんだ。

11:15 シラはエベルをんでのち、四百三ねんきて、男子だんし女子じょしんだ。

11:16 エベルは三十四さいになってペレグをんだ。

11:17 エベルはペレグをんでのち、四百三十ねんきて、男子だんし女子じょしんだ。

11:18 ペレグは三十さいになってリウをんだ。

11:19 ペレグはリウをんでのち、二百九ねんきて、男子だんし女子じょしんだ。

11:20 リウは三十二さいになってセルグをんだ。

11:21 リウはセルグをんでのち、二百七ねんきて、男子だんし女子じょしんだ。

11:22 セルグは三十さいになってナホルをんだ。

11:23 セルグはナホルをんでのち、二百ねんきて、男子だんし女子じょしんだ。

11:24 ナホルは二十九さいになってテラをんだ。

11:25 ナホルはテラをんでのち、百十九ねんきて、男子だんし女子じょしんだ。

11:26 テラは七十さいになってアブラム、ナホルおよびハランをんだ。

11:27 テラの系図けいずつぎのとおりである。テラはアブラム、ナホルおよびハランをみ、ハランはロトをんだ。

11:28 ハランはちちテラにさきだって、そのうまれた、カルデヤのウルでんだ。

11:29 アブラムとナホルはつまをめとった。アブラムのつまはサライといい、ナホルのつまはミルカといってハランのむすめである。ハランはミルカのちち、またイスカのちちである。

11:30 サライはうまずめで、がなかった。

11:31 テラはそのアブラムと、ハランのであるまごロトと、アブラムのつまであるよめサライとをれて、カナンのこうとカルデヤのウルをたが、ハランにいてそこにんだ。

11:32 テラのとしは二百五さいであった。テラはハランでんだ。 

第12章 

12:1 ときしゅはアブラムにわれた、「あなたはくにて、親族しんぞくわかれ、ちちいえはなれ、わたしがしめきなさい。

12:2 わたしはあなたをおおいなる国民こくみんとし、あなたを祝福しゅくふくし、あなたのおおきくしよう。あなたは祝福しゅくふくもといとなるであろう。

12:3 あなたを祝福しゅくふくするものをわたしは祝福しゅくふくし、あなたをのろうものをわたしはのろう。のすべてのやからは、あなたによって祝福しゅくふくされる」。

12:4 アブラムはしゅわれたようにいでった。ロトもかれともった。アブラムはハランをたとき七十五さいであった。

12:5 アブラムはつまサライと、おとうとロトと、あつめたすべての財産ざいさんと、ハランで人々ひとびととをたずさえてカナンにこうとしていでち、カナンのにきた。

12:6 アブラムはそのとおってシケムのところ、モレのテレビンののもとにいた。そのころカナンびとがそのにいた。

12:7 ときしゅはアブラムにあらわれてわれた、「わたしはあなたの子孫しそんにこのあたえます」。アブラムはかれあらわれたしゅのために、そこに祭壇さいだんきずいた。

12:8 かれはそこからベテルのひがしやまうつって天幕てんまくった。西にしにはベテル、ひがしにはアイがあった。そこにかれしゅのために祭壇さいだんきずいて、しゅんだ。

12:9 アブラムはなおすすんでネゲブにうつった。

12:10 さて、そのにききんがあったのでアブラムはエジプトに寄留きりゅうしようと、そこにくだった。ききんがそのはげしかったからである。

12:11 エジプトにはいろうとして、そこにちかづいたとき、かれつまサライにった、「わたしはあなたがうつくしいおんなであるのをっています。

12:12 それでエジプトびとがあなたをとき、これはかれつまであるとってわたしをころし、あなたをかしておくでしょう。

12:13 どうかあなたは、わたしのいもうとだとってください。そうすればわたしはあなたのおかげで無事ぶじであり、わたしのいのちはあなたによってたすかるでしょう」。

12:14 アブラムがエジプトにはいったときエジプトびとはこのおんなて、たいそううつくしいひとであるとし、

12:15 またパロの高官こうかんたちも彼女かのじょてパロのまえでほめたので、おんなはパロのいえれられた。

12:16 パロは彼女かのじょのゆえにアブラムをあつくもてなしたので、アブラムはおおくのひつじうし雌雄しゆうのろば、男女だんじょ奴隷どれいおよび、らくだをた。

12:17 ところでしゅはアブラムのつまサライのゆえに、はげしい疫病えきびょうをパロとそのいえくだされた。

12:18 パロはアブラムをせてった、「あなたはわたしになんということをしたのですか。なぜ彼女かのじょつまであるのをわたしにげなかったのですか。

12:19 あなたはなぜ、彼女かのじょはわたしのいもうとですとったのですか。わたしは彼女かのじょつまにしようとしていました。さあ、あなたのつまはここにいます。れてってください」。

12:20 パロはかれことについて人々ひとびとめいじ、かれとそのつまおよびそのすべてのものおくらせた。 

第13章 

13:1 アブラムはつまとすべてのものたずさえ、エジプトをて、ネゲブにのぼった。ロトもかれとものぼった。

13:2 アブラムは家畜かちく金銀きんぎん非常ひじょうんでいた。

13:3 かれはネゲブから旅路たびじすすめてベテルにかい、ベテルとアイのあいだの、さきに天幕てんまくったところった。

13:4 すなわちかれはじめにきずいた祭壇さいだんところき、そのところでアブラムはしゅんだ。

13:5 アブラムとともったロトもひつじうしおよび天幕てんまくっていた。

13:6 そのかれらをささえてともませることができなかった。かれらの財産ざいさんおおかったため、ともめなかったのである。

13:7 アブラムの家畜かちく牧者ぼくしゃたちとロトの家畜かちく牧者ぼくしゃたちのあいだあらそいがあった。そのころカナンびととペリジびとがそのんでいた。

13:8 アブラムはロトにった、「わたしたちは身内みうちものです。わたしとあなたのあいだにも、わたしの牧者ぼくしゃたちとあなたの牧者ぼくしゃたちのあいだにもあらそいがないようにしましょう。

13:9 ぜんはあなたのまえにあるではありませんか。どうかわたしとわかれてください。あなたがひだりけばわたしはみぎきます。あなたがみぎけばわたしはひだりきましょう」。

13:10 ロトがげてヨルダンの低地ていちをあまねくわたすと、しゅがソドムとゴモラをほろぼされるまえであったから、ゾアルまでしゅそののように、またエジプトののように、すみずみまでよくうるおっていた。

13:11 そこでロトはヨルダンの低地ていちをことごとくえらびとってひがしうつった。こうしてかれらはたがいわかれた。

13:12 アブラムはカナンのんだが、ロトは低地ていち町々まちまちみ、天幕てんまくをソドムにうつした。

13:13 ソドムの人々ひとびとはわるく、しゅたいして、はなはだしいつみびとであった。

13:14 ロトがアブラムにわかれたのちに、しゅはアブラムにわれた、「をあげてあなたのいるところからきたみなみひがし西にしわたしなさい。

13:15 すべてあなたがわたすは、永久えいきゅうにあなたとあなたの子孫しそんあたえます。

13:16 わたしはあなたの子孫しそんのちりのようにおおくします。もしひとのちりをかぞえることができるなら、あなたの子孫しそんかぞえられることができましょう。

13:17 あなたはって、そのをたてよこにめぐりなさい。わたしはそれをあなたにあたえます」。

13:18 アブラムは天幕てんまくうつしてヘブロンにあるマムレのテレビンののかたわらにみ、そのところしゅ祭壇さいだんきずいた。 

第14章 

14:1 シナルのおうアムラペル、エラサルのおうアリオク、エラムのおうケダラオメルおよびゴイムのおうテダルのに、

14:2 これらのおうはソドムのおうベラ、ゴモラのおうビルシャ、アデマのおうシナブ、ゼボイムのおうセメベル、およびベラすなわちゾアルのおうたたかった。

14:3 これら五にんおうはみな同盟どうめいしてシデムのたに、すなわちしおうみかってった。

14:4 すなわちかれらは十二ねんあいだケダラオメルにつかえたが、十三ねんにそむいたので、

14:5 十四ねんにケダラオメルはかれ連合れんごうしたおうたちとともにきて、アシタロテ・カルナイムでレパイムびとを、ハムでズジびとを、シャベ・キリアタイムでエミびとをち、

14:6 セイルの山地さんちでホリびとをって、荒野あらののほとりにあるエル・パランにおよんだ。

14:7 かれらはかえしてエン・ミシパテすなわちカデシへって、アマレクびとのくにをことごとくち、またハザゾン・タマルにむアモリびとをもった。

14:8 そこでソドムのおう、ゴモラのおう、アデマのおう、ゼボイムのおうおよびベラすなわちゾアルのおうてシデムのたにかれらにかい、たたかいのじんをしいた。

14:9 すなわちエラムのおうケダラオメル、ゴイムのおうテダル、シナルのおうアムラペル、エラサルのおうアリオクの四にんおうたいする五にんおうであった。

14:10 シデムのたににはアスファルトのあなおおかったので、ソドムのおうとゴモラのおうげてそこにちたが、のこりのものやまにのがれた。

14:11 そこでかれらはソドムとゴモラの財産ざいさん食料しょくりょうとをことごとくうばってり、

14:12 またソドムにんでいたアブラムのおとうとロトとその財産ざいさんうばってった。

14:13 ときに、ひとりのひとがのがれてきて、ヘブルびとアブラムにげた。このときアブラムはエシコルの兄弟きょうだい、またアネルの兄弟きょうだいであるアモリびとマムレのテレビンののかたわらにんでいた。かれらはアブラムと同盟どうめいしていた。

14:14 アブラムは身内みうちもの捕虜ほりょになったのをき、訓練くんれんしたいえ三百十八にんれてダンまでってき、

14:15 そのしもべたちをけて、よるかれらをめ、これをってダマスコのきた、ホバまでかれらをった。

14:16 そしてかれはすべての財産ざいさんかえし、また身内みうちものロトとその財産ざいさんおよびおんなたちとたみとをかえした。

14:17 アブラムがケダラオメルとその連合れんごうおうたちをやぶってかえったとき、ソドムのおうはシャベのたに、すなわちおうたにかれむかえた。

14:18 そのとき、サレムのおうメルキゼデクはパンとぶどうしゅとをってきた。かれはいとたかかみ祭司さいしである。

14:19 かれはアブラムを祝福しゅくふくしてった、

ねがわくは天地てんちしゅなるいとたかかみが、アブラムを祝福しゅくふくされるように。

14:20 ねがわくはあなたのてきをあなたのわたされたいとたかかみがあがめられるように」。

アブラムはかれにすべてのものの十ぶんの一をおくった。

14:21 ときにソドムのおうはアブラムにった、「わたしにはひとをください。財産ざいさんはあなたがりなさい」。

14:22 アブラムはソドムのおうった、「天地てんちしゅなるいとたかかみしゅをあげて、わたしはちかいます。

14:23 わたしはいとぽんでも、くつひも一ぽんでも、あなたのものはなににもけません。アブラムをませたのはわたしだと、あなたがわないように。

14:24 ただし若者わかものたちがすでにべたものべつです。そしてわたしとともった人々ひとびとアネルとエシコルとマムレとにはそのぶんらせなさい」。 

第15章 

15:1 これらのことのちしゅ言葉ことばまぼろしのうちにアブラムにのぞんだ、

「アブラムよおそれてはならない、わたしはあなたのたてである。あなたのけるむくいは、はなはだおおきいであろう」。

15:2 アブラムはった、「しゅなるかみよ、わたしにはがなく、わたしのいえものはダマスコのエリエゼルであるのに、あなたはわたしになにをくださろうとするのですか」。

15:3 アブラムはまたった、「あなたはわたしにたまわらないので、わたしのいえうまれたしもべが、あとつぎとなるでしょう」。

15:4 このときしゅ言葉ことばかれのぞんだ、「このものはあなたのあとつぎとなるべきではありません。あなたのからものがあとつぎとなるべきです」。

15:5 そしてしゅかれそとしてわれた、「てんあおいで、ほしかぞえることができるなら、かぞえてみなさい」。またかれわれた、「あなたの子孫しそんはあのようになるでしょう」。

15:6 アブラムはしゅしんじた。しゅはこれをかれみとめられた。

15:7 またしゅかれわれた、「わたしはこのをあなたにあたえて、これをがせようと、あなたをカルデヤのウルからみちびしたしゅです」。

15:8 かれった、「しゅなるかみよ、わたしがこれをぐのをどうしてることができますか」。

15:9 しゅかれわれた、「三さい雌牛めうしと、三さいやぎと、三さい雄羊おひつじと、やまばとと、いえばとのひなとをわたしのところれてきなさい」。

15:10 かれはこれらをみなれてきて、二つにき、いたものをたがいかいわせていた。ただし、とりかなかった。  

15:11 あらとり死体したいうえりるとき、アブラムはこれをはらった。

15:12 るころ、アブラムがふかねむりにおそわれたときおおきなおそろしいくらやみがかれのぞんだ。

15:13 ときしゅはアブラムにわれた、「あなたはよくこころにとめておきなさい。あなたの子孫しそんくにたびびととなって、その人々ひとびとつかえ、その人々ひとびとかれらを四百ねんあいだなやますでしょう。

15:14 しかし、わたしはかれらがつかえたその国民こくみんをさばきます。そののちかれらはおおくの財産ざいさんたずさえてるでしょう。

15:15 あなたはやすらかに先祖せんぞのもとにきます。そして高齢こうれいたっしてほうむられるでしょう。

15:16 四だいになってかれらはここにかえってるでしょう。アモリびとのあくがまだちないからです」。

15:17 やがてり、くらやみになったときけむりつかまど、ほのおるたいまつが、いたもののあいだとおぎた。

15:18 そのしゅはアブラムと契約けいやくむすんでわれた、

「わたしはこのをあなたの子孫しそんあたえる。エジプトのかわから、かの大川おおかわユフラテまで。

15:19 すなわちケニびと、ケニジびと、カドモニびと、

15:20 ヘテびと、ペリジびと、レパイムびと、

15:21 アモリびと、カナンびと、ギルガシびと、エブスびとのあたえる」。